JP2002053731A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002053731A
JP2002053731A JP2000239382A JP2000239382A JP2002053731A JP 2002053731 A JP2002053731 A JP 2002053731A JP 2000239382 A JP2000239382 A JP 2000239382A JP 2000239382 A JP2000239382 A JP 2000239382A JP 2002053731 A JP2002053731 A JP 2002053731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
polymer
acid
parts
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000239382A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Tajima
義久 田島
Hidetoshi Okawa
秀俊 大川
Kuniaki Kawaguchi
邦明 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP2000239382A priority Critical patent/JP2002053731A/ja
Priority to CN 01125529 priority patent/CN1193070C/zh
Publication of JP2002053731A publication Critical patent/JP2002053731A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた摺動特性を付与すると共に、成形品外
観、寸法精度をも改善したポリアセタール樹脂材料を提
供する。 【解決手段】(A)(a-1)トリオキサン100重量部、
(a-2)1分子中に環状エーテル単位を2個以上有する化
合物0.0005〜2重量部及び(a-3)トリオキサンと共重合
可能な環状エーテル化合物0〜20重量部を共重合して得
られるポリアセタール共重合体100重量部に、 (B)下記重合体(B−1)及び重合体(B−2)から
なる群より選ばれた1種又は2種以上の重合体0.5 〜40
重量部 重合体(B−1):オレフィン系重合体(b−1)と少
なくとも1種のビニル系重合体(b−2)とから得られ
るグラフトもしくはブロック共重合体 重合体(B−2):オレフィン系重合体(b−3)を不
飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物及びこれらの
誘導体からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合
物で変性した変性オレフィン系重合体 及び/又は (C)潤滑剤0.1 〜5重量部 を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた摺動特性を
有し、成形性、表面特性、機械的特性等も優れたポリア
セタール樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、機械的特性、熱
的特性、電気的特性、摺動性、成形性等において優れた
特性を持っており、主に構造材料や機構部品等として電
気機器、自動車部品、精密機械部品等に広く使用されて
いる。しかし、ポリアセタール樹脂が利用される分野の
拡大に伴い、要求特性はますます高度化、複合化、特殊
化する傾向にある。その一例として摺動特性に優れたポ
リアセタール樹脂の成形性改善の要求がある。
【0003】ポリアセタール樹脂の摺動特性を改善させ
る目的で、従来からフッ素樹脂やシリコーン、ポリオレ
フィンおよび/又は潤滑剤などの配合が行われてきてい
るが、かかる手法は、本来目的とする耐摩耗性や滑り性
などの摺動特性をある程度は改善するものの、配合され
た摺動性改良剤による機械物性の低下、成形不良や外観
不良などの種々の問題があった。とりわけ、潤滑剤が配
合されたポリアセタール樹脂では、成形品外観や、成形
品の寸法精度などを大幅に悪化させるケースがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如き課題を解決し、ポリアセタールに優れた摺動特性
を付与しつつ、成形品外観、寸法精度をも改善した樹脂
材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、ポリアセタール樹脂の分子骨格或い
は樹脂物性にまで踏み込んで詳細な検討を行った結果、
目的達成に有効なポリマー骨格の変性とかかるポリマー
への有効な配合成分の組み合せを見出し、本発明を完成
するに到った。
【0006】即ち本発明は、(A)(a-1)トリオキサン
100重量部、(a-2)1分子中に環状エーテル単位を2
個以上有する化合物0.0005〜2重量部及び(a-3)トリオ
キサンと共重合可能な環状エーテル化合物0〜20重量部
を共重合して得られるポリアセタール共重合体100重量
部に、(B)下記重合体(B−1)及び重合体(B−
2)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の重合体
0.5 〜40重量部 重合体(B−1):オレフィン系重合体(b−1)と少
なくとも1種のビニル系重合体(b−2)とから得られ
るグラフトもしくはブロック共重合体 重合体(B−2):オレフィン系重合体(b−3)を不
飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物及びこれらの
誘導体からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合
物で変性した変性オレフィン系重合体及び/又は(C)
潤滑剤0.1 〜5重量部を配合してなるポリアセタール樹
脂組成物である。
【0007】このように、特定の単位の導入によって変
性したポリアセタール共重合体に、特定のオレフィン系
共重合体及び/又は潤滑剤を配合することによって、優
れた摺動特性及び機械物性を付与しつつ、成形品外観、
寸法精度を改善できることは、全く予期せぬ驚くべきこ
とであった。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において基体樹脂として用いるポリアセタ
ール共重合体(A)は、トリオキサン(a-1)及び1分子中に
環状エーテル単位を2個以上有する化合物(a-2)を必須
成分とし、好ましくは更にトリオキサンと共重合可能な
環状エーテル化合物(a-3)を加えて共重合して得られる
ものである。
【0009】本発明において用いられるトリオキサン(a
-1) とは、ホルムアルデヒドの環状三量体であり、一般
的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反
応させることによって得られ、これを蒸留等の方法で精
製して用いられる。重合に用いるトリオキサンは液状で
あり、その温度は65〜135 ℃であることが好ましい。
【0010】次に、本発明で使用する1分子中に環状エ
ーテル単位を2個以上有する化合物(a-2)としては、ジ
グリシジルエーテル化合物、トリグリシジルエーテル化
合物、テトラグリシジルエーテル化合物からなる群から
選ばれるものが好ましい。その例としては、ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテ
ル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタン
ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシ
ジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル
等が挙げられる。特に好ましくは、環状エーテル単位を
3個以上有する化合物であるトリグリシジルエーテル化
合物、テトラグリシジルエーテル化合物からなる群から
選ばれるものであり、中でもグリセロールトリグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテ
ルが好ましい。また、環状ホルマールの如き構造も本発
明で規定する環状エーテル単位に包含されるものであ
り、環状ホルマール構造を2個以上有する化合物も使用
できる。本発明において、これらの1分子中に環状エー
テル単位を2個以上有する化合物(a-2)は、単独で又は
2種以上を併用してトリオキサン(a-1) との共重合に供
することができる。
【0011】本発明において、1分子中に環状エーテル
単位を2個以上有する化合物(a-2)は、トリオキサン(a-
1) 100重量部に対して0.0005〜2重量部の範囲となるよ
うに使用する。好ましくは0.001 〜1重量部の範囲、特
に好ましくは0.003 〜0.5重量部の範囲で使用するのが
よい。かかる(a-2) 成分の使用量が0.0005重量部よりも
少ない場合には、目的とする特性を有するポリアセター
ル共重合体を得るのが難しく、また2重量部よりも多い
場合には得られるポリアセタール組成物は摺動特性、特
に磨耗性が低下し、何れも好ましくない。
【0012】次に、本発明に使用するトリオキサンと共
重合可能な環状エーテル化合物(a-3) としては、エチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、
エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオ
キシド、オキセタン、3,3 −ビス(クロルメチル)オキ
セタン、テトラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3−
ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエ
チレングリコールホルマール、トリエチレングリコール
ホルマール、1,4 −ブタンジオールホルマール、1,5 −
ペンタンジオールホルマール、1,6 −ヘキサンジオール
ホルマール等が挙げられ、その中でもエチレンオキシ
ド、1,3 −ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマ
ール、1,4 −ブタンジオールホルマールが好ましい。こ
れら環状エーテル化合物(a-3) の使用量は、得られるポ
リアセタール組成物の剛性、耐薬品性等を考慮すると、
トリオキサン(a-1) 100重量部に対して1種又は2種以
上で合わせて0〜20重量部、好ましくは0.01〜15重量
部、特に好ましくは0.1 〜10重量部である。
【0013】本発明で用いるポリアセタール共重合体
(A)の製造においては、上記成分の他に分子量を調整
する成分を併用することができる。分子量を調整する成
分としては、不安定末端を形成することのない連鎖移動
剤、即ち、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキ
シメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレ
ンジ−n−ブチルエーテル等のアルコキシ基を有する化
合物などが例示される。本発明においては、これら分子
量調整剤の使用量を調整することにより、得られるポリ
アセタール共重合体が適度の分子量を有するものとなる
ように分子量を調節するのが好ましい。
【0014】上記の如きモノマー成分及びコモノマー成
分からなるポリアセタール共重合体を製造するにあた
り、触媒としては、一般にカチオン重合触媒が用いられ
る。具体的には、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩化チタ
ン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウ
ム、三塩化アンチモン、五フッ化リン、五フッ化アンチ
モン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテ
ラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ
化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックア
ンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化
合物等の三フッ化ホウ素配位化合物、過塩素酸、アセチ
ルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒドロ
キシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−ト
ルエンスルホン酸等の無機および有機酸、トリエチルオ
キソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチル
ヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキ
サフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラブロ
ロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリエチ
ルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等の
アルキル金属塩、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等の1種又
は2種以上が挙げられる。その中でも特に三フッ化ホウ
素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホ
ウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネ
ート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三
フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホ
ウ素配位化合物が好ましい。これらのカチオン重合触媒
はそのままでも、有機溶剤等で予め希釈して用いること
もでき、その調製方法は特に限定されない。
【0015】ポリアセタール共重合体(A)の製造方法
は、特に限定されるものではないが、一般的には液状化
したトリオキサン(a-1)、前記の1分子中に環状エーテ
ル単位を2個以上有する化合物(a-2)、環状エーテル化
合物(a-3)を主としてカチオン重合触媒を用いて重合さ
せ、固体粉塊状のポリマーを得る塊状重合により行う。
重合装置は特に限定されるものではなく、公知の装置が
使用され、バッチ式、連続式等、いずれの方法も可能で
ある。また、重合温度は65〜135 ℃に保つことが好まし
い。
【0016】重合後の触媒の失活は、重合反応後、重合
機より排出される生成反応物、あるいは、重合機中の反
応生成物に塩基性化合物或いはその水溶液等を加えて行
う。重合触媒を中和し失活するための塩基性化合物とし
ては、アンモニア、或いはトリエチルアミン、トリブチ
ルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミ
ン等のアミン類、或いはアルカリ金属、アルカリ土類金
属の水酸化物塩類、その他公知の触媒失活剤が用いられ
る。また、重合反応後、生成物にこれらの水溶液を速や
かに加え、失活させることが好ましい。かかる重合方法
および失活方法の後、必要に応じて更に、洗浄、未反応
モノマーの分離回収、乾燥等を従来公知の方法にて行
う。更に、不安定末端部の分解除去または安定物質によ
る不安定末端の封止等、必要に応じて公知の方法にて安
定化処理を行い、必要な各種安定剤を配合する。ここで
用いられる安定剤としては、ヒンダードフェノール系化
合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金
属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等のいずれか1種
または2種以上を挙げることができる。
【0017】本発明の樹脂組成物は、上記の如きポリア
セタール共重合体(A)に、以下に詳述する重合体(B
−1)及び重合体(B−2)から選ばれた1種又は2種
以上の重合体(B)及び/又は潤滑剤(C)を配合した
ことを特徴とする。本発明において、重合体(B)は、
ポリアセタール共重合体(A)に摺動特性を付与しつ
つ、成形品外観、寸法精度を改善する機能を有する。
【0018】本発明において用いられる重合体(B−
1)は、オレフィン系重合体(b−1)と少なくとも1
種のビニル系重合体(b−2)とから得られ、オレフィ
ン系重合体(b−1)とビニル系重合体(b−2)とが
分岐又は架橋構造的に化学結合したグラフトもしくはブ
ロック共重合体である。ここで、重合体(B−1)の主
鎖部分を構成するオレフィン系重合体(b−1)の具体
例としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポ
リα−オレフィンの単独重合体、ポリブタジエンの水添
物、及びこれらを主成分とする共重合体が挙げられる。
共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エ
チレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる他に、エチ
レン・アクリル酸エステル共重合体、エチレンとα,β
−不飽和酸グリシジルエステルからなる共重合体等も例
示される。これらの内、各種のポリエチレン、ポリプロ
ピレン及びエチレン・プロピレン共重合体が特に好まし
く使用できる。次に、このオレフィン系重合体(b−
1)とグラフトもしくはブロック共重合させるビニル系
重合体(b−2)としては、ポリメタクリル酸メチル、
ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリア
クリル酸ブチル、ポリアクリル酸−2エチルヘキシル、
ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体、アクリル酸ブチルとメタクリル
酸メチルの共重合体、アクリル酸ブチルとスチレンの共
重合体等が挙げられる。特に好ましくは、ポリメタクリ
ル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体及び
ポリスチレン等である。本発明で用いられるかかる重合
体(B−1)は、性質の異なったオレフィン系重合体
(b−1)とビニル系重合体(b−2)が少なくとも一
点で化学結合した連鎖、分岐又は架橋構造を有するグラ
フトもしくはブロック共重合体である点に特徴を有し、
かかる構造を有することによって単に(b−1)又は
(b−2)の単独配合にては得られない顕著な効果が得
られるのである。かかるオレフィン系重合体(b−1)
セグメント及びビニル系重合体(b−2)セグメントよ
りなるグラフトもしくはブロック共重合体の調製法は特
に限定されるものではなく、通常よく知られたラジカル
反応によって容易に調製できる。例えば、重合体(b−
1)にラジカル触媒を加えて溶融混練する方法、或いは
重合体(b−1)又は重合体(b−2)の何れかに過酸
化物等によりフリーラジカルを生成させ、これを他の成
分ポリマーと溶融混練する方法等によって調製される。
更にスチレンブタジエンゴムの水添等の方法によっても
グラフトもしくはブロック共重合体が調製される。ここ
で、(B−1)成分のグラフトもしくはブロック共重合
体を構成するための(b−1)と(b−2)の割合は、
95:5〜40:60(重量比)が適当である。95:
5の割合を越えて(b−1)成分が(b−2)成分より
多くなると、ポリアセタール共重合体(A)からのポリ
オレフィン成分の分離が顕著になり、剥離が生じたり、
摩耗特性が悪化する。また、40:60の割合を越えて
(b−1)成分が(b−2)成分より少なくなると、ポ
リオレフィン成分によるポリアセタール共重合体(A)
表面の改質効果が不十分となり、摺動特性、特に摩擦係
数に対する改善効果が発揮されない。上記した(B−
1)成分であるグラフトもしくはブロック共重合体は、
市場から入手することも可能で、例えば、日本油脂
(株)製モディパーA1400、A1200、A110
0(商品名)等として市販されている。
【0019】また、本発明において用いられる重合体
(B−2)は、オレフィン系重合体(b−3)を不飽和
カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物及びこれらの誘導
体からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物で
変性した変性オレフィン系重合体である。ここで用いら
れるオレフィン系重合体(b−3)としては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、ノネ
ン、デセン、ドデセン等のα−オレフィンの単独重合
体、及びこれらの二種以上からなるランダム、ブロック
又はグラフト共重合体、及びこれらに 1,4−ヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、 2,5−ノルボナジエン等の非共役ジエン、ブ
タジエン、イソプレン、ピペリレン等の共役ジエン成
分、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸又
はそのエステル等の誘導体、アクリロニトリル、スチレ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、又は
酢酸ビニル等のビニルエステル、ビニルメチルエーテル
等のビニルエーテルやこれらのビニル系化合物の誘導体
等のコモノマー成分のうちの少なくとも1種を含んで成
るランダム、ブロック又はグラフト共重合体等が挙げら
れ、その重合度、側鎖や分岐の有無や程度、共重合組成
比等の如何を問わない。
【0020】オレフィン系重合体(b−3)の具体例と
しては、高圧法ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン、
気相法エチレン−α−オレフィン共重合体、LLDP
E、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体等がある。
好ましくは、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体であ
る。
【0021】本発明において使用される変性オレフィン
系共重合体(B−2)とは、上記のオレフィン系重合体
(b−3)を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル
酸、ナジック酸、メチルナジック酸、アリルコハク酸な
どの不飽和カルボン酸、及び無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、アリル無
水コハク酸等の不飽和カルボン酸無水物、及びこれらの
誘導体等からなる群より選ばれた少なくとも1種で変性
したものである。
【0022】好ましいオレフィン系共重合体(B−2)
は、そのMIが0.01〜100 g/10分のものであり、更に
好ましいのはMIが0.1 〜50g/10分のものであり、特
に好ましいのはMIが0.2 〜30g/10分のものである。
【0023】好ましいオレフィン系共重合体(B−2)
の具体例としては、無水マレイン酸で変性されたポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が挙げられ
る。
【0024】その共重合方法としては、オレフィン系重
合体(b−3)と不飽和カルボン酸、その酸無水物及び
それらの誘導体からなる群より選ばれた1種以上の化合
物を、溶液状態又は溶融状態で適当な有機過酸化物等の
ラジカル開始剤と加熱して反応させる方法等が好適であ
るが、特にこれに限定されるものではない。両成分の配
合量は、オレフィン系重合体(b−3) 100重量部に対
して、前記不飽和カルボン酸等の化合物0.1 〜20重量
部、好ましくは 0.1〜10重量部が適当である。不飽和カ
ルボン酸等の化合物の量が少なすぎる場合には、ポリア
セタール共重合体(A)と変性オレフィン系共重合体間
の親和性が十分に改善されないため、本発明の効果が得
られず、又、多すぎる場合には摺動特性等の改善すべき
物性を低下させる場合がある。
【0025】本発明において、上記の如き重合体(B−
1)及び重合体(B−2)からなる群より選ばれた1種
又は2種以上の重合体(B)は、ポリアセタール共重合
体(A) 100重量部に対し0.5 〜40重量部、好ましくは
1〜30重量部の割合で用いられる。重合体(B)が少な
すぎると、本発明の目的とする摺動特性、成形性の改良
効果が得られず、多すぎると機械特性の大幅な低下を引
き起こしたり、表面剥離が発生して成形品外観を悪化さ
せるため好ましくない。
【0026】次に、潤滑剤(C)について説明する。こ
こで、(C)成分の潤滑剤とは、スピンドル油、冷凍機
油、タービン油、マシン油、シリンダー油、ギヤ油等の
鉱油;流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチ
レンワックス、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水
素;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、
モンタン酸等の脂肪酸;ヘキシルアルコール、オクチル
アルコール、ノニルアルコール、イソトリデシルアルコ
ール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソ
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の脂肪族
アルコール;ラウリルラウレート、イソトリデシルステ
アレート、ステアリルステアレート、ベヘニルベヘネー
ト等、上記脂肪酸と脂肪族アルコールより成る脂肪族エ
ステル;エチレングリコールジステアレート、トリメチ
ロールプロパントリイソステアレート、ペンタエリスリ
トールトリステアレート、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンジステアレート、グリセリントリステア
レート、グリセリンモノベヘネート等、上記脂肪酸と、
グリコール類、グリセリン、ポリグリセロール、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル等の多価アルコールより成る部分及び/又はフルエス
テル;アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸
ジ(2−エチルヘキシル)、リン酸トリステアリル等、
上記脂肪族アルコールとコハク酸、マロン酸、アジピン
酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸等のカルボ
ン酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸とのエステル;ステア
リルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチ
レンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド
等の脂肪酸アミド等、上記脂肪酸とアンモニア、エチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミン化合物
とのアミド;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸;モンタン
ロウ等の天然ワックス;ポリジメチルシロキサン、ポリ
メチルフェニルシロキサン等のシリコーン及びその誘導
体;置換ジフェニルエーテル等を指し、これらから選ば
れる少なくとも1種がしよう可能であるが、かかる潤滑
剤の内、取り扱いの容易さ、加工性、耐摩擦・摩耗性、
機械的性質等を総合的にみると、シリコーン、α−オレ
フィンオリゴマー、パラフィン、置換ジフェニルエーテ
ル、炭素数10以上の脂肪酸の誘導体、炭素数10以上の脂
肪族アルコールの誘導体からなる群より選ばれた少なく
とも1種が好ましく用いられる。以下、かかる潤滑剤に
ついて詳細に説明する。
【0027】シリコーンとしては、(1) の構造で示され
るポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキ
サンが代表として好ましく用いられる。
【0028】
【化1】
【0029】(ここで、 Rはメチル基であるが、その一
部がアルキル基、フェニル基、ハロゲン化アルキル基、
ハロゲン化フェニル基、ポリアルキレングリコール等で
あっても良い。) また、ジメチルシロキサンのメチル基の一部が、クロロ
フェニル基に代表されるハロゲン化フェニル基、炭素数
8以上のアルキル基、ポリエチレングリコールに代表さ
れるアルキレングリコール、C8 以上の脂肪族カルボン
酸の誘導体である高級脂肪族エステル基、トリフルオロ
メチル基に代表されるハロゲン化アルキル基などの各種
置換基に代替された変性ポリオルガノシロキサンについ
ても使用可能である。本発明において、かかるシリコー
ンは、動粘度(25℃)が 100〜10万cSt の範囲のものが
好ましく使用される。
【0030】α−オレフィンオリゴマーは、主に炭素数
6〜20のα−オレフィンを単独、もしくはエチレンと炭
素数3〜20のα−オレフィンを共重合した構造を有する
脂肪族炭化水素である。本発明においては、数平均分子
量が 400〜4000のα−オレフィンオリゴマー及び/又は
エチレン・α−オレフィンコオリゴマーが好ましく使用
される。
【0031】パラフィンは、主に石油留分を精製して得
られる、いわゆるパラフィン系鉱油を示す。本発明にお
いては、平均分子量 300〜800 の範囲のものが好ましく
使用される。
【0032】置換ジフェニルエーテルは、下記(2) で示
される如く、ジフェニルエーテルのフェニルに、C12以
上の飽和脂肪族鎖が、アルキル基、エステル基、エーテ
ル基から選ばれる置換基の形で、少なくとも1種以上導
入されている化合物を示す。特に分子量の規定はなく、
いずれのアルキル置換ジフェニルエーテルも好ましく使
用される。
【0033】
【化2】
【0034】(式中、 Rは、2〜6位及び2'〜6'位の一
部もしくは全部に導入されたアルキル基、エステル基、
又はアシル基であり、m 及びn は、それぞれ0〜5の整
数である。ただし、m とn が同時に0であることはな
い。)かかるアルキル置換ジフェニルエーテルの置換基
としては、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基などの直鎖アルキル基、また(3) で
示される分岐アルキル基等が挙げられる。
【0035】
【化3】
【0036】(式中、m 及びn は、それぞれ0以上の整
数である。ただし、m + n は11以上である。) また、エステル基(QOCO- 又はQCOO- )としては、ドデ
シロキシカルボニル基、テトラデシロキシカルボニル
基、ヘキサデシロキシカルボニル基、オクタデシロキシ
カルボニル基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキ
シ基、パルミトルオキシ基、ステアロイルオキシ基等が
あげられる。また、アシル基としては、ラウロイル基、
ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基等が
あげられる。さらには、かかるエステル基やアシル基の
脂肪族炭化水素鎖が分岐構造を有する、例えば、イソス
テアリルアルコールやイソステアリン酸等に由来する基
であっても良い。かかる置換ジフェニルエーテルの効果
は、置換基の位置に何ら限定されることはなく、いずれ
の置換ジフェニルエーテルも好ましく用いられるが、合
成上好ましくは、2,4,6,2',4',6'位の何れか一
部もしくは全部に置換基を有する置換ジフェニルエーテ
ルであり、特に好ましくは、4,4'位の2置換体であ
る。
【0037】本発明における炭素数10以上の脂肪酸の誘
導体とは、炭素数10以上の脂肪酸と炭素数10以上の1価
又は多価の脂肪族及び/又は芳香族アルコールとのエス
テル、炭素数10以上の脂肪酸と1級、2級又は3級のア
ミンとのアミドである。かかるエステルを構成する炭素
数10以上の脂肪酸としては、ラウリン酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロ
ン酸、モンタン酸、メリシン酸等の飽和脂肪酸、不飽和
脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸があげられ、また2-
ブロモステアリン酸、ブロモステアリン酸、ヒドロキシ
ステアリン酸等のかかる脂肪酸の誘導体があげられ、い
ずれも好ましく使用される。かかる脂肪酸とエステルを
構成するアルコールとしては、n-オクチルアルコー
ル、2-エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコ
ール、n-デシルアルコール、イソデシルアルコール、
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、1,4-メチルヘキサデカン-1-オール、ス
テアリルアルコール、オレイルアルコール、16-メチ
ルヘキサデカノール、18-メチルノナデカノール、1
8-メチルイコサノール、ドコサノール、20-メチルヘ
ンイコサノール、20-メチルドコサノール、テトラコ
サノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オク
タコサノール等の1価の飽和及び不飽和脂肪族アルコー
ル、直鎖及び分岐アルコールなどがあげられ、いずれも
好ましく使用される。また、かかるエステルを構成する
芳香族アルコールとしては、フェノール、カテコール、
ナフトールなどがあげられる。また、脂肪族多価アルコ
ールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオー
ル、 1,6-ヘキサンジオール、 1,2-オクタンジオ
ール、ヘキサデカン-1,2-ジオール、オクタデカン-
1,2-ジオール、イコサン-1,2-ジオール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペン
タエリスリトール、ソルビトール、 1,2-シクロノナ
ンジオール、 1,2-シクロデカンジオール等の多価ア
ルコール類及び、ジペンタエリスリトール、トリペンタ
エリスリトール、ジエチレングリコール、ジグリセロー
ル、トリグリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等、かかる多
価アルコールの縮合体、及びコハク酸、アジピン酸等の
多塩基酸とかかる多価アルコールの部分エステルなどが
あげられ、いずれも好ましく使用される。
【0038】また、アミドとしては、上記炭素数10以上
の脂肪酸とアンモニア、エチレンジアミン、テトラメチ
レンジアミン、モノエタノールアミン等の1級、2級又
は3級のアミンがあげられ、いずれも好ましく用いられ
る。具体的には、パルミチン酸アミド、ステアリン酸ア
ミド、エチレンビスステアリン酸アミド、テトラメチレ
ンビスステアリン酸アミド等があげられる。
【0039】本発明における炭素数10以上の脂肪族アル
コールの誘導体としては、炭素数10以上の脂肪族アルコ
ールと、炭素数10以上の1価又は多価の脂肪族及び/又
は芳香族カルボン酸とのエステルがあげられる。かかる
エステルを構成する炭素数10以上の脂肪族アルコールと
しては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、
セチルアルコール、14-メチルヘキサデカン-1-オー
ル、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、16
-メチルヘキサデカノール、18-メチルノナデカノー
ル、18-メチルイコサノール、ドコサノール、2−-メ
チルヘンイコサノール、20-メチルドコサノール、テ
トラコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノー
ル、オクタコサノール等の、飽和及び不飽和脂肪族アル
コール、直鎖及び分岐アルコールなどがあげられ、いず
れも好ましく使用される。かかるアルコールとエステル
を構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロ
ン酸、モンタン酸、メリシン酸等の飽和脂肪酸、不飽和
脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸があげられ、また2-
ブロモステアリン酸、18-ブロモステアリン酸、12-
ヒドロキシステアリン酸等のかかる脂肪酸の誘導体がい
ずれも好ましく使用される。また、芳香族カルボン酸と
しては、安息香酸、フタル酸等があげられる。脂肪族多
塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、1,12-ドデカメチレンジカル
ボン酸、1,14-テトラデカメチレンジカルボン酸、
1,16-ヘキサデカメチレンジカルボン酸、1,18-
オクタデカメチレンジカルボン酸、トリメリット酸、マ
レイン酸、フマル酸等脂肪族多塩基酸及び、かかるカル
ボン酸の誘導体などがあげられ、いずれも好ましく使用
される。
【0040】上記カルボン酸とアルコールとから成るエ
ステル、いずれも好ましく使用されるが、入手の容易さ
から、以下のエステルがより好ましく使用される。すな
わち、ラウリルラウレート、ラウリルステアレート、セ
チルパルミテート、イソトリデシルステアレート、オレ
イルオレート、ステアリルステアレート、イソステアリ
ルステアレート、イソステアリルイソステアレート、ベ
ヘニルベヘネート、エチレングリコールジステアレー
ト、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘ
ネート、グリセリンジ,トリステアレート、トリメチロ
ールプロパントリイソステアレート、ペンタエリスリト
ールテトライソステアレート、ペンタエリスリトールテ
トラステアレート、ポリエチレングリコールジラウレー
ト、ポリエチレングリコールジステアレート、ジイソト
リデシルアジペート、ジイソトリデシルフタレートなど
のエステルのうちの少なくとも1種が好ましく使用され
る。
【0041】本発明において、かかる潤滑剤(C)の添
加量は、ポリアセタール共重合体(A)100 重量部に対
して0.1 〜5重量部である。 0.1重量部未満では潤滑剤
本来の効果が発揮され難く、また逆に5重量部より多い
量では基体であるポリアセタール共重合体(A)の性質
が損なわれ、剛性の低下や成形品外観の悪化を生ずるこ
とがあるため好ましくない。より好ましくは0.5 〜5重
量部である。
【0042】本発明の組成物は、更に公知の各種安定剤
を添加して安定性を補強することができる。また、目的
とする用途に応じてその物性を改善するために、更に公
知の各種の添加剤を配合し得る。添加剤の例を示せば、
各種の着色剤、離型剤(前記の潤滑剤以外)、核剤、帯
電防止剤、その他の界面活性剤、異種ポリマー(前記の
グラフト共重合体以外)等である。また、本発明の目的
とする組成物の性能を大幅に低下させない範囲内であれ
ば、無機・有機・金属等の繊維状、粉粒状、板状の充填
剤を1種又は2種混合使用することもできる。
【0043】次に本発明の組成物の調製は、従来の樹脂
組成物調製法として一般に用いられる公知の方法により
容易に調製される。例えば、各成分を混合した後、一軸
又は二軸の押出機により練混み押出ししてペレットを調
製する方法、一旦組成の異なるペレット(マスターバッ
チ)を調製し、そのペレットを所定量混合(稀釈)する
方法等、何れも使用できる。また、斯かる組成物の調製
において、各成分の一部又は全部を粉砕し、これとその
他の成分を混合した後、押出等を行うことは添加物の分
散性を良くする上で好ましい方法である。又、潤滑剤
(C)特に液体状のものを用いる場合は、予め潤滑剤を各
成分と混合し、含浸させた後、これを混練し、押出等を
行う方法も組成物の調製を容易にし、加工性及び摺動性
改善の点で好ましい方法である。
【0044】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、
熱安定性、摩擦・摩耗特性が改善され、歯車、軸受け、
スライダー、ローラーなどの摺動部品に好適に用いるこ
とができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
評価は次の方法で行った。[摩擦摩耗試験〕鈴木式摩擦
摩耗試験機(オリエンテック(株)製、EFM−III
−EN)を用い、鋼材(S55C)又はポリアセタール
樹脂(ポリプラスチックス(株)製、ジュラコンTMM9
0−44)を相手材とした下記摺動条件の試験を行い、
比摩耗量(mm3/kmkgf)と8時間摺動後の動摩擦係数を測
定した。 摺動条件 ・接触面積2.0cm2 ・面圧0.98MPa ・線速度15cm/sec 24時間摺動 〔成形品表面状態〕評価用試験片(50mm×50mm×1mm:
センターピンゲート方式) を成形して、その表面の剥離
状況を5段階(5が最良、剥離なし、1が最悪、剥離多
し)で評価した。 実施例1〜18 外側に熱(冷)媒を通すジャケットが付き、断面が2つ
の円が一部重なる形状を有するバレルと、パドル付き回
転軸で構成される連続式混合反応機を用い、パドルを付
した2本の回転軸をそれぞれ150rpmで回転させながら、
(a-1) トリオキサン100重量部に、(a-2) 1分子中に環
状エーテルを3個以上有する化合物、(a-3) 環状エーテ
ル化合物を表1に示す割合(重量部)で加え、更に分子量
調節剤としてメチラール、同時に触媒の三フッ化ホウ素
0.005 重量部を重合機に連続的に供給しながら塊状重合
を行った。重合機から排出された反応生成物は速やかに
破砕機に通しながら、トリエチルアミンを0.05重量%含
有する60℃の水溶液に加え触媒を失活した。さらに、分
離、洗浄、乾燥後、粗ポリアセタール共重合体を得た。
次いで、この粗ポリアセタール共重合体 100重量部に対
して、トリエチルアミン5重量%水溶液を4重量部、ペ
ンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
を 0.3重量部添加し、2軸押出機にて 210℃で溶融混練
し不安定部分を除去した。得られたポリアセタール共重
合体は、ヘキサフルオロイソプロパノールd2 を溶媒と
する 1H−NMR測定により、その構造及び共重合組成
を確認した。
【0046】上記の方法で得たポリアセタール共重合体
100 重量部に、表1に示す添加剤を添加し、更に安定剤
としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕0.03重量部及びメラミン0.15重量部を添加
し、2軸押出機にて 210℃で溶融混練し、ペレット状の
ポリアセタール樹脂組成物を得た。前述の方法で評価し
た評価結果を表1に示す。 比較例1〜13 1分子中に環状エーテルを2個以上有する化合物(a-2)
を使用せずに調製されたポリアセタール共重合体を基体
樹脂とした場合、及び、化合物(a-2)を使用して調製さ
れたポリアセタール共重合体を用い、(B)、(C)成
分を配合しなかった場合、更に(B)、(C)成分の配
合が過少或いは過多の場合について、実施例と同様にし
てペレット状の組成物を調製し評価した。結果を表2に
併記する。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】〔ポリアセタール共重合体(A)の共重合成
分〕 (a−2)成分 a-2-1:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル a-2-2:ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテ
ル a-2-3:グリセロールトリグリシジルエーテル a-2-4:ブチルジグリシジルエーテル (a−3)成分 a-3-1:1,3−ジオキソラン a-3-2:エチレンオキシド 〔ポリアセタール共重合体(A)への配合成分〕 (B−1)成分 B1:ポリエチレン(50重量%)とアクリロニトリル−
スチレン共重合体(50重量%)とのグラフト共重合体 (B−2)成分 B2:1%無水マレイン酸変性ポリエチレン B3:1%無水マレイン酸変性エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体 (C)成分 C1:ポリジメチルシロキサン(動粘度1000cSt) C2:パラフィンオイル(平均分子量750 ) C3:ステアリルステアレート C4:エチレングリコールモノイソステアレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 59/04 (C08L 59/04 23:26 23:26 91:00) 91:00) (C08L 59/04 (C08L 59/04 51:00 51:00 91:00) 91:00) (72)発明者 川口 邦明 静岡県富士市宮島973番地 ポリプラスチ ックス株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AE033 AE053 BB033 BB202 BN032 BN052 BN062 BN072 BP012 BP032 CB001 CP033 EC066 ED056 EF056 EG036 EH036 EP016 GM00 GM02 GM04 4J032 AA04 AA33 AB07 AB35 AC02 AC13 AC16 AD31 AD32 AD38 AD41 AD45 AF04 AF05 AF06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a-1)トリオキサン100重量部、
    (a-2)1分子中に環状エーテル単位を2個以上有する化
    合物0.0005〜2重量部及び(a-3)トリオキサンと共重合
    可能な環状エーテル化合物0〜20重量部を共重合して得
    られるポリアセタール共重合体100重量部に、 (B)下記重合体(B−1)及び重合体(B−2)から
    なる群より選ばれた1種又は2種以上の重合体0.5 〜40
    重量部 重合体(B−1):オレフィン系重合体(b−1)と少
    なくとも1種のビニル系重合体(b−2)とから得られ
    るグラフトもしくはブロック共重合体 重合体(B−2):オレフィン系重合体(b−3)を不
    飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物及びこれらの
    誘導体からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合
    物で変性した変性オレフィン系重合体 及び/又は (C)潤滑剤0.1 〜5重量部 を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】トリオキサンと共重合可能な環状エーテル
    化合物(a-3) の共重合割合が0.01〜15重量部である請求
    項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリアセタール共重合体(A)が、重量平均
    分子量10000 〜500000である請求項1又は2記載のポリ
    アセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】1分子中に環状エーテル単位を2個以上有
    する化合物(a-2)が、グリセロールトリグリシジルエー
    テル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
    ル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルか
    ら選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜3の何れ
    か1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 トリオキサンと共重合可能な環状エーテ
    ル化合物(a-3)が、エチレンオキシド、1,3−ジオ
    キソラン、ジエチレングリコールホルマール及び1,4
    −ブタンジオールホルマールから選ばれたものである請
    求項1〜4の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 重合体(B−1)が、ポリエチレン、ポリ
    プロピレン及びエチレン・プロピレン共重合体から選択
    される一種以上のオレフィン系重合体(b-1)と、ポリメ
    タクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合
    体及びポリスチレンから選択される1種以上のビニル系
    重合体(b-2)とから得られるものである請求項1〜5の何
    れか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 重合体(B−2)が、オレフィン系重合体
    (b-3) 100 重量部を無水マレイン酸 0.1 〜20重量部で
    変性したものである請求項1〜5の何れか1項記載のポ
    リアセタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 潤滑剤(C)が、シリコーン、α−オレフ
    ィンオリゴマー、パラフィン、置換ジフェニルエーテ
    ル、炭素数1 0 以上の脂肪酸の誘導体、炭素数1 0 以上
    の脂肪族アルコールの誘導体から成る群より選ばれる1
    種もしくは2種以上である請求項1〜7の何れか1項記
    載のポリアセタール樹脂組成物。
JP2000239382A 2000-08-08 2000-08-08 ポリアセタール樹脂組成物 Pending JP2002053731A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000239382A JP2002053731A (ja) 2000-08-08 2000-08-08 ポリアセタール樹脂組成物
CN 01125529 CN1193070C (zh) 2000-08-08 2001-08-08 聚缩醛树脂组合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000239382A JP2002053731A (ja) 2000-08-08 2000-08-08 ポリアセタール樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002053731A true JP2002053731A (ja) 2002-02-19

Family

ID=18730934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000239382A Pending JP2002053731A (ja) 2000-08-08 2000-08-08 ポリアセタール樹脂組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2002053731A (ja)
CN (1) CN1193070C (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004059636A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Kuraray Co Ltd 熱可塑性重合体組成物
JP2005187728A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Toray Ind Inc ポリアセタール樹脂組成物および摺動部品
JP2006265282A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Toray Ind Inc ポリアセタール樹脂組成物および摺動部品
JP2020045405A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 旭化成株式会社 ポリアセタール系樹脂組成物及びその成形品
WO2022168970A1 (ja) * 2021-02-08 2022-08-11 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 樹脂組成物および成形品

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4563004B2 (ja) * 2003-07-08 2010-10-13 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂製摺動部品

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003535156A (ja) * 2000-02-28 2003-11-25 ティコナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 滑り性を改良した、電気伝導性ポリオキシメチレン

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003535156A (ja) * 2000-02-28 2003-11-25 ティコナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 滑り性を改良した、電気伝導性ポリオキシメチレン

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004059636A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Kuraray Co Ltd 熱可塑性重合体組成物
JP2005187728A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Toray Ind Inc ポリアセタール樹脂組成物および摺動部品
JP2006265282A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Toray Ind Inc ポリアセタール樹脂組成物および摺動部品
JP2020045405A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 旭化成株式会社 ポリアセタール系樹脂組成物及びその成形品
JP7217113B2 (ja) 2018-09-18 2023-02-02 旭化成株式会社 ポリアセタール系樹脂組成物及びその成形品
WO2022168970A1 (ja) * 2021-02-08 2022-08-11 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 樹脂組成物および成形品

Also Published As

Publication number Publication date
CN1337423A (zh) 2002-02-27
CN1193070C (zh) 2005-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3285501B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3195797B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2002053731A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3357552B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
US6737475B1 (en) Branched polyacetal resin composition
US20060116486A1 (en) Polyacetal resin composition
JP2001002885A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3577410B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2001158850A (ja) 分岐ポリアセタール樹脂組成物
JP3712469B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JPH0812848A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP7149380B1 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及び樹脂製歯車
JP4467669B2 (ja) 分岐ポリアセタール樹脂組成物
JPH08157688A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2002003696A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP4916606B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3114463B2 (ja) ポリオキシメチレン組成物
JP2002003694A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2001002886A (ja) 分岐ポリアセタール樹脂組成物
CN117561305A (zh) 聚缩醛树脂组合物
JP2009191113A (ja) ポリアセタール樹脂組成物及び該樹脂組成物を成形してなる摺動部材
JP2001164083A (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2016084388A (ja) ポリアセタール樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100810