WO2024106230A1 - 規制部品 - Google Patents

規制部品 Download PDF

Info

Publication number
WO2024106230A1
WO2024106230A1 PCT/JP2023/039700 JP2023039700W WO2024106230A1 WO 2024106230 A1 WO2024106230 A1 WO 2024106230A1 JP 2023039700 W JP2023039700 W JP 2023039700W WO 2024106230 A1 WO2024106230 A1 WO 2024106230A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
movable scroll
dynamic pressure
scroll
rotor
rotation
Prior art date
Application number
PCT/JP2023/039700
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
啓志 鈴木
雄一郎 徳永
Original Assignee
イーグル工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イーグル工業株式会社 filed Critical イーグル工業株式会社
Publication of WO2024106230A1 publication Critical patent/WO2024106230A1/ja

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

摺動性のよい規制部品を提供する。 固定スクロール41に対して偏心回転を伴って相対摺動する可動スクロール42の背面に設けられ、可動スクロール42の偏心回転を許容し自転を規制する規制部品9であって、規制部品9には、可動スクロール42の背面に動圧を発生可能な動圧発生溝94が形成されている。

Description

規制部品
 本発明は、規制部品、例えば、偏心機構を含む回転機械に用いられる規制部品に関する。
 様々な産業分野で利用されている回転駆動を伴う機械は、中心軸が定位置に保持されたまま回動する回転機械だけではなく、中心軸が偏心を伴って回転する回転機械がある。偏心を伴って回転する回転機械の一つにスクロール圧縮機等があり、この種の圧縮機は、端板の表面に渦巻状のラップを備える固定スクロールおよび端板の表面に渦巻状のラップを備える可動スクロールからなるスクロール圧縮機構、回転軸を偏心回転させる偏心機構等を備え、可動スクロールを回転軸の回転により固定スクロールに対して偏心回転を伴わせながら相対摺動させることにより、両スクロールの外径側の低圧室から供給された流体を加圧し、固定スクロールの中央に形成される吐出孔から高圧の流体を吐出させる機構となっている。
 可動スクロールを固定スクロールに対して偏心回転を伴わせながら相対的に摺動させるメカニズムを利用したこれらスクロール圧縮機は、圧縮効率が高いだけではなく、低騒音であることから、例えば冷凍サイクル等多岐に利用されているが、両スクロール間の軸方向隙間からの冷媒漏れが発生するといった問題があった。
 特許文献1に示されるスクロール圧縮機は、可動スクロールの背面側にスラスト軸受が配置されており、このスラスト軸受にはリング状板材が配置されている。リング状板材の可動スクロール側の表面にはスパイラル溝機構が周方向に独立して複数形成されている。各スパイラル溝機構は、当該スパイラル溝機構の中央のランドに向かって複数の溝が略放射状に設けられている。詳しくは、各溝は、中央のランドから反時計回り方向に傾斜しながら径方向に延びており、ランド側の一方端が先細りしており、ランドと反対側の他方端が一方端より幅広となっている。
 可動スクロールは、回り止め部材により公転が許容されながら自転が規制された状態で偏心回転するようになっている。可動スクロールは、偏心回転時に溝の他方端から一方端に向けて移動する。これにより、リング状板材の外径側または内径側の流体は溝内に取り込まれ、溝の一方端近傍で動圧が生じるようになっている。これにより、可動スクロールとリング状板材との摺動面間を浮かせつつ流体膜を形成して摺動性を高めるとともに、可動スクロールを固定スクロールに押圧し両スクロール間の軸方向隙間からの冷媒漏れを低減できるようになっている。
特開平9-317666号公報(第4頁、第4図)
 しかしながら、特許文献1のスクロール圧縮機にあっては、スパイラル溝機構の溝は、動圧を発生させるようになっていたが、これだけでは十分な動圧を得られない虞があった。
 本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、摺動性のよい規制部品を提供することを目的とする。
 前記課題を解決するために、本発明の規制部品は、
 固定スクロールに対して偏心回転を伴って相対摺動する可動スクロールの背面に設けられ、前記可動スクロールの偏心回転を許容し自転を規制する規制部品であって、
 前記規制部品には、前記可動スクロールと面する箇所に動圧を発生可能な動圧発生溝が形成されている。
 これによれば、可動スクロールとスラスト受機構との間の密封部分とは異なる位置に設けられる規制部品において、可動スクロールとスラスト受機構との相対移動により動圧発生溝で動圧を発生させ、可動スクロールとスラスト受機構とを離間させることができるため、摺動性を向上させることができる。
 前記規制部品は、前記可動スクロールに設けられたポケットに挿通されるピンと、前記ピンに回転可能に取付けられる回転体と、から構成され、前記回転体に前記動圧発生溝が形成されていてもよい。
 これによれば、可動スクロールの偏心回転に追従して回転体が回転するため、可動スクロールの位置に関わらず動圧を発生させることができる。
 前記回転体は、前記ピンに対して偏心して取付けられていてもよい。
 これによれば、可動スクロールの偏心回転に合わせて回転体を円滑に回転させることができる。
 前記動圧発生溝は、一端が前記回転体の外側に連通していてもよい。
 これによれば、回転体の外側から流体を動圧発生溝内に円滑に取り込むことができる。
 前記動圧発生溝は、円弧状をなしていてもよい。
 これによれば、偏心回転運動にあわせて効率よく動圧を発生させることができる。
 前記動圧発生溝は、前記ポケットの底面に対向して前記回転体に設けられていてもよい。
 これによれば、ポケットの底面の広い面積で動圧を受けることができる。
本発明に係る実施例1の規制部品としての回り止め機構が適用されるスクロール圧縮機を示す概略構成図である。 (a)は実施例1における回り止め機構の周辺構造を示す概略拡大断面図、(b)は回転体を正面から見た図、(c)は回転体を背面から見た図である。 (a)は可動スクロールが回転軌跡のうち12時の位置にあるときの状態を示す概略図、(b)は可動スクロールが回転軌跡のうち3時の位置にあるときの状態を示す概略図である。 (a)は可動スクロールが回転軌跡のうち6時の位置にあるときの状態を示す概略図、(b)は、可動スクロールが回転軌跡のうち9時の位置にあるときの状態を示す概略図である。 回転体の先端面とポケットの底面との相対摺動の状態を示す概略断面図である。 本発明に係る実施例2の規制部品を示す概略断面図である。 (a)は本発明に係る実施例3の規制部品を示す概略断面図、(b)は規制部品の正面を示す概略図である。
 本発明に係る規制部品を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
 実施例1に係る規制部品につき、図1から図5を参照して説明する。
 本発明の規制部品は、偏心機構を含む回転機械、例えば自動車等の空調システムに用いられる流体としての冷媒を吸入、圧縮、吐出するスクロール圧縮機Cに適用される。尚、本実施例において、冷媒は気体であり、ミスト状の潤滑油が混合した状態となっている。
 先ず、スクロール圧縮機Cについて説明する。図1に示されるように、スクロール圧縮機Cは、ハウジング1と、回転軸2と、インナーケーシング3と、スクロール圧縮機構4と、サイドシール7と、スラスト受機構としてのスラストプレート8と、駆動モータMと、規制部品としての回り止め機構9と、から主に構成されている。
 ハウジング1は、円筒状のケーシング11と、ケーシング11の開口を閉塞するカバー12と、から構成されている。ケーシング11におけるカバー12により閉塞される開口とは軸方向反対側の開口は駆動モータMにより閉塞されている。
 ケーシング11の内部には、図示しない冷媒回路から吸入口10を通して低圧の冷媒が供給される低圧側の外部空間としての低圧室20と、スクロール圧縮機構4により圧縮された高圧の冷媒が吐出される高圧室30と、スクロール圧縮機構4により圧縮された冷媒の一部が潤滑油と共に供給される高圧側の外部空間としての背圧室50と、が形成されている。尚、背圧室50は、ケーシング11の内部に収容される円筒状のインナーケーシング3の内部に形成されている。
 カバー12には、図示しない冷媒回路と高圧室30とを連通する吐出連通路13が形成されている。また、カバー12には、高圧室30と背圧室50とを連通する背圧連通路14の一部が吐出連通路13から分岐して形成されている。尚、吐出連通路13には、冷媒から潤滑油を分離するオイルセパレータ6が設けられている。
 インナーケーシング3は、その軸方向端部をスクロール圧縮機構4を構成する固定スクロール41の端板41aに当接させた状態で固定されている。また、インナーケーシング3の側壁には、径方向に貫通する吸入連通路15が形成されている。すなわち、低圧室20は、インナーケーシング3の外部から吸入連通路15を介してインナーケーシング3の内部まで形成されている。吸入連通路15を通ってインナーケーシング3の内部まで供給された冷媒は、スクロール圧縮機構4に吸入される。
 スクロール圧縮機構4は、カバー12に対して密封状に固定される固定スクロール41と、インナーケーシング3の内部に収容される可動スクロール42と、から主に構成されている。
 固定スクロール41は、金属製であり、円板状の端板41aの表面、すなわち端板41aから可動スクロール42に向けて突設される渦巻状のラップ41bを備えている。また、固定スクロール41には、端板41aの背面、すなわち端板41aのカバー12に当接する端面の内径側が該カバー12とは反対方向に凹む凹部41cが形成されており、この凹部41cとカバー12とから高圧室30が画成されている。
 可動スクロール42は、金属製であり、円板状の端板42aの表面、すなわち端板42aから固定スクロール41に向けて突設される渦巻状のラップ42bを備えている。また、可動スクロール42には、端板42aの背面の中央から突出するボス42cが形成されている。ボス42cには、回転軸2に形成される偏心部2aが相対回転可能に挿嵌される。尚、本実施例においては、回転軸2の偏心部2aと、回転軸2から外径方向に突出するカウンタウエイト部2bとにより、回転軸2を偏心回転させる偏心機構が構成されている。
 また、可動スクロール42における端板42aの背面には、後述する回り止め機構9が挿入されるポケット42dが形成されている。このポケット42dは有底穴である。
 回転軸2が駆動モータMにより回転駆動されると、偏心部2aが偏心回転する。可動スクロール42のポケット42dが回り止め機構9にガイドされることで可動スクロール42が固定スクロール41に対して姿勢を保った状態で偏心回転を伴って相対摺動する。このとき、固定スクロール41に対して可動スクロール42は偏心回転し、この回転に伴いラップ41b、42bの接触位置は回転方向に順次移動し、ラップ41b、42b間に形成される圧縮室40が中央に向かって移動しながら次第に縮小していく。これにより、スクロール圧縮機構4の外径側に形成される低圧室20から圧縮室40に吸入された冷媒が圧縮されていき、最終的に固定スクロール41の中央に設けられる吐出孔41dを通して高圧室30に高圧の冷媒が吐出される。尚、回り止め機構9による可動スクロール42のガイドについては後に詳述する。
 次いで、サイドシール7について説明する。サイドシール7は、弾性変形可能な樹脂製であり、断面矩形状かつ軸方向視円環状を成しており、可動スクロール42の端板42aの背面に固定されている。
 サイドシール7には、スラストプレート8に形成される摺動面8a(図1参照)に当接する摺動面7aが形成されている。この摺動面7aは平坦面をなし、可動スクロール42の背面側摺動面を構成している。
 次いで、スラストプレート8について説明する。スラストプレート8は、金属製であり、円環状を成し、シールリング43が固定されており、シールリング43は、インナーケーシング3の内底面に当接している。これにより、スラストプレート8は、サイドシール7を介して可動スクロール42の軸方向の荷重を受けるスラスト受機構として機能している。
 また、サイドシール7とシールリング43は、インナーケーシング3の内部において、可動スクロール42の外径側に形成される低圧室20と可動スクロール42の背面側に形成される背圧室50とを区画している。背圧室50は、インナーケーシング3の中央に設けられる貫通孔3aの内周に固定されるシールリング44により、貫通孔3aに挿通される回転軸2との間がシールされることにより密閉空間として形成されている。
 また、カバー12、固定スクロール41、インナーケーシング3に亘って形成され、高圧室30と背圧室50とを連通する背圧連通路14には、図示しないオリフィスが設けられており、オリフィスにより減圧調整された高圧室30の冷媒がオイルセパレータ6で分離された潤滑油と共に背圧室50に供給されるようになっている。このとき、背圧室50内の圧力は、低圧室20内の圧力よりも高くなるように調整される。尚、インナーケーシング3には、径方向に貫通し、低圧室20と背圧室50とを連通する圧力抜き孔16が形成されており、圧力抜き孔16内には圧力調整弁45が設けられている。圧力調整弁45は、背圧室50の圧力が設定値を上回ることで開放するようになっている。
 また、スラストプレート8の中央の貫通孔8bには、可動スクロール42のボス42cが挿通されている。貫通孔8bは、ボス42cに挿嵌される回転軸2の偏心部2aによる偏心回転を許容できる径の大きさに形成されている。すなわち、サイドシール7の摺動面7aは、回転軸2の偏心回転によりスラストプレート8の摺動面8aに対して偏心回転を伴って相対摺動できるようになっている(図3および図4参照)。
 次に、回り止め機構9について説明する。図2(a)に示されるように、回り止め機構9は、ピン91と、回転体92と、から構成されている。この回り止め機構9は、サイドシール7よりも内径側に配置されている。
 ピン91は、スラストプレート8の円板状の本体部分から可動スクロール42側に延び、円柱状をなしている。このピン91は、スラストプレート8の周方向に複数(本実施例では6本)等配されている(図3および図4参照)。
 図2(a)~(c)に示されるように、回転体92は、金属製の円板状部材であり、凹部93と動圧発生溝94とが設けられている。尚、図2(a)では説明の便宜上、動圧発生溝94を実際よりも深く図示している。
 この回転体92は、可動スクロール42のポケット42dよりも小径をなしている。本実施例では、ポケット42dの径が回転体92の径の1.2倍程度の大きさに形成されている。尚、ポケット42dの径は回転体92の径の1.1倍~1.5倍程度の大きさが好ましい。
 凹部93は、回転体92におけるスラストプレート8側に開口しており、回転体92の中心よりも外周面側に寄せて設けられている。この凹部93には、ピン91の先端部が相対回転可能に挿入されている。すなわち、回転体92は、ピン91に対して偏心回転可能となっている。
 また、回転体92の先端面92aとポケット42dの底面42eとは、スラストプレート8の非動作時には当接し、相対回転時には後述するようにわずかに離間している(図5参照)。また、回転体92の外周面は、ポケット42dの内周面に圧接されている。
 動圧発生溝94は、回転体92における可動スクロール42側に開口して設けられている。この動圧発生溝94は、円弧状に延びており、一端94aが回転体92の外側に連通し、他端94bが閉塞されている。
 図3および図4は、固定スクロール41側から見た可動スクロール42の回転軌跡を示している。
 図3(a)では、可動スクロール42が回転軌跡のうち12時の位置にあるとき、図3(b)では、可動スクロール42が回転軌跡のうち3時の位置にあるときを示している。図4(a)では、可動スクロール42が回転軌跡のうち6時の位置にあるとき、図4(b)では、可動スクロール42が回転軌跡のうち9時の位置にあるときを示している。
 図3(a)の状態にあっては、ピン91を中心として回転体92が12時の位置に配置されている。
 可動スクロール42が図3(a)の状態から図3(b)の状態に移行するときには、回転体92の外周面とポケット42dの内周面との摩擦により、回転体92が時計回りに回転し、図3(b)の状態にあってはピン91を中心として回転体92が3時の位置に配置される。
 このとき、可動スクロール42は、複数のポケット42dが周方向の複数箇所で回り止め機構9にガイドされるため、姿勢を保った状態で偏心回転するようになる。言い換えれば、可動スクロール42は、複数の回り止め機構9により偏心回転が許容されつつ自転が規制されてガイドされるようになっている。
 また、可動スクロール42が図3(b)の状態から図4(a)の状態に移行するときには、回転体92が時計回りに回転し、図4(a)の状態にあってはピン91を中心として回転体92が6時の位置に配置される。
 また、可動スクロール42が図4(a)の状態から図4(b)の状態に移行するときには、回転体92が時計回りに回転し、図4(b)の状態にあってはピン91を中心として回転体92が9時の位置に配置される。
 可動スクロール42は姿勢を保った状態で偏心回転し、回転体92はピン91を中心として偏心回転するため、可動スクロール42の偏心回転時には、回転体92の先端面92aとポケット42dの底面42eとが相対摺動するようになっている(図5参照)。
 回転体92の先端面92aとポケット42dの底面42eとの相対摺動について図5を用いて説明する。尚、図5は、図3(a)において一の回転体92を動圧発生溝94に沿って切断し展開した図である。さらに尚、説明の便宜上、動圧発生溝94を実際よりも深く図示している。
 図5に示されるように、回転体92の先端面92aとポケット42dの底面42eとが相対摺動すると、動圧発生溝94内の流体が一端94aから他端94bに向けて移動する。これにより、他端94bでは動圧が発生し、先端面92aと底面42eとがわずかに離間され、流体による流体膜が形成される。また、動圧発生溝94には、一端94aから随時供給される。
 尚、サイドシール7は、可動スクロール42とスラストプレート8との間で圧縮された状態で配置されているため、動圧発生溝94の動圧により可動スクロール42が固定スクロール41側に移動しても、サイドシール7の弾性復帰により可動スクロール42とスラストプレート8との間の密封状態が維持される。
 以上説明したように、回り止め機構9には、可動スクロール42の背面に動圧を発生可能な動圧発生溝94が形成されている。これによれば、可動スクロール42とスラストプレート8との相対移動により動圧発生溝94で動圧を発生させ、可動スクロール42とスラストプレート8とを離間させることができるため、可動スクロール42とスラストプレート8との摺動性を向上させることができる。
 また、動圧発生溝94を有する回り止め機構9は、可動スクロール42とスラストプレート8との間の密封部分であるサイドシール7よりも内径側の位置に設けられているため、高圧側である背圧室50の流体が低圧側である低圧室20に漏れることがない。
 また、回り止め機構9は、可動スクロール42に設けられたポケット42dに挿通されるピン91と、ピン91に回転可能に取付けられる回転体92と、から構成され、回転体92に動圧発生溝94が形成されている。これによれば、可動スクロール42の偏心回転に追従して回転体92が回転するため、可動スクロール42の位置に関わらず動圧を発生させることができる。
 また、ピン91は、回転体92の背面に設けられた凹部93に挿入されており、動圧発生溝94により動圧が発生した際には、ピン91の先端面で回転体92の背面側への移動を規制できる。
 また、回転体92は、ピン91に対して偏心して取付けられている。これによれば、可動スクロール42の偏心回転に合わせて回転体92を円滑に回転させることができる。
 また、動圧発生溝94は、一端94aが回転体92の外側に連通しているため、回転体92の外側から流体を動圧発生溝94内に円滑に取り込むことができる。
 また、動圧発生溝94は、円弧状をなしているため、回転体92の偏心回転に合わせて効率よく動圧を発生させることができる。
 また、動圧発生溝94は、ポケット42dの底面42eに対向して回転体92の先端面92aに設けられている。これによれば、面積の広いポケット42dの底面42eで動圧を受けることができるため、動圧を安定して生じさせることができる。
 次に、実施例2に係る規制部品につき、図6を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
 図6に示されるように、本実施例2の回り止め機構29は、スラストプレート28から延びるピン291と、ピン291に対して偏心回転可能に取付けられる回転体292と、から構成されている。
 回転体292は、ポケット242dよりも小径に形成されている。回転体292の可動スクロール242側は、ポケット242dに遊挿されている。
 また、回転体292は、凹部293にピン291が挿入された状態において、その背面292bがスラストプレート28の摺動面28aに当接するようになっている。背面292bには、動圧発生溝294が形成されている。
 可動スクロール242が偏心回転すると、回転体292もピン291に対して偏心回転し、回転体292の背面292bとスラストプレート28の摺動面28aとが相対摺動する。これにより、動圧発生溝294で動圧が発生し、背面292bと摺動面28aとがわずかに離間され、流体による流体膜が形成される。
 次に、実施例3に係る規制部品につき、図7を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
 図7に示されるように、本実施例3の回り止め機構39は、スラストプレート38から可動スクロール342に向けて延びるピン391である。実施例1,2の回転体92,292の構成が省略されている。
 このピン391の先端面391aには、円弧状の動圧発生溝394が設けられている。
 回転軸2(図1参照)が回転すると、ポケット342dの内周面がピン391にガイドされることで可動スクロール342が姿勢を保ったまま偏心回転し、ピン391の先端面391aとポケット342dの底面342eとが相対摺動する。これにより、動圧発生溝394で動圧が発生し、先端面391aと底面342eとがわずかに離間され、流体による流体膜が形成される。
 以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
 例えば、前記実施例1~3では、規制部品が複数設けられている形態を例示したが、可動スクロールの偏心回転を許容し自転を規制可能であれば、規制部品は少なくとも1つ設けられていればよい。
 また、前記実施例1,2では、回転体が円板状をなす形態を例示したが、ポケットの内周面に沿ってガイドする形状であれば、その形状を自由に変更できる。
 また、前記実施例1~3では、1つの規制部品に対して動圧発生溝が1つ設けられる形態を例示したが、1つの規制部品に対して動圧発生溝が複数設けられていてもよい。
 また、前記実施例1~3では、動圧発生溝が円弧状をなす形態を例示したが、例えば、周方向に直線状に延びていてもよく、その形状を自由に変更できる。
 また、前記実施例1~3では、動圧発生溝の一端が外側の空間に連通している形態を例示したが、例えば、ディンプルのように、外側の空間と区画された形状等であってもよい。
 また、前記実施例1~3では、規制部品がサイドシールの内径側、すなわち背圧室に配置される形態を例示したが、規制部品がサイドシールの外径側、すなわち低圧室に配置されていてもよい。
 また、前記実施例1~3では、回転体が金属製である形態を例示したが、回転体の材料は使用環境等に応じて自由に選択されてよい。
 また、前記実施例1~3では、自動車等の空調システムに用いられるスクロール圧縮機Cにスラスト受機構としてのスラストプレートが適用される態様について説明したが、これに限らず、偏心機構を含む回転機械であれば、例えば膨張機と圧縮機を一体に備えたスクロール膨張圧縮機等に適用されてもよい。
 また、前記実施例1~3では、スラストプレートの外径側が低圧側、内径側が高圧側として説明したが、スラストプレートの外径側が高圧側、内径側が低圧側となっていてもよい。
 また、スラスト受機構の摺動面の内外の空間に存在する流体は、それぞれ気体、液体または気体と液体の混合状態のいずれであってもよい。
 また、前記実施例1~3では、スラストプレートにサイドシールが相対摺動する形態を例示したが、スラストプレートに可動スクロールの背面が直接相対摺動するようになっていてもよい。
 また、前記実施例1,2ではピンの先端に回転体が接触する形態を例示したが、ピンの先端が回転体に接触しなくてもよい、例えば、回転体の凹部を有底状の穴ではなく、貫通孔とし、回転体がピンに挿入された状態において、その背面がスラストプレートの摺動面28aに当接していてもよい。
 また、前記実施例1~3では、回転体の先端面とポケットの底面とは、スラストプレートの非動作時には当接し、相対回転時には離間している形態を例示したが、相対回転により動圧を発生し得れば、非動作時において離間していてもよい。
4        スクロール圧縮機構
7        サイドシール
8        スラストプレート(スラスト受機構)
9        回り止め機構(規制部品)
20       低圧室
28       スラストプレート
29       回り止め機構(規制部品)
30       高圧室
38       スラストプレート
39       回り止め機構(規制部品)
41       固定スクロール
42       可動スクロール
42d      ポケット
42e      底面
50       背圧室
91       ピン
92       回転体
92a      先端面
94       動圧発生溝
94a      一端
94b      他端
242      可動スクロール
242d     ポケット
291      ピン
292      回転体
294      動圧発生溝
342      可動スクロール
342d     ポケット
342e     底面
391      ピン
391a     先端面
394      動圧発生溝
C        スクロール圧縮機

Claims (6)

  1.  固定スクロールに対して偏心回転を伴って相対摺動する可動スクロールの背面に設けられ、前記可動スクロールの偏心回転を許容し自転を規制する規制部品であって、
     前記規制部品には、前記可動スクロールと面する箇所に動圧を発生可能な動圧発生溝が形成されている規制部品。
  2.  前記規制部品は、前記可動スクロールに設けられたポケットに挿通されるピンと、前記ピンに回転可能に取付けられる回転体と、から構成され、前記回転体に前記動圧発生溝が形成されている請求項1に記載の規制部品。
  3.  前記回転体は、前記ピンに対して偏心して取付けられている請求項2に記載の規制部品。
  4.  前記動圧発生溝は、一端が前記回転体の外側に連通している請求項2に記載の規制部品。
  5.  前記動圧発生溝は、円弧状をなしている請求項2に記載の規制部品。
  6.  前記動圧発生溝は、前記ポケットの底面に対向して前記回転体に設けられている請求項2ないし4のいずれかに記載の規制部品。
PCT/JP2023/039700 2022-11-17 2023-11-02 規制部品 WO2024106230A1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022-184401 2022-11-17
JP2022184401 2022-11-17

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2024106230A1 true WO2024106230A1 (ja) 2024-05-23

Family

ID=91084518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2023/039700 WO2024106230A1 (ja) 2022-11-17 2023-11-02 規制部品

Country Status (1)

Country Link
WO (1) WO2024106230A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006138243A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Sanden Corp スクロール型圧縮機
WO2022009769A1 (ja) * 2020-07-06 2022-01-13 イーグル工業株式会社 摺動部品

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006138243A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Sanden Corp スクロール型圧縮機
WO2022009769A1 (ja) * 2020-07-06 2022-01-13 イーグル工業株式会社 摺動部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230027772A1 (en) Sliding component
US20230296176A1 (en) Sliding component
WO2022009767A1 (ja) 摺動部品
CN112088250A (zh) 涡旋式压缩机
JPH08319981A (ja) スクロール型圧縮機
WO2022009771A1 (ja) 摺動部品
JP2000220585A (ja) スクロール型圧縮機
KR100458799B1 (ko) 스러스트면을가진스크롤엘레멘트
WO2024106230A1 (ja) 規制部品
WO2022009766A1 (ja) 摺動部品
JPH09310687A (ja) スクロール型圧縮機
JP2000136782A (ja) スクロール型圧縮機
WO2024106362A1 (ja) スラスト受機構
JP7497132B2 (ja) 摺動部品
EP4177487A1 (en) Sliding component
WO2024106138A1 (ja) スラスト受機構
JP7475801B2 (ja) 摺動部品
WO2021125200A1 (ja) 摺動部品
JP3074980B2 (ja) スクロール型圧縮機
US20230012695A1 (en) Sliding component
WO2024075740A1 (ja) シールリング
JPH0396687A (ja) 流体圧縮機