JPH1129683A - ポリビニルアルコールフィルム - Google Patents

ポリビニルアルコールフィルム

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JPH1129683A
JPH1129683A JP18406697A JP18406697A JPH1129683A JP H1129683 A JPH1129683 A JP H1129683A JP 18406697 A JP18406697 A JP 18406697A JP 18406697 A JP18406697 A JP 18406697A JP H1129683 A JPH1129683 A JP H1129683A
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JP
Japan
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film
starch
polyvinyl alcohol
pva
melting point
Prior art date
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JP18406697A
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English (en)
Inventor
Takanori Isozaki
孝徳 磯▲ざき▼
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリビニルアルコールおよび澱粉からな
る下記の数式(1)を満足するポリビニルアルコール系
フィルム。 (Tm0−Tm)/A>6 数式(1) 但し、数式(1)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 A:澱粉の配合比(0≦A≦1) 【効果】 本発明のPVA系フィルムは、相溶性に優れ
ていることから、従来のPVA系重合体と澱粉の組成物
から調製した皮膜に比べて、透明性が良好であり、強
度、伸度、弾性率、タフネスなどの皮膜物性に優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリビニルアルコー
ル系フィルムに関する。さらに詳しくは澱粉などとの相
溶性が良好で、透明性に優れ、皮膜物性に優れたポリビ
ニルアルコール系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコールと澱粉との混合物
は、水溶性であること、生分解性を持つこと、皮膜形成
能が良好なこと、澱粉が安価であることなどの理由で、
紙加工剤、繊維用経糸糊剤およびフィルム用途などに使
用されている。しかし、ポリビニルアルコールと澱粉は
共に高分子化合物であるため相溶性に劣り、ポリビニル
アルコールと澱粉との混合水溶液は安定性が悪く、短時
間で分離する傾向が見られる。また、この混合水溶液よ
り得られた皮膜は透明性が悪く、皮膜物性も良くない。
ポリビニルアルコールと澱粉との相溶性を向上させるた
めに、澱粉として各種の加工澱粉、例えばエーテル化澱
粉、エステル化澱粉およびカチオン化澱粉などの澱粉誘
導体、酸化澱粉およびデキストリンなどの澱粉分解産物
などの使用が検討されているが、ポリビニルアルコール
との相溶性は依然として充分ではない。
【0003】これらの問題点に対して、炭素数4〜20
の長鎖アルキル基を共重合した変性ポリビニルアルコー
ルを用いることにより、生澱粉との相溶性が向上するこ
とが知られている(特開昭56−14544号)。しか
し、混合水溶液の安定性は通常のポリビニルアルコール
と比較して向上するが充分ではなく、混合水溶液から製
造した皮膜物性は充分ではない。末端に炭素数4〜50
の長鎖アルキルを有するビニルアルコール系重合体を用
いることにより、澱粉との相溶性が向上することが知ら
れて(特公平5−75013号)。しかし、混合水溶液
の安定性は通常のポリビニルアルコールと比較して向上
するが、混合水溶液から製造した皮膜物性は充分ではな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
ビニルアルコール(以下「PVA」と略記する)、特に
変性PVAと、澱粉および糖類との相溶性が良好で、こ
れらの混合水溶液から製造する皮膜の透明性および皮膜
物性に優れるPVA系フィルムを提供することにある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明によると、ポリビニルアル
コールおよび澱粉からなる下記の数式(1)を満足する
ポリビニルアルコール系フィルムが提供される。 (Tm0−Tm)/A>6 数式(1) 但し、数式(1)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 A:澱粉の配合比(0≦A≦1)
【0006】また、本発明によると、ポリビニルアルコ
ールおよび糖類からなる下記の数式(2)を満足するポ
リビニルアルコール系フィルムが提供される。 (Tm0−Tm)/B>15 数式(2) 但し、数式(2)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 B:糖類の配合比(0≦B≦1)
【0007】
【発明の実際の形態】本発明のPVAの融点(Tm0)
とは、PVA単独の水溶液を室温で乾燥させて得られた
フィルムを示差熱分析装置(DSC)で測定した際のピ
ーク温度を表している。また、PVA系フィルムの融点
(Tm)とは、PVAと澱粉あるいは糖類との混合物の
水溶液を室温で乾燥させて得られたフィルムを示差熱分
析装置(DSC)で測定した際のピーク温度を表してい
る。なお、フィルムがグリセリン等の可塑剤を含有する
場合には、PVAと可塑剤からなるフィルムの融点をT
m0とし、PVAと可塑剤と澱粉あるいは糖類との混合
物からなるフィルムの融点をTmとする。
【0008】PVAの粘度平均重合度(以下、重合度と
略記する)は300〜30000が好ましく、500〜
8000がより好ましく、1000〜4000が特に好
ましい。PVAの重合度(P)は、JIS−K6726
に準じて測定される。すなわち、PVAを再けん化し、
精製した後、30℃の水中でで測定した極限粘度[η]
から次式により求められる。 P=([η]×103 /8.29)(1/0.62) 重合度が300未満の場合にはフィルム強度が低下す
る。重合度が30000より大の場合にはフィルムの製
膜性や加工性が低下する。PVAのけん化度は80〜9
9.99モル%が好ましく、85〜99.9モル%がよ
り好ましく、88〜99.8モル%が特に好ましい。け
ん化度が80モル%未満の場合には、PVAの熱水への
溶解性が低下したり、フィルムの耐水性が低下する。け
ん化度が99.99モル%より大の場合には、PVAと
澱粉の水溶液の粘度安定性が低下する。
【0009】本発明に使用するPVAの中でも、炭素数
4以下のα−オレフィン単位を有する変性PVAが好ま
しい。炭素数4以下のα−オレフィンとしては、エチレ
ン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等が挙げられ
るが、得られるフィルムの生分解性の点でエチレンが好
ましい。α−オレフィン単位の含有量は1〜20モル%
であり、2〜18モル%が好ましく、2.5〜15モル
%がより好ましく、3〜12モル%が特に好ましい。α
−オレフィン単位の含有量が1モル%未満の場合には、
フィルムの耐水性が低下する。α−オレフィン単位の含
有量が20モル%より大の場合には、変性PVAの熱水
への溶解性が低下したり、フィルムの透明性が低下す
る。
【0010】本発明に使用される炭素数4以下のα−オ
レフィン単位を有する変性PVAは、ビニルエステルと
α−オレフィンとの共重合体をけん化することにより得
られる。ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリ
ン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、
安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティッ
ク酸ビニル等が挙げられ、これらの中でもPVAを得る
点から酢酸ビニルが好ましい。本発明の変性PVAは、
さらに、アニオン基もしくはカチオン基を含有していて
もよい。これらのアニオン基もしくはカチオン基を有す
る単量体としては、フマール酸、マレイン酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット
酸または無水イタコン酸等に由来するカルボキシル基を
有する単量体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等に由来するスルホン酸基を
有する単量体;ビニロキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニ
ロキシメチルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルア
ミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ア
クリルアミドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウム
クロライド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミ
ン等に由来するカチオン基を有する単量体が挙げられ
る。これらの単量体の中でも、入手のし易さおよび共重
合性の観点から、無水マレイン酸、無水マレイン酸から
誘導されるハーフエステル、イタコン酸、アリルスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルア
ンモニウムクロライドに由来する単量体が好ましい。こ
れらの単量体単位の含有量は、通常10モル%以下であ
り、0.1〜8モル%がより好ましい。
【0011】本発明に使用される炭素数4以下のα−オ
レフィン単位を有する変性PVAは、本発明の効果を損
なわない範囲であれば、ビニルアルコール単位、ビニル
エステル単位およびエチレン単位以外の単量体単位を含
有していても良い。このような単位としては、アクリル
酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル
等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその
塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメ
タクリル酸エステル類;アクリルアミド;N−メチルア
クリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のアクリル
アミド誘導体;メタクリルアミド;N−メチルメタクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリル
アミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の
ハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリ
ル化合物;マレイン酸、その塩またはそのエステル;イ
タコン酸、その塩またはそのエステル;ビニルトリメト
キシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニ
ル等が挙げられる。これらの単量体単位の含有量として
は、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がさらに
好ましく、3モル%以下がさらにより好ましい。
【0012】本発明のPVA系フィルムにおける澱粉の
配合比(A)は(Tm0−Tm)/A>6を満足する割
合で配合する必要があり、(Tm0−Tm)/Aは8以
上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。一般に
澱粉の配合比(A)はフィルム重量に対して、0.01
〜0.90であり、0.02〜0.85がより好まし
く、0.03〜0.80がさらに好ましく、0.05〜
0.75が特に好ましい。澱粉の配合比が0.01未満
の場合には、PVA系重合体の物性と変わらず澱粉の効
果が出ない。澱粉の配合比が0.90を越える場合に
は、フィルムの強度が十分でない。
【0013】澱粉としては、生澱粉、生澱粉分解物、澱
粉誘導体およびアミロースが用いられる。生澱粉として
は、小麦、コーン、米、馬鈴薯、甘しょ、タピオカ、サ
ゴ椰子などより採った澱粉が挙げられ、一般的には小麦
澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉が適当である。生澱
粉分解産物としては、酸化澱粉やデキストリンが挙げら
れ、酸化澱粉が適当である。澱粉誘導体としては、エー
テル化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉などが挙
げられる。本発明の主旨を満足する範囲で2種以上の澱
粉を混合して配合しても構わない。澱粉の種類により
(Tm0−Tm)/Aの大きさは異なるが、本発明の条
件を満足するためには酸化コーンスターチなどの酸化澱
粉やエーテル化馬鈴薯澱粉を使用することが最も好まし
い。
【0014】本発明のPVA系フィルムにおける糖類の
配合比(B)は(Tm0−Tm)/B>15を満足する
割合で配合する必要があり、(Tm0−Tm)/Bは2
0以上がより好ましく、30以上がさらに好ましい。本
発明の主旨を満足する範囲で2種以上の糖類を混合して
配合しても構わない。糖類の種類により(Tm0−T
m)/Bの大きさは異なるが、本発明の条件を満足する
ためにはシクロデキストリンを使用することがより好ま
しく、β−シクロデキストリンを使用することが最も好
ましい。一般に糖類の配合比(B)は、フィルム重量に
対して0.01〜0.90であり、0.02〜0.85
がより好ましく、0.03〜0.80がさらに好まし
く、0.05〜0.75が特に好ましい。糖類の配合比
(B)が0.01未満の場合には、PVA系重合体の物
性と変わらず糖類の効果が出ない。糖類の配合比が0.
90を越える場合には、フィルムの強度が十分でない。
【0015】本発明のPVA系フィルムにおける糖類と
しては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類が挙
げられるが、単糖類、二糖類、オリゴ糖類が好ましい。
単糖類としては、グルコース、フルクトース、異性化
糖、キシロースなどが挙げられる。二糖類としては、マ
ルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、パ
ラチノース、還元麦芽糖、還元パラチノース、還元乳糖
などが挙げられる。オリゴ糖類としては、水あめ、イソ
マルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳糖オリゴ糖、大
豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、カップリングシュガー、
シクロデキストリン化合物などが挙げられる。多糖類と
しては、プルラン、ペクチン、寒天、コンニャクマンナ
ン、ポリデキストロース、キサンタンガムなどが挙げら
れる。
【0016】本発明のPVA系フィルムにおける澱粉お
よび糖類の合計配合比の(C)は(Tm0−Tm)/C
>12を満足する割合で配合する必要があり、(Tm0
−Tm)/Cは15以上がより好ましく、18以上がさ
らに好ましい。本発明の主旨を満足する範囲で2種以上
の澱粉と2種類以上の糖類を混合して配合しても構わな
い。PVA、澱粉および糖類の合計量を1とするとき、
澱粉および糖類の合計配合比[澱粉+糖類]は0.01
〜0.90が適当であり、0.02〜0.85がより好
ましく、0.03〜0.80がさらに好ましく、0.0
5〜0.75が特に好ましい。
【0017】PVAと澱粉あるいは糖類との混合物から
なる本発明のPVA系フィルムは、従来のPVAと澱粉
の混合物からなるフィルムに比べて、融点が低いという
特長を有する。その結果として、本発明のPVA系フィ
ルムは、従来公知のPVA系重合体と澱粉との混合物の
フィルムと比較して、透明性が高く、皮膜物性(例えば
強度、伸度、弾性率、タフネス)も良好である。α−オ
レフィン変性PVAと澱粉および糖類との混合物からな
るフィルムは、従来のα−オレフィン変性PVAと澱粉
との混合物からなるフィルムと比較して、少量の糖類の
添加により、フィルムの透明性がさらに高く、皮膜物性
もさらに向上する。これは糖類が変性PVAおよび澱粉
との相溶性が良いため、糖類が変性PVAと澱粉との相
溶化剤的な役割を演じるものと想定され、澱粉が水溶液
中であまり凝集しないで均一に分散しているためと思わ
れる。
【0018】PVAと澱粉および糖類との混合は、3者
を粉体で混合したものに水を添加するか、または3成分
を粉体で混合したものを水中に投入して水溶液にする方
法、PVAと澱粉を粉体で混合したものに水を添加する
か、または2成分を粉体で混合したものを水中に投入し
て水溶液にした後、該水溶液に糖類を粉体のままで投入
して溶解する方法、2成分を粉体で混合したものに水を
添加するか、または2成分を粉体で混合したものを水中
に投入して水溶液にした後、残りの1成分の水溶液を混
合する方法、3成分をそれぞれ別個に水溶液にしてから
混合する方法など任意の方法が採用される。
【0019】PVA系フィルムの製造方法には特に制限
はなく、必要とされるフィルム厚やフィルムの用途、目
的により適宜選択されるが、通常溶液からのキャスト製
膜法、乾式製膜法(空気中や窒素等不活性気体中への押
し出し)、乾湿式製膜法、ゲル製膜法、溶融製膜法等に
よって行われる。製膜時のPVA系重合体の濃度は製膜
方法によって異なるが、通常1〜60重量%であり、温
度は通常室温から250℃の範囲である。延伸または圧
延操作は乾熱または湿熱で実施でき、温度は通常室温か
ら270℃の範囲である。
【0020】本発明のPVA系フィルムの厚さは、10
〜1000μmが好ましく、20〜200μmがさらに
好ましく、30〜100μmが最も好ましい。フィルム
の厚さが10μm以下では強度が不足し、余りに厚すぎ
ると、経済的に不利になり、用途によってはフィルム、
シート等の柔軟性などの特性をも損なうことになる。本
発明のPVA系フィルムは一般包装用途、その他従来の
PVAフィルムの代替として用いることができるほか、
生分解性、透明性を生かしてマルチ等の農業用フィルム
に用いることができる。
【0021】本発明のPVA系フィルムは本発明の主旨
を損なわない範囲において、PVA/澱粉/糖類以外の
ものを含有することは何ら差し支えなく、例えばその他
の水溶性高分子、合成樹脂エマルジョン、グリセリン、
ジグリセリン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート、リン酸トリクレジル等の可塑剤、クレイ、シリ
カ、炭酸カルシウム、Ti、Ni化合物等の無機化合
物、界面活性剤、ホウ素化合物等の架橋剤等が挙げられ
る。また、必要に応じて着色のための染料や顔料、消泡
剤等の添加剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤
が添加されることもある。
【0022】
【実施例】さらに本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお以下で、「部」および「%」は特に断らな
い限り「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。
【0023】実施例1 重合度1530、ケン化度99.6モル%、エチレン含
有量5モル%の変性PVAと酸化澱粉(日本食品化工
(株)製、商品名:MS−3800)を種々の割合で混
合したものを、95℃の熱水中で3時間加熱溶解し、固
形分濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上にポリ
エチレンテレフタレートを貼ったものの上にこの水溶液
を流し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作成した。得
られた皮膜の融点を示差熱分析装置(DSC)で測定し
た。結果を表1に示す。
【0024】実施例2 重合度1530でケン化度99.6モル%、エチレン含
有量5モル%の変性PVAと酸化澱粉(日本食品化工
(株)製、商品名:MS−3800)を種々の割合で混
合したものに、グリセリンを12部加えて、95℃の熱
水中で3時間加熱溶解し、固形分濃度5%の水溶液を調
製した。ガラス板の上にポリエチレンテレフタレートを
貼ったものの上にこの水溶液を流し、20℃で水分を蒸
発させて皮膜を作成した。得られた皮膜の融点を示差熱
分析装置(DSC)で測定した。結果を表1に示す。
【0025】比較例1 重合度1750、ケン化度99.6モル%のPVAと酸
化澱粉(日本食品化工(株)製、商品名:MS−380
0)を種々の割合で混合したものを、95℃の熱水中で
3時間加熱溶解し、固形分濃度5%の水溶液を調製し
た。ガラス板の上にポリエチレンテレフタレートを貼っ
たものの上にこの水溶液を流し、20℃で水分を蒸発さ
せて皮膜を作成した。該皮膜を20℃、84%RHで一
週間調湿した後、皮膜の透明性の観察及び強伸度の測定
を行った。その結果を表1に示す。
【0026】比較例2 重合度1750、ケン化度99.6モル%のPVAと酸
化澱粉(日本食品化工(株)製、商品名:MS−380
0)を種々の割合で混合したものに、グリセリンを12
部加えて、95℃の熱水中で3時間加熱溶解し、固形分
濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上にポリエチ
レンテレフタレートを貼ったものの上にこの水溶液を流
し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作成した。該皮膜
を20℃、84%RHで一週間調湿した後、皮膜の透明
性の観察及び強伸度の測定を行った。その結果を表1に
示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例3 重合度1480、ケン化度99.2モル%、エチレン含
有量5モル%の変性PVAに種々の糖類を配合比0.2
5で混合したものを、95℃の熱水中で3時間加熱溶解
し、固形分濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上
にポリエチレンテレフタレートを貼ったものの上にこの
水溶液を流し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作成し
た。得られた皮膜の融点を示差熱分析装置(DSC)で
測定した。結果を表2に示す。
【0029】比較例3 重合度1750、ケン化度99.6モル%のPVAに種
々の糖類を配合比0.25で混合したものを、95℃の
熱水中で3時間加熱溶解し、固形分濃度5%の水溶液を
調製した。ガラス板の上にポリエチレンテレフタレート
を貼ったものの上にこの水溶液を流し、20℃で水分を
蒸発させて皮膜を作成した。得られた皮膜の融点を示差
熱分析装置(DSC)で測定した。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】実施例4 重合度1480、ケン化度99.2モル%、エチレン含
有量5モル%の変性PVA、酸化澱粉(日本食品化工
(株)製、商品名:MS−3800)およびトレハロー
ス((株)林原製、商品名:トレハオース)を種々の割
合で混合したものを、95℃の熱水中で3時間加熱溶解
し、固形分濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上
にポリエチレンテレフタレートを貼ったものの上にこの
水溶液を流し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作成し
た。得られた皮膜の融点を示差熱分析装置(DSC)で
測定した。結果を表3に示す。
【0032】比較例4 重合度1750、ケン化度99.6モル%のPVA、酸
化澱粉(日本食品化工(株)製、商品名:MS−380
0)およびトレハロース((株)林原製、商品名:トレ
ハオース)を種々の割合で混合したものを、95℃の熱
水中で3時間加熱溶解し、固形分濃度5%の水溶液を調
製した。ガラス板の上にポリエチレンテレフタレートを
貼ったものの上にこの水溶液を流し、20℃で水分を蒸
発させて皮膜を作成した。得られた皮膜の融点を示差熱
分析装置(DSC)で測定した。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明のPVA系フィルムは、相溶性に
優れていることから、従来のPVA系重合体と澱粉の組
成物から調製した皮膜に比べて、透明性が良好であり、
強度、伸度、弾性率、タフネスなどの皮膜物性に優れて
いる。本発明のPVA系フィルムは上記の特徴を生かし
て、一般包装用途、その他従来のPVAフィルムの代替
として用いることができるほか、生分解性、透明性を生
かしてマルチ等の農業用フィルムに用いることができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコールおよび澱粉からな
    る下記の数式(1)を満足するポリビニルアルコール系
    フィルム。 (Tm0−Tm)/A>6 数式(1) 但し、数式(1)における各記号は下記の意味を有す
    る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 A:澱粉の配合比(0≦A≦1)
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールおよび糖類からな
    る下記の数式(2)を満足するポリビニルアルコール系
    フィルム。 (Tm0−Tm)/B>15 数式(2) 但し、数式(2)における各記号は下記の意味を有す
    る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 B:糖類の配合比(0≦B≦1)
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコール、澱粉および糖類
    からなる下記の数式(3)を満足する請求項1記載のポ
    リビニルアルコール系フィルム。 (Tm0−Tm)/C>12 数式(3) 但し、数式(3)における各記号は下記の意味を有す
    る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 C:澱粉および糖類の合計配合比(0≦C≦1)
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコールが炭素数4以下の
    α−オレフィン単位を1〜20モル%含有する変性ポリ
    ビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系フィル
    ム。
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