JP6008516B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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本発明は、固定スクロールの中心部位に圧縮された高圧ガスを吐き出す吐出ポートが設けられているスクロール圧縮機に関するものである。
スクロール圧縮機は、端板上に渦巻き状ラップが立設されている一対の固定スクロールおよび旋回スクロールを備えており、両スクロールを噛み合わせることによって形成される圧縮室を、旋回スクロールの公転旋回運動に伴い外周位置から中心側へと容積を減少させながら移動させることにより冷媒ガスを圧縮し、その高圧ガスを固定スクロールの中心部位に設けられている吐出ポートから吐出チャンバーに吐き出すように構成されている。
スクロール圧縮機は、上記したように、旋回スクロールの旋回駆動に伴って圧縮室が順次中心側に移動されつつ容積が減少されて行く構成とされており、吸入締切り時に両スクロールの最外周位置に形成される最大圧縮室容積と、固定スクロールと旋回スクロールの噛み合いが外れる直前の最小圧縮室容積との比で定義される設計容積比(圧力比)を有している。この設計容積比は、大きくした方が損失を小さくできるため、効率を高くすることができる。
設計容積比を大きくするには、固定スクロールおよび旋回スクロールの渦巻き状ラップの巻き数を増やす手法を採るのが一般的であるが、それ以外にも、特許文献1に示されているように、吐出ポートを小径化することによって、最小圧縮室容積を可及的に小さくする手法が採用されることがある。
特許第3629836号公報
しかしながら、上記の如く、固定スクロールおよび旋回スクロールの渦巻き状ラップの巻き数を増やすことは、圧縮機を大型化することであり、好ましくない。一方、吐出ポートを小径化することにより、圧縮機を大型化することなく、設計容積比は大きくすることができる。つまり、吐出ポートの小径化により、固定スクロールと旋回スクロールの噛み合いが外れる直前の最小圧縮室容積を可及的に小さくできることから、巻き数を増やさなくても設計容積比を大きくすることができる。しかし、この場合、吐出ポートの流路断面積が縮小し、圧力損失が増加するため、入力の増加を招くという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、渦巻き状ラップの巻き数を増やしたり、吐出ポートの径を小さくしたりすることなく、設計容積比を大きくすることによって、小型高性能化を図ったスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるスクロール圧縮機は、端板上に渦巻き状ラップが立設されている一対の固定スクロールおよび旋回スクロールが噛み合わされて圧縮室が形成され、該圧縮室で圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出ポートが前記固定スクロールの中心部位に設けられているスクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの渦巻き状ラップの内周端部の背側壁に、該背側壁が前記吐出ポートを横切って中心側の圧縮室の1つ外側の圧縮室を吐出ポートに連通するタイミングを遅らせる出っ張り壁が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、旋回スクロールの渦巻き状ラップの内周端部の背側壁に、該背側壁が固定スクロールに設けられている吐出ポートを横切って中心側の圧縮室の1つ外側の圧縮室を吐出ポートに連通するタイミングを遅らせる出っ張り壁が設けられているため、出っ張り壁によって中心側の圧縮室の1つ外側の圧縮室が吐出ポートと連通するタイミングを遅らせることができる分だけ、最小圧縮室容積を小さくし、それに相応して設計容積比を大きくすることができる。従って、渦巻き状ラップの巻き数を増やしたり、吐出ポートの径を小さくしたりすることなく、設計容積比を大きくすることが可能となり、スクロール圧縮機を小型化、高効率化することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上記のスクロール圧縮機において、前記出っ張り壁は、前記吐出ポートの形状に沿った形状とされていることを特徴とする。
本発明によれば、出っ張り壁が、吐出ポートの形状に沿った形状とされているため、一般に円形ポートとされる吐出ポートの形状に合わせた円弧形状の出っ張り壁とすることによって、必要最小限の出っ張りで効果的に吐出ポートに対する連通タイミングを遅らせることができる。従って、材料費や重さを微増に抑えながら設計容積比を大きくし、スクロール圧縮機を小型高性能化することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述のいずれかのスクロール圧縮機において、前記出っ張り壁は、前記渦巻き状ラップと別部品とされ、該渦巻き状ラップに一体に組み付け可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、出っ張り壁が、渦巻き状ラップと別部品とされ、該渦巻き状ラップに一体に組み付け可能とされているため、出っ張り壁を渦巻き状ラップと一体に成形・切削加工する以外にも、出っ張り壁を別部品として加工し、それをインボリュート曲線によって成形・切削加工される通常の渦巻き状ラップの内周端部の背側壁に、例えば嵌め込み方式等で一体に組み付けることによっても構成することができる。従って、出っ張り壁を有する旋回スクロールを製造する際の選択肢を拡げることができ、状況に適合した方法を採用することが可能となる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述のいずれかのスクロール圧縮機において、前記固定スクロールの渦巻き状ラップには、前記旋回スクロールの渦巻き状ラップに設けられた前記出っ張り壁に対応して、該出っ張り壁が噛み合う範囲の腹側壁に凹み壁が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、固定スクロールの渦巻き状ラップに、旋回スクロールの渦巻き状ラップに設けられた出っ張り壁に対応して、該出っ張り壁が噛み合う範囲の腹側壁に凹み壁を設けているため、旋回スクロール側に設けられている出っ張り壁を、固定スクロールの渦巻き状ラップの腹側壁に設けられている凹み壁と噛み合わせて旋回させることにより、旋回スクロールを正常に旋回させ、圧縮動作を行わせることができる。従って、渦巻き状ラップを出っ張り壁および凹み壁を設けたプロファイルに変えるだけで、渦巻き状ラップの巻き数を増やしたり、吐出ポートの径を小さくしたりすることなく、簡易に設計容積比を大きくすることができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述のいずれかのスクロール圧縮機において、前記出っ張り壁および/または前記凹み壁は、前記渦巻き状ラップの背側壁および/または腹側壁と滑らかな円弧で接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、出っ張り壁および/または凹み壁が、渦巻き状ラップの背側壁および/または腹側壁と滑らかな円弧で接続されているため、固定スクロールの渦巻き状ラップと旋回スクロールの渦巻き状ラップとを、出っ張り壁、凹み壁および円弧に沿って滑らかに噛み合わせて旋回させることができるとともに、出っ張り壁、凹み壁および円弧を含む渦巻き状ラップをエンドミルで容易に加工することができる。従って、渦巻き状ラップのプロファイルを変える以外に、構成や加工法等を変更することなく、容易にスクロール圧縮機の設計容積比を大きくすることができる。
本発明によると、出っ張り壁によって中心側の圧縮室の1つ外側の圧縮室が吐出ポートと連通するタイミングを遅らせることができる分だけ、最小圧縮室容積を小さくし、それに相応して設計容積比を大きくすることができるため、渦巻き状ラップの巻き数を増やしたり、吐出ポートの径を小さくしたりすることなく、簡単に設計容積比を大きくすることが可能となり、スクロール圧縮機を小型化、高効率化することができる。
本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 図1に示すスクロール圧縮機の吐出ポート周りの両スクロールの噛み合い状態図(A)と、その比較例図(B)である。 本発明の第2実施形態に係るスクロール圧縮機の旋回スクロールの渦巻き状ラップ内周端部の拡大図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1および図2を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図が示され、図2には、その吐出ポート周りの両スクロールの噛み合い状態図が示されている。
本実施形態では、密閉型のスクロール圧縮機1に適用した例について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。密閉型のスクロール圧縮機1は、円筒状の上下方向に長い有底の密閉ハウジング2を備えている。密閉ハウジング2の上部は、ディスチャージカバー3および上部カバー4により密閉されており、このディスチャージカバー3と上部カバー4間に、吐出チャンバー5が形成されている。
密閉ハウジング2内には、上方部位に上部軸受部材(フレーム部材)6が固定設置されており、上部軸受部材6を介してスクロール圧縮機構7が設置されるとともに、その下方部位に固定子8および回転子9からなる電動モータ10が、固定子8を密閉ハウジング2に固定することにより設置されている。この電動モータ10の回転子9には、クランク軸11が固定され、該クランク軸11の上端には、軸心が所定寸法だけ偏心されているクランクピン12が設けられており、該クランクピン12をスクロール圧縮機構7に連結することによって、スクロール圧縮機構7が駆動可能とされている。
クランク軸11は、上部軸受部材6のジャーナル軸受部6Aに上方部が回転自在に支持されるとともに、下端部が密閉ハウジング2の下方部位に設けられているジャーナル下部軸受13により回転自在に支持されている。この下部軸受13とクランク軸11の下端部との間には、容積型給油ポンプ14が設けられ、密閉ハウジング2の底部に充填されている潤滑油15を、吸入パイプ16を介して吸い込み、クランク軸11内に軸方向に沿って穿設されている給油穴17に吐出するように構成されている。潤滑油15は、給油穴17を介して上部軸受部材6、スクロール圧縮機構7および下部軸受13等の所要箇所に給油されるようになっている。
スクロール圧縮機構7は、上部軸受部材6を構成部品の1つとし、その上部軸受部材6上に固定設置される固定スクロール18と、上部軸受部材6のスラスト軸受部6B上に摺動自在に支持され、固定スクロール18と噛み合わされることによって圧縮室20を形成する旋回スクロール19と、上部軸受部材6と旋回スクロール19との間に介在され、旋回スクロール19の自転を阻止し、公転旋回運動を許容するオルダムリング等の自転阻止機構21と、クランク軸11のクランクピン12と旋回スクロール19の背面ボスとの間に設けられ、旋回スクロール19にクランク軸11の回転力を伝達するドライブブッシュ22および旋回軸受23等とから構成され、固定スクロール18の端板中央部がディスチャージカバー3に嵌合された状態で上部軸受部材6上に設置されている。
スクロール圧縮機構1は、吸入配管24を介して密閉ハウジング2(低圧ハウジング)内に吸い込まれた冷媒ガスを、密閉ハウジング2内に開口されている吸入口25から圧縮室20内に吸い込み、圧縮する構成とされている。この圧縮ガスは、固定スクロール18の中心部位に設けられている吐出ポート26およびディスチャージカバー3に設けられている吐出弁27を経て吐出チャンバー5に吐出され、更に吐出チャンバー5に接続されている吐出配管28を経てスクロール圧縮機1の外部へと送出されるようになっている。
固定スクロール18および旋回スクロール19は、各々円板形状をなす端板18A,19Aの一面に、インボリュート曲線によって形成される渦巻き状ラップ18B,19Bが立設されたものであり、公知の如く、その中心を旋回半径分だけ離し、渦巻き状ラップ18B,19B同士を対向させ、位相を180度ずらした状態で噛み合わせることにより一対の圧縮室20が形成されるように組み付けられている。
一対の圧縮室20は、固定スクロール18および旋回スクロール19の最外周位置に形成された吸入締切り時の圧縮室20が、旋回スクロール19の公転旋回駆動と伴い容積が減少されながら中心側へと移動され、図2に示されるように、中心部で固定スクロール18および旋回スクロール19の噛み合いが外れて1つの中心側圧縮室20Aに合流される動作を連続的に繰り返すことにより圧縮動作されるように構成されている。このようにして圧縮された高圧ガスは、固定スクロール18の中心部位に設けられている吐出ポート26から吐出弁27を経て吐出チャンバー5内に吐き出されるようになっている。
本実施形態において、吐出ポート26は、図2に示されるように、固定スクロール18の中心部位において、渦巻き状ラップ18Bの腹側壁に接するように設けられた円形ポートにより構成されている。吐出ポート26の位置、径等は、設計容積比、圧力損失、ポート容積による再圧縮ロス等を加味して決定されている。
一般的には、渦巻き状ラップ18B,19Bのラップ巻き始め角に対応する点、すなわちインボリュート曲線の基礎円上の基点を開始位置としたインボリュート曲線上の或る伸開点までの角度である伸開角に対応する点において、他方のスクロールの渦巻き状ラップ18B,19Bの内側壁から離れて(伸開角に対応する点では接触)中心側圧縮室20Aと1つ外側の圧縮室20とが連通するタイミングで、旋回スクロール19の渦巻き状ラップ19Bの背側壁が吐出ポート26を横切り、中心側圧縮室20Aの1つ外側の圧縮室20と連通される位置に設けられている(図2(B)において、出っ張り壁30および凹み壁31がない状態を参照)。
このため、伸開角を小さくし、それに対応する点が渦巻き状ラップの内側壁から離れて噛み合いが外れる位置をずらしたとしても、吐出ポート26を小さくしない限り、設計容積比を大きくすることができない。そこで、本実施形態では、吐出ポート26の径を小さくしたり、渦巻き状ラップ18B,19Bの巻き数を増やしたりすることなく、設計容積比を大きくするため、図2(A)に示されるように、旋回スクロール19の渦巻き状ラップ19Bの内周端部の背側壁に、その背側壁が吐出ポート26を横切って中心側の圧縮室20Aの1つ外側の圧縮室20を吐出ポート26に連通するタイミングを遅らせる出っ張り壁30を設けた構成としている。
この出っ張り壁30は、円形形状のポートである吐出ポート26に沿った円弧形状とすることができる。また、上記の如く、旋回スクロール19側の渦巻き状ラップ19Bの内周端部の背側壁に、出っ張り壁30を設けたことにより、この出っ張り壁30との干渉を避けるため、固定スクロール18側の渦巻き状ラップ18Bの内周端部の腹側壁に、その出っ張り壁30に対応して該出っ張り壁30が噛み合う範囲に凹み壁31を設け、旋回スクロール19が正常に旋回されるようにしている。
さらに、上記のように、渦巻き状ラップ18B,19Bに対して、出っ張り壁30および凹み壁31を設けたとしても、両スクロール18,19が互いに噛み合って滑らかに旋回駆動されるように、また、両渦巻き状ラップ18B,19Bをエンドミルにより通常通り加工できるようにするため、出っ張り壁30および/または凹み壁31と、渦巻き状ラップ18B,19Bの背側壁および/または腹側壁とを滑らかな円弧32,33で接続した構成としている。
斯くして、本実施形態によれば、以下の作用効果が奏される。
上記スクロール圧縮機1において、吸入配管24より密閉ハウジング2内に吸い込まれた低圧冷媒ガスは、吸入口25を介してスクロール圧縮機構7の一対の圧縮室20内に吸入され、該圧縮室22が旋回スクロール19の公転旋回駆動に伴い容積を減少しながら中心側へと移動することによって圧縮される。一対の圧縮室20は、固定スクロール18および旋回スクロール19の噛み合い点が渦巻き状ラップ18B,19Bのラップ巻き始め角に対応する点を通過すると、噛み合いが外れ、中心側圧縮室20Aに合流される。
この状態から更に圧縮動作が進み、圧縮ガスが吐出圧に到達して吐出弁27を押し開くことにより、該圧縮ガスは中心側圧縮室20Aから吐出ポート26を経て吐出チャンバー5内に吐き出される。この間、吐出ポート26の径が大きいままだとしても、図2(A)に示されるように、旋回スクロール19側の渦巻き状ラップ19Bの内周端部の背側壁に設けられている出っ張り壁30によって、渦巻き状ラップ19Bの背側壁が吐出ポート26を横切って吐出ポート26と、中心側圧縮室20Aの1つ外側の圧縮室20とが連通するタイミングを遅らせることができる。
因みに、吐出ポート26のポート径および位置を同一とした場合において、図2(B)に示されるように、出っ張り壁30が設けられていない場合における上記の連通タイミングは、伸開角で表わすと、240度であり、この場合の設計容積比は、1.5であったのに対して、図2(A)に示されるように、出っ張り壁30を設けることによって、上記の連通タイミングを、伸開角で200度とし、設計容積比を、2.0まで大きくすることができた。
このように、出っ張り壁30によって中心側の圧縮室20Aの1つ外側の圧縮室20が吐出ポート26と連通するタイミングを遅らせることができる分だけ、最小圧縮室容積を小さくし、それに相応して設計容積比を大きくすることができる。このため、渦巻き状ラップ18B,19Bの巻き数を増やしたり、吐出ポート26の径を小さくしたりすることなく、設計容積比を大きくすることが可能となり、スクロール圧縮機1を小型化、高効率化することができる。
また、出っ張り壁30を、円形ポートである吐出ポート26の形状に沿った円弧形状としているため、必要最小限の出っ張りで効果的に吐出ポート26に対する連通タイミングを遅らせることができる。このため、材料費や重さを微増に抑えながら設計容積比を可及的に大きくし、スクロール圧縮機1を小型高性能化することができる。
さらに、固定スクロール18の渦巻き状ラップ18Bに、旋回スクロール19の渦巻き状ラップ19Bに設けられた出っ張り壁30に対応して、該出っ張り壁30と噛み合う範囲の腹側壁に凹み壁31を設けた構成としているため、旋回スクロール19の渦巻き状ラップ19Bの背側壁に設けられている出っ張り壁30を、固定スクロール18の渦巻き状ラップ18Bの腹側壁に設けられている凹み壁と噛み合わせて旋回させることで、旋回スクロール19を正常に旋回させ、圧縮動作を行わせることができる。従って、渦巻き状ラップを出っ張り壁および凹み壁を設けたプロファイルに変えるだけで、渦巻き状ラップの巻き数を増やしたり、吐出ポートの径を小さくしたりすることなく、簡易に設計容積比を大きくすることができる。
また、出っ張り壁30および凹み壁31を、渦巻き状ラップ18B,19Bの背側壁および腹側壁と滑らかな円弧32,33により接続している。このため、固定スクロール18の渦巻き状ラップ18Bと旋回スクロール19の渦巻き状ラップ19Bとを、出っ張り壁30、凹み壁31および円弧32,33に沿って滑らかに噛み合わせて旋回させることができるとともに、出っ張り壁30、凹み壁31および円弧32,33を含む渦巻き状ラップ18B,19Bをエンドミルによって容易に加工することができる。従って、渦巻き状ラップ18B,19Bのプロファイルを変える以外に、構成や加工法等を変更することなく、容易にスクロール圧縮機1の設計容積比を大きくすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、出っ張り壁30Aを別部品としている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、出っ張り壁30Aを、旋回スクロール19とは別部品とし、旋回スクロール19側の渦巻き状ラップ19Bの内周端部の背側壁に設けたT字溝19Cに、出っ張り壁30Aに設けたT字突起30Bを嵌め込むことによって、一体に組み付けした構成としている。
このように、渦巻き状ラップ19Bに設ける出っ張り壁30Aは、渦巻き状ラップ19Aと一体に成形し、エンドミルで切削加工する以外にも、別部品として加工し、それをインボリュート曲線によって成形・切削加工される通常の渦巻き状ラップの内周端部の背側壁に、嵌め込み用のT字溝19Cを設け、出っ張り壁30Aに設けたT字突起30Bを嵌め込み、一体に組み付けることによっても構成することができる。これにより、出っ張り壁30Aを有する旋回スクロール19を製造する際の選択肢を拡げることができ、状況に適合した方法を採用することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、密閉ハウジング2内に電動モータ8を内蔵した密閉型スクロール圧縮機1に適用した例について説明したが、ハウジング内に駆動源を内蔵していない、いわゆる開放型のスクロール圧縮機にも適用できることは云うまでもない。
また、上記実施形態では、一般的な構成のスクロール圧縮機に適用した例について説明したが、固定スクロール18および旋回スクロール19の渦巻き状ラップ18B,19Bの歯先面および歯底面に段部を設け、渦巻き状ラップ18B,19Bの高さを内周側と外周側とで異なる高さとした、いわゆる段付きスクロール圧縮機に適用してもよいことはもちろんである。
1 スクロール圧縮機
7 スクロール圧縮機構
18 固定スクロール
18A 端板
18B 渦巻き状ラップ
19 旋回スクロール
19A 端板
19B 渦巻き状ラップ
19C T字溝
20 圧縮室
20A 中心側圧縮室
26 吐出ポート
30,30A 出っ張り壁
30B T字突起
31 凹み壁
32,33 円弧

Claims (5)

  1. 端板上に渦巻き状ラップが立設されている一対の固定スクロールおよび旋回スクロールが噛み合わされて圧縮室が形成され、該圧縮室で圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出ポートが前記固定スクロールの中心部位に設けられているスクロール圧縮機において、
    前記旋回スクロールの渦巻き状ラップの内周端部の背側壁に、該背側壁が前記吐出ポートを横切って中心側の圧縮室の1つ外側の圧縮室を吐出ポートに連通するタイミングを遅らせる出っ張り壁が設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記出っ張り壁は、前記吐出ポートの形状に沿った形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記出っ張り壁は、前記渦巻き状ラップと別部品とされ、該渦巻き状ラップに一体に組み付け可能とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記固定スクロールの渦巻き状ラップには、前記旋回スクロールの渦巻き状ラップに設けられた前記出っ張り壁に対応して、該出っ張り壁が噛み合う範囲の腹側壁に凹み壁が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記出っ張り壁および/または前記凹み壁は、前記渦巻き状ラップの背側壁および/または腹側壁と滑らかな円弧で接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。

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