JP2003343452A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2003343452A
JP2003343452A JP2002153834A JP2002153834A JP2003343452A JP 2003343452 A JP2003343452 A JP 2003343452A JP 2002153834 A JP2002153834 A JP 2002153834A JP 2002153834 A JP2002153834 A JP 2002153834A JP 2003343452 A JP2003343452 A JP 2003343452A
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Japan
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thrust ring
scroll compressor
scroll
seal member
groove
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Withdrawn
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JP2002153834A
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English (en)
Inventor
So Sato
創 佐藤
Shigeki Miura
茂樹 三浦
Hiroaki Bito
宏明 尾藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部材が破壊されるのを防止し、良好な
シール性能を得る。 【解決手段】 スラストリング17の軸方向の位置を規
制する規制機構20を備える。規制機構20は、隔室溝
42を形成する外周壁43の上部を矩形状に切欠いて段
差部21が形成され、スラストリング17を径方向に延
長して延長部22が形成される。そして、旋回時、旋回
スクロール8がスラストリング17を下方に押し下げた
とき、スラストリング17の延長部22が段差部21に
係止されることで、シール部材16が許容範囲以上の形
態に保たれ、これによってスラストリング17がシール
部材16を許容範囲以下に押圧するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スクロール圧縮
機に係り、特に空調装置や冷凍装置に使用されている熱
交換媒体を圧縮するのに好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール圧縮機の一例を図8か
ら図10に示す。図8において、符号1は密閉形状のハ
ウジングであり、このハウジング1内に回転軸2が回転
自在に取り付けられている。回転軸2は、ハウジング1
内の下部に設けられた下部軸受3と、ハウジング1内の
上部に設けられた支持体としての上部軸受4とによって
回転自在に支承され、またモータ部5の回転子6と固定
子7間に磁気回路が形成されることで軸周りに回転す
る。
【0003】回転軸2の上部には、該回転軸2の中心線
と軸線をずらして偏心軸部2aが設けられ、その偏心軸
部2aに旋回スクロール8が取り付けられている。旋回
スクロール8は、図8及び図9に示すように、端板8a
の上方に渦巻き状に起立してラップ8bが設けられる一
方、端板8aの底面にはボス部10が設けられ、ボス部
10内にブッシュ等を介して回転軸2の偏心軸部2aが
嵌入されることで旋回可能に取り付けられている。旋回
スクロール8と噛み合う固定スクロール9は、端板9a
に渦巻き状に垂下するラップ9bが設けられている。こ
れら固定スクロール9のラップ9bと旋回スクロール8
のラップ8bとは互いに所定距離をもって偏心し、かつ
180度の角度の位相差をもって噛み合うことにより、
熱交換媒体を圧縮するための圧力室を画成する。
【0004】そして、回転軸2が駆動されると、これに
よって旋回スクロール8が固定スクロール9に対し、自
転阻止機構11によって自転が阻止された状態で相対的
に公転旋回運動し、旋回スクロール8と固定スクロール
9間の圧力室に吸入された熱交換媒体(ガス)が、両ス
クロール8、9間の外周の吸入側から中央部に至るに従
って次第に圧縮され、所定圧となったところで、吐出ポ
ート12から吐出弁13を押し開いて圧力室外に出た
後、図示しない媒体通路を経ることで排出管14より排
出される。図1において、符号15は熱交換媒体の吸入
管である。
【0005】また、図示してないがハウジング1内の下
部には潤滑油が貯留され、潤滑油は、回転軸2の駆動
時、回転軸2中を貫通する流路2bを経て、回転軸2の
先端側と旋回スクロール8のボス部10間に圧送され、
そこから回転軸2を伝い落ちることで、上部軸受4及び
その周辺の摺動部を潤滑し、更に下方に伝い落ちて下部
軸受3を潤滑して元の位置に戻る。
【0006】一方、回転軸2を支承する上部軸受4は、
図8及び図9示すように、周囲がハウジング1の内壁に
張り出して取り付けられており、旋回スクロール8と摺
接することでスラスト力を支持するスラスト部41が設
けられると共に、そのスラスト部41の内側に隔室溝4
2が形成され、その隔室溝42内に収納されたシール部
材16が、中心側の高圧室(背圧室)HRと外側の低圧
室LR間をシールしている。そして、この高圧室HRの
圧力によって旋回スクロール8が固定スクロール9に押
し付けられる。
【0007】シール部材16は、金属若しくはそれに樹
脂等が混合されることによって成形された弾性変形可能
な部材であって、図10に示すように、基部16aの両
側に開口端16bを有する断面U字状で、かつ全体が環
状をなしており、高圧室HR内の圧によって中心側から
開口端16bが拡幅力を受けると、開口端16bがスラ
ストリング17を旋回スクロール8の端板8aに押し付
けることで高圧室HRがシールされる。スラストリング
17は、例えば合成樹脂からなる環状の板体であり、シ
ール部材16が旋回スクロール8と直に摺接しないよう
これら両者8、16の間にセットされている。
【0008】これら上部軸受4の隔室溝42の高さを図
10のようにa、スラスト部41及び旋回スクロール8
間の隙間をb、シール部材16の基部16aの高さA、
スラストリング17の厚さをBとすると、シール部材1
6の限界範囲Aは、a+b−B>Aとなる関係を保つこ
とで、良好なシール性が得られるようになっている。a
+b−B<AとなるとUシールが過剰に押しつぶされて
破損する。逆に、a+b−B>>Aとなると隙間ができ
るのでシールが不完全となる。このため,Uシールが破
損しないための条件はa+b−B>A,さらに,Uシー
ルが破損せずに、且つシール性能をキープするためには
A<a+b−B<A+αである必要がある。ここで、α
はUシールが破損することなく、且つシール性を確保で
きる拡幅代である。なお,記号の“>>”は,左辺がは
るかに大であることを示す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のス
クロール圧縮機は、支持体としての上部軸受4に設けら
れた隔室溝42とシール部材16とスラストリング17
と旋回スクロール8間が上述した関係となるように設定
されている。ところが、加工誤差や組立誤差等によって
上記の寸法関係にバラツキが生じることがあるばかりで
なく、運転時にもバラツキが生じるものの、本来は、上
記バラツキを解消できるように組立られている。
【0010】しかしながら、圧縮機の運転時において
は、旋回スクロール8が旋回しながら上下にぶれるの
で、旋回スクロール8がスラストリング17を押し下
げ、スラストリング17がシール部材16を過剰に押圧
し、その開口端16bが許容範囲A以下となってしまう
ため、基部16a及び開口端16bが塑性変形して自身
の弾性力が破壊されることから、シール性能が失われる
問題があった。しかも、スラストリング17が旋回スク
ロール8と摺接して膨張するので、それが上記問題を顕
著にする原因にもなっていた。また、旋回スクロール8
の旋回時、その旋回スクロール8と共にスラストリング
17が供回りすると、スラストリング17によってシー
ル部材16が摩擦を受けてその開口端16bが摩耗し、
ひいてはシール機能が損なわれるという問題もあった。
【0011】この発明は、このような事情を考慮してな
されたもので、その目的は、シール部材が破壊されるの
を防止し、良好なシール性能を維持することができるス
クロール圧縮機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は以下の手段を提案している。請求項1に
係る発明は、ハウジング内に回転自在に取り付けられた
回転軸と、該回転軸に旋回可能に取り付けられ、かつ固
定スクロールと共に噛み合う旋回スクロールと、前記回
転軸を回転自在に支承し、かつ旋回スクロールと対向す
る位置に隔室溝を有する支持体と、該支持体の前記隔室
溝に収納され、中心側の高圧室と外側の低圧室とをシー
ルするシール部材と、該シール部材及び前記旋回スクロ
ール間に介設されたスラストリングとを備えたスクロー
ル圧縮機において、前記スラストリングを定位置に規制
する規制機構を備えることを特徴とする。
【0013】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、運転時、旋回スクロールが下方に移動してスラスト
リングを押圧すると、スラストリングがシール部材方向
に移動してシール部材を押圧するが、その際、隔室溝を
形成している外周壁に段差部が設けられ、この段差部に
スラストリングが係止されるので、スラストリングがシ
ール部材を過剰に押し付けるのを防止することができ、
シール部材が良好なシール機能を果たすことができる。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1記載のス
クロール圧縮機において、前記規制機構は、前記隔室溝
を形成する外周壁に形成され、かつ前記スラストリング
を係止する段差部からなることを特徴とする。
【0015】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、旋回スクロールによってスラストリングがシール部
材を押圧したとき、隔室溝の外周壁に設けられた段差部
にスラストリングが係止されることで、スラストリング
がシール部材を過剰に押し付けることがなく、シール部
材が破壊されるおそれがなく、良好なシールを行うこと
ができる。
【0016】請求項3に係る発明は、請求項1記載のス
クロール圧縮機において、前記規制機構は、前記隔室溝
の外周壁に段差部を形成する一方、スラストリングの外
周部に前記段差部と対応して形成された段差切欠きとを
備えることを特徴とする。
【0017】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、旋回スクロールによってスラストリングがシール部
材を押圧したとき、段差部にスラストリングの段差切欠
きが係止されることで、シール部材が過剰な押圧力を受
けることがなくなり、良好なシールを行うことができ
る。
【0018】請求項4に係る発明は、請求項1記載のス
クロール圧縮機において、前記規制機構は、前記隔室溝
の外周壁に形成された傾斜面と、前記スラストリングの
外周部に前記傾斜面と対応して形成された傾斜切欠きと
を備えていることを特徴とする。
【0019】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、旋回スクロールによってスラストリングがシール部
材を押圧したとき、スラストリングの傾斜切欠きが隔室
溝の傾斜面と当接して係止されることで、シール部材が
過剰に押圧力を受けることがなくなり、良好なシールを
行うことができる。
【0020】請求項5に係る発明は、請求項1記載のス
クロール圧縮機において、前記規制機構は、前記スラス
トリングの内周部に前記隔室溝の底部に向かって延在す
る脚部からなることを特徴とする。
【0021】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、スラストリングが旋回スクロールによって押し下げ
られたとき、スラストリングの脚部が隔室溝の底部に突
き当たることで、シール部材が過剰に押圧力を受けるこ
とがなくなり、良好なシールを行うことができる。
【0022】請求項6に係る発明は、ハウジング内に回
転自在に取り付けられた回転軸と、該回転軸に旋回可能
に取り付けられ、かつ固定スクロールと共に噛み合う旋
回スクロールと、前記回転軸を回転自在に支承し、かつ
旋回スクロールと対向するスラスト部に隔室溝を有する
支持体と、該支持体の前記隔室溝に収納され、中心側の
高圧室と外側の低圧室とをシールするシール部材と、該
シール部材及び前記旋回スクロール間に介設されたスラ
ストリングとを備えたスクロール圧縮機において、前記
スラストリングが旋回スクロールと供回りするのを防ぐ
供回り防止機構を備えていることを特徴とする。
【0023】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、スラストリングが旋回スクロールの旋回時、該旋回
スクロールと摺接することで供回りしようとするが、供
回り防止機構によりスラストリングが供回りするのを防
止することができる。
【0024】請求項7に係る発明は、請求項6記載のス
クロール圧縮機において、前記供回り防止機構は、スラ
ストリングの外周部に延長形成された平板状突起と、支
持体の前記スラスト部に形成され、前記平板状突起を挿
入する挿入溝とを備えていることを特徴とする。
【0025】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、旋回スクロールの旋回時、スラストリングが旋回ス
クロールと摺接することで供回りしようとするが、スラ
ストリングの平板状突起が支持体の挿入溝に係合してい
ることで、供回りするのを防止することができる。
【0026】請求項8に係る発明は、請求項6記載のス
クロール圧縮機において、前記供回り防止機構は、スラ
ストリングの外周に下方に突設された垂下突起と、支持
体の前記スラスト部に形成され、前記垂下突起を挿入す
る挿入溝とを備えることを特徴とする。
【0027】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、旋回スクロールの旋回時、スラストリングが旋回ス
クロールと摺接することで供回りしようとするが、スラ
ストリングの垂下突起が支持体の前記挿入溝に係合して
いることで、供回りするのを防止することができる。
【0028】請求項9に係る発明は、請求項7又は8記
載のスクロール圧縮機において、前記挿入溝は、前記隔
室溝に連設され、かつ前記スラストリングを定位置に規
制する深さをなしていることを特徴とする。
【0029】この発明に係るスクロール圧縮機によれ
ば、挿入溝がスラストリングを定位置に規制する深さを
なしているので、旋回スクロールによってスラストリン
グが押し下げられても、スラストリングがシール部材を
許容限度以下に押圧することがなくなり、シール部材が
良好なシール機能を果たすことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、この発明の
実施の形態について説明する。図1及び図2はこの発明
の一実施の形態に係るスクロール圧縮機を示す図であっ
て、図1はスクロール圧縮機の要部を示す拡大図、図2
は旋回スクロールによってスラストリングが移動したと
きの作用を示す説明図で、これらの図において図8から
図10と同一部分若しくは相当する部分に同一符号を付
している。この実施形態のスクロール圧縮機は、密閉形
状のハウジング1内に回転自在に取り付けられた回転軸
2と、回転軸2に旋回可能に取り付けられ、かつ固定ス
クロール9と共に噛み合う旋回スクロール8と、回転軸
2を回転自在に支承し、かつ旋回スクロール8との対向
するスラスト部41に隔室溝42を有する支持体として
の上部軸受4と、この上部軸受4の隔室溝42に収納さ
れ、中心側の高圧室HRと外側の低圧室LRとをシール
する弾性変形可能なシール部材16と、シール部材16
及び旋回スクロール8間に軸方向に介設されたスラスト
リング17とを備えている(図8〜図10参照)。この
点は従来技術と同様である。
【0031】そして、この実施形態は、スラストリング
17の軸方向の位置を規制する規制機構20を備えてい
る。その規制機構20は、隔室溝42を形成する外周壁
43の上部を矩形状に切欠いて段差部21が形成される
一方、スラストリング17を径方向に延長して延長部2
2が形成されている。そして、旋回時、旋回スクロール
8がスラストリング17を下方に押し下げたとき、スラ
ストリング17の延長部22が段差部21に係止される
ことで、シール部材16が前述した許容範囲A以上の形
態に保たれ、これによってスラストリング17がシール
部材16を許容範囲A未満に押圧するのを防止するよう
になっている。
【0032】この場合、外周壁43の高さ(深さ)寸法
としては、段差部21の高さ寸法を除いたとき、シール
部材16の基部16aの高さ寸法と略同じか、それより
大き目とし、シール部材16がスラストリング17によ
って押圧力を受けたとき、シール部材16が基部16a
を起点として開口端16bが自身で拡幅できる弾性復元
力を維持できる程度の大きさになっている。つまり、圧
縮機の運転時、図10に示されるa+b−B>Aの関係
が常に保たれるようになっている。
【0033】この実施形態は、上記のように構成されて
いるので、今、モータ部5によって回転軸2が駆動さ
れ、旋回スクロール8が旋回することで熱交換媒体(ガ
ス)が圧縮され、圧縮された熱交換媒体が排出管14よ
り排出されているものとする(図8参照)。上記旋回
時、旋回スクロール8が下方に移動してスラストリング
17を押圧すると、スラストリング17がシール部材1
6方向に移動してシール部材16を押圧するが、その
際、上述のように、隔室溝42の外周壁43に段差部2
1が設けられ、この段差部21にスラストリング17の
外周部に設けられた延長部22が図2に示すように係止
されるので、スラストリング17がシール部材16を過
剰に押し付けるのを防止することができる。
【0034】従って、スラストリング17によってシー
ル部材16が押圧力を受けても、シール部材16が弾性
復元できないような押圧力を受けるおそれがないので、
シール部材16が破壊されるのを確実に防止することが
でき、これにより、良好なシール機能、即ち、中心側の
高圧室HRと外側の低圧室LR間を良好にシールするこ
とができる。しかも、隔室溝42に段差部21が、かつ
スラストリング17に延長部22がそれぞれ設けられた
だけであるので、市販品のシール部材16をそのまま使
用してシール機能を確実に保つことができる。
【0035】図3はこの発明の第2の実施形態に係るス
クロール圧縮機の要部を示している。この場合は、隔室
溝42の外周壁43に段差部23が設けられる一方、ス
ラストリング17の外周の底部に段差部23と対応する
段差切欠き24が形成され、旋回スクロール8によって
スラストリング17がシール部材16を押圧したとき、
段差部23にスラストリング17の段差切欠き24を係
止することで、シール部材16が過剰な押圧力を受ける
ことがないようにしている。従って、この実施形態は、
シール部材16が過剰な押圧力を受けるのを防止できる
ので、前述した第1の実施形態と同様の作用効果が得ら
れる。
【0036】図4は、この発明の第3の実施の形態を示
している。この場合は、隔室溝42の外周壁43の端部
に傾斜面25が設けられ、スラストリング17の外周端
に傾斜面25の角度に対応する角度で切欠かれた傾斜切
欠き26が設けられ、スラストリング17が下方に押し
下げられたとき、傾斜切欠き26が傾斜面25と当接し
て係止されることで、シール部材16が過剰に押圧力を
受けないようになっている。
【0037】この実施形態においても、隔室溝42に設
けられた傾斜面25にスラストリング17の傾斜切欠き
26を係止するようにしているので、基本的には前記第
1、第2の実施形態と同様の作用効果が得られる。従っ
て、要は、隔室溝42の外周壁43とスラストリング1
7との対応部位が、スラストリング17が軸方向に過剰
に移動するのを規制するため、上述のような規制形状に
形成されていればよい。
【0038】図5は、この発明の第4の実施形態に係る
スクロール圧縮機の要部を示している。この場合は、ス
ラストリング17の位置を規制する規制機構20とし
て、スラストリング17の内周部に、隔室溝42の底部
に向かって延在する脚部27が設けられ、スラストリン
グ17が旋回スクロール8によって押し下げられたと
き、脚部27が隔室溝42の底面に突き当たることで、
シール部材16が過剰な押圧力を受けることがないよう
にしている。
【0039】この実施形態によれば、シール部材16が
過剰な押圧力を受けるのを防止できるので、基本的には
前記第1から第3の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1から第3の実施形態に比較すると、シール部
材16に脚部27を設けただけであって、隔室溝42に
何等設けられていないので、規制機構20としての構成
を簡素化することができる。
【0040】図6はこの発明の第5の実施形態に係るス
クロール圧縮機の要部を示す。この実施形態において前
記従来技術と異なるのは、旋回スクロール8と供回りす
るのを防ぐ供回り防止機構30を備えた点にある。
【0041】即ち、供回り防止機構30は、スラストリ
ング17の外周に径方向に沿って延在する平板状突起3
1が設けられる一方、上部軸受4のスラスト部41に、
その平板状突起31と係合する挿入溝32が設けられて
いる。平板上突起31は、スラストリング17の外周の
相対向する外周端を所定の幅でそのまま外方に真直延在
させることで形成されている。挿入溝32は、スラスト
部41においてスラストリング17と平面上で対向する
位置に平板上突起32を挿入し得る大きさで切除かれ、
隔室溝42と連設されている。
【0042】つまり、スラストリング17が旋回スクロ
ール8の旋回時、該旋回スクロール8と摺接することで
供回りしようとするが、上述のように、スラストリング
17の平板状突起31が上部軸受4の挿入溝32に係合
していることで、供回りするのを防止することができ
る。従って、スラストリング17が供回りしないので、
スラストリング17によってシール部材16の開口端1
6bが摩耗することがなくなり、シール機能を良好に保
つことができる。
【0043】また、上部軸受4に設けられた挿入溝32
は、スラストリング17を挿入することでその軸方向の
移動を規制する深さをなしており、スラストリング17
が旋回スクロール8によって押圧されたとき、そのスラ
ストリング17の底部を係止することでスラストリング
17の軸方向の移動量を規制するので、例え旋回スクロ
ール8によって下方に押圧されてもスラストリング17
がシール部材16を過剰に押圧するのを防止することが
できる。
【0044】従って、この実施形態によれば、挿入溝3
2の軸方向の深さを適宜に設定することで、供回り防止
機構がスラストリング17の供回りを防止できるのみな
らず、スラストリング17の移動量を規制する、規制機
構の機能をも兼備することができ、これにより、シール
機能をいっそう良好に行うことができる。
【0045】図7はこの発明の第6の実施形態を示して
いる。この実施形態の供回り防止機構30は、スラスト
リング17に下方に向かう垂下突起33が設けられる一
方、上部軸受4にはスラストリング17の垂下突起33
を挿入すると共に、スラストリング17のシール部材1
6方向の移動量を規制する挿入溝34が設けられてい
る。この挿入溝34の深さもスラストリング17がシー
ル部材16を過剰に押圧することがないように選定され
ている。
【0046】つまり、挿入溝34内にスラストリング1
7の垂下突起33が挿入されることで、スラストリング
17が旋回スクロール8と供回りするのを防止すると共
に、スラストリング17の移動量を規制することでシー
ル部材16が破壊されるのを防止し、これによってシー
ル部材16が的確にシール機能を果たすことができるよ
うにしている。そのため、スラストリング17の外周部
に設けられた垂下突起33は、シール部材16より大径
の位置に設けられていることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、旋回スクロールが下方に移動してスラスト
リングをしたとき、支持体の隔室溝の段差部にスラスト
リングを係止するように構成したので、スラストリング
がシール部材を過剰に押し付けるのを防止することがで
きる結果、シール部材が良好なシール機能を果たすこと
ができ、高い圧縮効率を維持できてかつ信頼性を高める
効果が得られる。
【0048】請求項2に係る発明によれば、隔室溝の外
周壁に設けられた段差部にスラストリングが係止される
ことで、スラストリングがシール部材を過剰に押し付け
ることがなく、良好なシールを行うことができる効果が
得られる。
【0049】請求項3に係る発明によれば、段差部にス
ラストリングの段差切欠きが係止されることで、シール
部材が過剰な押圧力を受けることがなく、良好なシール
を行うことができる効果が得られる。
【0050】請求項4に係る発明によれば、スラストリ
ングの傾斜切欠きが隔室溝の傾斜面と当接して係止され
ることで、シール部材が過剰に押圧力を受けることがな
く、良好なシールを行うことができる効果が得られる。
【0051】請求項5に係る発明によれば、スラストリ
ングの脚部が隔室溝の底部に突き当たることで、シール
部材が過剰に押圧力を受けることがなく、良好なシール
を行うことができる効果が得られる。
【0052】請求項6に係る発明によれば、供回り防止
機構によりスラストリングが供回りするのを防止するこ
とができるように構成したので、スラストリングによっ
てシール部材が摩耗するのを防止でき、シール部材のシ
ール機能を良好に維持できることにより、高い圧縮効率
を維持してかつ信頼性を高める効果が得られる。
【0053】請求項7に係る発明によれば、スラストリ
ングの平板状突起が支持体の挿入溝に係合していること
で、供回りするのを確実に防止することができる効果が
得られる。
【0054】請求項8に係る発明によれば、旋回スクロ
ールの旋回時、スラストリングが旋回スクロールと摺接
することで供回りしようとするが、スラストリングの垂
下突起が支持体の前記挿入溝に係合していることで、供
回りするのを確実に防止することができる効果が得られ
る。
【0055】請求項9に係る発明によれば、挿入溝がス
ラストリングを定位置に規制する深さをなし、旋回スク
ロールによってスラストリングが押し下げられても、ス
ラストリングがシール部材を許容限度以下に押圧するこ
とがなく、シール部材が良好なシール機能を果たすこと
ができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態に係るスクロール
圧縮機の要部を示す拡大図である。
【図2】 旋回スクロールによってスラストリングが移
動したときの作用を示す説明図である。
【図3】 この発明の第2の実施形態に係るスクロール
圧縮機の要部を示す拡大図である。
【図4】 この発明の第3の実施形態に係るスクロール
圧縮機の要部を示す拡大図である。
【図5】 この発明の第4の実施形態に係るスクロール
圧縮機の要部を示す拡大図である。
【図6】 この発明の第5の実施形態に係るスクロール
圧縮機の要部を示し、(a)はスラストリングの取付け
状態を上から見た図、(b)は(a)のX−X線に相当
する断面図である。
【図7】 この発明の第6の実施形態に係るスクロール
圧縮機の要部を示し、(a)はスラストリングの取り付
け状態を上から見た図、(b)は(a)のY−Y線に相
当する断面図である。
【図8】 従来のスクロール圧縮機を示す全体断面図で
ある。
【図9】 図8の要部を示す断面図である。
【図10】 図9のA部拡大図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 回転軸 4 上部軸受(支持体) 41 スラスト部 42 隔室溝 43 外周壁 8 旋回スクロール 9 固定スクロール 16 シール部材 17 スラストリング 20 規制機構 21 段差部 22 延長部 23 段差部 24 段差切欠き 25 傾斜面 26 傾斜切欠き 27 脚部 30 供回り防止機構 31 平板状突起 32 挿入溝 33 垂下突起 34 挿入溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾藤 宏明 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB16 BB33 BB44 CC19 3H039 AA05 AA12 BB03 BB04 BB15 CC11 CC22 CC25 CC31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に回転自在に取り付けられ
    た回転軸と、該回転軸に旋回可能に取り付けられ、かつ
    固定スクロールと共に噛み合う旋回スクロールと、前記
    回転軸を回転自在に支承し、かつ旋回スクロールと対向
    する位置に隔室溝を有する支持体と、該支持体の前記隔
    室溝に収納され、中心側の高圧室と外側の低圧室とをシ
    ールするシール部材と、該シール部材及び前記旋回スク
    ロール間に介設されたスラストリングとを備えたスクロ
    ール圧縮機において、 前記スラストリングを定位置に規制する規制機構を備え
    ることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記規制機構は、前記隔室溝を形成する外周壁に形成さ
    れ、かつ前記スラストリングを係止する段差部からなる
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記規制機構は、前記隔室溝の外周壁に段差部を形成す
    る一方、スラストリングの外周部に前記段差部と対応し
    て形成された段差切欠きとを備えることを特徴とするス
    クロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記規制機構は、前記隔室溝の外周壁に形成された傾斜
    面と、前記スラストリングの外周部に前記傾斜面と対応
    して形成された傾斜切欠きとを備えていることを特徴と
    するスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記規制機構は、前記スラストリングの内周部に前記隔
    室溝の底部に向かって延在する脚部からなることを特徴
    とするスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】 ハウジング内に回転自在に取り付けられ
    た回転軸と、該回転軸に旋回可能に取り付けられ、かつ
    固定スクロールと共に噛み合う旋回スクロールと、前記
    回転軸を回転自在に支承し、かつ旋回スクロールと対向
    するスラスト部に隔室溝を有する支持体と、該支持体の
    前記隔室溝に収納され、中心側の高圧室と外側の低圧室
    とをシールするシール部材と、該シール部材及び前記旋
    回スクロール間に介設されたスラストリングとを備えた
    スクロール圧縮機において、前記スラストリングが旋回
    スクロールと供回りするのを防ぐ供回り防止機構を備え
    ていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記供回り防止機構は、スラストリングの外周部に延長
    形成された平板状突起と、支持体の前記スラスト部に設
    けられ、前記平板状突起を挿入する挿入溝とを備えてい
    ることを特徴とするスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記供回り防止機構は、スラストリングの外周に下方に
    突設された垂下突起と、支持体の前記スラスト部に設け
    られ、前記垂下突起を挿入する挿入溝とを備えることを
    特徴とするスクロール圧縮機。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載のスクロール圧縮機
    において、 前記挿入溝は、前記隔室溝と連設され、かつ記スラスト
    リングを定位置に規制する深さをなしていることを特徴
    とするスクロール圧縮機。
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