JP2002058445A - イネ若葉中のγ−アミノ酪酸含量を高める方法 - Google Patents

イネ若葉中のγ−アミノ酪酸含量を高める方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血圧降下作用を有するGABAを高濃度で有
するイネ科植物の乾燥粉末、搾汁、搾汁粉末を提供する
こと。 【解決手段】 イネ科植物を嫌気処理及び/又は20℃
〜50℃で保温処理する。そして得られたイネ科植物を
原料として、γ−アミノ酪酸含量の高いイネ科植物の乾
燥粉末、搾汁、搾汁粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イネ科植物のγ−
アミノ酪酸(以下、GABAという)含量を高める方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】GABAは、血圧降下作用を有すること
から、高血圧症の人々のためにGABAを多く含有する
食品が検討されている。例えば、従来から、お茶の製造
過程で、摘採した茶葉を嫌気条件に置き、茶葉中にGA
BAを多量に蓄積させたいわゆるギャバロン茶が知られ
ている。特開平8−173111号公報には、コーヒー
生葉を無酸素状態で処理後110℃以上の高温で熱処
理、乾燥処理をする方法でGABA濃度の高いコーヒー
葉茶を得たことが記載されている。さらに、特開平9−
205989号公報には、茶葉に赤外線を照射してGA
BAの含量を向上させることが記載されている。
【0003】他方、麦類を代表とするイネ科植物の緑葉
は、ビタミン類、不溶性食物繊維に富み、有害物質の吸
着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後
血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドディスムター
ゼ(SOD)の活性化などの効果を有する健康食品とし
て注目を浴びているが、GABAも豊富に含有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】出発材料であるイネ科
植物自体のGABA含量が高ければ、それらの加工品の
GABA含量も高くなる。そこで、イネ科植物自体のG
ABA含量を高めることが望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、イネ科植物
に含まれるGABA含量を高めることを目的として、イ
ネ科植物の処理方法について鋭意検討したところ、驚く
べきことにイネ科植物を適切な温度で保温処理するか、
嫌気処理するか、これらの処理を組み合わせて、それら
の緑葉中のGABA含量を高めることができることを見
出し、本発明を完成させたものである。
【0006】すなわち、本発明は、イネ科植物(麦類を
除く)を嫌気処理及び/又は20℃〜50℃で保温処理
することを特徴とする、イネ科植物中のγ−アミノ酪酸
含量を高める方法に関する。
【0007】より好ましくは、前記嫌気処理及び/又は
20℃〜50℃の保温処理が30分間〜24時間であ
る。
【0008】また、本発明は、上記製造方法によりγ−
アミノ酪酸含量を高めたイネ科植物(麦類を除く)に関
する。
【0009】本発明はさらに、上記方法により、γ−ア
ミノ酪酸含量を高めたイネ科植物(麦類を除く)を乾
燥、粉砕処理してγ−アミノ酪酸含量を高めたイネ科植
物(麦類を除く)の乾燥粉末を製造する方法、搾汁処理
して搾汁を製造する方法、その搾汁をさらに噴霧乾燥又
は凍結乾燥してγ−アミノ酪酸含量を高めたイネ科植物
(麦類を除く)の搾汁粉末を製造する方法に関する。
【0010】本発明はまた、γ−アミノ酪酸を乾燥重量
換算で500mg/100g以上含有するイネ科植物
(麦類を除く)の乾燥粉末、γ−アミノ酪酸を乾燥重量
換算で800mg/100g以上含有するイネ科植物
(麦類を除く)の搾汁またはその乾燥粉末に関する。
【0011】本発明はまた、γ−アミノ酪酸を乾燥重量
換算で500mg/100g以上含有するイネ科植物
(麦類を除く)またはイネ科植物(麦類を除く)の乾燥
粉末に関する。
【0012】本発明は、さらに、上記方法により得られ
るγ−アミノ酪酸含量を高めたイネ科植物緑葉、その乾
燥粉末、または搾汁もしくはその乾燥粉末に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本明細書において、イネ科植物と
は、イネ科植物の葉および/または茎を意味する。な
お、特に断らない限り、本明細書において、以下、イネ
科植物というときには、大麦、小麦、らい麦、えん麦な
どの麦類を除くものとする。
【0014】本発明におけるイネ科植物の原料として
は、コシヒカリ、ササニシキなど種々の品種のイネ、イ
タリアライグラス、あわ、笹、ひえ、きび、とうもろこ
し、ソルガム、またはさとうきび等の葉、特に緑葉が好
ましく用いられる。これらのイネ科植物の緑葉は、分け
つ開始期ないし出穂開始前期に収穫されたような若葉で
あることが好ましい。
【0015】以下、イネ科植物の緑葉(以下、単に緑葉
ということがある)を例に説明するが、茎なども適用さ
れることはいうまでもない。
【0016】収穫された緑葉は、水等で洗浄し、水気を
切って、そのまま処理するか、あるいは適切な長さ(例
えば10cm)に切断し、緑葉中のGABAが増加する
ように嫌気処理もしくは保温処理、またはそれらを組み
合わせて処理(GABA富化処理)する。
【0017】緑葉を細片化または搾汁した後にGABA
富化処理することもできる。細片化は、ジューサー、ブ
レンダー、ミキサー、マスコロイダー等で処理して行わ
れる。搾汁は、緑葉を直接か、あるいは細片化後、圧搾
することにより、そしてさらにそれらを遠心またはろ過
することにより得られる。
【0018】嫌気処理は、ほとんど酸素を含まないか無
酸素の気体で処理することを意味する。真空状態も含
む。気体としては、二酸化炭素ガス、窒素ガスが好まし
く用いられる。嫌気処理の温度は、約20〜50℃が好
ましく、約30〜45℃がより好ましく、40℃前後が
最も好ましい。
【0019】嫌気処理及び/又は保温処理の時間は10
分から24時間が好ましく、1〜6時間がより好まし
い。嫌気処理及び/又は保温処理の温度は、約20〜5
0℃が好ましく、約30〜45℃がより好ましく、40
℃前後が最も好ましい。20℃に満たないか50℃を超
えるとGABAの含量が上がりにくい。
【0020】保温処理の方法は問わない。温水処理、赤
外線照射処理、インキュベーター処理等が挙げられる。
【0021】このようにして得られたイネ科植物緑葉
は、処理していないものに比べてGABAの含量が2倍
以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上、
高められている。
【0022】GABA富化処理によって得られたGAB
A含量を高めたイネ科植物の緑葉(以下、GABA富化
処理緑葉という)は乾燥粉末(緑葉乾燥粉末)、搾汁又
はその乾燥粉末(搾汁粉末)として利用できる。
【0023】GABA富化処理を施した緑葉は、そのま
ま搾汁、乾燥、粉砕などの処理を施してもよい。しか
し、変色、変質等が生じやすいため一般的には、加工処
理の任意の段階において、加工品の変色、変質等の原因
となり得る酵素を不活性化させるための加熱処理(方法
は問わない。例えば、煮る、蒸す、熱風処理、電磁波処
理等)、好ましくは、さらに急冷処理が行われる。
【0024】マイクロウェーブ処理は、イネ科植物の褪
色に関与する酵素が失活するか、加熱により緑色が失わ
れない範囲で行なえばよい。そのような範囲は、マイク
ロウエーブ照射装置の出力、マイクロウエーブの波長、
照射時間などにより適宜調節できる。例えば、背丈が約
30cmで刈り取ったイネの緑葉100g(湿重量)あ
たり、2450MHz、500Wのマイクロウエーブを
当てる場合は、0.5〜10分、好ましくは0.5〜5
分、より好ましくは0.5〜1分処理する。0.5分に
満たないと酵素の失活が不十分で、褪色しやすくなる。
また、10分以上処理すると褪色し、GABAも減少す
る傾向にある。
【0025】約1分以内のマイクロウエーブ処理の場
合、GABA含量が増加するが、処理時間が長くなるに
従い、GABA含量は減少する。しかし、減少したとし
ても、5分の処理であってもなお、GABAが70%以
上は残存し、熱水処理するよりもはるかにGABAの含
量は高い。
【0026】また、緑葉加工品の緑色の褪色変化を防ぐ
ために、必要に応じて、加工処理前の緑葉にアルカリ性
水溶液を付着させてもよい。さらに搾汁粉末の場合は、
搾汁にアルカリ性水溶液を添加する等の手段によって搾
汁のpHを6〜9の範囲に調整することができる。
【0027】イネ科植物緑葉の乾燥粉末は、GABA富
化処理したイネ科植物緑葉を水分量が10%以下、好ま
しくは5%以下となるように乾燥し、さらに粉末化して
得ることができる。
【0028】乾燥の方法は熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電
磁波乾燥、凍結乾燥など、あらゆる乾燥法を用いること
ができる。乾燥は、できるだけ低温で行うのが良く、加
熱して乾燥する場合でも、例えば50〜80℃、好まし
くは55〜65℃で行うのが良い。
【0029】粉砕は既知の方法に従い、例えば、クラッ
シャー、ミル、ブレンダー、石臼などの機械で行うこと
ができる。
【0030】このようにして得られたイネ科植物緑葉の
乾燥粉末も、GABA富化処理を施していない緑葉から
得られた緑葉乾燥粉末と比較して、2倍、好ましくは3
倍、より好ましくは5倍以上のGABAを含んでいる。
【0031】イネ科植物緑葉の搾汁および搾汁粉末は、
GABA富化処理緑葉を搾汁して、そしてさらにそれを
乾燥粉末化して得ることができる。
【0032】搾汁は、必要に応じて水を加えた後、既知
の方法に従って、例えば、ミキサー、ジューサー等によ
り機械的に破砕し、さらに遠心分離、ろ過等によって行
われる。
【0033】このようにして得られる搾汁は、噴霧乾燥
又は凍結乾燥することによって粉末化する。
【0034】さらに、搾汁は、デキストリン、シクロデ
キストリン、デンプン、マルトース等の賦形剤等を添加
した後、噴霧乾燥又は凍結乾燥することもできる。
【0035】なお、これらイネ科植物緑葉の加工品(乾
燥粉末、搾汁、および搾汁粉末)は、必要に応じて、既
知の方法により殺菌処理を行うことができる。
【0036】このようにして得られたイネ科植物緑葉の
乾燥粉末に含まれるGABAの量は、GABA富化処理
を施していないものより多く、通常500mg/100
g、好ましくは800mg/100g、より好ましくは
1000mg/100g以上のGABAを含む。通常、
イネ科植物の緑葉に含まれるGABAの含量は約100
〜300mg/100gであるから、500mg/10
0g以上のGABAを含有するイネ科植物緑葉の乾燥粉
末は新規である。
【0037】このようにして得られたイネ科植物緑葉の
搾汁および搾汁粉末に含まれるGABAの量は、GAB
A富化処理を施していないものよりも多く、乾燥重量換
算で800mg/100g、好ましくは1000mg/
100g、より好ましくは1500mg/100g、さ
らにより好ましくは2000mg/100g以上であ
る。GABA富化処理していないイネ科植物緑葉の搾汁
および搾汁粉末に含まれるGABAの濃度は、通常、乾
燥重量換算で、200〜600mg/100g程度であ
る。
【0038】得られたイネ科植物の乾燥粉末、搾汁、お
よび搾汁粉末は、緑色の保持の有無に係わらず、そのま
ま飲食に供することができる。ブランチング処理を施さ
ない場合、緑色を保持できない場合があるが、飲食物と
して用いる場合は、加熱処理等のブランチング処理を施
してして緑色を保持したものが、風味、味、外観、保存
の点から好ましい。飲食に供する場合、賦形剤、増量
剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加
物、調味料等と混合し、用途に応じて粉末、顆粒、錠剤
等の形態に成形することもでき、さらに、各種の飲食品
に配合して飲食に供することができる。
【0039】また、本発明の方法により製造されるイネ
科植物緑葉、その搾汁ならびにそれらの乾燥粉末は、G
ABAを高濃度で含有するため、緑色の保持の有無に係
わらず、GABAの抽出精製の原料としても好ましく用
いられる。必要に応じて精製し、GABAの純品を得る
ことも可能である。
【0040】
【実施例】(実施例1)草丈約30cmのイネ(コシヒ
カリ)の緑葉(イネ若葉)を採取し、水洗いして約10
cmに細断したイネ若葉(約100g)を用いた。
【0041】このイネ若葉を、インキュベーター内で温
風にて表1に記載の温度で1時間保温処理した後、アミ
ノ酸自動分析器を用いて、以下の条件でγ−アミノ酪酸
(GABA)を測定した。 <アミノ酸自動分析計操作条件> 機 種:JLC−500/V(日本電子株式会社) カラム:LCR−6,4mm×90mm(日本電子株式会社) 移動相:クエン酸リチウム緩衝液(日本電子株式会社) P−21(pH 2.98, Li 0.105 mol/l) 0→16.3 min P−12(pH 3.28, Li 0.26 mol/l) 16.3→36.1 min P−13(pH 3.46, Li 0.80 mol/l) 36.1→56.0 min P−14(pH 2.83, Li 1.54 mol/l) 56.0→63.4 min P−15(pH 3.65, Li 1.54 mol/l) 63.4→80.0 min 反応液:ニンヒドリン・ヒドリダンチン試液(和光純薬工業株式会社) 温 度:カラム 35℃(0→16.3 min), 64℃(15.3→31.0 min) 44℃(31.0→44.4 min), 72℃(63.4→80.0min) 反応槽 135℃ 流 量:移動相 0.50 ml/min 反応液 0.30 ml/min 測定波長: 570 nm
【0042】なお、熱によってイネ若葉が乾燥した場
合、見かけ上のGABA含量が高くなるため、処理後の
イネ若葉の含水率を測定し、処理前のイネ若葉の含水率
と同じになるように、処理したイネ若葉のGABA値を
補正した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】この結果より、20〜50℃の保温処理で
イネ若葉中のGABA含量が増加していることがわか
る。
【0045】(実施例2)実施例1と同様に、イネ若葉
をインキュベーター内で温風にて表2に記載の時間、4
0℃で保温処理した後、GABAを測定した。
【0046】結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】この結果より、10分から24時間の処理
でイネ若葉中のGABA含量が増加していることがわか
る。
【0049】(実施例3)実施例1で準備したイネ若葉
を、表3に記載の方法で、40℃で60分間保温処理し
た後、GABAを測定した。
【0050】赤外線処理は、400Wの赤外線放射装置
をイネ若葉の表面温度が所定温度となる位置にセットし
て行った。
【0051】温水処理は、イネ若葉をビーカー内で所定
温度の温水に浸して行った。
【0052】結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】この結果より、保温処理の方法に関係な
く、イネ若葉中のGABA含量が増加していることがわ
かる。
【0055】(実施例4)実施例1で準備したイネ若葉
を、表4に記載の条件で、嫌気処理を行った後、GAB
Aを測定した。
【0056】嫌気処理は、イネ若葉をビニール袋につ
め、空気を抜いて窒素ガスを充填し、これをインキュベ
ーター内で所定温度にて保温して行った。
【0057】結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】この結果より、嫌気処理により、イネ若葉
中のGABA含量が増加していることがわかる。さらに
40℃で嫌気処理することにより、GABA含量がより
増加していることがわかる。
【0060】(実施例5)実施例1で準備したインキュ
ベーター内で40℃、1時間保温処理したイネ若葉を、
水分含量が5%以下となるように、60℃の乾燥機で乾
燥した。さらにブレンダーで破砕してイネ若葉粉末を得
た。
【0061】保温処理しないイネ若葉についても同様に
処理し、イネ若葉粉末を得た。
【0062】これらイネ若葉粉末のGABAを測定した
結果を表5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】この結果より、GABA富化処理イネ若葉
粉末ではGABA含量が増加していることがわかる。
【0065】(実施例6)実施例1で準備したインキュ
ベーター内で40℃、1時間保温処理したイネ若葉を、
ミキサーで粉砕して搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾
汁を得た。この搾汁を噴霧乾燥し、搾汁粉末を得た。
【0066】保温処理しないイネ若葉についても同様に
処理し、イネ若葉搾汁粉末を得た。
【0067】これらイネ若葉搾汁粉末のGABAを測定
した結果を表6に示す。
【0068】
【表6】
【0069】この結果より、GABA富化処理イネ若葉
搾汁粉末ではGABA含量が増加していることがわか
る。
【0070】(実施例7)原料として草丈が30cmの
イタリアンライグラスの緑葉(若葉)を採取し、水洗い
して10cmに細断した。この若葉を実施例1で準備し
たインキュベーター内で40℃、1時間保温処理した
後、水分含量が5%以下となるように、60℃の乾燥機
で乾燥した。さらにブレンダーで粉砕して若葉粉末を得
た。
【0071】保温処理しない若葉についても同様に処理
し、若葉粉末を得た。
【0072】これらイタリアンライグラスの若葉粉末の
GABAを測定した結果を表7に示す。
【0073】
【表7】
【0074】この結果より、GABA富化処理した若葉
粉末ではGABA含量が増加していることがわかる。
【0075】(実施例8)実施例1と同様にしてインキ
ュベーター内で40℃、1時間保温処理した実施例7と
同じイタリアンライグラスの若葉を、ミキサーで粉砕し
て搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。この搾
汁を凍結乾燥し、搾汁粉末を得た。
【0076】保温処理しない若葉についても同様に処理
し、若葉搾汁粉末を得た。
【0077】このイタリアンライグラス若葉搾汁粉末の
GABAを測定した結果を表8に示す。
【0078】
【表8】
【0079】この結果より、GABA富化処理したイネ
科植物緑葉の搾汁粉末ではGABA含量が増加している
ことがわかる。
【0080】
【発明の効果】イネ科植物を嫌気処理及び/又は20℃
〜50℃で熱処理することにより、イネ科植物中のγ−
アミノ酪酸含量が高められる。そして、これを乾燥し、
粉砕することにより、あるいは搾って搾汁を調製して、
そしてさらに乾燥することにより、γ−アミノ酪酸含量
の高いイネ科植物の乾燥粉末、搾汁、搾汁粉末が提供さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B016 LC07 LE02 LG16 LP01 LP02 LP05 LP08 LP13 4B018 LE03 MD61 ME04 MF01 MF06 MF07 MF12 4C088 AB74 BA07 MA52 NA05 ZA42

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネ科植物(麦類を除く)を嫌気処理及
    び/又は20℃〜50℃で保温処理することを特徴とす
    る、イネ科植物のγ−アミノ酪酸含量を高める方法。
  2. 【請求項2】 前記嫌気処理及び/又は20℃〜50℃
    の保温処理が30分間〜24時間である、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法により得
    られた、イネ科植物(麦類を除く)を乾燥、粉砕処理し
    てγ−アミノ酪酸含量を高めたイネ科植物(麦類を除
    く)の乾燥粉末を製造する方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の方法により得
    られた、イネ科植物(麦類を除く)を搾汁処理して、γ
    −アミノ酪酸含量を高めたイネ科植物(麦類を除く)の
    搾汁を製造する方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法により得られた、
    イネ科植物(麦類を除く)の搾汁をさらに噴霧乾燥又は
    凍結乾燥して、γ−アミノ酪酸含量を高めたイネ科植物
    (麦類を除く)の搾汁粉末を製造する方法。
  6. 【請求項6】 γ−アミノ酪酸を乾燥重量換算で500
    mg/100g以上含有する、イネ科植物(麦類を除
    く)の乾燥粉末。
  7. 【請求項7】 γ−アミノ酪酸を乾燥重量換算で800
    mg/100g以上含有する、イネ科植物(麦類を除
    く)の搾汁またはイネ科植物(麦類を除く)の搾汁粉
    末。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5いずれかの項に記載の
    方法により得られるγ−アミノ酪酸含量を高めたイネ科
    植物、その乾燥粉末、または搾汁もしくはその乾燥粉
    末。
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