JP2002053727A - 水溶性樹脂組成物および水溶性フィルム - Google Patents

水溶性樹脂組成物および水溶性フィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水に対する溶解性が優れているのみならず、
工程通過性、生分解性、低臭性などに優れる水溶性フィ
ルムの製造原料として有用な樹脂組成物、並びに該樹脂
組成物からなる水溶性フィルムを提供すること。 【解決手段】 (A)1,2−グリコール結合量が1.
8モル%以上、けん化度90モル%以上のポリビニルア
ルコール100重量部に対して、(B)可塑剤1〜50
重量部および(C)単糖類及び/又は多糖類(好適には
澱粉)5〜50重量部を配合してなる水溶性樹脂組成
物、さらに(D)無機フィラー1〜20重量部を配合し
てなる水溶性樹脂組成物、並びにこれら該樹脂組成物か
らなる水溶性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(A)特定の1,
2−グリコール結合量および特定のけん化度を有するポ
リビニルアルコール(以下、ポリビニルアルコールを
「PVA」と略称することがある)に(B)特定量の可
塑剤および(C)単糖類及び/又は多糖類(好適には澱
粉)を配合してなる水溶性樹脂組成物並びに該樹脂組成
物からなる水溶性フィルムに関する。また本発明は、上
記(A)、(B)、(C)にさらに(D)無機フィラー
を配合してなる水溶性樹脂組成物並びに該樹脂組成物か
らなる水溶性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農薬をはじめとする各種薬品など
を単位量づつ水溶性フィルムに密封包装して、使用時に
その包装形態のまま水中に投入し、内容物を包装フィル
ムごと水に溶解または分散して使用する方法が多く用い
られてきている。このユニット包装の利点は使用時に危
険な薬品に直接触れることなく使用できること、一定量
が包装されているために使用時に計量することがいらな
いこと、薬剤を包装、輸送した容器または袋などの使用
後の処理が不要または簡単であることなどである。従来
このようなユニット包装用の水溶性フィルムとしてけん
化度88モル%程度の部分けん化PVAフィルムが用い
られていた。これらの水溶性フィルムは、冷水や温水に
易溶性であり、機械的強度が優れるなどの性能を有して
いる。しかし、近年、環境汚染や工程通過性、アルカリ
洗剤などの家庭用品に使用などの点から、水溶性があ
り、フィルムに腰があり、生分解性に優れ、臭気が少な
く、耐アルカリ性を有するなど多くの性能を満たすこと
が要求されている。しかし、無変性の部分けん化PVA
は水溶性や生分解性は十分であるが、フィルムに腰がな
く、酢酸臭があり、アルカリ性物質を包装すると水溶性
が低下するという欠点を有している。フィルムに腰がな
いのはけん化度が低くフィルムの含水率が高くなるため
と考えられる。水溶性向上のため特公平6−27205
号公報(特開昭63−168437号公報)には共重合
等でスルホン酸基などを導入した変性PVAを水溶性フ
ィルムとして使用する方法が開示されている。変性基を
導入することにより水溶性を向上できるため、けん化度
を上げてフィルムの腰を向上させながら水溶性も向上さ
せることが可能である。しかし、一般的にはPVAにコ
モノマーを共重合すると生分解性が低下することが知ら
れており、特にイオン基を有するコモノマーの場合に顕
著となるため、該変性PVAからなる水溶性フィルムは
その生分解性が懸念される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
は従来のPVA系重合体からなる水溶性フィルムでは同
時に満足することが出来なかった、水溶性、工程通過
性、生分解性、臭気性、耐アルカリ性などの物性を同時
に満足する水溶性フィルムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
解決に向けて鋭意検討した結果、(A)特定の1,2−
グリコール結合量および特定のけん化度を有するPVA
に、(B)特定量の可塑剤および(C)単糖類及び/又
は多糖類(好適には澱粉)を配合した水溶性樹脂組成物
が、またさらに(D)特定量の無機フィラーを配合した
水溶性樹脂組成物が、目的とする水溶性フィルムの製造
原料として非常に有用であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)1,2−グリ
コール結合量が1.8モル%以上、けん化度90モル%
以上のPVA100重量部に対して、(B)可塑剤1〜
50重量部および(C)単糖類及び/又は多糖類(好適
には澱粉)5〜50重量部を配合してなる水溶性樹脂組
成物、並びに該樹脂組成物からなる水溶性フィルムに関
する。また本発明は、上記(A)、(B)、(C)にさ
らに(D)無機フィラー1〜20重量部を配合してなる
水溶性樹脂組成物、並びに該樹脂組成物からなる水溶性
フィルムに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明で使用するPVAはポリビニルエス
テルのけん化物である。該ビニルエステルとしてはギ酸
ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティック酸
ビニル等のビニルエステルなどを挙げることができ、こ
れらのうち1種または2種以上を用いることができる。
これらの中でも工業的に生産されコスト的に有利であ
り、また1,2−グリコール結合の生成の容易さである
点から酢酸ビニルが好ましい。
【0008】該ビニルエステルには生分解性を向上させ
るために炭素数4以下のα−オレフィンを少量共重合す
ることが好ましい。炭素数4以下のα−オレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレ
ンなどが挙げられるが、得られる重合体フィルムの生分
解性向上の点でエチレンが特に好ましい。また、水溶性
向上の点からはプロピレンが特に好ましい。共重合した
PVA中のα−オレフィンの含有量は0.1〜10モル
%、好ましくは0.5〜5モル%である。α−オレフィ
ンの含有量が0.1モル%未満の場合には生分解性向上
の効果が認められず、逆に10モル%を超える場合には
重合度低下のためフィルム強度が低下することから好ま
しくない。また特にエチレンを共重合した場合には水溶
性が低下するため、5モル%以下が好ましい。
【0009】また、本発明においてPVAは本発明の主
旨を損なわない範囲で他の単量体単位を含有しても差し
支えない。このようなコモノマーとして例えば、アクリ
ル酸及びその塩とアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアク
リル酸エステル類、メタクリル酸およびその塩、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−
プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−
ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル
酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルア
ミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルア
ミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミド
プロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級
塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等
のアクリルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチ
ルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メ
タクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタ
クリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩また
はその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよび
その誘導体等のメタクリルアミド誘導体、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニル
エーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビ
ニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチル
ビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトア
ミド等のN−ビニルアミド類、ポリアルキレンオキシド
を側鎖に有するアリルエーテル類、オキシアクリロニト
リル、メタクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン
等のハロゲン化ビニル、酢酸アリル、塩化アリル等のア
リル化合物、マレイン酸およびその塩またはそのエステ
ル、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合
物、酢酸イソプロペニル等がある。生分解性の観点か
ら、変性量は通常5モル%以下である。
【0010】該ポリビニルエステルの重合法としては溶
液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等、従
来公知の方法が適用できる。重合触媒としては、重合方
法に応じて、アゾ系触媒、過酸化物系触媒、レドックス
系触媒等が適宜選ばれる。
【0011】該ポリビニルエステルのけん化反応は従来
公知のアルカリ触媒、あるいは酸触媒での加アルコール
分解、加水分解等が適用できる。このうちメタノールを
溶剤とするNaOH触媒によるけん化反応が簡便で最も
好ましい。
【0012】本発明においてPVAのけん化度は臭気お
よび耐アルカリ性の点から90モル%以上であることが
必須であり、好ましくは95モル%以上、さらに好まし
くは98モル%以上である。PVAのけん化度が90モ
ル%未満の場合には特に高湿条件下で十分なフィルムの
腰が得られなかったり、経時的に酢酸臭が増加したりす
るため、好ましくない。けん化度はJIS K6726
に記載の方法により求めることができる。
【0013】該PVAの重合度も本発明の水溶性フィル
ムの性能に影響する。重合度はフィルムの用途によって
適宜選ばれるが、フィルム強度の点から重合度は500
以上が好ましく、より好ましくは700以上、さらに好
ましくは900以上であり、工業的な生産性の点からは
3000以下である。また、水溶性フィルムを袋にして
使用した際に要求される耐衝撃性の面からは、重合度1
000以上が特に好ましい。
【0014】PVAの1,2−グリコール結合量として
は、1.8モル%以上であることが必須であり、より好
ましくは2.2モル%以上、さらに好ましくは2.4モ
ル%以上である。1,2−グリコール結合量はビニルエ
ステルの種類、溶媒、重合温度、ビニレンカーボネート
の共重合等の様々な方法で制御することが出来る。工業
的な制御法としては本発明では重合温度での制御が好ま
しい。その際の重合温度としては80℃以上であり、1
00℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、
150℃以上がさらに好ましく、180℃以上が特に好
ましい。1,2−グリコール結合量の上限は特にない
が、1,2−グリコール結合量を多くするために重合温
度を上げたりビニレンカーボネート等を共重合したりす
ると重合度低下が起こるため、水溶性フィルムとして使
用する場合には5モル%以下が好ましく、4モル%以下
がより好ましく、3.5モル%以下がさらに好ましい。
【0015】PVAの短鎖分岐量としては、0.03モ
ル%以上が好ましく、より好ましくは0.05モル%以
上、さらに好ましくは0.08モル%以上である。短鎖
分岐はビニルエステルの種類、溶媒、重合温度等の様々
な方法で制御することが出来る。工業的な制御法とし
て、本発明では重合温度での制御が好ましい。短鎖分岐
量が多いほどPVAの結晶性が低下すると予想されるた
め、水溶性が向上して好ましい水溶性フィルムとなる。
その重合温度としては80℃以上であり、100℃以上
が好ましく、120℃以上がより好ましく、150℃以
上がさらに好ましく、180℃以上が特に好ましい。
【0016】本発明に用いられる単糖類及び/又は多糖
類としては、特に制限はなく、単糖類としては、グルコ
ース、フルクトース、異性化糖、キシロース等が挙げら
れ、多糖類(二糖類、オリゴ糖類を含む。)としては、
マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、
パラチノース、還元麦芽糖、還元パラチノース、還元乳
糖、水飴、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳
糖オリゴ糖、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、カップリ
ングシュガー、シクロデキストリン化合物、プルラン、
ペクチン、寒天、コンニャクマンナン、ポリデキストロ
ース、キサンタンガム、澱粉等が挙げられる。この中で
も澱粉が最も好適である。該澱粉についても特に限定は
なく、例えば、トウモロコシ、小麦、馬鈴薯、タピオ
カ、タロイモ、サツマイモ、米などの生澱粉や、それら
のα化澱粉、デキストリン、酸化澱粉、アルデヒド化澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱
粉、架橋澱粉などの変性澱粉を挙げることができ、これ
らのうち1種または2種以上を用いることができる。得
られるフィルムの製袋機等の工程通過性の点からは、P
VAと澱粉の相溶性が幾分低く、フィルム表面がマット
性を有する方が好ましく、生コーンスターチ、酸化コー
ンスターチ、エーテル化コーンスターチ、リン酸エステ
ル化馬鈴薯澱粉、アセチル化小麦澱粉などが好ましい。
さらに、フィルム表面に微細な凹凸が良好に形成される
点から、特に酸化コーンスターチが好ましい。
【0017】単糖類及び/又は多糖類(好適には澱粉)
の配合割合は、PVA100重量部に対して5〜50重
量部であり、10〜35重量部であるのがより好まし
い。配合割合が5重量部未満の場合には、得られるフィ
ルムの水への溶解速度の向上効果が見られない。一方、
配合割合が50重量部を超える場合には、得られるフィ
ルムの強度が低下してしまう。得られるフィルムのブロ
ッキング防止性の点からは、10重量部以上配合するの
が好ましい。
【0018】一般に水溶性フィルムは高温多湿の地域や
寒冷地でも運搬、貯蔵、使用がなされるため、フィルム
の強度やタフネスが要求される。特に低温での耐衝撃性
が必要とされる。そのため得られるフィルムのガラス転
移点を下げるために、種々の可塑剤が用いられる。さら
に本発明では、上記の目的に加えて、特に水に対する溶
解性を向上させる目的で可塑剤が用いられる。
【0019】本発明に用いられる可塑剤としては、PV
Aの可塑剤として一般に用いられているものなら特に制
限はなく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリメ
チロールプロパン、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレング
リコールなどの多価アルコール類、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル
類、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどのフェノ
ール誘導体、N−メチルピロリドンなどのアミド化合
物、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール
などの多価アルコールにエチレンオキサイドを付加した
化合物などを挙げることができ、これらのうち1種また
は2種以上を用いることができる。これらのなかでも、
水溶性を向上させる目的としては、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレング
リコールが好ましく、特に水溶性向上の効果が大きいこ
とから、トリメチロールプロパンが特に好ましい。
【0020】可塑剤の配合割合はPVA100重量部に
対して1〜50重量部である。可塑剤の配合割合が1重
量部未満の場合には、可塑剤の配合効果が認められな
い。一方、可塑剤の配合割合が50重量部を超える場合
には、可塑剤のブリードアウトが大きくなり、得られる
フィルムのブロッキング防止性が悪化しやすい。得られ
るフィルムの水に対する溶解速度の点からは、20重量
部以上の割合で配合するのが好ましい。また、得られる
フィルムの腰(製袋機等の工程通過性)の点からは、4
0重量部以下の割合で配合するのが好ましい。得られる
フィルムの水溶性を向上させる点からは、可塑剤の配合
量が多いほど好ましい。また、ヒートシール温度は様々
な要因で変化するが、特に可塑剤の配合量が多いほどヒ
ートシール温度は低下し、フィルム製袋時の生産性が向
上するので好ましい。特に、得られるフィルムのヒート
シール温度が170℃以下となるような割合で可塑剤を
配合するのが好ましく、160℃以下となるような割合
で可塑剤を配合するのがより好ましい。さらに、可塑剤
の配合量は得られるフィルムのヤング率の大きさに影響
を与えやすい。得られるフィルムの製袋機等の工程通過
性の点からは、ヤング率が1.5kg/mm2以上であ
るのが好ましく、2kg/mm2以上であるのがさらに
好ましく、このような範囲のヤング率を有するフィルム
が得られるように、可塑剤を配合することが好ましい。
【0021】以上、(A)1,2−グリコール結合量が
1.8モル%以上、けん化度90モル%以上のPVA1
00重量部、(B)可塑剤1〜50重量部及び(C)単
糖類及び/又は多糖類(好適には澱粉)5〜50重量部
からなることを特徴とする水溶性樹脂組成物、及び該組
成物からなる水溶性フィルムについて説明してきたが、
本発明の他のもう一つの水溶性樹脂組成物は、上記の
(A)、(B)、(C)に加え、さらに(D)無機フィ
ラー1〜20重量部を配合してなるものであり、かかる
組成物からなるフィルムもまた良好な水溶性を示すもの
である。本発明に用いられる該無機フィラーとしては、
例えば、シリカ、重質、軽質又は表面処理された炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸
化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ゼ
オライト、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、マイカ、炭酸マグ
ネシウム、およびカオリン、ハロサイト、パイロフェラ
イト、セリサイト等のクレー、タルク等を挙げることが
でき、これらのうち1種または2種以上を用いることが
できる。これらのなかでも、特にPVAへの分散性の点
から、シリカを用いるのが好ましい。無機フィラーの粒
子径は、ブロッキング防止性の点から1μm以上が好ま
しく、PVAへの分散性の点から10μm以下が好まし
い。その両者の性能を両立させるには、粒径が1〜7μ
m程度の大きさのものがより好ましい。
【0022】無機フィラーの配合量は、水溶性向上の点
から、PVA100重量部に対して1〜20重量部であ
ることが必須であり、3〜20重量部であるのがより好
ましく、5〜20重量部であるのがさらに好ましく、1
0〜20重量部であるのが特に好ましい。これらの範囲
内で無機フィラーを配合すると、よりブロッキング防止
性に優れたフィルムが得られるので好ましい。なお、無
機フィラーを20重量部を超えて配合すると、PVAへ
の分散性が低下し、無機フィラーが凝集してしまい、得
られるフィルムの水溶性が低下する傾向がある。
【0023】本発明の水溶性樹脂組成物は、さらに必要
に応じて、着色剤、香料、増量剤、消泡剤、剥離剤、紫
外線吸収剤、界面活性剤などの通常の添加剤を適宜配合
しても差し支えない。特に製膜装置のダイスやドラムな
どの金属表面と、製膜したフィルムやフィルム原液との
剥離性を向上させるために、PVA100重量部に対し
て界面活性剤を0.01〜5重量部の割合で配合するこ
とが好ましい。また必要に応じて、本発明の効果を失わ
ない範囲内で、1,2−グリコール結合量が1.8モル
%より少ないPVA系樹脂、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースな
どの水溶性高分子を配合しても良い。特に水溶性向上の
点から、低粘度タイプのカルボキシメチルセルロースを
添加することが好ましい。
【0024】本発明の水溶性樹脂組成物は、前記のPV
Aに、可塑剤、単糖類及び/又は多糖類(好適には澱
粉)さらに無機フィラーや必要に応じ他の成分を配合
し、所望の方法で混合することにより製造することがで
きる。
【0025】本発明の水溶性樹脂組成物を用いて、一般
にフィルムを製膜する際に用いられている製膜方法、例
えば、流延製膜法、湿式製膜法、乾式製膜法、押出製膜
法、溶融製膜法、コート法、インフレーション製膜法な
どの製膜方法で、水溶性フィルムを製膜することができ
る。製膜原液として樹脂組成物を水、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
メタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、フ
ェノールなどの溶媒に溶解した均一な溶液を調製するた
めには、樹脂組成物を構成する成分を予め全て混合した
後に溶媒に溶解しても、あるいは樹脂組成物を構成する
成分をそれぞれ溶媒に溶解した後に、それらの溶液を混
合しても構わない。製膜原液の濃度は粘度の点から50
重量%以下(溶媒の含有量が50重量%より大)が好ま
しく、製膜したフィルムの表面にマット状態が形成され
やすい点から30重量%以下(溶媒の含有量が70重量
%より大)がさらに好ましい。
【0026】本発明の水溶性フィルムは、ヤング率が
1.5kg/mm2以上であるのが好ましく、2kg/
mm2以上であるのがさらに好ましい。上記の範囲のヤ
ング率を有する水溶性フィルムは、フィルムの製袋機等
の工程通過性に優れているので好ましい。
【0027】本発明の水溶性フィルムの厚みは特に限定
されていないが、10〜100μmであるのが好まし
く、特に強度と水溶性のバランスの点から30〜80μ
mであるのがより好ましい。
【0028】本発明の水溶性フィルムは、フィルムのブ
ロッキング防止性を向上させるような特別な処理を行わ
なくても、ブロッキング防止性に優れている。耐ブロッ
キング性の指標としては、フィルム表面の滑り角を測定
することにより評価することができるが、本発明の水溶
性フィルムは、滑り角が60度以下であるのが好まし
く、55度以下であるのがさらに好ましい。滑り角は可
塑剤の配合量や、PVAのけん化度など様々な要因で変
化する。なお、本明細書でいう滑り角とは、23℃、5
0%RH中で1週間調湿したフィルムを用いて、JIS
−P8147に従って、フィルムのフリー面(マット
面)の滑り角を測定した値であり、該滑り角が小さいほ
どブロッキング防止性に優れていることを示す。
【0029】本発明の水溶性フィルムのブロッキング防
止性をさらに向上させるために、必要に応じて、該水溶
性フィルム表面をロールマット化したり、シリカや澱粉
などのブロッキング防止用の粉を塗布したり、エンボス
処理を行うこともできる。フィルム表面のロールマット
化は、製膜時に乾燥前のフィルムが接するロールに微細
な凹凸を形成しておくことにより施すことができる。エ
ンボス処理は一般にフィルムが形成された後で、熱や圧
力を加えながらエンボスロールとゴムロールでニップす
ることで行うことができる。粉の塗布はブロッキング防
止の効果が大きいが、用途によっては使用できないこと
があるため、ブロッキング防止のためにはロールマット
化やエンボス処理を施すほうが好ましい。ブロッキング
防止効果が大きいためロールマット化することが特に好
ましい。
【0030】本発明の水溶性フィルムは優れた水への溶
解速度を有しており、20℃水中での完全溶解時間(フ
ィルムの厚さ40μm)が130秒以下であるのが好ま
しく、100秒以下であるのがより好ましい。本発明で
いう20℃水中での完全溶解時間とは、後記の実施例の
水溶性フィルムの水溶性の測定方法として記載した方法
に従ってフィルムが完全に溶解するまでの時間(DT)
を測定した値であり、フィルムの厚さが40μmとは異
なるものを使用する場合には、後記した式(1)により
フィルムの厚さ40μmに換算した値である。
【0031】本発明の水溶性フィルムの28日後の分解
率は60%以上であり、好ましくは70%以上、さらに
好ましくは80%以上である。汚泥の活性のばらつき等
により分解率の誤差が生じるが、本発明の水溶性フィル
ムの分解率の平均値が上記範囲となることが好ましい。
本発明の分解率は、ISO14851に記載の生分解性
評価方法に準じて評価を行った場合の分解率である。そ
の分解率は分解に伴う二酸化炭素発生量あるいは酸素消
費量から求められる。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、実施例中「部」および「%」は、特にこ
とわらない限り「重量部」および「重量%」をそれぞれ
意味する。
【0033】[PVAの分析方法]PVAの分析方法は特
に記載のない限りはJIS−K6726に従った。本発
明のPVAの1,2−グリコール結合、短鎖分岐の含有
量は500MHz 1H NMR(JEOL GX−50
0)装置による測定から下記のとおり求めた。 (1)PVAの1,2−グリコール結合量はNMRのピ
ークから求めることができる。けん化度99.9モル%
以上にけん化後、十分にメタノール洗浄を行い、次いで
90℃減圧乾燥を2日間行ったPVAをDMSO−d6
に溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加えた試料を500
MHzの1H NMR(JEOL GX−500)を用い
て80℃で測定した。ビニルアルコール単位のメチン由
来のピークは3.2〜4.0ppm(積分値A)、1,
2−グリコール結合の1つのメチン由来のピークは3.
25ppm(積分値B)に帰属され、次式で1,2−グ
リコール結合含有量を算出できる。 1,2−グリコール結合量(モル%)=(B/A)×1
00 (2)PVAの短鎖分岐量(2モノマーユニットからな
る)はNMRのピークから求めることができる。けん化
度99.9モル%以上にけん化後、十分にメタノール洗
浄を行い、次いで90℃減圧乾燥を2日間行ったPVA
をDMSO−d6に溶解した試料を500MHzの1
H NMRで、またD2Oに溶解した試料を125.6
5MHzの13C NMR(JOEL GX−500)を用
いて80℃で測定する。試料よりビニルアルコール単
位のメチン由来のピークは3.2〜4.0ppm(積分
値C)、末端アルコールのメチレン由来のピークは3.
52ppm(積分値D)に帰属され、試料より全末端
アルコールのメチレン由来のピークは60.95〜6
1.65ppm(積分値E)、短鎖分岐末端アルコール
のメチレン由来のピークは60.95〜61.18pp
m(積分値F)に帰属され、次式で短鎖分岐含有量を算
出できる。 短鎖分岐含有量(モル%)= [(D/2)/C]×
(F/E)×100
【0034】[水溶性フィルムの水溶性の測定方法]2
0℃の恒温バスにマグネティックスターラーを設置す
る。1Lの蒸留水を入れた1Lのガラスビーカーをバス
に入れ、5cmの回転子を用いて250rpmで撹拌を
行う。ビーカー内の蒸留水が20℃になった後、水溶性
の測定を開始する。(10℃および15℃で測定を行う
場合には、上記温度条件を所定の温度にして同様な操作
を行う。) 厚さ40μmのフィルムを40×40mmの正方形に切
り、これをスライドマウントにはさみ、20℃の撹拌し
ている水中に浸漬し、フィルムの溶解状態を観察した。
フィルムが破れるまでの時間をBT、フィルムが完全に
溶解するまでの時間をDTとして、その秒数を測定し
た。なお、フィルムの厚さが40μmとは異なるフィル
ムを用いる場合には、下記の式(1)に従ってフィルム
の厚さ40μmの値に換算する。
【0035】 溶解時間(DT)(秒)=[40/フィルムの厚み(μm)]2×実際の溶解時間 (秒) …(1)
【0036】[ヤング率の測定方法]厚さ40μm、幅
10mmのフィルムを、20℃、65%RHで1週間調
湿後、オートグラフで引っ張り試験を行った。チャック
間隔は50mm、引っ張り速度は500mm/分であっ
た。ヤング率は引っ張り初期の値から求めた。この値が
大きいほど工程通過性に優れていることを示す。
【0037】[生分解性評価方法]無機培地液300m
lに馴養汚泥(下水処理場より試験開始当日入手した汚
泥とポリビニルアルコール水溶液中で1ヶ月間馴養した
汚泥を1:1で混合したもの)を30mgとサンプル3
0mgを加え、クーロメーター(大倉電気OM3001
A型)を用い、25℃で28日間培養し、生分解に消費
された酸素量を測定することにより生分解率を求めた。
【0038】実施例1 攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口を備えた5L加圧反
応槽に酢酸ビニル3000gおよび酒石酸0.090g
を仕込み、室温下に窒素ガスによるバブリングをしなが
ら反応槽圧力を2.0MPaまで昇圧して10分間放置
した後、放圧するという操作を3回繰り返して系中を窒
素置換した。開始剤として2,2'−アゾビス(N-ブチ
ル-2-メチルプロピオンアミド) をメタノールに溶解
した濃度0.1g/L溶液を調製し、窒素ガスによるバ
ブリングを行って窒素置換した。次いで重合槽内温を1
50℃に昇温した。このときの反応槽圧力は0.8MP
aであった。次いで、上記の開始剤溶液8.0mlを注
入し重合を開始した。重合中は重合温度を150℃に維
持し、上記の開始剤溶液を用いて13.6ml/hrで
2,2'−アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンア
ミド) を連続添加して重合を実施した。重合中の反応
槽圧力は0.8MPaであった。3時間後に冷却して重
合を停止した。このときの固形分濃度は25%であっ
た。次いで30℃減圧下にメタノールを時々添加しなが
ら未反応酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビ
ニルのメタノール溶液(濃度33%)を得た。得られた
該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が25
%となるように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶
液400g(溶液中のポリ酢酸ビニル100g)に、40
℃で2.3g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニット
に対してモル比(MR)0.025)のアルカリ溶液
(NaOHの10%メタノール溶液)を添加してけん化
を行った。アルカリ添加後約20分でゲル化したものを
粉砕器にて粉砕し、1時間放置してけん化を進行させた
後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを
中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の
終了を確認後、濾別して得られた白色固体のPVAにメ
タノール1000gを加えて室温で3時間放置洗浄し
た。上記洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得
られたPVAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥P
VA(PVA−1)を得た。
【0039】得られたPVA(PVA−1)のけん化度
は99モル%であった。また、重合後未反応酢酸ビニル
モノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノー
ル溶液をアルカリモル比0.5でけん化して、粉砕した
ものを60℃で5時間放置してけん化を進行させた後、
メタノールによるソックスレー洗浄を3日間実施し、次
いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVAを得
た。該PVAの重合度を常法のJIS−K6726に準
じて測定したところ1200であった。該精製PVAの
1,2−グリコール結合量を500MHzプロトンNM
R(JEOL GX−500)装置による測定から前述
のとおり求めたところ、2.5モル%であった。
【0040】このPVA100重量部に対し、澱粉とし
て酸化コーンスターチ20重量部、可塑剤としてトリメ
チロールプロパン30重量部、無機フィラーとして粒径
3μmのシリカ10重量部および水を添加して、均一な
10%水溶液(含水率90%)を作成し、70℃のマッ
ト化した熱ロールへ流延し、乾燥することにより厚さ4
0μmのフィルムを得た。さらに100℃で10分間熱
処理を行った。このフィルムの水溶性(水に完全に溶解
するまでの時間)は20℃では83秒であった。他に、
ヤング率、生分解性を測定した。得られた結果は表4に
示した。このフィルムから10cm×15cmの袋を作
り、アルカリ性物質として炭酸ナトリウム40gを入れ
熱シールして密封した。この包装袋をさらにアルミにポ
リエチレンをラミネートしたフィルムで包み、熱シール
することにより2重に密封包装し、アルカリ性物質を密
封した包装袋から水や可塑剤が飛散しないようにした。
この袋を長期保存テストの促進試験として、50℃の恒
温器に入れて放置し、1ヶ月後に取り出して包装してい
たフィルムの水溶性の経時変化を調べた。評価結果を下
記の表4に示した。50℃で1ヶ月放置した後もほとん
ど水溶性の低下はなく良好であった。また、着色や透明
性の低下もなく、フィルムの外観は良好であった。さら
に、フィルムの臭気(特に酢酸臭)も認められず、良好
であった。
【0041】実施例2 重合温度を180℃に変更する以外は実施例1と同様に
して重合およびけん化を行った。重合中の条件は表1
に、得られた樹脂(PVA−2)の分析値は表2に示し
た。そして、実施例1と同様な操作を行い、表3に示す
組成のフィルムを作成して、物性の評価を行った。得ら
れた結果は表4に示した。
【0042】実施例3 撹拌機、窒素導入口、エチレン導入口、開始剤添加口お
よびディレー溶液添加口を備えた50L加圧反応槽に酢
酸ビニル29.4kg、メタノール0.6kgを仕込
み、60℃に昇温した後30分間窒素バブリングにより
系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力が1.8MPa
となるようにエチレンを導入仕込みした。開始剤として
2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオ
ンアミド)をメタノールに溶解した濃度0.1g/L溶
液を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置
換した。上記の重合槽内温を150℃に調整した後、上
記の開始剤溶液45mlを注入し重合を開始した。重合
中はエチレンを導入して反応槽圧力を1.8MPaに、
重合温度を150℃に維持し、上記の開始剤溶液を用い
て185ml/hrで2,2’−アゾビス(N−ブチル
−2−メチルプロピオンアミド)を連続添加して重合を
実施した。3時間後に重合率が25%となったところで
冷却して重合を停止した。反応槽を開放して脱エチレン
した後、窒素ガスをバブリングして脱エチレンを完全に
行った。次いで減圧下に未反応酢酸ビニルモノマーを除
去しポリ酢酸ビニルのメタノール溶液とした。得られた
該ポリ酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が30
%となるように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶
液333g(溶液中のポリ酢酸ビニル100g)に、
9.3g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニットに対
してモル比(MR)0.02)のアルカリ溶液(NaO
Hの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行っ
た。アルカリ添加後約5分で系がゲル化したものを粉砕
器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行さ
せた後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカ
リを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中
和の終了を確認後、濾別して得られた白色固体のPVA
にメタノール1000gを加えて室温で3時間放置洗浄
した。上記洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して
得られたPVAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥
PVA(PVA−3)を得た。得られたエチレン変性P
VAについて前述の分析を行ったところ、PVA−3の
重合度は1150、けん化度は95モル%、エチレン変
性量は3モル%であった。得られた樹脂(PVA−3)
の分析値は表2に示した。そして、実施例1と同様な操
作を行い、表3に示す組成のフィルムを作成して、物性
の評価を行った。得られた結果を表4に示した。
【0043】実施例4 反応槽内の置換ガスとして窒素の代わりにプロピレンを
使用し、重合中の条件を表1に示すように変更した以外
は実施例1と同様にして重合およびけん化を行った。得
られた樹脂(PVA−4)の分析値は表2に示した。た
だし、プロピレン変性量については、ケン化度99.9
モル%にけん化した重合物のDSCを測定して融点を求
めた。そして、下記の式を用いてその融点[Tm
(℃)]から変性量[△(モル%)]を求めた。 △=(234.1−Tm)/7.55 そして、実施例1と同様な操作を行い、表3に示す組成
のフィルムを作成して、物性の評価を行った。得られた
結果を表4に示した。
【0044】実施例5 攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口および還流冷却管を
備えた5L四つ口セパラブルフラスコに酢酸ビニル20
00g、メタノール400g、ビニレンカーボネート7
8.8gを仕込み、室温下に30分間窒素バブリングし
ながら系中を窒素置換した。上記の重合槽内温を60℃
に調整した後、開始剤としてα,α'−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.9gを添加して重合を開始した。重合中
は重合温度を60℃に維持し、4時間後に冷却して重合
を停止した。この時の固形分濃度は55%であった。次
いで30℃減圧下にメタノールを時々添加しながら未反
応酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルの
メタノール溶液(濃度33%)を得た。得られた該ポリ
酢酸ビニル溶液にメタノールを加えて濃度が25%とな
るように調整したポリ酢酸ビニルのメタノール溶液40
0g(溶液中のポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で
46.4g(ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニットに
対してモル比(MR)0.020)のアルカリ溶液(N
aOHの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行
った。アルカリ添加後約1分でゲル化したものを粉砕器
にて粉砕し、1時間放置してけん化を進行させた後、酢
酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和し
た。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を
確認後、濾別して得られた白色固体のPVAにメタノー
ル1000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記
洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られたP
VAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥PVA(P
VA−5)を得た。得られたPVA(PVA−5)のけ
ん化度は99モル%であった。また、重合後未反応酢酸
ビニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメ
タノール溶液をアルカリモル比0.5でけん化した後、
粉砕したものを60℃で5時間放置してけん化を進行さ
せた後、メタノールによるソックスレー洗浄を3日間実
施し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製PV
Aを得た。該PVAの重合度を常法のJIS K672
6に準じて測定したところ1700であった。該精製P
VAの1,2−グリコール結合量を500MHz 1H N
MR(JEOL GX−500)装置による測定から前
述のとおり求めたところ、3.0モル%であった。そし
て、実施例1と同様な操作を行い、表3に示す組成のフ
ィルムを作成して、物性の評価を行った。得られた結果
を表4に示した。
【0045】実施例6〜7 重合の条件を表1のように変更する以外は実施例1と同
様にして重合およびけん化を行った。PVA合成の条件
は表1に、得られた樹脂の分析値は表2に示した。そし
て、実施例1と同様な操作を行い、表3に示す組成のフ
ィルムを作成して、物性の評価を行った。得られた結果
を表4に示した。
【0046】比較例1〜9 PVAの合成条件、組成、および澱粉、可塑剤、無機フ
ィラーの種類と配合量を下記の表1〜3のように変更し
たこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを製造
し、各種評価を行った。評価結果を下記の表4に示し
た。比較例8のフィルムは強度が低く、ヒートシール性
も不良であり、袋を作成してアルカリ物質包装試験を行
うことが困難であった。また、比較例9のフィルムは可
塑剤のブリードアウトがひどく、ブロッキングしてお
り、実用上は使用不可能なものであった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】本発明の水溶性樹脂組成物から製造され
た水溶性フィルムは、水に対する溶解性が優れているの
みならず、工程通過性、生分解性、低臭性などに優れて
おり、アルカリ性物質の包装を始め、その他の従来公知
の水溶性フィルムの用途に好ましく用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 3/02 C08L 3/02 5/00 5/00 (72)発明者 日笠 慎太郎 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4F071 AA08 AA29 AB26 AC05 AC19 AE04 AF05 AF20 AH04 BB02 BC01 BC10 4J002 AB012 AB042 AB052 BE021 BE031 CH023 CH053 DE108 DE138 DE148 DE238 DG048 DG058 DJ008 DJ018 DJ038 DJ048 DJ058 EC047 EC057 EJ037 EL086 EV077 FD018 FD023 FD027 GG02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1,2−グリコール結合量が1.
    8モル%以上、けん化度90モル%以上のポリビニルア
    ルコール100重量部、(B)可塑剤1〜50重量部お
    よび(C)単糖類及び/又は多糖類5〜50重量部から
    なることを特徴とする水溶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (C)多糖類が澱粉である請求項1記載
    の水溶性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)1,2−グリコール結合量が1.
    8モル%以上、けん化度90モル%以上のポリビニルア
    ルコールが、短鎖分岐を0.03モル%以上有する請求
    項1及び2記載の水溶性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項記載の水溶
    性樹脂組成物からなることを特徴とする水溶性フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 ヤング率が1.5kg/mm2以上であ
    る請求項4記載の水溶性フィルム。
  6. 【請求項6】 20℃水中での完全溶解時間(フィルム
    の厚さ40μm)が130秒以下である請求項4及び5
    記載の水溶性フィルム。
  7. 【請求項7】 (A)1,2−グリコール結合量が1.
    8モル%以上、けん化度90モル%以上のポリビニルア
    ルコール100重量部、(B)可塑剤1〜50重量部、
    (C)単糖類及び/又は多糖類5〜50重量部及び
    (D)無機フィラー1〜20重量部からなることを特徴
    とする水溶性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (C)多糖類が澱粉である請求項7記載
    の水溶性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (A)1,2−グリコール結合量が1.
    8モル%以上、けん化度90モル%以上のポリビニルア
    ルコールが、短鎖分岐を0.03モル%以上有する請求
    項7及び8記載の水溶性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれか一項記載の水
    溶性樹脂組成物からなることを特徴とする水溶性フィル
    ム。
  11. 【請求項11】 ヤング率が1.5kg/mm2以上で
    ある請求項10記載の水溶性フィルム。
  12. 【請求項12】 20℃水中での完全溶解時間(フィル
    ムの厚さ40μm)が130秒以下である請求項10及
    び11記載の水溶性フィルム。
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