JP2002060339A - 高甘味度甘味料含有組成物およびその利用 - Google Patents

高甘味度甘味料含有組成物およびその利用

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soluble vitamin
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Mitsunori Tanabe
光徳 田辺
Kunihiko Yokota
圀彦 横田
Hiroshi Kasai
博 笠井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】不快な風味を矯味した水溶性ビタミン含有組成
物の提供。 【解決手段】不快な風味を有する水溶性ビタミン及びア
セスルファムカリウムを含有する組成物。更にこれにス
テビア抽出物を含有する組成物。アセスルファムカリウ
ム:ステビア抽出物の重量比は3:1〜1:3で、両者
の合計含有量が0.05〜5%(w/w)であり、不快
な風味を有する水溶性ビタミンを1〜80%(w/w)
含有する組成物。不快な風味を有する水溶性ビタミン
が、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリ
ウム、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ビタミンB
類、リボフラビン及びそのリン酸エステルナトリウ
ム、リボフラビン酪酸エステル、パントテン酸、パント
テン酸ナトリウム並びにパントテン酸カルシウムからな
る群から選ばれた1種又は2種以上である組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不快な風味を矯味
した水溶性ビタミン含有組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビ
ン酸カルシウムおよびニコチン酸などの水溶性ビタミン
は不快な風味を有する。製剤分野において、水溶性ビタ
ミンの不快な風味に限らず薬剤の苦味などの不快な風味
をマスキングする技術としては、錠剤にフィルムコーテ
ィングや糖衣コーティングを施すなどの方法がある。し
かし、例えば、水なしでも服用できるという利便性から
近年注目されているチュアブル剤は咀嚼して服用するの
で上記技術は適用できない。このことは、口腔内で溶か
して服用するトローチ剤などの他の口腔用製剤について
も同様である。また、顆粒剤や粉末剤についても上記技
術の適用は困難である。
【0003】口腔用製剤を矯味する技術としては、砂糖
またはブトウ糖による甘味付与が挙げられるが、これら
を使用してタブレット、チュアブル錠などに甘味を付与
する場合、タブレット等に対し80%(w/w)以上の
量を添加する必要がある。このような多量の添加では他
の添加または強化したい成分が制限されてしまう。また
結晶状態の砂糖、ブトウ糖などを使用する場合、錠剤硬
度が不十分であるなどの欠点がある。すなわち、結晶状
態のものを一端破砕し、錠剤適性に合わせて造粒して使
用しなければならないなど操作が複雑になり、経済的で
ない。また、その打錠性、品質安定性(例、成分の安
定、外観の安定、吸湿の安定)などに問題が生じる。
【0004】一方、高甘味料でも、それぞれの甘味料の
性質により、打錠性、品質安定性(例、成分の安定、外
観の安定、吸湿の安定)および風味等に一長一短があ
る。例えば、アルパルテームおよび甘草抽出物(グリチ
ルリチン酸)の場合、甘味付与の点では、それなりの効
果を期待できるが甘味の後味が口中で長く持続する。ま
たアスパルテームは製品中の成分が熱に対し不安定で、
かつ保存により褐変し、外観が悪くなり、不安定で、商
品としての価値がなくなる。また、発明者らの実験で
は、例えばソーマチンは甘味は付与するものの、水溶性
ビタミンの不快な風味は矯味されなかった。
【0005】このような口腔用製剤において特に水溶性
ビタミンの不快な風味を矯味する技術として、特開20
00−159691号には、不快な味を有する水溶性ビ
タミン、メントールおよび甘味剤を含有する経口用固形
製剤が記載されており、特開2000−103746号
には、苦味を有する水溶性ビタミン類、アスパルテーム
および水溶性糖類を含むチュアブル剤が記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不快な風味
を矯味した新たな水溶性ビタミン含有組成物、特に、不
快な風味が矯味され、かつ成分の安定性に優れ、外観色
の変化が無く、吸湿が少ない新たな水溶性ビタミン含有
錠剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、アセスルファムカ
リウムによって、また、特に好適にはアセスルファムカ
リウムとステビア抽出物との併用によって、水溶性ビタ
ミンの不快な風味を矯味できるとともに、成分の安定性
に優れ、外観色の変化が無く、吸湿が少ない水溶性ビタ
ミン含有錠剤が得られることを見出し、本発明の完成に
至った。
【0008】すなわち本発明は、(1)不快な風味を有
する水溶性ビタミンおよびアセスルファムカリウムを含
有する組成物、(2)さらにステビア抽出物を含有する
上記(1)記載の組成物、(3)アセスルファムカリウ
ム:ステビア抽出物の重量比が3:1〜1:3である上
記(2)記載の組成物、(4)不快な風味を有する水溶
性ビタミンを1〜80%(w/w)含有する上記(1)
〜(3)いずれか1項記載の組成物、(5)アセスルフ
ァムカリウムとステビア抽出物との合計含有量が0.0
5〜5%(w/w)である上記(1)〜(4)いずれか
1項記載の組成物、(6)不快な風味を有する水溶性ビ
タミンが、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸
ナトリウム、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ビタミン
1類、リボフラビンおよびそのリン酸エステルナトリ
ウム、リボフラビン酪酸エステル、パントテン酸、パン
トテン酸ナトリウムならびにパントテン酸カルシウムか
らなる群から選ばれた1種または2種以上の水溶性ビタ
ミンである上記(1)〜(5)いずれか1項記載の組成
物、(7)口腔用製剤である上記(1)〜(6)いずれ
か1項記載の組成物、(8)錠剤、粉末または顆粒の剤
型である上記(7)記載の組成物、を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】不快な風味を有する水溶性ビタミ
ンとしては、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン
酸ナトリウム、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ビタミ
ンB1類、リボフラビンおよびそのリン酸エステルナト
リウム、リボフラビン酪酸エステル、パントテン酸、パ
ントテン酸ナトリウムならびにパントテン酸カルシウム
などの不快な風味を有する水溶性ビタミンが挙げられ
る。これらは単独で、または2種以上を併用して用いる
ことができる。不快な風味とは、例えば、苦味、エグ味
または渋味などの水溶性ビタミン含有組成物の服用を忌
避させうる味をいう。本発明の水溶性ビタミン含有組成
物における不快な風味を有する水溶性ビタミンの含有量
は、製品の用途・目的に応じて選択することができる
が、好適には1〜80%(w/w)、より好適には10
〜60%(w/w)である。
【0010】アセスルファムカリウムは、その製造法等
について例えば特公昭59−7711号に記載されてい
る公知の甘味料であり、例えば市販のサネット(商品
名)(武田薬品工業株式会社販売)で入手可能である。
アセスルファムカリウムの含有量は、目的の矯味効果、
味質が得られるように適宜選択でき、上記水溶性ビタミ
ンの種類および含有量などに応じて異なるが、好適には
0.05〜5.0%(w/w)である。
【0011】さらに、上記アセスルファムカリウムに加
えて本発明の組成物にステビア抽出物を含有させること
により味質をさらに改善することもできる。ステビアも
公知の甘味料で、南米原産菊科植物Stevia rebaudiana
BERTONIの葉部から抽出、精製され、その甘味成分はジ
テルペン配糖体であるステビオサイドおよびレバウディ
オサイド類である。また、これらにグルコースを酵素で
糖転移させた酵素処理物もある。本発明においては、St
evia rebaudiana BERTONIの葉乾燥物の粉砕物ならびに
上記の抽出物、精製物および酵素処理物のいずれをもス
テビア抽出物として用いることができ、それらを単独ま
たは組み合わせて使用してもよい。アセスルファムカリ
ウム:ステビア抽出物の比は、好適には3:1〜1:3
である。また、アセスルファムカリウムとステビア抽出
物との合計含有量も、上記アセスルファムカリウム単独
の場合と同様に適宜選択できるが、好適には0.05〜
5.0%(w/w)である。
【0012】本発明の組成物は、特に限定するものでは
ないが、各種ビタミン剤、医薬品、健康食品および栄養
補助食品などの食品、動物用医薬品、動物用飼料等を包
含する。特に、風味を改良するため、口腔用製剤が好ま
しい。口腔用製剤とは、チュアブル剤、口腔内速崩壊
錠、口腔内速溶解錠、トローチ剤、ドロップ剤および舌
下剤など、口腔内に入れることを意図する剤型であり、
水溶性ビタミンの不快な風味を感じさせうるあらゆる剤
型をいう。
【0013】本発明の組成物は、上記水溶性ビタミン以
外に、不快な風味を有しない水溶性ビタミンや脂溶性ビ
タミン、アミノ酸、オリゴ糖等を含有していてもよい。
また、必要により、医薬品添加物辞典(薬事日報社刊、
1994年1月14日発行)および医薬品添加剤要覧
(薬事時報社刊、平成4年11月25日発行)、実用天
然添加物(食品化学新聞社刊、昭和56年1月10日発
行)、第十三改正日本薬局方−条文と注釈−(株式会社
広川書店刊、平成8年4月15日発行)、第7版食品添
加物公定書解説書(株式会社広川書店刊、平成11年6
月9日発行)等に記載の成分、例えば結合剤(例、結晶
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、崩壊剤
(例、デンプン)、滑沢剤(例、ステアリン酸カルシウ
ム)、賦形剤(例、乳糖、デンプン)、着色剤、甘味料
(例、甘草抽出物、パラチニット、エリスリトール)、
香料、酸味量等を含有させてもよい。
【0014】本発明の組成物の製造方法は、水溶性ビタ
ミン、アセスルファムカリウムまたはアセスルファムカ
リウムとステビア抽出物とを所定量配合できる方法であ
れば特に限定されず、剤型に応じて様々な方法を選択す
ることができる。例えば、顆粒剤の場合、不快な風味を
有する水溶性ビタミン、アセスルファムカリウム、ステ
ビア抽出物および結合剤の混合、湿式造粒、乾燥、整粒
および篩過を行う方法などにより製造できる。また、例
えば錠剤の場合、水溶性ビタミン、アセスルファムカリ
ウム、ステビア抽出物および結合剤の混合、造粒、乾
燥、調粒、滑沢剤混合および圧縮打錠を行う方法などに
より製造できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、これに限定されるものではない。 実施例1 下記の製造方法によって、次の3種類の組成(組成A、
BおよびC)のビタミンCチュアブル錠(1200mg
/錠)を製造した。
【表1】
【0016】ビタミンCチュアブル錠の製造方法 1.ビタミンB2酪酸エステル、矯味剤、矯臭剤、乳糖
を予め60メッシュの篩に通した。 2.ハイスピードミキサーに顆粒状であるC−97、C
・Cal−97および結合剤を入れ、低速で1分間混合
した。 3.上記2の混合物中に上記1の倍散した粉末を入れ、
中速で1分間混合した。 4.滑沢剤を入れ、低速で1〜2分間混合し、混合物を
取り出して打錠圧1.4トンで打錠した。
【0017】実施例2 実施例1のビタミンCチュアブル錠と同様の製造方法に
よって、次の3種類の組成(組成D、EおよびF)の水
溶性ビタミンコンプレックスチュアブル錠(800mg
/錠)を製造した。
【0018】
【0019】実施例3 実施例1および2で製造した、それぞれ組成A〜Fを有
する試料A〜Fの官能検査を行った。 官能検査の方法 パネル:研究室の関係者10名(男子6名、女子4名)
により、プロファイル法により評価した。 試料:白色皿に試料検体1個ずつを入れ、各パネルごと
に並び替え、テーブルに並べ、実施例1の3検体(試料
A〜C)および実施例2の3検体(試料D〜F)につい
て別個に評価した。 評価内容:甘味強さ・質、甘味の口中における感じ方、
苦味の程度について評価した。 その結果を表3および表4に示す。
【0020】
【0021】表3に示した通り、試料Bの評価が最も良
く、ついで試料Aが良く、試料C(比較試料)の評価は
良くなかった。
【0022】
【0023】表4に示した通り、試料Eの評価が最も良
く、ついで試料Dが良く、試料F(比較試料)の評価は
良くなかった。
【発明の効果】本発明によると、水溶性ビタミンの不快
な風味を矯味した新たな水溶性ビタミン含有組成物、特
に、不快な風味が矯味され、かつ成分の安定性に優れ、
外観色の変化が無く、吸湿性が少ない新たな水溶性ビタ
ミン含有錠剤を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月13日(2000.9.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 高甘味度甘味料含有組成物およ
びその利用
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 9/20 A61K 9/20 31/375 31/375 31/455 31/455 31/51 31/51 31/525 31/525 47/22 47/22 47/36 47/36 A61P 3/02 101 A61P 3/02 101 105 105 106 106 107 107 Fターム(参考) 4B018 LE01 LE02 LE03 MD18 MD23 MD25 MD61 4C076 AA29 AA31 AA36 BB01 CC24 DD61T DD66T GG14 4C086 AA01 AA02 BA18 BC19 BC83 CB09 MA01 MA05 MA35 MA41 MA43 NA09 ZC24 ZC25 ZC26 ZC28 4C206 AA01 AA02 GA36 MA01 MA05 MA14 MA28 MA55 MA61 MA63 MA72 NA09 ZC24 ZC25 ZC26 ZC28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不快な風味を有する水溶性ビタミンおよ
    びアセスルファムカリウムを含有する組成物。
  2. 【請求項2】 さらにステビア抽出物を含有する請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 アセスルファムカリウム:ステビア抽出
    物の重量比が3:1〜1:3である請求項2記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 不快な風味を有する水溶性ビタミンを1
    〜80%(w/w)含有する請求項1〜3いずれか1項
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】 アセスルファムカリウムとステビア抽出
    物との合計含有量が0.05〜5%(w/w)である請
    求項1〜4いずれか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】 不快な風味を有する水溶性ビタミンが、
    アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウ
    ム、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ビタミンB1類、
    リボフラビンおよびそのリン酸エステルナトリウム、リ
    ボフラビン酪酸エステル、パントテン酸、パントテン酸
    ナトリウムならびにパントテン酸カルシウムからなる群
    から選ばれた1種または2種以上の水溶性ビタミンであ
    る請求項1〜5いずれか1項記載の組成物。
  7. 【請求項7】 口腔用製剤である請求項1〜6いずれか
    1項記載の組成物。
  8. 【請求項8】 錠剤、粉末または顆粒の剤型である請求
    項7記載の組成物。
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