JP2002000214A - 細片化したアブラナ科植物のγ−アミノ酪酸の含量を高める方法 - Google Patents
細片化したアブラナ科植物のγ−アミノ酪酸の含量を高める方法Info
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Abstract
γ−アミノ酪酸(GABA)含量を高める方法を提供す
ること。 【解決手段】 アブラナ科植物の細片化物またはその搾
汁にグルタミン酸もしくはその塩またはそれらを含有す
る他の食品素材を添加することにより、GABA含量が
高められる。
Description
細片化物またはその搾汁中のγ−アミノ酪酸(以下、G
ABAという)の含量を高める方法、GABA含量を高
められた細片化物あるいは搾汁またはこれらの乾燥粉末
の製造方法に関する。
から、高血圧症の人々のためにGABAを多く含有する
食品の開発が検討されている。例えば、従来から、お茶
の製造過程で、摘採した茶葉を嫌気条件に置き、茶葉中
にGABAを多量に蓄積させたいわゆるギャバロン茶が
知られている。特開平8−173111号公報には、コ
ーヒー生葉を無酸素状態で処理後110℃以上の高温で
熱処理、乾燥処理をする方法でGABA濃度の高いコー
ヒー葉茶を得たことが記載されている。さらに、特開平
9−205989号公報には、茶葉に赤外線を照射して
GABAの含量を向上させることが記載されている。
物は、ビタミン類等の成分を多く含んでおり、健康食品
として注目を浴びている。ケールなどのアブラナ科植物
は、搾汁され、あるいは、乾燥粉末とされて、飲用、食
用に供されている。アブラナ科植物を搾汁してジュース
とする方法は、例えば、特開平10−42841号公報
に記載されている。この方法では、アブラナ科植物(例
えば、キャベツ)を細断し、ビタミンCを添加し、加熱
処理した後、搾汁してジュースとしているため、熱に弱
い栄養分が分解されてしまうという問題がある。さら
に、特許第2796227号公報には、12〜13時間
の予備乾燥と遠赤外線とを組み合わせて、比較的低温で
処理して、アブラナ科植物の乾燥粉末を得る方法を記載
している。しかしながら、従来の方法では、ケールをは
じめとするアブラナ科植物のもつ栄養分しか食用に供さ
れないという欠点がある。そこで、アブラナ科植物に更
に栄養分およびある種の薬効を有する成分(例えばGA
BA)が付加されれば、上記の抽出によるのではなく、
直接多量の有効成分(例えばGABA)が摂取できるの
で、さらなる健康食品としての効果が期待される。
BAを高濃度で含有するアブラナ科植物またはそれらを
利用した食品素材を提供することである。
植物の葉に含まれる新規な有用成分について検討を行っ
た。その結果、それらの葉中に抗高血圧成分として知ら
れるGABAが含まれていることを発見した。そして、
これらのアブラナ科植物の葉を細片化し、または搾汁に
した後に、グルタミン酸もしくはその塩またはそれらを
含有する他の食品素材を添加することにより、アブラナ
科植物の細片化物またはその搾汁中のGABA含量が高
められることを見出して、本発明を完成させた。
の細片化物または搾汁にグルタミン酸もしくはその塩ま
たはそれらを含有する他の食品素材を添加することを特
徴とする、γ−アミノ酪酸含量が高められたアブラナ科
植物の細片化物またはその搾汁の製造方法に関する。
の存在下、グルタミン酸もしくはその塩またはそれらを
含有する他の食品素材によりγ−アミノ酪酸含量が高め
られる。
めたアブラナ科植物の細片化物またはその搾汁を乾燥粉
末化して、アブラナ科植物の細片化物またはその搾汁の
乾燥粉末を製造する方法に関する。
物としては、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、
ケール、大根、ワサビなどが挙げられるが、ケールが特
に好ましい。なお、本発明においてアブラナ科植物とい
うときは、葉、茎、花などの一部をいう場合も含む。ま
た、本発明においてアブラナ科植物の葉とは、葉部のみ
ならず茎部、花部も含む。
水などで付着した泥などを洗浄した後、必要に応じて、
適当な大きさに細片化される。
ス、破砕、細断などの植物体を細片化する方法で行われ
る。細片化にはスラリー化も含まれる。スラリー化はジ
ューサー、ブレンダー、マスコロイダー等で処理して行
われる。これにより緑葉は、どろどろした粥状(液体と
固体粒子との懸濁液)になる。緑葉は、細片の80%以
上が平均径1mm以下、好ましくは0.5mm以下、よ
り好ましくは0.1mm以下、最も好ましくは0.05
mmとなるように細片化され、流動性を持たせるように
してもよい。
こともある)を圧搾して得られる搾汁に対してGABA
富化処理を施しても良い。
葉を細片化した後に圧搾することにより、そしてさらに
それらを遠心分離またはろ過することにより得られる。
搾汁の調製は、必要に応じて水または緩衝液(等張液を
含む)などの溶液を添加した後に行っても良い。
の細片化物または搾汁にグルタミン酸もしくはその塩、
またはそれらを含有する食品素材もしくはその抽出物を
添加することによって行われ得る。アブラナ科植物の葉
の表面や内部に存在する酵素がグルタミン酸をGABA
に変化させることにより、GABA含有量が増加するの
である。アブラナ科植物は、特にGABA富化処理に適
しており、GABA含量を高めることができる。
タミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミ
ン酸カルシウム、グルタミン酸マグネシウムなどの当業
者に公知のグルタミン酸の塩が挙げられる。グルタミン
酸またはその塩は、直接添加してもよいし、高濃度で含
有する溶液を添加してもよい。
またはその塩を含む他の食品素材とは、用いる葉の細片
化物または搾汁に内在している以外の、グルタミン酸ま
たはその塩を含む食品素材をいう。例えば、昆布、ワカ
メなどの海藻、シイタケ、マイタケのようなきのこ類、
かつお(かつお節を含む)、いわしなどの魚類、あさ
り、しじみなどの貝類、米、小麦、大豆(これらの胚芽
を含む)、茶葉、桑葉、野菜(例えば、トマト)、柑橘
類(中果皮、じょうのう膜)などが挙げられ、グルタミ
ン酸および/またはその塩を比較的高濃度に含む食品素
材が好ましく用いられる。これには可食性タンパク質に
酵素処理、加熱処理などを施してグルタミン酸を遊離ま
たは生成させたものなども含まれる。
アブラナ科植物の葉の細片化物または搾汁に添加しても
良く、必要に応じて細片化して、あるいは食品素材を搾
汁して、又は水溶液として細片化物または搾汁に添加し
てもよい。また、これらの食品素材の乾燥粉末を細片化
物または搾汁に添加しても良い。あるいはその食品素材
に含まれる成分を水、エタノールなどに、必要に応じて
加熱して溶出させた溶液を添加してもよく、あるいは、
溶出した成分の乾燥粉末を細片化物または搾汁に添加し
ても良い。例えば、グルタミン酸を含有する食品素材が
乾燥昆布である場合、乾燥昆布を細片化してアブラナ科
植物の葉の細片化物または搾汁に浸漬、攪拌することに
より、効率的にGABAが増加される。
搾汁の温度については、特に限定しないが、グルタミン
酸からGABAへの変換を触媒する酵素が失活されない
範囲程度で行うのが好ましく、通常10〜55℃、好ま
しくは20〜50℃、より好ましくは25〜45℃にて
行われ得る。
のpHは、適宜調整してもよい。pHの調製は、GAB
A富化処理を促進させる目的と製品の色を鮮やかな緑色
にする目的のために行われる。pHの調整方法は、当業
者が通常用いるpH調整剤によって調整する方法でよ
い。GABA富化処理中の葉の細片化物または搾汁のp
Hは、通常3.5〜9.0、好ましくは4.0〜8.
0、より好ましくは4.5〜7.0である。また、pH
をアルカリ性側に調整すれば、葉を酸性で処理したもの
および未処理のものと比較して鮮やかな緑色を呈するよ
うになる。pH−3以下で処理を行うことは、GABA
富化効率が低下する場合があるのに加え、葉が褐変する
ためあまり好ましくない。
4時間行うのがよい。30分以上行えば、GABA含有
量は飛躍的に増加する。
の量は、富化させたいGABAの量に応じて適宜調整す
ればよいが、通常は、葉の細片化物または搾汁の重量に
対して0.01〜40%(単位は、重量%、以下、特に
ことわらない限り同じ)、好ましくは0.2〜20%、
より好ましくは0.5〜20%のグルタミン酸もしくは
その塩を添加するのがよい。
で行うことにより効果を得られやすい。嫌気処理は、例
えば、窒素をバブリングなどにより浸漬溶液に直接通す
か、周辺の気体を置換するか、脱気することにより行わ
れ得る。また、GABA富化処理は、適度な温度で保持
することにより、GABAの富化が促進される。
4時間が好ましく、1〜6時間がより好ましい。保温処
理や嫌気処理の温度は、約20〜50℃が好ましく、約
30〜45℃がより好ましい。
酸、食塩などの無機塩化物などを添加することにより、
または有機酸もしくはATPなどの阻害剤が反応系から
取り除かれることによって、GABA富化効率を高める
こともできる。無機塩化物としては、例えば、塩化ナト
リウム(食塩)、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化
マグネシウムなどの当業者に公知の無機塩化物が挙げら
れる。にがり、粗塩などを用いても良い。これらは、任
意の濃度で添加され得るが、通常、終濃度が0.01〜
20%、好ましくは0.02〜10%となるように添加
される。例えば、100g(湿重量)のケールに対して
3%のグルタミン酸ナトリウムを添加して(pH−6.
0)に30℃にて5時間保持した場合、塩化ナトリウム
を終濃度で0.5重量%となるように添加すれば、添加
しない場合と比較してGABAは3割程度増加される。
アブラナ科植物の細片化物または搾汁は、GABA富化
処理を行わないそれと比較して、GABA含有量が増加
する。
細片化物または搾汁は、そのまま製品としてもよいし、
蒸煮処理、マイクロウエーブ照射処理、赤外線処理、嫌
気処理等を単独または複数の工程を組み合わせることに
よって加熱保温した後に、必要に応じて冷却処理を施
し、乾燥粉末化するなどして、食品素材、医薬品原料、
または飼料とすることができる。
とにより、GABA含有量、ビタミン類(特に水溶性ビ
タミン)、ミネラル類、葉緑素などの有効成分の経時的
な減少が抑制され、かつ緑葉の鮮やかな緑色が褪色する
ことおよび風味が変化することが抑制される。
する酵素を失活させて緑色を保持でき、かつ過剰の照射
により有効成分の消失が生じない範囲に留めるのが望ま
しい。マイクロウエーブ照射処理は、照射装置の出力、
マイクロウエーブの波長、照射時間、アブラナ科植物の
種類や量により、適宜調節すればよい。例えば、アブラ
ナ科植物であるケール100g(湿重量)あたり、24
50MHz、500Wのマイクロウエーブを当てる場合
は、0.5〜10分、好ましくは0.5〜5分、より好
ましくは、0.5〜1分処理する。0.5分に満たない
と酵素の失活が不十分で、褪色しやすくなる。また、1
0分以上処理すると有効成分が減少する虞がある。
保温処理することにより、グルタミン酸をGABAに換
える酵素の活性を促し、GABAの含有量を増加させる
効果がある。
外線照射装置を用いて、被処理物の水分が蒸発しない様
に密閉し、20〜50℃、好ましくは25〜45℃で、
5分〜24時間、好ましくは30分〜6時間保持するこ
とにより行われる。
ないか、無酸素の気体で処理することを意味し、真空状
態も含む。気体としては、二酸化炭素ガス、窒素ガスが
好ましく用いられる。保持する温度は、20〜50℃、
好ましくは25〜45℃、保持する時間は、10分〜7
2時間、好ましくは3〜24時間である。
0〜50℃、好ましくは30〜45℃の温風を当て、3
0分〜24時間、好ましくは、30分〜6時間保持する
ことにより行われる。また、20〜50℃、好ましくは
30〜45℃の温水で、30分〜24時間、好ましく
は、30分〜6時間保持することにより行われる。
アブラナ科植物の葉中の変質に関する酵素は失活してい
るので、含有している成分を長期間安定して保持するこ
とが可能である。しかも鮮やかな緑色が保持されるた
め、例えば、健康食品あるいはその原料として用いられ
たときの商品価値も高い。
の加工品は、必要に応じて乾燥し粉末化され得る。
好ましくは5%以下になるように行われる。例えば、処
理後の葉の細片化物や搾汁を熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、
電磁波乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥などの通常の当業者に
公知の任意の方法を用いて乾燥することにより行われ得
る。加熱による乾燥は、好ましくは50℃〜80℃、よ
り好ましくは55℃〜60℃にて加温により葉の緑色が
変色しない温度および時間内で行われ得る。また、必要
に応じて、デキストリン、シクロデキストリン、デンプ
ン、マルトース等の賦形剤等を添加して噴霧乾燥するこ
ともできる。
より乾燥粉末が得られる。粉砕は既知の方法に従い、例
えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などを用
いて行われ得る。乾燥粉末は、必要に応じて篩にかけら
れ、例えば、30〜250メッシュの篩を通過するもの
が用いられ得る。粒径が250メッシュより小さいと食
品素材や医薬品原料としたときに、さらなる加工が行な
われにくいことがある。粒径が30メッシュより大きい
と、例えば、他の食品素材との均一な混合が妨げられ
る。
菌、加熱殺菌などの方法により、殺菌してもよい。
mg/100g(乾燥重量で約170mg/100g)
のGABAが含まれているが、本発明のGABA富化処
理を行うことにより、たとえば、少なくとも180mg
/100g以上(本発明においては特にことわらない限
り単位は乾燥重量である)、好ましくは、200mg/
100g以上、より好ましくは、300mg/100g
以上、さらに好ましくは、500mg/100g以上、
さらにより好ましくは、1000mg/100g以上に
GABAを増加させることができる。GABA量の上限
については、規定しないが、GABA富化処理に添加す
るグルタミン酸等の濃度、処理時間、溶液の温度、溶液
のpH、前述したマイクロウエーブ照射処理、赤外線処
理、嫌気処理等の工程を単独または複数に組み合わせる
ことによって3000mg/100g程度は富化するこ
とができる。
たアブラナ科植物の葉の細片化物、搾汁、エキスまたは
それらの乾燥粉末は、そのままか、賦形剤、増量剤、結
合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調
味料等と混合されて食品、飲料およびそれらの素材、な
らびに医薬品用の原料として、あるいは家畜、ペットの
ような動物の飼料としても供することができる。例え
ば、ローヤルゼリー、ビタミン、プロテイン、カルシウ
ム、キトサン、レシチンなどが配合され、さらに糖液や
調味料を加えて味を整えることもできる。あるいは、過
剰のグルタミン酸もしくはその塩を除去することもでき
る。そしてこれらは、必要に応じてハードカプセル、ソ
フトカプセルなどのカプセル剤、錠剤もしくは丸剤とし
てか、または粉末状、顆粒状、茶状、ティーバック状も
しくは、飴状などの形状に成形され得る。これらは、そ
の形状または好みに応じて、そのまま食されても良い
し、あるいは水、お湯もしくは牛乳などに溶いて飲んで
も良いし、または成分を浸出させてから飲んでも良い。
理された素材を原料として、GABAの純品を精製する
ことも可能である。
れを水洗いして付着した泥などを洗い流し、5cm角程
度に切断し、さらに湿式粉砕機を用いて平均径が0.5
mm程度に細片化した。細片化処理により、ほとんどが
平均径1mm以下の細片となっていた。この後、細片を
圧搾し、さらに濾過して繊維成分を除き、搾汁を得た。
ついでこの搾汁(100ml)に30%のグルタミン酸
ナトリウム溶液を、最終濃度が3%となるように添加
し、表1に記載の種々の温度にて4時間攪拌した。これ
を凍結乾燥した後、200メッシュを90%程度が通過
する程度に粉砕して乾燥粉末とした。これらの乾燥粉末
のGABA含量を、アミノ酸自動分析機を用いて以下の
条件にて測定した。結果を表1に示す。なお、表中に未
処理とあるのは、ケールの生葉を細片化し、グルタミン
酸ナトリウム溶液を添加することなく、圧搾して得られ
た搾汁を直ちに凍結し、乾燥し、粉末としたもののGA
BAの含有量であり、GABA富化率とあるのは、前述
した未処理のケールにおけるGABA含量を1としたと
きのGABA含量を倍率で示したものである。
会社) 移動相:クエン酸リチウム緩衝液(日本電子株式会社) P−21(pH 2.98, Li 0.105 mol/l) 0→16.3 min P−12(pH 3.28, Li 0.26 mol/l) 16.3→36.1 min P−13(pH 3.46, Li 0.80 mol/l) 36.1→56.0 min P−14(pH 2.83, Li 1.54 mol/l) 56.0→63.4 min P−15(pH 3.65, Li 1.54 mol/l) 63.4→80.0 min 反応液:ニンヒドリン・ヒドリダンチン試液(和光純薬
工業株式会社) 温 度:カラム 35℃(0→16.3 min), 64℃(15.3→31.0
min)44℃(31.0→44.4 min), 72℃(63.4→80.0min) 反応槽 135℃ 流 量:移動相 0.50 ml/min 反応液 0.30 ml/min 測定波長: 570 nm
GABAが富化されることがわかる。特に3%のグルタ
ミン酸ナトリウム溶液濃度においては、溶液の温度を3
0℃程度にすることで、もっともGABA含量が増加し
ている。
たケールの搾汁に(100ml)に30重量%のグルタ
ミン酸ナトリウム溶液を終濃度が3%となるように添加
した後、クエン酸または炭酸ナトリウムを用いて表2に
記載の種々のpHに調整した。これを30℃に保持しな
がら4時間攪拌した後、凍結乾燥し、200メッシュを
90%程度が通過するように粉砕した乾燥粉末のGAB
A含量を測定した。結果を表2に示した。なお、比較の
ためにケール搾汁にグルタミン酸ナトリウムを添加して
処理することもなく、粉末状の乾燥物としたものを表2
中に未処理として示した。
Hはいずれでもよいが、好ましいpHは5.0程度とい
うことがわかった。
汁に、終濃度が表3に記載の種々の濃度となるようにグ
ルタミン酸ナトリウムを添加した後、クエン酸を用いて
pH5.0に調整した。次いで、これらを30℃に保持
しながら4時間攪拌した後、凍結乾燥し、200メッシ
ュを90%程度が通過するように粉砕した乾燥粉末のG
ABAの含有量を測定した。結果を表3に示した。な
お、比較のためにケール搾汁にグルタミン酸ナトリウム
を添加して処理することもなく、粉末状の乾燥物とした
ものを表3中に未処理として示した。
をケールの搾汁に添加することにより、GABAが増加
することがわかる。また、溶液の濃度によってGABA
の含有量が変化することがわかった。
汁に、終濃度が3%となるように30重量%グルタミン
酸ナトリウムを添加した後、クエン酸を用いてpH5.
0に調整した。これを30℃に保持しながら表4に記載
の種々の時間攪拌した後、凍結乾燥し、200メッシュ
を90%程度が通過するように粉砕し、乾燥粉末を製造
した。その後、GABAの含有量を測定した。結果を表
4に示した。なお、比較のためにケール搾汁にグルタミ
ン酸ナトリウムを添加して処理することもなく、粉末状
の乾燥物としたものを表4中に未処理として示した。
ことにより、十分にGABAが富化されることがわかっ
た。
汁に、200メッシュを90%程度が通過する程度に粉
砕した市販の乾燥昆布を50g添加した後、水によって
溶液を希釈し、終濃度0.1%のグルタミン酸溶液と
し、さらに、クエン酸を用いてpH6.0に調整した。
これを30℃に保持しながら4時間攪拌した後、凍結乾
燥し、200メッシュを90%程度が通過するように粉
砕し乾燥粉末を製造した。その後、GABAの含有量を
測定した。結果を表5に示した。なお、比較のためにケ
ール搾汁に乾燥昆布を添加して処理することもなく、粉
末状の乾燥物としたものを表5中に未処理として示し
た。
グルタミン酸を含有する食品素材を用いても行われ得る
ことがわかった。
ル、キャベツ、ブロッコリーの葉から実施例1と同様に
して搾汁を作成した。これらの搾汁にクエン酸を適量添
加してpH−5.0に調整した。次いで、30重量%の
グルタミン酸ナトリウム溶液を終濃度が3%となるよう
に添加した後、30℃にて5時間攪拌した。これを凍結
乾燥し、200メッシュを90%が通過する程度に粉砕
し乾燥粉末を製造した。これらのGABAの含有量を測
定した。結果を表6にした。なお、比較のためにケー
ル、キャベツ、およびブロッコリーの搾汁にグルタミン
酸ナトリウムを添加することなく、粉末状の乾燥物とし
たものを表6中に未処理として示した。
ケールのみならずアブラナ科植物であるキャベツおよび
ブロッコリーにおいても有効であることがわかった。
汁にグルタミン酸もしくはその塩またはそれらを含有す
る他の食品素材を添加することにより、アブラナ科植物
の細片化物またはその搾汁のGABA含有量が高められ
る。また、この細片化物または搾汁を原料として、ある
いはこれらの乾燥粉末を原料としてGABAを高濃度で
含有するアブラナ科植物の食品素材、医薬品原料、飼料
を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 アブラナ科植物の細片化物またはその搾
汁にグルタミン酸もしくはその塩またはそれらを含有す
る他の食品素材を添加することを特徴とする、γ−アミ
ノ酪酸含量が高められたアブラナ科植物の細片化物また
はその搾汁の製造方法。 - 【請求項2】 無機塩化物の存在下、グルタミン酸もし
くはその塩またはそれらを含有する他の食品素材により
γ−アミノ酪酸含量が高められる、請求項1に記載の製
造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法によりγ
−アミノ酪酸含量が高められたアブラナ科植物の細片化
物またはその搾汁を乾燥する工程、および粉末化する工
程を含む、アブラナ科植物の細片化物またはその搾汁の
乾燥粉末を製造する方法。 - 【請求項4】 前記アブラナ科植物がケールである、請
求項1から3のいずれかの項に記載の方法。
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