JP2002054583A - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

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JP2002054583A
JP2002054583A JP2000247032A JP2000247032A JP2002054583A JP 2002054583 A JP2002054583 A JP 2002054583A JP 2000247032 A JP2000247032 A JP 2000247032A JP 2000247032 A JP2000247032 A JP 2000247032A JP 2002054583 A JP2002054583 A JP 2002054583A
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scroll
orbiting scroll
fluid machine
type fluid
pressure chamber
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Withdrawn
Application number
JP2000247032A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Bito
宏明 尾藤
Hisao Mizuno
尚夫 水野
Yoshizumi Fujita
佳純 藤田
Tomoji Kinoshita
智司 木下
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背圧を適切化して圧縮効率を向上させること
ができるスクロール型流体機械を提供すること。 【解決手段】 高圧室(背圧室)HRをシールするシー
ル部材30は上部軸受(固定部材)5と旋回スクロール
13のいずれか一方に収容され、上部軸受5側に位置す
る拡幅部32と、旋回スクロール13側に位置する摺動
部30とを備え、摺動部31は旋回スクロール13と摺
動する摺動面を有し、拡幅部32は断面視略コ字状であ
ってその開口部が内径側に向けられて形成されているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置等に
用いられるスクロール型流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の背圧型スクロール圧縮機(スクロ
ール型流体機械)の一例を図7に示した。図中の符号1
は密閉状態のハウジング、2は旋回シャフト(回転
軸)、3は旋回シャフト2の下部軸受、5は旋回シャフ
ト2の上部軸受、6は吸入管、7は吐出管、8はモー
タ、10は後述する旋回スクロール13の自転を阻止す
る自転阻止機構である。そして、符号12は固定スクロ
ール、13は固定スクロール12に噛み合う旋回スクロ
ールである。固定スクロール12は端板12aの一側面
に渦巻き状の壁体12bが立設された構成となってい
る。旋回スクロール13は、固定スクロール12と同様
に端板13aの一側面に渦巻き状の壁体13bが立設さ
れた構成となっており、特に壁体13bは固定スクロー
ル12側の壁体12bと実質的に同一形状をなしてい
る。旋回スクロール13は固定スクロール12に対して
相互に公転旋回半径だけ偏心しかつ180゜だけ位相を
ずらした状態で、壁体12b,13b同士をかみ合わせ
て組み付けられている。旋回スクロール端板13aの背
面中央部には、円筒状のボス部16が突設されており、
旋回シャフト2の上端に設けられている偏心ピン2aが
挿入されている。
【0003】また、上部軸受5のスラスト部5aが旋回
スクロール13のボス部16を取り囲むように設けられ
ており、圧縮機の非駆動時には旋回スクロール13を支
持している。このような背圧型のスクロール型流体機械
では、旋回スクロール端板13a背面と上部軸受5のス
ラスト部5aとの間にシール部材18が設けられている
ことにより、旋回スクロール端板13aの背面側には、
シール部材18より中心側に高圧室(背圧室)HRが形
成され、シール部材18より外側に低圧室LRが形成さ
れている。そして、旋回スクロール13は高圧室HRの
圧力によって固定スクロール12側に押しつけられる。
【0004】図8(a)(b)に、シール部材18周辺の拡大
図を示した。図において、符号19はスラスト部5aに
形成された環状溝である。環状溝19内には、リング状
のシール部材18が収容されている。シール部材18は
断面視矩形状であって、スクロール圧縮機駆動時に、高
圧室HR内の高圧ガスによって外側に圧力を受け、上側
および外周側、すなわち、旋回スクロール端板13a側
および環状溝19の壁部に対して押しつけられる。これ
により、高圧室HRがシールされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
のスクロール型圧縮機においては、高圧室HRと低圧室
LRとの十分なシールを行うためにはシール部材18が
上側と外周側という異なる2方向に対して押しつけられ
る必要がある。しかし、双方向とも十分にシールを行う
のは困難であり、漏れが生じていたために適切に背圧を
得ることが困難であったり、また高圧ガスが低圧室へも
れて性能低下を引き起こす。また、従来のシール部材1
8はスラスト部5aに設けられていたため、巻数の少な
い小型スクロールを採用する場合、旋回スクロール端板
13aが高圧室HRに面する面積が相対的に大きくなっ
てしまい、背圧が過剰になって旋回スクロール13の回
転を阻害するという問題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みて成されたもので
あり、背圧を適切化して圧縮効率を向上させることがで
きるスクロール型流体機械を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ハウジングと、該ハウジング内に公転旋回自在に支
持された旋回スクロールと、該旋回スクロールの背面側
に位置して前記ハウジングに固定された固定部材と、前
記旋回スクロールと固定部材との間に形成された背圧室
と、前記固定部材と旋回スクロールとの間に位置して前
記背圧室をシールするシール部材とを備えたスクロール
型流体機械において、前記シール部材は前記固定部材と
旋回スクロールのいずれか一方に収容され、前記固定部
材と旋回スクロールの前記一方側に位置する拡幅部と、
他方側に位置する摺動部とを備え、前記摺動部は前記固
定部材と旋回スクロールのいずれか他方と摺動する摺動
面を有し、前記拡幅部は断面視略コ字状であってその開
口部が内径側に向けられて形成されていることを特徴と
する。
【0008】このスクロール型流体機械は、高圧冷媒ガ
スが拡幅部の開口部から内部に導入され、拡幅部を拡幅
しようとする力を与える。この押圧力が摺動部に伝達さ
れることで、シール部材が旋回スクロールと固定部材と
に押しつけられる。これによって背圧室がシールされ
る。摺動部は拡幅部より受けた押圧力を均一化して旋回
スクロールまたは固定部材に伝達するので、局所的に過
大な力が作用することが防止され、旋回スクロールの公
転旋回運動の障害とならない。なお、拡幅部と摺動部と
は別体であっても一体であってもよい。また、別体のも
のを接着することとしてもよいし、接着させなくてもよ
い。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のスクロール型流体機械において、前記拡幅部の内部に
は、シール部材に拡幅力を与える弾性体が収容されてい
ることを特徴とする。
【0010】このスクロール型流体機械においては、初
期状態など高圧室の圧力が十分でないときでも背圧室が
シールされた状態とすることができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のスクロール型流体機械において、前記摺動部
と前記拡幅部とは一体成形されていることを特徴とす
る。
【0012】このスクロール型流体機械においては、拡
幅部と摺動部とは一体である。つまり、拡幅部の旋回ス
クロールまたは固定部材の前記他方側が摺動部となる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載のスクロール型流体機械において、前記摺動部
はPPS系樹脂またはPEEK系樹脂により形成されて
いることを特徴とする。
【0014】このスクロール型流体機械においては、耐
摩耗性を有し剛性の高い樹脂として、例えばPPS(ポ
リフェニレンサルファイト)系樹脂またはPEEK(ポ
リエーテルエーテルケトン)系樹脂を使用することがで
きる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1から4
いずれかに記載のスクロール型流体機械において、前記
拡幅部はテフロン系樹脂により形成されていることを特
徴とするスクロール型流体機械。
【0016】このスクロール型流体機械においては、拡
幅部が柔軟性を有して拡幅されやすい。また、摺動部と
拡幅部とを一体成形する場合、シール部材全体をテフロ
ン系樹脂とする。
【0017】請求項6に記載の発明は、ハウジングと、
該ハウジング内に公転旋回自在に支持された旋回スクロ
ールと、該旋回スクロールの背面側に位置して前記ハウ
ジングに固定された固定部材と、前記旋回スクロールと
固定部材との間に形成された背圧室と、前記固定部材と
旋回スクロールとの間に位置して前記背圧室をシールす
るシール部材とを備えたスクロール型流体機械におい
て、前記旋回スクロールの背面には該旋回スクロールの
回転軸の先端が挿入されるボス部が突設され、前記シー
ル部材は、前記固定部材と前記ボス部との間に位置して
いることを特徴とする。
【0018】このスクロール型流体機械においては、旋
回スクロールが背圧室に面する面積が小さくなるため、
旋回スクロールの径が小さい場合に背圧を適切に(小さ
く)設定することができる。シール部材としてはどのよ
うなものでも良いが、請求項1から5に係るシール部材
を使用することが可能である。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
のスクロール型流体機械において、前記シール部材は前
記固定部材と旋回スクロールのいずれか一方に収容さ
れ、前記固定部材と旋回スクロールの前記一方側に位置
する拡幅部と、他方側に位置する摺動部とよりなる2段
構造であり、前記摺動部は前記固定部材と旋回スクロー
ルのいずれか他方と摺動する摺動面を有し、前記拡幅部
は断面視略コ字状であってその開口部が内径側に向けら
れて形成されていることを特徴とする。
【0020】このスクロール型流体機械は、高圧冷媒ガ
スが拡幅部の開口部から内部に導入され、拡幅部を拡幅
しようとする力を与える。この押圧力が摺動部に伝達さ
れることで、シール部材が旋回スクロールと固定部材と
に押しつけられる。これによって背圧室がシールされ
る。摺動部は拡幅部より受けた押圧力を均一化して旋回
スクロールまたは固定部材に伝達するので、局所的に過
大な力が作用することが防止され、旋回スクロールの公
転旋回運動の障害とならない。なお、拡幅部と摺動部と
は別体であっても一体であってもよい。また、別体のも
のを接着することとしてもよいし、接着させなくてもよ
い。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各実施形態におい
て従来と同一の構成については同一の符号を用い、その
説明を省略する。まず、第1の実施形態について説明す
る。図1に示すように、本例のスクロール型流体機械に
おいては、環状溝19内にシール部材30が収容されて
いる。シール部材30は、旋回スクロール13側に位置
して旋回スクロール端板13aの背面と摺動する摺動部
31と、その下方であって上部軸受(固定部材)5側に
位置する拡幅部32とよりなる2段構造である。
【0022】摺動部31の幅と拡幅部32の幅とはほぼ
同じであって、拡幅部32にはその開口部を内径側に向
けて溝33が形成されている。これによって拡幅部32
はその断面視が略コ字状となっている。より具体的に
は、拡幅部32は、摺動部31に接する上壁部34と、
環状溝19底面と接する下壁部35と、これら上壁部3
4と下壁部35とを所定間隔を隔てて垂直方向に接続す
る接続部材36とにより構成されている。接続部材36
は、上壁部34と下壁部35とをその外径側端部で接続
していることにより、溝部33は内径側に開口してい
る。拡幅部32と摺動部31とは互いに接着されていな
いが、どちらも環状溝19にガイドされているので、常
に接した状態となっている。
【0023】摺動部31としては、PPS(ポリフェニ
レンサルファイト)系樹脂またはPEEK(ポリエーテ
ルエーテルケトン)系樹脂を使用する。拡幅部32はテ
フロン系樹脂を使用する。
【0024】このように構成されたスクロール型流体機
械においては、モータ8により旋回シャフト2を回転さ
せると、旋回スクロール13が自転阻止機構10によっ
て自転を阻止されつつ公転旋回運動を行う。このとき、
高圧室(背圧室)HRに高圧の冷媒ガスが導入され、旋
回スクロール13が固定スクロール12に押しつけられ
る。高圧冷媒ガスはシール部材30の拡幅部32の溝3
3にも導入され、拡幅部32を上下方向(旋回軸方向)
に拡幅しようとする力を与える。すなわち、上壁部34
が摺動部31に押圧され、下壁部35が環状溝19底部
に押圧される。摺動部31自体は上壁部34の押圧力を
受けて旋回スクロール13に押圧される。
【0025】このように、拡幅部32が上下に拡幅され
ることにより、高圧室HRがシールされる。本例のシー
ル部材30は従来と異なり、上下方向に拡幅されるだけ
で高圧室HRがシールされるため、従来よりもシール性
能が向上する。また、拡幅部32を柔軟性を有する材質
により構成しているため、拡幅されやすく、確実に押圧
力を発生させることができる。
【0026】また、摺動部31は拡幅部32より受けた
押圧力を均一に旋回スクロール13に伝達する。すなわ
ち、拡幅部32は高圧冷媒ガスにより拡幅しやすいよう
剛性が小さくされている。その一方、摺動部31は拡幅
部32より剛性が高い樹脂を使用しているため、摺動部
31は拡幅部32の上壁部34から受けた押圧力を均一
化して旋回スクロール13に伝達する。これにより旋回
スクロール13に対して局所的に過大な力が作用するこ
とが防止され、旋回スクロール13の公転旋回運動の障
害となって圧縮効率が低減してしまうことが防止され
る。
【0027】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図2に示すように、本例のスクロール型流体機
械においては、環状溝19内にシール部材40が収容さ
れている。シール部材40は、旋回スクロール13側に
位置して旋回スクロール13と摺動する摺動部41と、
その下方であって上部軸受5側に位置する拡幅部42と
よりなる2段構造である。本例においては、摺動部41
と拡幅部42とが一体成形されている。
【0028】拡幅部42にはその開口部を内径側に向け
て溝43が形成されており、これによってシール部材4
0はその断面視が略コ字状となっている。より具体的に
は、拡幅部40は、摺動部41と一体の上壁部44と、
環状溝19底面と接する下壁部45と、これら上壁部4
4と下壁部46とを所定間隔を隔てて垂直方向に接続す
る接続部材46とにより構成されている。接続部材46
は、上壁部44と下壁部45とをその外径側端部で接続
していることにより、溝部43は内径側に開口してい
る。上壁部44は下壁部45より厚く、剛性が高く設定
されている。また、シール部材40の材質としてテフロ
ン系樹脂を使用する。
【0029】このように構成されたスクロール型流体機
械においては、モータ8により旋回シャフト2を回転さ
せると、旋回スクロール13が自転阻止機構10によっ
て自転を阻止されつつ公転旋回運動を行う。このとき、
高圧室HRに高圧の冷媒ガスが導入され、旋回スクロー
ル13が固定スクロール12に押しつけられる。高圧冷
媒ガスはシール部材40の拡幅部42の溝43にも導入
され、拡幅部42を上下方向(シール部材の軸方向)に
拡幅しようとする力を与える。すなわち、摺動部41と
一体の上壁部44が旋回スクロール端板13aに押圧さ
れ、下壁部45が環状溝19底部に押圧される。
【0030】このように、拡幅部42が上下に拡幅され
ることにより、高圧室HRがシールされる。本例のシー
ル部材40は従来と異なり、上下方向に拡幅されるだけ
で高圧室HRがシールされるため、従来よりもシール性
能が向上する。また、摺動部41は、押圧力を均一に旋
回スクロール13に伝達する。すなわち、摺動部41
(上壁部44)は、その剛性が十分に高く設定されてい
るため、摺動部41は高圧冷媒ガスから受けた押圧力を
均一化して旋回スクロール13に伝達する。これにより
旋回スクロール端板13aに対して局所的に過大な力が
作用することが防止され、旋回スクロール13の公転旋
回運動の障害となって圧縮効率が低減してしまうことが
防止される。また、本例のシール部材においては、摺動
部41と拡幅部42とを一体化したため、容易に製造す
ることができるという効果も有する。
【0031】なお、上記各例において、以下の変形例を
採用することができる。これら変形例について図3及び
図4を参照して説明するが、図3及び図4は上記第2の
実施形態の変形例について示したものであって、上記第
1の実施形態についても同様に適用することができる。
図3に示すように、拡幅部40の溝43内に、拡幅部4
2の上壁部44および下壁部45を離間させるようにシ
ール部材40の上下方向に拡幅力を与える弾性体49を
設けることができる。図においては弾性体49の一例と
して板バネ状のものを示したが、特にこの例に限定され
るものではない。このように構成することで、初期状態
など高圧室HRの圧力が十分でないときでも高圧室HR
をシールすることができるので、効率よく圧縮を行うこ
とができる。また、図4に示すように、シール部材40
を環状溝19に収容するのではなく、階段状の段部50
に収容するようにしてもよい。このように構成すること
で、上部軸受5を容易に加工することができる。
【0032】次に、本発明の第3の実施形態について図
5を参照して説明する。本例のスクロール型圧縮機にお
いては、固定スクロール12’および旋回スクロール1
3’は、図7のスクロール型圧縮機と比較して巻数の少
ないタイプとなっている。旋回スクロール13’の背面
にはボス部16’が突設され、上部軸受5’には、ボス
部16’に対向する位置に環状溝19’が形成されてい
る。この環状溝19’にはシール部材55が収容されて
いる。ボス部16’は、旋回スクロール13’の公転旋
回運動によってもシール部材55が露出しない程度(す
なわち、ボス部16’に対するシール部材55の相対運
動軌跡が、ボス部16’の下端面内に収まっているよ
う)に厚みを持たせて形成されている。
【0033】このように構成されたスクロール型流体機
械においては、モータ8により旋回シャフト2を回転さ
せると、旋回スクロール13’が自転阻止機構10によ
って自転を阻止されつつ公転旋回運動を行う。このと
き、高圧室HRに高圧の冷媒ガスが導入され、旋回スク
ロール13’が固定スクロール12’に押しつけられ
る。本例のスクロール型圧縮機においては、旋回スクロ
ール13’が高圧室HRに面する面積が小さいため、本
例のように旋回スクロール13’の径が小さい場合に背
圧を適切に(小さく)設定することができ、旋回スクロ
ール13’の公転旋回運動の障害となって圧縮効率が低
減してしまうことが防止される。
【0034】なお、本例においては、ボス部16’が従
来のスラスト部5a(図7参照)に相当する役割を持た
せることができるため、図6に示すように従来のスラス
ト部を省略してもよい。また、シール部材としてはどの
ようなものであっても良く、上記第1実施形態、第2実
施形態、およびこれらの変形例として示したシール部材
30,40を使用することが可能である。
【0035】なお、以上の上記各例においては、シール
部材30,40を上部軸受5、5’側に設けることとし
たが、勿論旋回スクロール13,13’側に設けてもよ
い。また、本発明は旋回スクロールの背後に背圧室を設
けたものであれば、その具体的構成は上記実施形態に限
定されるものではいことは勿論である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスクロー
ル型流体機械においては以下の効果を有する。請求項1
に記載の発明によれば、高圧冷媒ガスが拡幅部を拡幅さ
せるので、シール部材が旋回スクロールと固定部材とに
押しつけられる。これによって背圧室を確実にシールす
ることができる。また、摺動部は拡幅部より受けた押圧
力を均一化して旋回スクロールまたは固定部材に伝達す
るので、局所的に過大な力が作用することによって圧縮
効率が低減することを防止することができる。
【0037】請求項2に記載の発明によれば、初期状態
など高圧室の圧力が十分でないときでも背圧室がシール
された状態とすることができる。請求項3に記載の発明
によれば、拡幅部と摺動部とは一体であるため、容易に
製造することができる。
【0038】請求項4に記載の発明によれば、摺動部と
してPPS系樹脂またはPEEK系樹脂を使用すること
で、耐摩耗性を有し剛性の高い摺動部することができ
る。したがって、旋回スクロールまたは固定部材に対す
る押圧力が均一化され、旋回スクロールの公転旋回運動
の障害となることが防止される。請求項5に記載の発明
によれば、拡幅部がテフロン系樹脂により形成されてい
るため、柔軟性を有して拡幅されやすく、確実に押圧力
を発生させることができる。
【0039】請求項6に記載の発明によれば、旋回スク
ロールが背圧室に面する面積が小さくなるため、旋回ス
クロールの径が小さい場合に背圧を適切に(小さく)設
定することができて、過大な背圧力による効率低減を防
止することができる。
【0040】請求項7に記載の発明によれば、高圧冷媒
ガスが拡幅部を内方から外方へ拡幅させるので、シール
部材が旋回スクロールと固定部材とに押しつけられる。
これによって背圧室を確実にシールすることができる。
また、摺動部は拡幅部より受けた押圧力を均一化して旋
回スクロールまたは固定部材に伝達するので、局所的に
過大な力が作用することによって圧縮効率が低下するこ
とを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態として示したスクロ
ール型圧縮機に用いられるシール部材を示す断面図であ
る。
【図2】 本発明の第2の実施形態として示したスクロ
ール型圧縮機に用いられるシール部材を示す断面図であ
る。
【図3】 同シール部材の変形例を示す断面図である。
【図4】 同スクロール型圧縮機の変形例を示す断面図
である。
【図5】 本発明の第3の実施形態として示したスクロ
ール型圧縮機の部分拡大図である。
【図6】 同スクロール型圧縮機の変形例を示す部分側
断面図である。
【図7】 スクロール型圧縮機の全体を示す側断面図で
ある。
【図8】 同スクロール型圧縮機の部分拡大図であり、
(b)は(a)におけるA部の拡大図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 旋回シャフト(回転軸) 5,5’ 上部軸受(固定部材) 12 固定スクロール 13 旋回スクロール 16,16’ ボス部 30 シール部材 31 摺動部 32 拡幅部 40 シール部材 41 摺動部 42 拡幅部 49 弾性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 佳純 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 (72)発明者 木下 智司 愛知県名古屋市中村区岩塚町字九反所60番 地の1 中菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB16 BB42 CC04 CC05 CC19 CC39 3H039 AA03 AA04 AA12 BB04 BB15 BB28 CC02 CC08 CC31 CC35

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、該ハウジング内に公転旋
    回自在に支持された旋回スクロールと、該旋回スクロー
    ルの背面側に位置して前記ハウジングに固定された固定
    部材と、前記旋回スクロールと固定部材との間に形成さ
    れた背圧室と、前記固定部材と旋回スクロールとの間に
    位置して前記背圧室をシールするシール部材とを備えた
    スクロール型流体機械において、 前記シール部材は前記固定部材と旋回スクロールのいず
    れか一方に収容され、前記固定部材と旋回スクロールの
    前記一方側に位置する拡幅部と、他方側に位置する摺動
    部とを備え、前記摺動部は前記固定部材と旋回スクロー
    ルのいずれか他方と摺動する摺動面を有し、前記拡幅部
    は断面視略コ字状であってその開口部が内径側に向けら
    れて形成されていることを特徴とするスクロール型流体
    機械。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスクロール型流体機械
    において、 前記拡幅部の内部には、シール部材に拡幅力を与える弾
    性体が収容されていることを特徴とするスクロール型流
    体機械。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のスクロール型
    流体機械において、 前記摺動部と前記拡幅部とは一体成形されていることを
    特徴とするスクロール型流体機械。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のスクロール型
    流体機械において、 前記摺動部はPPS系樹脂またはPEEK系樹脂により
    形成されていることを特徴とするスクロール型流体機
    械。
  5. 【請求項5】 請求項1から4いずれかに記載のスクロ
    ール型流体機械において、 前記拡幅部はテフロン(登録商標)系樹脂により形成さ
    れていることを特徴とするスクロール型流体機械。
  6. 【請求項6】 ハウジングと、該ハウジング内に公転旋
    回自在に支持された旋回スクロールと、該旋回スクロー
    ルの背面側に位置して前記ハウジングに固定された固定
    部材と、前記旋回スクロールと固定部材との間に形成さ
    れた背圧室と、前記固定部材と旋回スクロールとの間に
    位置して前記背圧室をシールするシール部材とを備えた
    スクロール型流体機械において、 前記旋回スクロールの背面には該旋回スクロールの回転
    軸の先端が挿入されるボス部が突設され、前記シール部
    材は、前記固定部材と前記ボス部との間に位置している
    ことを特徴とするスクロール型流体機械。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のスクロール型流体機械
    において、 前記シール部材は前記固定部材と旋回スクロールのいず
    れか一方に収容され、前記固定部材と旋回スクロールの
    前記一方側に位置する拡幅部と、他方側に位置する摺動
    部とよりなる2段構造であり、前記摺動部は前記固定部
    材と旋回スクロールのいずれか他方と摺動する摺動面を
    有し、前記拡幅部は断面視略コ字状であってその開口部
    が内径側に向けられて形成されていることを特徴とする
    スクロール型流体機械。
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