JP3866578B2 - 棒金払出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、棒金払出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒金払出装置においては、硬貨を所定の枚数重ね、包装することによって形成された棒金がカセットに収容され、棒金を払い出す場合、カセットの出口に受皿を置き、該受皿に棒金を繰り出すようになっている。
【0003】
図2は従来の棒金払出装置の概略図である。
【0004】
図において、22は硬貨を所定の枚数重ね、包装することによって形成された棒金、51〜56は該棒金22を一列に収容するカセット、50は各カセット51〜56が棚状にセットされたラック部である。該ラック部50の前には、エレベータ機構60が配設され、該エレベータ機構60は、棒金22を集積するための受皿43、図示されない駆動用のモータ、該モータを駆動することによって、前記受皿43を各カセット51〜56の前方(図において左方)において上下方向に移動させる図示されない移動機構等を備える。また、各カセット51〜56の後方(図において右方)には棒金22を押し、前記各カセット51〜56の前端(図において左端)に形成された出口から繰り出すためのスプリング61が配設される。
【0005】
そして、所定の金種の棒金22を繰り出す際には、前記受皿43が対応するカセットの出口に移動させられると、爪状のレバー62が回転させられ、棒金22が1本ずつ出口から繰り出されて受皿43に収容される。さらに、他の金種の棒金22を払を出す際には、前記受皿43が対応するカセットの出口に移動させられ、同様にレバー62が回転させられ、棒金22が1本ずつ出口から繰り出されて受皿43に収容される。
【0006】
その後、前記モータを駆動することによって、受皿43は、最も上方の払出位置に移動させられ、該払出位置に配設された出金口シャッタ11が開かれる。したがって、オペレータは受皿43内から棒金22を取り出すことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の棒金払出装置においては、異なる金種の棒金22を払い出そうとすると、各金種の棒金22が収容されたカセットの前方に受皿43を移動させる必要があり、異なる金種の棒金22を同時に繰り出すことができない。したがって、払出し作業の速度が低くなってしまう。
【0008】
また、前記受皿43に通常10本以上の棒金22が収容され、受皿43の重量が極めて大きくなる(例えば、500円の棒金22の場合、10本の棒金22では、3.6〔kg〕である。)ので、受皿43を上下に移動させ、かつ、所定のカセットの出口で正確に位置決めするのが困難になり、移動機構の精度を高くする必要がある。そして、棒金22が各出口から繰り出されるのに伴って、受皿43内に落下する際の衝撃に耐えることができるように、移動機構の構造を強固にする必要が生じるだけでなく、前記モータを大型化する必要が生じる。したがって、棒金払出装置のコストが高くなってしまう。
【0009】
そこで、棒金払出装置の上端部に受皿を固定し、カセットの出口から繰り出された棒金を所定のエレベータ機構によって1本ずつ上方に移動させることが考えられるが、複数の棒金を払い出す場合には、払出し作業が終了するまでの時間が長くなり、払出し作業の速度が低くなってしまう。
【0010】
本発明は、前記従来の棒金払出装置の問題点を解決して、払出し作業の速度を高くすることができ、コストを低くすることができる棒金払出装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の棒金払出装置においては、所定の金種の棒金を堆(たい)積させて収容し、上端に出口を備えた複数のカセットと、該各カセット内の棒金を所定の付勢力で上方に向けて付勢する付勢部材と、前記各出口に配設され、閉鎖位置及び開放位置を採り、該開放位置において前記出口から棒金を繰り出す繰出部材と、該各繰出部材を選択的に開放位置に置く繰出部材作動処理手段と、前記出口から繰り出された棒金を受皿に送る搬送機構とを有する。
そして、前記繰出部材は、揺動自在に配設された平板状のシャッタである。
また、該シャッタは、閉鎖位置において、棒金の走行ガイドを構成して棒金を下側で支持して案内し、かつ、カセット内の棒金が繰り出されるのを防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の概略図、図3は本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の要部を示す平面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるシャッタを示す図である。
【0014】
図において、10は棒金払出装置、11は棒金払出装置10の上面の前端に形成された出金口シャッタであり、該出口シャッタ11は、連動機構、例えば、伝達ベルト15を介して第1の駆動源としての駆動モータ12に接続され、該駆動モータ12を図示されない制御部からの指示に従って駆動することにより、矢印方向に移動させられ、開閉される。前記出金口シャッタ11の直下には棒金払出装置10の本体に固定された受皿13が配設され、該受皿13によって硬貨を所定の枚数重ね、包装することによって形成された所定の数の棒金22を堆積させて収容することができる。また、前記受皿13には、受皿13内の棒金22を検出する棒金検出センサ14が配設される。
【0015】
また、16〜21は上下方向に延在させて複数配設され、所定の金種の棒金22を堆積させて収容し、上端に出口を備えたカセットであり、各カセット16〜21は、棒金払出装置10の奥行き方向に平行に配設される。本実施の形態においては、各金種について一つのカセットが配設されるようになっているが、同じ金種のカセットを複数配設することもできる。そして、各カセット16〜21に収容された棒金22は底板23によって支持される。該底板23に付勢部材としての圧縮スプリング24が配設され、各棒金22は、前記圧縮スプリング24によって所定の付勢力で上方に向けて付勢される。該各圧縮スプリング24の内側にはガイドシャフト25(図1においてはそのうちの一つのガイドシャフト25だけを示す。)が貫通させて配設され、圧縮スプリング24の座屈を防止する。前記圧縮スプリング24及びガイドシャフト25は、棒金22の長手方向における複数箇所、本実施の形態においては2箇所に配設され、棒金22が水平方向に対して傾くのを防止する。
【0016】
前記二つの圧縮スプリング24の付勢力の合計は、カセット内に最も多くの棒金22が収容されていても、各棒金22を確実に付勢し、カセット内を上方に移動させ、上端の出口から繰り出すことができるような値に設定される。また、各カセット16〜21内の各棒金22の重量の合計と、各圧縮スプリング24の圧縮量とが比例させられ、前記付勢力が前記重量の合計よりわずかに大きい状態でバランスさせられる。したがって、カセットの出口において棒金22が繰り出される力をほぼ一定にすることができる。
【0017】
ところで、図1に示されるように、各16〜21の下方に圧縮スプリング24及びガイドシャフト25が配設されるので、底板23は上下方向に延びる中央部23c、該中央部23cの下端から前方(図1において左方)に延びる第1の係止部23f、及び前記中央部23cの上端から後方(図1において右方)に延びる第2の係止部23bを備え、前記第1の係止部23fにおいて圧縮スプリング24による付勢力を受け、前記第2の係止部23bにおいて棒金22を支持する。したがって、前記底板23には回転モーメントが発生する。
【0018】
そこで、前記中央部23cにおいて棒金22の長手方向における2箇所に、かつ、上下方向に所定の距離を置いてそれぞれ二つのローラ35を配設し、該各ローラ35を鉛直方向に延在させて配設された左右のガイド36に沿って走行させるようにしている。したがって、前記底板23を水平を保持した状態で上下方向に移動させることができる。なお、本実施の形態においては、第1の係止部23fが中央部23cの下端から前方に延び、第2の係止部23bが前記中央部23cの上端から後方に延びるようになっているが、第1の係止部が中央部23cの下端から前方に延び、第2の係止部が前記中央部23cの上端から前方に延びるようにしてもよい。
【0019】
また、図4に示されるように、各カセット16〜21の上端の出口には繰出部材としての平板状のシャッタ26が支点27を中心に揺動自在に配設される。前記各カセット16〜21の上端の所定の部分、本実施の形態においては、前端の近傍にストッパ28が配設され、前記シャッタ26は、水平な状態において前記ストッパ28と当接して閉鎖位置を採り、該閉鎖位置から反時計回り(図4において矢印A方向)の回転が規制され、閉鎖位置から時計回りへの回転が許容され、所定の量だけ回転させられて図4において破線で示される開放位置を採る。
【0020】
そして、支点27は棒金22の中心より前方(図4において左方)に偏心させられているので、棒金22を介して伝達される圧縮スプリング24の付勢力によってシャッタ26は反時計回りに付勢され、閉鎖位置を採る。また、前記始点27にはギヤ29が取り付けられ、カセット16〜21を棒金払出装置10の本体にセットすると、本体側に取り付けられ、第2の駆動源としての駆動モータ31と連結されたギヤ30と前記ギヤ29とが噛(し)合させられる。
【0021】
したがって、前記制御部の図示されない繰出部材作動処理手段が、繰出部材作動処理を行い、前記駆動モータ31を駆動すると、前記ギヤ30、29を介して回転が伝達され、シャッタ26が時計回りに回転させられ、開放位置に置かれる。それに伴って、各カセット16〜21の出口から棒金22が繰り出される。
【0022】
そして、前記シャッタ26の上面は滑らかにされ、各カセット16〜21のシャッタ26が閉鎖位置において、各カセット16〜21と、各カセット16〜21間に配設された中間ガイド38とが連続する面を形成し、棒金22を案内するための下側の走行ガイドを構成する。なお、閉鎖位置に置かれたシャッタ26だけで下側の走行ガイドを構成することができる場合には、中間ガイド38は不要である。そして、最も前方のシャッタ26の前端(図1において左端)に隣接させて前記受皿13が配設される。
【0023】
また、前記シャッタ26の上方には、シャッタ26の上面との間に、棒金22の最大径よりわずかに大きい距離を置いて、エンドレスの伝動部材としての搬送ベルト32が張設される。該搬送ベルト32の外周面には、搬送部材としての突起33が等ピッチで外方に向けて突出させて形成される。なお、前記突起33のピッチと各カセット16〜21のピッチとは等しくされる。また、前記搬送ベルト32及び突起33によって搬送機構が構成される。
【0024】
前記搬送ベルト32は、駆動プーリ63と従動プーリ64との間に張設され、前記駆動プーリ63と第3の駆動源としての搬送モータ34とが連結される。そして、前記制御部の図示されない搬送処理手段が、搬送処理を行い、搬送モータ34を駆動すると、搬送ベルト32が走行させられ、突起33は搬送ベルト32の走行に伴って棒金22を移動させ、受皿13に送る。
【0025】
なお、搬送モータ34の駆動に伴って、前記駆動プーリ63は、正方向、すなわち、図における時計回りに回転させられ、搬送ベルト32における各カセット16〜21と対向する側のベルト部分32aは前方に、搬送ベルト32における各カセット16〜21と背向する側のベルト部分32bは後方(図1において右方)に向けて移動させられる。
【0026】
前記搬送ベルト32の走行方向における所定の位置、本実施の形態においては、最も後方に配設されたカセット21の直上の近傍にセンサ37が配設され、該センサ37によって搬送ベルト32の位置、すなわち、前記突起33の各カセット16〜21に対する相対位置が検出される。
【0027】
次に、前記構成の棒金払出装置10の動作について説明する。
【0028】
図5は本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の動作を示す第1の図、図6は本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の動作を示す第2の図、図7は本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の動作を示す第3の図である。
【0029】
まず、図示されない上位制御部から前記制御部に所定の金種の棒金22の払出し指示がくると、前記繰出部材作動処理手段は、払出し指示の対象となる棒金22が収容されたカセットのシャッタ26に対応する駆動モータ31を駆動し、図6に示されるようにシャッタ26を選択的に開放位置に置く。これにより、前記カセットの出口が開口する。前記シャッタ26の直下の棒金22は圧縮スプリング24による付勢力によって前記出口から繰り出され、前記走行ガイドより上方に繰り出され、ベルト部分32aによって押さえられる。
【0030】
このとき、前記突起部33は、前記搬送ベルト32の走行方向(図7において矢印方向)における前記カセットの出口よりわずかに上流側に位置させられる。したがって、繰り出された棒金22をシャッタ26、突起33及びベルト部分32aによって挟むことによって棒金22の挙動を制御することができるので、複数の棒金22がカセットの出口から重なって繰り出されるのを防止することができる。
【0031】
そして、棒金22が繰り出されたことが各カセット16〜21に配設された図示されない棒金センサによって検出されると、該棒金センサからの信号を受けて前記繰出部材作動処理手段は、前記駆動モータ31を逆方向に駆動し、シャッタ26を閉鎖位置に置き、次の棒金22が繰り出されないようにする。
【0032】
これと同時に、前記搬送処理手段は、搬送モータ34(図1)を駆動し、繰り出された棒金22を各突起33によって受皿13に送り、該受皿13内に落下させる。
【0033】
ところで、同じカセットから続けて棒金22を払い出す必要がある場合、前記搬送処理手段は、搬送モータ34に指示を出して搬送ベルト32を突起33の1ピッチ分だけ走行させた後、前記駆動モータ31に指示を出して、シャッタ26を開放位置に置く。これにより、前記カセットの出口が開口し、同じ棒金22が出口から繰り出される。なお、この場合、前記制御部は、前記棒金センサからの信号に基づいて、上流側の隣接する突起33間に棒金22がないことを判定し、棒金22がある場合、隣接する突起33間に棒金22がなくなるまで、搬送ベルト32を突起33の所定のピッチ分だけ走行させた後、シャッタ26を開放位置に置く。
【0034】
また、異なるカセットから棒金22を払い出す場合は、各棒金22を同時に払い出すことができる。この場合、前記制御部は、前記棒金センサからの信号に基づいて、各カセット16〜21について、上流側の隣接する突起33間に棒金22がないことを判定し、棒金22がある場合、搬送ベルト32を突起33の所定のピッチ分だけ走行させた後、各シャッタ26を開放位置に置く。
【0035】
このようにして、上位制御部から送られた棒金22の払出し指示に従って、すべての棒金22が繰り出されると、少なくとも搬送ベルト32を突起33の所定のピッチ分、すなわち、半周分のピッチ分走行させ、すべての棒金22を受皿13内に落下させる。なお、各カセット16〜21の出口から複数の棒金22が繰り出される場合は、搬送ベルト32を少なくとも半周分のピッチ分走行させる前に所定の数の棒金22が受皿13内に落下させられる。
【0036】
その後、制御部は、前記駆動モータ12を駆動することによって、出金口シャッタ11を開放する。したがって、オペレータは受皿13内から棒金22を取り出すことができる。なお、図において、27は始点、28はストッパ、29はギヤである。
【0037】
このように、本実施の形態においては、シャッタ26を開放位置に置くことによって、前記各カセット16〜21内に収容された棒金22が繰り出されるので、異なる金種の棒金22を同時に繰り出すことができる。したがって、払出し作業の速度を高くすることができる。
【0038】
また、各カセット16〜21内に棒金22が堆積させて収容され、圧縮スプリング24の付勢力によって各カセット16〜21の出口から棒金22を繰り出すことができるので、各カセット16〜21の出口に受皿を移動させる必要がなくなる。したがって、移動機構等が不要になるだけでなく、所定のカセットの出口で受皿を正確に位置決めする必要がなくなるので、棒金払出装置10のコストを低くすることができる。
【0039】
また、各カセット16〜21の出口から繰り出された棒金22は、搬送ベルト32及び突起33によって水平方向に搬送され、棒金払出装置10の本体に固定された受皿13に送られるので、搬送モータ34を小型化することができるだけでなく、受皿13の支持構造を簡素化することができる。したがって、棒金払出装置10のコストを一層低くすることができる。
【0040】
そして、各カセット16〜21に配設されたシャッタ26は、棒金22を繰り出す機能、及び繰り出された棒金22を案内する機能を有するので、棒金払出装置10の構造を簡素化することができる。
【0041】
さらに、各シャッタ26、各突起33及びベルト部分32aによって、繰り出された棒金22を挟むことができるので、複数の棒金22が重なって繰り出されるのを防止することができる。したがって、所定の金種の棒金22を所定の数だけ確実に繰り出すことができ、払出し作業の精度を高くすることができる。
【0042】
また、シャッタ26を繰り返し開放位置に置くだけで、所定の数の棒金22を繰り出すことができるので、払出し作業の速度を高くすることができる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0044】
図8は本発明の第2の実施の形態における棒金払出装置の概略図である。
【0045】
この場合、図に示されるように、各カセット16〜21は棒金払出装置10の後方(図において右方)に位置するものほど高くなるように並んで配設され、各カセット16〜21の出口が傾斜させて設定された図示されない線に沿って配設される。また、繰出部材としての各シャッタ26及び中間ガイド38は、受皿13が配設された前側(図において左側)が低く、後側(図において右側)が高くなるように傾斜させられ、各カセット16〜21と、各カセット16〜21間に配設された中間ガイド38とが連続する面を形成し、棒金22を案内するための傾斜した下側の走行ガイドを構成する。
【0046】
したがって、各カセット16〜21の出口から繰り出された棒金22は、前記走行ガイドの傾斜によって転がるようになっている。
【0047】
また、前記シャッタ26の上方には、シャッタ26の上面との間に、棒金22の最大径よりわずかに大きい距離を置いて、上側の走行ガイド39が傾斜させて、かつ、下側の走行ガイドと平行に配設される。該走行ガイド39には、規制部材としてのストッパ41が等ピッチで進退(矢印B方向に移動)自在に配設される。なお、前記ストッパ41のピッチと各カセット16〜21のピッチとは等しくされ、各ストッパ41は、各カセット16〜21間、すなわち、各中間ガイド38と対向させて配設される。また、前記走行ガイド39及びストッパ41によって搬送機構が構成される。
【0048】
前記各ストッパ41は、図示されないリンク系を介して第4の駆動源としてのソレイド40に接続され、該ソレノイド40を駆動することによって各ストッパ41を進退させ、ストッパ41を前進(図において下方に移動)させて走行ガイド39と下側の走行ガイドとの間の作動位置に置いたり、ストッパ41を後退(図において上方に移動)させて走行ガイド39より上方の退避位置に置いたりすることができる。
【0049】
次に、前記構成の棒金払出装置10の動作について説明する。
【0050】
図9は本発明の第2の実施の形態における棒金払出装置の動作を示す図である。
【0051】
この場合、棒金22を繰り出す際は、まず、ソレノイド40(図8)を駆動して各ストッパ41を作動位置に置く。続いて、前記第1の実施の形態と同様に、所定の金種の棒金22が収容されたカセットに対応するシャッタ26を、矢印C方向に回転させて開放位置に置くと、棒金22がカセットの出口から矢印D方向に繰り出され、走行ガイド39に当たって止まる。
【0052】
このとき、ストッパ41は規制部材として機能し、棒金22はシャッタ26、走行ガイド39及びストッパ41によって挟まれるので、複数の棒金22が重なって繰り出されるのを防止することができる。続いて、前記第1の実施の形態と同様に、シャッタ26が図において破線で示される閉鎖位置に置かれるとともに、シャッタ26によって棒金22が前方(図において左方)に押される。また、わずかなタイミングの後に、ソレノイド40をリセットすることによって、ストッパ41を図において破線で示される退避位置に置くと、棒金22は前記走行ガイドの傾斜によって転がり、受皿13内に落下させられる。
【0053】
このように、本実施の形態においては、カセット16〜21が傾斜させて配設されるので、搬送ベルト32を走行させる必要がなく、搬送モータが不要になり、棒金払出装置10のコストを低くすることができる。
【0054】
そして、各カセット16〜21に配設されたシャッタ26は、棒金22を繰り出す機能、及び繰り出された棒金22を案内する機能を有するので、棒金払出装置10の構造を簡素化することができる。
【0055】
さらに、各シャッタ26、走行ガイド39及びストッパ41によって、繰り出された棒金22を挟むことができるので、複数の棒金22が重なって繰り出されるのを防止することができる。したがって、所定の金種の棒金22を所定の数だけ確実に繰り出すことができ、払出し作業の精度を高くすることができる。
【0056】
前記各実施の形態においては、繰出部材としてシャッタ26を使用するようになっているが、該シャッタ26に代えてレバー等を使用することができる。また、各実施の形態においては、シャッタ26を回転させるために駆動モータ31を使用するようになっているが、該駆動モータ31に代えて、ソレノイド等を使用することもできる。
【0057】
また、前記第1の実施の形態においては、搬送部材としての突起33が形成された伝動部材としての搬送ベルト32を使用するようになっているが、搬送部材としての爪を備えた伝動部材としてのチェーンを使用し、棒金22を爪によって上部から引っ掛けて搬送することもできる。
【0058】
さらに、前記第2の実施の形態においては、一つのソレノイド40を駆動することによってすべてのストッパ41を進退させるようにしているが、各ストッパ41ごとにソレノイドを配設することもできる。
【0059】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0060】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、棒金払出装置においては、所定の金種の棒金を堆積させて収容し、上端に出口を備えた複数のカセットと、該各カセット内の棒金を所定の付勢力で上方に向けて付勢する付勢部材と、前記各出口に配設され、閉鎖位置及び開放位置を採り、該開放位置において前記出口から棒金を繰り出す繰出部材と、該各繰出部材を選択的に開放位置に置く繰出部材作動処理手段と、前記出口から繰り出された棒金を受皿に送る搬送機構とを有する。
そして、前記繰出部材は、揺動自在に配設された平板状のシャッタである。
また、該シャッタは、閉鎖位置において、棒金の走行ガイドを構成して棒金を下側で支持して案内し、かつ、カセット内の棒金が繰り出されるのを防止する。
【0061】
この場合、繰出部材を開放位置に置くことによって、異なる金種の棒金を同時に繰り出すことができるので、払出し作業の速度を高くすることができる。
【0062】
また、各カセット内に棒金が堆積させて収容され、付勢部材の付勢力によって各カセットの出口から棒金を繰り出すことができるので、各カセットの出口に受皿を移動させる必要がなくなる。したがって、移動機構等が不要になるだけでなく、所定のカセットの出口で受皿を正確に位置決めする必要がなくなるので、棒金払出装置のコストを低くすることができる。
【0063】
そして、各カセットの出口から繰り出された棒金は、搬送機構によって搬送され、受皿に送られるので、棒金を搬送するための駆動源を小型化することができるだけでなく、受皿の支持構造を簡素化することができる。したがって、棒金払出装置のコストを一層低くすることができる。
【0064】
また、繰出部材を繰り返し開放位置に置くだけで、所定の数の棒金を繰り出すことができるので、払出し作業の速度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の概略図である。
【図2】従来の棒金払出装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の要部を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるシャッタを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の動作を示す第1の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の動作を示す第2の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における棒金払出装置の動作を示す第3の図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における棒金払出装置の概略図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における棒金払出装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
10 棒金払出装置
13 受皿
16〜21 カセット
22 棒金
24 圧縮スプリング
26 シャッタ
32 搬送ベルト
33 突起
34 搬送モータ
41 ストッパ
Claims (5)
- (a)所定の金種の棒金を堆積させて収容し、上端に出口を備えた複数のカセットと、
(b)該各カセット内の棒金を所定の付勢力で上方に向けて付勢する付勢部材と、
(c)前記各出口に配設され、閉鎖位置及び開放位置を採り、該開放位置において前記出口から棒金を繰り出す繰出部材と、
(d)該各繰出部材を選択的に開放位置に置く繰出部材作動処理手段と、
(e)前記出口から繰り出された棒金を受皿に送る搬送機構とを有するとともに、
(f)前記繰出部材は、揺動自在に配設された平板状のシャッタであり、
(g)該シャッタは、閉鎖位置において、棒金の走行ガイドを構成して棒金を下側で支持して案内し、かつ、カセット内の棒金が繰り出されるのを防止することを特徴とする棒金払出装置。 - 前記搬送機構は、駆動源を駆動することによって走行させられる伝動部材、及び該伝動部材の走行に伴って前記棒金を移動させる搬送部材を備える請求項1に記載の棒金払出装置。
- 前記搬送機構及び繰出部材は、繰り出された棒金を挟み、複数の棒金が重なって繰り出されるのを防止する請求項1に記載の棒金払出装置。
- 前記シャッタが閉鎖位置に置かれた状態で、シャッタ、及び各カセット間に配設された中間ガイドによって、連続する走行ガイドが形成される請求項1に記載の棒金払出装置。
- (a)所定の金種の棒金を堆積させて収容し、上端に出口を備えた複数のカセットと、
(b)該各カセット内の棒金を所定の付勢力で上方に向けて付勢する付勢部材と、
(c)前記各出口に配設され、閉鎖位置及び開放位置を採り、該開放位置において前記出口から棒金を繰り出す繰出部材と、
(d)該各繰出部材を選択的に開放位置に置く繰出部材作動処理手段と、
(e)前記出口から繰り出された棒金を受皿に送る搬送機構とを有するとともに、
(f)前記各カセットの各出口は傾斜させて設定された線に沿って配列され、
(g)前記搬送機構は、前記各出口より上方に配設され、作動位置及び退避位置を採り、作動位置において前記棒金を停止させる規制部材を備えることを特徴とする棒金払出装置。
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