JPH08280394A - γ−アミノ酪酸の製造法 - Google Patents
γ−アミノ酪酸の製造法Info
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- JPH08280394A JPH08280394A JP8129235A JP12923596A JPH08280394A JP H08280394 A JPH08280394 A JP H08280394A JP 8129235 A JP8129235 A JP 8129235A JP 12923596 A JP12923596 A JP 12923596A JP H08280394 A JPH08280394 A JP H08280394A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 米の胚芽,胚芽を含む糠,胚芽米,小麦胚芽
及び小麦胚芽を含む麸などから簡単な操作によって、高
濃度のγ−アミノ酪酸を含む食品素材を調製し、該食品
素材から高純度のγ−アミノ酪酸を製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 米胚芽,胚芽を含む米糠,胚芽米,小麦
胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1種をpH
2.5〜7.5かつ50℃以下の条件で水に浸漬して得たγ
−アミノ酪酸を富化した食品素材に酸を加えて抽出し、
次いで抽出物をイオン交換クロマトグラフィーにより精
製することを特徴とするγ−アミノ酪酸の製造法。
及び小麦胚芽を含む麸などから簡単な操作によって、高
濃度のγ−アミノ酪酸を含む食品素材を調製し、該食品
素材から高純度のγ−アミノ酪酸を製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 米胚芽,胚芽を含む米糠,胚芽米,小麦
胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1種をpH
2.5〜7.5かつ50℃以下の条件で水に浸漬して得たγ
−アミノ酪酸を富化した食品素材に酸を加えて抽出し、
次いで抽出物をイオン交換クロマトグラフィーにより精
製することを特徴とするγ−アミノ酪酸の製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はγ−アミノ酪酸の製
造法に関し、詳しくは米胚芽,胚芽を含む米糠,胚芽
米,小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1
種を一定条件下で水に浸漬し、内在性酵素の作用によ
り、その含量を飛躍的に高めた食品素材を調製し、該食
品素材を酸で抽出し、得られた抽出物をイオン交換クロ
マトグラフィーにより精製、濃縮することよりなるγ−
アミノ酪酸の製造法に関する。
造法に関し、詳しくは米胚芽,胚芽を含む米糠,胚芽
米,小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1
種を一定条件下で水に浸漬し、内在性酵素の作用によ
り、その含量を飛躍的に高めた食品素材を調製し、該食
品素材を酸で抽出し、得られた抽出物をイオン交換クロ
マトグラフィーにより精製、濃縮することよりなるγ−
アミノ酪酸の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】γ−ア
ミノ酪酸は生体内でグルタミン酸の脱炭酸によって生成
するアミノ酸の一種であり、神経伝達物質として中枢神
経系において重要な役割を果たしている他、動物の血圧
を下げる機能を有していることが知られている。近年、
茶の生葉を嫌気的に処理することによってγ−アミノ酪
酸の含量を5〜10倍に増加できることが見出され、現
在「ギャバロン茶」(商品名)として種々のメーカーで
製品化されている。この「ギャバロン茶」は、高血圧治
癒効果が動物実験で確認されており、副作用を気にしな
くてよい気軽な治療法として、高血圧症の人々に利用さ
れている。
ミノ酪酸は生体内でグルタミン酸の脱炭酸によって生成
するアミノ酸の一種であり、神経伝達物質として中枢神
経系において重要な役割を果たしている他、動物の血圧
を下げる機能を有していることが知られている。近年、
茶の生葉を嫌気的に処理することによってγ−アミノ酪
酸の含量を5〜10倍に増加できることが見出され、現
在「ギャバロン茶」(商品名)として種々のメーカーで
製品化されている。この「ギャバロン茶」は、高血圧治
癒効果が動物実験で確認されており、副作用を気にしな
くてよい気軽な治療法として、高血圧症の人々に利用さ
れている。
【0003】しかし、経口投与によるγ−アミノ酪酸の
血圧降下作用には一定量以上の摂取が必要とされてお
り、「ギャバロン茶」の場合は、湯で抽出する際に希釈
されてしまうため、大量摂取が困難であるという問題が
ある。このことが、人によっては「ギャバロン茶」の効
果が見られない原因と推定されている。また、γ−アミ
ノ酪酸は、現在発酵法で製造されているが、価格の面で
やや問題がある。そのため、安全かつ安価なγ−アミノ
酪酸の製造法の開発が望まれている。
血圧降下作用には一定量以上の摂取が必要とされてお
り、「ギャバロン茶」の場合は、湯で抽出する際に希釈
されてしまうため、大量摂取が困難であるという問題が
ある。このことが、人によっては「ギャバロン茶」の効
果が見られない原因と推定されている。また、γ−アミ
ノ酪酸は、現在発酵法で製造されているが、価格の面で
やや問題がある。そのため、安全かつ安価なγ−アミノ
酪酸の製造法の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、胚芽及び
米粒や小麦の表層部分にγ−アミノ酪酸の前駆物質であ
るグルタミン酸が高濃度に含まれており、このグルタミ
ン酸が水浸漬時に急激にγ−アミノ酪酸に変換されるこ
とを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成した。
米粒や小麦の表層部分にγ−アミノ酪酸の前駆物質であ
るグルタミン酸が高濃度に含まれており、このグルタミ
ン酸が水浸漬時に急激にγ−アミノ酪酸に変換されるこ
とを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、米胚芽,胚芽を含む米
糠,胚芽米,小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少な
くとも1種をpH2.5〜7.5かつ50℃以下の条件で水
に浸漬して得たγ−アミノ酪酸を富化した食品素材に酸
を加えて抽出し、抽出物をイオン交換クロマトグラフィ
ーにより精製することを特徴とするγ−アミノ酪酸の製
造法に関する。
糠,胚芽米,小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少な
くとも1種をpH2.5〜7.5かつ50℃以下の条件で水
に浸漬して得たγ−アミノ酪酸を富化した食品素材に酸
を加えて抽出し、抽出物をイオン交換クロマトグラフィ
ーにより精製することを特徴とするγ−アミノ酪酸の製
造法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いる米や小麦は品種を
限定しないが、胚芽重量割合の高いもの、例えば巨大胚
米並びにγ−アミノ酪酸生成量の大きな品種(例えば北
海269号等の米やシラサギコムギ等の小麦)の利用が
より好ましい。胚芽米は、米を通常の精米機(例えば柳
沢製作所製、RMA−150等)で精米し、糠を除去す
ることにより容易に調製することができる。胚芽は、胚
芽米をさらに研削式精米機(例えば佐竹製作所製、TM
5等)で研削した後、適当なふるい(32メッシュ程
度)で胚乳部由来の粉及び糠から分け取ることができ
る。一方、小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸は、小麦を製
粉機(例えばピューラー社製、ピューラー式テストミル
等)によって製粉し、麸(コブスマ,オオブスマ)を得
ることができ、この麸、特にコブスマを篩分け(50メ
ッシュ程度、米胚芽の場合よりも目が細かいもの)する
ことによって小麦胚芽を分け取ることができる。麸とし
てはコブスマが好適である。
限定しないが、胚芽重量割合の高いもの、例えば巨大胚
米並びにγ−アミノ酪酸生成量の大きな品種(例えば北
海269号等の米やシラサギコムギ等の小麦)の利用が
より好ましい。胚芽米は、米を通常の精米機(例えば柳
沢製作所製、RMA−150等)で精米し、糠を除去す
ることにより容易に調製することができる。胚芽は、胚
芽米をさらに研削式精米機(例えば佐竹製作所製、TM
5等)で研削した後、適当なふるい(32メッシュ程
度)で胚乳部由来の粉及び糠から分け取ることができ
る。一方、小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸は、小麦を製
粉機(例えばピューラー社製、ピューラー式テストミル
等)によって製粉し、麸(コブスマ,オオブスマ)を得
ることができ、この麸、特にコブスマを篩分け(50メ
ッシュ程度、米胚芽の場合よりも目が細かいもの)する
ことによって小麦胚芽を分け取ることができる。麸とし
てはコブスマが好適である。
【0007】γ−アミノ酪酸を富化した食品素材を製造
するには、上記胚芽,胚芽を含む米糠,胚芽米,小麦胚
芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1種に、pH
2.5〜7.5、好ましくはpH3.0〜7.0、より好ましく
はpH5.5〜6.0に調整した水を2〜10倍量加え、5
0℃以下、通常は10〜50℃の条件下、50〜150
ストローク/分で20分以上、通常20分〜24時間、
好ましくは80〜120ストローク/分で40分〜10
時間、より好ましくは40℃で100ストローク/分に
て、4〜8時間振盪させる。なお、pH調整のために用
いる酸は有機酸,無機酸のいずれでもよく、好ましくは
酢酸,クエン酸,リンゴ酸等の有機酸や塩酸,硫酸,リ
ン酸等の無機酸が用いられる。また、アルカリとしては
水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウ
ム,炭酸ナトリウム,リン酸ナトリウム等が用いられ
る。この処理によって、胚芽に内在するグルタミン酸脱
炭酸酵素を作用させ、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸に
変換することができる。この時、蛋白質分解酵素も同時
に作用し、胚芽などに含まれる蛋白質が分解し、グルタ
ミン酸が供給され、効率よくγ−アミノ酪酸に変換する
ことができる。
するには、上記胚芽,胚芽を含む米糠,胚芽米,小麦胚
芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1種に、pH
2.5〜7.5、好ましくはpH3.0〜7.0、より好ましく
はpH5.5〜6.0に調整した水を2〜10倍量加え、5
0℃以下、通常は10〜50℃の条件下、50〜150
ストローク/分で20分以上、通常20分〜24時間、
好ましくは80〜120ストローク/分で40分〜10
時間、より好ましくは40℃で100ストローク/分に
て、4〜8時間振盪させる。なお、pH調整のために用
いる酸は有機酸,無機酸のいずれでもよく、好ましくは
酢酸,クエン酸,リンゴ酸等の有機酸や塩酸,硫酸,リ
ン酸等の無機酸が用いられる。また、アルカリとしては
水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウ
ム,炭酸ナトリウム,リン酸ナトリウム等が用いられ
る。この処理によって、胚芽に内在するグルタミン酸脱
炭酸酵素を作用させ、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸に
変換することができる。この時、蛋白質分解酵素も同時
に作用し、胚芽などに含まれる蛋白質が分解し、グルタ
ミン酸が供給され、効率よくγ−アミノ酪酸に変換する
ことができる。
【0008】現在炊飯米として最も人気のあるコシヒカ
リに上記の処理を行った場合、胚芽中のγ−アミノ酪酸
濃度を、約400ミリグラム/100グラムに高めるこ
とができる。「ギャバロン茶」中のγ−アミノ酪酸含量
は乾物100グラム当り約170ミリグラムであるか
ら、コシヒカリ胚芽中に「ギャバロン茶」の2倍以上の
γ−アミノ酪酸を蓄積させることができる。
リに上記の処理を行った場合、胚芽中のγ−アミノ酪酸
濃度を、約400ミリグラム/100グラムに高めるこ
とができる。「ギャバロン茶」中のγ−アミノ酪酸含量
は乾物100グラム当り約170ミリグラムであるか
ら、コシヒカリ胚芽中に「ギャバロン茶」の2倍以上の
γ−アミノ酪酸を蓄積させることができる。
【0009】次に、γ−アミノ酪酸を製造するには、上
記のように浸漬処理して得た食品素材である胚芽,胚芽
を含む米糠,胚芽米,小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸の
中の少なくとも1種に酸を加えて抽出する。具体的には
塩酸,硫酸,リン酸等の無機酸や酢酸,クエン酸,リン
ゴ酸等の有機酸を加えて酸性条件、好ましくはpH1〜
2の強酸性条件に調整した後、0〜70℃、好ましくは
10〜30℃、50〜150ストローク/分で5分〜2
時間、好ましくは100ストローク/分で1時間振盪さ
せ、γ−アミノ酪酸を抽出する。次いで、抽出物を遠心
分離(3000rpm,10分),濾過処理等の固−液
分離操作を行って上清(抽出液)を回収する。しかる
後、この抽出液をイオン交換クロマトグラフィーにより
精製、濃縮する。イオン交換クロマトグラフィーは、例
えば第1表に示した条件に準じて行えばよく、このよう
にして純粋なγ−アミノ酪酸を調製することができる。
得られたγ−アミノ酪酸は甘味を伴ったうま味を有して
おり、食品添加物あるいは調味料として利用することが
できる。その場合の使用量は、目的に応じて適宜決定す
ればよい。
記のように浸漬処理して得た食品素材である胚芽,胚芽
を含む米糠,胚芽米,小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸の
中の少なくとも1種に酸を加えて抽出する。具体的には
塩酸,硫酸,リン酸等の無機酸や酢酸,クエン酸,リン
ゴ酸等の有機酸を加えて酸性条件、好ましくはpH1〜
2の強酸性条件に調整した後、0〜70℃、好ましくは
10〜30℃、50〜150ストローク/分で5分〜2
時間、好ましくは100ストローク/分で1時間振盪さ
せ、γ−アミノ酪酸を抽出する。次いで、抽出物を遠心
分離(3000rpm,10分),濾過処理等の固−液
分離操作を行って上清(抽出液)を回収する。しかる
後、この抽出液をイオン交換クロマトグラフィーにより
精製、濃縮する。イオン交換クロマトグラフィーは、例
えば第1表に示した条件に準じて行えばよく、このよう
にして純粋なγ−アミノ酪酸を調製することができる。
得られたγ−アミノ酪酸は甘味を伴ったうま味を有して
おり、食品添加物あるいは調味料として利用することが
できる。その場合の使用量は、目的に応じて適宜決定す
ればよい。
【0010】
【表1】
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 製造例1 コシヒカリより調製した胚芽0.2gに蒸留水4mlを加
え、40℃で100ストローク/分にて振盪したとこ
ろ、γ−アミノ酪酸が蓄積した。すなわち、図1に示す
ように、γ−アミノ酪酸はグルタミン酸の減少に伴って
急速に生成され、8時間後には360mg/100gに
達した。未処理胚芽中のγ−アミノ酪酸含量が約25m
g/100gであるから、γ−アミノ酪酸は14.4倍に
増加したことになる。なお、処理時間20分経過後は、
γ−アミノ酪酸の生成量に対し、グルタミン酸の減少量
は僅かであることから、グルタミン酸が蛋白質の分解等
によって供給されていることが推察される。
る。 製造例1 コシヒカリより調製した胚芽0.2gに蒸留水4mlを加
え、40℃で100ストローク/分にて振盪したとこ
ろ、γ−アミノ酪酸が蓄積した。すなわち、図1に示す
ように、γ−アミノ酪酸はグルタミン酸の減少に伴って
急速に生成され、8時間後には360mg/100gに
達した。未処理胚芽中のγ−アミノ酪酸含量が約25m
g/100gであるから、γ−アミノ酪酸は14.4倍に
増加したことになる。なお、処理時間20分経過後は、
γ−アミノ酪酸の生成量に対し、グルタミン酸の減少量
は僅かであることから、グルタミン酸が蛋白質の分解等
によって供給されていることが推察される。
【0012】製造例2 製造例1に準じて、コシヒカリ胚芽を用いて、30〜7
0℃でγ−アミノ酪酸を生成した。その結果、図2に示
すように、γ−アミノ酪酸の生成量,生成速度共に、4
0℃が最適であった。
0℃でγ−アミノ酪酸を生成した。その結果、図2に示
すように、γ−アミノ酪酸の生成量,生成速度共に、4
0℃が最適であった。
【0013】製造例3 製造例1に準じ、コシヒカリ胚芽を用いて、pH3〜8
の条件で、γ−アミノ酪酸を生成した。その結果、図3
に示すように、γ−アミノ酪酸の生成はpH5.5〜6.0
が最適であり、アルカリ条件下では、γ−アミノ酪酸生
成量は激減することが判明した。
の条件で、γ−アミノ酪酸を生成した。その結果、図3
に示すように、γ−アミノ酪酸の生成はpH5.5〜6.0
が最適であり、アルカリ条件下では、γ−アミノ酪酸生
成量は激減することが判明した。
【0014】製造例4 製造例1と同条件下で、異なった10品種の米の胚芽を
用いて、γ−アミノ酪酸を生成した。第2表に使用した
米の特徴と胚芽重量を示す。その結果、図4に示すよう
に、γ−アミノ酪酸の生成量は品種によって大きく異な
り、タカナリのように殆ど生成しないものから、北海2
69号のようにコシヒカリの2倍以上蓄積するものまで
あった。
用いて、γ−アミノ酪酸を生成した。第2表に使用した
米の特徴と胚芽重量を示す。その結果、図4に示すよう
に、γ−アミノ酪酸の生成量は品種によって大きく異な
り、タカナリのように殆ど生成しないものから、北海2
69号のようにコシヒカリの2倍以上蓄積するものまで
あった。
【0015】
【表2】
【0016】北海269号を用いた場合、4時間の処理
でγ−アミノ酪酸含量が560mg/100gとなり、
「ギャバロン茶」の約3倍のγ−アミノ酪酸を生成する
ことが判った。この北海269号は、通常の米の3倍近
い胚芽を有する巨大胚米であり、γ−アミノ酪酸の原料
として最も適している。
でγ−アミノ酪酸含量が560mg/100gとなり、
「ギャバロン茶」の約3倍のγ−アミノ酪酸を生成する
ことが判った。この北海269号は、通常の米の3倍近
い胚芽を有する巨大胚米であり、γ−アミノ酪酸の原料
として最も適している。
【0017】実施例1 製造例1と同条件下で、北海269号の胚芽を4時間処
理することによって調製したγ−アミノ酪酸を含む液に
1Nの塩酸を5分の1量加え、100ストローク/分で
5分間振盪し、γ−アミノ酪酸を抽出した。次いで、抽
出物を3000rpmで10分間遠心分離を行い、不溶
性物質を除去した後、前記第1表に示した条件下でイオ
ン交換クロマトグラフィーを行い、γ−アミノ酪酸を分
離した。結果を図5に示す。次いで、フラクションコレ
クターを用いてγ−アミノ酪酸を分取した。この操作に
より、1gの北海269号の胚芽から5.2mgのγ−ア
ミノ酪酸を製造することができた。
理することによって調製したγ−アミノ酪酸を含む液に
1Nの塩酸を5分の1量加え、100ストローク/分で
5分間振盪し、γ−アミノ酪酸を抽出した。次いで、抽
出物を3000rpmで10分間遠心分離を行い、不溶
性物質を除去した後、前記第1表に示した条件下でイオ
ン交換クロマトグラフィーを行い、γ−アミノ酪酸を分
離した。結果を図5に示す。次いで、フラクションコレ
クターを用いてγ−アミノ酪酸を分取した。この操作に
より、1gの北海269号の胚芽から5.2mgのγ−ア
ミノ酪酸を製造することができた。
【0018】製造例5 シラサギコムギより調製したコブスマ0.5gに1Mリン
酸緩衝液(pH5.5)8mlを加え、40℃で100ス
トローク/分にて振盪したところ、γ−アミノ酪酸が蓄
積した。図6に示すように、γ−アミノ酪酸は緩衝液を
加えて2時間以上振盪することにより、8時間後には6
3.7mg/100gに達した。
酸緩衝液(pH5.5)8mlを加え、40℃で100ス
トローク/分にて振盪したところ、γ−アミノ酪酸が蓄
積した。図6に示すように、γ−アミノ酪酸は緩衝液を
加えて2時間以上振盪することにより、8時間後には6
3.7mg/100gに達した。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、従来食用油源としての
利用に限定されていた、米の胚芽,胚芽を含む糠,胚芽
米,小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1
種から簡単な操作によって、高純度のγ−アミノ酪酸を
製造することができる。このものは、血圧降下作用を有
しているので、高血圧疾患者向けの特殊栄養食品等に配
合して利用することが期待される。
利用に限定されていた、米の胚芽,胚芽を含む糠,胚芽
米,小麦胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1
種から簡単な操作によって、高純度のγ−アミノ酪酸を
製造することができる。このものは、血圧降下作用を有
しているので、高血圧疾患者向けの特殊栄養食品等に配
合して利用することが期待される。
【図1】 製造例1の方法によるγ−アミノ酪酸の生成
量とグルタミン酸の減少量を示すグラフである。
量とグルタミン酸の減少量を示すグラフである。
【図2】 製造例2の方法によるγ−アミノ酪酸の生成
量を示すグラフである。
量を示すグラフである。
【図3】 製造例3の方法によるγ−アミノ酪酸の生成
量を示すグラフである。
量を示すグラフである。
【図4】 製造例4の方法によるγ−アミノ酪酸の生成
量を示すグラフである。
量を示すグラフである。
【図5】 実施例1の方法におけるイオン交換クロマト
グラフィーによるγ−アミノ酪酸の分離チャートであ
る。
グラフィーによるγ−アミノ酪酸の分離チャートであ
る。
【図6】 製造例5の方法によるγ−アミノ酪酸の生成
量を示すグラフである。
量を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 31/195 ABU A61K 31/195 ABU 35/78 35/78 U
Claims (2)
- 【請求項1】 米胚芽,胚芽を含む米糠,胚芽米,小麦
胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1種をpH
2.5〜7.5かつ50℃以下の条件で水に浸漬して得たγ
−アミノ酪酸を富化した食品素材に酸を加えて抽出し、
抽出物をイオン交換クロマトグラフィーにより精製する
ことを特徴とするγ−アミノ酪酸の製造法。 - 【請求項2】 米胚芽,胚芽を含む米糠,胚芽米,小麦
胚芽及び小麦胚芽を含む麸の中の少なくとも1種をpH
2.5〜7.5かつ50℃以下の条件で水に浸漬して得たγ
−アミノ酪酸を富化した食品素材に酸を加えてpH1〜
2の条件で抽出し、抽出物を固−液分離して得た抽出液
をイオン交換クロマトグラフィーにより精製することを
特徴とするγ−アミノ酪酸の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8129235A JP2813771B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | γ−アミノ酪酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8129235A JP2813771B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | γ−アミノ酪酸の製造法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6027581A Division JP2590423B2 (ja) | 1994-02-01 | 1994-02-01 | γ−アミノ酪酸を富化した食品素材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08280394A true JPH08280394A (ja) | 1996-10-29 |
JP2813771B2 JP2813771B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=15004525
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8129235A Expired - Lifetime JP2813771B2 (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | γ−アミノ酪酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2813771B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002058445A (ja) * | 2000-08-22 | 2002-02-26 | Toyo Shinyaku:Kk | イネ若葉中のγ−アミノ酪酸含量を高める方法 |
JP2002281922A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-02 | Hayashibara Biochem Lab Inc | γ−アミノ酪酸含量を高めた食品素材の製造方法 |
JP2005198578A (ja) * | 2004-01-16 | 2005-07-28 | Ehime Prefecture | γ−アミノ酪酸の製造方法及びそれより得られる発酵液 |
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