JPH1129683A - ポリビニルアルコールフィルム - Google Patents
ポリビニルアルコールフィルムInfo
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- JPH1129683A JPH1129683A JP18406697A JP18406697A JPH1129683A JP H1129683 A JPH1129683 A JP H1129683A JP 18406697 A JP18406697 A JP 18406697A JP 18406697 A JP18406697 A JP 18406697A JP H1129683 A JPH1129683 A JP H1129683A
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Abstract
る下記の数式(1)を満足するポリビニルアルコール系
フィルム。 (Tm0−Tm)/A>6 数式(1) 但し、数式(1)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 A:澱粉の配合比(0≦A≦1) 【効果】 本発明のPVA系フィルムは、相溶性に優れ
ていることから、従来のPVA系重合体と澱粉の組成物
から調製した皮膜に比べて、透明性が良好であり、強
度、伸度、弾性率、タフネスなどの皮膜物性に優れてい
る。
Description
ル系フィルムに関する。さらに詳しくは澱粉などとの相
溶性が良好で、透明性に優れ、皮膜物性に優れたポリビ
ニルアルコール系フィルムに関する。
は、水溶性であること、生分解性を持つこと、皮膜形成
能が良好なこと、澱粉が安価であることなどの理由で、
紙加工剤、繊維用経糸糊剤およびフィルム用途などに使
用されている。しかし、ポリビニルアルコールと澱粉は
共に高分子化合物であるため相溶性に劣り、ポリビニル
アルコールと澱粉との混合水溶液は安定性が悪く、短時
間で分離する傾向が見られる。また、この混合水溶液よ
り得られた皮膜は透明性が悪く、皮膜物性も良くない。
ポリビニルアルコールと澱粉との相溶性を向上させるた
めに、澱粉として各種の加工澱粉、例えばエーテル化澱
粉、エステル化澱粉およびカチオン化澱粉などの澱粉誘
導体、酸化澱粉およびデキストリンなどの澱粉分解産物
などの使用が検討されているが、ポリビニルアルコール
との相溶性は依然として充分ではない。
の長鎖アルキル基を共重合した変性ポリビニルアルコー
ルを用いることにより、生澱粉との相溶性が向上するこ
とが知られている(特開昭56−14544号)。しか
し、混合水溶液の安定性は通常のポリビニルアルコール
と比較して向上するが充分ではなく、混合水溶液から製
造した皮膜物性は充分ではない。末端に炭素数4〜50
の長鎖アルキルを有するビニルアルコール系重合体を用
いることにより、澱粉との相溶性が向上することが知ら
れて(特公平5−75013号)。しかし、混合水溶液
の安定性は通常のポリビニルアルコールと比較して向上
するが、混合水溶液から製造した皮膜物性は充分ではな
い。
ビニルアルコール(以下「PVA」と略記する)、特に
変性PVAと、澱粉および糖類との相溶性が良好で、こ
れらの混合水溶液から製造する皮膜の透明性および皮膜
物性に優れるPVA系フィルムを提供することにある。
コールおよび澱粉からなる下記の数式(1)を満足する
ポリビニルアルコール系フィルムが提供される。 (Tm0−Tm)/A>6 数式(1) 但し、数式(1)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 A:澱粉の配合比(0≦A≦1)
ールおよび糖類からなる下記の数式(2)を満足するポ
リビニルアルコール系フィルムが提供される。 (Tm0−Tm)/B>15 数式(2) 但し、数式(2)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 B:糖類の配合比(0≦B≦1)
とは、PVA単独の水溶液を室温で乾燥させて得られた
フィルムを示差熱分析装置(DSC)で測定した際のピ
ーク温度を表している。また、PVA系フィルムの融点
(Tm)とは、PVAと澱粉あるいは糖類との混合物の
水溶液を室温で乾燥させて得られたフィルムを示差熱分
析装置(DSC)で測定した際のピーク温度を表してい
る。なお、フィルムがグリセリン等の可塑剤を含有する
場合には、PVAと可塑剤からなるフィルムの融点をT
m0とし、PVAと可塑剤と澱粉あるいは糖類との混合
物からなるフィルムの融点をTmとする。
略記する)は300〜30000が好ましく、500〜
8000がより好ましく、1000〜4000が特に好
ましい。PVAの重合度(P)は、JIS−K6726
に準じて測定される。すなわち、PVAを再けん化し、
精製した後、30℃の水中でで測定した極限粘度[η]
から次式により求められる。 P=([η]×103 /8.29)(1/0.62) 重合度が300未満の場合にはフィルム強度が低下す
る。重合度が30000より大の場合にはフィルムの製
膜性や加工性が低下する。PVAのけん化度は80〜9
9.99モル%が好ましく、85〜99.9モル%がよ
り好ましく、88〜99.8モル%が特に好ましい。け
ん化度が80モル%未満の場合には、PVAの熱水への
溶解性が低下したり、フィルムの耐水性が低下する。け
ん化度が99.99モル%より大の場合には、PVAと
澱粉の水溶液の粘度安定性が低下する。
4以下のα−オレフィン単位を有する変性PVAが好ま
しい。炭素数4以下のα−オレフィンとしては、エチレ
ン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等が挙げられ
るが、得られるフィルムの生分解性の点でエチレンが好
ましい。α−オレフィン単位の含有量は1〜20モル%
であり、2〜18モル%が好ましく、2.5〜15モル
%がより好ましく、3〜12モル%が特に好ましい。α
−オレフィン単位の含有量が1モル%未満の場合には、
フィルムの耐水性が低下する。α−オレフィン単位の含
有量が20モル%より大の場合には、変性PVAの熱水
への溶解性が低下したり、フィルムの透明性が低下す
る。
レフィン単位を有する変性PVAは、ビニルエステルと
α−オレフィンとの共重合体をけん化することにより得
られる。ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリ
ン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、
安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティッ
ク酸ビニル等が挙げられ、これらの中でもPVAを得る
点から酢酸ビニルが好ましい。本発明の変性PVAは、
さらに、アニオン基もしくはカチオン基を含有していて
もよい。これらのアニオン基もしくはカチオン基を有す
る単量体としては、フマール酸、マレイン酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット
酸または無水イタコン酸等に由来するカルボキシル基を
有する単量体;エチレンスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等に由来するスルホン酸基を
有する単量体;ビニロキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニ
ロキシメチルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルア
ミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ア
クリルアミドジメチルアミン、アリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウム
クロライド、ジメチルアリルアミン、アリルエチルアミ
ン等に由来するカチオン基を有する単量体が挙げられ
る。これらの単量体の中でも、入手のし易さおよび共重
合性の観点から、無水マレイン酸、無水マレイン酸から
誘導されるハーフエステル、イタコン酸、アリルスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルア
ンモニウムクロライドに由来する単量体が好ましい。こ
れらの単量体単位の含有量は、通常10モル%以下であ
り、0.1〜8モル%がより好ましい。
レフィン単位を有する変性PVAは、本発明の効果を損
なわない範囲であれば、ビニルアルコール単位、ビニル
エステル単位およびエチレン単位以外の単量体単位を含
有していても良い。このような単位としては、アクリル
酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル
等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその
塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメ
タクリル酸エステル類;アクリルアミド;N−メチルア
クリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のアクリル
アミド誘導体;メタクリルアミド;N−メチルメタクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のメタクリル
アミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の
ハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリ
ル化合物;マレイン酸、その塩またはそのエステル;イ
タコン酸、その塩またはそのエステル;ビニルトリメト
キシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニ
ル等が挙げられる。これらの単量体単位の含有量として
は、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がさらに
好ましく、3モル%以下がさらにより好ましい。
配合比(A)は(Tm0−Tm)/A>6を満足する割
合で配合する必要があり、(Tm0−Tm)/Aは8以
上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。一般に
澱粉の配合比(A)はフィルム重量に対して、0.01
〜0.90であり、0.02〜0.85がより好まし
く、0.03〜0.80がさらに好ましく、0.05〜
0.75が特に好ましい。澱粉の配合比が0.01未満
の場合には、PVA系重合体の物性と変わらず澱粉の効
果が出ない。澱粉の配合比が0.90を越える場合に
は、フィルムの強度が十分でない。
粉誘導体およびアミロースが用いられる。生澱粉として
は、小麦、コーン、米、馬鈴薯、甘しょ、タピオカ、サ
ゴ椰子などより採った澱粉が挙げられ、一般的には小麦
澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉が適当である。生澱
粉分解産物としては、酸化澱粉やデキストリンが挙げら
れ、酸化澱粉が適当である。澱粉誘導体としては、エー
テル化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉などが挙
げられる。本発明の主旨を満足する範囲で2種以上の澱
粉を混合して配合しても構わない。澱粉の種類により
(Tm0−Tm)/Aの大きさは異なるが、本発明の条
件を満足するためには酸化コーンスターチなどの酸化澱
粉やエーテル化馬鈴薯澱粉を使用することが最も好まし
い。
配合比(B)は(Tm0−Tm)/B>15を満足する
割合で配合する必要があり、(Tm0−Tm)/Bは2
0以上がより好ましく、30以上がさらに好ましい。本
発明の主旨を満足する範囲で2種以上の糖類を混合して
配合しても構わない。糖類の種類により(Tm0−T
m)/Bの大きさは異なるが、本発明の条件を満足する
ためにはシクロデキストリンを使用することがより好ま
しく、β−シクロデキストリンを使用することが最も好
ましい。一般に糖類の配合比(B)は、フィルム重量に
対して0.01〜0.90であり、0.02〜0.85
がより好ましく、0.03〜0.80がさらに好まし
く、0.05〜0.75が特に好ましい。糖類の配合比
(B)が0.01未満の場合には、PVA系重合体の物
性と変わらず糖類の効果が出ない。糖類の配合比が0.
90を越える場合には、フィルムの強度が十分でない。
しては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類が挙
げられるが、単糖類、二糖類、オリゴ糖類が好ましい。
単糖類としては、グルコース、フルクトース、異性化
糖、キシロースなどが挙げられる。二糖類としては、マ
ルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、パ
ラチノース、還元麦芽糖、還元パラチノース、還元乳糖
などが挙げられる。オリゴ糖類としては、水あめ、イソ
マルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳糖オリゴ糖、大
豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、カップリングシュガー、
シクロデキストリン化合物などが挙げられる。多糖類と
しては、プルラン、ペクチン、寒天、コンニャクマンナ
ン、ポリデキストロース、キサンタンガムなどが挙げら
れる。
よび糖類の合計配合比の(C)は(Tm0−Tm)/C
>12を満足する割合で配合する必要があり、(Tm0
−Tm)/Cは15以上がより好ましく、18以上がさ
らに好ましい。本発明の主旨を満足する範囲で2種以上
の澱粉と2種類以上の糖類を混合して配合しても構わな
い。PVA、澱粉および糖類の合計量を1とするとき、
澱粉および糖類の合計配合比[澱粉+糖類]は0.01
〜0.90が適当であり、0.02〜0.85がより好
ましく、0.03〜0.80がさらに好ましく、0.0
5〜0.75が特に好ましい。
なる本発明のPVA系フィルムは、従来のPVAと澱粉
の混合物からなるフィルムに比べて、融点が低いという
特長を有する。その結果として、本発明のPVA系フィ
ルムは、従来公知のPVA系重合体と澱粉との混合物の
フィルムと比較して、透明性が高く、皮膜物性(例えば
強度、伸度、弾性率、タフネス)も良好である。α−オ
レフィン変性PVAと澱粉および糖類との混合物からな
るフィルムは、従来のα−オレフィン変性PVAと澱粉
との混合物からなるフィルムと比較して、少量の糖類の
添加により、フィルムの透明性がさらに高く、皮膜物性
もさらに向上する。これは糖類が変性PVAおよび澱粉
との相溶性が良いため、糖類が変性PVAと澱粉との相
溶化剤的な役割を演じるものと想定され、澱粉が水溶液
中であまり凝集しないで均一に分散しているためと思わ
れる。
を粉体で混合したものに水を添加するか、または3成分
を粉体で混合したものを水中に投入して水溶液にする方
法、PVAと澱粉を粉体で混合したものに水を添加する
か、または2成分を粉体で混合したものを水中に投入し
て水溶液にした後、該水溶液に糖類を粉体のままで投入
して溶解する方法、2成分を粉体で混合したものに水を
添加するか、または2成分を粉体で混合したものを水中
に投入して水溶液にした後、残りの1成分の水溶液を混
合する方法、3成分をそれぞれ別個に水溶液にしてから
混合する方法など任意の方法が採用される。
はなく、必要とされるフィルム厚やフィルムの用途、目
的により適宜選択されるが、通常溶液からのキャスト製
膜法、乾式製膜法(空気中や窒素等不活性気体中への押
し出し)、乾湿式製膜法、ゲル製膜法、溶融製膜法等に
よって行われる。製膜時のPVA系重合体の濃度は製膜
方法によって異なるが、通常1〜60重量%であり、温
度は通常室温から250℃の範囲である。延伸または圧
延操作は乾熱または湿熱で実施でき、温度は通常室温か
ら270℃の範囲である。
〜1000μmが好ましく、20〜200μmがさらに
好ましく、30〜100μmが最も好ましい。フィルム
の厚さが10μm以下では強度が不足し、余りに厚すぎ
ると、経済的に不利になり、用途によってはフィルム、
シート等の柔軟性などの特性をも損なうことになる。本
発明のPVA系フィルムは一般包装用途、その他従来の
PVAフィルムの代替として用いることができるほか、
生分解性、透明性を生かしてマルチ等の農業用フィルム
に用いることができる。
を損なわない範囲において、PVA/澱粉/糖類以外の
ものを含有することは何ら差し支えなく、例えばその他
の水溶性高分子、合成樹脂エマルジョン、グリセリン、
ジグリセリン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート、リン酸トリクレジル等の可塑剤、クレイ、シリ
カ、炭酸カルシウム、Ti、Ni化合物等の無機化合
物、界面活性剤、ホウ素化合物等の架橋剤等が挙げられ
る。また、必要に応じて着色のための染料や顔料、消泡
剤等の添加剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤
が添加されることもある。
明する。なお以下で、「部」および「%」は特に断らな
い限り「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。
有量5モル%の変性PVAと酸化澱粉(日本食品化工
(株)製、商品名:MS−3800)を種々の割合で混
合したものを、95℃の熱水中で3時間加熱溶解し、固
形分濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上にポリ
エチレンテレフタレートを貼ったものの上にこの水溶液
を流し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作成した。得
られた皮膜の融点を示差熱分析装置(DSC)で測定し
た。結果を表1に示す。
有量5モル%の変性PVAと酸化澱粉(日本食品化工
(株)製、商品名:MS−3800)を種々の割合で混
合したものに、グリセリンを12部加えて、95℃の熱
水中で3時間加熱溶解し、固形分濃度5%の水溶液を調
製した。ガラス板の上にポリエチレンテレフタレートを
貼ったものの上にこの水溶液を流し、20℃で水分を蒸
発させて皮膜を作成した。得られた皮膜の融点を示差熱
分析装置(DSC)で測定した。結果を表1に示す。
化澱粉(日本食品化工(株)製、商品名:MS−380
0)を種々の割合で混合したものを、95℃の熱水中で
3時間加熱溶解し、固形分濃度5%の水溶液を調製し
た。ガラス板の上にポリエチレンテレフタレートを貼っ
たものの上にこの水溶液を流し、20℃で水分を蒸発さ
せて皮膜を作成した。該皮膜を20℃、84%RHで一
週間調湿した後、皮膜の透明性の観察及び強伸度の測定
を行った。その結果を表1に示す。
化澱粉(日本食品化工(株)製、商品名:MS−380
0)を種々の割合で混合したものに、グリセリンを12
部加えて、95℃の熱水中で3時間加熱溶解し、固形分
濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上にポリエチ
レンテレフタレートを貼ったものの上にこの水溶液を流
し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作成した。該皮膜
を20℃、84%RHで一週間調湿した後、皮膜の透明
性の観察及び強伸度の測定を行った。その結果を表1に
示す。
有量5モル%の変性PVAに種々の糖類を配合比0.2
5で混合したものを、95℃の熱水中で3時間加熱溶解
し、固形分濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上
にポリエチレンテレフタレートを貼ったものの上にこの
水溶液を流し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作成し
た。得られた皮膜の融点を示差熱分析装置(DSC)で
測定した。結果を表2に示す。
々の糖類を配合比0.25で混合したものを、95℃の
熱水中で3時間加熱溶解し、固形分濃度5%の水溶液を
調製した。ガラス板の上にポリエチレンテレフタレート
を貼ったものの上にこの水溶液を流し、20℃で水分を
蒸発させて皮膜を作成した。得られた皮膜の融点を示差
熱分析装置(DSC)で測定した。結果を表2に示す。
有量5モル%の変性PVA、酸化澱粉(日本食品化工
(株)製、商品名:MS−3800)およびトレハロー
ス((株)林原製、商品名:トレハオース)を種々の割
合で混合したものを、95℃の熱水中で3時間加熱溶解
し、固形分濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上
にポリエチレンテレフタレートを貼ったものの上にこの
水溶液を流し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作成し
た。得られた皮膜の融点を示差熱分析装置(DSC)で
測定した。結果を表3に示す。
化澱粉(日本食品化工(株)製、商品名:MS−380
0)およびトレハロース((株)林原製、商品名:トレ
ハオース)を種々の割合で混合したものを、95℃の熱
水中で3時間加熱溶解し、固形分濃度5%の水溶液を調
製した。ガラス板の上にポリエチレンテレフタレートを
貼ったものの上にこの水溶液を流し、20℃で水分を蒸
発させて皮膜を作成した。得られた皮膜の融点を示差熱
分析装置(DSC)で測定した。結果を表3に示す。
優れていることから、従来のPVA系重合体と澱粉の組
成物から調製した皮膜に比べて、透明性が良好であり、
強度、伸度、弾性率、タフネスなどの皮膜物性に優れて
いる。本発明のPVA系フィルムは上記の特徴を生かし
て、一般包装用途、その他従来のPVAフィルムの代替
として用いることができるほか、生分解性、透明性を生
かしてマルチ等の農業用フィルムに用いることができ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールおよび澱粉からな
る下記の数式(1)を満足するポリビニルアルコール系
フィルム。 (Tm0−Tm)/A>6 数式(1) 但し、数式(1)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 A:澱粉の配合比(0≦A≦1) - 【請求項2】 ポリビニルアルコールおよび糖類からな
る下記の数式(2)を満足するポリビニルアルコール系
フィルム。 (Tm0−Tm)/B>15 数式(2) 但し、数式(2)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 B:糖類の配合比(0≦B≦1) - 【請求項3】 ポリビニルアルコール、澱粉および糖類
からなる下記の数式(3)を満足する請求項1記載のポ
リビニルアルコール系フィルム。 (Tm0−Tm)/C>12 数式(3) 但し、数式(3)における各記号は下記の意味を有す
る。 Tm0(℃):ポリビニルアルコールの融点 Tm(℃):フィルムの融点 C:澱粉および糖類の合計配合比(0≦C≦1) - 【請求項4】 ポリビニルアルコールが炭素数4以下の
α−オレフィン単位を1〜20モル%含有する変性ポリ
ビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜3
のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系フィル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18406697A JPH1129683A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | ポリビニルアルコールフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18406697A JPH1129683A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | ポリビニルアルコールフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1129683A true JPH1129683A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16146792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18406697A Pending JPH1129683A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | ポリビニルアルコールフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1129683A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002053727A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-19 | Kuraray Co Ltd | 水溶性樹脂組成物および水溶性フィルム |
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KR20160080387A (ko) | 2014-12-29 | 2016-07-08 | 동우 화인켐 주식회사 | 편광판용 점착제 조성물 |
-
1997
- 1997-07-09 JP JP18406697A patent/JPH1129683A/ja active Pending
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