JP2002000227A - 麦若葉由来の素材を含む高血圧予防食品 - Google Patents

麦若葉由来の素材を含む高血圧予防食品

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JP2002000227A
JP2002000227A JP2000186016A JP2000186016A JP2002000227A JP 2002000227 A JP2002000227 A JP 2002000227A JP 2000186016 A JP2000186016 A JP 2000186016A JP 2000186016 A JP2000186016 A JP 2000186016A JP 2002000227 A JP2002000227 A JP 2002000227A
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gaba
wheat
leaves
treatment
wheat young
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JP2000186016A
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Shinji Tsuzaki
慎二 津崎
Kinya Takagaki
欣也 高垣
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Toyo Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Toyo Shinyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 麦若葉由来の素材と、GABAを含有する他
の素材とを組み合わせた抗高血圧効果に優れる食品素材
を提供する。 【解決手段】 麦若葉由来の素材と、GABAを含有す
る他の素材とを含む、食品素材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、γ−アミノ酪酸、
ビタミン類、ミネラル類、食物繊維などを高濃度で含有
する麦若葉由来の素材を含む新規食品素材に関する。
【0002】
【従来の技術】麦若葉は、ビタミン類、ミネラル類、食
物繊維に富み、抗高血圧効果、有害物質の吸着、腸内環
境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急
上昇防止、スーパーオキサイドディスムターゼ(SO
D)を活性化するなどの効果を有する健康食品として注
目を浴びている。現在、麦若葉を、食品素材として用い
る場合は、麦若葉エキスとしてか、または緑色を維持す
るために、熱水処理を施して製造された麦若葉末(特許
第2544302号公報)として利用されている。
【0003】ところで、抗高血圧効果を示す食品成分と
しては、γ−アミノ酪酸(γ−aminobutyri
c acid、以下GABAという)がある。GABA
は、生体内でグルタミン酸の脱炭酸によって生成される
アミノ酸の一種である。GABAは、哺乳動物の脳や脊
髄に存在し、抑制系の神経伝達物質として作用すること
が知られている。植物中にもGABAは存在し、胚芽
米、緑茶などが比較的多量のGABAを含有する。GA
BAは、脳の血流を改善し、酸素供給量を増加させ、そ
して脳代謝を亢進させる働きをもつことから、脳卒中、
頭部外傷後遺症、脳動脈後遺症による頭痛、耳鳴り、意
欲低下などの治療に用いられている。
【0004】GABAに注目した食品には、例えば、お
茶の製造過程で、摘採した茶葉を嫌気条件に置き、茶葉
中にGABAを多量に蓄積させたいわゆるギャバロン茶
が知られている。特開平8−173111号公報には、
コーヒー生葉を無酸素状態で処理後110℃以上の高温
で熱処理、乾燥処理する方法でGABA濃度の高いコー
ヒー葉茶を得たことが記載されている。さらに、特開平
9−205989号公報には、茶葉に赤外線を照射して
GABAの含量を向上させることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】麦若葉由来の素材と、
GABAを含有する他の素材とを組み合わせた抗高血圧
効果に優れる食品素材を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、麦若葉由
来の素材による抗高血圧効果について、鋭意検討したと
ころ、上記麦若葉由来の素材とGABAを含有する他の
素材との組み合わせにより、抗高血圧効果が相乗的に増
強されること、そしてさらに天然の麦若葉がGABAを
含有しており、これを保持または富化するように調製さ
れた麦若葉由来の素材を用いることにより、さらに抗高
血圧効果が増強されることを見出すことにより本発明の
完成に至った。
【0007】本発明は、麦若葉由来の素材とGABAを
含有する他の素材とを組み合わせた食品素材に関する。
【0008】好ましくは、麦若葉由来の素材は、その中
に天然に存在するGABAが増加するように処理(以下
GABA富化処理という)されている。
【0009】好ましくは、上記GABAを含有する他の
素材は、糸状菌培養物、穀類胚芽、茶葉、桑葉、野菜、
果実、発酵製品、それらの発酵物、およびそれらの抽出
物からなる群から選択される。
【0010】好ましくは、上記糸状菌培養物は麹菌の培
養物である。好ましくは、上記穀類胚芽は、米、麦また
は大豆の胚芽である。
【0011】好ましくは、上記GABAを含有する他の
素材もまたGABA富化処理されている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において麦若葉由来の素材
とは、麦若葉末、麦若葉の細片化物およびその乾燥粉
末、麦若葉搾汁およびその乾燥粉末、麦若葉のエキスお
よびその乾燥粉末などをいう。
【0013】本発明の麦若葉由来の素材の原料として
は、例えば、大麦、小麦、ライ麦、えん麦、イタリアン
ライグラスなどの麦類の若葉(茎を含んでも良い)が用
いられる。これらの麦若葉は、収穫後、時間が経つに従
って、麦若葉の緑色が褪色するので、なるべく迅速に処
理される。好ましくは、分けつ開始期ないし出穂開始前
期(背丈が20〜40cm程度)に収穫した若葉を用い
るのが最適であり、より好ましくは、大麦の若葉が用い
られる。
【0014】麦若葉は、収穫後、水等で洗浄し、水気を
切って、そのまま処理するか、あるいは適切な長さ(例
えば10cm)に切断し、処理して用いられる。
【0015】麦若葉を細片化しても良い。細片化は、当
業者が通常使用するスライス、細断などの植物体を細片
化する方法により行われ得る。細片化には、スラリー化
も含まれる。スラリー化は、ミキサー、ジューサー、ブ
レンダー、マスコロイダーなどにより行われ、麦若葉
は、どろどろした粥状(液体と固体の懸濁液)になる。
細片化の後に搾汁して得られる麦若葉搾汁もまた用いら
れ得る。搾汁は、細片化された麦若葉を遠心および/ま
たはろ過することにより行われ得る。
【0016】本発明の好ましい実施態様において、麦若
葉および上記のようにして加工された麦若葉は、その中
に含まれるGABAが増加するように処理(以下GAB
A富化処理という)される。
【0017】麦若葉をGABA富化処理する方法には、
例えば、嫌気処理または保温処理を包含する方法が挙げ
られる。GABA富化処理は、上記洗浄の前に行っても
良い。
【0018】本明細書で用いる用語「嫌気処理」とは、
嫌気状態におくことをいい、ほとんど酸素を含まないか
無酸素の気体で処理することを意味する。真空状態も含
む。気体としては、二酸化炭素ガス、窒素ガスが好まし
く用いられる。
【0019】保温処理の方法は問わない。温水処理、赤
外線照射処理、インキュベーター処理等が挙げられる。
【0020】嫌気処理および/または保温処理の時間
は、通常10分から24時間行われ得る。好ましくは、
1時間から24時間、より好ましくは1〜12時間行わ
れる。嫌気処理または保温処理の温度は、約20〜50
℃が好ましく、約30〜45℃がより好ましく、40℃
前後が最も好ましい。20℃に満たないか50℃を超え
るとGABAの含量が上がりにくい。
【0021】このようにして得られた麦若葉は、処理し
ていない麦若葉に比べてGABAの含量が高く、通常2
倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以
上、高められている。
【0022】麦若葉を食品素材として用いる場合には、
食品の変質(褪色などの変色を含む)を防ぐための処理
(ブランチング処理)が行われる。ブランチング処理
は、処理される形態に応じて種々の方法が用いられる
が、これには例えば、熱水処理、蒸煮処理などが挙げら
れ、この処理により、麦若葉由来の素材は、褪色されず
に緑色を保持し、風味の変化を生じなくなる。しかし、
従来の熱水処理ではGABAが失われてしまうため、マ
イクロウェーブ処理のようなGABAが保持され、かつ
変質を生じない(麦若葉の緑色が保持される)処理が好
ましい。
【0023】熱水処理は、例えば、特許第254430
2号公報に記載の方法により行われ得る。すなわち、麦
若葉を塩および重曹を含有する熱水中に浸して行われ
る。
【0024】マイクロウェーブ処理は、麦若葉の褪色に
関与する酵素が失活し、かつ加熱により麦若葉の緑色が
失われない範囲で行なえばよい。そのような範囲は、マ
イクロウェーブ照射装置の出力、マイクロウェーブの波
長、照射時間などにより適宜調節できる。例えば、麦若
葉100g(湿重量)あたり、2450MHz、500
Wのマイクロウエーブを当てる場合は、0.5〜10
分、好ましくは0.5〜5分、より好ましくは0.5〜
1分処理する。0.5分に満たないと酵素の失活が不十
分で、褪色しやすくなる。また、10分以上処理すると
褪色し、GABAも減少する傾向にある。マイクロウェ
ーブ処理することにより、麦若葉中のビタミン類、ミネ
ラル類などの分解、溶出が防止され、比較的低温の乾燥
により、鮮やかな緑色を保持した乾燥粉末が得られ得
る。
【0025】1つの実施態様において、麦若葉の細片化
物、搾汁、エキスは常圧、または加圧下もしくは減圧
下、80〜150℃にて2〜180秒間処理される。
【0026】このようにして得られた麦若葉の加工品
は、そのままか、またはさらに細片化、搾汁、抽出して
食品素材としても良いし、あるいはさらに乾燥粉末化し
て食品素材としても良い。
【0027】乾燥粉末化は、水分量が10%以下、好ま
しくは5%以下となるように行われ、必要に応じてさら
に粉砕して得ることができる。
【0028】乾燥の方法は熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電
磁波乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥など、あらゆる乾燥法を
用いることができる。乾燥は、できるだけ低温で行うの
が良く、加熱して乾燥する場合でも、例えば、50〜8
0℃、好ましくは55〜65℃で行うのが良い。デキス
トリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトース等
の賦形剤等を添加した後、噴霧乾燥または凍結乾燥する
こともできる。
【0029】粉砕は既知の方法に従い、例えば、クラッ
シャー、ミル、ブレンダー、石臼などを用いて行うこと
ができる。
【0030】上記のようにして得られた麦若葉由来の食
品素材は、さらに、必要に応じて、例えば、気流殺菌、
高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者に公知の任意の技術に
より殺菌され得る。
【0031】麦若葉搾汁は、麦若葉由来の素材を調製す
る任意の段階で搾汁したものであり、これを乾燥粉末化
したものが麦若葉搾汁粉末である。
【0032】本発明の麦若葉由来の素材には、麦若葉の
エキスも用いられ得る。麦若葉のエキスは、GABA富
化処理以後の任意の段階において、麦若葉に水、エタノ
ール溶液などの当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必
要に応じて加温して抽出したものであり、これを濃縮し
たもの含む。麦若葉エキス末は、麦若葉エキスを乾燥粉
末化したものである。
【0033】本明細書においてGABAを保持するよう
に調製された麦若葉由来の素材は、GABAが失われな
いように加工された麦若葉由来の食品素材のことをい
う。
【0034】本明細書においてGABA富化処理された
麦若葉由来の素材は、GABA富化処理され、この際に
増加したGABAを保持するように加工された麦若葉由
来の食品素材のことをいう。
【0035】麦若葉末に含まれるGABAの量は、その
調製方法によって異なり、従来法(特許第254430
2号)により調製された麦若葉末に含まれるGABAの
量は、多くとも約10mg/100gである。これに対
して、本発明におけるGABAを保持されるように調製
された麦若葉末は、少なくとも20mg/100g以上
のGABAを含み、従来法によるものと比較して、通常
10倍以上、好ましくは20倍以上、より好ましくは5
0倍以上、すなわち通常100mg/100g以上、好
ましくは200mg/100g以上、より好ましくは5
00mg/100g以上のGABAを含む。
【0036】本発明におけるGABA富化処理された麦
若葉末は、少なくとも50mg/100g以上のGAB
Aを含み、GABAが保持されるように調製された麦若
葉末よりもGABAを多く含み、通常2倍以上、好まし
くは5倍以上、より好ましくは10倍以上、すなわち通
常200mg/100g以上、好ましくは500mg/
100g以上、より好ましくは1000mg/100g
以上のGABAを含む。
【0037】上記のようにして得られた麦若葉搾汁粉末
に含まれるGABAの量は、その調製方法によって異な
り、従来法に準じて得られた麦若葉搾汁粉末に含まれる
GABAの含量は、多くとも約50mg/100gであ
る。
【0038】本発明におけるGABAを保持するように
調製された麦若葉搾汁粉末は、少なくとも100mg/
100g以上のGABAを含み、従来法により調製され
るものと比較して、通常5倍以上、好ましくは10倍以
上、より好ましくは20倍以上、すなわち通常250m
g/100g以上、好ましくは500mg/100g以
上、より好ましくは1000mg/100g以上のGA
BAを含む。
【0039】本発明におけるGABA富化処理された麦
若葉搾汁粉末は、少なくとも250mg/100g以上
のGABAを含み、GABAが保持されるように調製さ
れた麦若葉搾汁粉末と比較して、通常2倍以上、好まし
くは5倍以上、より好ましくは10倍以上、すなわち通
常500mg/100g以上、好ましくは1250mg
/100g以上、より好ましくは2500mg/100
g以上のGABAを含む。なお、これらのGABA含量
は、乾燥粉末化処理の影響をほとんど受けない。
【0040】得られた麦若葉由来の素材は、そのまま飲
食に供することができるが、賦形剤、増量剤、結合剤、
増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等
と混合し、用途に応じて粉末、顆粒、錠剤等の形態に成
形することもでき、さらに、各種の飲食品に配合して飲
食に供することができる。
【0041】また、本発明の方法により製造される麦若
葉由来の素材は、GABAを高濃度で含有するため、必
要に応じて精製し、GABAの純品を得ることも可能で
ある。
【0042】得られた麦若葉由来の素材は、他の素材と
組み合わせて、健康食品の原料とされる。特に、抗高血
圧作用を有する他の食品素材との組み合わせが効果的で
ある。このような抗高血圧作用を有する食品素材とし
て、糸状菌(例えば、紅麹菌などの麹菌)培養物およびそ
れらの抽出物、穀類胚芽(例えば、米、小麦、大豆)およ
びそれらの抽出物、茶葉およびそれらの抽出物、桑葉お
よびそれらの抽出物、野菜およびその抽出物、果物およ
びその抽出物、発酵製品およびその抽出物、ならびにそ
れらの発酵物およびその抽出物などGABAを含む素材
が挙げられるが、これらに限定されない。これらの食品
素材を、麦若葉由来の素材と組み合わせて処方すれば、
その天然に含有する成分と、麦若葉が含有するビタミン
類、ミネラル類、食物繊維、GABA(富化されている
またはされていない)などの成分との相加効果および/
または相乗効果により、従来にない食品素材を提供する
ことができる。麦若葉由来の素材と組み合わせられる上
記食品素材は一般に市販されており容易に入手可能であ
る。あるいは本明細書の開示に従い、一般に当業者に公
知の方法を用いて原料素材から調製することができる。
【0043】具体的には、麦若葉由来の素材と組み合わ
せられる他の素材としては以下のものが例示される。
【0044】糸状菌(例えば紅麹菌などの麹菌)培養物お
よびそれらの抽出物:例えば、モナスカス属、アスペル
ギルス属、ペニシリウム属、ムコール属、リゾープス
属、アブシディア属に属する糸状菌を、小麦、大麦、
米、大豆、えん麦、粟、稗、きび、トウモロコシ、ジャ
ガイモ、サツマイモ、サトイモ、ツクネイモ、ヤマノイ
モなどを原料に通常の固体培養または液体培養して得た
麹。上記原料は、必要に応じて破砕または粉砕処理、加
熱処理、膨化処理などを行って培養に用いることができ
る。培養中または培養後、グルタミン酸またはその塩を
添加することによりGABA含量を高め得ることが知ら
れている。このようにして得られたものを本明細書では
発酵物と呼ぶ。得られた麹は、濃縮、乾燥、粉砕などの
処理を行って食品素材として用いることができる。麹の
抽出物は、得られた麹またはその処理物をエタノールや
水などの溶剤を用い必要に応じて加温処理などを施して
抽出することにより得られる。得られた抽出物は、必要
に応じて、イオン交換クロマトグラフィーなどにより有
効成分を濃縮して用いることができる。麹の抽出物また
はその濃縮物は、乾燥してまたはそのまま食品素材とし
て用いることができる。
【0045】穀類胚芽(米、小麦、大豆など)およびそれ
らの抽出物:穀類胚芽としては、米胚芽(これには、米
を通常の精米機で精米し糠を除去したもの、胚芽を含む
米糠、胚芽米などを含む)、小麦を通常の製粉機によっ
て製粉して得られる小麦胚芽または小麦胚芽を含む麩、
通常流通している大豆胚芽を含む大豆、または大豆胚芽
などがある。これらは、濃縮、乾燥、粉砕などの処理を
行って食品素材として用いられる。穀類胚芽の抽出物
は、穀類胚芽に対しエタノールや水などの溶剤を用い必
要に応じて加温処理などを施すことにより得られる。得
られた抽出物は、必要に応じて、イオン交換クロマトグ
ラフィーなどにより有効成分を濃縮して用いることがで
きる。穀類胚芽の抽出物またはその濃縮物は、乾燥して
またはそのまま食品素材として用いることができる。
【0046】茶葉およびそれらの抽出物:摘採した後、
嫌気条件に置かれて処理された茶葉(いわゆるギャバロ
ン茶、津志田藤二郎ほか、農化、61、817〜822
(1987))または赤外線処理された茶葉(特開平9−
205989号公報)が好ましい。茶葉は、乾燥、粉砕
などの処理後、そのまま食品素材として用いることがで
きる。茶葉の抽出物は、エタノールや水などの溶剤を用
い必要に応じて加温処理などを施して抽出することによ
り得られる。得られた抽出物は、必要に応じて、イオン
交換クロマトグラフィーなどにより有効成分を濃縮して
用いることができる。茶葉の抽出物またはその濃縮物
は、乾燥してまたはそのまま食品素材として用いること
ができる。
【0047】桑葉およびそれらの抽出物:摘採した後、
嫌気条件に置かれて処理された桑葉(特開平9−135
671号公報)が好ましい。桑葉は、乾燥、粉砕などの
処理後、そのまま食品素材として用いることができる。
桑葉の抽出物は、エタノールや水などの溶剤を用い必要
に応じて加温処理などを施して抽出することにより得ら
れる。得られた抽出物は、必要に応じて、イオン交換ク
ロマトグラフィーなどにより有効成分を濃縮して用いる
ことができる。桑葉の抽出物またはその濃縮物は、乾燥
してまたはそのまま食品素材として用いることができ
る。
【0048】発酵製品、野菜(トマトなど)およびそれら
の抽出物、果実(柑橘類)およびそれらの抽出物などG
ABAを含むことが知られる食品素材もまた麦若葉由来
の素材と組み合わせることができる。
【0049】本発明に用いられる発酵製品には、例え
ば、ヨーグルトが挙げられる。ヨーグルトにグルタミン
酸またはグルタミン酸ナトリウムを添加して、ヨーグル
ト中の乳酸菌を利用してGABAを富化しても良い(特
開平10−295394号公報)。
【0050】本発明に用いられる野菜(トマトなど)およ
びそれらの抽出物には、例えば、嫌気処理して得られる
GABAを富化されたトマト(特公平7−14333号
公報)およびその抽出物が挙げられる。
【0051】本発明に用いられる果実(柑橘類)および
それらの抽出物には、例えば、柑橘類果実の中果皮、じ
ょうのう膜(特開平10−215812号公報)など
およびその抽出物が挙げられる。
【0052】上記食品素材の発酵物には、例えば、グル
タミン酸またはグルタミン酸ナトリウムを酵母もしくは
クロレラ(特開平9−238650号公報)、またはラ
クトバティルス属などの乳酸菌(特許第2704493
号公報)に与えてGABAが富化されるように処理され
たものが挙げられる。
【0053】さらに、麦若葉由来の素材と混合される他
の食品素材について、その天然に含有する抗高血圧作用
を有する成分含量を高める公知の処理を施した後、麦若
葉由来の素材と処方すれば、麦若葉が含有するGABA
との相加効果および/または相乗効果により、より改善
された抗高血圧作用をもつ食品素材を提供できる。
【0054】麦若葉由来の素材と組み合わせられる食品
素材は、上記の食品素材のなかから必要に応じて1種ま
たはそれ以上から選択されて組み合わせて処方される。
麦若葉由来の素材は、天然の麦若葉が含有するビタミン
類、ミネラル類、食物繊維などが、それらの機能を発揮
するに十分な量で、選択された1種またはそれ以上の他
の食品素材と混合される。選択された1種またはそれ以
上の食品素材は、当業者に公知の形態、通常粉末形態
で、麦若葉由来の素材と混合される。例えば、ローヤル
ゼリー、ビタミン、プロテイン、カルシウム、キトサ
ン、レシチンなどが配合され、さらに糖液や調味料を加
えて味を整えることもできる。そしてこれらは、必要に
応じてハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル
剤、錠剤もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒
状、茶状、ティーバック状もしくは、飴状などの形状に
成形され得る。これらは、その形状または好みに応じ
て、そのまま食されても良いし、あるいは水、お湯もし
くは牛乳などに溶いて飲んでも良いし、または成分を浸
出させてから飲んでも良い。麦若葉由来の素材と選択さ
れた食品素材の混合割合は、通常、1:9〜9:1(重
量比)の範囲、好ましくは、1:4〜4:1(重量比)の
範囲である。
【0055】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明がこの実施例により制限されないことはいうまで
もない。
【0056】本発明に用いた麦若葉由来の素材、および
GABAを含む素材を以下のように調製し、それぞれに
含まれるGABA含量を、アミノ酸自動分析装置を用い
て以下の条件にて測定した。
【0057】 機種:JLC−500/V(日本電子株式会杜) カラム:LCR−6,4mmX90mm(日本電子株式会社) 移動相:クエン酸リチウム緩衝液(日本電子株式会社) P-21 (pH 2.98, Li 0.105 mol/1) 0→16.3 min P-12 (pH 3.28, Li 0.26 mol/1) 16.3→36.1 min P-13 (pH 3.46, Li 0.80 mol/1) 36.1→56.0 min P-14 (pH 2.83, Li 1.54 mol/1) 56.0→63.4 min P-15 (pH 3.65, Li 1.54 mol/1) 63.4→80.0 min 反応液:ニンヒドリン・ヒドリダンチン試液(和光純薬工業株式会社) 温度:カラム 35℃(0→16.3 min), 64℃(15.3→31.0 min) 44℃(31.0→44.4 min), 72℃(63.4→80.0 min) 反応糟 135℃ 流量:移動相 0.50ml/min 反応液 0.30m1/min 測定波長:570nm
【0058】(大麦若葉の調製(従来法))約30cmに
成長した大麦の若葉を摘み取り、水洗して水きりを行
い、長さ約10cmに切り揃えた。切り揃えた大麦若葉
100gを、従来の麦若葉末の処理方法(特許第254
4302号公報)に従って処理した。すなわち、大麦若
葉100gを、食塩7.5g、重曹7.5gを含む1リ
ットルの熱水(95℃)に投入し、3分間、熱水処理し
た。熱水処理した麦若葉を直ちに2〜7℃の冷水に移
し、約5分間浸漬して冷却した。冷却後、遠心機で約4
5秒間脱水し、乾燥器に投入し、水分含量が5%以下と
なるように乾燥機中60℃にて6時間乾燥した。これを
石臼で粉砕して200メッシュを90%が通過する程度
に粉砕して大麦若葉末を得た。得られた麦若葉末には、
100gあたり約8mgのGABAが含まれていた。
【0059】(大麦若葉搾汁粉末の調製(従来法))従来
法に従って大麦若葉搾汁粉末を調製した。従来法と同様
にして、大麦若葉を切り揃え、食塩7.5g、重曹7.
5gを含む1リットルの熱水で処理した後、直ちに2〜
7℃の水に5分間浸漬し、冷却した。冷却後、遠心分離
機で45秒間脱水した。次いでミキサーで粉砕して搾汁
し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。この搾汁を凍
結乾燥し、搾汁粉末を得た。得られた大麦若葉搾汁粉末
には約50mg/100gのGABAが含まれていた。
【0060】(大麦若葉末の調製(試験例))従来法と同
様に切り揃えた大麦若葉(100g)を、ビニール袋に
入れ、空気を抜いた後に窒素を充填した。これをインキ
ュべーター内で40℃にて6時間静置して嫌気処理(G
ABA富化処理)した。次いで、GABA富化処理した
麦若葉を電子レンジ(シャープ製 RE−121)を用
いて1分間マイクロウェーブ処理した。これを水分含量
が5%以下となるように、乾燥機で60℃にて6時間乾
燥し、さらに石臼で200メッシュを90%が通過する
程度に粉砕して大麦若葉末を得た。
【0061】GABA富化処理を行わなかった大麦若葉
についても同様に処理し、大麦若葉末を得た。得られた
麦若葉末には、100gの麦若葉末あたり、GABA富
化処理を行わなかったものには約250mg、GABA
富化処理を行ったものには約1350mgのGABAが
含まれていた。
【0062】(大麦若葉搾汁粉末の調製(試験例))麦若
葉末の調製と同様に、GABA富化処理したか、または
していない大麦若葉を、1分間マイクロウェーブ処理し
た。次いで、ミキサーで粉砕して搾汁し、さらにろ過し
て繊維分を除いた搾汁を得た。この搾汁を凍結乾燥し、
搾汁粉末を得た。得られた大麦若葉搾汁粉末には、10
0gあたり、GABA富化処理を行わなかったものには
約600mg、GABA富化処理を行ったものには約3
000mgのGABAが含まれていた。
【0063】(糸状菌培養物)特開平7−75515号
公報に記載の方法に準じて調製した。すなわち、米を一
晩浸漬し、水切りした後、121℃にて、20分間オー
トクレーブした。次いで、適切な密度にて、麹菌(Mo
nascus pilosus)を播種し、30℃にて7
日間培養した。得られた培養物を凍結乾燥、粉末化した
ものを飼料に配合する素材とした。本素材には、乾燥重
量100gあたり約800mgのGABAが含まれてい
た。
【0064】(米胚芽)特許公報第2590423号公
報に記載の方法に準じて調製した。すなわち、コシヒカ
リを研削した後、32メッシュの篩にかけることによ
り、調製した胚芽に20倍重量の精製水を加え、40℃
にて8時間、100rpm/分で振盪した。得られた米
胚芽を凍結乾燥、粉末化したものを飼料に配合する素材
とした。本素材には、乾燥重量あたり約400mgのG
ABAが含まれていた。
【0065】(茶葉)特開平11−127781号公報
に記載の方法に準じて調製した。すなわち、茶葉をビニ
ール袋につめ、空気を抜いた後に窒素を充填して25℃
にて10時間、嫌気処理した。この茶葉を乾燥、粉末化
したものを飼料に配合する素材とした。本素材には、乾
燥重量100gあたり約200mgのGABAが含まれ
ていた。
【0066】上記のように調製された麦若葉末または麦
若葉搾汁粉末と上記のように調製されたGABAを含有
する素材を、表1および表2に示される配合組成(重量
比)にて基本飼料と混合したものをそれぞれ飼料1〜3
5とした。ここで、基本飼料は、27%の牛乳カゼイ
ン、10%のラード、3.5%のミネラル混合物、1.
2%のビタミン混合物、1%の食塩、0.15%の塩化
コリン、3%のセルロースおよび54.15%のショ糖
(単位は重量%)からなる。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】表1に示される飼料1〜18は、麦若葉末
または麦若葉搾汁粉末と、GABAを含有する他の素材
とを含む本発明の食品素材を含む飼料の組成を示す実施
例である。また表2に示される飼料19〜35は、麦若
葉末、麦若葉搾汁粉末、糸状菌培養物、米胚芽、および
茶葉をそれぞれ単独で含むか、または基本飼料のみから
なるか若しくは基本飼料にGABAを添加した飼料の組
成を示す比較例である。そして表2に示される飼料4〜
24および飼料34に含まれるGABA含量は同じにな
るように調製した。表2中にGABA量が「適量」とあ
るのは、これらの飼料中に含まれるGABA含量を同じ
にするために添加されたGABAの量である。
【0070】これらの飼料を各群6匹からなる9週齢の
高血圧自然発症ラット(SHR)に精製水と共に8週間与
え(飼料は自由摂取とした)、血圧を測定した。各群の飼
料投与開始日と投与後の血圧差の結果を表3に示す。な
お、表3において、試験開始日血圧は、飼料投与開始日
における各群6匹について測定した血圧の平均値、試験
開始8週間後血圧は、飼料投与8週間後における各群6
匹について測定した血圧の平均値、そして各群の血圧差
は試験開始日血圧の平均値と、飼料投与8週間後血圧の
平均値との差である。なお、試験開始前後に各群間にお
いて有意なSHRラットの体重差は認められなかった。
【0071】
【表3】
【0072】表3に示されるように、飼料1〜18を与
えたラットでは、試験開始8週間後のラットの血圧は、
試験開始日のラットの血圧に比べ、5.8mmHg(飼
料9)〜16.4mmHg(飼料10)の範囲で上昇した
に過ぎなかった。特に、GABA富化処理した麦若葉末
およびGABA富化処理した麦若葉搾汁粉末との組み合
わせにおいて血圧上昇が最も小さかった(飼料7〜9、
および飼料16〜18)。これに対し、飼料19〜35
を与えたラットでは、試験開始8週間後のラットの血圧
は、試験開始日のラットの血圧に比べ、19.0mmH
g(飼料21)〜31.4mmHg(飼料35)と、飼料1
〜18を与えたラットを超える範囲で上昇した。
【0073】この結果は、麦若葉末または麦若葉搾汁粉
末とGABAを含む他の素材とを組み合わせて含む飼料
が、それぞれの素材を単独で含むよりも抗高血圧効果に
優れ、そしてこの効果は麦若葉末または麦若葉搾汁粉末
がGABAを保持するようにかまたは富化されるように
調製することにより増強されることを示す。すなわち、
本発明の麦若葉末および麦若葉搾汁粉末とGABAを含
む他の素材との組み合わせにより、相乗的な抗高血圧効
果が得られたことを示す。
【0074】
【発明の効果】麦若葉由来のビタミン類、ミネラル類、
不溶性食物繊維、血圧降下作用を有するGABAを高濃
度で有する新規食品素材が提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麦若葉由来の素材と、GABAを含有す
    る他の素材とを含む、食品素材。
  2. 【請求項2】 前記麦若葉由来の素材が、GABA富化
    処理されている、請求項1に記載の食品素材。
  3. 【請求項3】 前記GABAを含有する他の素材が、糸
    状菌培養物、穀類胚芽、茶葉、桑葉、野菜、果実、発酵
    製品、それらの発酵物、およびそれらの抽出物からなる
    群から選択される、請求項1に記載の食品素材。
  4. 【請求項4】 前記糸状菌培養物が麹菌の培養物であ
    る、請求項3に記載の食品素材。
  5. 【請求項5】 前記穀類胚芽が、米、麦または大豆の胚
    芽である、請求項3に記載の食品素材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002065206A (ja) * 2000-09-01 2002-03-05 Toyo Shinyaku:Kk 免疫賦活食品
CN104975051A (zh) * 2015-06-25 2015-10-14 江苏科技大学 一种富集桑叶中gaba的方法

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