JP3281475B2 - 魚介類を用いた亜鉛食品素材及びその製造法 - Google Patents

魚介類を用いた亜鉛食品素材及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚介類を用いた亜鉛食
品素材及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人体に対する種々の物質の影響の研究が
進むにつれ、身体といろいろな物質成分との因果関係が
解明されるようになってきた。例えば、食べ物の味がわ
からない等の味覚障害や風土病の一種とされている小人
症、皮膚炎等には亜鉛の欠乏が関係していることが報告
され、現在、亜鉛薬がこの種の症状の治療に広く用いら
れるようになってきている。また、亜鉛は、骨、皮膚、
髮の毛、生殖器等の新陳代謝の活発な部位に多く含まれ
ており、それが欠乏すると、皮膚炎や脱毛、味覚障害等
の原因となり、特に妊産婦の場合には亜鉛が不足すると
学習や記憶力に欠陥のある子供が生まれる危険があるこ
とも報告されている。そして、亜鉛は、身体の成長促進
作用やホルモン等の原料となる蛋白質や遺伝子を作る酵
素の働きを助ける作用をもつ重要な栄養素となっている
ことも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、食文化や生活環
境の変化により加工食品が広く利用されるようになって
おり、加工食品に用いられている多くの食品添加物のな
かには亜鉛の吸収を妨げるものがあり、亜鉛欠乏の原因
ともなっている。このように亜鉛の吸収を妨げるものと
しては、高血圧症の治療に用いられる一部の血圧降下剤
等も指摘されている。従って、亜鉛を多く含む食べ物
(例えば魚介類、肉類、肝臓、穀類の胚芽、緑色野菜、
小豆等)を極力多く摂取しなければ、生活環境等の影響
で亜鉛摂取の欠乏傾向を解消することができない。しか
しながら、亜鉛を多く含む食べ物でも10mg%未満で
あり、最も亜鉛を多く含む食べ物として知られる牡蠣で
も約30mg%程度であり、さらに身体の成長促進に重
要な栄養素である亜鉛を供給する目的で開発された食品
素材自体は現在までのところなく、このような亜鉛食品
素材が熱望されている。また、亜鉛を多く含む食べ物と
して知られた魚介類の一つであるあこや貝は真珠の養殖
に利用されており、真珠を取出した後の貝は一部肥料等
に利用されるが大部分は破棄されるため、廃棄による環
境汚染等の問題も生じており、何らかの対策が必要とな
ってきている。
【0004】そこで、本発明は、上記の問題点を解決し
て、魚介類を利用して今までになく亜鉛を高い割合で含
有する亜鉛食品素材及びその製造法を提供することを目
的としている。また本発明の別の目的としては、原料と
してあこや貝を用いる場合には従来廃棄されてきたあこ
や貝を利用し、その廃棄による環境汚染等の問題を解決
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の発明による亜鉛食品素材は、魚介
類から生成した85mg%以上の亜鉛を含む粉体から成
っている。また第2の発明によれば、亜鉛食品素材は、
魚介類を蛋白分解酵素で処理した後遠心分離により得た
上澄み液にエタノールを添加し、乾燥して生成した亜鉛
含有量85mg%〜800mg%の粉体から成ることを
特徴としている。また、本発明の第3の発明によれば、
亜鉛食品素材の製造法は、魚介類を蛋白分解酵素で処理
し、酵素分解後遠心分離により残滓を取り除き、上澄液
にエタノールを添加し、沈殿物を回収することを特徴と
している。本発明の製造法においては、好ましくは、魚
介類をプロテアーゼB等の蛋白分解酵素で処理し、酵素
分解後遠心分離により残滓を取り除き、上澄液に40〜
60%の濃度になるようにエタノールを添加したものを
遠心分離して得られた沈澱物を乾燥することにより粉体
として精製され得る。
【0006】
【作用】このように構成された本発明による亜鉛食品素
材は亜鉛含有量が高いので、これを副食品または補助栄
養食品として利用することにより、亜鉛を効率よく摂取
することができるようになる。
【0007】また本発明の製造法では、原料として利用
済の魚介類、例えば、あこや貝(真珠貝)等を使用する
ことにより、原料コストを低く抑えることができ、また
魚介類を酵素分解することによりエキスの収率を上げる
ことができ、そしてこのエキスすなわち上澄み液にエタ
ノールを添加することにより亜鉛含有量をさらに高くす
ることができるようになる。
【0008】
【実施例】以下添付図面を参照して本発明の実施例につ
いて説明する。図1には本発明による亜鉛食品素材の製
造フローチャートを示し、製造は図示処理工程に従って
行われる。一実施例について説明すると、冷凍あこや貝
の残肉1kgを破砕し、破砕した貝肉に水約200mlを
添加して95℃の温度で10分間煮沸した。その後、煮
沸した貝肉に対してプロテアーゼB(アマノ)を 0.
3%添加し、また、液に対してエタノールを5%添加し
て50℃の温度で17時間酵素分解した。分解終了後、
95℃の温度で10分間煮沸して酵素失活を行ない、そ
して遠心分離処理を行なって残滓物を取り除き上澄液を
得た。こうして得られた上澄液に等量のエタノールを添
加して室温において一晩放置し、50%エタノールとな
るように処理した。その後、これを遠心分離にかけて得
られた沈澱物を凍結乾燥することにより粉体を得た。こ
のようにして得られた粉体と、エタノール添加処理しな
いで得たものとの亜鉛含量を日本薬局法の原子吸光度法
による定量法を用いて比較した結果、本発明による方法
で得られたものでは435.96mg%であったのに対
してエタノール添加処理しないで得たものでは 64.
68mg%であった。この比較結果から、本発明による
方法で得られた粉体は亜鉛含量が非常に高いことが認め
られ、従って亜鉛含量の高い亜鉛食品素材を提供するこ
とができる。また本発明による方法に従って処理条件を
種々設定して得られた粉体の亜鉛含有量は100mg%
〜750mg%で、平均で450mg%程度であった。
【0009】ところで、上記実施例では、原料としてあ
こや貝の残肉を使用しているが、当然かき、イワシ等の
他の種々の魚介類を使用することも可能である。こうし
て得られた粉体の亜鉛含量は85mg%〜800mg%
であった。
【0010】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明による
亜鉛食品素材は従来になく亜鉛含量が高いので、亜鉛を
効率よく摂取することができる副食品または補助栄養食
品として利用することができるようになる。また本発明
の製造法においては、エタノール添加処理により亜鉛含
有量をさらに高めることにより、亜鉛含有量の高い亜鉛
食品素材を低コストで提供することが可能となる。さら
に、原料として利用済の魚介類例えばあこや貝等を使用
することにより、原料価格を低く抑えることができるだ
けでなく、あこや貝等の貝肉の廃棄による環境汚染の問
題も解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施している亜鉛食品素材の製造工程
を示すフロチャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 雅 埼玉県浦和市大谷場1−4−30 ルーミ ー浦和324 (56)参考文献 特開 昭61−58557(JP,A) 特開 平4−84874(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】85mg%以上亜鉛を含む粉体から成るこ
    とを特徴とする魚介類を用いた亜鉛食品素材。
  2. 【請求項2】魚介類を蛋白分解酵素で処理した後遠心分
    離により得た上澄液にエタノールを添加し、乾燥して生
    成した亜鉛含有量85mg%〜800mg%の粉体から
    成ることを特徴とする亜鉛食品素材。
  3. 【請求項3】魚介類を蛋白分解酵素で処理し、酵素分解
    後遠心分離により残滓を取り除き、上澄液にエタノール
    を添加し、沈殿物を回収することを特徴とする魚介類を
    用いた85mg%以上亜鉛を含む亜鉛食品素材の製造
    法。
  4. 【請求項4】魚介類を蛋白分解酵素で処理し、酵素分解
    後遠心分離により残滓を取り除き、上澄液に40〜60
    %の濃度になるようにエタノールを添加し、これを遠心
    分離することにより得た沈澱物を乾燥して粉体にするこ
    とを特徴とする魚介類を用いた85mg%以上亜鉛を含
    む粉体から成る亜鉛食品素材の製造法。
JP00870494A 1994-01-28 1994-01-28 魚介類を用いた亜鉛食品素材及びその製造法 Expired - Fee Related JP3281475B2 (ja)

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