JP4713712B2 - 硬貨包装機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨貯槽に装填された多数の硬貨を整列させながら送り出して集積し、所定枚数に到達したつど包装紙で包装するように構成された硬貨包装機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホッパーに装填された多数の硬貨を、ホッパー底部に設けられた回転円盤の遠心力で周壁に沿うように整列させ、順次取出し口から排出された1枚ずつの硬貨を、所定の集積位置に落下させて積み重ねていき、所定枚数の硬貨が集積された時点で集積硬貨に包装紙を巻き付けて包装するようにした硬貨包装機が知られている。
【0003】
かかる硬貨包装機によれば所定枚数の集積硬貨が自動的に包装されるため便利であるが、下に位置した硬貨の上に新たな硬貨を落下させて順次積み重ねていくため落下中に硬貨の姿勢が変わったり、落下後に硬貨がバウンドしたりして集積状態が安定せず、従って、所定枚数の硬貨が適正に集積された状態にならない頻度が多いという不都合が存在した。
【0004】
かかる不都合を解消するものとして、硬貨の排出位置を集積高さの増加に合わせて順次高くしていくことが考えられる。こうすることによって硬貨の落下が起こらないようになり、落下による姿勢変更に起因した集積不適は解消されるが、硬貨の排出高さを変更していく構造が非常に複雑になり現実的ではない。
【0005】
そこで、新たな硬貨を先の集積硬貨の最下層に潜り込ませて下から集積するようになされたものが提案されている。こうすることによって硬貨集積機構を簡単な構造のものにした上で姿勢変更が抑えられ、かつ、硬貨の供給位置が一定になり、常に適正に硬貨を集積することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、硬貨を集積硬貨の最下層に潜り込ませる方式の硬貨包装機にあっては、集積された硬貨の最下層のものの上流側の縁部と集積位置との間につぎの硬貨を潜り込ませるための隙間を形成するべく、狭隘な硬貨集積位置の近傍に隙間形成機構を設ける必要があり、この機構が相当複雑なものになるため、製造コストが嵩むという問題点を有している。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、硬貨集積機構の構造の簡素化を図り、これによって機体の小型化および製造コストの低減化を実現することが可能な硬貨包装機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、装填された多数の硬貨を整列させながら集積して所定枚数に到達したつど集積硬貨を包装紙で包装する硬貨包装機であって、多数の硬貨を貯留する硬貨貯留槽と、この硬貨貯留槽から硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨抜出し手段と、この硬貨抜出し手段が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ねて集積硬貨を形成する硬貨集積手段と、この硬貨集積手段によって集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した時点でこの集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装する包装手段とが備えられ、上記硬貨抜出し手段は、上記硬貨貯留槽の底部に設けられた垂直軸回りに駆動回転する回転板と、この回転板の回転による遠心力で上記硬貨貯留槽から抜き出された硬貨を搬送面に載せて搬送する搬送ベルトと、この搬送ベルトの搬送面に略硬貨の厚み寸法分だけ離間して対向配置された、硬貨の積層を抑える積層規制部材とを備えて構成され、上記硬貨集積手段は、上記搬送ベルトの下流端位置の直ぐ下流側に設定された硬貨集積位置に硬貨を留める上下方向に延びたストッパーと、上記硬貨集積位置に集積された集積硬貨の搬送ベルト側を硬貨の厚み寸法以上に持ち上げる硬貨持上げ手段とを備えて構成され、上記硬貨持上げ手段は、搬送ベルトによって集積位置に送り出された硬貨を乗り上げさせるローラと、このローラを硬貨が集積位置に向かうように回転駆動するローラ駆動手段とを備えて構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、装填された多数の硬貨を整列させながら集積して所定枚数に到達したつど集積硬貨を包装紙で包装する硬貨包装機であって、多数の硬貨を貯留する硬貨貯留槽と、この硬貨貯留槽から硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨抜出し手段と、この硬貨抜出し手段が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ねて集積硬貨を形成する硬貨集積手段と、この硬貨集積手段によって集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した時点でこの集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装する包装手段とが備えられ、上記硬貨抜出し手段は、上記硬貨貯留槽の底部に設けられた垂直軸回りに駆動回転する回転板と、この回転板の回転による遠心力で上記硬貨貯留槽から抜き出された硬貨を搬送面に載せて搬送する搬送ベルトと、この搬送ベルトの搬送面に略硬貨の厚み寸法分だけ離間して対向配置された、硬貨の積層を抑える積層規制部材とを備えて構成され、上記硬貨集積手段は、上記搬送ベルトの下流端位置の直ぐ下流側に設定された硬貨集積位置に硬貨を留める上下方向に延びたストッパーと、上記硬貨集積位置に集積された集積硬貨の搬送ベルト側を硬貨の厚み寸法以上に持ち上げる硬貨持上げ手段とを備えて構成され、上記硬貨持上げ手段は、搬送ベルトによって送り出された硬貨に対する対向縁部が先上がりに傾斜した傾斜縁部を有する硬貨持上げアームと、この硬貨持上げアームを上記傾斜縁部が送り出される硬貨に対向する位置まで上方に向けて付勢する付勢手段とからなり、上記付勢手段は、所定枚数の集積硬貨の搬送ベルト側を持ち上げ得る一方、上記積層規制部材および搬送ベルト間に挟持された状態で送り出された硬貨が上記傾斜縁部と干渉することによって硬貨持ち上げ片が下方に退避し得るように付勢力が設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
これらの発明によれば、硬貨貯留槽に装填された多数の硬貨は、硬貨抜出し手段の底部に設けられた回転板の垂直軸回りの回転による遠心力で槽壁に押し付けられた状態で回転方向に順次移動し、所定の抜出し口から抜出される。そして抜出された硬貨は、搬送ベルトの駆動によってその搬送面と積層規制部材との間に挟持された安定状態で硬貨集積位置にまで送り込まれる。
【0011】
このとき集積位置に硬貨が存在しないときは、搬送ベルトからの硬貨はそのまま集積位置に送り込まれてストッパーに当止することにより位置決めされる一方、すでに先の硬貨が存在するときは、新たに送り込まれた硬貨は、硬貨持上げ手段の駆動で持上げられた集積位置にある硬貨の下に潜り込み、これによって順次送り込まれた硬貨は下から積み上げられ、所定枚数が集積されることによって集積硬貨が形成される。この集積硬貨は、包装手段の駆動によりその外周面に包装紙が巻き付けられて包装済みの硬貨になり、硬貨包装機内の所定の包装硬貨貯留空間に移される。このような包装処理が、硬貨貯留槽内の硬貨がなくなるまで続けられることにより、包装硬貨貯留空間に複数の包装硬貨が収納された状態になる。
【0012】
そして、特に請求項1記載の発明においては、硬貨持上げ手段は、搬送ベルトによって集積位置に送り出された硬貨を乗り上げさせるローラと、このローラを硬貨が集積位置に向かうように回転駆動するローラ駆動手段とを備えて構成されているため、搬送ベルトによりローラにまで送り込まれた硬貨は、ローラ駆動手段によるローラの駆動回転に誘導されて集積位置に向かい、このときすでにローラに載せられることによって若干浮かされた状態になっている先の硬貨の下側に潜り込んで新たに集積されることになる。
【0013】
このように、硬貨持上げ手段としてローラを採用したため、硬貨集積手段の構造を簡単なものにした上で、下からの硬貨の集積処理が確実に実行される。
【0014】
また、特に請求項2記載の発明においては、硬貨持上げ手段を、搬送ベルトによって送り出された硬貨に対する対向縁部が先上がりに傾斜した傾斜縁部を有する硬貨持上げアームと、この硬貨持上げアームを上記傾斜縁部が送り出される硬貨に対向する位置まで上方に向けて付勢する付勢手段とから構成したため、搬送ベルトによって硬貨持上げアームにまで送り込まれた硬貨は、搬送ベルトに押されることにより硬貨持上げアームによって持ち上げられている集積硬貨の底部に潜り込みながら硬貨持上げアームの傾斜縁部に干渉して傾斜縁部を付勢手段の付勢力に抗して下方に押圧しつつ集積位置に送り込まれる。
【0015】
集積位置にまで送り込まれた新たな硬貨は、積層規制部材から開放されることによって付勢手段の付勢力による硬貨持上げアームの上動により搬送ベルトに対向した縁部が持上げられ、つぎの硬貨が潜り込むための隙間が形成される。従って、硬貨が搬送ベルトの駆動で硬貨持上げ手段に到達する都度、このような硬貨の潜り込み動作が繰り返され、これによって硬貨は下から順次集積されて集積硬貨になる。
【0016】
そして、付勢手段は、所定枚数の集積硬貨の搬送ベルト側を持ち上げ得る一方、積層規制部材および搬送ベルト間に挟持された状態で送り出された硬貨が傾斜縁部と干渉することによって硬貨持ち上げ片が下方に退避し得るように付勢力が設定されているため、上記のような硬貨の集積硬貨下部への潜り込み動作が確実に行われる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、上記硬貨抜出し手段および上記包装手段の動作を制御する制御装置が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、制御手段の制御による硬貨抜出し手段および包装手段の適正な動作によって硬貨貯留槽に装填された多数の硬貨は、自動的に順次集積されて包装され、包装硬貨になる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、上記制御装置は、上記硬貨貯留槽から送り出される硬貨が最初の所定枚数のものであるときは、所定枚数目を過ぎた硬貨の搬送速度より遅い搬送速度で硬貨を搬送するように、上記硬貨の上記搬送ベルトによる搬送速度を制御するものであることを特徴とするものである。
【0020】
硬貨貯留槽から送り出される最初の硬貨は、集積位置に潜り込むべき硬貨が存在しないことから、搬送ベルトと積層規制部材とによる挟持状態が解除されたとたんに飛び跳ねて以後の円滑な集積処理を阻害する縦姿勢で集積位置に位置するような不都合の生じることがあるが、この発明によれば、制御装置による制御で所定枚数目の硬貨の搬送ベルトによる送り込み速度が通常より遅く設定されているため、搬送ベルトから外れたとたんに硬貨が飛び跳ねるような不都合が確実に抑制される。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明に係る硬貨包装機の一実施形態を示す外観図であり、図1は、各蓋体が閉止された状態、図2は各蓋体が開放された状態をそれぞれ示している。なお、図1および図2において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に-X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向という。これらの図に示すように、硬貨包装機1は、後述する各種の硬貨包装用の機構が合体されてなる包装機本体10と、この包装機本体10を収納する箱型のケーシング11とを備えた基本構成を有している。
【0022】
上記ケーシング11は、内装された包装機本体10を支持する構造材としての役割を果たすとともに、硬貨包装機1の外観を美麗にするデザイン的な要素も備えたケーシング本体12と、このケーシング本体12の前面に斜めに開閉自在に取り付けられたパネル板13と、ケーシング本体12の上面に開閉自在に取り付けられた蓋体14と、ケーシング本体12に対して出没自在に内装された包装硬貨収納箱15からなっている。
【0023】
上記ケーシング本体12は、図2に示すように、前面上部に前下がりに傾斜した前面傾斜開口12aを有しているとともに、上面に上面開口12bを有し、これら両開口12a,12bの境界位置に、ケーシング本体12の側板間に架橋された梁材12cが設けられている。そして、上記パネル板13は、前面傾斜開口12aを開閉し得るようにケーシング本体12の前面板の上縁部近傍に水平軸12d回りに回動自在に軸支されているとともに、上記蓋体14は、上面開口12bを開閉し得るようにケーシング本体12の後面板の上縁部近傍に水平軸12e回りに回動自在に軸支されている。
【0024】
また、パネル板13および蓋体14の幅方向中央部の先端位置には、それぞれ閉止状態をロックするためのロックボタン11aが設けられているとともに、梁材12cにはロックボタン11aに対応した位置にロック金具11bが設けられている。普段は、図1に示すように、パネル板13および蓋体14が閉止された状態で各ロックボタン11aの係止爪がロック金具11bに係合してパネル板13および蓋体14の閉止状態がロックされる一方、各ロックボタン11aの操作で上記ロックが解除されるようになっている。このロック解除状態でパネル板13および蓋体14を水平軸12d,12e回りに所定方向に回動させることにより、図2に示すように、前面傾斜開口12aおよび上面開口12bが開放され、これによって包装機本体10の点検や保守管理が容易に行い得るようになっている。
【0025】
上記パネル板13の表面側には、操作部13aおよび表示部13dが形成されている。操作部13aは、各種の操作信号を入力するためのものであり、数値入力用のテンキー13bと、各種の制御信号を入力するためのコントロールキー13cとを備えている。表示部13dは、各種の入力情報やコントロール情報を出力表示するものであり、液晶画面あるいは7セグメントのLED等によって形成されている。
【0026】
上記蓋体14には、ケーシング11内に没入するように形成された平面視で正方形状の硬貨ホッパー14aが設けられている。包装対象の多数の硬貨は、この硬貨ホッパー14aを介して包装機本体10内に供給され、所定の処理が施されることによって複数枚(例えば50枚)毎の集積状態で包装されて包装硬貨収納箱15に順次貯留されるようになっている。
【0027】
上記包装硬貨収納箱15は、ケーシング11の前面板に開口された引出し開口11cに出没自在に嵌め込まれている。かかる包装硬貨収納箱15は、コントロールキー13cの所定のもののキー操作で自動的にあるいはマニュアル操作で引き出されるようになっている。
【0028】
図3および図4は、ケーシング11に内装される包装機本体10の一実施形態を示す斜視図であり、図3は、硬貨押え部材が硬貨を押える押え位置に設定された状態、図4は、硬貨押え部材が硬貨を開放する開放位置に設定された状態をそれぞれ示している。また、図5は図3に示す包装機本体10の機枠板を除いた状態における平面図であり、図6はその正面図である。なお、図3〜図6における方向表示は図1と同様である。以下、図3〜図6を基に包装機本体10の全体的な構成についてその概略を説明する。
【0029】
これらの図に示すように、包装機本体10は、多数の硬貨を貯留する硬貨貯留部2と、この硬貨貯留部2から硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨取込み部3と、この硬貨取込み部3が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ねて集積硬貨を形成する硬貨集積部4と、この硬貨集積部4によって集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した時点でこの集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装する包装部5とが所定の配置で機枠7に装備されるとともに、ケーシング11の底板の前方位置に配設された制御装置6を備えた状態で形成されている。
【0030】
上記機枠7は、金属板を側面視でコ字状に曲折処理することによって形成された台座71と、この台座71に立設された複数本の支柱72と、各支柱72の頂部に支持された機枠板73とからなっている。台座71は、矩形状の金属板の前後側部がそれぞれ下方に向けて直角に折り曲げられて形成した一対の側板71aを有しているとともに、これら側板71aの頂部間に天板71bが架橋されている。
【0031】
上記天板71bは、幅寸法がケーシング本体12の内幅寸法より若干短めに寸法設定されているとともに、前後寸法がケーシング本体12の前後内寸法の略3b分の2の長さ寸法に設定され、台座71をケーシング本体12の後方位置に内装した状態でケーシング本体12の底板の前方部分に包装硬貨収納箱15および制御装置6を収容する空間が形成されるようにしている。かかる台座71の天板71b上の略左半分の位置に硬貨貯留部2が形成されているとともに、同右半分の位置に5本の支柱72が立設され、機枠板73はこれら5本の支柱72に支持されている。
【0032】
そして、天板71bの前方の略中央位置に硬貨取込み部3が形成されるとともに、この硬貨取込み部3に隣接した右方位置に硬貨集積部4が形成され、さらにこの硬貨取込み部3の右方から後方にかけた機枠板73と天板71bとの間に包装部5が形成されている。
【0033】
上記硬貨貯留部2は、台座71の天板71bに立設された円筒状の囲い筒21と、この囲い筒21内の天板71b上であって、上記硬貨ホッパー14aの直下に配された回転円盤22と、この回転円盤22を中心回りに回転させる円盤駆動モータ23(図5、図6)とからなっている。回転円盤22は、表面側の中心位置に上方に向かって突設された円錐体22aを有しているとともに、その裏面側には軸受筒22bが同心で突設されている。
【0034】
一方、円盤駆動モータ23は、囲い筒21の中心と同心で天板71bの裏面側に縦置き状態で固定されている。かかる円盤駆動モータ23の駆動軸23aは、天板71bを貫通して囲い筒21内に突出され、上記軸受筒22bがこの駆動軸23aに外嵌されてねじ止め等で固定されることにより、回転円盤22が円盤駆動モータ23の駆動で軸受筒22b回りに回転するようになっている。
【0035】
そして、回転円盤22上に供給された硬貨は、円盤駆動モータ23の駆動による回転円盤22の回転に起因した遠心力で囲い筒21の内周面に押し付けられ、これによって外部に導出され易くなるようにしている。
【0036】
そして、囲い筒21の一部(前端から若干右寄りの位置)には、回転円盤22の周縁に対応するように穿設された周方向所定長の硬貨導出スリット24が形成され、回転円盤22の回転による遠心力で囲い筒21の内周面に押し付けられた状態になっている傾斜姿勢の硬貨がこの硬貨導出スリット24を通って硬貨取込み部3に向けて抜き出されるようになっている。
【0037】
図7は、硬貨取込み部3および硬貨集積部4の一実施形態を示す拡大斜視図である。まず、図7を基に必要に応じて図4〜図6を参照しながら硬貨取込み部3について説明する。硬貨取込み部3は、硬貨導出スリット24に対応して囲い筒21の外周面に当接するように設けられた硬貨搬送基盤31と、この硬貨搬送基盤31に積層固定される隙間保持板32と、この隙間保持板32にさらに積層固定されて硬貨の積み重なりを抑える積層規制板(積層規制部材)33と、硬貨搬送基盤31の下部に設けられて硬貨搬送基盤31上に抜き出された硬貨を硬貨集積部4に向けて送り込むベルト機構34とを備えて構成されている。
【0038】
上記硬貨搬送基盤31は、矩形状の板の一角部に形成された円弧縁部31aと、中央部に長手方向に延びるベルト装着孔31cとを備えて形成されている。上記円弧縁部31aは、囲い筒21の外径寸法と同一の曲率半径で円弧状になるように板材をプレス処理することにより形成され、このプレス処理時に下方に向けて折り返された部分で円弧側板31bが形成されている。この円弧側板31bの上下寸法は、天板71bと硬貨導出スリット24の下縁部との間の距離と同一に寸法設定され、円弧側板31bを硬貨導出スリット24下部の囲い筒21に沿わせることにより、硬貨導出スリット24から競り出た硬貨が硬貨搬送基盤31上に載るようになっている。
【0039】
上記ベルト装着孔31cは、後述する硬貨搬送ベルト35の送り側のベルトを嵌挿するためのものであり、左端部が硬貨導出スリット24に近接位置で対向するとともに右端部が開放されている。従って、硬貨導出スリット24から競り出た硬貨Cは、硬貨搬送ベルト35の駆動で右方に向けて搬送されることになる。
【0040】
上記隙間保持板32は、天板71bと積層規制板33との間に硬貨Cを通過させ得る隙間と通路とを形成する役割を果たすものであり、前方側保持板32aと後方側保持板32bとからなっている。前方側保持板32aは、左側部が鈍角に曲折されてその先端部が硬貨導出スリット24より左方位置で囲い筒21の外周面に当接されているとともに、後方側保持板32bは、左端部が円弧状に形成されて硬貨導出スリット24の右端部より右方位置の囲い筒21の外周面に当接され、これによって各保持板32a,32b間に硬貨搬送ベルト35に対応した硬貨通路32cが形成されている。
【0041】
上記積層規制板33は、硬貨通路32cを搬送されつつある硬貨Cが積層して2枚重ねで搬送されるのを防止するためのものであり、左縁部が硬貨導出スリット24上の囲い筒21の外周面に沿うように斜めに形成されているとともに、この斜めの縁部から上方に向かって衝立縁部33aが延設され、この衝立縁部33aの存在で硬貨導出スリット24から導出された硬貨Cが隙間から外部にこぼれ出すのを防止するようにしている。また、積層規制板33の中央位置には、硬貨搬送ベルト35に対応した長尺の覗き孔33bが穿設され、この覗き孔33bから硬貨Cの搬送状況をチェックし得るようになっている。
【0042】
かかる硬貨搬送基盤31、隙間保持板32および積層規制板33は、互いに積層された状態で上部が貫通される複数本の短尺支柱30を介して台座71の天板71bに支持されている。
【0043】
上記ベルト機構34は、送り側のベルトが下方から硬貨搬送基盤31のベルト装着孔31cに嵌挿される硬貨搬送ベルト35と、この硬貨搬送ベルト35を周回駆動するベルトモータ36とからなっている。硬貨搬送ベルト35は、ベルト装着孔31cの左端部および右端部直下に設けられた一対の従動プーリ35aと、これら従動プーリ35aの略中間の下方位置に設けられた駆動プーリ36aとに、送り側のベルトがベルト装着孔31cから若干上方に突出する状態で張設されている。
【0044】
駆動プーリ36aは、ベルトモータ36の駆動軸36bに同心で共回り可能に固定され、ベルトモータ36の駆動による駆動軸36bを介した駆動プーリ36aの回転によって硬貨搬送ベルト35が時計方向に周回し、これによって硬貨通路32cに位置した硬貨Cは硬貨通路32cを上流側から下流側に向かって搬送されることになる。
【0045】
また、上記駆動プーリ36aには、図略のワンウエイクラッチが内装され、駆動軸36bの軸心回りの時計方向に向かう回転と共回りするのに対し、同反時計方向に向かう回転に対しては共回りしないようになっている。
【0046】
つぎに図7を基に必要に応じて図4〜図6を参照しながら硬貨集積部4について説明する。硬貨集積部4は、硬貨搬送基盤31の右端縁部から右方に向けて突設された硬貨集積板41と、この硬貨集積板41上に設けられた回転円錐体42と、硬貨集積板41上に集積された硬貨Cを突き上げて支える支え棒43と、この支え棒43を昇降させる昇降機構44と、硬貨集積板41上に押し出された硬貨Cの先端側の縁部に干渉して硬貨Cのオーバーランを防止するストッパーとしての後記一対の巻取りローラ56とを備えて構成されている。
【0047】
上記硬貨集積板41は、幅寸法が硬貨Cの径寸法と略同一に設定されているとともに長さ寸法が硬貨Cの直径より若干長めに寸法設定され、硬貨通路32cを通過した硬貨Cが安定した状態で載置され得るようになっている。かかる硬貨集積板41の中心位置には上記支え棒43を挿通する挿通孔41aが穿設されている。
【0048】
上記回転円錐体42は、硬貨通路32cから硬貨集積板41上に送り出された硬貨Cの縁部を乗り上げさせて硬貨Cと硬貨集積板41との間に後続の硬貨Cを潜り込ませるための隙間を形成させるものであり、挿通孔41aとは干渉しないように径寸法が設定されている。かかる回転円錐体42は、挿通孔41aの前方位置で硬貨集積板41を貫通した垂直軸42a回りに共回り可能に軸支されている。そして垂直軸42aは、台座71内の適所に設けられた円錐体駆動モータ42bの駆動回転が、駆動プーリ42c、無端ベルト42dおよび従動プーリ42eを介して伝達され、これによって軸心回りに平面視で反時計方向に回転し、硬貨集積板41上に排出された硬貨Cは、後述する一対の巻取りローラ56に当接する位置にまで送り込まれるようになっている。
【0049】
上記支え棒43は、台座71内に幅方向に延びるように天板71bから垂下された仕切板74(図3)と一体の支持板43aに貫通して上下動可能に支持されている。支え棒43の略中間位置には支持板43aを貫通した状態で支持板43aより上部位置にストッパーリング43bがねじ止めで固定されているとともに、下端部にはフランジ43cが設けられている。そして、支え棒43のフランジ43cと支持板43aとの間に圧縮状態のたけのこばね43dが装着され、これによって支え棒43は下方に向けて付勢された状態になっている。
【0050】
上記昇降機構44は、支え棒43を乗降させる摺動リンク板45と、ベルトモータ36の駆動軸36bと共回りして摺動リンク板45を上下方向に移動させる偏心カム46とを備えて構成されている。
【0051】
摺動リンク板45は、硬貨搬送ベルト35に干渉しないように平面視でコ字状に形成された幅方向に長尺の矩形体によって形成され、基端側(幅方向の左方)が仕切板74に固定された前後方向に延びるリンク軸45a(図6)回りに揺動自在に軸支されているとともに、先端側に前後方向に延びる嵌込み溝45bが凹設され、この嵌込み溝45bが上記ストッパーリング43bと支持板43a間の支え棒43に外嵌されることによって摺動リンク板45が支え棒43にリンクしている。そして、摺動リンク板45が最下位置に設定された状態で、回転円錐体42の挿通孔41aを貫通した支え棒43の上端部が硬貨集積板41の上面と面一になるように支え棒43の長さ寸法が設定されている。
【0052】
上記偏心カム46は、図6に示す基準姿勢(摺動リンク板45が最下位になるように偏心カム46の外周面と当接している姿勢)に姿勢設定された状態で、摺動リンク板45に当接している部分の径寸法が最小に設定されているとともに、駆動軸36b周りに時計方向に向かうに従って径寸法が漸増するように形状設定されている。そして基準姿勢の当接点から略270°の位相で最大径寸法になるように径設定され、この位置から基準姿勢の当接点に向けて直線状の外周面が形成されている。
【0053】
かかる偏心カム46は、ベルトモータ36の駆動軸36bの反時計方向に向かう回転に追随して共回りする一方、同時計方向に向かう回転に対しては共回りしないようにクラッチ動作を行う図略のワンウエイクラッチを有している。従って、駆動軸36bが時計方向に回転したときは、上記駆動プーリ36a内のワンウエイクラッチの作用で駆動プーリ36aが駆動軸36b回りに時計方向に回転して硬貨搬送ベルト35が時計方向に周回するとともに偏心カム46は内部のワンウエイクラッチの作用で回転しない。
【0054】
これに対し、ベルトモータ36の逆駆動で駆動軸36bが軸心回りに反時計方向に回転したときは、各ワンウエイクラッチの作用で偏心カム46は駆動軸36b回りに反時計方向に回転するのに対し、硬貨搬送ベルト35は周回しないようになっている。
【0055】
かかる硬貨集積部4の構成によれば、ベルトモータ36の正駆動による硬貨搬送ベルト35の時計方向に向かう周回で硬貨通路32cから硬貨集積板41に向けて抜け出した硬貨Cは、円錐体駆動モータ42bの駆動による回転円錐体42の反時計方向に向かう垂直軸42a回りの回転に誘導されて硬貨集積板41の奥部に進んで昇降ブロック59bに当止して位置決めがなされるとともに、回転円錐体42に乗り上げることにより左端部に硬貨集積板41との間で隙間が形成された状態になる。
【0056】
従って、つぎに送り込まれた硬貨Cは、回転円錐体42の回転に誘導されて先の硬貨Cの下部隙間に潜り込み、これによって先の硬貨Cは持ち上げられる。かかる操作が繰り返されることによって複数枚の硬貨Cが硬貨集積板41上に下から順次集積されていくことになる。
【0057】
そして、予め設定された所定枚数の硬貨Cが硬貨集積板41上に集積されると、ベルトモータ36が逆駆動させられ、これによる偏心カム46の駆動軸36b回りの反時計方向に向かう所定位相の回転によってその周面に当接している摺動リンク板45がリンク軸45a回りに反時計方向に所定位相だけ回動する。この摺動リンク板45の回動によって、先端部がストッパーリング43bを介してリンクされている支え棒43が偏心カム46の回転位相に応じた分だけたけのこばね43dの付勢力に抗して上昇し、集積硬貨C1は、硬貨集積板41の位置で支え棒43によって所定高さにまで持ち上げられた状態になる。この状態で集積硬貨C1に対して包装部5による所定の包装処理が施される。
【0058】
そして、本実施形態においては、偏心カム46の径寸法は、基準姿勢における軸心から摺動リンク板45に対する当接位置までを最小径寸法とされ、この径寸法から時計方向に向けて順次漸増するようにしているため、集積硬貨C1の上下寸法に応じて偏心カム46の回動位相を適正に設定することにより、集積硬貨C1を包装処理上最適の高さ位置まで持ち上げることができる。
【0059】
具体的には、硬貨Cの種類に応じて厚み寸法が異なる(例えば500円硬貨は1円硬貨より厚み寸法が大きい)ため、所定枚数(例えば50枚)が集積された集積硬貨C1の集積長が異なる(500円の集積硬貨C1の集積長は、1円の集積硬貨C1の集積長より大きい)。従って、もしも支え棒43の上昇高さが常に一定である場合には、集積硬貨C1の上下寸法によって包装空間の上下方向の中央位置に集積硬貨C1を位置設定させることができないのに対し、本実施形態においては、偏心カム46の回動位相を集積硬貨C1の上下寸法に応じて変更することにより、集積硬貨C1を常に包装空間の中央部に位置させることが可能になる。
【0060】
そして、集積硬貨C1に対する包装処理が完了すれば、ベルトモータ36を再度逆駆動することにより、偏心カム46は一周して基準姿勢に戻り、支え棒43の急激な下降によって、包装空間Sの適所に設けられたフォーク状の図略の傾斜案内板に案内されて集積硬貨C1は前方に向かって横転し、包装硬貨収納箱15内に落下して収納されることになる。なお、傾斜案内板に代えて重積硬貨C1の頂部を押圧する押圧手段を設け、この押圧手段の動作によって重積硬貨C1を倒すようにしてもよい。
【0061】
つぎに図3〜図6に戻って上記包装部5について説明する。包装部5は、包装用のロール紙Rを装着するロール紙装着台51と、このロール紙装着台51から引き出されたロール紙Rを包装空間S(硬貨集積板41の上方に形成された集積硬貨C1を包装するための空間)に向けて送り出す一対の紙送りローラ52と、この紙送りローラ52の一方を駆動する紙送りモータ53と、紙送りローラ52によって送り込まれるロール紙Rから引き出された包装紙R1を誘導して案内する案内板54と、案内板54に案内されつつある包装紙R1に対して刃先が対向した紙カッター55と、硬貨集積板41を挟むように包装空間Sの前後位置に対向配置された一対の巻取りローラ56と、各巻取りローラ56を駆動するローラ駆動モータ57と、包装空間Sに形成された集積硬貨C1を巻取りローラ56の方向に押圧する硬貨押圧機構58と、集積硬貨C1の外周面に巻き付けられた包装紙R1の集積硬貨C1から上下に突出している部分を絞り込んで絞り部C2を形成する絞り機構59とを備えて構成されている。
【0062】
上記ロール紙装着台51は、ケーシング本体12の右側壁から外方に向かって突設され、これによってロール紙Rはケーシング11の外方においてロール紙装着台51に着脱自在に装着されるようになっている。かかるロール紙装着台51の中央部には装着筒51aが立設され、この装着筒51aにロール紙Rを外嵌することによってロール紙Rがロール紙装着台51に装着された状態になるようにしている。
【0063】
上記一対の紙送りローラ52は、台座71の天板71b上の右方位置に装着筒51aに対向して前後方向に並設されている。上記紙送りモータ53は、後方側の紙送りモータ53の直下の台座71裏面に固定されている。この紙送りモータ53の駆動軸53aは、天板71bを貫通して上方に突出され、この上方に突出した部分に後方側の紙送りローラ52が共回り可能に装着されている。
【0064】
また、前方側の紙送りローラ52は、天板71bに立設された従動軸52a回りに回転自在に軸支され、この従動軸52a側の紙送りローラ52の外周面が駆動軸53a側の紙送りローラ52の外周面に当接されていることにより、駆動軸53a側の紙送りローラ52の駆動回転が、包装紙R1を介して従動軸52a側の紙送りローラ52に伝達されて両者は互いに逆方向に回転するようになっている。
【0065】
そして、ロール紙Rから引き出された包装紙R1は、前方側の紙送りローラ52に時計方向に巻き付けられたのち後方側の紙送りローラ52に反時計方向に約半周巻き付けられて案内板54に向かわせられる。後方側の紙送りローラ52のさらに後方には、外周面が紙送りローラ52に当接した補助ローラ52bが、天板71bに立設された補助軸52c回りに回転自在に軸支されている。
【0066】
この補助ローラ52bの頂部には紙送り摘み52dがねじ止めで固定されている。この紙送り摘み52dは、先端が案内板54にまで導入された包装紙R1をさらに奥部にまで差し入れてその装着状態を調整するためのものである。かかる紙送り摘み52dは、上記蓋体14(図1)が閉止された状態でその対応位置に穿設された摘み孔14bから外部に突出するようになされており、蓋体14を閉止した状態でも紙送り摘み52dを操作することによって紙送りの調整を行い得るようにしている。
【0067】
上記案内板54は、右端部が補助ローラ52bと紙送りローラ52との間に対向するとともに、左方位置で所定の曲率半径で円弧状に形成されている。そして、案内板54の先端部は後方側の巻取りローラ56の右方位置に対向するように形状設定され、かかる案内板54の内側の曲面に案内された包装紙R1が後方側の巻取りローラ56の回転駆動によって包装空間Sに導入されるようになっている。
【0068】
上記紙カッター55は、包装空間S内における集積硬貨C1の包装が完了した時点における張力の増加により包装紙R1を切断するものである。具体的には、所定長の包装紙R1が送り出された後に紙送りモータ53の駆動を停止させることにより、駆動回転を継続している巻取りローラ56が包装紙R1を引っ張ることで包装紙R1に張力を発生させるようにしている。
【0069】
かかる巻取りローラ56は、包装空間Sに集積され、かつ、硬貨押圧機構58によって押圧された集積硬貨C1の外周面に包装紙R1を巻き付るものであり、天板71b上に立設されたローラ軸56a回りに共回り可能になっている。
【0070】
後方側のローラ軸56aは、ローラ駆動モータ57の駆動によって時計方向へ駆動回転するようになっている。そして、前後一対のローラ軸56aの機枠板73から上方に突出した部分にはそれぞれ歯車56b(図3)がそれぞれ設けられているとともに、これら歯車56b間にアイドル歯車56cが設けられ、後方側の歯車56bの駆動回転がアイドル歯車56cを介して前方側の歯車56bに伝達されることにより、一対の巻取りローラ56が互いに逆方向に共回りするようになっている。
【0071】
そして、後方側の巻取りローラ56と、この巻取りローラ56に当接したガイド板56dとの間に包装紙R1が供給されることにより、包装紙R1は巻取りローラ56および硬貨押圧機構58との協働で集積硬貨C1を反時計方向に回転させながらその外周面に巻き付いていくようになっている。
【0072】
また、一対の巻取りローラ56は、硬貨集積板41上に押し出された硬貨Cの先端側の縁部に干渉して硬貨Cのオーバーランを防止するストッパーとして役割を果すものであり、それらの下部は硬貨Cの衝突に対抗し得るように金属製とされている。
【0073】
上記硬貨押圧機構58は、天板71bと機枠板73(図3)との間に架設された支点軸58b回りに回動自在の上下一対の挟持板58aと、これら一対の挟持板58aの前端部間に支持軸58c回りに回転自在に挟持された押圧ローラ58dと、一対の挟持板58aの後端部間に架設された上下方向に延びる架設軸58eと、挟持板58aの後端部と最左端の支柱72(図3、図4)との間に張設されたコイルスプリング58fと、架設軸58eに隣接した支柱72(支持支柱72a)に回動自在に支持された第2偏心カム58gとからなっている。
【0074】
上記支点軸58bは、後部側の巻取りローラ56の若干左後方に設けられているとともに、押圧ローラ58dは包装空間Sの直ぐ左方に設けられ、普段はコイルスプリング58fの付勢力で押圧ローラ58dが包装空間Sに臨むようになっている。従って、後方側の巻取りローラ56の回転駆動で包装空間S内に引き込まれた包装紙R1は、押圧ローラ58dに案内されて集積硬貨C1に円滑に巻き付き、集積硬貨C1の包装処理がスムーズに行われるようになっている。
【0075】
上記第2偏心カム58gは、普段は最小径の縁部が架設軸58eに当接し、これによって押圧ローラ58dが包装空間Sに臨むように位置設定されているが、第2偏心カム58gが支持支柱72a回りに時計方向に回動することによる径寸法の増加で架設軸58eが支点軸58b回りに時計方向に押圧され、これによる挟持板58aの支点軸58b回りの時計方向に向かう回動によって押圧ローラ58dが包装空間Sから離間するようになっている。押圧ローラ58dの包装空間Sからの離間によって包装空間S内に形成された包装済みの集積硬貨C1を排出する隙間が形成されることになる。
【0076】
本実施形態においては、ローラ駆動モータ57の回転駆動が後方の巻取りローラ56および第2偏心カム58gにそれぞれ伝達されるようになっている。具体的には、ローラ駆動モータ57の駆動軸57aには共回り可能に駆動プーリ57bが設けられているとともに、ローラ軸56aおよび支持支柱72aにはそれぞれローラ軸用従動プーリ57cおよび支持支柱用従動プーリ57dがそれぞれ設けられ、これら各プーリ57b,57c,57dに無端ベルト57eが張設されることにより、ローラ駆動モータ57の駆動回転が巻取りローラ56および第2偏心カム58gに伝達されるようになっている。
【0077】
そして、ローラ軸56aとローラ軸用従動プーリ57cとの間には、図略のワンウエイクラッチが介設され、ローラ軸用従動プーリ57cの時計方向への回転はローラ軸56aに伝達される一方、同反時計方向への回転はローラ軸56aに伝達されないようになされている。また、支持支柱72aと支持支柱用従動プーリ57dとの間にも図略のワンウエイクラッチが介設され、支持支柱用従動プーリ57dの反時計方向への回転は支持支柱72aに伝達されるのに対し、同時計方向への回転は支持支柱72aに伝達されないようになされている。
【0078】
従って、ローラ駆動モータ57の時計方向への駆動回転は巻取りローラ56にのみ伝達されて包装紙R1が包装空間Sに引き込まれるのに対し、ローラ駆動モータ57の反時計方向への駆動回転は第2偏心カム58gにのみ伝達されて挟持板58aが支点軸58b回りに時計方向に回動し、これによって包装空間Sが開放されることになる。
【0079】
上記絞り機構59は、包装空間S内で集積硬貨C1に巻き付けられた包装紙R1の集積硬貨C1から上下に延びた部分を絞り込んで環状の絞り部C2(図9の(ニ)参照)を形成させるものであり、包装空間Sの右方位置に上下方向に延びるように設けられた昇降ベルト59aと、この昇降ベルト59aに取り付けられた上下一対の昇降ブロック59bと、昇降ベルト59aを周回駆動する昇降モータ59cとからなっている。
【0080】
上記昇降モータ59cは、天板71bの裏面側に左右方向に延びるように横置きで据え付けられ、その駆動軸59dに駆動プーリ59eが取り付けられているとともに、この駆動プーリ59eの直上であって機枠板73の適所に従動プーリ59fが設けられ、これらプーリ59e,59f間に上記昇降ベルト59aが張設されている。かかる昇降モータ59cは、入力パルス数に比例して回転角が変位する、いわゆるステッピングモータが採用され、これによって昇降ベルト59aの周回変位を正確に制御し得るようになっている。
【0081】
上記一対の昇降ブロック59bは、一方が昇降ベルト59aの送り側のベルトに固定されているとともに、他方が返りベルトに固定され、これによって昇降モータ59cを一方向に回転駆動することにより各昇降ブロック59bは互いに接近する方向に移動する一方、昇降モータ59cを他方向に回転駆動することにより互いに離間する方向に移動するようになっている。かかる昇降ブロック59bには、機枠板73との間で台座71の天板71b上に立設されたガイドロッド59gが摺接状態で貫通され、これによって昇降ブロック59bは横振れがない状態で円滑に昇降し得るようになっている。
【0082】
そして、下方に位置した昇降ブロック59bの下面には、図10に示すように、下方に向けて突出した突片59hが突設されているとともに、この突片59hに左方に向けて突設された支持軸59iが設けられ、この支持軸59i回りに回転自在に絞込みローラ59jが軸支されている。この絞込みローラ59jは、集積硬貨C1に巻き付いた包装紙R1の下縁部に対向する環状溝59kが設けられ、この環状溝59kが円筒状になった包装紙R1の下縁部に外嵌した状態で集積硬貨C1が回転することにより絞り部C2が形成されるようになっている。
【0083】
また、上方に位置した昇降ブロック59bの上面にも上下が逆になっているだけで上記と同一構成の絞込みローラ59jが設けられ、この絞込みローラ59jの環状溝59kが円筒状になった包装紙R1の上縁部に外嵌した状態で集積硬貨C1が回転することにより絞り部C2が形成されるようになっている。
【0084】
上記制御装置6は、硬貨包装機1の運転を総合的に制御するものであり、操作部13aのコントロールキー13cからの所定のキー操作でスタートし、各機器の連動動作で硬貨Cの包装処理が自動的に行われる。包装空間Sの直前の硬貨通路32cには、硬貨Cが通過するたびにそれを検出する集積センサ8(図6)が設けられ、制御装置6は、集積センサ8からの検出信号に基づいて各所に制御信号を出力するようになっている。
【0085】
図8は、制御装置6による制御の一実施形態を示すブロック図である。この図に示すように、制御装置6は、駆動信号出力部61と、集積枚数カウント部62とを備えている。駆動信号出力部61は、コントロールキー13cからの入力操作に応じて、および集積センサ8(図6)の検出結果に応じて円盤駆動モータ23、ベルトモータ36、紙送りモータ53、ローラ駆動モータ57および昇降モータ59cのいずれかに適宜制御信号を出力するものである。また、集積枚数カウント部62は、集積センサ8からの検出信号が入力される都度これをカウントし、所定の集積数になると駆動信号出力部61にそのことを示す信号を出力するものである。また、硬貨包装機1の運転操作上の各種の情報は、制御装置6からの出力信号に基づいて表示部13dに出力表示されるようになっている。
【0086】
以下、駆動信号出力部61および集積枚数カウント部62の機能について、経時的に説明する。硬貨Cを包装するに際しては、まず、蓋体14の硬貨ホッパー14a(図1)に多数の硬貨Cを投入する。ついで、コントロールキー13cから硬貨Cの種類(1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨いずれか)と包装される集積枚数を選択入力する(例えば50枚および20枚のいずれを選択するかを入力する)。なお、数字の入力はテンキー13bから行う。引き続きコントロールキー13cの内の処理開始キーを操作する。そうすると、駆動信号出力部61から円盤駆動モータ23に駆動信号が出力され、これによる円盤駆動モータ23の駆動によって回転円盤22が駆動軸23a回りに共回りし、回転円盤22上の硬貨Cは遠心力で囲い筒21の内周面に押し付けられて排出され易い状態になる。
【0087】
なお、円錐体駆動モータ42bには、処理開始キーのキーイン操作が行われると同時に駆動信号出力部61からの駆動信号が入力され、この信号は硬貨Cが集積されている間継続されるようになされており、従って、硬貨包装機1が硬貨Cを集積する動作を行っている期間中は常に回転円錐体42が垂直軸42a回りに回転し続けることになる。
【0088】
円盤駆動モータ23の駆動から所定時間(数秒)が経過すると、駆動信号出力部61からベルトモータ36(図6)に向けて駆動信号が出力され、これによるベルトモータ36の時計方向に向かう回転駆動が駆動軸36bおよび駆動プーリ36aを介して硬貨搬送ベルト35に伝達され、硬貨搬送ベルト35は時計方向に周回する。この硬貨搬送ベルト35の周回によって硬貨導出スリット24(図7)から硬貨通路32cに順次導出された硬貨Cは、硬貨通路32cを下流側に向かって一列になって搬送される。
【0089】
そして、先頭の硬貨Cが硬貨通路32cから硬貨集積板41上に排出されると、図9の(イ)に示すように、回転円錐体42の反時計方向に向かう回転に誘導されて硬貨集積板41の奥部にまで送り込まれ、昇降ブロック59bに当止して停止する。ついで、2枚目の硬貨Cが回転円錐体42に到達すると、この回転円錐体42の回転に誘導されて硬貨集積板41上を前進するが、このとき、図9の(ロ)に示すように、すでに回転円錐体42上に載置されて傾いた1枚目の硬貨Cと硬貨集積板41との間に形成された隙間に2枚目の硬貨Cが嵌り込むことによって1枚目の硬貨Cの下に潜り込む。かかる操作が繰り返されることによって、図9の(ハ)に示すように、硬貨Cは硬貨集積板41上において下から順次集積されていき、集積硬貨C1が形成される。
【0090】
そして、本実施形態においては、集積センサ8からの検出信号によって硬貨集積板41上に硬貨Cが存在していないことが検出されたときは、硬貨搬送ベルト35の周回速度が通常の周回速度より遅くなるように駆動信号出力部61からベルトモータ36に制御信号が出力され、これによって最初の1枚目の硬貨Cが硬貨通路32cから硬貨集積板41に排出されるときは、その硬貨Cの上位に先の硬貨Cが存在しないことによる跳ね上がりが抑止されるようになっている。
【0091】
硬貨集積板41上に硬貨Cの存在することが集積センサ8によって検出されると、この集積センサ8からの検出信号に基づいて駆動信号出力部61から通常の駆動回転に戻す制御信号がベルトモータ36に向けて出力されるため、硬貨Cの2枚目以降の集積操作は迅速に行われることになる。
【0092】
上記集積枚数カウント部62は、集積センサ8が硬貨包装機1上で硬貨Cを検出する度にその検出信号に基づいて硬貨Cの枚数をカウントするものである。そして、この枚数が予め設定された枚数(例えば50枚)に達すると、このことを示す制御信号が駆動信号出力部61に向けて出力され、これを受けた駆動信号出力部61は、ベルトモータ36に一旦駆動停止信号を出力した後に逆駆動信号を出力する。
【0093】
この逆駆動信号は、硬貨Cの種類に応じた偏心カム46の回動変位を含むものであり、ベルトモータ36が所定変位だけ逆方向に回動することによる偏心カム46の回動によって摺動リンク板45がリンク軸45a(図6)回りに反時計方向に所定変位だけ回動し、これによって支え棒43がたけのこばね43dの付勢力に抗して所定距離だけ上昇する。この支え棒43の上昇によって硬貨集積板41上に形成された集積硬貨C1は、図9の(ニ)に示すように、支え棒43によって所定長だけ上方に持ち上げられることになる。
【0094】
そして、偏心カム46の回動量は、硬貨Cの種類に応じて設定され(具体的には硬貨Cの厚み寸法に反比例するように設定され)、支え棒43によって持ち上げられた集積硬貨C1は、常に包装空間Sの上下方向の中間位置に高さ設定されるようになっているため、集積硬貨C1は硬貨Cの種類に拘わらず常に包装紙R1の中央部で包装されることになる。
【0095】
ついで、駆動信号出力部61から紙送りモータ53およびローラ駆動モータ57に向けて駆動信号が出力され、これによる紙送りモータ53およびローラ駆動モータ57の駆動でロール紙装着台51上のロール紙Rから包装紙R1が引き出されつつ巻取りローラ56の回転駆動で回転している包装空間S内の集積硬貨C1の外周面に包装紙R1が巻き付けられる。そして、この巻き付け処理が完了する直前に紙送りモータ53が停止されることによる張力の発生で包装紙R1が紙カッター55により切断される。
【0096】
包装紙R1が切断されたのち駆動信号出力部61からの駆動信号によって昇降モータ59cが駆動され、これによって上下一対の昇降ブロック59bが互いに接近する方向に移動する。この昇降ブロック59bの移動量は、硬貨Cの種類によって決められており、硬貨Cの厚み寸法に反比例するようになされている。これによって上下の絞込みローラ59jが、包装紙R1の上下の縁部を環状溝59k内に巻き込んだ状態で集積硬貨C1の表裏面に当接する。
【0097】
この状態で集積硬貨C1は巻取りローラ56の回転に誘導されて回転しているため、円筒状になった包装紙R1の上下の縁部は、絞込みローラ59jによって強制的に絞り込まれ、包装された集積硬貨C1の上下端部に絞り部C2が形成され、これによって包装処理が完了する。
【0098】
そして、包装処理の完了後、ローラ駆動モータ57が駆動信号出力部61からの逆駆動信号によって逆回転し、これによる挟持板58aの支点軸58b回りのコイルスプリング58fに抗した時計方向への回動によって押圧ローラ58dが集積硬貨C1から離間して包装空間Sが開放状態にされ、引き続き駆動信号出力部61からの逆駆動信号による昇降モータ59cの逆駆動で一対の昇降ブロック59bがそれぞれ離間方向に移動し、包装済みの集積硬貨C1は支え棒43によってのみ支持された状態になる。
【0099】
この状態でベルトモータ36が逆駆動させられることにより、偏心カム46の駆動軸36b回りの反時計方向への回動によって集積硬貨C1は支え棒43によって一旦持ち上げられた後に急激に下降させられ、このとき図略のフォーク状の傾斜案内板に案内されて横転し、包装硬貨収納箱15内に落下する。
【0100】
そして、このような包装処理が、硬貨貯留部2内の硬貨Cがなくなるまで繰り返し継続されることによって、順次包装されて包装硬貨収納箱15内に貯留されることになる。
【0101】
なお、上記の実施形態においては、1枚目の硬貨Cがベルト機構34によって搬送されるときのみ、その搬送速度を2枚目以降の硬貨Cの搬送速度より遅くしているが、本発明は、1枚目の硬貨Cの搬送速度のみを遅くすることに限定されるものではなく、2枚目あるいは3枚目等、所定の枚数目までは搬送速度を遅くするようにしてもよい。
【0102】
図10は、硬貨集積部4aの他の実施形態を示す側面視の説明図であり、(イ)は新たな硬貨Cが集積される直前の状態、(ロ)は、新たな硬貨Cが集積されつつある状態をそれぞれ示している。この実施形態においては、回転円錐体42に代えて硬貨持ち上げアーム47が採用されている。この硬貨持ち上げアーム47は、硬貨搬送ベルト35の送り側のベルト直下に当該ベルトに沿うように設けられたアーム本体47aと、このアーム本体47aの右端部から上方に向かって突設された持上げ爪片(傾斜縁部)47bと、アーム本体47aを上方に向けて付勢する板ばね47cとから構成されている。
【0103】
上記アーム本体47aは、幅寸法が硬貨搬送ベルト35の幅寸法より若干厚めに寸法設定され、上面が硬貨搬送ベルト35の裏面に摺接した状態で、その左端部が支持軸47d回りに回動自在に軸支されている。上記持上げ爪片47bは、かかるアーム本体47aの右端部に二股状で一対が形成され、これら一対の持上げ爪片47bによって硬貨搬送ベルト35の右端部が挟持された状態になっている。かかる持上げ爪片47bは、裂き上がりの傾斜を備えて形成され、この傾斜部分が硬貨搬送基盤31を貫通して積層規制板33の直下流側で上方に向かって突出し、板ばね47cの付勢力で集積硬貨C1の左側部を上方に向かって押圧し、これによって集積硬貨C1の最下層の硬貨Cの左端部と硬貨集積板41との間につぎの硬貨Cを潜り込ませるための隙間を形成させるようにしている。
【0104】
この実施形態の硬貨集積部4aによれば、集積硬貨C1は、図10の(イ)に示すように、アーム本体47aが板ばね47cの付勢力で支持軸47d回りに反時計方向に向かう力を受けてその上面が硬貨搬送ベルト35の裏面に摺接した状態になっているとともに、持上げ爪片47bが硬貨搬送基盤31を貫通して上方に突出し、これによって集積硬貨C1の左端部が若干持上げられた状態になっている。
【0105】
この状態において、硬貨搬送ベルト35の時計方向に向かう周回でつぎの硬貨Cが硬貨通路32cから硬貨集積板41に向けて抜け出ると、その右端部が集積硬貨C1の最下層の硬貨Cと硬貨集積板41との間に形成された隙間に潜り込むとともに、このとき左端部が未だ積層規制板33によって押えられた状態になっていることにより持上げ爪片47bがその傾斜に誘導されつつ下方に向かって押圧され、これによって持上げ爪片47bが硬貨集積板41下に没入しながら硬貨Cが集積硬貨C1の最下層に潜り込んで集積され、図10の(イ)に示す状態になる(但し枚数は1枚増えている)。
【0106】
このように、この実施形態の硬貨集積部4aによれば、先の実施形態のように円錐体駆動モータ42bを採用する必要がないため、その分部品コストの低減化を達成することができる。
【0107】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、硬貨持上げ手段を、搬送ベルトによって集積位置に送り出された硬貨を乗り上げさせるローラと、このローラを硬貨が集積位置に向かうように回転駆動するローラ駆動手段とを備えて構成したため、搬送ベルトによりローラにまで送り込まれた硬貨は、ローラ駆動手段によるローラの駆動回転に誘導されて集積位置に向かい、このときすでにローラに載せられることによって若干浮かされた状態になっている先の硬貨の下側に潜り込み、これによって硬貨を円滑に下から集積させることができる。
【0108】
このように、硬貨持上げ手段としてローラを採用することにより、硬貨集積手段の構造の簡素化を実現した上で、下からの硬貨の集積処理を確実に行うことができる。
【0109】
請求項2記載の発明によれば、硬貨持上げ手段を、搬送ベルトによって送り出された硬貨に対する対向縁部が先上がりに傾斜した傾斜縁部を有する硬貨持上げアームと、この硬貨持上げアームを上記傾斜縁部が送り出される硬貨に対向する位置まで上方に向けて付勢する付勢手段とから構成したため、搬送ベルトによって硬貨持上げアームにまで送り込まれた硬貨を、搬送ベルトに押されることにより硬貨持上げアームによって持ち上げられている集積硬貨の底部に潜り込ませながら硬貨持上げアームの傾斜縁部に干渉して傾斜縁部を付勢手段の付勢力に抗して下方に押圧しつつ集積位置に送り込むことができる。
【0110】
集積位置にまで送り込まれた新たな硬貨は、積層規制部材から開放されることによって付勢手段の付勢力による硬貨持上げアームの上動により搬送ベルトに対向した縁部が持上げられ、これによってつぎの硬貨が潜り込むための隙間を形成することができる。従って、硬貨が搬送ベルトの駆動で硬貨持上げ手段に到達する都度、このような硬貨の潜り込み動作が繰り返され、これによって硬貨を下から順次集積して集積硬貨にすることができる。
【0111】
そして、付勢手段は、所定枚数の集積硬貨の搬送ベルト側を持ち上げ得る一方、積層規制部材および搬送ベルト間に挟持された状態で送り出された硬貨が傾斜縁部と干渉することによって硬貨持ち上げ片が下方に退避し得るように付勢力が設定されているため、上記のような硬貨の集積硬貨下部への潜り込み動作を確実に行うことができる。
【0112】
請求項3記載の発明によれば、硬貨抜出し手段および包装手段の動作を制御する制御装置を設けたため、制御手段の制御による硬貨抜出し手段および包装手段の適正な動作によって硬貨貯留槽に装填された多数の硬貨を自動的に順次集積して包装し、包装硬貨にすることができる。
【0113】
請求項4記載の発明によれば、制御装置は、硬貨貯留槽から送り出される硬貨が最初の所定枚数のものであるときは、所定枚数目を過ぎた硬貨の搬送速度より遅い搬送速度で硬貨を搬送するように、硬貨の搬送ベルトによる搬送速度を制御するため、硬貨が搬送ベルトから外れたとたんに飛び跳ねるような不都合を確実に抑制することが可能になり、飛び跳ねた硬貨の着地姿勢の異常によって以後の集積処理に不具合が生じるような事態を確実に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る硬貨包装機の一実施形態を示す外観図であり、各蓋体が閉止された状態を示している。
【図2】本発明に係る硬貨包装機の一実施形態を示す外観図であり、各蓋体が開放された状態を示している。
【図3】ケーシングに内装される包装機本体の一実施形態を示す斜視図であり、硬貨押え部材が硬貨を押える押え位置に設定された状態を示している。
【図4】ケーシングに内装される包装機本体の一実施形態を示す斜視図であり、硬貨押え部材が硬貨を開放する開放位置に設定された状態を示している。
【図5】図3に示す包装機本体の機枠板を除いた状態における平面図である。
【図6】図3に示す包装機本体の正面図である。
【図7】硬貨抜出し部および硬貨集積部の一実施形態を示す拡大斜視図である。
【図8】制御装置による制御の一実施形態を示すブロック図である。
【図9】(イ)〜(ニ)は、硬貨集積部の作用を説明するための説明図である。
【図10】硬貨集積部の他の実施形態を示す側面視の説明図であり、(イ)は新たな硬貨が集積される直前の状態、(ロ)は新たな硬貨が集積されつつある状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 硬貨包装機 10 包装機本体
11 ケーシング 11a ロックボタン
11b ロック金具 11c 引出し開口
12 ケーシング本体 12a 前面傾斜開口
12b 上面開口 12c 梁材
12d 水平軸 12e 水平軸
13 パネル板 13a 操作部
13b テンキー 13c コントロールキー
13d 表示部 14 蓋体
14a 硬貨ホッパー 14b 摘み孔
15 包装硬貨収納箱 2 硬貨貯留部
21 囲い筒 22 回転円盤
22a 円錐体 22b 軸受筒
22c 環状傾斜縁部 23 円盤駆動モータ
23a 駆動軸 24 硬貨導出スリット
3 硬貨取込み部 30 短尺支柱
31 硬貨搬送基盤 31a 円弧縁部
31b 円弧側板 31c ベルト装着孔
32 隙間保持板 32a 前方側保持板
32b 後方側保持板 32c 硬貨通路
33 積層規制板 33a 衝立縁部
33b 覗き孔 34 ベルト機構
35 硬貨搬送ベルト 35a 従動プーリ
36 ベルトモータ 36a 駆動プーリ
36b 駆動軸 4,4a 硬貨集積部
41 硬貨集積板 41a 挿通孔
42 回転円錐体 42b 円錐体駆動モータ
42c 駆動プーリ 42d 無端ベルト
43 支え棒 43a 支持板
43b ストッパーリング
43c フランジ 43d たけのこばね
44 昇降機構 45 摺動リンク板
45a リンク軸 45b 嵌込み溝
46 偏心カム 47 硬貨持ち上げアーム
47a アーム本体 47b 持上げ爪片
47c 板ばね 47d 支持軸
5 包装部 51 ロール紙装着台
51a 装着筒 52 紙送りローラ
52a 従動軸 52b 補助ローラ
52c 補助軸 52d 紙送り摘み
53 紙送りモータ 53a 駆動軸
54 案内板 55 紙カッター
56 巻取りローラ 56a ローラ軸
57 ローラ駆動モータ
57a 駆動軸 57b 駆動プーリ
57c ローラ軸用従動プーリ
57d 支持支柱用従動プーリ
57e 無端ベルト 58 硬貨押圧機構
58a 挟持板 58b 支点軸
58c 支持軸 58d 押圧ローラ
58e 架設軸 58f コイルスプリング
58g 第2偏心カム 59 絞り機構
59a 昇降ベルト 59b 昇降ブロック
59c 昇降モータ 59d 駆動軸
59e 駆動プーリ 59f 従動プーリ
59g ガイドロッド 59h 突片
59i 支持軸 59j 絞込みローラ
6 制御装置 61 駆動信号出力部
62 集積枚数カウント部
7 機枠 71 台座
71a 側板 71b 天板
72 支柱 72a 支持支柱
73 機枠板 74 仕切板
8 集積センサ C 硬貨
C1 集積硬貨 C2 絞り部
R ロール紙 R1 包装紙
S 包装空間

Claims (4)

  1. 装填された多数の硬貨を整列させながら集積して所定枚数に到達したつど集積硬貨を包装紙で包装する硬貨包装機であって、
    多数の硬貨を貯留する硬貨貯留槽と、この硬貨貯留槽から硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨抜出し手段と、この硬貨抜出し手段が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ねて集積硬貨を形成する硬貨集積手段と、この硬貨集積手段によって集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した時点でこの集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装する包装手段とが備えられ、
    上記硬貨抜出し手段は、上記硬貨貯留槽の底部に設けられた垂直軸回りに駆動回転する回転板と、この回転板の回転による遠心力で上記硬貨貯留槽から抜き出された硬貨を搬送面に載せて搬送する搬送ベルトと、この搬送ベルトの搬送面に略硬貨の厚み寸法分だけ離間して対向配置された、硬貨の積層を抑える積層規制部材とを備えて構成され、
    上記硬貨集積手段は、上記搬送ベルトの下流端位置の直ぐ下流側に設定された硬貨集積位置に硬貨を留める上下方向に延びたストッパーと、上記硬貨集積位置に集積された集積硬貨の搬送ベルト側を硬貨の厚み寸法以上に持ち上げる硬貨持上げ手段とを備えて構成され、
    上記硬貨持上げ手段は、搬送ベルトによって集積位置に送り出された硬貨を乗り上げさせるローラと、このローラを硬貨が集積位置に向かうように回転駆動するローラ駆動手段とを備えて構成されていることを特徴とする硬貨包装機。
  2. 装填された多数の硬貨を整列させながら集積して所定枚数に到達したつど集積硬貨を包装紙で包装する硬貨包装機であって、
    多数の硬貨を貯留する硬貨貯留槽と、この硬貨貯留槽から硬貨を1枚ずつ抜き出す硬貨抜出し手段と、この硬貨抜出し手段が抜出した硬貨を1枚ずつ積み重ねて集積硬貨を形成する硬貨集積手段と、この硬貨集積手段によって集積された硬貨の枚数が所定枚数に到達した時点でこの集積硬貨の周面に包装紙を巻き付けて包装する包装手段とが備えられ、
    上記硬貨抜出し手段は、上記硬貨貯留槽の底部に設けられた垂直軸回りに駆動回転する回転板と、この回転板の回転による遠心力で上記硬貨貯留槽から抜き出された硬貨を搬送面に載せて搬送する搬送ベルトと、この搬送ベルトの搬送面に略硬貨の厚み寸法分だけ離間して対向配置された、硬貨の積層を抑える積層規制部材とを備えて構成され、
    上記硬貨集積手段は、上記搬送ベルトの下流端位置の直ぐ下流側に設定された硬貨集積位置に硬貨を留める上下方向に延びたストッパーと、上記硬貨集積位置に集積された集積硬貨の搬送ベルト側を硬貨の厚み寸法以上に持ち上げる硬貨持上げ手段とを備えて構成され、
    上記硬貨持上げ手段は、搬送ベルトによって送り出された硬貨に対する対向縁部が先上がりに傾斜した傾斜縁部を有する硬貨持上げアームと、この硬貨持上げアームを上記傾斜縁部が送り出される硬貨に対向する位置まで上方に向けて付勢する付勢手段とからなり、
    上記付勢手段は、所定枚数の集積硬貨の搬送ベルト側を持ち上げ得る一方、上記積層規制部材および搬送ベルト間に挟持された状態で送り出された硬貨が上記傾斜縁部と干渉することによって硬貨持ち上げ片が下方に退避し得るように付勢力が設定されていることを特徴とする硬貨包装機。
  3. 上記硬貨抜出し手段および上記包装手段の動作を制御する制御装置が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の硬貨包装機。
  4. 上記制御装置は、上記硬貨貯留槽から送り出される硬貨が最初の所定枚数のものであるときは、所定枚数目を過ぎた硬貨の搬送速度より遅い搬送速度で硬貨を搬送するように、上記硬貨の上記搬送ベルトによる搬送速度を制御するものであることを特徴とする請求項3記載の硬貨包装機。
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