JP2004076652A - スクロール型流体機械 - Google Patents
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- F04C18/0276—Different wall heights
Abstract
【解決手段】本発明は、固定側ラップ(15)と可動側ラップ(12)を互いに噛み合わせることで流体室(10)が形成されるスクロール型流体機械を対象とする。前記可動側ラップ(12)は、外周側端部から中心側端部へ向かって段階的に高さが低くなるように形成される。一方、前記固定側端板部(16)には、段階的に高さが変化する前記可動側ラップ(12)の先端と摺接するように膨出する膨出部(17)が形成されている。また、固定側端板部(16)の背面側には軸受け部(18)が形成されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール型流体機械に関し、特に階段状のラップを有するものに係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スクロール型流体機械は、冷凍機や空調機の圧縮機として利用されている。更に、特開2000−329079号公報には、いわゆる階段状ラップを用いて圧縮過程後半の圧縮室の容積を小さくし、必要な圧縮比を確保することで小型化を図ったスクロール型圧縮機が開示されている。
【0003】
図6に示すように、上記従来のスクロール型圧縮機は、固定スクロール(a)と旋回スクロール(b)を備えている。固定スクロール(a)と旋回スクロール(b)には、インボリュート曲線を描く渦巻き状のラップ(c)が設けられる。前記固定スクロール(a)のラップ(c)は、渦巻壁の中心部付近において高さの低い段差部(d)となっている。一方、旋回スクロール(b)の鏡板面(e)は、渦巻溝の中心部領域において、前記段差部(d)の先端と当接するように高く形成されている。
【0004】
この高く形成された鏡板面(e)の背面側には、旋回スクロール(b)の背面側に開口し、鏡板側で有底状の円筒部(f)が形成されている。この円筒部(f)の内側には、軸受け(k)が形成されている。この軸受け(k)には、駆動軸(g)の端部に形成された偏心部(h)が旋回スクロール(b)の背面側から挿入されている。
【0005】
このスクロール型圧縮機は、以下のように作動する。電動機から駆動軸(g)を介して旋回スクロール(b)に動力が伝達され、旋回スクロール(b)が公転運動をする。 旋回スクロール(b)の公転運動に伴い、固定スクロール(a)と旋回スクロール(b)との間に区画される圧縮室(i)に、流体が流入する。そして、旋回スクロール(b)の回転に伴って圧縮室(i)の容積が次第に減少し、圧縮室(i)内の流体が圧縮される。
【0006】
このようにラップ(c)が段差部(d)で階段状に形成されているため、ラップの高さが一定の一般的なスクロール型流体機械圧縮機に比べると、吐出直前の圧縮室(i)の容積は大幅に減少する。従って、一般的な圧縮機と比較して、上記スクロール型圧縮機はラップ(c)の巻き数が同じであっても、圧縮比を大幅に向上させることができる。一方、一般的な圧縮機と同等の圧縮比を得る場合、上記スクロール型圧縮機は、より巻数の少ないラップ(c)で目的の圧縮比を達成することができる。このようにラップ(c)の巻数の少ない小径の固定スクロール(a)と旋回スクロール(b)を使用できるため、一般的な圧縮機に比べて上記スクロール圧縮機は、小型化が図れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記スクロール型圧縮機において、次のような問題が生じていた。ここでは、その問題点について説明する。
【0008】
上記スクロール型圧縮機の旋回スクロール(b)には、背面側から固定スクロール(a)側へ膨出する円筒部(f)が形成されている。この円筒部(f)の外周面は、固定側ラップとの間に流体室(i)を区画する。従って、圧縮機の駆動中、円筒部(f)には高いガス荷重が直接作用することになる。このように高いガス荷重を直接受けた円筒部(f)は、変形してしまうおそれがある。
【0009】
一方、円筒部(f)は、挿入された偏心部(h)の軸受け(k)を兼ねている。そして、軸受け(k)と偏心部(h)が対向して形成する隙間には、通常潤滑油の油膜が形成されている。軸受け(k)と偏心部(h)との良好な摺動を維持するためには、軸受け(k)と偏心部(h)との隙間を一定に保ち、油膜切れの発生を防ぐ必要がある。
【0010】
しかし、上記スクロール型圧縮機において、ガス荷重により円筒部(f)が変形すると、この間隔が一定に保てず油膜切れを生じる。油膜切れが生じると、偏心部(h)は軸受け(k)に接した状態で回転することとなり、過度の摩擦などが原因で軸受け(k)がの破損するおそれがあった。
【0011】
また、図7に示すように、円筒部(f)は周方向の肉厚が不均一である。そのため、軸受け荷重を受けたときの円筒部(f)の変形量が不均一となる。この場合においても軸受け(k)と偏心部(h)との隙間に油膜切れが生じ、軸受け(k)の破損につながるおそれがあった。
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高効率で小径化が可能なスクロール型流体機械の軸受け部の破損を防止し、その信頼性を向上させることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、固定側端板部(16)に渦巻き状の固定側ラップ(15)が立設される固定スクロール(14)と、可動側端板部(13)に渦巻き状の可動側ラップ(12)が立設される可動スクロール(11)とを備え、固定側ラップ(15)と可動側ラップ(12)を互いに噛み合わせることで流体室(10)が形成されるスクロール型流体機械(1)を対象とする。
前記可動側ラップ(12)は、外周側端部から中心側端部へ向かって段階的に高さが低くなるように形成される。一方、前記固定側端板部(16)には、前記可動側ラップ(12)の先端と摺接するように段階的に膨出する膨出部(17)が形成されている。また、可動側端板部(13)の背面側には、回転軸(3)の端部を挿入するための軸受け部(18)が形成されている。
【0014】
請求項2の発明は、固定側端板部(16)に渦巻き状の固定側ラップ(15)が立設される固定スクロール(14)と、可動側端板部(13)に渦巻き状の可動側ラップ(12)が立設される可動スクロール(11)とを備え、固定側ラップ(15)と可動側ラップ(12)を互いに噛み合わせることで流体室(10)が形成されるスクロール型流体機械(1)を対象とする。
前記可動側ラップ(12)における中心側端部から所定長さに亘る部分は、該可動側ラップ(12)の外周側端部よりも高さの低い低壁部(36)を構成する。一方、前記固定側端板部(16)には、前記可動側ラップ(12)の低壁部(36)の先端と摺接するように膨出する膨出部(17)が形成されている。また、可動側端板部(13)の背面側には、回転軸(3)の端部を挿入するための軸受け部(18)が形成されている。
【0015】
−作用−
本発明に係るスクロール型流体機械(1)では、固定側端板部(16)、固定側ラップ(15)、可動側端板部(13)及び可動側ラップ(12)によって流体室(10)が形成される。 本発明に係るスクロール型流体機械(1)が圧縮機として用いられる場合、流体室(10)は圧縮室として機能し、スクロール型流体機械(1)が膨張機として用いられる場合、流体室(10)は膨張室として機能する。
【0016】
本発明に係るスクロール型流体機械(1)が圧縮機として用いられる場合、電動機等からの動力が、回転軸(3)によって可動側端板部(13)の背面側に形成された軸受け部(18)に伝達され、可動スクロール(11)が回転する。固定側端板部(16)、固定側ラップ(15)、可動側端板部(13)及び可動側ラップ(12)で区画される流体室(10)は、可動スクロール(11)の回転に従い、徐々に容積を減少させる。流体室(10)に閉じ込められた流体は、流体室(10)の容積の減少に伴い圧縮されてゆく。この場合、軸受け部(18)は圧縮された流体から直接ガス荷重を受けることはない。
【0017】
請求項1に係るスクロール型流体機械(1)では、可動側ラップ(12)の高さが低く形成された領域において、前記固定側端板部(16)には、該可動側ラップ(12)の先端と摺接するように膨出する膨出部(17)が形成される。該膨出部(17)は、可動側ラップ(12)の高さが低くなる段数に対応して形成される。可動側ラップ(12)の高さが低くなった領域では、可動側端板部(13)、可動側ラップ(12)、固定側ラップ(15)及び膨出部(17)によって流体室(10)が形成される。この可動側ラップ(12)の高さが低くなった領域において、流体室(10)の容積は、可動側ラップ(12)の高さが一定とした場合に形成される流体室の容積に比べて小さくなる。
【0018】
請求項2に係るスクロール型流体機械(1)では、可動側ラップ(12)の低壁部(36)が構成される領域において、前記固定側端板部(16)に膨出部(17)が形成される。この膨出部(17)は、前記可動側ラップ(12)の低壁部(36)の先端と摺接するように膨出する。低壁部(36)が形成される領域では、可動側端板部(13)、固定側ラップ(15)、低壁部(36)及び膨出部(17)によって流体室(10)が形成される。この低壁部(36)が形成される領域において、流体室(10)の容積は、可動側ラップ(12)の高さが一定とした場合に形成される流体室の容積に比べて小さくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態のスクロール型流体機械(1)は、空調機の圧縮機を構成している。
【0020】
《スクロール型流体機械の構成》
図1に示すように、圧縮機として使用されるスクロール型流体機械(1)は、縦長で円筒形の密閉容器であるケーシング(5)の内部に、圧縮機構(2)と、電動機(7)と下部主軸受(8)を収納したものである。また、スクロール型流体機械(1)のケーシング(5)には、吸入ポート(22)及び吐出ポート(23)が設けられている。
【0021】
上記ケーシング(5)の内部には、その高さ方向の中央部よりもやや上方にフレーム(6)が設けられている。このフレーム(6)により、ケーシング(5)の内部空間は、フレーム(6)の上側の上部空間(24)と、フレーム(6)の下側の下部空間(25)とに区画される。そして、ケーシング(5)内の上部空間(24)に圧縮機構(2)が設置され、その下部空間(25)に電動機(7)及び下部主軸受(8)が設置されている。また、下部空間(25)において、電動機(7)は下部主軸受(8)の上方に配置されている。
【0022】
上記電動機(7)は、ステータ(71)とロータ(72)とを備えている。ステータ(71)は、上記ケーシング(5)に固定されている。ロータ(72)は、ステータ(71)の内側に配置されている。また、ロータ(72)には、該ロータ(72)と同軸に貫通した状態で回転軸(3)が固定されている。この回転軸(3)の下端部は、下部主軸受(8)により回転自在に支持されている。また、回転軸(3)の上端部は、圧縮機構(2)に連結されている。
【0023】
図2にも示すように、圧縮機構(2)は、固定スクロール(14)と可動スクロール(11)とを備えている。また、上記フレーム(6)は、ケーシング(5)内を上下に仕切るだけでなくこの圧縮機構(2)をも構成している。
【0024】
上記固定スクロール(14)は、固定側端板部(16)と、該固定側端板部(16)の下面側へ突出する渦巻き状の固定側ラップ(15)とを備えている。固定スクロール(14)の固定側端板部(16)はフレーム(6)に固定されている。一方、可動スクロール(11)は、可動側端板部(13)と、該可動側端板部(13)の上面側へ突出する渦巻き状の可動側ラップ(12)とを備えている。そして、固定スクロール(14)と可動スクロール(11)とは互いに対向する姿勢で配置され、固定側ラップ(15)と可動側ラップ(12)が噛み合うことで流体室(10)が形成される。
【0025】
上記可動スクロール(11)の可動側端板部(13)の背面側には、円筒状の軸受け部(18)が形成されている。また、可動側端板部(13)の中心部であって、軸受け部(18)の内側には、冷媒の吐出口(21)が形成されている。この吐出口(21)は、各ラップの中心側端部に形成される流体室(10)と連通するように、可動側端板部(13)を貫通して形成されている。ケーシング(5)の頂部付近には、圧縮機構(2)へ冷媒を導入するための吸入ポート(22)が設けられている。固定側ラップ(15)の外周側には、冷媒の吸入口(20)が形成されている。この吸入口(20)には、前記吸入ポート(22)が接続されている。
【0026】
上記可動側端板部(13)の背面側には、中央部から下方へ突出した円筒状の軸受け部(18)が形成されている。この軸受け部(18)には、回転軸(3)の上端部に形成された偏心部(4)が回転自在に嵌め込まれている。この偏心部(4)の軸心は、回転軸(3)の軸心から可動スクロールの公転半径に等しい距離だけ偏心している。
【0027】
本実施形態に係る圧縮機構(2)は、オルダムリング(9)を備える。このオルダムリング(9)は、可動スクロール(11)の自転を規制するためのものである。オルダムリング(9)には、図示はしないが、その裏表に90°位相のずれた2対の突起が形成されている。それら2対の突起のうち、1対の突起は可動スクロール(11)の可動側端板部(13)の背面に形成された溝に摺動可能に挿入され、他の1対の突起はフレーム(6)に形成された溝に摺動可能に挿入される。このように構成されることにより、可動スクロール(11)は、自転することなく公転運動する。この可動スクロール(11)の公転半径は、回転軸(3)の偏心部(4)の偏心量と等しい。
【0028】
図3に示すように、圧縮機構(2)のラップの長さに関し、本実施形態に係る固定側ラップ(15)と可動側ラップ(12)とは、いわゆる非対称渦巻状に形成されている。 つまり、可動側ラップ(12)は、中心側端部から2巻と1/4の長さに形成されており、固定側ラップ(15)は、その中心側端部から1巻と3/4の長さに形成されている。そして、このように形成された可動側ラップ(12)と固定側ラップ(15)を互いの位相が180°ずれた位置で噛み合わせることにより、複数の流体室(10)が形成される。
【0029】
図4に示すように、本実施形態において前記可動側ラップ(12)は、段差部(30)で外周側端部から中心側端部へ向かって1段階高さが低くなる階段状に形成される。具体的には、可動側ラップ(12)は、その外周側端部から1巻と1/4の領域では、可動側端板部(13)と固定側端板部(16)との間隔に等しい高さに形成されている。段差部(30)から中心側端部へ続く1巻の領域では、ラップの高さが外周側端部の約1/2となっており、この部分が低壁部(36)を構成している。
【0030】
図5に示すように、固定側端板部(16)の中心側端部の近傍に、可動側ラップ(12)の低壁部(36)の先端と摺接できるように膨出する膨出部(17)が形成されている。すなわち、固定側ラップ(15)の中心側端部から1巻と1/2の領域に沿う部分は、固定側端板部(16)が固定側ラップ(15)の先端側へ向かって膨出しており、この部分が膨出部(17)を構成している。膨出部(17)の上面は、可動側ラップ(12)の低壁部(36)の先端が摺接するように固定側端板部(16)と平行な平面状に形成されている。該膨出部(17)の外周側端部には、前記可動側ラップ(12)の段差部(30)が摺接する半円筒状の段差壁面(37)が形成される。この半円筒状部分の半径は、可動スクロール(11)の旋回半径と可動スクロール(11)の歯厚の半分との和にほぼ等しい。該膨出部(17)の背面側は中実に形成されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、前記回転軸(3)の内部には、流体流通路(19)が形成されている。この流体流通路(19)は、一端側が偏心部(4)の上端面で開口し、他端側が回転軸(3)の側面のうち電動機(7)のロータ(72)より下方の部分に開口している。該偏心部側の開口部(41)には、流体流通路(19)の径よりもやや大きい径を有する円筒状の座部(42)が形成されている。座部(42)の内側には、スプリング(43)及び該スプリング(43)を押し縮めるように円管状のシール部材(44)が収納される。シール部材(44)の径は、吐出口(21)の径よりも大きく設定される。
【0032】
偏心部を前記可動スクロール(11)の軸受け部(18)に係合させた状態において、座部(42)からスプリング(43)により押し上げられたシール部材(44)の先端面は、前記吐出口(21)を覆うように可動側端板部(13)の背面に当接する。
【0033】
《圧縮機構の動作》
本実施形態に係る圧縮機構(2)の動作について、図1乃至図3に基づき説明する。
【0034】
可動スクロール(11)は、軸受け部(18)に係合する回転軸(3)の偏心部(4)から動力を得て公転運動を行う。固定スクロール(14)の外周壁(31)、可動側ラップ(12)の外側壁(32)、固定側端板部(16)及び可動側端板部(13)で区画された流体室(10)は、可動側ラップ(12)が図3の反時計回りに公転するのに伴い、内側に移動するとともに容積を減少させてゆく。この間、可動側ラップ(12)の高さが可動側端板部(13)と固定側端板部(16)との間隔と同じ領域では、流体室(10)に閉じ込められた冷媒はほぼ一定の割合で圧縮を受け続ける。
【0035】
流体室(10)が更に内側へ移動すると、固定側ラップ(15)の内側壁(34)、低壁部(36)の外側壁(32)、膨出部(17)及び可動側端板部(13)によって形成された流体室(10)にさしかかる。この段階で、可動側ラップ(12)の高さが約1/2に低くなり、且つ膨出部(17)が膨出しているため、流体室(10)の容積は大幅に減少することになる。そのため、流体室(10)内の冷媒は、急激に圧縮されて流体室(10)内の圧力も急増する。その後、流体室(10)内の冷媒が再びほぼ一定の割合で圧縮されてゆく。
【0036】
更に可動スクロール(11)の公転運動が進むと、やがて流体室(10)が吐出口(21)に連通する。流体室(21)内の高圧冷媒は、吐出口(21)から吐出される。吐出された冷媒は、偏心部(4)の上端面に開口する流体流通路(19)へ流入する。流体流通路(19)に流入した冷媒は、該流体流通路(19)を通って下部空間(25)に流出する。下部空間(25)に流出した冷媒は、ケーシング(5)に設けられた吐出ポート(23)から冷媒回路へ送り出され、冷媒回路において凝縮、膨張、蒸発の各行程を行った後、再度吸入ポート(22)から吸入されて圧縮される。
【0037】
−実施形態の効果−
本実施形態において、低壁部(36)及び膨出部(17)により形成される流体室(10)の容積は、通常のスクロール型圧縮機の流体室に比べて小さい。従って、必要な圧縮比を確保しながらラップの巻数を減らすことができる。そのため、スクロール型圧縮機全体の小型化を実現することができる。
【0038】
更に、本実施形態では、可動スクロール(11)の軸受け部(18)が可動側端板部(13)の背面側に形成されており、上記従来技術のように、軸受けを構成する円筒部が流体室を区画することがない。従って、本実施形態に係るスクロール型圧縮機(1)において、軸受け部(18)は流体室(10)内の流体から直接ガス加重を受けることがないため変形するおそれもない。よって、本実施形態に係るスクロール型圧縮機(1)は、軸受け部(18)の内周面と偏心部(4)との隙間を一定に保つことができる。そのため、軸受け部(18)の摺動部分に油膜切れが発生することがない。
【0039】
また、本実施形態に係るスクロール型圧縮機(1)は、軸受け部(18)の肉厚を周方向で均一にすることができる。そのため、軸受け荷重を受けたときの軸受け部(18)の変形量を均一化でき、軸受け部(18)の不均一な変形による油膜切れの発生を防止できる。
【0040】
従って、本実施形態によると軸受け部(18)と偏心部(4)との摺動が良好に保たれ、軸受け部(18)の破損が防止でき、スクロール型圧縮機の信頼性を向上させることができる。
【0041】
−変形例−
本実施形態の変形例として、可動側ラップ(12)に2段以上の低壁部(36)を設けることも可能である。すなわち、可動側ラップ(12)の外周側端部から中心側端部にかけて、段階的に高さの低くなる複数段の低壁部(36)を形成することができる。 この場合、固定側端板部(16)には、可動側ラップ(12)の先端と摺接するように段階的に膨出する膨出部(17)が形成される。
【0042】
このように構成されることにより、可動側ラップ(12)の高さが低くなるに従い、流体室(10)の容積が小さくなる。このため、必要な圧縮比を確保しながらラップの巻数を更に減らすことができ、スクロール型圧縮機全体を更に小型化することができる。
【0043】
尚、本発明に係るスクロール型流体機械は、膨張機として使用することも可能である。この場合、膨張機構を小型化することができるとともに、流体から効率よく動力を回収することができる。更に、軸受け部(18)が可動側端板部(13)の背面側に形成されているため、軸受け部(18)の破損を防止することができ、スクロール型膨張機の信頼性を向上させることができる。
【0044】
【発明の効果】
このように、本発明に係るスクロール型流体機械(1)は、スクロール型流体機械の小型化を実現できるとともに、その信頼性を向上させることができる。
【0045】
請求項1の発明によれば、外周側端部から中心部に向かって段階的に可動側ラップ(12)の高さが低くなるように形成される一方、固定側端板部(16)には可動側ラップ(12)の先端と摺接するように段階的に膨出する膨出部(17)が形成されている。そのため、通常の流体機械よりも流体室(10)の容積を小さくすることができるため、同等の圧縮比、又は膨張比を確保しながらラップの巻数を減らすことができる。従って、従来の流体機械に比べて、本発明に係るスクロール型流体機械(1)は、スクロール型流体機械全体の小型化を実現することができる。
【0046】
特に、可動側ラップ(12)の高さが複数段にわたり低くなるように形成されるとともに、固定側端板部(16)の膨出部(17)も可動側ラップの高さに対応して複数段形成される場合には、スクロール型流体機械(1)の更なる小型化が実現できる。
【0047】
更に、本発明に係るスクロール型流体機械(1)は、可動側端板部(13)の背面側に軸受け部(18)が形成されている。そのため、前記従来の階段状スクロール圧縮機のように、軸受け部が流体から直接ガス荷重を受けて変形するおそれもない。また、本発明に係るスクロール型流体機械(1)は、軸受け部(18)の肉厚を均一にすることができるため、軸受け荷重による軸受け部(18)の変形量を均一化できる。
【0048】
従って、本発明に係るスクロール型流体機械(1)において、軸受け部(18)の内周面と偏心部(4)の間隔が適切に保たれ、潤滑油の油膜切れが発生することもなく両者の摺動が良好に保たれる。よって、スクロール型流体機械の信頼性を向上させることができる。
【0049】
請求項2の発明によれば、可動側ラップ(12)における中心側端部から所定長さに亘る部分は、可動側ラップ(12)の外周側端部よりも高さの低い低壁部(36)として形成される一方、固定側端板部(16)には、低壁部(36)の先端と摺接するように膨出する膨出部(17)が形成されている。
【0050】
そのため、通常の流体機械よりも流体室の容積を小さくすることができ、同等の圧縮比、又は膨張比を確保しながらラップの巻数を減らすことができる。従って、従来の流体機械に比べて、本発明に係るスクロール型流体機械(1)は、スクロール型流体機械全体の小型化を実現することができる。
【0051】
更に、本発明に係るスクロール型流体機械(1)は、可動側端板部(13)の背面側に軸受け部(18)が形成されている。そのため、前記従来の階段状スクロール圧縮機のように、軸受け部が流体から直接ガス荷重を受けて変形するおそれもない。また、本発明に係るスクロール型流体機械(1)は、軸受け部(18)の肉厚を均一にすることができるため、軸受け荷重による軸受け部(18)の変形量を均一化することができる。
【0052】
従って、本発明に係るスクロール型流体機械(1)において、軸受け部(18)の内周面と偏心部(4)の間に潤滑油の油膜切れが発生することもなく、両者の摺動が良好に保たれる。よって、スクロール型流体機械(1)の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る圧縮機の概略断面図である。
【図2】実施形態に係る圧縮機構の概略断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】実施形態に係る可動側ラップの形状を示す平面図である。
【図5】実施形態に係る固定側ラップの形状を示す平面図である。
【図6】従来の階段状スクロール圧縮機の要部断面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【符号の説明】
(11) 可動スクロール
(12) 可動側ラップ
(13) 可動側端板部
(14) 固定スクロール
(15) 固定側ラップ
(16) 固定側端板部
(17) 膨出部
(18) 軸受け部
Claims (2)
- 固定側端板部(16)に渦巻き状の固定側ラップ(15)が立設された固定スクロール(14)と、可動側端板部(13)に渦巻き状の可動側ラップ(12)が立設された可動スクロール(11)とを備え、固定側ラップ(15)と可動側ラップ(12)を互いに噛み合わせることで流体室(10)が形成されるスクロール型流体機械(1)であって、
前記可動側ラップ(12)は、外周側端部から中心側端部へ向かって段階的に高さが低くなるように形成される一方、
前記固定側端板部(16)には、前記可動側ラップ(12)の先端と摺接するように段階的に膨出する膨出部(17)が形成され、
該可動側端板部(13)の背面側には、回転軸(3)の端部を挿入するための軸受け部(18)が形成されているスクロール型流体機械。 - 固定側端板部(16)に渦巻き状の固定側ラップ(15)が立設された固定スクロール(14)と、可動側端板部(13)に渦巻き状の可動側ラップ(12)が立設された可動スクロール(11)とを備え、固定側ラップ(15)と可動側ラップ(12)を互いに噛み合わせることで流体室(10)が形成されるスクロール型流体機械(1)であって、
前記可動側ラップ(12)における中心側端部から所定長さに亘る部分は、該可動側ラップ(12)の外周側端部よりも高さの低い低壁部(36)を構成する一方、
前記固定側端板部(16)には、前記可動側ラップ(12)の低壁部(36)の先端と摺接するように膨出する膨出部(17)が形成され、
該可動側端板部(13)の背面側には、回転軸(3)の端部を挿入するための軸受け部(18)が形成されているスクロール型流体機械。
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