JP2009299498A - スクロール型圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一の端板の一側面に立設された渦巻き状の一の壁体を有する固定スクロールと、他の端板7aの一側面に立設された渦巻き状の他の壁体7bを有し、各壁体7bどうしを噛み合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロール7とを備え、一および他の壁体7bの上縁に、渦巻きに沿う方向の中心側の高さが低く、かつ、外側の高さが高くなる壁体段付部33が形成され、一および他の端板7aにおける一側面であって壁体段付部に対向する位置に、渦巻きに沿う方向の中心側の高さが高く、かつ、外側の高さが低くなる端板段差部29が形成され、一および他の壁体7bの一方における渦巻きに沿う方向の外側の端部には、切欠き部7hが形成され、他方よりも巻き終り角度が小さくされていることを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明のスクロール型圧縮機は、一の端板の一側面に立設された渦巻き状の一の壁体を有する固定スクロールと、他の端板の一側面に立設された渦巻き状の他の壁体を有し、前記各壁体どうしを噛み合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールと、を備え、前記一および他の壁体の上縁に、渦巻きに沿う方向の中心側の高さが低く、かつ、外側の高さが高くなる壁体段付部が形成され、前記一および他の端板における一側面であって前記壁体段付部に対向する位置に、前記渦巻きに沿う方向の中心側の高さが高く、かつ、外側の高さが低くなる端板段差部が形成され、前記一および他の壁体の一方における前記渦巻きに沿う方向の外側の端部には、切欠き部が形成され、前記一および他の壁体の他方よりも巻き終り角度が小さくされていることを特徴とする。
さらに、切欠き部が形成された壁体の腹側および背側に形成された圧縮室は、壁体段付部および端板段差部旋回スクロールの公転旋回運動により離間した際に連通されるため、両圧縮室内の圧力が等しくなり、圧縮室内の流体が漏れるなどの不具合の発生を防止することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係るスクロール圧縮機の構成を説明する断面図である。
スクロール型圧縮機1は、図1に示すように、ハウジング3と、固定スクロール5と、旋回スクロール7と、回転シャフト9と、自転阻止部11と、を備えている。
ハウジング3には、ディスチャージカバー13と、吸入管(図示せず)と、吐出管17と、フレーム19と、が設けられている。ディスチャージカバー13は、ハウジング3内を高圧室HRと低圧室LRとに分離するものである。吸入管は、外部から流体を低圧室LRに導くものである。吐出管17は、高圧室HRから流体を外部へ導くものである。フレーム19は、固定スクロール5および旋回スクロール7を支持するものである。
回転シャフト9は、ハウジング3内に略垂直に支持されているとともに、回転可能に支持されている。回転シャフト9の上側の端部には、旋回スクロール7を公転旋回駆動する偏心ピン9aが設けられている。
回転シャフト9と、旋回スクロール7との間には、図1および図2に示すように、ドライブブッシュ10と、バランスウエイト12と、が設けられている。
ドライブブッシュ10には、偏心ピン9aが挿通されるスライド溝10aが形成されている。
固定スクロール5および旋回スクロール7は、図1に示すように、固定スクロール5が上側に旋回スクロール7が下側に配置され、両スクロール5,7が噛み合うように配置されている。
固定スクロール5は、図3および図4に示すように、端板(一の端板)5aの一側面に渦巻き状の壁体(一の壁体)5bが立設された構成となっている。
一方、旋回スクロール7は、図5および図6に示すように、固定スクロール5と同様に端板(他の端板)7aの一側面に渦巻き状の壁体(他の壁体)7bが立設された構成となっており、特に壁体7bは固定スクロール5側の壁体5bと実質的に同一形状をなしている。旋回スクロール7は、固定スクロール5に対して相互に旋回公転半径rだけ偏心し、かつ、固定スクロール5の位相に対して180度だけ位相をずらした状態で配置されている。
旋回スクロール7と固定スクロール5とは、図7および図8に示すように、壁体5b,7b同士を噛み合わせて組み付けられ、壁体5b,7bの間に圧縮室CB,CSが形成される。言い換えると、壁体7bの径方向外側つまり背側に圧縮室CBが形成され、径方向内側つまり腹側に圧縮室CSが形成される。
一方、旋回スクロール7側の端板7aも固定スクロール5の端板5aと同様に、壁体7bが立設された一側面に、壁体7bの渦方向に沿って中心部側で高く外端側で低くなるよう形成された段差部(端板段差部)29を備えている。
一方、旋回スクロール7側の壁体7bも壁体5bと同様に、固定スクロール5の段差部27に対応し、渦巻き状の上縁が2つの部位に分割され、かつ、渦の中心部側で低く外端側で高い段付部(壁体段付部)33を備えている。
一方、壁体7bの上縁も上述した壁体5bと同様に、中心部寄りに設けられた低位の上縁7cと外終端寄りに設けられた高位の上縁7dとの2つの部位に分けられ、隣り合う上縁7c,7d間には、両者を繋いで旋回面に垂直な連結縁が形成されている。
一方、段付部33の連結縁も段付部31の連結縁と同様に、壁体7bの内外両側面に滑らかに連続し壁体7bの肉厚に等しい直径を有する半円形をなしている。
一方、段差部29の連結壁面も段差部27の連結壁面と同様に、段付部31の連結縁が描く包絡線に一致する円弧をなしている。
自転阻止部11は、図1に示すように、フレーム19に配置されるピン39と、旋回スクロール7の凹部25に配置されるリング41と、を備えている。
リング41は、旋回スクロール7に設けられた凹部25内に配置された円筒状の部材である。リング41の内周面の半径は、ピン39の外周面が上記内周面に接触した状態において、ピン39中心がリング41中心から旋回スクロール7の旋回公転半径rだけ離れる半径に形成されている。
まず、スクロール型圧縮機1による流体の圧縮について説明する。
スクロール型圧縮機1の回転シャフト9は、図1に示すように、モータにおいて発生された回転駆動力を旋回スクロール7に伝達する。回転シャフト9の偏心ピン9aおよびドライブブッシュ10と、旋回スクロール7のボス23とがベアリングなどにより相対回転可能に接続されているため、旋回スクロール7が旋回駆動される。
旋回スクロール7は、自転阻止部11により自転が阻止されているため、自転が規制された公転旋回運動をする。
このとき、締め切り直後の圧縮室CB,CSの容積が異なるため、圧縮室CSの締め切りが行われるタイミングでは圧縮室CB側の流体圧力は、CSとCBの容積比分だけ圧縮室CS内の流体圧力よりも高くなる。
ここで、旋回スクロール7が旋回駆動された際の、段差部27および段付部33と、段差部29および段付部31と、の位置関係の変化について図9から図12を参照しながら説明する。
なお、段差部27および段付部33の位置関係の変化と、段差部29および段付部31の位置関係の変化は同様であるため、ここでは段差部27および段付部33の位置関係の変化について説明し、段差部29および段付部31については説明を省略する。
そして、さらに旋回スクロール7が約90°旋回されると、図9と同じ状態になり、圧縮室CBおよび圧縮室CSは分離されて上述の過程が再び繰り返される。
特に、本実施形態のスクロール型圧縮機1のように、偏心ピン9aおよびスライド溝10aにより、旋回スクロール7の旋回公転半径rが変更可能に支持されている場合には、圧縮室CSおよび圧縮室CB内の流体が漏れるなどの不具合の発生を効果的に防止することができる。
例えば、本実施形態では、切欠き部7hが旋回スクロール7の壁体7bに形成されている例に適用して説明したが、切欠き部7hが固定スクロール5の壁体5bに形成されていてもよく、特に限定するものではない。
5 固定スクロール
5a 端板(一の端板)
5b 壁体(一の壁体)
7 旋回スクロール
7a 端板(他の端板)
7b 壁体(他の壁体)
7h 切欠き部
21 吐出孔
27 段差部(端板段差部)
29 段差部(端板段差部)
31 段付部(壁体段付部)
33 段付部(壁体段付部)
CB,CS 圧縮室
Claims (3)
- 一の端板の一側面に立設された渦巻き状の一の壁体を有する固定スクロールと、
他の端板の一側面に立設された渦巻き状の他の壁体を有し、前記各壁体どうしを噛み合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールと、
を備え、
前記一および他の壁体の上縁に、渦巻きに沿う方向の中心側の高さが低く、かつ、外側の高さが高くなる壁体段付部が形成され、
前記一および他の端板における一側面であって前記壁体段付部に対向する位置に、前記渦巻きに沿う方向の中心側の高さが高く、かつ、外側の高さが低くなる端板段差部が形成され、
前記一および他の壁体の一方における前記渦巻きに沿う方向の外側の端部には、切欠き部が形成され、前記一および他の壁体の他方よりも巻き終り角度が小さくされていることを特徴とするスクロール型圧縮機。 - 前記一の壁体における巻き始め端部の近傍の前記一の端板に、前記固定スクロールおよび前記旋回スクロールとの間に形成された圧縮室により圧縮された流体が流出する吐出孔が設けられ、
前記壁体段付部および前記端板段差部は、前記吐出孔との連通が開始された前記圧縮室における前記渦巻きに沿う方向の外側端部よりも外側に形成されていることを特徴とする請求項1記載のスクロール型圧縮機。 - 前記切欠き部は、前記他の壁体に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール型圧縮機。
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