JP2002056429A - 硬貨包装機 - Google Patents

硬貨包装機

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JP2002056429A
JP2002056429A JP2000242190A JP2000242190A JP2002056429A JP 2002056429 A JP2002056429 A JP 2002056429A JP 2000242190 A JP2000242190 A JP 2000242190A JP 2000242190 A JP2000242190 A JP 2000242190A JP 2002056429 A JP2002056429 A JP 2002056429A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬貨集積機構の構造の簡素化を図り、機体の
小型化および製造コストの低減化を実現する。 【解決手段】 多数の硬貨Cを貯留する硬貨貯留部2
と、この硬貨貯留部2から硬貨Cを1枚ずつ抜き出す硬
貨取込み部3と、この硬貨取込み部3が抜出した硬貨C
を1枚ずつ積み重ねて集積硬貨を形成する硬貨集積部4
と、この硬貨集積部4によって集積された硬貨Cの枚数
が所定枚数に到達した時点でこの集積硬貨C1の周面に
包装紙R1を巻き付けて包装する包装部5とが備えら
れ、硬貨集積部4に形成される硬貨持上げ手段は、硬貨
搬送ベルト35によって集積位置に送り出された硬貨C
を乗り上げさせる回転円錐体42と、この回転円錐体4
2を硬貨Cが集積位置に向かうように回転駆動する円錐
体駆動モータ42bとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬貨貯槽に装填さ
れた多数の硬貨を整列させながら送り出して集積し、所
定枚数に到達したつど包装紙で包装するように構成され
た硬貨包装機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホッパーに装填された多数の硬貨
を、ホッパー底部に設けられた回転円盤の遠心力で周壁
に沿うように整列させ、順次取出し口から排出された1
枚ずつの硬貨を、所定の集積位置に落下させて積み重ね
ていき、所定枚数の硬貨が集積された時点で集積硬貨に
包装紙を巻き付けて包装するようにした硬貨包装機が知
られている。
【0003】かかる硬貨包装機によれば所定枚数の集積
硬貨が自動的に包装されるため便利であるが、下に位置
した硬貨の上に新たな硬貨を落下させて順次積み重ねて
いくため落下中に硬貨の姿勢が変わったり、落下後に硬
貨がバウンドしたりして集積状態が安定せず、従って、
所定枚数の硬貨が適正に集積された状態にならない頻度
が多いという不都合が存在した。
【0004】かかる不都合を解消するものとして、硬貨
の排出位置を集積高さの増加に合わせて順次高くしてい
くことが考えられる。こうすることによって硬貨の落下
が起こらないようになり、落下による姿勢変更に起因し
た集積不適は解消されるが、硬貨の排出高さを変更して
いく構造が非常に複雑になり現実的ではない。
【0005】そこで、新たな硬貨を先の集積硬貨の最下
層に潜り込ませて下から集積するようになされたものが
提案されている。こうすることによって硬貨集積機構を
簡単な構造のものにした上で姿勢変更が抑えられ、か
つ、硬貨の供給位置が一定になり、常に適正に硬貨を集
積することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硬貨を
集積硬貨の最下層に潜り込ませる方式の硬貨包装機にあ
っては、集積された硬貨の最下層のものの上流側の縁部
と集積位置との間につぎの硬貨を潜り込ませるための隙
間を形成するべく、狭隘な硬貨集積位置の近傍に隙間形
成機構を設ける必要があり、この機構が相当複雑なもの
になるため、製造コストが嵩むという問題点を有してい
る。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、硬貨集積機構の構造の簡素
化を図り、これによって機体の小型化および製造コスト
の低減化を実現することが可能な硬貨包装機を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
装填された多数の硬貨を整列させながら集積して所定枚
数に到達したつど集積硬貨を包装紙で包装する硬貨包装
機であって、多数の硬貨を貯留する硬貨貯留槽と、この
硬貨貯留槽から硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨抜出し手段
と、この硬貨抜出し手段が抜出した硬貨を1枚ずつ積み
重ねて集積硬貨を形成する硬貨集積手段と、この硬貨集
積手段によって集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達
した時点でこの集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包
装する包装手段とが備えられ、上記硬貨抜出し手段は、
上記硬貨貯留槽の底部に設けられた垂直軸回りに駆動回
転する回転板と、この回転板の回転による遠心力で上記
硬貨貯留槽から抜き出された硬貨を搬送面に載せて搬送
する搬送ベルトと、この搬送ベルトの搬送面に略硬貨の
厚み寸法分だけ離間して対向配置された、硬貨の積層を
抑える積層規制部材とを備えて構成され、上記硬貨集積
手段は、上記搬送ベルトの下流端位置の直ぐ下流側に設
定された硬貨集積位置に硬貨を留める上下方向に延びた
ストッパーと、上記硬貨集積位置に集積された集積硬貨
の搬送ベルト側を硬貨の厚み寸法以上に持ち上げる硬貨
持上げ手段とを備えて構成され、上記硬貨持上げ手段
は、搬送ベルトによって集積位置に送り出された硬貨を
乗り上げさせるローラと、このローラを硬貨が集積位置
に向かうように回転駆動するローラ駆動手段とを備えて
構成されていることを特徴とするものである。
【0009】請求項2記載の発明は、装填された多数の
硬貨を整列させながら集積して所定枚数に到達したつど
集積硬貨を包装紙で包装する硬貨包装機であって、多数
の硬貨を貯留する硬貨貯留槽と、この硬貨貯留槽から硬
貨を1枚ずつ抜き出す硬貨抜出し手段と、この硬貨抜出
し手段が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ねて集積硬貨を
形成する硬貨集積手段と、この硬貨集積手段によって集
積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した時点でこの集
積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装する包装手段と
が備えられ、上記硬貨抜出し手段は、上記硬貨貯留槽の
底部に設けられた垂直軸回りに駆動回転する回転板と、
この回転板の回転による遠心力で上記硬貨貯留槽から抜
き出された硬貨を搬送面に載せて搬送する搬送ベルト
と、この搬送ベルトの搬送面に略硬貨の厚み寸法分だけ
離間して対向配置された、硬貨の積層を抑える積層規制
部材とを備えて構成され、上記硬貨集積手段は、上記搬
送ベルトの下流端位置の直ぐ下流側に設定された硬貨集
積位置に硬貨を留める上下方向に延びたストッパーと、
上記硬貨集積位置に集積された集積硬貨の搬送ベルト側
を硬貨の厚み寸法以上に持ち上げる硬貨持上げ手段とを
備えて構成され、上記硬貨持上げ手段は、搬送ベルトに
よって送り出された硬貨に対する対向縁部が先上がりに
傾斜した傾斜縁部を有する硬貨持上げアームと、この硬
貨持上げアームを上記傾斜縁部が送り出される硬貨に対
向する位置まで上方に向けて付勢する付勢手段とからな
り、上記付勢手段は、所定枚数の集積硬貨の搬送ベルト
側を持ち上げ得る一方、上記積層規制部材および搬送ベ
ルト間に挟持された状態で送り出された硬貨が上記傾斜
縁部と干渉することによって硬貨持ち上げ片が下方に退
避し得るように付勢力が設定されていることを特徴とす
るものである。
【0010】これらの発明によれば、硬貨貯留槽に装填
された多数の硬貨は、硬貨抜出し手段の底部に設けられ
た回転板の垂直軸回りの回転による遠心力で槽壁に押し
付けられた状態で回転方向に順次移動し、所定の抜出し
口から抜出される。そして抜出された硬貨は、搬送ベル
トの駆動によってその搬送面と積層規制部材との間に挟
持された安定状態で硬貨集積位置にまで送り込まれる。
【0011】このとき集積位置に硬貨が存在しないとき
は、搬送ベルトからの硬貨はそのまま集積位置に送り込
まれてストッパーに当止することにより位置決めされる
一方、すでに先の硬貨が存在するときは、新たに送り込
まれた硬貨は、硬貨持上げ手段の駆動で持上げられた集
積位置にある硬貨の下に潜り込み、これによって順次送
り込まれた硬貨は下から積み上げられ、所定枚数が集積
されることによって集積硬貨が形成される。この集積硬
貨は、包装手段の駆動によりその外周面に包装紙が巻き
付けられて包装済みの硬貨になり、硬貨包装機内の所定
の包装硬貨貯留空間に移される。このような包装処理
が、硬貨貯留槽内の硬貨がなくなるまで続けられること
により、包装硬貨貯留空間に複数の包装硬貨が収納され
た状態になる。
【0012】そして、特に請求項1記載の発明において
は、硬貨持上げ手段は、搬送ベルトによって集積位置に
送り出された硬貨を乗り上げさせるローラと、このロー
ラを硬貨が集積位置に向かうように回転駆動するローラ
駆動手段とを備えて構成されているため、搬送ベルトに
よりローラにまで送り込まれた硬貨は、ローラ駆動手段
によるローラの駆動回転に誘導されて集積位置に向か
い、このときすでにローラに載せられることによって若
干浮かされた状態になっている先の硬貨の下側に潜り込
んで新たに集積されることになる。
【0013】このように、硬貨持上げ手段としてローラ
を採用したため、硬貨集積手段の構造を簡単なものにし
た上で、下からの硬貨の集積処理が確実に実行される。
【0014】また、特に請求項2記載の発明において
は、硬貨持上げ手段を、搬送ベルトによって送り出され
た硬貨に対する対向縁部が先上がりに傾斜した傾斜縁部
を有する硬貨持上げアームと、この硬貨持上げアームを
上記傾斜縁部が送り出される硬貨に対向する位置まで上
方に向けて付勢する付勢手段とから構成したため、搬送
ベルトによって硬貨持上げアームにまで送り込まれた硬
貨は、搬送ベルトに押されることにより硬貨持上げアー
ムによって持ち上げられている集積硬貨の底部に潜り込
みながら硬貨持上げアームの傾斜縁部に干渉して傾斜縁
部を付勢手段の付勢力に抗して下方に押圧しつつ集積位
置に送り込まれる。
【0015】集積位置にまで送り込まれた新たな硬貨
は、積層規制部材から開放されることによって付勢手段
の付勢力による硬貨持上げアームの上動により搬送ベル
トに対向した縁部が持上げられ、つぎの硬貨が潜り込む
ための隙間が形成される。従って、硬貨が搬送ベルトの
駆動で硬貨持上げ手段に到達する都度、このような硬貨
の潜り込み動作が繰り返され、これによって硬貨は下か
ら順次集積されて集積硬貨になる。
【0016】そして、付勢手段は、所定枚数の集積硬貨
の搬送ベルト側を持ち上げ得る一方、積層規制部材およ
び搬送ベルト間に挟持された状態で送り出された硬貨が
傾斜縁部と干渉することによって硬貨持ち上げ片が下方
に退避し得るように付勢力が設定されているため、上記
のような硬貨の集積硬貨下部への潜り込み動作が確実に
行われる。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、上記硬貨抜出し手段および上記包
装手段の動作を制御する制御装置が設けられていること
を特徴とするものである。
【0018】この発明によれば、制御手段の制御による
硬貨抜出し手段および包装手段の適正な動作によって硬
貨貯留槽に装填された多数の硬貨は、自動的に順次集積
されて包装され、包装硬貨になる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、上記制御装置は、上記硬貨貯留槽から送り
出される硬貨が最初の所定枚数のものであるときは、所
定枚数目を過ぎた硬貨の送出し速度より遅い送出し速度
で硬貨を送り出すように制御するものであることを特徴
とするものである。
【0020】硬貨貯留槽から送り出される最初の硬貨
は、集積位置に潜り込むべき硬貨が存在しないことか
ら、搬送ベルトと積層規制部材とによる挟持状態が解除
されたとたんに飛び跳ねて以後の円滑な集積処理を阻害
する縦姿勢で集積位置に位置するような不都合の生じる
ことがあるが、この発明によれば、制御装置による制御
で所定枚数目の硬貨の搬送ベルトによる送り込み速度が
通常より遅く設定されているため、搬送ベルトから外れ
たとたんに硬貨が飛び跳ねるような不都合が確実に抑制
される。
【0021】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明に係る
硬貨包装機の一実施形態を示す外観図であり、図1は、
各蓋体が閉止された状態、図2は各蓋体が開放された状
態をそれぞれ示している。なお、図1および図2におい
て、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向とい
い、特に-X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を
前方、+Y方向という。これらの図に示すように、硬貨
包装機1は、後述する各種の硬貨包装用の機構が合体さ
れてなる包装機本体10と、この包装機本体10を収納
する箱型のケーシング11とを備えた基本構成を有して
いる。
【0022】上記ケーシング11は、内装された包装機
本体10を支持する構造材としての役割を果たすととも
に、硬貨包装機1の外観を美麗にするデザイン的な要素
も備えたケーシング本体12と、このケーシング本体1
2の前面に斜めに開閉自在に取り付けられたパネル板1
3と、ケーシング本体12の上面に開閉自在に取り付け
られた蓋体14と、ケーシング本体12に対して出没自
在に内装された包装硬貨収納箱15からなっている。
【0023】上記ケーシング本体12は、図2に示すよ
うに、前面上部に前下がりに傾斜した前面傾斜開口12
aを有しているとともに、上面に上面開口12bを有
し、これら両開口12a,12bの境界位置に、ケーシ
ング本体12の側板間に架橋された梁材12cが設けら
れている。そして、上記パネル板13は、前面傾斜開口
12aを開閉し得るようにケーシング本体12の前面板
の上縁部近傍に水平軸12d回りに回動自在に軸支され
ているとともに、上記蓋体14は、上面開口12bを開
閉し得るようにケーシング本体12の後面板の上縁部近
傍に水平軸12e回りに回動自在に軸支されている。
【0024】また、パネル板13および蓋体14の幅方
向中央部の先端位置には、それぞれ閉止状態をロックす
るためのロックボタン11aが設けられているととも
に、梁材12cにはロックボタン11aに対応した位置
にロック金具11bが設けられている。普段は、図1に
示すように、パネル板13および蓋体14が閉止された
状態で各ロックボタン11aの係止爪がロック金具11
bに係合してパネル板13および蓋体14の閉止状態が
ロックされる一方、各ロックボタン11aの操作で上記
ロックが解除されるようになっている。このロック解除
状態でパネル板13および蓋体14を水平軸12d,1
2e回りに所定方向に回動させることにより、図2に示
すように、前面傾斜開口12aおよび上面開口12bが
開放され、これによって包装機本体10の点検や保守管
理が容易に行い得るようになっている。
【0025】上記パネル板13の表面側には、操作部1
3aおよび表示部13dが形成されている。操作部13
aは、各種の操作信号を入力するためのものであり、数
値入力用のテンキー13bと、各種の制御信号を入力す
るためのコントロールキー13cとを備えている。表示
部13dは、各種の入力情報やコントロール情報を出力
表示するものであり、液晶画面あるいは7セグメントの
LED等によって形成されている。
【0026】上記蓋体14には、ケーシング11内に没
入するように形成された平面視で正方形状の硬貨ホッパ
ー14aが設けられている。包装対象の多数の硬貨は、
この硬貨ホッパー14aを介して包装機本体10内に供
給され、所定の処理が施されることによって複数枚(例
えば50枚)毎の集積状態で包装されて包装硬貨収納箱
15に順次貯留されるようになっている。
【0027】上記包装硬貨収納箱15は、ケーシング1
1の前面板に開口された引出し開口11cに出没自在に
嵌め込まれている。かかる包装硬貨収納箱15は、コン
トロールキー13cの所定のもののキー操作で自動的に
あるいはマニュアル操作で引き出されるようになってい
る。
【0028】図3および図4は、ケーシング11に内装
される包装機本体10の一実施形態を示す斜視図であ
り、図3は、硬貨押え部材が硬貨を押える押え位置に設
定された状態、図4は、硬貨押え部材が硬貨を開放する
開放位置に設定された状態をそれぞれ示している。ま
た、図5は図3に示す包装機本体10の機枠板を除いた
状態における平面図であり、図6はその正面図である。
なお、図3〜図6における方向表示は図1と同様であ
る。以下、図3〜図6を基に包装機本体10の全体的な
構成についてその概略を説明する。
【0029】これらの図に示すように、包装機本体10
は、多数の硬貨を貯留する硬貨貯留部2と、この硬貨貯
留部2から硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨取込み部3と、
この硬貨取込み部3が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ね
て集積硬貨を形成する硬貨集積部4と、この硬貨集積部
4によって集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した
時点でこの集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装す
る包装部5とが所定の配置で機枠7に装備されるととも
に、ケーシング11の底板の前方位置に配設された制御
装置6を備えた状態で形成されている。
【0030】上記機枠7は、金属板を側面視でコ字状に
曲折処理することによって形成された台座71と、この
台座71に立設された複数本の支柱72と、各支柱72
の頂部に支持された機枠板73とからなっている。台座
71は、矩形状の金属板の前後側部がそれぞれ下方に向
けて直角に折り曲げられて形成した一対の側板71aを
有しているとともに、これら側板71aの頂部間に天板
71bが架橋されている。
【0031】上記天板71bは、幅寸法がケーシング本
体12の内幅寸法より若干短めに寸法設定されていると
ともに、前後寸法がケーシング本体12の前後内寸法の
略3b分の2の長さ寸法に設定され、台座71をケーシ
ング本体12の後方位置に内装した状態でケーシング本
体12の底板の前方部分に包装硬貨収納箱15および制
御装置6を収容する空間が形成されるようにしている。
かかる台座71の天板71b上の略左半分の位置に硬貨
貯留部2が形成されているとともに、同右半分の位置に
5本の支柱72が立設され、機枠板73はこれら5本の
支柱72に支持されている。
【0032】そして、天板71bの前方の略中央位置に
硬貨取込み部3が形成されるとともに、この硬貨取込み
部3に隣接した右方位置に硬貨集積部4が形成され、さ
らにこの硬貨取込み部3の右方から後方にかけた機枠板
73と天板71bとの間に包装部5が形成されている。
【0033】上記硬貨貯留部2は、台座71の天板71
bに立設された円筒状の囲い筒21と、この囲い筒21
内の天板71b上であって、上記硬貨ホッパー14aの
直下に配された回転円盤22と、この回転円盤22を中
心回りに回転させる円盤駆動モータ23(図5、図6)
とからなっている。回転円盤22は、表面側の中心位置
に上方に向かって突設された円錐体22aを有している
とともに、その裏面側には軸受筒22bが同心で突設さ
れている。
【0034】一方、円盤駆動モータ23は、囲い筒21
の中心と同心で天板71bの裏面側に縦置き状態で固定
されている。かかる円盤駆動モータ23の駆動軸23a
は、天板71bを貫通して囲い筒21内に突出され、上
記軸受筒22bがこの駆動軸23aに外嵌されてねじ止
め等で固定されることにより、回転円盤22が円盤駆動
モータ23の駆動で軸受筒22b回りに回転するように
なっている。
【0035】そして、回転円盤22上に供給された硬貨
は、円盤駆動モータ23の駆動による回転円盤22の回
転に起因した遠心力で囲い筒21の内周面に押し付けら
れ、これによって外部に導出され易くなるようにしてい
る。
【0036】そして、囲い筒21の一部(前端から若干
右寄りの位置)には、回転円盤22の周縁に対応するよ
うに穿設された周方向所定長の硬貨導出スリット24が
形成され、回転円盤22の回転による遠心力で囲い筒2
1の内周面に押し付けられた状態になっている傾斜姿勢
の硬貨がこの硬貨導出スリット24を通って硬貨取込み
部3に向けて抜き出されるようになっている。
【0037】図7は、硬貨取込み部3および硬貨集積部
4の一実施形態を示す拡大斜視図である。まず、図7を
基に必要に応じて図4〜図6を参照しながら硬貨取込み
部3について説明する。硬貨取込み部3は、硬貨導出ス
リット24に対応して囲い筒21の外周面に当接するよ
うに設けられた硬貨搬送基盤31と、この硬貨搬送基盤
31に積層固定される隙間保持板32と、この隙間保持
板32にさらに積層固定されて硬貨の積み重なりを抑え
る積層規制板(積層規制部材)33と、硬貨搬送基盤3
1の下部に設けられて硬貨搬送基盤31上に抜き出され
た硬貨を硬貨集積部4に向けて送り込むベルト機構34
とを備えて構成されている。
【0038】上記硬貨搬送基盤31は、矩形状の板の一
角部に形成された円弧縁部31aと、中央部に長手方向
に延びるベルト装着孔31cとを備えて形成されてい
る。上記円弧縁部31aは、囲い筒21の外径寸法と同
一の曲率半径で円弧状になるように板材をプレス処理す
ることにより形成され、このプレス処理時に下方に向け
て折り返された部分で円弧側板31bが形成されてい
る。この円弧側板31bの上下寸法は、天板71bと硬
貨導出スリット24の下縁部との間の距離と同一に寸法
設定され、円弧側板31bを硬貨導出スリット24下部
の囲い筒21に沿わせることにより、硬貨導出スリット
24から競り出た硬貨が硬貨搬送基盤31上に載るよう
になっている。
【0039】上記ベルト装着孔31cは、後述する硬貨
搬送ベルト35の送り側のベルトを嵌挿するためのもの
であり、左端部が硬貨導出スリット24に近接位置で対
向するとともに右端部が開放されている。従って、硬貨
導出スリット24から競り出た硬貨Cは、硬貨搬送ベル
ト35の駆動で右方に向けて搬送されることになる。
【0040】上記隙間保持板32は、天板71bと積層
規制板33との間に硬貨Cを通過させ得る隙間と通路と
を形成する役割を果たすものであり、前方側保持板32
aと後方側保持板32bとからなっている。前方側保持
板32aは、左側部が鈍角に曲折されてその先端部が硬
貨導出スリット24より左方位置で囲い筒21の外周面
に当接されているとともに、後方側保持板32bは、左
端部が円弧状に形成されて硬貨導出スリット24の右端
部より右方位置の囲い筒21の外周面に当接され、これ
によって各保持板32a,32b間に硬貨搬送ベルト3
5に対応した硬貨通路32cが形成されている。
【0041】上記積層規制板33は、硬貨通路32cを
搬送されつつある硬貨Cが積層して2枚重ねで搬送され
るのを防止するためのものであり、左縁部が硬貨導出ス
リット24上の囲い筒21の外周面に沿うように斜めに
形成されているとともに、この斜めの縁部から上方に向
かって衝立縁部33aが延設され、この衝立縁部33a
の存在で硬貨導出スリット24から導出された硬貨Cが
隙間から外部にこぼれ出すのを防止するようにしてい
る。また、積層規制板33の中央位置には、硬貨搬送ベ
ルト35に対応した長尺の覗き孔33bが穿設され、こ
の覗き孔33bから硬貨Cの搬送状況をチェックし得る
ようになっている。
【0042】かかる硬貨搬送基盤31、隙間保持板32
および積層規制板33は、互いに積層された状態で上部
が貫通される複数本の短尺支柱30を介して台座71の
天板71bに支持されている。
【0043】上記ベルト機構34は、送り側のベルトが
下方から硬貨搬送基盤31のベルト装着孔31cに嵌挿
される硬貨搬送ベルト35と、この硬貨搬送ベルト35
を周回駆動するベルトモータ36とからなっている。硬
貨搬送ベルト35は、ベルト装着孔31cの左端部およ
び右端部直下に設けられた一対の従動プーリ35aと、
これら従動プーリ35aの略中間の下方位置に設けられ
た駆動プーリ36aとに、送り側のベルトがベルト装着
孔31cから若干上方に突出する状態で張設されてい
る。
【0044】駆動プーリ36aは、ベルトモータ36の
駆動軸36bに同心で共回り可能に固定され、ベルトモ
ータ36の駆動による駆動軸36bを介した駆動プーリ
36aの回転によって硬貨搬送ベルト35が時計方向に
周回し、これによって硬貨通路32cに位置した硬貨C
は硬貨通路32cを上流側から下流側に向かって搬送さ
れることになる。
【0045】また、上記駆動プーリ36aには、図略の
ワンウエイクラッチが内装され、駆動軸36bの軸心回
りの時計方向に向かう回転と共回りするのに対し、同反
時計方向に向かう回転に対しては共回りしないようにな
っている。
【0046】つぎに図7を基に必要に応じて図4〜図6
を参照しながら硬貨集積部4について説明する。硬貨集
積部4は、硬貨搬送基盤31の右端縁部から右方に向け
て突設された硬貨集積板41と、この硬貨集積板41上
に設けられた回転円錐体42と、硬貨集積板41上に集
積された硬貨Cを突き上げて支える支え棒43と、この
支え棒43を昇降させる昇降機構44と、硬貨集積板4
1上に押し出された硬貨Cの先端側の縁部に干渉して硬
貨Cのオーバーランを防止するストッパーとしての後記
一対の巻取りローラ56とを備えて構成されている。
【0047】上記硬貨集積板41は、幅寸法が硬貨Cの
径寸法と略同一に設定されているとともに長さ寸法が硬
貨Cの直径より若干長めに寸法設定され、硬貨通路32
cを通過した硬貨Cが安定した状態で載置され得るよう
になっている。かかる硬貨集積板41の中心位置には上
記支え棒43を挿通する挿通孔41aが穿設されてい
る。
【0048】上記回転円錐体42は、硬貨通路32cか
ら硬貨集積板41上に送り出された硬貨Cの縁部を乗り
上げさせて硬貨Cと硬貨集積板41との間に後続の硬貨
Cを潜り込ませるための隙間を形成させるものであり、
挿通孔41aとは干渉しないように径寸法が設定されて
いる。かかる回転円錐体42は、挿通孔41aの前方位
置で硬貨集積板41を貫通した垂直軸42a回りに共回
り可能に軸支されている。そして垂直軸42aは、台座
71内の適所に設けられた円錐体駆動モータ42bの駆
動回転が、駆動プーリ42c、無端ベルト42dおよび
従動プーリ42eを介して伝達され、これによって軸心
回りに平面視で反時計方向に回転し、硬貨集積板41上
に排出された硬貨Cは、後述する一対の巻取りローラ5
6に当接する位置にまで送り込まれるようになってい
る。
【0049】上記支え棒43は、台座71内に幅方向に
延びるように天板71bから垂下された仕切板74(図
3)と一体の支持板43aに貫通して上下動可能に支持
されている。支え棒43の略中間位置には支持板43a
を貫通した状態で支持板43aより上部位置にストッパ
ーリング43bがねじ止めで固定されているとともに、
下端部にはフランジ43cが設けられている。そして、
支え棒43のフランジ43cと支持板43aとの間に圧
縮状態のたけのこばね43dが装着され、これによって
支え棒43は下方に向けて付勢された状態になってい
る。
【0050】上記昇降機構44は、支え棒43を乗降さ
せる摺動リンク板45と、ベルトモータ36の駆動軸3
6bと共回りして摺動リンク板45を上下方向に移動さ
せる偏心カム46とを備えて構成されている。
【0051】摺動リンク板45は、硬貨搬送ベルト35
に干渉しないように平面視でコ字状に形成された幅方向
に長尺の矩形体によって形成され、基端側(幅方向の左
方)が仕切板74に固定された前後方向に延びるリンク
軸45a(図6)回りに揺動自在に軸支されているとと
もに、先端側に前後方向に延びる嵌込み溝45bが凹設
され、この嵌込み溝45bが上記ストッパーリング43
bと支持板43a間の支え棒43に外嵌されることによ
って摺動リンク板45が支え棒43にリンクしている。
そして、摺動リンク板45が最下位置に設定された状態
で、回転円錐体42の挿通孔41aを貫通した支え棒4
3の上端部が硬貨集積板41の上面と面一になるように
支え棒43の長さ寸法が設定されている。
【0052】上記偏心カム46は、図6に示す基準姿勢
(摺動リンク板45が最下位になるように偏心カム46
の外周面と当接している姿勢)に姿勢設定された状態
で、摺動リンク板45に当接している部分の径寸法が最
小に設定されているとともに、駆動軸36b周りに時計
方向に向かうに従って径寸法が漸増するように形状設定
されている。そして基準姿勢の当接点から略270°の
位相で最大径寸法になるように径設定され、この位置か
ら基準姿勢の当接点に向けて直線状の外周面が形成され
ている。
【0053】かかる偏心カム46は、ベルトモータ36
の駆動軸36bの反時計方向に向かう回転に追随して共
回りする一方、同時計方向に向かう回転に対しては共回
りしないようにクラッチ動作を行う図略のワンウエイク
ラッチを有している。従って、駆動軸36bが時計方向
に回転したときは、上記駆動プーリ36a内のワンウエ
イクラッチの作用で駆動プーリ36aが駆動軸36b回
りに時計方向に回転して硬貨搬送ベルト35が時計方向
に周回するとともに偏心カム46は内部のワンウエイク
ラッチの作用で回転しない。
【0054】これに対し、ベルトモータ36の逆駆動で
駆動軸36bが軸心回りに反時計方向に回転したとき
は、各ワンウエイクラッチの作用で偏心カム46は駆動
軸36b回りに反時計方向に回転するのに対し、硬貨搬
送ベルト35は周回しないようになっている。
【0055】かかる硬貨集積部4の構成によれば、ベル
トモータ36の正駆動による硬貨搬送ベルト35の時計
方向に向かう周回で硬貨通路32cから硬貨集積板41
に向けて抜け出した硬貨Cは、円錐体駆動モータ42b
の駆動による回転円錐体42の反時計方向に向かう垂直
軸42a回りの回転に誘導されて硬貨集積板41の奥部
に進んで昇降ブロック59bに当止して位置決めがなさ
れるとともに、回転円錐体42に乗り上げることにより
左端部に硬貨集積板41との間で隙間が形成された状態
になる。
【0056】従って、つぎに送り込まれた硬貨Cは、回
転円錐体42の回転に誘導されて先の硬貨Cの下部隙間
に潜り込み、これによって先の硬貨Cは持ち上げられ
る。かかる操作が繰り返されることによって複数枚の硬
貨Cが硬貨集積板41上に下から順次集積されていくこ
とになる。
【0057】そして、予め設定された所定枚数の硬貨C
が硬貨集積板41上に集積されると、ベルトモータ36
が逆駆動させられ、これによる偏心カム46の駆動軸3
6b回りの反時計方向に向かう所定位相の回転によって
その周面に当接している摺動リンク板45がリンク軸4
5a回りに反時計方向に所定位相だけ回動する。この摺
動リンク板45の回動によって、先端部がストッパーリ
ング43bを介してリンクされている支え棒43が偏心
カム46の回転位相に応じた分だけたけのこばね43d
の付勢力に抗して上昇し、集積硬貨C1は、硬貨集積板
41の位置で支え棒43によって所定高さにまで持ち上
げられた状態になる。この状態で集積硬貨C1に対して
包装部5による所定の包装処理が施される。
【0058】そして、本実施形態においては、偏心カム
46の径寸法は、基準姿勢における軸心から摺動リンク
板45に対する当接位置までを最小径寸法とされ、この
径寸法から時計方向に向けて順次漸増するようにしてい
るため、集積硬貨C1の上下寸法に応じて偏心カム46
の回動位相を適正に設定することにより、集積硬貨C1
を包装処理上最適の高さ位置まで持ち上げることができ
る。
【0059】具体的には、硬貨Cの種類に応じて厚み寸
法が異なる(例えば500円硬貨は1円硬貨より厚み寸
法が大きい)ため、所定枚数(例えば50枚)が集積さ
れた集積硬貨C1の集積長が異なる(500円の集積硬
貨C1の集積長は、1円の集積硬貨C1の集積長より大
きい)。従って、もしも支え棒43の上昇高さが常に一
定である場合には、集積硬貨C1の上下寸法によって包
装空間の上下方向の中央位置に集積硬貨C1を位置設定
させることができないのに対し、本実施形態において
は、偏心カム46の回動位相を集積硬貨C1の上下寸法
に応じて変更することにより、集積硬貨C1を常に包装
空間の中央部に位置させることが可能になる。
【0060】そして、集積硬貨C1に対する包装処理が
完了すれば、ベルトモータ36を再度逆駆動することに
より、偏心カム46は一周して基準姿勢に戻り、支え棒
43の急激な下降によって、包装空間Sの適所に設けら
れたフォーク状の図略の傾斜案内板に案内されて集積硬
貨C1は前方に向かって横転し、包装硬貨収納箱15内
に落下して収納されることになる。なお、傾斜案内板に
代えて重積硬貨C1の頂部を押圧する押圧手段を設け、
この押圧手段の動作によって重積硬貨C1を倒すように
してもよい。
【0061】つぎに図3〜図6に戻って上記包装部5に
ついて説明する。包装部5は、包装用のロール紙Rを装
着するロール紙装着台51と、このロール紙装着台51
から引き出されたロール紙Rを包装空間S(硬貨集積板
41の上方に形成された集積硬貨C1を包装するための
空間)に向けて送り出す一対の紙送りローラ52と、こ
の紙送りローラ52の一方を駆動する紙送りモータ53
と、紙送りローラ52によって送り込まれるロール紙R
から引き出された包装紙R1を誘導して案内する案内板
54と、案内板54に案内されつつある包装紙R1に対
して刃先が対向した紙カッター55と、硬貨集積板41
を挟むように包装空間Sの前後位置に対向配置された一
対の巻取りローラ56と、各巻取りローラ56を駆動す
るローラ駆動モータ57と、包装空間Sに形成された集
積硬貨C1を巻取りローラ56の方向に押圧する硬貨押
圧機構58と、集積硬貨C1の外周面に巻き付けられた
包装紙R1の集積硬貨C1から上下に突出している部分
を絞り込んで絞り部C2を形成する絞り機構59とを備
えて構成されている。
【0062】上記ロール紙装着台51は、ケーシング本
体12の右側壁から外方に向かって突設され、これによ
ってロール紙Rはケーシング11の外方においてロール
紙装着台51に着脱自在に装着されるようになってい
る。かかるロール紙装着台51の中央部には装着筒51
aが立設され、この装着筒51aにロール紙Rを外嵌す
ることによってロール紙Rがロール紙装着台51に装着
された状態になるようにしている。
【0063】上記一対の紙送りローラ52は、台座71
の天板71b上の右方位置に装着筒51aに対向して前
後方向に並設されている。上記紙送りモータ53は、後
方側の紙送りモータ53の直下の台座71裏面に固定さ
れている。この紙送りモータ53の駆動軸53aは、天
板71bを貫通して上方に突出され、この上方に突出し
た部分に後方側の紙送りローラ52が共回り可能に装着
されている。
【0064】また、前方側の紙送りローラ52は、天板
71bに立設された従動軸52a回りに回転自在に軸支
され、この従動軸52a側の紙送りローラ52の外周面
が駆動軸53a側の紙送りローラ52の外周面に当接さ
れていることにより、駆動軸53a側の紙送りローラ5
2の駆動回転が、包装紙R1を介して従動軸52a側の
紙送りローラ52に伝達されて両者は互いに逆方向に回
転するようになっている。
【0065】そして、ロール紙Rから引き出された包装
紙R1は、前方側の紙送りローラ52に時計方向に巻き
付けられたのち後方側の紙送りローラ52に反時計方向
に約半周巻き付けられて案内板54に向かわせられる。
後方側の紙送りローラ52のさらに後方には、外周面が
紙送りローラ52に当接した補助ローラ52bが、天板
71bに立設された補助軸52c回りに回転自在に軸支
されている。
【0066】この補助ローラ52bの頂部には紙送り摘
み52dがねじ止めで固定されている。この紙送り摘み
52dは、先端が案内板54にまで導入された包装紙R
1をさらに奥部にまで差し入れてその装着状態を調整す
るためのものである。かかる紙送り摘み52dは、上記
蓋体14(図1)が閉止された状態でその対応位置に穿
設された摘み孔14bから外部に突出するようになされ
ており、蓋体14を閉止した状態でも紙送り摘み52d
を操作することによって紙送りの調整を行い得るように
している。
【0067】上記案内板54は、右端部が補助ローラ5
2bと紙送りローラ52との間に対向するとともに、左
方位置で所定の曲率半径で円弧状に形成されている。そ
して、案内板54の先端部は後方側の巻取りローラ56
の右方位置に対向するように形状設定され、かかる案内
板54の内側の曲面に案内された包装紙R1が後方側の
巻取りローラ56の回転駆動によって包装空間Sに導入
されるようになっている。
【0068】上記紙カッター55は、包装空間S内にお
ける集積硬貨C1の包装が完了した時点における張力の
増加により包装紙R1を切断するものである。具体的に
は、所定長の包装紙R1が送り出された後に紙送りモー
タ53の駆動を停止させることにより、駆動回転を継続
している巻取りローラ56が包装紙R1を引っ張ること
で包装紙R1に張力を発生させるようにしている。
【0069】かかる巻取りローラ56は、包装空間Sに
集積され、かつ、硬貨押圧機構58によって押圧された
集積硬貨C1の外周面に包装紙R1を巻き付るものであ
り、天板71b上に立設されたローラ軸56a回りに共
回り可能になっている。
【0070】後方側のローラ軸56aは、ローラ駆動モ
ータ57の駆動によって時計方向へ駆動回転するように
なっている。そして、前後一対のローラ軸56aの機枠
板73から上方に突出した部分にはそれぞれ歯車56b
(図3)がそれぞれ設けられているとともに、これら歯
車56b間にアイドル歯車56cが設けられ、後方側の
歯車56bの駆動回転がアイドル歯車56cを介して前
方側の歯車56bに伝達されることにより、一対の巻取
りローラ56が互いに逆方向に共回りするようになって
いる。
【0071】そして、後方側の巻取りローラ56と、こ
の巻取りローラ56に当接したガイド板56dとの間に
包装紙R1が供給されることにより、包装紙R1は巻取
りローラ56および硬貨押圧機構58との協働で集積硬
貨C1を反時計方向に回転させながらその外周面に巻き
付いていくようになっている。
【0072】また、一対の巻取りローラ56は、硬貨集
積板41上に押し出された硬貨Cの先端側の縁部に干渉
して硬貨Cのオーバーランを防止するストッパーとして
役割を果すものであり、それらの下部は硬貨Cの衝突に
対抗し得るように金属製とされている。
【0073】上記硬貨押圧機構58は、天板71bと機
枠板73(図3)との間に架設された支点軸58b回り
に回動自在の上下一対の挟持板58aと、これら一対の
挟持板58aの前端部間に支持軸58c回りに回転自在
に挟持された押圧ローラ58dと、一対の挟持板58a
の後端部間に架設された上下方向に延びる架設軸58e
と、挟持板58aの後端部と最左端の支柱72(図3、
図4)との間に張設されたコイルスプリング58fと、
架設軸58eに隣接した支柱72(支持支柱72a)に
回動自在に支持された第2偏心カム58gとからなって
いる。
【0074】上記支点軸58bは、後部側の巻取りロー
ラ56の若干左後方に設けられているとともに、押圧ロ
ーラ58dは包装空間Sの直ぐ左方に設けられ、普段は
コイルスプリング58fの付勢力で押圧ローラ58dが
包装空間Sに臨むようになっている。従って、後方側の
巻取りローラ56の回転駆動で包装空間S内に引き込ま
れた包装紙R1は、押圧ローラ58dに案内されて集積
硬貨C1に円滑に巻き付き、集積硬貨C1の包装処理が
スムーズに行われるようになっている。
【0075】上記第2偏心カム58gは、普段は最小径
の縁部が架設軸58eに当接し、これによって押圧ロー
ラ58dが包装空間Sに臨むように位置設定されている
が、第2偏心カム58gが支持支柱72a回りに時計方
向に回動することによる径寸法の増加で架設軸58eが
支点軸58b回りに時計方向に押圧され、これによる挟
持板58aの支点軸58b回りの時計方向に向かう回動
によって押圧ローラ58dが包装空間Sから離間するよ
うになっている。押圧ローラ58dの包装空間Sからの
離間によって包装空間S内に形成された包装済みの集積
硬貨C1を排出する隙間が形成されることになる。
【0076】本実施形態においては、ローラ駆動モータ
57の回転駆動が後方の巻取りローラ56および第2偏
心カム58gにそれぞれ伝達されるようになっている。
具体的には、ローラ駆動モータ57の駆動軸57aには
共回り可能に駆動プーリ57bが設けられているととも
に、ローラ軸56aおよび支持支柱72aにはそれぞれ
ローラ軸用従動プーリ57cおよび支持支柱用従動プー
リ57dがそれぞれ設けられ、これら各プーリ57b,
57c,57dに無端ベルト57eが張設されることに
より、ローラ駆動モータ57の駆動回転が巻取りローラ
56および第2偏心カム58gに伝達されるようになっ
ている。
【0077】そして、ローラ軸56aとローラ軸用従動
プーリ57cとの間には、図略のワンウエイクラッチが
介設され、ローラ軸用従動プーリ57cの時計方向への
回転はローラ軸56aに伝達される一方、同反時計方向
への回転はローラ軸56aに伝達されないようになされ
ている。また、支持支柱72aと支持支柱用従動プーリ
57dとの間にも図略のワンウエイクラッチが介設さ
れ、支持支柱用従動プーリ57dの反時計方向への回転
は支持支柱72aに伝達されるのに対し、同時計方向へ
の回転は支持支柱72aに伝達されないようになされて
いる。
【0078】従って、ローラ駆動モータ57の時計方向
への駆動回転は巻取りローラ56にのみ伝達されて包装
紙R1が包装空間Sに引き込まれるのに対し、ローラ駆
動モータ57の反時計方向への駆動回転は第2偏心カム
58gにのみ伝達されて挟持板58aが支点軸58b回
りに時計方向に回動し、これによって包装空間Sが開放
されることになる。
【0079】上記絞り機構59は、包装空間S内で集積
硬貨C1に巻き付けられた包装紙R1の集積硬貨C1か
ら上下に延びた部分を絞り込んで環状の絞り部C2(図
9の(ニ)参照)を形成させるものであり、包装空間S
の右方位置に上下方向に延びるように設けられた昇降ベ
ルト59aと、この昇降ベルト59aに取り付けられた
上下一対の昇降ブロック59bと、昇降ベルト59aを
周回駆動する昇降モータ59cとからなっている。
【0080】上記昇降モータ59cは、天板71bの裏
面側に左右方向に延びるように横置きで据え付けられ、
その駆動軸59dに駆動プーリ59eが取り付けられて
いるとともに、この駆動プーリ59eの直上であって機
枠板73の適所に従動プーリ59fが設けられ、これら
プーリ59e,59f間に上記昇降ベルト59aが張設
されている。かかる昇降モータ59cは、入力パルス数
に比例して回転角が変位する、いわゆるステッピングモ
ータが採用され、これによって昇降ベルト59aの周回
変位を正確に制御し得るようになっている。
【0081】上記一対の昇降ブロック59bは、一方が
昇降ベルト59aの送り側のベルトに固定されていると
ともに、他方が返りベルトに固定され、これによって昇
降モータ59cを一方向に回転駆動することにより各昇
降ブロック59bは互いに接近する方向に移動する一
方、昇降モータ59cを他方向に回転駆動することによ
り互いに離間する方向に移動するようになっている。か
かる昇降ブロック59bには、機枠板73との間で台座
71の天板71b上に立設されたガイドロッド59gが
摺接状態で貫通され、これによって昇降ブロック59b
は横振れがない状態で円滑に昇降し得るようになってい
る。
【0082】そして、下方に位置した昇降ブロック59
bの下面には、図10に示すように、下方に向けて突出
した突片59hが突設されているとともに、この突片5
9hに左方に向けて突設された支持軸59iが設けら
れ、この支持軸59i回りに回転自在に絞込みローラ5
9jが軸支されている。この絞込みローラ59jは、集
積硬貨C1に巻き付いた包装紙R1の下縁部に対向する
環状溝59kが設けられ、この環状溝59kが円筒状に
なった包装紙R1の下縁部に外嵌した状態で集積硬貨C
1が回転することにより絞り部C2が形成されるように
なっている。
【0083】また、上方に位置した昇降ブロック59b
の上面にも上下が逆になっているだけで上記と同一構成
の絞込みローラ59jが設けられ、この絞込みローラ5
9jの環状溝59kが円筒状になった包装紙R1の上縁
部に外嵌した状態で集積硬貨C1が回転することにより
絞り部C2が形成されるようになっている。
【0084】上記制御装置6は、硬貨包装機1の運転を
総合的に制御するものであり、操作部13aのコントロ
ールキー13cからの所定のキー操作でスタートし、各
機器の連動動作で硬貨Cの包装処理が自動的に行われ
る。包装空間Sの直前の硬貨通路32cには、硬貨Cが
通過するたびにそれを検出する集積センサ8(図6)が
設けられ、制御装置6は、集積センサ8からの検出信号
に基づいて各所に制御信号を出力するようになってい
る。
【0085】図8は、制御装置6による制御の一実施形
態を示すブロック図である。この図に示すように、制御
装置6は、駆動信号出力部61と、集積枚数カウント部
62とを備えている。駆動信号出力部61は、コントロ
ールキー13cからの入力操作に応じて、および集積セ
ンサ8(図6)の検出結果に応じて円盤駆動モータ2
3、ベルトモータ36、紙送りモータ53、ローラ駆動
モータ57および昇降モータ59cのいずれかに適宜制
御信号を出力するものである。また、集積枚数カウント
部62は、集積センサ8からの検出信号が入力される都
度これをカウントし、所定の集積数になると駆動信号出
力部61にそのことを示す信号を出力するものである。
また、硬貨包装機1の運転操作上の各種の情報は、制御
装置6からの出力信号に基づいて表示部13dに出力表
示されるようになっている。
【0086】以下、駆動信号出力部61および集積枚数
カウント部62の機能について、経時的に説明する。硬
貨Cを包装するに際しては、まず、蓋体14の硬貨ホッ
パー14a(図1)に多数の硬貨Cを投入する。つい
で、コントロールキー13cから硬貨Cの種類(1円硬
貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨
および500円硬貨いずれか)と包装される集積枚数を
選択入力する(例えば50枚および20枚のいずれを選
択するかを入力する)。なお、数字の入力はテンキー1
3bから行う。引き続きコントロールキー13cの内の
処理開始キーを操作する。そうすると、駆動信号出力部
61から円盤駆動モータ23に駆動信号が出力され、こ
れによる円盤駆動モータ23の駆動によって回転円盤2
2が駆動軸23a回りに共回りし、回転円盤22上の硬
貨Cは遠心力で囲い筒21の内周面に押し付けられて排
出され易い状態になる。
【0087】なお、円錐体駆動モータ42bには、処理
開始キーのキーイン操作が行われると同時に駆動信号出
力部61からの駆動信号が入力され、この信号は硬貨C
が集積されている間継続されるようになされており、従
って、硬貨包装機1が硬貨Cを集積する動作を行ってい
る期間中は常に回転円錐体42が垂直軸42a回りに回
転し続けることになる。
【0088】円盤駆動モータ23の駆動から所定時間
(数秒)が経過すると、駆動信号出力部61からベルト
モータ36(図6)に向けて駆動信号が出力され、これ
によるベルトモータ36の時計方向に向かう回転駆動が
駆動軸36bおよび駆動プーリ36aを介して硬貨搬送
ベルト35に伝達され、硬貨搬送ベルト35は時計方向
に周回する。この硬貨搬送ベルト35の周回によって硬
貨導出スリット24(図7)から硬貨通路32cに順次
導出された硬貨Cは、硬貨通路32cを下流側に向かっ
て一列になって搬送される。
【0089】そして、先頭の硬貨Cが硬貨通路32cか
ら硬貨集積板41上に排出されると、図9の(イ)に示
すように、回転円錐体42の反時計方向に向かう回転に
誘導されて硬貨集積板41の奥部にまで送り込まれ、昇
降ブロック59bに当止して停止する。ついで、2枚目
の硬貨Cが回転円錐体42に到達すると、この回転円錐
体42の回転に誘導されて硬貨集積板41上を前進する
が、このとき、図9の(ロ)に示すように、すでに回転
円錐体42上に載置されて傾いた1枚目の硬貨Cと硬貨
集積板41との間に形成された隙間に2枚目の硬貨Cが
嵌り込むことによって1枚目の硬貨Cの下に潜り込む。
かかる操作が繰り返されることによって、図9の(ハ)
に示すように、硬貨Cは硬貨集積板41上において下か
ら順次集積されていき、集積硬貨C1が形成される。
【0090】そして、本実施形態においては、集積セン
サ8からの検出信号によって硬貨集積板41上に硬貨C
が存在していないことが検出されたときは、硬貨搬送ベ
ルト35の周回速度が通常の周回速度より遅くなるよう
に駆動信号出力部61からベルトモータ36に制御信号
が出力され、これによって最初の1枚目の硬貨Cが硬貨
通路32cから硬貨集積板41に排出されるときは、そ
の硬貨Cの上位に先の硬貨Cが存在しないことによる跳
ね上がりが抑止されるようになっている。
【0091】硬貨集積板41上に硬貨Cの存在すること
が集積センサ8によって検出されると、この集積センサ
8からの検出信号に基づいて駆動信号出力部61から通
常の駆動回転に戻す制御信号がベルトモータ36に向け
て出力されるため、硬貨Cの2枚目以降の集積操作は迅
速に行われることになる。
【0092】上記集積枚数カウント部62は、集積セン
サ8が硬貨包装機1上で硬貨Cを検出する度にその検出
信号に基づいて硬貨Cの枚数をカウントするものであ
る。そして、この枚数が予め設定された枚数(例えば5
0枚)に達すると、このことを示す制御信号が駆動信号
出力部61に向けて出力され、これを受けた駆動信号出
力部61は、ベルトモータ36に一旦駆動停止信号を出
力した後に逆駆動信号を出力する。
【0093】この逆駆動信号は、硬貨Cの種類に応じた
偏心カム46の回動変位を含むものであり、ベルトモー
タ36が所定変位だけ逆方向に回動することによる偏心
カム46の回動によって摺動リンク板45がリンク軸4
5a(図6)回りに反時計方向に所定変位だけ回動し、
これによって支え棒43がたけのこばね43dの付勢力
に抗して所定距離だけ上昇する。この支え棒43の上昇
によって硬貨集積板41上に形成された集積硬貨C1
は、図9の(ニ)に示すように、支え棒43によって所
定長だけ上方に持ち上げられることになる。
【0094】そして、偏心カム46の回動量は、硬貨C
の種類に応じて設定され(具体的には硬貨Cの厚み寸法
に反比例するように設定され)、支え棒43によって持
ち上げられた集積硬貨C1は、常に包装空間Sの上下方
向の中間位置に高さ設定されるようになっているため、
集積硬貨C1は硬貨Cの種類に拘わらず常に包装紙R1
の中央部で包装されることになる。
【0095】ついで、駆動信号出力部61から紙送りモ
ータ53およびローラ駆動モータ57に向けて駆動信号
が出力され、これによる紙送りモータ53およびローラ
駆動モータ57の駆動でロール紙装着台51上のロール
紙Rから包装紙R1が引き出されつつ巻取りローラ56
の回転駆動で回転している包装空間S内の集積硬貨C1
の外周面に包装紙R1が巻き付けられる。そして、この
巻き付け処理が完了する直前に紙送りモータ53が停止
されることによる張力の発生で包装紙R1が紙カッター
55により切断される。
【0096】包装紙R1が切断されたのち駆動信号出力
部61からの駆動信号によって昇降モータ59cが駆動
され、これによって上下一対の昇降ブロック59bが互
いに接近する方向に移動する。この昇降ブロック59b
の移動量は、硬貨Cの種類によって決められており、硬
貨Cの厚み寸法に反比例するようになされている。これ
によって上下の絞込みローラ59jが、包装紙R1の上
下の縁部を環状溝59k内に巻き込んだ状態で集積硬貨
C1の表裏面に当接する。
【0097】この状態で集積硬貨C1は巻取りローラ5
6の回転に誘導されて回転しているため、円筒状になっ
た包装紙R1の上下の縁部は、絞込みローラ59jによ
って強制的に絞り込まれ、包装された集積硬貨C1の上
下端部に絞り部C2が形成され、これによって包装処理
が完了する。
【0098】そして、包装処理の完了後、ローラ駆動モ
ータ57が駆動信号出力部61からの逆駆動信号によっ
て逆回転し、これによる挟持板58aの支点軸58b回
りのコイルスプリング58fに抗した時計方向への回動
によって押圧ローラ58dが集積硬貨C1から離間して
包装空間Sが開放状態にされ、引き続き駆動信号出力部
61からの逆駆動信号による昇降モータ59cの逆駆動
で一対の昇降ブロック59bがそれぞれ離間方向に移動
し、包装済みの集積硬貨C1は支え棒43によってのみ
支持された状態になる。
【0099】この状態でベルトモータ36が逆駆動させ
られることにより、偏心カム46の駆動軸36b回りの
反時計方向への回動によって集積硬貨C1は支え棒43
によって一旦持ち上げられた後に急激に下降させられ、
このとき図略のフォーク状の傾斜案内板に案内されて横
転し、包装硬貨収納箱15内に落下する。
【0100】そして、このような包装処理が、硬貨貯留
部2内の硬貨Cがなくなるまで繰り返し継続されること
によって、順次包装されて包装硬貨収納箱15内に貯留
されることになる。
【0101】なお、上記の実施形態においては、1枚目
の硬貨Cがベルト機構34によって搬送されるときの
み、その搬送速度を2枚目以降の硬貨Cの搬送速度より
遅くしているが、本発明は、1枚目の硬貨Cの搬送速度
のみを遅くすることに限定されるものではなく、2枚目
あるいは3枚目等、所定の枚数目までは搬送速度を遅く
するようにしてもよい。
【0102】図10は、硬貨集積部4aの他の実施形態
を示す側面視の説明図であり、(イ)は新たな硬貨Cが
集積される直前の状態、(ロ)は、新たな硬貨Cが集積
されつつある状態をそれぞれ示している。この実施形態
においては、回転円錐体42に代えて硬貨持ち上げアー
ム47が採用されている。この硬貨持ち上げアーム47
は、硬貨搬送ベルト35の送り側のベルト直下に当該ベ
ルトに沿うように設けられたアーム本体47aと、この
アーム本体47aの右端部から上方に向かって突設され
た持上げ爪片(傾斜縁部)47bと、アーム本体47a
を上方に向けて付勢する板ばね47cとから構成されて
いる。
【0103】上記アーム本体47aは、幅寸法が硬貨搬
送ベルト35の幅寸法より若干厚めに寸法設定され、上
面が硬貨搬送ベルト35の裏面に摺接した状態で、その
左端部が支持軸47d回りに回動自在に軸支されてい
る。上記持上げ爪片47bは、かかるアーム本体47a
の右端部に二股状で一対が形成され、これら一対の持上
げ爪片47bによって硬貨搬送ベルト35の右端部が挟
持された状態になっている。かかる持上げ爪片47b
は、裂き上がりの傾斜を備えて形成され、この傾斜部分
が硬貨搬送基盤31を貫通して積層規制板33の直下流
側で上方に向かって突出し、板ばね47cの付勢力で集
積硬貨C1の左側部を上方に向かって押圧し、これによ
って集積硬貨C1の最下層の硬貨Cの左端部と硬貨集積
板41との間につぎの硬貨Cを潜り込ませるための隙間
を形成させるようにしている。
【0104】この実施形態の硬貨集積部4aによれば、
集積硬貨C1は、図10の(イ)に示すように、アーム
本体47aが板ばね47cの付勢力で支持軸47d回り
に反時計方向に向かう力を受けてその上面が硬貨搬送ベ
ルト35の裏面に摺接した状態になっているとともに、
持上げ爪片47bが硬貨搬送基盤31を貫通して上方に
突出し、これによって集積硬貨C1の左端部が若干持上
げられた状態になっている。
【0105】この状態において、硬貨搬送ベルト35の
時計方向に向かう周回でつぎの硬貨Cが硬貨通路32c
から硬貨集積板41に向けて抜け出ると、その右端部が
集積硬貨C1の最下層の硬貨Cと硬貨集積板41との間
に形成された隙間に潜り込むとともに、このとき左端部
が未だ積層規制板33によって押えられた状態になって
いることにより持上げ爪片47bがその傾斜に誘導され
つつ下方に向かって押圧され、これによって持上げ爪片
47bが硬貨集積板41下に没入しながら硬貨Cが集積
硬貨C1の最下層に潜り込んで集積され、図10の
(イ)に示す状態になる(但し枚数は1枚増えてい
る)。
【0106】このように、この実施形態の硬貨集積部4
aによれば、先の実施形態のように円錐体駆動モータ4
2bを採用する必要がないため、その分部品コストの低
減化を達成することができる。
【0107】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、硬貨持上
げ手段を、搬送ベルトによって集積位置に送り出された
硬貨を乗り上げさせるローラと、このローラを硬貨が集
積位置に向かうように回転駆動するローラ駆動手段とを
備えて構成したため、搬送ベルトによりローラにまで送
り込まれた硬貨は、ローラ駆動手段によるローラの駆動
回転に誘導されて集積位置に向かい、このときすでにロ
ーラに載せられることによって若干浮かされた状態にな
っている先の硬貨の下側に潜り込み、これによって硬貨
を円滑に下から集積させることができる。
【0108】このように、硬貨持上げ手段としてローラ
を採用することにより、硬貨集積手段の構造の簡素化を
実現した上で、下からの硬貨の集積処理を確実に行うこ
とができる。
【0109】請求項2記載の発明によれば、硬貨持上げ
手段を、搬送ベルトによって送り出された硬貨に対する
対向縁部が先上がりに傾斜した傾斜縁部を有する硬貨持
上げアームと、この硬貨持上げアームを上記傾斜縁部が
送り出される硬貨に対向する位置まで上方に向けて付勢
する付勢手段とから構成したため、搬送ベルトによって
硬貨持上げアームにまで送り込まれた硬貨を、搬送ベル
トに押されることにより硬貨持上げアームによって持ち
上げられている集積硬貨の底部に潜り込ませながら硬貨
持上げアームの傾斜縁部に干渉して傾斜縁部を付勢手段
の付勢力に抗して下方に押圧しつつ集積位置に送り込む
ことができる。
【0110】集積位置にまで送り込まれた新たな硬貨
は、積層規制部材から開放されることによって付勢手段
の付勢力による硬貨持上げアームの上動により搬送ベル
トに対向した縁部が持上げられ、これによってつぎの硬
貨が潜り込むための隙間を形成することができる。従っ
て、硬貨が搬送ベルトの駆動で硬貨持上げ手段に到達す
る都度、このような硬貨の潜り込み動作が繰り返され、
これによって硬貨を下から順次集積して集積硬貨にする
ことができる。
【0111】そして、付勢手段は、所定枚数の集積硬貨
の搬送ベルト側を持ち上げ得る一方、積層規制部材およ
び搬送ベルト間に挟持された状態で送り出された硬貨が
傾斜縁部と干渉することによって硬貨持ち上げ片が下方
に退避し得るように付勢力が設定されているため、上記
のような硬貨の集積硬貨下部への潜り込み動作を確実に
行うことができる。
【0112】請求項3記載の発明によれば、硬貨抜出し
手段および包装手段の動作を制御する制御装置を設けた
ため、制御手段の制御による硬貨抜出し手段および包装
手段の適正な動作によって硬貨貯留槽に装填された多数
の硬貨を自動的に順次集積して包装し、包装硬貨にする
ことができる。
【0113】請求項4記載の発明によれば、制御装置
は、硬貨貯留槽から送り出される硬貨が最初の所定枚数
のものであるときは、所定枚数目を過ぎた硬貨の送出し
速度より遅い送出し速度で硬貨を送り出すように制御す
るため、硬貨が搬送ベルトから外れたとたんに飛び跳ね
るような不都合を確実に抑制することが可能になり、飛
び跳ねた硬貨の着地姿勢の異常によって以後の集積処理
に不具合が生じるような事態を確実に解消することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る硬貨包装機の一実施形態を示す外
観図であり、各蓋体が閉止された状態を示している。
【図2】本発明に係る硬貨包装機の一実施形態を示す外
観図であり、各蓋体が開放された状態を示している。
【図3】ケーシングに内装される包装機本体の一実施形
態を示す斜視図であり、硬貨押え部材が硬貨を押える押
え位置に設定された状態を示している。
【図4】ケーシングに内装される包装機本体の一実施形
態を示す斜視図であり、硬貨押え部材が硬貨を開放する
開放位置に設定された状態を示している。
【図5】図3に示す包装機本体の機枠板を除いた状態に
おける平面図である。
【図6】図3に示す包装機本体の正面図である。
【図7】硬貨抜出し部および硬貨集積部の一実施形態を
示す拡大斜視図である。
【図8】制御装置による制御の一実施形態を示すブロッ
ク図である。
【図9】(イ)〜(ニ)は、硬貨集積部の作用を説明す
るための説明図である。
【図10】硬貨集積部の他の実施形態を示す側面視の説
明図であり、(イ)は新たな硬貨が集積される直前の状
態、(ロ)は新たな硬貨が集積されつつある状態をそれ
ぞれ示している。
【符号の説明】
1 硬貨包装機 10 包装機本体 11 ケーシング 11a ロックボタン 11b ロック金具 11c 引出し開口 12 ケーシング本体 12a 前面傾斜開口 12b 上面開口 12c 梁材 12d 水平軸 12e 水平軸 13 パネル板 13a 操作部 13b テンキー 13c コントロールキー 13d 表示部 14 蓋体 14a 硬貨ホッパー 14b 摘み孔 15 包装硬貨収納箱 2 硬貨貯留部 21 囲い筒 22 回転円盤 22a 円錐体 22b 軸受筒 22c 環状傾斜縁部 23 円盤駆動モータ 23a 駆動軸 24 硬貨導出スリット 3 硬貨取込み部 30 短尺支柱 31 硬貨搬送基盤 31a 円弧縁部 31b 円弧側板 31c ベルト装着孔 32 隙間保持板 32a 前方側保持板 32b 後方側保持板 32c 硬貨通路 33 積層規制板 33a 衝立縁部 33b 覗き孔 34 ベルト機構 35 硬貨搬送ベルト 35a 従動プーリ 36 ベルトモータ 36a 駆動プーリ 36b 駆動軸 4,4a 硬貨集積部 41 硬貨集積板 41a 挿通孔 42 回転円錐体 42b 円錐体駆動モータ 42c 駆動プーリ 42d 無端ベルト 43 支え棒 43a 支持板 43b ストッパーリング 43c フランジ 43d たけのこばね 44 昇降機構 45 摺動リンク板 45a リンク軸 45b 嵌込み溝 46 偏心カム 47 硬貨持ち上げアーム 47a アーム本体 47b 持上げ爪片 47c 板ばね 47d 支持軸 5 包装部 51 ロール紙装着台 51a 装着筒 52 紙送りローラ 52a 従動軸 52b 補助ローラ 52c 補助軸 52d 紙送り摘み 53 紙送りモータ 53a 駆動軸 54 案内板 55 紙カッター 56 巻取りローラ 56a ローラ軸 57 ローラ駆動モータ 57a 駆動軸 57b 駆動プーリ 57c ローラ軸用従動プーリ 57d 支持支柱用従動プーリ 57e 無端ベルト 58 硬貨押圧機構 58a 挟持板 58b 支点軸 58c 支持軸 58d 押圧ローラ 58e 架設軸 58f コイルスプリング 58g 第2偏心カム 59 絞り機構 59a 昇降ベルト 59b 昇降ブロック 59c 昇降モータ 59d 駆動軸 59e 駆動プーリ 59f 従動プーリ 59g ガイドロッド 59h 突片 59i 支持軸 59j 絞込みローラ 6 制御装置 61 駆動信号出力部 62 集積枚数カウント部 7 機枠 71 台座 71a 側板 71b 天板 72 支柱 72a 支持支柱 73 機枠板 74 仕切板 8 集積センサ C 硬貨 C1 集積硬貨 C2 絞り部 R ロール紙 R1 包装紙 S 包装空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E001 AA01 AB04 BA01 CA10 DA02 DA03 FA10 3E051 AA01 AB05 BA10 CA08 DA02 EA01 FA03 FA06 FD07 HA02 HA07 HD07 JA02 KA03 KA07 KB02 LA02 LA03 LA04 LA08 LA09 LB04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装填された多数の硬貨を整列させながら
    集積して所定枚数に到達したつど集積硬貨を包装紙で包
    装する硬貨包装機であって、 多数の硬貨を貯留する硬貨貯留槽と、この硬貨貯留槽か
    ら硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨抜出し手段と、この硬貨
    抜出し手段が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ねて集積硬
    貨を形成する硬貨集積手段と、この硬貨集積手段によっ
    て集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した時点でこ
    の集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装する包装手
    段とが備えられ、 上記硬貨抜出し手段は、上記硬貨貯留槽の底部に設けら
    れた垂直軸回りに駆動回転する回転板と、この回転板の
    回転による遠心力で上記硬貨貯留槽から抜き出された硬
    貨を搬送面に載せて搬送する搬送ベルトと、この搬送ベ
    ルトの搬送面に略硬貨の厚み寸法分だけ離間して対向配
    置された、硬貨の積層を抑える積層規制部材とを備えて
    構成され、 上記硬貨集積手段は、上記搬送ベルトの下流端位置の直
    ぐ下流側に設定された硬貨集積位置に硬貨を留める上下
    方向に延びたストッパーと、上記硬貨集積位置に集積さ
    れた集積硬貨の搬送ベルト側を硬貨の厚み寸法以上に持
    ち上げる硬貨持上げ手段とを備えて構成され、 上記硬貨持上げ手段は、搬送ベルトによって集積位置に
    送り出された硬貨を乗り上げさせるローラと、このロー
    ラを硬貨が集積位置に向かうように回転駆動するローラ
    駆動手段とを備えて構成されていることを特徴とする硬
    貨包装機。
  2. 【請求項2】 装填された多数の硬貨を整列させながら
    集積して所定枚数に到達したつど集積硬貨を包装紙で包
    装する硬貨包装機であって、 多数の硬貨を貯留する硬貨貯留槽と、この硬貨貯留槽か
    ら硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨抜出し手段と、この硬貨
    抜出し手段が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ねて集積硬
    貨を形成する硬貨集積手段と、この硬貨集積手段によっ
    て集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した時点でこ
    の集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装する包装手
    段とが備えられ、 上記硬貨抜出し手段は、上記硬貨貯留槽の底部に設けら
    れた垂直軸回りに駆動回転する回転板と、この回転板の
    回転による遠心力で上記硬貨貯留槽から抜き出された硬
    貨を搬送面に載せて搬送する搬送ベルトと、この搬送ベ
    ルトの搬送面に略硬貨の厚み寸法分だけ離間して対向配
    置された、硬貨の積層を抑える積層規制部材とを備えて
    構成され、 上記硬貨集積手段は、上記搬送ベルトの下流端位置の直
    ぐ下流側に設定された硬貨集積位置に硬貨を留める上下
    方向に延びたストッパーと、上記硬貨集積位置に集積さ
    れた集積硬貨の搬送ベルト側を硬貨の厚み寸法以上に持
    ち上げる硬貨持上げ手段とを備えて構成され、 上記硬貨持上げ手段は、搬送ベルトによって送り出され
    た硬貨に対する対向縁部が先上がりに傾斜した傾斜縁部
    を有する硬貨持上げアームと、この硬貨持上げアームを
    上記傾斜縁部が送り出される硬貨に対向する位置まで上
    方に向けて付勢する付勢手段とからなり、 上記付勢手段は、所定枚数の集積硬貨の搬送ベルト側を
    持ち上げ得る一方、上記積層規制部材および搬送ベルト
    間に挟持された状態で送り出された硬貨が上記傾斜縁部
    と干渉することによって硬貨持ち上げ片が下方に退避し
    得るように付勢力が設定されていることを特徴とする硬
    貨包装機。
  3. 【請求項3】 上記硬貨抜出し手段および上記包装手段
    の動作を制御する制御装置が設けられていることを特徴
    とする請求項1または2記載の硬貨包装機。
  4. 【請求項4】 上記制御装置は、上記硬貨貯留槽から送
    り出される硬貨が最初の所定枚数のものであるときは、
    所定枚数目を過ぎた硬貨の送出し速度より遅い送出し速
    度で硬貨を送り出すように制御するものであることを特
    徴とする請求項3記載の硬貨包装機。
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