JP2002051888A - 羽毛布団 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 羽毛を布団全体に均等に充填できて谷間がな
くなるとともに、より保温性を高めた羽毛布団を提供す
る。 【解決手段】 羽毛布団１の内部は、中袋層１９、表袋
層１１、及び、裏袋層１３の３層構造からなる。表袋層
１１の布団長さ方向の仕切り部Ｅ、Ｆ、Ｇ及び裏袋層１
３の同方向の仕切り部Ｅ´、Ｆ´、Ｇ´と、中袋層１９
の同方向の仕切り部Ｌ、Ｍとが布団厚さ方向で食い違っ
ている。このため、羽毛が充填されにくい仕切り部を、
布団の厚さ方向でずらすことができ、布団全体で厚さ方
向に羽毛の足りない部分（谷間）が形成されず、布団全
体の保温性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、分割した複数の小
袋の中に羽毛を充填した羽毛布団に関する。特には、縫
い目部の隅における羽毛充填不良に起因する布団の谷間
をなくすとともに保温性をより高めた羽毛布団に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般的な羽毛布団は、表地と裏地の間を
幅方向及び長さ方向に複数に仕切り、上下の布地を各仕
切り部でまちテープを介して縫い合わせて複数の小袋を
形成し、その中に適宜な量の羽毛を充填している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、各布地を縫い
合わせて小袋を形成した場合、各層の中袋の仕切り部の
隅まで十分に羽毛を充填し難く、仕切り部に空間が生じ
てしまう。このため、この仕切り部で羽毛の量が減り、
布団の厚さが薄くなる部分（谷間）が形成される。

【０００４】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、羽毛を布団全体に均等に充填できて谷間
がなくなるとともに、より保温性を高めた羽毛布団を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の態様の羽毛布団は、 表地と裏地の周囲を
縫い合わせて袋状とし、該袋の内部をまちテープで複数
の小袋に仕切り、各小袋に羽毛を充填した羽毛布団であ
って； 内部が、中袋層、表袋層、及び、裏袋層の３層
構造からなり、 該表袋層及び裏袋層の仕切り部と中袋
層の仕切り部とが食い違っていることを特徴とする。表
層及び裏層の仕切り部と中層の仕切り部とを食い違わせ
たことにより、羽毛が充填されにくい仕切り部を、布団
の厚さ方向でずらすことができる。したがって、ある層
の仕切り部で羽毛の充填不良の部分が形成されても、そ
の部分と厚さ方向に重なる他の層では羽毛が比較的十分
充填されている。このため、布団全体で厚さ方向に羽毛
の足りない部分（谷間）が形成されず、布団全体の保温
性が向上する。特に、この布団は３層構造であるため、
より保温性が高い。なお、表層と裏層の仕切り部も食い
違わせるようにしてもよい。

【０００６】この態様においては、上記表層及び裏層の
仕切り部と上記中層の仕切り部とが、布団の幅方向及び
長さ方向の両方に食い違っていることが好ましい。布団
の幅方向及び長さ方向に仕切り部が食い違っているた
め、布団全体に渡って羽毛の充填度合いが向上し、暖か
い羽毛布団を提供できる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。図１は、本発明の実施の形態に係る羽毛布団の構造
を示す部分断面斜視図である。図２は、図１の羽毛布団
の各層の横断面の形状を示す平面図であり、（Ａ）は表
層、（Ｂ）は中層、（Ｃ）は裏層を示す。この羽毛布団
１は、同じ大きさの表地３、上中地５、下中地７、裏地
９の周囲Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄを縫い合わせた袋状に構成され
ている。この状態で厚さ方向に３つの層が形成される。
表地３と裏地９は綿や絹交等の材料で作製され、上下の
中地５、７はナイロンタフタや綿等の材料で作製され
る。各層は、さらに上下の布地をまちテープを介して縫
い合わせられており、複数の中袋を形成している。まち
テープはポリエステルメッシュ等の材料で作製される。

【０００８】表地３と上中地５は、この例では、布団長
さ方向に延びる３つの仕切り部Ｅ、Ｆ、Ｇ、及び、幅方
向に延びる４つの仕切り部Ｈ、Ｉ、Ｊ、Ｋで、各々まち
テープ（図３参照）を挟んで縫い付けられて、表層１１
を形成している。また、下中地７と裏地９は、この例で
は、布団長さ方向に延びる３つの仕切り部Ｅ´、Ｆ´、
Ｇ´、及び、幅方向に延びる４つの仕切り部Ｈ´、Ｉ
´、Ｊ´、Ｋ´で、各々まちテープ（図３参照）を挟ん
で縫い付けられて、裏層１３を形成している。両層１
１、１３の仕切り部は布団の長さ方向及び幅方向に同じ
間隔で配置されている。したがって、表層１１及び裏層
１３には、長さ方向に４列、幅方向に５列の計２０個の
同じ大きさの中袋が形成される。これらの中袋は、一例
で、幅が３７．５ｃｍ、長さが４２ｃｍ、まちテープの
高さは４ｃｍである。

【０００９】さらに、上中地５と下中地７は、長さ方向
に延びる２つの仕切り部Ｌ、Ｍでまちテープ１５、１７
を挟んで縫い付けられている。さらに、上中地５と下中
地７は、幅方向に延びる３つの仕切り部Ｎ、Ｏ、Ｐで、
各々まちテープ（図３参照）を挟んで縫い付けられてい
る。このような上中地５と下中地７の縫い付けにより中
層１９を形成している。これらの仕切り部は布団の長さ
方向及び幅方向に等間隔で配置されている。したがっ
て、中層１９には、長さ方向に３列、幅方向に４列の計
１２個の同じ大きさの中袋が形成される。これらの中袋
は、一例で、幅が５０ｃｍ、長さが５２．５ｃｍ、まち
テープの高さが３ｃｍである。このように中層１９の中
袋の大きさは、表層１１及び裏層１３の中袋の大きさと
異なる。

【００１０】図３は、図１の羽毛布団の布団幅方向の仕
切り部付近の構造を模式的に示す側面断面図である。こ
の図は、図１の最も右側の仕切り部付近を示す。この部
分で、表層１１の仕切り部Ｇと裏層１３の仕切り部Ｇ´
は、布団の厚さ方向に対してほぼ同じ位置にある。この
仕切り部Ｇ、Ｇ´では、表層１１及び裏層１３では上述
のように隅まで羽毛が充填され難い。しかし、この位置
に相当する中層１９は、羽毛が比較的十分に充填された
部分である。したがって、表層１１及び裏層１３で羽毛
の充填度合いが低い部分は、中層１９で補われている。
また、中層１９の仕切り部Ｍでは隅まで羽毛が充填され
ていないが、この仕切り部Ｍに相当する表層１１及び裏
層１３では羽毛が比較的十分に充填されている。

【００１１】このように、各層の羽毛の充填が不十分な
仕切り部を、他の層の羽毛充填部で補っているため、布
団全体に渡って、羽毛が充填されることとなる。

【００１２】各層の、布団幅方向及び長さ方向のまちテ
ープが交差する部分には、羽毛送り込みチューブ挿入孔
が形成されている。各層の中袋に羽毛を充填する際に
は、この挿入孔に羽毛送り込みチューブを差し込み、適
宜な量の羽毛を送り込む。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、中袋層、表袋層、及び、裏袋層の３層構造か
らなる羽毛布団において、表層及び裏層の仕切り部と中
層の仕切り部とを食い違わせたことにより、羽毛が充填
されにくい仕切り部を、布団の厚さ方向でずらすことが
できる。したがって、ある層の仕切り部で羽毛の充填不
良の部分が形成されても、その部分と厚さ方向に重なる
他の層では羽毛が比較的十分充填されている。このた
め、布団全体で厚さ方向に羽毛の足りない部分（谷間）
が形成されず、保温性をより向上させた羽毛布団を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る羽毛布団の構造を示
す部分断面斜視図である。

【図２】図１の羽毛布団の各層の横断面の形状を示す平
面図であり、（Ａ）は表層、（Ｂ）は中層、（Ｃ）は裏
層を示す。

【図３】図１の羽毛布団の布団幅方向の仕切り部付近の
構造を模式的に示す側面断面図である。

【符号の説明】

１ 羽毛布団 ３ 表地 ５ 上中地 ７ 下中地 ９ 裏地 １１ 表層 １３ 裏層 １５、１７ ま
ちテープ １９ 中層 Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ 周囲 Ｅ、Ｅ´、Ｆ、Ｆ´、Ｇ、Ｇ´、Ｈ、Ｉ、Ｊ、Ｋ、Ｌ、
Ｍ、Ｎ、Ｏ、Ｐ 仕切り部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表地と裏地の周囲を縫い合わせて袋状と
   し、該袋の内部をまちテープで複数の小袋に仕切り、各
   小袋に羽毛を充填した羽毛布団であって；内部が、中袋
   層、表袋層、及び、裏袋層の３層構造からなり、 該表袋層及び裏袋層の仕切り部と中袋層の仕切り部とが
   食い違っていることを特徴とする羽毛布団。