JP2002047246A - トリグリセリンモノエステルの製法 - Google Patents

トリグリセリンモノエステルの製法

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JP2002047246A
JP2002047246A JP2000232714A JP2000232714A JP2002047246A JP 2002047246 A JP2002047246 A JP 2002047246A JP 2000232714 A JP2000232714 A JP 2000232714A JP 2000232714 A JP2000232714 A JP 2000232714A JP 2002047246 A JP2002047246 A JP 2002047246A
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ketal
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triglycerin
compound
reaction
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Daiya Murata
大也 村田
Hiroshi Nagumo
博 南雲
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌作用を有し、乳化性、起泡性、洗浄性等
の性能も有するトリグリセリンモノエステルを工業的に
効率よく製造する方法の提供。 【解決手段】 一般式(1)で表される化合物を酸触媒
下、水蒸気と接触させることにより脱ケタール化又は脱
アセタール化を行う、一般式(2)で表されるトリグリ
セリンモノエステルの製法。 【化1】 (式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は
炭化水素基を示し、R1とR2が炭化水素を示す場合、R
1とR2とは結合して炭素環を形成していてもよい。R3
は炭化水素基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非イオン性界面活
性剤として有用なトリグリセリンモノエステルの製法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
らポリグリセリン脂肪酸エステルの製法として、グリセ
リンをアルカリ触媒下、高温で縮合させた反応物を蒸留
して得たポリグリセリンを、脂肪酸と反応させる方法が
知られているが、それらは、縮合度に分布をもつポリグ
リセリンであり、エステルもモノ、ジ、トリエステル等
が混合したものであった。そのために、目的のポリグリ
セリン脂肪酸エステルの有する乳化性、起泡性、洗浄性
などの性能を十分に発揮できていないものが多い。特
に、特開平8−502500号や特開平8−50682
2号に開示されているような、対称型のトリグリセリン
モノエステルは、数種の菌や細菌に活性があることが知
られているが、これを高純度に製造する方法として、特
許公報第2804081号に開示されている製法が挙げ
られる。同特許公報には、ポリグリセリンの水酸基の一
部をアセトンで保護したポリグリセリンのイソプロピリ
デン誘導体を用いて、反応基を保護されていないOH基
に反応基を限定し、ポリグリセリンエステルを製造する
方法が開示されている。
【0003】しかしながら、この公報記載の方法では、
脱保護工程で、過剰な水及び溶媒を用いるため、これら
を減圧留去する工程が必要であり、この工程では、仕込
量に対する収率が低くなり生産性が劣り、また泡立ちを
抑えながら脱水を行うのが困難であるという問題点があ
った。
【0004】本発明の課題は、抗菌作用を有し、かつグ
リフィンの経験式から得られるHLBが約8〜12であ
ることから乳化性、起泡性、洗浄性等の性能も有すると
考えられるトリグリセリンモノエステルを工業的に効率
よく製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
で表される化合物(以下化合物(1)という)を酸触媒
下、水蒸気と接触させることにより脱ケタール化又は脱
アセタール化を行う、一般式(2)で表されるトリグリ
セリンモノエステル(以下トリグリセリンモノエステル
(2)という)の製法である。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1及びR2は同一又は異なって、
水素原子又は炭化水素基を示し、R1とR2が炭化水素を
示す場合、R1とR2とは結合して炭素環を形成していて
もよい。R3は炭化水素基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】[化合物(1)]化合物(1)に
おいて、R1及びR2は前記の意味を示すが、炭化水素基
は、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜22のアルキル基もしく
はアルケニル基、あるいはアルキル基で置換されていて
もよい総炭素数6〜30のアリール基が好ましい。
【0009】また、R3で示される炭化水素基は、直鎖又
は分岐鎖の炭素数5〜21のアルキル基もしくはアルケニ
ル基が好ましい。
【0010】化合物(1)を得る方法は、特に限定され
ないが、一般式(3)で表されるグリセリンケタール又
はアセタール化物(以下グリセリンケタール又はアセタ
ール化物(3)という)とエピハロヒドリンを反応させ
て一般式(4)で表されるトリグリセリンケタール又は
アセタール化物(以下トリグリセリンケタール又はアセ
タール化物(4)という)を生成させ、さらに脂肪酸ア
ルキルエステルとエステル交換反応させる方法が、低温
反応で触媒が不要である点から好ましい。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1及びR2は前記の意味を有す
る。)グリセリンケタール又はアセタール化物(3)
は、グリセリンとケトン又はアルデヒドから、酸触媒の
存在下で、ケタール又はアセタール類を製造する周知の
方法により製造することができる。ここで用いられるケ
トン又はアルデヒドとして、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジ
エチルケトン等のケトン類、ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド
等のアルデヒド類が挙げられるが、回収や再利用の容易
さの点からメチルエチルケトンが好ましい。
【0013】グリセリンケタール又はアセタール化物
(3)とエピハロヒドリンとの反応は、従来公知の方法
で行えば良く、例えば、特開昭60−28944号公報
に記載の方法が挙げられる。エピハロヒドリンとして
は、エピクロルヒドリンが好ましい。この反応はアルカ
リ条件下で進行する。アルカリには、アルカリ金属やア
ルカリ土類金属の水酸化物等が好ましく用いられ、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。アルカ
リの仕込量は、生成するトリグリセリンケタール又はア
セタール化物(4)の理論モル数以上が必要である。
【0014】このようにして得られたトリグリセリンケ
タール又はアセタール化物(4)は、そのままあるいは
蒸留により不純物を除いたものを用いて、脂肪酸アルキ
ルエステルとエステル交換反応させる。
【0015】トリグリセリンケタール又はアセタール化
物(4)の蒸留は、保護基の構造により異なり、例え
ば、ケタール化にメチルエチルケトンを用いる場合、
1.33〜1333Paの減圧下で、100〜200℃
で行う。蒸留器は特に限定されるものではなく、通常用
いられる公知のものでよい。具体的には、薄膜蒸発器、
バッチ式蒸発器、連続式蒸発器等が挙げられる。
【0016】上記グリセリンケタール又はアセタール化
物(3)とエピハロヒドリンとの反応において、エピハ
ロヒドリンに対してグリセリンケタール又はアセタール
化物(3)を過剰で反応させると、蒸留を行わないで、
過剰のグリセリンケタール又はアセタール化物(3)の
除去工程のみで高純度なトリグリセリンケタール又はア
セタール化物(4)が得られるので好ましい。この時、
グリセリンケタール又はアセタール化物(3)はエピハ
ロヒドリンに対し、3〜10倍モル過剰が好ましく、ア
ルカリ量は、エピハロヒドリンに対し、1.2〜2倍モ
ル過剰が好ましい。
【0017】トリグリセリンケタール又はアセタール化
物(4)と脂肪酸アルキルエステルとのエステル交換反
応において、用いられる脂肪酸アルキルエステルとして
は、炭素数6〜22の脂肪酸のアルキル(アルキル基の
炭素数1〜4)エステルが好ましい。
【0018】エステル交換反応は、反応温度140〜2
20℃が好ましく、反応圧力は常圧、減圧、加圧のいず
れでも良い。また触媒として、アルカリ性化合物を用い
る。アルカリ性化合物としては、アルカリ金属又はアル
カリ土類金属の水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、アルコラ
ート又は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属石鹸等が
挙げられる。
【0019】エステル交換反応は、低級アルコールを除
去しながら、反応を進行させる。エステル交換反応終了
後は、触媒を中和し、過剰に仕込んだ原料及び未反応原
料を除去することが好ましい。原料の除去方法は、減圧
除去が好ましく、アルキル鎖長により減圧条件を適宜選
択すればよい。減圧除去のみで除去しきれないときは、
水蒸気をキャリアーとして減圧にて除去することが更に
好ましい。
【0020】[脱ケタール化又は脱アセタール化]化合
物(1)の脱ケタール化又は脱アセタール化は、酸触媒
存在下、水蒸気と接触させて加水分解することにより行
う。
【0021】化合物(1)の純度は特に限定されない
が、一般式(5)で表されるペンタグリセリンケタール
や一般式(6)で表されるペンタグリセリンケタールの
エステル化物を含んでいても良い。
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R1、R2及びR3は前記の意味を
有する。)ここで用いられる酸触媒として、塩酸、硫酸
等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸等の有機酸、あるいは固体酸触媒等が挙げられる
が、80℃以上の高温で脱ケタール化又はアセタール化
を行う場合などは、エステル交換反応を抑制できるとい
う点で、固体酸触媒を用いるのが好ましい。ここで用い
られる固体酸触媒は、特に限定されるものではなく、固
体表面に酸点を有する化合物であれば良い。固体酸触媒
の代表的なものとして、触媒講座(触媒学会編)に記載
されているような、SiO2・Al2O3 、SiO2・MgO 、SiO2
ZrO2、Al2O3 ・B2O3、Al2O3 、各種ゼオライト、各種ヘ
テロポリ酸、各種リン酸塩、各種硫酸塩、H3PO4/ケイソ
ウ土(固体リン酸)、陽イオン交換樹脂;(超強酸)、酸
化物担持SbF5、SO4 2-/ZrO2 等が挙げられるが、入手が
容易で、工業的に使用する際に好ましいものとして、酸
性白土(ガレオンアースシリーズ、水澤化学(株)
製)、シリカアルミナ(ミズカエースシリーズ、水澤化
学(株)製)、微粉末ケイ酸(シルトンシリーズ、水澤
化学(株)製)、合成酸処理ゼオライト(HSZ−64
0HOA、東ソー(株)製)が挙げられる。
【0024】本発明の水蒸気を用いた加水分解の好まし
い方法は、化合物(1)に対して、有機酸触媒を0.0
001〜0.5重量%(固体酸触媒を用いた場合、0.
01〜10.0重量%)、好ましくは0.005〜0.
2重量%(固体酸触媒を用いた場合、0.5〜5.0重
量%)加え、10〜150℃、好ましくは50〜120
℃の反応温度で、常圧、又は0.13〜66.66kP
a、好ましくは1.33〜13.33kPaの減圧下、
水蒸気を吹き込みながら行い、加水分解により発生する
ケトン又はアルデヒドを同時に系外に留去する方法であ
る。1時間あたりの水蒸気の吹込量は化合物(1)10
0重量部に対して0.1〜100重量部が好ましく、
0.2〜20重量部がより好ましく、1〜10重量部が
更に好ましい。また反応終了までのトータルの水蒸気吹
込量は、化合物(1)100重量部に対して1〜100
重量部が好ましく、2〜60重量部がより好ましく、5
〜40重量部が更に好ましい。
【0025】本発明において、脱ケタール又はアセター
ル化させる化合物(1)内に、上記触媒を被毒するよう
な物質が含まれているときは、これを除去することも可
能である。その例として、吸着剤による吸着や水洗など
の方法がある。
【0026】触媒として固体酸触媒を用いた場合、又は
触媒中和後反応物に不溶な塩が生じる場合、固体酸触媒
除去あるいは生成塩の除去は、反応終了後濾過により行
うことができる。
【0027】
【実施例】実施例1−1 (a)エーテル化反応 フラスコに、式(3−1)で表されるグリセリンメチル
エチルケトンケタール(以下グリセリンケタール(3−
1)という)2931.2g、エピクロルヒドリン55
5.1gを仕込んだ後、反応液を40℃まで加熱し、4
8%NaOH水溶液を反応液に1.5時間かけて加え
て、40〜60℃で15.5時間エーテル化反応を行っ
た。
【0028】
【化6】
【0029】得られた反応液に水985gを加えて水洗
し、水相を除去した。更に、残った油相に水670g、
塩化ナトリウム134gを加え、塩酸で中和した後、水
相を除去した。系内の過剰に加えたグリセリンケタール
(3−1)を減圧にて除去して、これを濾過し、式(4
−1)で表される粗トリグリセリンケタール(以下トリ
グリセリンケタール(4−1)という)を得た。ガスク
ロマトグラフィー(GC)純度78%。この反応終了品
には、副反応物として、ペンタグリセリンケタールが1
3.3%、また、除去仕切れなかったグリセリンケター
ル(3−1)が1.0%含まれていた。さらに、薄膜蒸
発器にて蒸留を行い、高純度トリグリセリンケタール
(4−1)を1330.5g得た。GC純度92%。
【0030】
【化7】
【0031】(b)エステル交換反応 フラスコに、(a)で得られた高純度トリグリセリンケ
タール(4−1)400.7g、ラウリン酸メチル(特
級、和光純薬(株)製)493.5g、24%ナトリウ
ムメチラート18.0g(仕込原料に対して2%)を仕
込んだ後、反応液を常圧180℃まで加熱し、系内のメ
タノールを除去しながら、5時間反応を行った。次に、
80℃まで冷却し、キョーワード600S(協和化学工
業(株)製)を21.6g加え、1時間80℃で攪拌し
た後に濾過を行い、式(1)においてR1=CH3、R2
=C25、R3=C1123である粗トリグリセリンケタ
ールC12エステルを得た。さらに、過剰に加えたラウリ
ン酸メチルを薄膜蒸発器にて除去し、高純度なトリグリ
セリンケタールC12エステル482.4gを得た。GC
純度94%。
【0032】(c)脱ケタール化反応 (b)で得られた高純度トリグリセリンケタールC12
ステル420.7gに酸性白土(ガレオンアースNV、
水澤化学(株)製、仕込原料に対して5%)21.0g
を仕込み、100℃、6.67kPaにおいて、1時間
あたり該トリグリセリンケタールC12エステルに対して
3〜4%の水蒸気を反応系内に導入し、生成するメチル
エチルケトンと過剰な水蒸気を除去しながら脱ケタール
化反応を7.5時間行った。引き続き、この反応液にキ
ョーワード600S(協和化学工業(株)製、酸性白土
と同量)21.0gを仕込み、100℃、常圧、0.2
5時間攪拌後、100℃、4.0kPaで0.25時間
脱水を行い、濾過により触媒及び吸着剤を除去し、一般
式(2)においてR3=C1123であるトリグリセリン
12モノエステル250.5gを得た。酸価0.1(計
算値0)、ケン化価131(計算値133)、水酸基価
523(計算値531)。トリグリセリンC 12モノエス
テルの純度は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー
(カラム:TSKgelG2000HXL、検出器:R
I、溶離液:THF)により分析した結果、94%(以
下GPC面積%と略記する)であった。色相G2。脱ケ
タール化において、原料仕込重量に対する目的物の収量
を収率とすると、収率は57%であった。
【0033】実施例1−2 (b)エステル交換反応 実施例1−1の(a)で得られた高純度トリグリセリン
ケタール(4−1)383.3gとn−カプリル酸メチ
ル(特級、和光純薬(株)製)348.1gを用いて、
実施例1−1の(b)と同様の方法で、一般式(1)に
おいてR1=CH3、R2=C25、R3=C715である
高純度なトリグリセリンケタールC8エステル407.
9gを得た。GC純度93%。
【0034】(c)脱ケタール化反応 実施例1−2の(b)で得られた高純度トリグリセリン
ケタールC8エステル358.5gを用いて、反応温度
を80℃とすること以外は、実施例1−1(c)と同様
の方法で、一般式(2)においてR3=C715で表され
るトリグリセリンC8モノエステル236.4gを得
た。酸価0.1(計算値0)、ケン化価150(計算値
153)、水酸基価596(計算値612)。トリグリ
セリンC8モノエステルの純度は94%(GPC面積
%)であった。色相G2。脱ケタール化において、仕込
量に対する収率は63%であった。
【0035】実施例1−3 (b)エステル交換反応 実施例1−1の(a)で得られた高純度トリグリセリン
ケタール(4−1)348.4gとミリスチン酸メチル
(特級、和光純薬(株)製)484.8gを用いて、実
施例1−1の(b)と同様の方法で、一般式(1)にお
いてR1=CH3、R2=C25、R3=C1327である高
純度なトリグリセリンケタールC14エステル364.7
gを得た。GC純度91%。
【0036】(c)脱ケタール化反応 実施例1−3の(b)で得られた高純度トリグリセリン
ケタールC14エステル322.7gを用いて、実施例1
−1(c)と同様の方法で、一般式(2)においてR3
=C1327で表されるトリグリセリンC14モノエステル
196.5gを得た。酸価0.17(計算値0)、ケン
化価122.6(計算値125)、水酸基価490.1
(計算値498)。トリグリセリンC14モノエステルの
純度は91%(GPC面積%)であった。色相G2〜
3。脱ケタール化において、仕込量に対する収率は58
%であった。
【0037】実施例2 (a)エーテル化反応 フラスコに、グリセリンケタール(3−1)1052.
6g、エピクロルヒドリン111.0gを仕込んだ後、
反応液を40℃まで加熱し、48%NaOH水溶液を反
応液に1.5時間かけて加えて、40〜60℃で9時間
エーテル化反応を行った。得られた反応液に水670g
を加えて水洗し、水相を除去した。同様に、残った油相
に水670g、塩化ナトリウム67〜134gにより3
回水洗した。その後、残った油相に水670g、塩化ナ
トリウム134gを加え、塩酸で中和した後、水相を除
去した。系内の過剰に加えたグリセリンケタール(3−
1)を減圧にて除去し、これを濾過してトリグリセリン
ケタール(4−1)365.1gを得た。GC純度8
7.3%。この反応終了品には、副反応物として、ペン
タグリセリンケタールが6.7%、また、除去仕切れな
かったグリセリンケタール(3−1)が3.8%含まれ
ていた。
【0038】(b)エステル交換反応 フラスコに、(a)で得られたトリグリセリンケタール
(4−1)348.4g、ラウリン酸メチル(特級、和
光純薬(株)製)429.1g、24%ナトリウムメチ
ラート15.6g(仕込原料に対して2%)を仕込んだ
後、実施例1−1の(b)と同様の方法で式(1)にお
いてR1=CH3、R2=C25、R3=C 1123である粗
トリグリセリンケタールC12エステルを得た。さらに、
過剰に加えた原料及び未反応原料を、水蒸気を反応系内
に導入しながら減圧にて除去し、さらに、高純度なトリ
グリセリンケタールC12エステルを419.4g得た。
GC純度81.9%。
【0039】(c)脱ケタール化反応 (b)で得られた高純度トリグリセリンケタールC12
ステル400gを用いて、実施例1−1の(c)と同様
の方法で、トリグリセリンC12モノエステル242.2
gを得た。酸価0.1(計算値0)、ケン化価140
(計算値133)、水酸基価532(計算値531)。
トリグリセリンC12モノエステルの純度は82%(GP
C面積%)であった。色相G4。脱ケタール化におい
て、仕込量に対する収率は58%であった。
【0040】比較例1 (c)脱ケタール化反応 実施例1−1の(b)で得られた高純度トリグリセリン
ケタールC12エステル50.0gに、エタノール15
0.0g、水87.5g、5%硫酸水溶液1.0gを加
えて、60℃で26時間攪拌後、水酸化カルシウムによ
る中和を行い、さらにエバポレーターにより脱水、脱溶
媒を行い、一般式(2)においてR3=C1 123である
トリグリセリンC12モノエステル37.4gを得た。酸
価0.1(計算値0)、ケン化価132(計算値13
3)、水酸基価525(計算値531)。トリグリセリ
ンC12モノエステルの純度は92%(GPC面積%)で
あった。色相G2。脱ケタール化において、仕込重量に
対する収率は13%であった。
【0041】比較例2 特許公報第2804081号の製造例1.2では、式
(1)において、R1=R2=CH3、R3=C1835であ
る、ジイソプロピリデントリグリセリン・モノオレエー
ト2.5kgに対して、水250mLとn−ブタノール
2.0Lを用いて、脱ケタール化を行っている。この公
報において、収量の記載はないが、理論上では目的物で
あるトリグリセリンモノオレエートは2.16kg得ら
れる。ここから換算すると、脱ケタール化反応での仕込
みに対する理論収率は49%であった。
【0042】試験例 実施例1−1〜1−3で得られたトリグリセリンC12
8、C14モノエステル及び比較対照として、市販のト
リグリセリンC12、C14モノエステル(サンソフトA−
121C、A−141C、太陽化学(株)製)の1%水
溶液の外観を比較し、また起泡性を下記方法により評価
した。結果を表1に示す。
【0043】<起泡性評価法>各活性剤の1%水溶液を
250mLメスシリンダーに20mL入れて密閉した
後、メスシリンダーを同一条件(20秒間に30回)で
振とうし、直後の泡の体積を測定する(泡体積=振とう
後の体積−振とう前の体積)。
【0044】
【表1】
【0045】表1より本発明により得られた高純度のト
リグリセリンモノエステルは、水溶性に優れ、起泡性を
持ち、洗浄性をはじめとする界面活性を有することは明
らかである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される化合物を酸触媒
    下、水蒸気と接触させることにより脱ケタール化又は脱
    アセタール化を行う、一般式(2)で表されるトリグリ
    セリンモノエステルの製法。 【化1】 (式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は
    炭化水素基を示し、R1とR2が炭化水素を示す場合、R
    1とR2とは結合して炭素環を形成していてもよい。R3
    は炭化水素基を示す。)
  2. 【請求項2】 酸触媒が固体酸触媒である請求項1記載
    の製法。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される化合物が、一般
    式(3)で表されるグリセリンケタール又はアセタール
    化物とエピハロヒドリンを反応させて一般式(4)で表
    されるトリグリセリンケタール又はアセタール化物を生
    成させ、さらに脂肪酸アルキルエステルとエステル交換
    反応させることにより得られる化合物である請求項1又
    は2記載の製法。 【化2】 (式中、R1及びR2は前記の意味を有する。)
  4. 【請求項4】 一般式(3)で表されるグリセリンケタ
    ール又はアセタール化物が、グリセリンにメチルエチル
    ケトンを反応させて得られる化合物である請求項3記載
    の製法。
  5. 【請求項5】 エステル交換反応終了後、触媒中和し、
    水蒸気を用いて減圧にて未反応原料を除去する請求項3
    記載の製法。
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