JP2002052658A - ガソリンバリア性に優れた燃料容器用多層成形部品 - Google Patents

ガソリンバリア性に優れた燃料容器用多層成形部品

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JP2002052658A JP2000239653A JP2000239653A JP2002052658A JP 2002052658 A JP2002052658 A JP 2002052658A JP 2000239653 A JP2000239653 A JP 2000239653A JP 2000239653 A JP2000239653 A JP 2000239653A JP 2002052658 A JP2002052658 A JP 2002052658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガソリンバリア性および機械強度に優れた燃
料容器用多層成形部品を得ること。 【解決手段】 エチレン含有量5〜60モル%、ケン化
度85%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体
(a1)60〜95重量%およびボロン酸変性樹脂(a
2)5〜40重量%からなるバリア性樹脂組成物(A)
層と、カルボン酸変性ポリオレフィンおよびボロン酸変
性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂
(b1)1〜99重量%および、前記(b1)以外の1
1以下の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算
出)を有する熱可塑性樹脂(b2)1〜99重量%から
なる樹脂組成物(B)層とからなる燃料容器用多層成形
部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリンバリア
性、燃料タンクとの熱融着性および耐衝撃性に優れた燃
料容器用多層成形部品、ならびに当該成形部品が燃料容
器本体に装着された燃料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用に代表される燃料タンク
において、軽量化、防錆性、易成形加工性、リサイクル
性などの点から、金属製から熱可塑性樹脂製のタンクへ
の実用化が積極的に進められている。
【0003】しかしながら、熱可塑性樹脂製のタンクを
用いた場合、タンクからのガソリン成分の透過・揮発が
問題となっているため、高いガソリンバリア性を有する
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOH
と略すことがある)との多層プラスティックタンクなど
の技術が開発されている(特開平9−29904号公
報)。このように燃料容器にEVOHを含有させること
により、燃料容器本体からのガソリン成分の透過・揮発
は大幅に改善されている。
【0004】他方で、燃料容器に付属する成形部品(例
えば、燃料チューブ、給油口のガス抜きライン、圧抜き
用バルブ、およびこれら容器本体とのコネクターなど)
は、一般には、高密度ポリエチレン製のものが使用され
ている。このため、燃料が透過・揮発する。従って、燃
料容器本体をガスバリア性の優れたものとしても、接続
する成形部品から燃料が透過、揮発し、しかもその量は
無視できない量となる。
【0005】このため高密度ポリエチレンの代わりにバ
リア性樹脂(例えば、EVOHなど)を使用することが
考えられる。しかし、バリア性樹脂のみを燃料容器用成
形部品として用いた場合は、ガソリンが透過・揮発する
という問題点は解決できるが、燃料容器本体との熱融着
性、耐衝撃性などが不満足なものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのため、ガソリンバ
リア性、燃料タンクとの熱融着性および耐衝撃性に優れ
た性能を発揮する燃料容器用成形部品が望まれている。
このような成形部品を装着した燃料容器は、燃料チュー
ブ、給油口のガス抜きライン、圧抜き用バルブなどと燃
料容器本体を接続するコネクター部分からの燃料の漏れ
が大幅に改善される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレン含有
量5〜60モル%、ケン化度85%以上のエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(a1)60〜95重量%およ
びボロン酸変性樹脂(a2)5〜40重量%からなるバ
リア性樹脂組成物(A)層と、カルボン酸変性ポリオレ
フィンおよびボロン酸変性樹脂からなる群から選ばれる
少なくとも1種の樹脂(b1)1〜99重量%および、
前記(b1)以外の11以下の溶解性パラメーター(F
edorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂(b
2)1〜99重量%からなる樹脂組成物(B)層とから
なる燃料容器用多層成形部品に関する。
【0008】好ましい実施態様では、前記熱可塑性樹脂
(b2)がポリオレフィン系樹脂であり、より好適には
高密度ポリエチレンである。
【0009】好適な実施態様では、バリア性樹脂組成物
(A)層および/または樹脂組成物(B)層が無機フィ
ラー1〜50重量%を含有している。
【0010】好適な実施態様では、前記成形部品が多層
射出成形機により成形されている。より好適な実施態様
では、前記成形部品が、インサート射出成形機、二色成
形機または共射出成形機により成形されている。
【0011】また、好適な実施態様では、前記成形部品
が、燃料容器用コネクター、燃料容器用キャップおよび
燃料容器用バルブからなる群から選ばれる少なくとも1
種である。
【0012】好適な実施態様では、前記成形部品が、樹
脂組成物(B)層を介して燃料容器本体に装着されてな
る。別の好適な実施態様では、前記成形部品が、熱融着
によって燃料容器本体に装着されてなる。特に好ましい
実施態様では、本発明の多層成形部品が装着された燃料
容器が、自動車用ガソリンタンクとして用いられる。
【0013】また、熱硬化性樹脂(C)からなる部品
を、前記の燃料容器用多層成形部品を介して、燃料容器
本体に装着していることも好ましい。
【0014】さらに、前記熱硬化性樹脂(C)がポリメ
チレンオキサイド系樹脂であることも好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の燃料容器用多層成形部品
は、エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度85%以
上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(a1)60
〜95重量%およびボロン酸変性樹脂(a2)5〜40
重量%からなるバリア性樹脂組成物(A)層と、カルボ
ン酸変性ポリオレフィンおよびボロン酸変性樹脂からな
る群から選ばれる少なくとも1種の樹脂(b1)1〜9
9重量%および、前記(b1)以外の11以下の溶解性
パラメーター(Fedorsの式から算出)を有する熱
可塑性樹脂(b2)1〜99重量%からなる樹脂組成物
(B)層からなる。
【0016】バリア性樹脂組成物(A)層と樹脂組成物
(B)層との多層構成とすることで、樹脂組成物(B)
層が有するタンク本体との熱融着性や、バリア性樹脂組
成物(A)層との接着性、良好な機械強度およびバリア
性樹脂組成物(A)層が有するガソリンバリア性、耐有
機溶剤性および耐衝撃性を併せ持つ燃料容器用多層成形
部品を得ることが可能である。
【0017】本発明に用いられるEVOH(a1)とし
ては、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化して
得られるものが好ましく、エチレン含有量は5〜60モ
ル%である。エチレン含有量の下限は好適には15モル
%以上であり、より好適には20モル%以上であり、さ
らに好適には25モル%以上である。エチレン含有量の
上限は好適には55モル%以下であり、より好適には5
0モル%以下である。エチレン含有量が5モル%未満の
場合は溶融成形性が悪化する。一方、60モル%を超え
るとバリア性が不足する。
【0018】さらに、本発明に用いられるEVOH(a
1)のビニルエステル成分のケン化度は85%以上であ
る。ビニルエステル成分のケン化度は、好ましくは90
%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さら
に好ましくは97%以上であり、最適には99%以上で
ある。ケン化度が85%未満では、ガソリンバリア性、
熱安定性が不充分となる。
【0019】EVOH製造時に用いるビニルエステルと
しては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、
その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、EVOH
は共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜
0.2モル%を含有することができる。ここで、ビニル
シラン系化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β
−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好
適に用いられる。さらに、本発明の目的が阻害されない
範囲で、他の共単量体、例えば、プロピレン、ブチレ
ン、あるいは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸メチルもしくは(メタ)アクリル酸エチルなどの不飽
和カルボン酸またはそのエステル、および、N−ビニル
ピロリドンなどのビニルピロリドンを共重合することも
出来る。
【0020】さらに、本発明の目的を阻外しない範囲で
EVOH(a1)にホウ素化合物をブレンドすることも
できる。ここでホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ
酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられ
る。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メ
タホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルと
してはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げ
られ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられ
る。これらの化合物の中でもオルトホウ酸が好ましい。
ホウ素化合物をブレンドする場合、ホウ素化合物の含有
量は好ましくはホウ素元素換算で20〜2000pp
m、より好ましくは50〜1000ppmである。ホウ
素化合物の含有量がかかる範囲にあることで、加熱溶融
時のトルク変動が抑制されたEVOHを得ることができ
る。20ppm未満では加熱溶融時のトルク変動の抑制
の改善効果が小さくなる虞があり、2000ppmを超
えるとゲル化しやすく、成形性不良となる場合がある。
【0021】また、本発明に用いられるEVOH(a
1)に対し、アルカリ金属塩をアルカリ金属元素換算で
5〜5000ppm含有させることも層間接着性等の改
善のために効果的であることから好ましい。アルカリ金
属塩のより好適な含有量はアルカリ金属元素換算で20
〜1000ppm、さらには30〜500ppmであ
る。ここでアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどが挙げられ、アルカリ金属塩として
は、一価金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸
塩、燐酸塩、金属錯体等が挙げられる。例えば、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリウム、燐酸リチウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、
エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩等が挙げられ
る。中でも酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、燐酸ナトリ
ウムが好適である。
【0022】また、本発明に用いられるEVOH(a
1)に対し、リン酸化合物を、リン酸根換算で20〜5
00ppm、より好適には30〜300ppm、最適に
は50〜200ppm含有させることも好ましい。上記
範囲でリン酸化合物を配合することにより、EVOH
(a1)の熱安定性を改善することができる。特に、長
時間にわたる溶融成形を行う際のゲル状ブツの発生や着
色を抑制することができる。
【0023】EVOH(a1)中に配合するリン酸化合
物の種類は特に限定されるものではない。リン酸、亜リ
ン酸等の各種の酸やその塩等を用いることができる。リ
ン酸塩としては第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン
酸塩のいずれの形で含まれていても良く、そのカチオン
種も特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩であることが好ましい。中でもリン
酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水
素2ナトリウム、リン酸水素2カリウムの形でリン化合
物を添加することが好ましい。
【0024】本発明に用いられるEVOH(a1)の好
適なメルトフローレート(MFR)(190℃、216
0g荷重下)は0.1〜50g/10分、より好適には
0.3〜40g/10分、更に好適には0.5〜30g
/10分である。但し、融点が190℃付近あるいは1
90℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上の複
数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横
軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿
した値で表す。これらのEVOH樹脂(a1)は、それ
ぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して
用いることもできる。
【0025】また本発明の目的を阻外しない範囲で熱安
定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、他の樹脂
(ポリアミド、ポリオレフィンなど)、グリセリンやグ
リセリンモノステアレートなどの可塑剤をEVOH(a
1)にブレンドすることもできる。また、高級脂肪族カ
ルボン酸の金属塩またはハイドロタルサイト化合物など
を添加することは、EVOH(a1)の熱による劣化を
防ぐという観点から有効である。
【0026】ここで、ハイドロタルサイト化合物として
は、特に、MxAly(OH)2x+3y- 2z(A)z・aH2
(MはMg、CaまたはZn、AはCO3またはHP
4、x、y、z、aは正数)で示される複塩であるハ
イドロタルサイト化合物を挙げることができる。特に好
適なものとして以下のハイドロタルサイト化合物が例示
される。
【0027】Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O Mg10Al2(OH)22(CO32・4H2O Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O Mg4 . 5Al2(OH)13CO3・3.5H2
【0028】また、ハイドロタルサイト化合物として、
特開平1−308439号(USP4954557)に
記載されているハイドロタルサイト系固溶体である、
[Mg 0.75Zn0.250.67Al0.33(OH)2(CO3
0.167・0.45H2Oのようなものも用いることができ
る。
【0029】高級脂肪族カルボン酸の金属塩とは、炭素
数8〜22の高級脂肪酸の金属塩をいう。炭素数8〜2
2の高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ステアリン酸、
ミリスチン酸などが挙げられる。金属としては、ナトリ
ウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バ
リウム、アルミニウムなどが挙げられる。このうちマグ
ネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属
が好適である。
【0030】これらの高級脂肪族カルボン酸の金属塩、
またはハイドロタルサイト化合物の含有量は、EVOH
(a1)100重量部に対して0.01〜3重量部が好
ましく、より好適には0.05〜2.5重量部である。
【0031】本発明で用いられるボロン酸変性樹脂(a
2)とは、ボロン酸基、ボリン酸基および水の存在下で
ボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素含有基
から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する樹脂であ
る。すなわち、ボロン酸基、ボリン酸基あるいは水の存
在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素
含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基
がホウ素−炭素結合により主鎖、側鎖または末端に結合
した樹脂である。
【0032】またホウ素−炭素結合の炭素は後述する樹
脂のベースポリマーに由来するもの、あるいはベースポ
リマーに反応させるホウ素化合物に由来するものであ
る。ホウ素−炭素結合の好適な例としては、ホウ素と主
鎖あるいは末端あるいは側鎖のアルキレン基との結合が
挙げられる。本発明においてはボロン酸基を有する樹脂
が好適であるので、以下この点について説明する。本発
明において、ボロン酸基とは、下記式(I)で示される
ものである。
【0033】
【化1】
【0034】また水の存在下でボロン酸基に転化しうる
ホウ素含有基(以下単にホウ素含有基と略記する)とし
ては、水の存在下で加水分解を受けて上記式(I)で示
されるボロン酸基に転化しうるホウ素含有基であれば、
どのようなものでもよいが、代表例として下記一般式
(II)で示されるボロンエステル基、下記一般式(II
I)で示されるボロン酸無水物基、下記一般式(IV)で
示されるボロン酸塩基が挙げられる。
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】{式中、X,Yは水素原子、脂肪族炭化水
素基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アルキル
基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭
化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表し、
X,Yは同じ基でもよいし、異なっていてもよい。また
XとYは結合していてもよい。ただしX,Yがともに水
素原子である場合は除かれる。またR1,R2,R3は上
記X,Yと同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式
炭化水素基、芳香族炭化水素基を表し、 R1,R2,R3
は同じ基でもよいし、異なっていてもよい。またMはア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。また上記
のX,Y,R1,R2,R3には他の基、たとえばカルボ
キシル基、ハロゲン原子などを有していてもよい。
【0039】一般式(II)〜(IV)で示されるボロ
ン酸エステルの具体例としては、ボロン酸ジメチルエス
テル基、ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジプロ
ピルエステル基、ボロン酸ジイソプロピルエステル基、
ボロン酸ジブチルエステル基、ボロン酸ジヘキシルエス
テル基、ボロン酸ジシクロヘキシル基、ボロン酸エチレ
ングリコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコー
ルエステル基(ボロン酸1,2−プロパンジオールエス
テル基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル
基)、ボロン酸トリメチレングリコールエステル基、ボ
ロン酸ネオペンチルグリコールエステル基、ボロン酸カ
テコールエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基、
ボロン酸トリメチロールエタンエステル基等のボロン酸
エステル基;ボロン酸無水物基;ボロン酸のアルカリ金
属塩基、ボロン酸のアルカリ土類金属塩基等が挙げられ
る。なお前記の水の存在下でボロン酸基またはボリン酸
基に転化しうるホウ素含有基とは、ポリオレフィンを、
水または水と有機溶媒(トルエン、キシレン、アセトン
など)との混合液体中で、反応時間10分〜2時間、反
応温度25℃〜150℃の条件下に加水分解した場合
に、ボロン酸基またはボリン酸基に転化しうる基を意味
する。
【0040】前記官能基の含有量は特に制限はないが、
0.0001〜1meq/g(ミリ当量/g)が好まし
く、特に、0.001〜0.1meq/gが好ましい。
【0041】ボロン酸基、ボリン酸基および水の存在下
でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素含有
基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する樹脂の
ベースポリマーを構成するモノマーとしては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、3−メチル
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の瘁|オレフ
ィン類で代表されるオレフィン系単量体等や、スチレ
ン、皹メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−メチ
ルスチレン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルス
チレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルス
チレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フ
ェニルブチル)スチレン、2,4,6−トリメチルスチ
レン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モ
ノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレ
ン、t−ブトキシスチレン等のスチレン類;1−ビニル
ナフタレン、2−ビニルナフタレン等のビニルナフタレ
ン類などのビニル基含有芳香族化合物;インデン、アセ
ナフチレン等のビニレン基含有芳香族化合物などに例示
されるビニル芳香族化合物、ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチルブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジ
エン等に代表される共役ジエン化合物などが挙げられ
る。
【0042】ベースポリマーはこれらの単量体の一種ま
たは二種あるいは三種以上からなる重合体として使用さ
れる。これらのベースポリマーのうち、特にエチレン系
重合体{超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体の金属塩(Na,K,Zn系アイオノマ
ー)、エチレン−プロピレン共重合体}、およびビニル
芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体が好適な
ものとして挙げられる。
【0043】次に本発明に用いる、ボロン酸基、ボリン
酸基および水の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に
転化しうるホウ素含有基から選ばれる少なくとも一つの
官能基を有する樹脂の代表的製法について述べる。ボロ
ン酸基、ボリン酸基および水の存在下でボロン酸基また
はボリン酸基に転化しうるホウ素含有基から選ばれる少
なくとも一つの官能基を有する樹脂は、窒素雰囲気下で
炭素−炭素二重結合を有する樹脂にボラン錯体およびホ
ウ酸トリアルキルエステルを反応させることによって、
ボロン酸ジアルキルエステル基を有する樹脂を得た後、
水あるいはアルコール類を反応させることによって得ら
れる。この製法において原料として末端に二重結合を有
する樹脂を使用すれば、末端にボロン酸基あるいは水の
存在によりボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有す
る樹脂が得られ、側鎖または主鎖に二重結合を有する樹
脂を原料として使用すれば、側鎖にボロン酸基あるいは
水の存在によりボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を
有する樹脂を得られる。
【0044】原料の二重結合を有する樹脂の代表的製法
としては、(1)通常のオレフィン系重合体の末端に微
量に存在する二重結合を利用する方法;(2)通常のオ
レフィン系重合体を無酸素条件下、熱分解し、末端に二
重結合を有するオレフィン系重合体を得る製法;(3)
オレフィン系単量体とジエン系重合体の共重合によりオ
レフィン系単量体とジエン系単量体との共重合体を得る
製法;(4)ビニル芳香族化合物と共役ジエン系単量体
との共重合体を得る方法;などが挙げられる。1)につ
いては、公知のオレフィン系重合体の製法を用いること
ができるが、特に、連鎖移動剤として水素を用いず、重
合触媒としてメタロセン系重合触媒を用いる製法(例え
ば、DE4030399)が好ましい。(2)について
は、公知の方法(例えば、US2835659,308
7922)によりオレフィン系重合体を窒素雰囲気下や
真空条件下等の無酸素条件下で300℃〜500℃の温
度で熱分解することによって得られる。(3)について
は公知のチーグラー系触媒を用いたオレフィン−ジエン
系重合体の製法(例えば、特開昭50−44281、D
E3021273)を用いることができる。
【0045】上記の(1)および(2)の方法で得られ
た二重結合を有するオレフィン系重合体を原料とするこ
とで、末端にボロン酸基、ボリン酸基および水の存在下
でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素含有
基から選ばれる少なくとも一つの官能基が結合したポリ
オレフィンが得られる。また、(3)の方法で得られた
二重結合を有するオレフィン系重合体および(4)の方
法で得られるビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物か
らなる共重合体を原料とすることで、前記官能基が側鎖
に結合した樹脂が得られる。
【0046】ボラン錯体としては、ボラン−テトラヒド
ロフラン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラ
ン−ピリジン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボ
ラン−トリエチルアミン等が好ましい。これらのなか
で、ボラン−トリエチルアミン錯体およびボラン−トリ
メチルアミン錯体がより好ましい。ボラン錯体の仕込み
量はベースポリマーの二重結合に対し、1/3当量から
10当量の範囲が好ましい。ホウ酸トリアルキルエステ
ルとしては、トリメチルボレート、トリエチルボレー
ト、トリプロピルボレート、トリブチルボレート等のホ
ウ酸低級アルキルエステルが好ましい。ホウ酸トリアル
キルエステルの仕込み量はオレフィン系重合体の二重結
合に対し1から100当量の範囲が好ましい。溶媒は特
に使用する必要はないが、使用する場合は、ヘキサン、
ヘブタン、オクタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサン、デカリン等の飽和炭化水素
系溶媒が好ましい。
【0047】導入する反応は、反応温度25℃〜300
℃、好ましくは100〜250℃、反応時間1分〜10
時間、好ましくは5分〜5時間行うのがよい。
【0048】水あるいはアルコール類を反応させる条件
としては通常、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エ
チル等の有機溶媒を反応溶媒として用い、水またはメタ
ノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;エ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1.3
−プロパンジオール、ネオペンテルグリコール、グリセ
リン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール等の多価アルコール類をボロン
酸基に対し、1〜100等量以上の大過剰量を用い、2
5℃〜150℃の温度で1分〜1日程度反応を行うこと
によって得られる。なお、前記の官能基の中でボロン酸
基に転化しうるホウ素含有基とは、水または水と有機溶
媒(トルエン、キシレン、アセトンなど)との混合溶媒
中で、反応時間10分〜2時間、反応温度25℃〜15
0℃の条件下に加水分解した場合に、ボロン酸基に転化
しうる基を意味する。
【0049】これらのボロン酸変性樹脂のなかでも、E
VOH(a1)と配合されるボロン酸変性樹脂(a2)
としては、ポリオレフィンをベースポリマーとする樹脂
が好ましく、ポリエチレンをベースポリマーとすること
がより好ましい。また、EVOH(a1)とのブレンド
時におけるゲル・ブツ等の発生を抑制しつつ、良好な耐
衝撃性を得るためには、末端にボロン酸基、ボリン酸基
および水の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化
しうるホウ素含有基から選ばれる少なくとも一つの官能
基を有する樹脂を用いることが好ましい。
【0050】本発明に用いられるバリア性樹脂組成物
(A)は、エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度8
5%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体(a
1)60〜95重量%およびボロン酸変性樹脂(a2)
5〜40重量%からなる。より好適な実施態様では、前
記組成物(A)が(a1)70〜95重量%および(a
2)5〜30重量%からなり、さらに好適な実施態様で
は、(a1)80〜95重量%および(a2)5〜20
重量%からなる。(a1)の含有量が60重量%に満た
ない場合および(a2)の含有量が40重量%を超える
場合は、多層成形部品のガソリンバリア性が不充分とな
るばかりでなく、溶融成形時にゲル、ブツ等が発生しや
すくなり熱安定性が悪くなる。また、(a1)の含有量
が95重量%を超える場合および(a2)の含有量が5
重量%に満たない場合は、バリア性樹脂組成物(A)の
耐衝撃性の改善効果が不満足なものとなる。
【0051】EVOH(a1)およびボロン酸変性樹脂
(a2)をブレンドしてバリア性樹脂組成物(A)を得
る方法に関しては、特に限定されるものではなく、前記
(a1)からなるペレットおよび前記(a2)からなる
ペレットをドライブレンドしてそのまま溶融成形に供す
ることもできるし、より好適にはバンバリーミキサー、
単軸又は二軸スクリュー押出し機などで混練し、ペレッ
ト化してから溶融成形に供することもできる。分散状態
を均一なものとし、ゲル、ブツの発生や混入を防止する
ためには、混練ペレット化操作時に混練度の高い押出機
を使用し、ホッパー口を窒素シールし、低温で押出すこ
とが望ましい。
【0052】また、本発明に用いられる樹脂組成物
(B)層は、カルボン酸変性ポリオレフィンおよびボロ
ン酸変性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の
樹脂(b1)1〜99重量%および、前記(b1)以外
の11以下の溶解性パラメーター(Fedorsの式か
ら算出)を有する熱可塑性樹脂(b2)1〜99重量%
からなる。
【0053】上記(b1)として用いられるカルボン酸
変性ポリオレフィンとは、オレフィン、特にα−オレフ
ィンと不飽和カルボン酸またはその無水物とからなる共
重合体のことをいい、分子中にカルボキシル基を有する
ポリオレフィンおよびポリオレフィン中に含有されるカ
ルボキシル基の全部あるいは一部が金属塩の形で存在し
ているものも含まれる。カルボン酸変性ポリオレフィン
のベースとなるポリオレフィンとしては、ポリエチレン
(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポ
リエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)
など)、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体等の各種ポリオレフィンが挙げら
れる。これらの中でも樹脂組成物(B)層としての機械
強度および耐久性の観点から、HDPE、LDPE、L
LDPE、VLDPEが好ましい。
【0054】不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メ
タアクリル酸、エタアクリル酸、マレイン酸、マレイン
酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸など
が例示され、特にアクリル酸あるいはメタアクリル酸が
好ましい。不飽和カルボン酸の含有量は、好ましくは
0.5〜20モル%、より好ましくは2〜15モル%、
さらに好ましくは3〜12モル%である。不飽和カルボ
ン酸無水物としては無水イタコン酸、無水マレイン酸等
が例示され、特に無水マレイン酸が好適である。不飽和
カルボン酸無水物の含有量としては、好ましくは0.0
001〜5モル%、より好ましくは0.0005〜3モ
ル%、更に好ましくは0.001〜1モル%である。こ
れらの不飽和カルボン酸またはその無水物の中でも、バ
リア性樹脂組成物(A)層との層間接着性の観点から、
無水マレイン酸を用いることが好ましい。すなわち、カ
ルボン酸変性ポリオレフィンとして、α−オレフィンお
よび無水マレイン酸の共重合体を用いることが特に好ま
しい。
【0055】また、共重合体に含有されても良い他の単
量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのよう
なビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸イソブチ
ル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エス
テル、一酸化炭素などが例示される。
【0056】カルボン酸変性ポリオレフィンの金属塩に
おける金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム
などのアルカリ土類金属、亜鉛などの遷移金属が例示さ
れる。カルボン酸変性ポリオレフィンの金属塩における
中和度は、100%未満、特に90%以下、さらに70
%以下の範囲が望ましい。中和度の下限値については、
通常5%以上、特に10%以上、さらには30%以上が
望ましい。
【0057】本発明に用いられるカルボン酸変性ポリオ
レフィンのメルトフローレート(MFR)(190℃、
2160g荷重下)の下限は0.01g/10分であ
り、好適には0.05g/分以上であり、より好適には
0.1g/10分以上である。また、MFRの上限は5
0g/10分以下、より好適には30g/10分以下、
最適には10g/10分以下であることが望ましい。こ
れらのカルボン酸変性ポリオレフィンは、それぞれ単独
で用いることもできるし、2種以上を混合して用いるこ
ともできる。
【0058】また、前記(b1)として用いられるボロ
ン酸変性樹脂としては、上述のボロン酸変性樹脂(a
2)と同じものを使用することができる。
【0059】前記(b1)としてボロン酸変性樹脂を用
いる場合は、前記(b2)が高密度ポリエチレンである
場合は、高密度ポリエチレンとの相容性の観点からは、
ポリエチレンをベースポリマーとすることが好ましい。
特に、末端にボロン酸基、ボリン酸基および水の存在下
でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素含有
基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリエ
チレンが好ましい。一方、バリア性樹脂組成物(A)と
樹脂組成物(B)層の層間接着性の改善効果を重視する
場合は、側鎖にボロン酸基、ボリン酸基および水の存在
下でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素含
有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する樹脂
を用いることが好ましい。この様なベースポリマーとし
てはビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物からなる共
重合体が好ましい。特にガソリンとの接触の可能性が大
きい場合は、末端にボロン酸基、ボリン酸基および水の
存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ
素含有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有す
る、ボロン酸変性ポリエチレンの方が好適である。
【0060】また、前記(b2)として用いられる溶解
性パラメーターが11以下の熱可塑性樹脂としては、ポ
リオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂などが挙げられる。燃料容器本体の最外層は通常
ポリオレフィン系樹脂であるため、熱可塑性樹脂(b
2)の溶解性パラメーターが11を超える場合は、本発
明の燃料容器用成形部品のタンク本体との熱融着性が不
充分となる。ポリオレフィン系樹脂としては、高密度も
しくは低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン−1などの瘁|オレフィンの単独重合体、エチレン、
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などから選ばれ
た瘁|オレフィン同士の共重合体などが例示される。ま
た、スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(AB
S)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(A
S)、スチレン−イソブチレンとのブロック共重合体、
スチレン−ブタジエンとの共重合体あるいはスチレン−
イソプレンとのブロック共重合体等が挙げられる。これ
らの熱可塑性樹脂(b2)として、上記に例示した樹脂
をそれぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混
合して用いることもできる。
【0061】これらの11以下の溶解度パラメーター
(Fedorsの式から算出)を有する熱可塑性樹脂
(b2)の中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いること
が好ましく、高密度ポリエチレンを用いることがより好
ましい。高密度ポリエチレンの密度は0.93g/cm
3以上であることが好適であり、より好適には0.93
5g/cm3以上であり、さらに好適には0.94g/
cm3以上である。
【0062】本発明に用いられる高密度ポリエチレンの
好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、21
60g荷重下)の下限は0.01g/10分であり、好
適には0.05g/分以上であり、より好適には0.1
g/10分以上である。また、MFRの上限は50g/
10分以下であることが好ましく、より好適には30g
/10分以下、最適には10g/10分以下であること
が望ましい。
【0063】上述の通り、本発明に用いられる樹脂組成
物(B)層はカルボン酸変性ポリオレフィンおよびボロ
ン酸変性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の
樹脂(b1)1〜99重量%および、前記(b1)以外
の11以下の溶解性パラメーター(Fedorsの式か
ら算出)を有する熱可塑性樹脂(b2)1〜99重量%
からなる樹脂組成物である。
【0064】前記(b1)がカルボン酸変性ポリオレフ
ィンからなる場合、(B)層は(b1)10〜90重量
%および(b2)10〜90重量%からなる樹脂組成物
であることが、バリア性樹脂組成物(A)層との層間接
着性の観点から好ましい。(B)層の組成は、(b1)
20〜80重量%および(b2)20〜80重量%であ
ることがより好ましく、(b1)30〜70重量%およ
び(b2)30〜70重量%であることが特に好まし
い。
【0065】一方、前記(b1)がボロン酸変性樹脂か
らなる場合は、(B)層は(b1)5〜95重量%およ
び(b2)5〜95重量%からなる樹脂組成物であるこ
とが、(B)層の機械強度と、(B)層および(A)層
の層間接着性とのバランスの観点から好ましい。(B)
層の組成は、(b1)5〜80重量%および(b2)2
0〜95重量%であることがより好ましく、(b1)5
〜60重量%および(b2)40〜95重量%であるこ
とが特に好ましい。
【0066】前記樹脂(b1)および前記樹脂(b2)
をブレンドして樹脂組成物(B)を得る方法に関して
は、特に限定されるものではなく、前記樹脂(b1)か
らなるペレットおよび前記樹脂(b2)からなるペレッ
トをドライブレンドしてそのまま溶融成形に供すること
もできるし、より好適にはバンバリーミキサー、単軸又
は二軸スクリュー押出し機などで混練し、ペレット化し
てから溶融成形に供することもできる。分散状態を均一
なものとし、ゲル、ブツの発生や混入を防止するために
は、混練ペレット化操作時に混練度の高い押出機を使用
し、ホッパー口を窒素シールし、低温で押出すことが望
ましい。
【0067】また、本発明の多層成形部品において、バ
リア樹脂組成物(A)層および/または樹脂組成物
(B)層が無機フィラー1〜50重量%を含有してなる
ことも好ましい。本発明で用いられる無機フィラーの好
ましい例としては、マイカ、セリサイト、ガラスフレー
クおよびタルクなどが挙げられ、特に限定されるもので
はない。これらの無機フィラーは単独で用いることもで
きるし、また複数の混合物としても用いることが出来
る。無機フィラーはバリア性樹脂組成物(A)層、樹脂
組成物(B)層のいずれに加えても良く、両方に添加し
ても良い。バリア性樹脂組成物(A)層に無機フィラー
を添加した場合、ガソリンバリア性が向上する観点で好
適である。また、無機フィラーを樹脂組成物(B)層に
添加した場合は、機械強度の向上や、ガソリンによる膨
潤の低減に代表される耐有機溶剤性の向上などの改善効
果を得ることが可能である。
【0068】本発明における無機フィラーの含有量は1
〜50重量%であることが好適であり、含有量の下限は
より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重
量%以上であり、最適には15重量%以上である。ま
た、含有量の上限はより好ましくは45重量%以下であ
り、更に好ましくは40重量%以下である。1重量%未
満の場合、機械強度やガソリンバリア性の向上などの改
善効果が不満足なものとなる虞がある。一方、50重量
%を超える場合は成形時に流動異常が生じ易くなり、ヒ
ケ、ウェルドライン等の原因となり、外観良好な成形品
を得ることが出来ない虞がある。
【0069】本発明に用いられるバリア性樹脂組成物
(A)層、樹脂組成物(B)層の少なくとも一方が無機
フィラーを含む樹脂組成物である場合は、通常の溶融混
練装置により各成分を溶融混練することにより容易に目
的とする樹脂組成物を得ることができる。各成分をブレ
ンドする方法は特に限定されるものではないが、単軸ま
たは二軸スクリュー押出機などで溶融混錬し、ペレット
化し乾燥する方法等が挙げられる。溶融配合操作におい
ては、ブレンドが不均一になったり、ゲル、ブツが発
生、混入したりする可能性があるので、ブレンドペレッ
ト化はなるべく混練度の高い押出機を使用し、ホッパー
口を窒素ガスでシールし、低温で押出しすることが望ま
しい。
【0070】本発明の燃料容器用多層成形品の層構成は
特に限定されないが、バリア性樹脂組成物(A)層を
A、樹脂組成物(B)層をBとした場合、(外)A/B
(内)、(外)B/A(内)、(外)B/A/B
(内)、(外)B/A/B/A/B(内)などが好適な
ものとして例示される。特に、本発明の燃料容器用多層
成形部品が二色成形機で成形される場合は、成形のし易
さの観点からA/B構成が好適である。一方、共射出成
形で成形される場合は、成形のし易さ、金型の設計のし
易さ、コストメリットなどの観点から、(外)A/B
(内)、(外)B/A(内)、(外)B/A/B(内)
の構成を有することが好適である。成形のし易さおよび
金型の設計のし易さを特に重視する場合は、(外)A/
B(内)あるいは(外)B/A(内)の2種2層構成を
有することが特に好ましい。なお、ここで(内)は内層
側、すなわち直接燃料と接触する側の層を指す。また、
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、樹脂組成物
(B)層は複層構成であっても良く、接着性樹脂層とポ
リオレフィン系樹脂層を含む複層構成や、樹脂組成物
(B)層とバリア性樹脂組成物(A)をブレンドしてな
る樹脂組成物層(回収層など)とポリオレフィン系樹脂
層を含む複層構成であっても良い。
【0071】各層厚みについては特に限定されない。バ
リア性樹脂組成物(A)層のガソリンバリア性は、前記
(A)に含まれるEVOH(a1)の量によって変化す
るため、多層成形部品が要求されるガソリンバリア性
能、およびバリア性樹脂組成物(A)が有するガソリン
バリア性を考慮して、(A)層の厚みを設定することが
好ましい。さらに、射出成形時の成形のし易さという観
点からはある程度の厚みが必要である。本厚み構成はこ
の成形性によって設定することが必要である。
【0072】また、上述の通り、成形のし易さおよび金
型の設計のし易さを特に重視する場合は、本発明の多層
成形部品は(A)層/(B)層の二種二層の層構成を持
つことが好ましい。かかる層構成を有する場合は、
(A)層の厚みは全層厚みの10〜90%であることが
好ましく、20〜80%であることが好ましく、30〜
70%であることがさらに好ましい。
【0073】本発明の燃料容器用多層成形部品を得る方
法としては、例えば、一般のポリオレフィンの分野にお
ける適切な成形方法が用いられるが、コネクター、キャ
ップ、バルブなどに例示される燃料容器用多層成形部品
は一般に形状が複雑になるため、多層射出成形方法によ
り成形することが特に好適である。多層射出成形として
は二色成形、インサート射出成形、共射出成形などが挙
げられ、目的とする成形品の形状等により適宜選ばれ、
特に限定されるものではない。また、上記の通り、成形
のし易さおよび金型の設計のし易さを特に重視する場合
は、本発明の多層成形部品は(A)層/(B)層の二種
二層の層構成を持つことが好ましいが、かかる層構成を
持つ多層成形品を製造する場合は、二色成形機を用いて
製造することが好ましい。
【0074】ここで、二色成形とは、例えば2組の射出
機構を有する成形機を用い、単一の金型に溶融したバリ
ア性樹脂組成物(A)もしくは樹脂組成物(B)を射出
後、樹脂組成物(B)もしくはバリア性樹脂組成物
(A)を射出するものである。二色成形は金型が反転す
る方式が従来から用いられているが、コアーバック方式
なども適宜選ぶことが出来、特に限定されるものではな
い。金型反転方式の例としては、例えば(1)まずバリ
ア性樹脂組成物(A)を射出後、金型を反転させ続いて
樹脂組成物(B)を射出して、バリア性樹脂組成物
(A)層/樹脂組成物(B)層の2層構成を得る方法、
(2)まず樹脂組成物(B)を射出後、金型を反転させ
続いてバリア性樹脂組成物(A)を射出して、バリア性
樹脂組成物(A)層/樹脂組成物(B)層の2層構成を
得る方法、(3)樹脂組成物(B)を射出後、金型を反
転させてバリア性樹脂組成物(A)を射出、再度金型を
反転させて樹脂組成物(B)を射出して、樹脂組成物
(B)層/バリア性樹脂組成物(A)層/樹脂組成物
(B)層の3層構成を得る方法などが挙げられるが特に
限定はされない。
【0075】インサート射出成形とは、例えば予め成形
しておいた成形品を金型に装着後、射出成形を行うもの
である。例えば、予めバリア性樹脂組成物(A)からな
る成形品もしくは樹脂組成物(B)からなる成形品を射
出成形により得た後、これをインサート射出成形機に装
着し、樹脂組成物(B)および/またはバリア性樹脂組
成物(A)を射出して得られる、バリア性樹脂組成物
(A)層/樹脂組成物(B)層の2層構成品、樹脂組成
物(B)層/バリア性樹脂組成物(A)層/樹脂組成物
(B)層の3層構成品等が挙げられるが、特に限定され
るものではない。
【0076】共射出成形とは、例えば2台の射出シリン
ダーを有する成形機を用い単一の金型に1回の型締め操
作を行い、溶融したバリア性樹脂組成物(A)および樹
脂組成物(B)層をそれぞれの射出シリンダーより同心
円状のノズル内にタイミングをずらして交互に射出する
こと、あるいは同心円状のノズル内に同時に射出するこ
とにより得られる。例えば(1)先に内外層用の樹脂組
成物(B)層を射出し、次いで、中間層となるバリア性
樹脂組成物(A)を射出して、樹脂組成物(B)層/バ
リア性樹脂組成物(A)層/樹脂組成物(B)層の3層
構成の成形品を得る方法、あるいは(2)先に内外層用
の樹脂組成物(B)層を射出し、次いでバリア性樹脂組
成物(A)を射出して、それと同時にあるいはその後に
樹脂組成物(B)層を再度射出し、樹脂組成物(B)層
/バリア性樹脂組成物(A)層/樹脂組成物(B)層/
バリア性樹脂組成物(A)/樹脂組成物(B)層の5層
構成の成形品を得る方法などが挙げられるが、特に限定
されない。
【0077】本発明の燃料容器用成形部品とは、燃料容
器本体に装着されて用いられる成形部品をいい、具体的
には、燃料容器用コネクター、燃料容器用キャップ、燃
料容器用バルブなどが挙げられるが、これに限定されな
い。好ましくは、燃料容器用コネクターおよび燃料容器
用バルブである。
【0078】成形部品を燃料容器本体に装着する方法は
特に限定されず、ねじ込み式、填め込み式による装着、
および熱融着による装着が例示されるが、熱融着による
装着が組み付け工数の減少および装着部分からの燃料漏
れの抑制という観点から、特に好ましい。熱融着には一
般的な手法が用いられ、ヒーターなどにより燃料容器本
体および/または燃料容器用成形部品の融着面を加熱し
た後、融着を行う方法、燃料容器本体と当該成形部品を
高周波融着する方法、および燃料容器本体と当該成形部
品を超音波融着する方法などが例示されるが、これらに
限定されない。
【0079】成形部品コネクターとしての成型部品の使
用態様としては、燃料容器本体に装着された燃料容器用
コネクターとして使用する態様、さらにフレキシブルな
燃料輸送用のパイプが装着される態様などが挙げられる
が、これらに限定されない。このコネクターを燃料容器
本体に装着する方法としては、ねじ込み式、填め込み
式、熱融着による接合などが例示されるが、組み付け工
数の減少および接合部分からの燃料漏れの抑制という観
点から、熱融着により装着されることが好ましい。その
ため、このコネクターは燃料容器本体との熱融着性に優
れていることが特に好ましい。また、燃料容器本体とこ
のコネクターの装着部分からの燃料漏れを抑制するため
に、コネクターはガソリンバリア性に優れていることが
特に好適である。さらに、コネクターは耐ストレスクラ
ック特性、耐有機溶剤性に優れていることが、燃料容器
用成形部品の長期連続使用性、すなわち製品寿命の観点
から好適である。
【0080】また、燃料容器用コネクターとしての好適
な実施態様としては、燃料容器本体に接合された燃料容
器用コネクターに、さらにフレキシブルな燃料輸送用の
パイプが接合される。このため、車両走行時や、燃料容
器からエンジンへの燃料の供給時、あるいは燃料供給口
から燃料容器への燃料の受け入れ時など、燃料容器その
ものの振動あるいは輸送パイプの振動によるコネクター
への連続的負荷が発生する。これらの観点から、燃料容
器用コネクターは、耐衝撃性、耐ストレスクラック性、
耐有機溶剤性に優れていることが望ましい。
【0081】燃料容器用キャップは、給油口の閉蓋具と
して用いられる。その接合方法は特に限定されないが、
ねじ込み式、填め込み式などが例示され、好ましくはね
じ込み式である。現在、多くの燃料容器用キャップは金
属製であるが、軽量化、リサイクルなどの観点から熱可
塑性樹脂製のキャップが近年注目を集めている。また、
給油口は給油管、燃料容器用コネクターを経て燃料容器
本体と繋がっているが、従来、金属製の燃料容器用キャ
ップから発生する錆による金属酸化物の燃料容器への混
入が問題となっている。かかる観点からも、熱可塑性樹
脂からなるキャップの存在意義は大きい。かかる燃料容
器用キャップはガソリンバリア性、耐有機溶剤性、耐ス
トレスクラック特性に優れていることが好ましく、開閉
を繰り返すことから、耐摩耗性等の機械強度にも優れて
いることがさらに好ましい。
【0082】また、熱硬化性樹脂(C)からなる部品
が、成形部品が装着された燃料容器本体に、成形部品を
介して装着されてなる燃料容器も、本発明の実施態様と
して好適である。上記構成の燃料容器は、熱硬化性樹脂
(C)からなる部品が機械強度および優れたガソリンバ
リア性を有し、かつ熱硬化性樹脂(C)からなる部品と
燃料容器本体との装着部分に本発明の樹脂組成物からな
る成形部品を介在させることにより、高いガソリンバリ
ア性を付与することが出来る点で好適である。熱硬化性
樹脂(C)としては、機械強度、ガソリンバリア性など
の観点からポリメチレンオキサイド系樹脂を用いること
が特に好適である。かかる構成によって燃料容器に装着
される燃料容器用成形部品は特に限定されないが、燃料
容器用圧抜きバルブが好適である。
【0083】熱硬化性樹脂(C)からなる部品が、成形
部品を介して燃料容器に装着される方法は特に限定され
ない。まず、燃料容器本体に成形部品を装着し、次にこ
の成形部品に熱硬化性樹脂(C)からなる燃料容器用部
品をねじ込み式あるいは填め込み式などの方法で装着す
る方法、または、まず、熱硬化性樹脂(C)からなる部
品に上記成形部品を装着し、ついで、これを燃料容器本
体に装着する方法などが例示されるが、特に限定されな
い。
【0084】成形部品を燃料容器本体に装着する方法は
特に限定されない。ねじ込み式、填め込み式による装
着、および熱融着による装着が例示されるが、熱融着に
よる装着が組み付け工数の減少および装着部分からの燃
料漏れの抑制という観点から、特に好ましい。
【0085】熱硬化性樹脂(C)からなる部品に、成形
部品を装着する方法は特に限定されない。ねじ込み式、
填め込み式による方法が好適である。また、熱硬化性樹
脂(C)からなる部品と燃料容器との接合面を本発明に
用いる樹脂組成物で被覆する方法も好適である。熱硬化
性樹脂(C)と本発明で用いられる樹脂組成物は一般的
に接着性が小さいことから、熱硬化性樹脂(C)からな
る部品の表面を、成形部品の機能を阻害しない範囲内で
出来るだけ本発明に用いる樹脂組成物で被覆することが
特に好適である。かかる構成を採用することにより、熱
硬化性樹脂(C)からなる成形部品本体と、本発明の樹
脂組成物との界面の剥離を抑制することが可能である。
【0086】また、成形部品本体を、本発明に用いる樹
脂組成物で被覆する方法は特に限定されないが、先に射
出成形法などで作成した熱硬化性樹脂(C)からなる部
品本体を金型内に設置し、これに射出成形機にて本発明
の樹脂組成物を射出して被覆する方法(インサートイン
ジェクション法)、あるいは熱硬化性樹脂(C)および
本発明に用いる樹脂組成物を共射出成形する方法などが
好適なものとして挙げられるが、インサートインジェク
ション法が特に好適である。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0088】(使用材料)本発明の実施例および比較例
の燃料容器用成形部品製造に用いた、樹脂および樹脂組
成物を以下の表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】合成例1 末端にボロン酸エチレングリコールエステル基を有する
超低密度ポリエチレンの合成:(a−2)および(b−
3) 冷却器、撹拌機および滴下ロート付きセパラブルフラス
コに超低密度ポリエチレン{MFR7g/10分(21
0℃−荷重2160g)密度0.89g/cm 3、末端
二重結合量0.048meq/g}1000g、デカリ
ン2500gを仕込み、室温で減圧することにより脱気
を行った後、窒素置換を行った。これにホウ酸トリメチ
ル78g、ボラン−トリエチルアミン錯体5.8gを添
加し、200℃で4時間反応後、蒸留器具を取り付けさ
らにメタノール100mlをゆっくり滴下した。メタノ
ール滴下終了後、減圧蒸留により、メタノール、ホウ酸
トリメチル、トリエチルアミン等の低沸点の不純物を留
去した。さらにエチレングリコール31gを添加し、1
0分間撹拌後、アセトンに再沈し、乾燥することによ
り、ボロン酸エチレングリコールエステル基量0.02
7meq/g、MFR5g/10分(210℃−荷重2
160g)のボロン酸変性超低密度ポリエチレンを得
た。
【0091】実施例1 エチレン含有量32モル%、ケン化度99.5%、 M
FR1.6g/10分(190℃−2160g荷重下)
のEVOH(a−1)90重量部と、合成例1に従って
作製したボロン酸変性ポリエチレン(a−2)10重量
部とを二軸スクリュータイプのベント式押出機に入れ、
窒素の存在下220℃で押出しペレット化を行い、樹脂
組成物(a−3)のペレットを得た。
【0092】一方、MFR0.3g/10分(190℃
−2160g荷重下 )、密度0.952g/cm3のポ
リエチレン(b−1)50重量部および無水マレイン酸
変性ポリエチレン(b−2)(三井化学製「アドマーG
T6A」)50重量部を二軸スクリュータイプのベント
式押出機に入れ、窒素の存在下220℃で押出しペレッ
ト化を行い、樹脂組成物(b−4)のペレットを得た。
【0093】バリア性樹脂組成物(A)として上記樹脂
組成物ペレット(a−3)を用い、樹脂組成物(B)と
して上記樹脂組成物ペレット(b−4)を用い、(A)
/(B)の層構成を有する2種2層の多層成形物を以下
のようにして得た。すなわち、上記作成したペレット
(a−3)およびペレット(b−4)を二色成形機にそ
れぞれ仕込み、内径34mm、外径40mm、高さ75
mmの、図1に示すような形状の2種2層の多層成形品
を作製した。前記多層成形部品の断面図を図2に示す。
層構成は(外)樹脂組成物(B)層/バリア性樹脂組成
物(A)層(内)であり、各部位において厚み比を
(外)55/45%(内)となるようにした。この多層
成形品は燃料容器用コネクター類似の形状(以下、コネ
クター様成形品という)を有し、図3に示されるよう
に、コネクター様成形品は容器本体胴部に設けられた開
口部に装着されて用いられる。好適な実施態様では、コ
ネクター様成形品41は、容器本体42に取り付けら
れ、コネクター様成形品41の口部にパイプ43が取り
付けられる(図4)。
【0094】一方、高密度ポリエチレン(HDPE:
三井化学製HZ8200B)を内外層とし、中間層とし
てEVOH(a−1)、更に接着性樹脂(無水マレイン
酸変性LDPE、三井化学製アドマーGT5A)を用
い、3種5層のダイレクトブロー成形機にて容量35リ
ットル、表面積0.85m2のEVOH系多層タンクを
作製した。本タンクの層構成は、(外)HDPE/接着
性樹脂/EVOH(a−1)/接着性樹脂/HDPE
(内)=2500/100/150/100/2500
μmであった。
【0095】上記多層タンクにコネクター装着のために
直径50mmの開口部を2ヶ所あけた後、その開口部付
近のタンク外表面部分および上記作製した2種2層のコ
ネクター様成形品の双方を250℃の鉄板で40秒融解
させた後に、圧着して熱融着させて、2個のコネクター
様成形品付き多層タンクを得た。本多層成形品を融着さ
せた多層タンクを用いて、以下の方法でガソリンバリア
性を評価した。
【0096】(1)ガソリンバリア性 得られた2ヶ所の開口部をもつ多層タンクに、30リッ
ターのモデルガソリン(トルエン:イソオクタン=50
/50体積%)を充填した。次いで、本コネクター様成
形品の片側に直径60mm、厚さ0.5mmのアルミ板
をエポキシ系接着剤にて強固に接着させた後、防爆型恒
温恒湿槽(40℃−65%RH)にて60日後の重量減
少量(n=5)を測定した(W)。対照として、多層タ
ンクに使用した樹脂と同じ樹脂を用いて得られた多層シ
ート(HDPE/接着性樹脂/EVOH(a−1)/接
着性樹脂/HDPE=2100/100/600/10
0/1100μmを、コネクターと同様に2ヶ所の開口
部に熱融着させたタンク(厚み1100・高フHDPE
層側をタンク本体に熱融着)を用意し、同様にモデルガ
ソリンの重量減少量を測定した(w)。本コネクター部
からのガソリン減少量は以下の式(1)から算出した。 コネクターからのガソリン減少量 = W−w (1)
【0097】また、以下の方法にしたがって、多層成形
部品の耐衝撃性を評価した。
【0098】(2)耐衝撃性 上記方法で作製された多層成形品を20℃−65%RH
の条件下で20日間調湿した後、同じく20℃−65%
RHに調湿された室内で、10mの高さからコンクリー
トの床に落下させた。落下後の多層成形品の外観を目視
にて観察し、評価を行った。
【0099】また、以下の方法に従って、バリア性樹脂
組成物(A)と樹脂組成物(B)層との層間接着強度を
評価した。
【0100】(3)層間接着強度 バリア性樹脂組成物(A)と樹脂組成物(B)を用い
て、突き当て型テストピースを二色成形機により作成し
た。バリア性樹脂組成物(A)からなる小片と樹脂組成
物(B)からなる小片のそれぞれの大きさは、長さ12
0mm、幅50mm、厚さ2mmであり、それぞれの小
片が80mm重なっている(図5)。この様なテストピ
ースを使用し、オートグラフ(島津製AG−500A)
を用いて180度剥離強度を求めた。
【0101】(4)燃料タンクとの熱融着性 上記方法で作製された、コネクター様多層成形品が装着
されたガソリンタンクのコネクター周辺部を、コネクタ
ーを中心に直径20cmで切り出し、コネクター様多層
成形品が融着された多層シートを得た。前記の成形品が
融着された多層シートを用いて、オートグラフ(島津製
AG−500A)を用いて融着部が剥離する強度を求め
た。すなわち、図6に示すように、成形品が融着された
多層シートのシート部分を、治具(1)により押さえ、
成形品部分を治具(2)を用いて多層シートと鉛直方向
に引っ張り、多層シートと成形品が剥離する強度を測定
した。
【0102】本実施例においては、コネクター部分から
のガソリン透過量は0.01g/2pieces・60
daysに未満であり、良好なガソリンバリア性を示し
た。また、多層成形部品の耐衝撃性の評価結果は、A判
定であった。さらに、層間接着強度の試験を行ったとこ
ろ、(A)層と(B)層が剥離する前に(B)層の破断
が生じるという、良好な層間接着性を示した。また、燃
料タンクとの熱融着強度の試験においても、融着部は融
着したままコネクター様多層成形品が断裂するという、
良好な融着性を示した。
【0103】実施例2 実施例1と同様に、バリア性樹脂組成物(A)として上
記樹脂組成物ペレット(a−3)を用い、樹脂組成物
(B)として上記樹脂組成物ペレット(b−4)を用
い、それぞれの樹脂組成物ペレットを二色成形機に仕込
み、実施例1と同様にして、2種2層の多層成形品を作
製した。層構成は(外)バリア性樹脂組成物(A)/樹
脂組成物(B)層(内)であり、各部位において厚み比
を(外)45/55%(内)となるようにした。得られ
た多層成形品を用いて、実施例1と同様にしてガソリン
バリア性および耐衝撃性の評価を行った。結果を表2に
示す。
【0104】実施例3 MFR0.3g/10分(190℃−2160g荷重下
)、密度0.952g/cm3のポリエチレン(b−
1)50重量部、および合成例1で合成したボロン酸変
性樹脂(b−3)50重量部を二軸スクリュータイプの
ベント式押出機に入れ、窒素の存在下220℃で押出し
ペレット化を行い、樹脂組成物(b−5)のペレットを
得た。
【0105】樹脂組成物(B)層として、上記作成した
樹脂組成物(b−5)を用いた以外は、実施例1と同様
にして、多層成形部品を作製し、ガソリンバリア性およ
び耐衝撃性の評価を行った。評価結果を表2に示す。ま
た、バリア性樹脂組成物(A)として樹脂組成物(a−
3)、樹脂組成物(B)として(b−5)を用いて、上
記の方法にしたがって接着強度の試験を行ったところ、
(A)層と(B)層が剥離する前に(B)層の破断が生
じるという、良好な層間接着性を示した。
【0106】実施例4 樹脂組成物(B)層として、実施例3で作成した樹脂組
成物(b−5)を用いた以外は、実施例2と同様にし
て、多層成形部品を作製し、ガソリンバリア性、耐衝撃
性および熱融着性の評価を行った。評価結果を表2に示
す。
【0107】比較例1 実施例1において、バリア性樹脂組成物(A)としてE
VOH(a−1)のみを用いた以外は、実施例1と同様
にして多層成形部品を作製し、ガソリンバリア性、耐衝
撃性および熱融着性の評価を行った。評価結果を表2に
示す。また、実施例1と同様にして二色成形のテストピ
ースを作成し、層間接着強度を評価した結果、EVOH
(a−1)((A)層)および組成物(b−4)
((B)層)は良好な接着性を示し、(A)層と(B)
層が剥離する前に(B)層の破断が生じた。
【0108】比較例2 実施例1において、熱可塑性樹脂(B)として、(b−
1)のみを用いた以外は実施例1と同様にして多層成形
部品を作製し、ガソリンバリア性、耐衝撃性および熱融
着性の評価を行った。評価結果を表2に示す。また、実
施例1と同様にして二色成形のテストピースを作成した
が、バリア性樹脂組成物(a−3)((A)層)および
ポリエチレン(b−1)((B)層)は層間接着性に乏
しく、オートグラフの治具への取付作業中に、(A)層
と(B)層の間で剥離が生じた。
【0109】比較例3 射出成形機を用いて、実施例1で作製したコネクター様
成形品(図1)と同一の形状を有する、EVOH(a−
1)からなる単層成形品を作製した。得られた単層成形
品を用いて、上記方法にしたがって、ガソリンバリア性
および耐衝撃性について評価した。結果を表2に示す。
また、実施例1と同様にして熱融着性の評価を試みた
が、上記成形品は熱融着性に乏しく、オートグラフの治
具への取付作業中に、成形品と多層シート(成形品が装
着されたタンク本体から切り出されたもの)との間で剥
離が生じた。
【0110】比較例4 射出成形機を用いて、実施例1で作製したコネクター様
成形品(図1)と同一の形状を有する、ポリエチレン
(b−1)からなる単層成形品を作製した。得られた単
層成形品を用いて、上記方法にしたがって、ガソリンバ
リア性、耐衝撃性および熱融着性について評価した。結
果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】本発明の構成を有する実施例1〜4の多層
成形部品は、ガソリンバリア性、耐衝撃性および熱融着
性に優れていた。また、バリア性樹脂組成物(A)層と
樹脂組成物(B)層との、層間接着性にも優れていた。
【0113】これに対して、(A)層がEVOHのみか
らなる比較例1では、(A)層の耐衝撃性が不充分であ
った。また、(B)層がポリエチレンのみからなる比較
例2では、(A)層と(B)層との層間接着性が不充分
であり、多層成形部品の耐衝撃性が不満足なものとなっ
た。
【0114】また、成形品がEVOHのみからなる単層
射出成形品である比較例3では、充分な耐衝撃性および
熱融着性が得られなかった。更に、成形品がポリエチレ
ンのみからなる単層射出成形品である比較例4では、充
分なガソリンバリア性が得られなかった。
【0115】
【発明の効果】ガソリンバリア性、耐衝撃性および熱融
着性に優れた燃料容器用多層成形部品、ならびに当該成
形部品が燃料容器本体に装着された燃料容器を提供する
ことができる。かかる燃料容器は、特に自動車用ガソリ
ンタンクとして用いることが特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二色成形機により成形された多層成形品(コ
ネクター様成形品)を示す図である。
【図2】 二色成形機により成形された多層成形品(コ
ネクター様成形品)の断面図である。
【図3】 コネクター様成形品の使用形態を示す図であ
る。
【図4】 コネクター様成形品の使用形態を示す図であ
る。
【図5】 層間接着強度測定のための、テストピースの
構造を示す図である。
【図6】 熱融着性の評価試験方法を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
31:燃料容器胴部の開口部に装着された多層成形部品
(内層) 32:燃料容器胴部の開口部に装着された多層成形部品
(外層) 33:燃料容器本体(外層) 34:燃料容器本体(中間層) 35:燃料容器本体(内層) 41:コネクター様成形品 42:容器本体 43:パイプ 51:バリア性樹脂組成物(A)からなる、テストピー
スの一部 52:樹脂組成物(B)からなる、テストピースの一部 61:コネクター様多層成形品 62:多層シート(成形品が装着された燃料容器本体の
開口部周囲が切り取られたもの) 63:治具(1) 64:治具(2)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F16K 27/00 B60K 15/04 A Fターム(参考) 3D038 CA05 CA19 CA22 CC04 CC15 CC17 CC20 3H051 AA11 DD07 EE04 FF15 4F100 AA00A AA00H AH02A AH02B AK01A AK01B AK01C AK03B AK05 AK05B AK69A AL05A AL05B AL07A AL07B AT00D BA02 BA04 BA07 BA10C BA10D CA23A EH17 EH36 GB32 JB04B JB13C JB16B JD01 JD01A JK10 JL12 YY00A YY00B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量5〜60モル%、ケン化
    度85%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体
    (a1)60〜95重量%およびボロン酸変性樹脂(a
    2)5〜40重量%からなるバリア性樹脂組成物(A)
    層と、カルボン酸変性ポリオレフィンおよびボロン酸変
    性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂
    (b1)1〜99重量%および、前記(b1)以外の1
    1以下の溶解性パラメーター(Fedorsの式から算
    出)を有する熱可塑性樹脂(b2)1〜99重量%から
    なる樹脂組成物(B)層とからなる燃料容器用多層成形
    部品。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(b2)が高密度ポリエチ
    レンである請求項1記載の多層成形部品。
  3. 【請求項3】 バリア性樹脂組成物(A)層および/ま
    たは樹脂組成物(B)層が無機フィラー1〜50重量%
    を含有してなる請求項1または2に記載の燃料容器用多
    層成形部品。
  4. 【請求項4】 成形部品が、多層射出成形機により成形
    されている請求項1〜3のいずれかに記載の燃料容器用
    多層成形部品。
  5. 【請求項5】 成形部品が、二色成形機、インサート射
    出成形機、または共射出成形機により成形されている請
    求項4記載の燃料容器用多層成形部品。
  6. 【請求項6】 燃料容器用多層成形部品が燃料容器用コ
    ネクター、燃料容器用キャップまたは燃料容器用バルブ
    であるである請求項1〜5のいずれかに記載の燃料容器
    用多層成形部品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の燃料容
    器用多層成形部品が、樹脂組成物(B)層を介して燃料
    容器本体に装着されてなる燃料容器。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の燃料容
    器用成形部品が、熱融着によって燃料容器本体に装着さ
    れてなる燃料容器。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかの項に記載の成
    形部品が装着された燃料容器に、熱硬化性樹脂(C)か
    らなる部品が該成形部品を介して装着されている燃料容
    器。
  10. 【請求項10】 熱硬化性樹脂(C)がポリメチレンオ
    キサイドである、請求項9記載の燃料容器。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれかに記載の燃
    料容器からなる自動車用燃料タンク。
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