JP2002186454A - ケール加工物を含有する食品 - Google Patents

ケール加工物を含有する食品

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JP2002186454A
JP2002186454A JP2000388590A JP2000388590A JP2002186454A JP 2002186454 A JP2002186454 A JP 2002186454A JP 2000388590 A JP2000388590 A JP 2000388590A JP 2000388590 A JP2000388590 A JP 2000388590A JP 2002186454 A JP2002186454 A JP 2002186454A
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kale
gaba
treatment
powder
food
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JP2000388590A
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Kinya Takagaki
欣也 高垣
Shinjiro Maruyama
真二郎 丸山
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Toyo Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Toyo Shinyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 スーパーオキサイドデイスムターゼ(SO
D)活性を増大させる食品の提供。 【解決手段】 キャベツ発酵エキス末とγ−アミノ酪酸
(GABA)富化処理されたケール加工物とを含有する
食品又はこれに更に水溶性食物繊維を含有する食品を提
供する。この食品は、SODを顕著に増大させ、健康回
復に顕著な効果を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャベツ発酵エキ
ス末とケール加工物とを含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素は、生命にとって必須の物質で、糖
質、脂肪、蛋白質などを代謝(分解)し、酸化するのに
用いられている。しかし、この代謝の過程で、あるいは
紫外線照射などの種々の要因により生じる活性酸素は、
炎症部位などで種々の生理的作用をになっているもの
の、過剰に存在すると、正常細胞にまで害を与え、例え
ばガン化することが知られている。また、脂肪を酸化す
ることによって生じる過酸化脂質も、正常細胞にダメー
ジを与えることが知られている。そして、現代では、こ
のような活性酸素および過酸化脂質を発生させる要因が
増加し、活性酸素および過酸化脂質をどのようにして抑
制するかが、健康を維持する上で大きな問題となりつつ
ある。
【0003】これらの過剰な活性酸素あるいは過酸化脂
質を無毒化する酵素として、スーパーオキサイドディス
ムターゼ(以下、SODという)が知られている。
【0004】そこで、このSODを活性化することによ
り、健康を維持する試みが行われている。例えば、特開
平10−295325号公報には、セリ科、ユリ科など
の植物のアルコール抽出物を含有するSOD作用を有す
る健康食品が記載されている。
【0005】しかし、この食品は、アルコール度の高い
リカーなどで抽出した液そのものを飲用するため、アル
コールを全く飲めない人、子どもには適用できないとい
う欠点がある。
【0006】他方で、ケールは、ビタミン類、ミネラル
類、食物繊維、およびメラトニンを豊富に含み、近年、
健康食品の素材として注目を浴びている。
【0007】ところで、抗高血圧効果を示す食品成分と
しては、γ−アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid、以下
GABAという)がある。GABAは、生体内でグルタ
ミン酸の脱炭酸によって生成されるアミノ酸の一種であ
る。GABAは、哺乳動物の脳や脊髄に存在し、抑制系
の神経伝達物質として作用することが知られている。植
物中にもGABAは存在し、胚芽米、緑茶などが比較的
多量のGABAを含有する。GABAは、脳の血流を改
善し、酸素供給量を増加させ、そして脳代謝を亢進させ
る働きをもつことから、脳卒中、頭部外傷後遺症、脳動
脈後遺症による頭痛、耳鳴り、意欲低下などの治療に用
いられている。ケールは特にGABA含量を高める処理
に適しており、GABA含量を高めたケール加工物を得
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このように優
れた健康食品の素材であるケール加工物を利用した、S
ODを活性化する健康食品が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、SODを活
性化する食品について鋭意検討した結果、驚くべきこと
に、キャベツ発酵エキス末とケール加工物とを含有する
食品に、SOD活性を増大させる活性があることを見出
して、本発明を完成した。
【0010】本発明は、キャベツ発酵エキス末とケール
加工物とを含有する食品に関する。
【0011】好ましい実施態様においては、前記食品
は、さらに水溶性食物繊維を含有する。
【0012】好ましい実施態様においては、前記ケール
加工物は、GABA富化処理されたケールから製造され
た加工物である。
【0013】
【発明の実施の形態】従来から、キャベツにはSOD活
性があると言われており、また、ケール加工物にもSO
D活性があると言われていたが、キャベツ発酵エキス末
とケール加工物とを含有する食品は、それぞれ単独で食
する場合よりも、SODを活性化する程度がはるかに高
いことを、本発明者が初めて見出した。
【0014】本発明の食品に用いるキャベツ発酵エキス
末は、例えば、以下の方法で製造される。まず、キャベ
ツを4つ切にして水洗いし、カッターミキサーで粉砕
し、発酵させる。発酵は、キャベツ3kg当り、水1Lお
よび乾燥乳酸菌(ラクトバチルス・プランタム)末0.
5gを添加し、よく攪拌して、適切な温度と時間(例え
ば、30℃、2日間)行う。発酵終了後、発酵物を遠心
分離して上清を回収し、加熱、濃縮して、さらに加熱殺
菌し、デキストリンをキャベツ3kg当り200g加えて
スプレードライすることにより、キャベツ発酵エキス粉
末が得られる。
【0015】なお、本発明で、キャベツ発酵エキス末と
いうときは、加熱殺菌後、デキストリンを加えたペース
ト状または液状の発酵液をも含むものとする。
【0016】キャベツ発酵エキス末は、良質なアミノ酸
を豊富に含み、抗酸化作用、腸内環境の整備という役割
をになう。良質なアミノ酸を豊富に含むことにより新規
な皮膚の合成を活性化し、抗酸化作用(SODの活性
化)でしみ、そばかすを防止ないし、減少させ、腸内環
境の整備により、新陳代謝の活性化、便秘の改善、老廃
物の除去を通して、体を健康にするという作用を有して
いる。
【0017】本発明においてケール加工物とは、ケール
乾燥粉末、ケールの細片化物およびその乾燥粉末、ケー
ルの搾汁およびその乾燥粉末、ケールのエキスおよびそ
の乾燥粉末などをいう。
【0018】本発明のケール加工物の原料としては、例
えば、キッチンケール、ツリーケール、ブッシュケー
ル、マローケール、コラード、および緑葉カンランなど
の様々な種類のケールを用いることができる。これらの
ケールは、ケールは、収穫後直ちに処理されることが好
ましい。処理までに時間を要する場合、ケールの変質を
防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段
により貯蔵するのが好ましい。
【0019】また、本発明においては、ケールの葉部お
よび茎部のいずれの部分も適用することができる。
【0020】ケールは、収穫後、水などで洗浄し、水気
を切って、そのまま処理するか、あるいは適切な長さ
(例えば5cm)に切断し、処理して用いられる。
【0021】ケールを細片化してもよい。細片化は、当
業者が通常使用するスライス、細断などの植物体を細片
化する方法により行われ得る。細片化には、スラリー化
も含まれる。スラリー化は、ミキサー、ジューサー、ブ
レンダーなどにより行われ、ケールは、どろどろした粥
状(液体と固体の懸濁液)になる。細片化の後に搾汁し
て得られるケール搾汁もまた用いられ得る。搾汁は、細
片化されたケールを遠心および/またはろ過することに
より行われ得る。
【0022】本発明の好ましい実施態様において、ケー
ルおよび上記のようにして加工されたケールは、その中
に含まれるGABAが増加するように処理される。
【0023】ケールをGABA富化処理する方法には、
例えば、嫌気処理または保温処理を包含する方法が挙げ
られる。GABA富化処理は、上記洗浄の前に行っても
よい。
【0024】嫌気処理とは、嫌気状態におくことをい
い、ほとんど酸素を含まないまたは無酸素の気体で処理
することを意味する。真空状態も含む。気体としては、
二酸化炭素ガス、窒素ガスが好ましく用いられる。
【0025】保温処理の方法は特に限定されない。温水
処理、赤外線照射処理、温風処理、インキュベーター処
理などが挙げられる。
【0026】嫌気処理および/または保温処理の時間
は、通常30分間〜24時間行われ得る。好ましくは、
1時間〜6時間である。嫌気処理および/または保温処
理の温度は、約25〜50℃が好ましく、約30〜45
℃がより好ましく、40℃前後が最も好ましい。25℃
に満たないか、50℃を超えるとGABAの含量が上が
りにくい。
【0027】また、ケールを、一定の温度(例えば、2
5〜50℃)の恒温室で保存、保管することもGABA
処理に含まれる。
【0028】嫌気処理および/または保温処理は、ケー
ルが乾燥しないような条件が好ましいが、乾燥するよう
な条件でもよい。
【0029】このようにして得られたケールは、処理し
ていないケールに比べてGABAの含量が高く、通常2
倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上
高められている。
【0030】なお、上記のGABA富化処理の他に、ケ
ールをグルタミン酸溶液に浸漬するか、あるいはケール
細片化物または搾汁の溶液にグルタミン酸を添加するこ
とにより、GABAを富化処理することもできる。ケー
ル由来の物質に内在している酵素の作用により、グルタ
ミン酸がGABAに変化し、GABA含有量が増加する
からである。
【0031】グルタミン酸溶液は、グルタミン酸のみな
らず、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウ
ム、グルタミン酸カルシウムのようなグルタミン酸の塩
を用いて作成することができる。また、グルタミン酸お
よび/またはその塩を含有する食品素材によっても、グ
ルタミン酸溶液を調製することができる。
【0032】グルタミン酸および/またはその塩を含有
する食品素材としては、例えば、昆布、ワカメなどの海
藻、シイタケ、マイタケなどのキノコ類、かつお(かつ
お節を含む)、いわしなどの魚類、あさり、しじみなど
の貝類、米、小麦、大豆(これらの胚芽を含む)、茶
葉、桑葉、野菜(例えば、トマト)、柑橘類(中果皮、
じょうのう膜)などが挙げられる。このように、グルタ
ミン酸および/またはその塩を比較的高濃度に含む食品
素材が好ましく用いられる。このような食品素材には、
可食性タンパク質に酵素処理、加熱処理などを施してグ
ルタミン酸を遊離または生成させたものなども含まれ
る。
【0033】グルタミン酸および/またはその塩を含有
する食品素材は、そのままの形態で、ケールの細片化物
もしくは搾汁またはケールを浸漬する溶液に添加しても
よく、必要に応じて細片化するか、あるいは食品素材を
搾汁または水溶液として、ケールの細片化物もしくは搾
汁または浸漬溶液に添加してもよい。また、これらの食
品素材の乾燥粉末をケールの細片化物もしくは搾汁また
は浸漬溶液に添加してもよい。
【0034】また、これらの食品素材に含まれるグルタ
ミン酸の成分を、必要に応じて加熱して溶出してもよ
い。あるいは、溶出した成分の乾燥粉末を、ケールの細
片化物もしくは搾汁または浸漬溶液に添加してもよい。
例えば、乾燥昆布を細片化してケールの細片化物もしく
は搾汁または浸漬溶液に添加、攪拌することにより、効
率的にGABAが増加する。
【0035】グルタミン酸によるGABA富化処理中の
ケールの細片化物もしくは搾汁または浸漬溶液の温度に
ついては、グルタミン酸からGABAへの変換を触媒す
る酵素が失活されない範囲で行われるのが好ましく、通
常20〜50℃、より好ましくは25〜40℃で行われ
る。
【0036】グルタミン酸によるGABA富化処理中の
細片化物もしくは搾汁または浸漬溶液のpHは、適宜調
整してもよい。pHの調整は、GABA富化処理を促進
させる目的と製品の色を鮮やかな緑色にする目的で行わ
れる。pHの調整方法は、pH調整剤を用いる方法でよ
く、通常3.5〜9.0、好ましくは4.0〜7.0、
より好ましくは5.0〜6.0である。また、pHをア
ルカリ性側に調整すれば、ケールを酸性で処理したもの
および未処理のものと比較して、鮮やかな緑色を呈する
ようになる。pHが4以下の条件で処理を行うと、GA
BA富化効率が低下する場合があることに加え、ケール
が褐色になるため好ましくない。
【0037】グルタミン酸によるGABAの富化処理の
時間は、10分〜24時間行うのがよい。30分以上行
えば、GABA含有量は飛躍的に増加する。
【0038】グルタミン酸によるGABAの富化処理に
用いられるグルタミン酸の量は、富化させるべきGAB
Aの量に応じて、適宜調整すればよい。通常は、グルタ
ミン酸もしくはその塩は、ケールの細片化物または搾汁
の0.01〜40重量%、好ましくは0.2〜20重量
%、より好ましくは0.5〜10重量%添加するのがよ
い。
【0039】グルタミン酸溶液にピリドキサールリン
酸、食塩などの無機塩化物を添加するか、または、有機
酸、ATPなどの阻害剤を反応系から取り除くことによ
って、GABA富化効率を高めることもできる。
【0040】ケールを食品素材として用いる場合には、
食品の変質(褪色などの変色を含む)を防ぐための処理
(ブランチング処理)が行われる。ブランチング処理
は、処理される形態に応じて種々の方法が用いられる
が、これには例えば、熱水処理、蒸煮処理などが挙げら
れる。この処理により、ケール加工物は、褪色、風味の
変化を生じなくなる。しかし、従来の熱水処理ではGA
BAが失われてしまうため、マイクロウェーブ処理のよ
うなGABAが保持される処理が好ましい。
【0041】マイクロウェーブ処理は、ケールの褪色に
関与する酵素が失活し、かつ加熱によりケールの緑色が
失われない範囲で行なえばよい。そのような範囲は、マ
イクロウェーブ照射装置の出力、マイクロウェーブの波
長、照射時間などにより適宜調節できる。マイクロウェ
ーブ処理することにより、ケール中のビタミン類、ミネ
ラル類などの分解、溶出が防止され、比較的低温の乾燥
により、乾燥粉末が得られ得る。
【0042】熱水処理は、例えば、ケールを塩化ナトリ
ウムおよび重曹を含有する熱水中に浸して行われる。熱
水処理時に、このように塩化ナトリウムおよび重曹を単
独であるいは組み合わせて適量添加することによって、
緑色が鮮やかに保持されたケール加工物を得ることがで
きる。
【0043】1つの実施態様において、ケールの細片化
物、搾汁、およびエキスは、常圧、または加圧下もしく
は減圧下、80〜150℃にて2〜180秒間処理され
る。
【0044】このようにして得られたケールの加工品
は、そのままか、またはさらに細片化、搾汁、抽出して
食品素材としてもよいし、あるいはさらに乾燥粉末化し
て食品素材としてもよい。
【0045】乾燥粉末化は、水分量が10%以下、好ま
しくは5%以下となるように行われ、必要に応じてさら
に粉砕して乾燥粉末を得ることができる。
【0046】乾燥の方法は熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電
磁波乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥など、あらゆる乾燥法を
用いることができる。乾燥は、できるだけ低温で行うの
が好ましく、加熱して乾燥する場合でも、例えば30〜
60℃、好ましくは40〜55℃で行うのが好ましい。
デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルト
ースなどの賦形剤などを添加した後、噴霧乾燥または凍
結乾燥することもできる。
【0047】粉砕は当業者が通常用いる方法に従い、例
えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などを用
いて行うことができる。
【0048】上記のようにして得られたケールは、さら
に、必要に応じて、例えば、マイクロウェーブ処理、加
熱処理などの当業者に公知の任意の技術により殺菌され
得る。
【0049】ケール乾燥粉末は、ケールに細片化、抽出
処理をすることなく乾燥粉末化したものである。
【0050】ケール搾汁は、ケール加工物を調製する任
意の段階で搾汁したものであり、これを乾燥粉末化した
ものがケール搾汁粉末である。
【0051】ケールエキスは、GABA富化処理を施さ
ずあるいはGABA富化処理を施した以後の任意の段階
において、ケールに水、エタノール溶液などの当業者が
通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて加温して抽出
したものであり、これを濃縮したもの含む。ケールエキ
ス末は、ケールエキスを乾燥粉末化したものである。
【0052】本明細書においてGABAを保持するよう
に調製されたケール加工物は、GABAが失われないよ
うに加工されたケール加工物のことをいう。
【0053】本明細書においてGABA富化処理された
ケール加工物は、GABA富化処理され、この際に増加
したGABAを保持するように加工されたケール由来の
食品素材のことをいう。
【0054】本来、ケールの生葉には、約30mg/1
00gのGABAが含まれているが、現在、通常の技術
として行われている緑色維持のためのブランチング処理
を行うと、GABAが熱水中に溶出して、GABAの含
有量が大幅に減少してしまう。ところが、本発明のGA
BA富化処理を行うことにより、ブランチング処理を施
した場合であっても、ケール加工物に目標のGABA量
を残存させることができる。
【0055】例えば、少なくとも10mg/100g以
上、好ましくは、100mg/100g以上、より好ま
しくは、200mg/100g以上、さらに好ましく
は、500mg/100g以上、さらにより好ましく
は、1000mg/100g以上のGABAを残存させ
ることができる。GABA含量の上限については、規定
しないが、GABA富化処理のグルタミン酸などの濃
度、浸漬時間、溶液の温度、溶液のpH、前述したマイ
クロウェーブ照射処理、赤外線処理、嫌気処理などを単
独または複数の工程を組み合わせることによって300
0mg/100g程度に富化することができる。
【0056】上記のようにして得られたケール加工物
は、そのまま飲食に供することができるが、賦形剤、増
量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添
加物、調味料などと混合し、用途に応じて粉末、顆粒、
錠剤などの形態に成形することもでき、さらに、各種の
飲食品に配合して飲食に供することができる。
【0057】上記のようにして得られたケール加工物
は、他の素材と組み合わせて、健康食品の原料とされ
る。特に、キャベツ発酵エキス末との組み合わせが効果
的である。
【0058】本発明の健康食品に含まれるキャベツ発酵
エキス末とケール加工物との配合比は特に限定されな
い。好ましくは、キャベツ発酵エキス末が5〜70重量
%、より好ましくは7〜67重量%、さらに好ましくは
10〜65重量%含まれる。
【0059】また、ケール加工物は、好ましくは30〜
95重量%、より好ましくは、33〜93重量%、さら
に好ましくは、35〜90重量%含まれる。
【0060】ただし、これらの成分の他に、水溶性食物
繊維またはその他の添加物が含まれるときは、好ましく
は上記いずれかの範囲になるように、調整される。
【0061】本発明の加工食品には、さらに、水溶性食
物繊維を添加することができる。水溶性食物繊維を添加
することで、SODの活性化がさらに増進される。
【0062】水溶性食物繊維としては、アルギン酸、難
消化性デキストリン、グアガム酵素分解物、グルコマン
ナンなどが挙げられる。水溶性食物繊維は、健康食品
中、好ましくは、1重量%〜20重量%、より好ましく
は、2重量%〜15重量%含まれる。
【0063】本発明の健康食品は、上記の3成分の他
に、乳酸菌、オリゴ糖などが含まれても良い。
【0064】乳酸菌は、一般に腸内環境を整備すると考
えられているので、体を健康にし、SODの活性化に寄
与すると考えられる。乳酸菌としては、ラクトバチルス
・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバ
チルス・プランタム、ストレプトコッカス・サーモフィ
ラス、ストレプトコッカス・フェカリス、ビフィドバク
テリウム・ロンガムなどが用いられる。
【0065】乳酸菌を用いる場合は、粉末、液状の食品
が好ましく、適切な培地で培養後、凍結乾燥して、加工
食品に添加すると、水分を与えられた場合に生育可能と
なる。
【0066】オリゴ糖は、腸内細菌によって資化され、
一般に腸内環境を整備すると考えられているので、有用
と考えられる。オリゴ糖としては、ラクチュロース、パ
ラチノース、フラクトオリゴ糖、ラフィノース、スタキ
オース、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、トレハロー
ス、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖などが挙げ
られる。
【0067】上記の他に、例えば、ローヤルゼリー、は
ちみつパウダー、還元麦芽糖、乳糖、キトサン、レシチ
ン、ビタミン、プロテイン、クロレラ末、ステビア末、
アシタバ末、モロヘイヤ末、抹茶パウダー、レモンパウ
ダー、卵殻カルシウムなどが、適量、添加される。
【0068】健康食品の形状は特に限定されず、錠剤、
粉剤、顆粒剤、ソフトカプセル化剤あるいは液状であり
得る。また、錠剤、粉剤、顆粒剤、ソフトカプセルは、
そのまま飲食してもよいし、水などに溶解して飲んでも
よい。
【0069】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこの実施例に限定されない。
【0070】1.ケール加工物の調製 本発明に用いたケール末、ケール搾汁粉末を以下のよう
に調製し、それぞれに含まれるGABA含量を、アミノ
酸自動分析装置を用いて以下の条件にて測定した。
【0071】 (アミノ酸自動分析計操作条件) 機種:JLC−500/V(日本電子株式会杜) カラム:LCR−6、4mm×90mm(日本電子株式会社) 移動相:クエン酸リチウム緩衝液(日本電子株式会社) P-21 (pH 2.98, Li 0.105 mol/l) 0→16.3分 P-12 (pH 3.28, Li 0.26 mol/l) 16.3→36.1分 P-13 (pH 3.46, Li 0.80 mol/l) 36.1→56.0分 P-14 (pH 2.83, Li 1.54 mol/l) 56.0→63.4分 P-15 (pH 3.65, Li 1.54 mol/l) 63.4→80.0分 反応液:ニンヒドリン・ヒドリダンチン試液(和光純薬工業株式会社) 温度:カラム 35℃(0→16.3分), 64℃(16.3→31.0分) 44℃(31.0→44.4分), 72℃(63.4→80.0分) 反応糟 135℃ 流量:移動相 0.50ml/分 反応液 0.30ml/分 測定波長:570nm
【0072】(加工例1)ケールの生葉を摘み取り、水
洗後、水切りを行い、3cm角程度に細断した。その1
00gを、ビニール袋に入れ、空気を抜いた後に窒素を
充填した。これをインキュべーター内で40℃にて6時
間静置して嫌気処理(GABA富化処理)した。次い
で、GABA富化処理したケールを、GABAを保持す
るように、60秒間、2450MHz、500Wの出力装
置(電子レンジ、シャープ製RE−121)でマイクロ
ウェーブ照射処理を行った。その後、直ちに5℃の冷水
に移し、約5分間浸漬し、冷却した。乾燥機(サンヨー
製、MOV−112S)を用い、60℃にて、6時間乾
燥し、ブレンダーで200メッシュを90%が通過する
程度に粉砕してケールの粉末を得た。水分は5%以下で
あった。
【0073】GABA富化処理を行わなかったケールに
ついても同様に処理し、ケール乾燥粉末を得た。得られ
たケール乾燥粉末には、GABA富化処理を行わなかっ
たものには、100gあたり170mg(加工例1
a)、GABA富化処理を行ったものには、100gあ
たり1415mgのGABAが含まれていた(加工例1
b)。
【0074】(加工例2)加工例1と同様に、GABA
富化処理したか、またはしていないケールの生葉を、G
ABAが保持されるようにマイクロウェーブ処理した。
次いで、ミキサーで粉砕し、さらに遠心分離後、ろ過し
て繊維分を除いた搾汁を得た。この搾汁を凍結乾燥し、
搾汁粉末を得た。得られたケール搾汁粉末には、GAB
A富化処理を行わなかったものには、100gあたり2
43mg(加工例2a)、GABA富化処理を行ったも
のには、100gあたり1589mgのGABAが含ま
れていた(加工例2b)。
【0075】(加工例3)細断したケール100gを9
5℃、1Lの熱水に投入し、3分間保持し、直ちに5℃
の冷水に移し、約5分間浸漬し、冷却した。冷却後、遠
心分離機で約45秒間脱水し、乾燥機(サンヨー製、M
OV−112S)を用い、60℃にて、10時間乾燥
し、ブレンダーで粉砕してケール乾燥粉末を得た。水分
は5%以下であった。得られた従来のケール乾燥粉末に
は、GABA富化処理を行わなかったものには、100
gあたり5.7mg(加工例3a)、GABA富化処理
を行ったものには、100gあたり55mgのGABA
が含まれていた(加工例3b)。
【0076】(加工例4)細断したケール100gを、
食塩7.5g、重曹7.5gを含む、95℃、1Lの熱
水に投入し、加工例3と同様に乾燥し、脱水した。次い
で、ミキサーで粉砕し、さらに遠心分離後、ろ過して繊
維分を除いた搾汁を得た。この搾汁を凍結乾燥し、搾汁
粉末を得た。得られた従来のケール搾汁粉末には、GA
BA富化処理を行わなかったものには、100gあたり
約7.0mg(加工例4a)、GABA富化処理を行っ
たものには、100gあたり約72mgのGABAが含
まれていた(加工例4b)。
【0077】2.ラットにおけるSOD活性試験 水溶性食物繊維として、難消化デキストリン(松谷化学
工業製のパインファイバー)を使用し、以下の表1に示
すA〜Eの処方で、ケール加工物を含む粉末の食品を作
製した。
【0078】
【表1】
【0079】それぞれ5匹の7週齢ラットに、表1のA
〜Eに示す配合の食品を、14日間、経口投与した。表
1における単位はmg/kg体重である。
【0080】最終投与後、12時間の絶食を行い、四塩
化炭素:オリーブオイル=1:1の混合物を4ml/k
g体重で、腹腔内投与した。24時間後に解剖して肝臓
を取り出し、ミトコンドリア画分におけるSOD活性を
測定した。結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】この結果は、水溶性食物繊維のみを投与し
た群(C群)は、対照群とほとんど差はなかったが、キ
ャベツ発酵エキスのみを投与した群(A群)およびケー
ル乾燥粉末のみを投与した群(B群)は、対照群および
水溶性食物繊維のみを投与した群(C群)に比べて、S
OD活性が高かった。しかし、驚くべきことに、キャベ
ツ発酵エキスとケール乾燥粉末とを同時に投与した群
(D群)は、それぞれ単独で添加した場合(A群、B
群)に比べて、SOD活性の増加割合は10倍以上であ
った。そして、さらに水溶性食物繊維を加えた群(E
群)では、さらに、SOD活性が高かった。なお、B
群、D群、およびE群に投与した試料のケール乾燥粉末
は、加工例1bで製造したものである。
【0083】3.ヒトにおける効果 以下の表3に示す処方で、健康食品F〜Gを作製した。
【0084】
【表3】
【0085】これらのFおよびGの健康食品3gを水1
50mlに溶いて、それぞれ、パネラー50人に、1日
3回、1ヶ月間飲んでもらった。表4に示す8項目につ
いて、1ヶ月後の効果の有無を答えてもらい、効果があ
ったと答えた人の人数を表4に示した。
【0086】
【表4】
【0087】FおよびGのいずれも、大部分の人が飲み
始める前と比べて、健康状態が回復していることが認め
られた。なお、FおよびGのケール乾燥粉末は、加工例
3aで製造したものである。
【0088】
【発明の効果】本発明のキャベツ発酵エキス末とケール
加工物とを含有する食品およびこれにさらに水溶性食物
繊維を含有する食品は、SODを顕著に増大させ、健康
回復に顕著な効果を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャベツ発酵エキス末とケール加工物と
    を含有する食品。
  2. 【請求項2】 さらに水溶性食物繊維を含有する、請求
    項1に記載の食品。
  3. 【請求項3】 前記ケール加工物が、GABA富化処理
    されたケールから製造された加工物である、請求項1ま
    たは2に記載の食品。
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