JPH10324785A - ビニルアルコール系重合体組成物 - Google Patents

ビニルアルコール系重合体組成物

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JPH10324785A
JPH10324785A JP9136459A JP13645997A JPH10324785A JP H10324785 A JPH10324785 A JP H10324785A JP 9136459 A JP9136459 A JP 9136459A JP 13645997 A JP13645997 A JP 13645997A JP H10324785 A JPH10324785 A JP H10324785A
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JP
Japan
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pva
vinyl
aqueous solution
based polymer
film
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Withdrawn
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JP9136459A
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English (en)
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Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 単糖類、二糖類およびオリゴ糖類から選
ばれた少なくとも一種の糖類(A)およびビニルアルコ
ール系重合体(B)からなり、成分(A)と成分(B)
との重量配合比が0.01:99.99〜50:50で
あるビニルアルコール系重合体組成物。 【効果】 本発明のビニルアルコール系重合体組成物
は、相溶性が良好で、水溶液の分離がなく、粘度の経
時的な増大がなく、作業性に優れている。本発明の組成
物水溶液から製造した皮膜は、透明性、皮膜物性および
耐水性に優れていることから、紙加工剤、フィルム形成
用、繊維用糊剤(特に経糸用糊剤)、接着剤および成形
物形成用などの分野において好適に用いることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビニルアルコール系
重合体組成物に関する。さらに詳しくは、ビニルアルコ
ール系重合体本来の特長を保持したまま、相溶性が良好
でかつ水溶液の粘度安定性が良好なビニルアルコール系
重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性高分子であるビニルアルコール系
重合体は保護コロイド能、皮膜形成能および皮膜の機械
的物性に優れることから、エマルジョン安定剤、紙加工
剤、経糸糊剤およびフィルムなどに広汎に使用されてい
る。しかしながら、ビニルアルコール系重合体は結晶性
高分子化合物であるため、水溶液の放置粘度安定性が悪
いとう問題がある。これに対して、けん化度を低くした
低けん化度ポリビニルアルコールあるいはイオン性基を
導入したビニルアルコール系重合体を用いると水溶液の
放置粘度安定性は向上するが、ビニルアルコール系重合
体皮膜の機械的物性や水に対する性質が変化し、ビニル
アルコール系重合体本来の特長が発現されない場合があ
る。また、ビニルアルコール系重合体水溶液の放置粘度
安定性を向上させるために、有機系あるいは無機系の水
溶性添加剤を添加する方法が知られているが、皮膜物性
などが低下するという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ビニ
ルアルコール系重合体本来の特長を保持したまま、相溶
性が良好であり、組成物水溶液の相分離がなく、粘度の
経時的な増大がなく、作業性に優れ、組成物水溶液から
製膜した皮膜の透明性および皮膜物性に優れるビニルア
ルコール系重合体組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、単糖類、二糖類およ
びオリゴ糖類から選ばれた少なくとも一種の糖類(A)
およびビニルアルコール系重合体(B)からなり、成分
(A)と成分(B)との重量配合比が0.01:99.
99〜50:50であるビニルアルコール系重合体組成
物を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるビニルアルコ
ール系重合体(以下、ビニルアルコールをPVAと略記
することがある)は、水溶性もしくは水分散性であれば
特に制限はなく、ノニオン変性PVA、アニオン変性P
VAおよびカチオン変性PVAなどが使用可能である。
特に、PVA系重合体が低温から高温において水溶液の
放置粘度安定性に劣る場合、例えば結晶性の高い無変性
PVAあるいは疎水基変性PVAの場合には、本発明の
効果が顕著に現れる。疎水基変性PVAとしては、例え
ば炭素数20以下のα−オレフィン単位を0.1〜20
モル%含有するPVA系重合体、炭素数20以下の長鎖
アルキル基を有するビニルエーテル単位を0.1〜20
モル%含有するPVA系重合体、ヒドロキシ基含有の炭
素数20以下のα−オレフィン単位を0.1〜20モル
%含有するPVA系重合体、炭素数が4〜50の長鎖ア
ルキル基を末端に有するPVA系重合体があげられる
が、生産性の点からは炭素数20以下のα−オレフィン
(好ましくはエチレン)単位を0.1〜20モル%含有
する疎水基変性PVAが好ましい。炭素数20以下のα
−オレフィン単位の含有量としては、0.1〜20モル
%が適当であり、0.2〜18モル%が好ましく、0.
3〜15モル%がさらに好ましい。α−オレフィン単位
の含有量が0.1モル%未満の場合には、α−オレフィ
ンを変性した効果が現れず、α−オレフィン単位の含有
量が20モル%より大の場合には、疎水性が強すぎてP
VA重合体自身の水溶性が乏しくなりPVAとしての特
長が損なわれる。
【0006】PVA系重合体の粘度平均重合度(以下、
重合度と略記する)は50〜30000が好ましく、7
0〜20000がより好ましく、100〜15000が
特に好ましい。PVA系重合体の重合度は、JIS−K
6726に準じ、再けん化後精製した該重合体につい
て、水中、30℃で測定した極限粘度[η]から次式に
より求めた粘度平均重合度(P)で表したものである。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62) 重合度が50未満の場合には、組成物から得られる皮膜
物性にPVAの性質が発現しにくい。重合度が3000
0より大の場合には、水性分散液の粘度が高くなりすぎ
て取り扱いが困難になる。PVA系重合体のけん化度
は、PVA系重合体が水溶性もしくは水分散性であれば
特に制限はないが、60〜99.99モル%が適当であ
り、80〜99.9モル%が好ましく、90〜99.8
モル%がより好ましい。一般的には、けん化度が60モ
ル%未満の場合には、水溶性が低下する。けん化度が9
9.99モル%より大の場合には、性能上は特に問題は
ないが、PVA系重合体の製造が難しい。組成物水溶液
から作製した皮膜に耐水性が要求される場合には、変性
の有無、変性種および変性量にもよるが、けん化度は8
0モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好まし
い。
【0007】本発明において用いられるPVA系重合体
は、ビニルエステルの重合体をけん化することによって
得ることができる。ビニルエステルとしては、例えば、
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリ
ン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニルステ
アリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルお
よびバーサティック酸ビニル等が挙げられるが、PVA
を得る点から酢酸ビニルが好ましい。本発明のPVA系
重合体は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、共
重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したもので
も良い。エチレン性不飽和単量体単位としては、例えば
エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1
−オクテンなどのα−オレフィン類、3−ブテン−1−
オール、5−ヘキセン−1−オール、7−オクテン−1
−オール、9−デセン−1−オール、3−メチル−3−
ブテン−1−オールなどのヒドロキシル基含有オレフィ
ン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無
水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン
酸などの不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜
18のモノまたはジアルキルエステル類;アクリルアミ
ド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミド
プロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプ
ロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4
級塩などのアクリルアミド類;メタクリルアミド、炭素
数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−
ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロ
パンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロ
ピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級
塩などのメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなど
のN−ビニルアミド類;アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどのシアン化ビニル類;炭素数1〜18のア
ルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエー
テル、アルコキクシアルキルビニルエーテルなどのビニ
ルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニルなどのハロゲン化
ビニル類;トリメトキシビニルシランなどのビニルシラ
ン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジ
メチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリル
アミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリ
ド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸な
どが挙げられる。これらの特性基を有する単量体の含有
量は通常20モル%以下であり、好ましくは18モル%
以下、より好ましくは15モル%以下である。また、本
発明のビニルアルコール系重合体は、チオール酢酸、メ
ルカプトプロピオン酸、炭素数50以下のアルキルメル
カプタンなどのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル
などのビニルエステル系単量体を重合し、それをけん化
することによって得られる末端変性物でもよい。
【0008】本発明に用いられる糖類としては、単糖
類、二糖類またはオリゴ糖類である。単糖類としては、
グルコース、フルクトース、異性化糖、キシロースなど
が挙げられる。二糖類としては、マルトース、ラクトー
ス、スクロース、トレハロース、パラチノース、還元麦
芽糖、還元パラチノース、還元乳糖などが挙げられる。
オリゴ糖類としては10量体以下のものが好ましく、水
あめ、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳糖オ
リゴ糖、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、カップリング
シュガー、シクロデキストリン化合物などが挙げられ、
シクロデキストリン化合物が好ましい。糖類(A)とPV
A系重合体(B)との重量配合比は、0.01:99.9
9〜50:50であり、0.05:99.95〜45:
55が好ましく、0.1:99.9〜35:65が特に
好ましい。糖類(A)が0.01重量部未満では糖類の添加効
果がみられず、糖類が50重量部より大の場合には皮膜
物性が低下する。
【0009】本発明のPVA系重合体組成物は次のよう
な特長を有する。本発明の組成物は、水溶液の放置安定
性が良好で相分離しにくく粘度の経時変化が小さく取り
扱いが容易である。これは糖類とPVA系重合体とが相
溶性に優れ、しかも糖類がPVA系重合体の水素結合を
阻害するためと思われる。特に、疎水基変性PVAの場
合には、本発明の効果が顕著に現れ、水溶液の放置粘度
安定性が向上する。これは糖類が疎水基変性PVAの疎
水基会合を抑制するためと思われる。
【0010】本発明の組成物の水溶液から製膜した皮膜
は、均質で透明性も良好であり、PVA系重合体と同程
度の優れた機械的物性を有する。本発明の組成物の水溶
液から製膜した皮膜が上記の性質を有する理由として
は、糖類がPVA系重合体と相溶性に優れるためと思わ
れる。また本発明の組成物の水溶液から製膜した皮膜
は、用いたPVA系重合体単独の皮膜と同程度の優れた
耐水性を有す場合がある。
【0011】本発明の組成物は、主として水溶液の形態
で使用するのが好ましく、水溶液の濃度としては1〜5
0重量%が好ましい。濃度の下限としては1.5重量%
が好ましく、2重量%がより好ましく、3重量%が特に
好ましい。濃度の上限としては45重量%が好ましく、
40重量%がより好ましく、30重量%が特に好まし
い。糖類(A)とPVA系重合体(B)との配合は、両者を粉
体で混合してから水を加えまたは水中に投入して水溶液
化する方法、(A)と(B)とをそれぞれ別個に水溶液化して
から混合するなど任意の方法が採用される。本発明の組
成物には可塑剤、着色剤、フィラー、塩類、硼酸または
硼砂、他の水溶性高分子、界面活性剤、消泡剤およびそ
の他の添加剤を加えても良い。
【0012】本発明の組成物は紙加工剤、フィルム形成
用、繊維用糊剤(特に経糸用糊剤)、接着剤および成形
物形成用などに用いることができる。
【0013】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。なお以下で、「部」および「%」は特に断らない限
り「重量部」及び「重量%」をそれぞれ意味する。また
以下において粘度は、東京計器製のB型粘度計を用い
て、30℃、ローター回転数12rpmで測定した値で
ある。なお使用したPVA系重合体の詳細を表1に示
す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例1 重合度1750、けん化度98.4モル%のPVA(P
−1)とβ−シクロデキストリン(日本食品化工(株)
製、商品名:セルデックスB−100)とを95:5(重量
基準)の割合で混合したものを、95℃の熱水中で2時間
加熱溶解し固形分濃度10%の水溶液を調製した。その
水溶液は透明であった。該水溶液の5℃での粘度を水溶
液の調製直後と4日後に測定した。また4日後の水溶液
の状態も観察した。その結果を表2に示す。
【0016】実施例2 エチレンを5モル%有する変性PVA(P−2)とトレ
ハロース((株)林原製、商品名:トレハロース)とを98:
2(重量基準)の割合で混合したものについて実施例1
と同様にして調べた。該水溶液は透明であった。その結
果を表2に示す。
【0017】比較例1〜2 実施例1で用いたβ−シクロデキストリンを酸化澱粉M
S−3800(日本食品化工(株)製、商品名:MS−3
800)に変更したものについて実施例1と同様にして
調べた(比較例1)。PVA(P−2)単独系にしたも
のについて実施例1と同様にして調べた(比較例2)。
それらの結果を表2に示す。
【0018】糖類を添加しないものおよび酸化澱粉を用
いた溶液は粘度の経時変化が大きく4日後にはゲル化す
るのに対して、糖類を使用した溶液は均一で低温時の放
置安定性が良好であることがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】実施例3 重合度550、けん化度99.6モル%のPVA(P−
3)とグルコースとを90:10(重量基準)の割合で混合
したものを、95℃の熱水中で2時間加熱溶解し固形分濃
度19%の水溶液を調製した。その水溶液は透明であっ
た。該水溶液の20℃での粘度を水溶液の調製直後と1
週間後に測定した。また1週間後の水溶液の状態も観察
した。その結果を表3に示す。
【0021】実施例4 エチレンを10モル%有する変性PVA(P−4)とα
−シクロデキストリン(日本食品化工(株)製:商品名:
セルデックスA−100)とを70:30(重量基準)の割
合で混合した固形分濃度19%の水溶液について実施例
3と同様にして調べた。該水溶液は透明であった。その
結果を表3に示す。
【0022】比較例3〜4 実施例3で用いたトレハロースを酸化澱粉(日本食品化
工(株)製、商品名:MS−3600)に変更したものに
ついて実施例3と同様にして調べた(比較例3)。
【0023】実施例4で用いたエチレン変性PVA(P
−4)を単独系に変更したものについてに実施例4と同
様にして調べた(比較例4)。それらの結果を表3に示
す。
【0024】糖類を添加しないものおよび酸化澱粉を用
いた溶液は粘度の経時変化が大きく1週間後にはゲル化
するのに対して、糖類を使用した溶液は均一で20℃の放
置安定性が良好であることがわかる。
【0025】
【表3】
【0026】実施例5 重合度1000、けん化度99.6モル%、エチレン8
モル%の変性PVA(P−5)とγ−シクロデキストリ
ンとを99:1(重量基準)の割合で混合したものを、9
5℃の熱水中で2時間加熱溶解し固形分濃度15%の水
溶液を調製した。その水溶液は透明であり、該水溶液の
40℃での粘度を水溶液の調製直後と10日後に測定し
た。また10日後の水溶液の状態も観察した。その結果
を表4に示す。
【0027】実施例6〜7 1−ヘキセンを1モル%有する変性PVA(P−6)と
ラクトースとを95:5(重量基準)の割合で混合した固形
分濃度15%の水溶液について実施例5と同様にして調
べた(実施例6)。末端にC12H25を有する重合度
500、けん化度97.2モル%の末端アルキル基変性PVA
(P−7)とマルトースとを95:5(重量基準)の割合で
混合した固形分濃度15%の水溶液について実施例5と
同様にして調べた(実施例7)。これらの水溶液は透明
であった。
【0028】比較例5〜7 実施例5で用いたエチレン変性PVA(P−5)を単独
系に変更したものについて実施例5と同様にして調べた
(比較例5)。実施例6で用いた1−ヘキセン変性PV
A(P−6)を単独系に変更したものについて実施例6
と同様にして調べた(比較例6)。実施例7で用いた末
端アルキル基変性PVA(P−7)を単独系に変更した
ものについて実施例7と同様にして調べた(比較例
7)。それらの結果を表4に示す。
【0029】糖類を添加しない溶液は粘度の経時変化が
大きく10日後にはゲル化するのに対して、糖類を使用
した溶液は均一であって40℃の放置安定性が良好である
ことがわかる。
【0030】
【表4】
【0031】実施例8 重合度1750、けん化度98.4モル%のPVA(P
−1)とβ−シクロデキストリン(日本食品化工(株)
製、商品名:セルデックスB−100)を種々の割合で
混合したものを、95℃の熱水中で3時間加熱溶解し固形
分濃度5%の水溶液を調製した。ガラス板の上にポリエ
チレンテレフタレートを貼ったものの上にこの水溶液を
流し、20℃で水分を蒸発させて皮膜を作製した。該皮
膜を20℃,84%RHで一週間調湿した皮膜の強伸度
を測定した。その結果を表5に示す。 (皮膜物性の測定方法) オートグラフ: DSC−100型(島津製作所製)使
用 試料: 幅10mm、厚さ45±5μm、測定長50mm 引張速度: 500mm/分
【0032】実施例9〜10 エチレン単位およびカルボキシル基を有する変性PVA
(P−8)とグルコースについて実施例8と同様にして
調べた(実施例9)。重合度1750、けん化度87.
6モル%のPVA(P−9)とトレハロースについて実
施例8と同様にして調べた(実施例10)。それらの結
果を表5に示す。
【0033】比較例8 実施例8で用いたβ−シクロデキストリンを酸化澱粉
(日本食品化工(株)製、商品名:MS−3600)に変
更したこと以外は実施例8と同様にして皮膜を作製して
測定した。その結果を表5に示す。
【0034】対照例1〜3 実施例8〜10で用いたPVAを単独系に変更したもの
について実施例8〜10と同様にして調べた(比較例
5)。その結果を表5に示す。
【0035】PVAと酸化澱粉から作成した皮膜は不均
一であり、該皮膜は酸化澱粉の混合割合が大きくなると
強度が小さく、弾性率が大きく、伸度が小さく、タフネ
スの極めて小さい皮膜であった。これに対して糖類を使
用した皮膜は、対照のPVA単独皮膜と同程度の強度、
伸度、弾性率およびタフネスを有する優れた皮膜物性で
あることがわかる。
【0036】
【表5】
【0037】実施例11 エチレンを5モル%有する変性PVA(P−2)とフル
クトースを種々の割合で混合したものから、実施例8と
同様にして水溶液を調製し20℃で皮膜を作製した。該皮
膜を20℃の水に24時間浸漬した後に取り出して、該
皮膜の膨潤度および溶出率を測定した。その結果を表6
に示す。 (皮膜の膨潤度および溶出率の測定方法) 試料: 50mm×30mm、厚さ45±5μm 水: 100ml、20℃,24時間 膨潤度(倍)=(水浸漬後の皮膜重量)÷(水浸漬後、10
5℃,5時間乾燥後の皮膜重量) 溶出率(%)={(水浸漬前の皮膜の純重量)−(水浸漬
後、105℃,5時間乾燥後の皮膜重量)}×100÷(水
浸漬前皮膜の純重量)
【0038】実施例12 実施例11で使用したエチレン変性PVA(P−2)を
エチレン変性PVA(P−5)に変更したものについて
実施例11と同様にして調べた。その結果を表6に示
す。
【0039】対照例4〜6 実施例11および実施例12で使用したエチレン変性P
VAならびに無変性PVAの単独皮膜を作製し、実施例
11と同様にして皮膜の膨潤度および溶出率について調
べた。その結果を表6に示す。
【0040】本発明の組成物からなる皮膜は、PVA系
重合体単独からなる皮膜とほぼ同一の膨潤度であること
から、本発明のPVA系重合体組成物はPVA系重合体
本来の特長を保持することがわかる。また本発明の組成
物からなる皮膜は、耐水性PVAとして通常用いられる
完全けん化PVAの単独皮膜に比べて、優れた耐水性を
有することがわかる。
【0041】
【表6】
【0042】
【発明の効果】本発明のビニルアルコール系重合体組成
物は、相溶性が良好で、水溶液の相分離がなく、粘度の
経時的な増大がなく、作業性に優れている。本発明の組
成物水溶液から製造した皮膜は、透明性、皮膜物性およ
び耐水性に優れていることから、紙加工剤、フィルム形
成用、繊維用糊剤(特に経糸用糊剤)、接着剤および成
形物形成用などの分野において好適に用いることができ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ビニ
ルアルコール系重合体本来の特長を保持したまま、相溶
性が良好であり、組成物水溶液の分離がなく、粘度の
経時的な増大がなく、作業性に優れ、組成物水溶液から
製膜した皮膜の透明性および皮膜物性に優れるビニルア
ルコール系重合体組成物を提供することにある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明のPVA系重合体組成物は次のよう
な特長を有する。本発明の組成物は、水溶液の放置安定
性が良好で分離しにくく粘度の経時変化が小さく取り
扱いが容易である。これは糖類とPVA系重合体とが相
溶性に優れ、しかも糖類がPVA系重合体の水素結合を
阻害するためと思われる。特に、疎水基変性PVAの場
合には、本発明の効果が顕著に現れ、水溶液の放置粘度
安定性が向上する。これは糖類が疎水基変性PVAの疎
水基会合を抑制するためと思われる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】
【発明の効果】本発明のビニルアルコール系重合体組成
物は、相溶性が良好で、水溶液の分離がなく、粘度の
経時的な増大がなく、作業性に優れている。本発明の組
成物水溶液から製造した皮膜は、透明性、皮膜物性およ
び耐水性に優れていることから、紙加工剤、フィルム形
成用、繊維用糊剤(特に経糸用糊剤)、接着剤および成
形物形成用などの分野において好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08F 218/04 210:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糖類、二糖類およびオリゴ糖類から選
    ばれた少なくとも一種の糖類(A)およびビニルアルコ
    ール系重合体(B)からなり、成分(A)と成分(B)
    との重量配合比が0.01:99.99〜50:50で
    あるビニルアルコール系重合体組成物。
  2. 【請求項2】 ビニルアルコール系重合体が炭素数20
    以下のα−オレフィン単位を0.1〜20モル%含有す
    るビニルアルコール系重合体である請求項1記載のビニ
    ルアルコール系重合体組成物。
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