JP2002005052A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
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Abstract
ることができ、圧縮効率の向上と高い信頼性を確保した
スクロール圧縮機を提供すること。 【解決手段】 固定スクロール12と旋回スクロール1
3とを備え、固定スクロール12と旋回スクロール13
の端板12a、13aには、その高さが壁体の渦に沿っ
てその中心部側で高く外終端側で低くなるよう形成され
た段差部42,43が設けられ、壁体13b、12bの
上縁は、端板12a、13aの段差部42,43に対応
して段付き形状とされたスクロール圧縮機において、壁
体13b、12bの上縁と端板12a、13aとの間に
はそれぞれ隙間21、22が設けられ、室温状態におけ
る隙間21,22の壁体高さ方向における寸法は、室温
状態からスクロール圧縮機運転状態にした場合における
壁体13b、12bの高さ方向膨張量より高く形成され
ている。
Description
凍装置等に具備されるスクロール圧縮機に関する。
旋回スクロールとを渦巻き状の壁体どうしを組み合わせ
て配置し、固定スクロールに対し旋回スクロールを公転
旋回運動させることで壁体間に形成される圧縮室の容積
を漸次減少させて該圧縮室内の流体の圧縮を行うもので
ある。
縮室の最小容積(壁体どうしのかみ合いが外れて圧縮室
が消滅する直前の容積)に対する、圧縮室の最大容積
(壁体どうしがかみ合って圧縮室が形成された時点の容
積)の比であり、次式(I)で表される。 Vi={A(θsuc)・L}/{A(θtop)・L}=A(θsuc)/A(θtop) … (I) (I)式において、A(θ)は旋回スクロールの旋回角θに
応じて容積を変化させる圧縮室の旋回面に平行な断面積
を表す関数、θsucは圧縮室が最大容積となるときの旋
回スクロールの旋回角、θtopは圧縮室が最小容積とな
るときの旋回スクロールの旋回角、Lは壁体どうしのラ
ップ(重なり)長である。
上を図るには、両スクロールの壁体の巻き数を増やして
最大容積時の圧縮室の断面積A(θ)を大きくする手法が
採られてきた。しかしながら、壁体の巻き数を増やす従
来の手法ではスクロールの外形が拡大して圧縮機自体が
大型化するため、大きさの制限が厳しい自動車用等の空
気調和装置には採用し難いという問題点があった。
56号には、以下に示す技術が提案されている。図10
(a)に示したものは固定スクロール50であり、端板5
0aと、端板50aの一側面に立設された渦巻き状の壁
体50bとを備えている。また、(b)に示したものは旋
回スクロール51である。旋回スクロール51も、固定
スクロール50と同様に端板51aと、端板51aの一
側面に立設された渦巻き状の壁体51bとを備えてい
る。
51の端板50a、51aの側面に、壁体50b、51
bの渦巻の外終端からπ(rad)に位置して、中心部側が
高く外終端側が低い段差部52,52が形成されてい
る。さらに、この端板50a、51aの段差部52、5
2に対応して、両スクロール50,51が備える壁体5
0b,51bの渦巻き状の上縁に中心部側が低く外終端
側が高い段差部53、53が形成されている。
固定スクロール50と旋回スクロール51のそれぞれの
壁体50b、51bをかみ合わせ、最大容積の圧縮室P
が形成された状態が図11(a)であり、圧縮室Pについ
て、渦巻方向に沿った断面図が図11(b)である。図1
1(b)からわかるように、段差部52よりも外終端側に
おけるラップ長L1は内側のラップ長Lsより長く形成
されている。このため、ラップ長が一様である場合と比
較すると、段差部52より外側のラップ長が長い分だけ
圧縮室Pの最大容積が大きくなることがわかる。したが
って、壁体の巻き数を増やさなくても、設計上の圧縮比
を向上させることが可能である。
ロール圧縮機においては、スクロールの中央部ほど圧縮
室Pが高圧となるため、外周部に比べて温度が高くな
る。このため、中央部ほど壁体の熱膨張量が大きくな
り、固定スクロール50と旋回スクロール51との噛み
合わせに狂いが生じて、漏れの増加や信頼性の低下を招
くといった問題があった
であり、熱膨張時でもスクロールを確実に噛み合わせる
ことができ、圧縮効率の向上と高い信頼性を確保したス
クロール圧縮機を提供することを目的とする。
ール圧縮機は、端板の一側面に立設された渦巻き状の壁
体を有し、定位置に固定された固定スクロールと、端板
の一側面に立設された渦巻き状の壁体を有し、前記各壁
体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運
動可能に支持された旋回スクロールとを備え、前記固定
スクロールと旋回スクロールの少なくともいずれか一方
の端板には、前記一側面に、その高さが壁体の渦に沿っ
てその中心部側で高く外終端側で低くなるよう形成され
た段差部が設けられ、前記固定スクロールと旋回スクロ
ールのいずれか他方の壁体の上縁は、前記端板の段差部
に対応し、複数の部位に分割されかつ該部位の高さが渦
の中心部側で低く外終端側で高くなる段付き形状とされ
たスクロール圧縮機において、前記他方の壁体の上縁と
前記一方の端板との間には隙間が設けられ、室温状態に
おける前記隙間の壁体高さ方向における寸法は、室温状
態からスクロール圧縮機運転状態にした場合における前
記他方の壁体の高さ方向膨張量より高く形成されている
ことを特徴とする。
部ほど高温になり、壁体の熱膨張量が大きくなる。この
スクロール圧縮機においては、壁体の熱膨張量よりも高
い高さを有する隙間が形成されているので、壁体が膨張
しても壁体上縁が対向する端板に衝突しない。なお、こ
の隙間は、壁体の熱膨張時、壁体と端板とが接触しない
程度に十分に小さくなること(例えば10μm〜50μ
m程度)が望ましい。また、段差部よりも渦に沿って外
終端側は壁体の高さが高く形成されている。壁体が高い
と、熱膨張による高さ方向の変位が大きくなる。また、
上記のように渦巻き中心部では高温のため熱膨張量が大
きい。したがって、段差部に対して中心部側と外終端側
の隙間の高さは、温度および壁体の高さ条件を考慮して
定める。
求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記段差部
よりも渦に沿って中心部側に形成された前記隙間の高さ
は、前記段差部よりも外終端側に形成された前記隙間の
高さより高いことを特徴とする。
ールの中心部では高温のために壁体の熱膨張量が大きく
なる。そのため、段差部よりも中心部側の隙間を高くす
ることで、前記中心部側において壁体と端板とが衝突す
ることが防止される。そして、段差部より中心部側と外
終端側のいずれにおいても、熱膨張後の隙間高さを適切
に形成させることができる。
て示した背圧型のスクロール圧縮機の構成を示してい
る。図中の符号1は密閉状態のハウジング、2はハウジ
ング1内を高圧室HRと低圧室LRとに分離するディス
チャージカバー、5はフレーム、6は吸入管、7は吐出
管、8はモータ、9は回転シャフト、10は自転阻止機
構である。そして、符号12は固定スクロール、13は
固定スクロール12に噛み合う旋回スクロールである。
図2に示すように、固定スクロール12は端板12aの
一側面に渦巻き状の壁体12bが立設された構成となっ
ている。旋回スクロール13は、固定スクロール12と
同様に端板13aの一側面に渦巻き状の壁体13bが立
設された構成となっており、特に壁体13bは固定スク
ロール12側の壁体12bと実質的に同一形状をなして
いる。旋回スクロール13は固定スクロール12に対し
て相互に公転旋回半径だけ偏心しかつ180゜だけ位相
をずらした状態で、壁体12b,13bどうしをかみ合
わせて組み付けられている。このような背圧型のスクロ
ール型流体機械では、固定スクロール12がボルト等に
よりフレーム5に完全に固定されておらず、規制された
範囲内において可動である。
4で駆動される回転シャフト9の上端に設けられて旋回
運動する偏心ピン9a及び自転阻止機構10の作用によ
り、固定スクロール12に対して公転旋回運動を行うよ
うになっている。一方、固定スクロール12は、ハウジ
ング1に固定されたフレーム5に対して支持バネ11を
介して浮上自在に支持され、端板3aの背面中央には圧
縮された流体の吐出ポート15が設けられている。ま
た、吐出ポート15の周囲には、固定スクロール12の
端板12aの背面より突出する円筒フランジ16が設け
られ、該円筒フランジ16はディスチャージカバー2側
の円筒フランジ17に嵌合している。これらの円筒フラ
ンジ16,17が嵌合する部分には、高圧室HRと低圧
室LRとを分離し、固定スクロール12の背面に高い圧
力(背圧)をかけて押し下げる必要があるため、シール
部材18によるシール構造が採用されている。このシー
ル部材15は、U字形の断面形状を有している。この場
合の高圧室HRは、固定スクロール12の背面に高圧の
吐出圧力を作用させる背圧室としても機能している。
体12bが立設された一側面に、壁体12bの渦方向に
沿って中心部側で高く外終端側で低くなるよう形成され
た段差部42を備えている。旋回スクロール13側の端
板13aも端板12aと同様に、壁体13bが立設され
た一側面に、壁体13bの渦方向に沿って中心部側で高
く外終端側で低くなるよう形成された段差部43を備え
ている。各段差部42,43は、それぞれ壁体12b、
壁体13bの渦巻中心を基準として、各壁体12b、1
3bの外終端からπ(rad)進んだ位置に設けられてい
る。
れていることにより、中心部よりに設けられた底の浅い
底面12fと外終端よりに設けられた底の深い底面12
gの2つの部位に分けられている。隣り合う底面12
f,12g間には、段差部42を構成し、前記底面12
f,12gを繋いで垂直に切り立つ連結壁面12hが存
在している。端板13aの底面も端板12aと同様に、
段差部43が形成されていることにより、中心部よりに
設けられた底の浅い底面13fと外終端よりに設けられ
た底の深い底面13gの2つの部位に分けられている。
隣り合う底面13f,13g間には、段差部43を構成
し、前記底面13f,13gを繋いで垂直に切り立つ連
結壁面13hが存在している。
は、旋回スクロール13の段差部43に対応し、その渦
巻き状の上縁が2つの部位に分割され、かつ渦の中心部
側で低く外終端側で高い段付き形状となっている。旋回
スクロール13側の壁体13bも壁体12bと同様に、
固定スクロール12の段差部42に対応し、渦巻き状の
上縁が2つの部位に分割され、かつ渦の中心部側で低く
外終端側で高い段付き形状となっている。
寄りに設けられた低位の上縁12cと外終端寄りに設け
られた高位の上縁12dの2つの部位に分けられ、隣り
合う上縁12c,12d間には、両者を繋いで旋回面に
垂直な連結縁12eが存在している。壁体13bの上縁
も壁体12bと同様に、中心部寄りに設けられた低位の
上縁13cと外終端寄りに設けられた高位の上縁13d
の2つの部位に分けられ、隣り合う上縁13c,13d
間には、両者を繋いで旋回面に垂直な連結縁13eとが
存在している。
ール13の方向から見ると壁体12bの内外両側面に滑
らかに連続し壁体12bの肉厚に等しい直径を有する半
円形をなしており、連結縁13eも連結縁12eと同様
に、壁体13bの内外両側面に滑らかに連続し壁体13
bの肉厚に等しい直径を有する半円形をなしている。
回軸方向から見ると旋回スクロールの旋回に伴って連結
縁13eが描く包絡線に一致する円弧をなしており、連
結壁面13hも連結壁面12hと同様に、連結縁12e
が描く包絡線に一致する円弧をなしている。なお、本例
の固定スクロール12の壁体12b及び旋回スクロール
13の壁体13bの上縁には、チップシールが設けられ
ておらず、壁体12b、13bの端面が端板12a、1
3aに押圧されることにより後述の圧縮室Cの密閉が行
われる。
縁12cと連結縁12eとが突き合う部分には、肉盛り
したようにリブ12iが設けられている。リブ12i
は、応力集中を避けるため上縁12cと連結縁12eと
を滑らかに連続する凹曲面をなして壁体12bと一体に
形成されている。壁体13bにおいて上縁13c,連結
縁13eが突き合う部分にも、同様の理由で同形状のリ
ブ13iが設けられている。
12hとが突き合う部分にも、肉盛りしたようにリブ1
2jが設けられている。リブ12jは、応力集中を避け
るため底面12gと連結壁面12hとに滑らかに連続す
る凹曲面をなして壁体12bと一体に形成されている。
端板13aにおいて底面13gと連結壁面13hとが突
き合う部分にも、同様の理由で同形状のリブ13jが設
けられている。
2eとが突き合う部分、および壁体13bにおいて上縁
13dと連結縁13eとが突き合う部分は、組み付け時
にリブ13j,12jとの干渉を避けるためにそれぞれ
面取りされている。
を組み付けると、低位の上縁13cが底の浅い底面12
fに当接し、高位の上縁13dが底の深い底面12gに
当接する。同時に、低位の上縁12cが底の浅い底面1
3fに当接し、高位の上縁12dが底の深い底面13g
に当接する。これにより、両スクロール間には向かい合
う端板12a,13aと壁体12b,13bとに区画さ
れて圧縮室Cが形成される。
を組み付けた状態について、圧縮室Cの長さ方向に沿っ
た断面図を図4(a)に示した。図4(a)は、室温状態にお
いて固定スクロール12に旋回スクロール13を組み付
けたときの固定スクロール12の端板12aと旋回スク
ロール13の壁体13bとの噛み合わせ状態を示した図
である。図のように、底面12fと上縁13cとの間に
は、高さδ2の隙間21が形成され、底面12gと上縁
13dとの間には、高さδ1の隙間22が形成されてい
る。これら隙間21,22の高さは、δ2>δ1となる
ように設定されている。
ル圧縮機を運転させて固定スクロール12及び旋回スク
ロール13が熱膨張した状態である。図のように、底面
12fと上縁13cとの間の隙間21の高さはδ2’と
なり、底面12gと上縁13dとの間の隙間22の高さ
はδ1’となる。これらδ1’およびδ2’の値は、1
0μm〜50μm程度である。なお、図示は省略する
が、旋回スクロール13の端板13aと固定スクロール
12の壁体12bとの噛み合わせも上記と同様に構成さ
れている。すなわち、底面13fと上縁12cとの間に
は高さδ2の隙間が形成され、底面13gと上縁12d
との間には、高さδ1(<δ2)の隙間が形成されてい
る。
運動に伴い外終端から中心部に向けて移動するが、連結
縁12eは、壁体12b,13bの当接点が連結縁12
eよりも外終端寄りに存在する間は壁体12を挟んで隣
接する圧縮室C(一方は密閉状態にない)間で流体の漏
れが生じないように連結壁面13hに摺接し、壁体12
b,13bの当接点が連結縁12eよりも外終端寄りに
存在しない間は壁体12を挟んで隣接する圧縮室C(共
に密閉状態にある)間で均圧を図るべく連結壁面13h
には摺接しないようになっている。
bの当接点が連結縁13eよりも外終端寄りに存在する
間は壁体13を挟んで隣接する圧縮室C(一方は密閉状
態にない)間で流体の漏れが生じないように連結壁面1
2hに摺接し、壁体12b,13bの当接点が連結縁1
3eよりも外終端寄りに存在しない間は壁体13を挟ん
で隣接する圧縮室C(共に密閉状態にある)間で均圧を
図るべく連結壁面12hには摺接しないようになってい
る。なお、連結縁12eと連結壁面13h、および連結
縁13eと連結壁面12hの摺接は、旋回スクロール1
3が1/2回転する間で同期して起こる。
の駆動時における流体圧縮の過程を図5ないし図8に示
して順に説明する。
が壁体13bの外側面に当接するとともに、壁体13b
の外終端が壁体12bの外側面に当接し、端板12a,
13a、壁体12b,13b間に流体が封入され、スク
ロール圧縮機構の中心を挟んで正対した位置に、最大容
積の圧縮室Cが2つ形成される。この時点では、連結縁
12eと連結壁面13h、連結縁13eと連結壁面12
hは摺接しているが、直後に離間する。
2だけ旋回し図6に示す状態に至る過程では、圧縮室C
が密閉状態を保ちながら中心部に向けて進行し、漸次容
積を減少させて流体を圧縮し、圧縮室Cに先行する圧縮
室C0も密閉状態を保ちながら中心部に向けて進行し、
漸次容積を減少させて引き続き流体を圧縮する。この過
程において、連結縁12eと連結壁面13h、連結縁1
3eと連結壁面12hそれぞれの摺接が解消され、隣接
する二つの圧縮室Cが均圧される。
2だけ旋回し図7に示す状態に至る過程では、圧縮室C
が密閉状態を保ちながら中心部に向けて進行し、漸次容
積を減少させてさらに流体を圧縮し、圧縮室C0も密閉
状態を保ちながら中心部に向けて進行し、漸次容積を減
少させて引き続き流体を圧縮する。この過程においては
連結縁12eは連結壁面13hに、連結縁13eは連結
壁面12hにそれぞれに摺接を開始する。
2bの内側面とその内方に位置する壁体13bの外側面
との間には後に圧縮室となる開放空間C1が形成され、
同じく外終端に近い壁体13bの内側面とその内方に位
置する壁体12bの外側面との間にも後に圧縮室となる
開放空間C1が形成され、開放空間C1には低圧室LR
から低圧の流体が流入する。
2だけ旋回し図8に示す状態に至る過程では、開放空間
C1が大きさを拡大しながらスクロール圧縮機構の中心
部に向けて進行し、開放空間C1に先行する圧縮室Cも
中心部に向けて進行し、漸次容積を減少させて流体を圧
縮する。
にπ/2だけ旋回し再び図5に示す状態に至る過程で
は、空間C1がさらに大きさを拡大しながらスクロール
圧縮機構の中心部に向けて進行し、空間C1に先行する
圧縮室Cも密閉状態を保ちながら中心部に向けて進行
し、漸次容積を減少させて流体を圧縮する。そして、図
5の状態に至ると、図8に示す圧縮室Cが図5に示す圧
縮室C0に相当し、図8に示す空間C1が図5に示す圧
縮室Cに相当することとなる。その後圧縮を続けること
により、圧縮室Cは最小容積となり、流体は圧縮室Cか
ら吐出される。
る。そして固定スクロール12が高圧の背圧を受けて旋
回スクロール13側に押し付けられ、また、シール部材
15においては、高圧の流体がU字部の内側に導入され
ることにより差圧で拡幅され、シール面が円筒フランジ
16,17の垂直面に向けて押圧されることにより高圧
室HRと低圧室LRのシールが行われる。
る。最大容積から最小容積に至る圧縮室Cの大きさの変
遷は、図5における圧縮室C→図7における圧縮室C→
図5における圧縮室C0→図8における圧縮室C0と見
なせる。ここで、それぞれの状態における圧縮室を展開
した形状を図9に示す。
は旋回軸方向の幅が途中で狭くなる異形の短冊状をな
す。その幅は、スクロール圧縮機構の外終端側では底面
12gから上縁12dまでの壁体12bの高さ(もしく
は底面13gから上縁13dまでの壁体13bの高さ)
にほぼ等しいラップ長Llとなり、中心部側では底面1
2fから上縁12dまでの高さ(もしくは底面13fか
ら上縁13dまでの壁体13bの高さ)にほぼ等しいラ
ップ長Ls(<Ll)となる。
方向の幅が途中で狭くなる異形の短冊状をなす。その幅
は、スクロール圧縮機構の外終端側ではラップ長Lsと
なり、中心部側では底面12fから上縁12cまでの高
さ(もしくは底面13fから上縁13cまでの壁体13
bの高さ)にほぼ等しいラップ長Lss(<Ls)とな
る。
圧縮室はその幅が均一のラップ長Lssとなる。そして
(d)に示すようにその長さが最小となることにより、
圧縮室は最小容積となる。
縮機においては、室温状態において、底面12fと上縁
13cとの間には、高さδ2の隙間21が形成され、底
面12gと上縁13dとの間には、高さδ1の隙間22
が形成され、さらに、これら隙間21,22の高さは、
δ2>δ1となるように設定されている。そして、本例
のスクロール圧縮機を運転させると、スクロールの中心
部ほど高温になり、壁体12b,13bの熱膨張量が大
きくなる。ここで、上記のようにδ2>δ1となってい
るから、中央部と外周部との膨張量の相違が相殺され、
膨張後においては隙間21、22の高さδ1’、δ2’
がともに適切な値となり、効率のよい圧縮を行うことが
できる。また、隙間21、22の高さは、あらかじめ壁
体12b,13bが熱膨張してもそれぞれ端板13a、
12aに接触しないように構成されているため、スクロ
ール圧縮機の運転時に壁体12b,13bと端板13
a、12aとが接触して旋回スクロール13の公転旋回
運動に支障をきたすことはない。
圧縮室の容積変化が、従来のように旋回面に平行な断面
積の減少のみによって引き起こされるのではなく、図9
に示したように旋回軸方向の幅の減少と断面積の減少と
によって相乗的に引き起こされる。したがって、壁体1
2b,13bを段付き形状とし、スクロール圧縮機構の
外終端寄りと中心部寄りとで壁体12b,13bのラッ
プ長を変化させ、圧縮室Cの最大容積を大きくしたり最
小容積を小さくしたりすることで、壁体どうしのラップ
長が一定である従来のスクロール圧縮機に比べて圧縮比
を向上させることができる。また、背圧を高圧室HRに
導入することで、固定スクロール12を旋回スクロール
13に押しつける。このため、チップシールを用いずと
も圧縮室Cのシールを行うことができる。
央部側での膨張量が大きいため、隙間21,22の高さ
は、δ2>δ1となるように設定した。一般に、壁体1
2b,13bが高いと、膨張による高さ方向の変位が大
きくなる。つまり、中心部側の壁体12b,13bは外
終端側の壁体12b,13bと比べて高さ寸法が小さい
ことから、同じ温度であれば中心側の方が熱膨張による
変位が小さい。したがって、段差部の中心部側と外終端
側の隙間21,22の高さは、これらの条件を考慮して
定めることができる。すなわち、壁体12b、13bが
段付き形状であるため、段に対して中央部側と外終端側
で壁体の高さを異ならせることができるため、中心部側
と外終端側の各壁体12b,13bの高さに応じ、各隙
間21,22の高さを同じに形成してもよいし、中心部
側の隙間21の高さが隙間22より小さくてもよい。
縁12e,13eが旋回スクロール13の旋回面に垂直
に形成され、これに対応して連結壁面12h,13hも
旋回面に垂直に形成されているが、連結縁12e,13
e、連結壁面12h,13hは互いの対応関係を守って
いれば旋回面に垂直である必要はなく、例えば旋回面に
対して傾斜するように形成しても構わない。また、連結
縁12e,13eは半円形をなしている必要はなく、い
かなる形状であってもよい。この場合、連結縁12e,
13eが描く包絡線は円弧とはならないので、連結壁面
12h、13hも円弧にはならなくなる。さらにまた、
段差部42,43の形成箇所もそれぞれ1箇所でなくて
もよく、それぞれ複数箇所に設けられていてよい。
ル圧縮機においては、以下の効果を有する。請求項1に
記載の発明においては、室温状態において、壁体の上縁
と前記一方の端板との間には隙間が設けられ、室温状態
における前記隙間の壁体高さ方向における寸法は、室温
状態からスクロール圧縮機運転状態にした場合における
前記他方の壁体の高さ方向膨張量より高く形成されてい
る。このため、スクロール圧縮機を運転させて壁体が熱
膨張しても、壁体の上縁は対向する端板に衝突しない。
したがって旋回スクロールの公転旋回運動を妨げること
がなく、圧縮効率の向上を実現することができる。
クロールの中心部ほど高温となるために壁体の熱膨張量
が大きくなるが、中心部側の隙間の高さが大きく形成さ
れているため、前記中心部側において壁体と端板とが衝
突することが防止されるとともに、段差部より中心部側
と外終端側のいずれにおいても、熱膨張後の隙間高さを
適切に形成させることができる。
圧縮機の全体構成を示す断面図である。
ール及び旋回スクロールの斜視図である。
に沿った断面図である。
合わせ状態を示す圧縮室の長さ方向に沿った断面図であ
り、(a)は室温状態、(b)は運転時を示す。
縮の過程を示す図である。
縮の過程を示す図である。
縮の過程を示す図である。
縮の過程を示す図である。
を示す図である。
スクロール及び旋回スクロールの斜視図である。
積時の圧縮室を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 端板の一側面に立設された渦巻き状の壁
体を有する固定スクロールと、 端板の一側面に立設された渦巻き状の壁体を有し、前記
各壁体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転旋
回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、 前記固定スクロールと旋回スクロールの少なくともいず
れか一方の端板には、前記一側面に、その高さが壁体の
渦に沿ってその中心部側で高く外終端側で低くなるよう
形成された段差部が設けられ、 前記固定スクロールと旋回スクロールのいずれか他方の
壁体の上縁は、前記端板の段差部に対応し、複数の部位
に分割されかつ該部位の高さが渦の中心部側で低く外終
端側で高くなる段付き形状とされたスクロール圧縮機に
おいて、 前記他方の壁体の上縁と前記一方の端板との間には隙間
が設けられ、室温状態における前記隙間の壁体高さ方向
における寸法は、室温状態からスクロール圧縮機運転状
態とした場合における前記他方の壁体の高さ方向膨張量
より高く形成されていることを特徴とするスクロール圧
縮機。 - 【請求項2】 請求項1に記載のスクロール圧縮機にお
いて、 前記段差部よりも渦に沿って中心部側に形成された前記
隙間の高さは、前記段差部よりも外終端側に形成された
前記隙間の高さより高いことを特徴とするスクロール圧
縮機。
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