JP2002044959A - インバータ装置用位相同期方法 - Google Patents

インバータ装置用位相同期方法

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JP2002044959A JP2000226367A JP2000226367A JP2002044959A JP 2002044959 A JP2002044959 A JP 2002044959A JP 2000226367 A JP2000226367 A JP 2000226367A JP 2000226367 A JP2000226367 A JP 2000226367A JP 2002044959 A JP2002044959 A JP 2002044959A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無停電電源装置など商用電源に位相同期した出
力をする装置では商用電源に生じる瞬時停電、位相跳躍
などで生じる位相の急変に対して滑らかに追従する必要
がある。従来の方法は商用電源のゼロクロス近辺にのっ
たノイズにきわめて弱い。これは商用電源波形を方形波
信号に変換する過程があり、ここで商用電源波形信号が
ゼロ電圧を横切る点から次の横切る点までを商用電源波
形の周期ととらえ、これをもとに方形波信号を生成する
ためである。 【解決手段】本発明ではゼロクロスの代わりに商用電源
電圧値のサンプリング値を使用する。電圧値のサンプリ
ングは任意に行えるので一周期に数十回から数百回のサ
ンプリング頻度に増加させることができる。これによ
り、検出速度を上げ、もって精度の向上をもたらす作用
がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無停電電源装置など
商用電源に位相同期した出力をする装置の、インバータ
の位相、周波数を商用電源に同期させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】位相同期の方法は一般にPLLと呼ばれ、
通称「4046」と呼ばれる専用のICが複数の半導体メ
ーカーより供給されている。たとえば「MOTOROLA社 ハ
イスピードCMOSデータブック 1991年12月20日 第5版第1
刷 P783-P795」に記載されている「74HC4046
A」のようなものがある。これらの特長はまず対象とす
る信号の波形が方形波を基本であることである。次に任
意の逓倍周波数を発生させることができる。いったん位
相同期すると強力に追尾するが、位相同期までの過程は
多様であり、急変に対する応答は制御されていない。こ
れらは通信分野やテレビ受像器の同期回路や半導体用発
振回路のクロックなどには適している。しかしながら、
電力変換用のインバータ機器や無停電電源装置のインバ
ータ等では急変に対する応答過程が重要になる。 この
ようなインバータの同期方法としては例えば特開平7−
58634号公報や特開平4−346449号公報など
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの装置では、商
用電源電圧波形と強い位相同期状態が望まれるが、反
面、商用電源に生じる瞬時停電、位相跳躍などで生じる
位相の急変に対して滑らかに追従する必要がある。系統
連系やコンバータなどでは、位相の急変時には停止させ
るという手段もあるが、無停電電源装置の出力などでは
それは許されない。
【0004】従来の方法では商用電源波形を方形波信号
に変換する過程があり、ここで商用電源波形信号がゼロ
電圧を横切る点から次の横切る点までを商用電源波形の
周期ととらえ、これをもとに方形波信号を生成するため
商用電源のゼロクロス近辺にのったノイズにきわめて弱
い。
【0005】図1は ゼロクロス近辺にノイズがのり、
不要なゼロクロス点が発生し、誤動作する例である。商
用電源波形 11 に ノイズ 15 が重畳すると、商用
電源電圧ゼロクロス信号 12 に 不要なゼロクロス 1
6 が発生し本来の基本波周期 f0に相違する 見かけの
周期 f1を検出し間違った周波数を見出したり、商用電
源電圧ゼロクロス信号 12 と 内部波形ゼロクロス信
号 13 との 比較によって得られる 位相差信号 14
に あやまった位相差 17 を検出し不要な周波数追
従、位相追従動作が生じる。
【0006】また、位相同期をソフトウェアで実現しよ
うとするとき、現状のマイクロプロセッサでは諸処の操
作を含め一回の制御に200マイクロ秒程度の処理時間が
かかるのが普通である。すなわち200マイクロ秒程度の
サンプリング間隔および制御間隔でしか位相の調整がで
きない。これは50Hzでの3.6°に相当しこの種の位相
同期にもとめられる精度は通常1°以下であり、これに
満たない。滑らかな周波数追従を考えるとさらに10倍
程度の分解能が必要である。
【0007】このように商用電源に位相同期するインバ
ータにもとめられる位相同期方法はソフトのサンプリン
グおよび動作周期で処理が可能でありかつ高精度で早い
位相引き込み力をもちながら、ノイズに強く、商用周波
数近辺のみに強く周波数同期し急変しない位相同期方法
である。本発明はこのような位相同期方法及び装置を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】有効なゼロクロスは、一
周期に一回しか生じないため、そのサンプリングの頻度
は高くできない。このため位相差の検出速度が低くな
る。また、ノイズによる誤検出が生じる場合に、ノイズ
の大きさと位相情報であるゼロクロスの時間間隔の大き
さとは必ずしも比例せず、小さなノイズでも大きな誤差
を生じる場合がある。例えば、図2において、商用電源
波形 11 に ノイズ波形 21 を重畳すると ノイズに
よるゼロクロス信号 22 が生じる。 これと 内部波形
ゼロクロス信号 13 とを比較すると A 幅の差が生じ
ているため 位相差信号 14に あやまった位相差 25
を検出する。一方、21 より 小さな ノイズ波形23
を重畳すると ノイズ 24 によるゼロクロス信号 が
生じる。位相差信号14 と比較すると、A よりはるか
に幅の広いB幅の差が検出される。 これにより、より
大きな あやまった位相差 26 を得ることになる。
【0009】本発明ではゼロクロスの代わりに商用電源
電圧値のサンプリング値を使用する。電圧値のサンプリ
ングは任意に行えるので一周期に数十回から数百回のサ
ンプリング頻度に増加させることができる。これによ
り、検出速度を上げることが可能となり、精度の向上を
もたらす作用がある。 図3 は従来のゼロクロス用いた
周波数位相追従と本発明の周波数位相追従を比較したも
のである。商用電源波形 31 にたいして ゼロクロス
をサンプリングして位相追従をするのが ゼロクロス追
従 32 の場合で、変化の検出において原理的にかなら
ず一周期以上の遅れが生じる。このため追従相手の変化
特性が既知か周期に対して十分遅くないと追従し難い。
電圧波形による追従 32 は本発明における位相追従
で、一周期内に多数のサンプリング点をもつため、一周
期内での追従が可能となる。
【0010】また、検出量をゼロクロスのような現象の
有無ではなく位相差に比例した内部基準波との外積とす
ることで量的にとらえ積分的に処理する。電圧波形より
位相差、周波数差を算出するのでやはり電圧であるノイ
ズの大小に誤差量の大小も比例する。つまり、ノイズを
低減すると誤差量もそれに比して減少するのでノイズフ
ィルタやローパスフィルタ、積分や平均化などのソフト
的ノイズ低減手法が有効に働く。
【0011】また、位相差または周波数差検出値の積分
を一周期の倍数を積分区間とすることで、高調波成分を
除去し基本波成分との位相差を選択的に検出する作用を
もつ。図4 は基本波と高調波を合成したものに内部基
本波を乗じることで、高調波が除去できる様を示したも
のである。基本正弦波 41 は ωの 角速度をもち、4
0の波高値をもつ余弦波である。9次の高調波 42 は
基本正弦波の9倍の周波数をもち波高が10の大きさ
をもつ正弦波である。 41と42を合成することによ
り 高調波を含んだ波形 43 が得られる。高調波を含
んだ波形 43に 基本波に同期した正弦波 45 を 乗
算し積分すると、基本正弦波 41 の成分は 基本波成
分 46 のように 正の値となり 9次の高調波 42 の
成分は高調波成分 47 のように 正負の値が均等に生
じて相殺される。
【0012】また、周波数の同一化部分と、位相の同期
を分離し、位相差による周波数への影響を限定すること
で、周波数差が小さく、位相差が大きい状態で不要な周
波数急変を避ける作用をもつ。図5において 電圧波形
51 に位相の急変があった時 従来方式追従波形 52
は従来の位相差をもとに位相同期する場合の動作例で、
周波数に変動が無い場合でも位相差が大きければ、大き
な周波数差があるかのように急劇な周波数変動を引き起
こす。追従波形 53 は本発明の場合で、位相差変動の
場合での周波数の変動を小さく押さえることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図6は本発明の実施回路であ
る。 インバータ部 61の出力する電圧を リアクト
ル 62をはさんで 商用電源63と接続する。このた
めこの二つの電圧源は、ともに周波数と位相が一致し、
安定していなくてはならない。 電圧検出部 64によ
ってMPU (マイクロプロセッサ )の 65 ADコンバ
ータに 一方の電圧源である63 商用電源 の電圧波形
が取り込まれ 66る。 さらに MPU 66により も
う一方の電圧源である インバータ部 61の出力電圧を
決定する信号 であるゲート信号 68 を出力ポート 6
7に出力する。
【0014】請求項1、請求項2、請求項3を備えた三
相交流の位相同期方法を説明する。 三相交流をαβ平
面に写像すると二次元の回転運動としてとらえることが
出来便利である。αβ平面とは三相交流を三次元の位相
空間上にプロットした時にその軌跡がのる平面である。
図7は三相交流電圧を三次元の位相空間上の原点からの
ベクトルとした時、その軌跡が上記αβ平面に円を描く
様子を表したものである。三相交流電圧 U,V,Wは
一般に U+V+W=0が成り立つ、ゆえに位相空間上
では ベクトルの内積 (U,V,W)*(1,1,1)
=0がなり立ち、かつ |(U,V,W)|=0 のとき
U=V=W=0 なので、三相交流電圧は位相空間上で
ベクトル(1,1,1)に直交し原点を通る平面上であ
ることがわかる。
【0015】図8 711は αβ平面上の三相交流電圧
の軌跡である。三相交流電圧をある時刻の列でサンプリ
ングした点を t1,t2,t3,t4,t5・・・ と
する。各点は平面への写像変換(αβ変換)にて平面座
標(x,y)を得ている。このとき、ある時刻のサンプ
リング位置 712 t3 と その後の時刻のサンプリン
グ位置 713 t4 との なす角ωをサンプリングの間
隔時間で割ったものは角速度にほかならない。
【0016】図9 はサンプリング点t2とt3とをベ
クトルにみた図である。 721 t3をベクトルA 7
22 t4 をベクトルBそのなす角をωΔtとする。こ
のときベクトルAとベクトルBの外積は次式のようにな
る。
【数1】 サンプリング間隔 Δtを小さくしてゆくと、sin ω
Δtも小さくなり次の式が成り立つ。
【数2】 またベクトルAとベクトルAの内積は次の式になる。
【数3】 式(1),(2),(3)により周波数fは次の式で表される。
【数4】 式(4)を用いればサンプリング毎に周波数を計測で
き、一周期の間に何度も周波数を図ることが可能であ
る。実際には後述するようにさらに式を変形し割り算を
使用しないようにしさらに使用しやすくすることができ
る。
【0017】図10 は αβ平面上に 711 三相電
圧波形の軌跡と731 内部基準三相電圧波形の軌跡の
二つを表したもので、ある時刻の列でサンプリングした
点をそれぞれ t1,t2,t3,t4,・・・, n
1,n2,n3,n4,・・・とする。 t1とn1は
同時刻にサンプリングされた点である。この時刻におけ
るふたつの点の位相差はθになる。図11 は点t1、
点n1をベクトル表示したものでそれぞれC、Dとす
る。CとDとの外積は次の式のようになる。
【数5】 ここでベクトルDの属する731の三相交流電圧波形を
制御上で使用する仮想の基準電圧波形とし、その大きさ
や角速度が自由に設定できるものとする。θが小さい
時、次の式が成り立つ。
【数6】 式(6)により位相差θをサンプリング毎に知ることが
できる。後述するようにふたつの波形を位相同期させる
のには周波数を同じにし、位相差θを0にすればよいの
であってθやωを求める必要はないのでさらに式を簡略
化することができる。
【0018】図12 は周波数同一化の工程のブロック
図である。ACV 商用電源電電圧 71 を xyz/αβ
変換部 72 でαβ平面に変換する。この写像により商
用電源電圧は αβ平面上のベクトル R(ωt)であら
わされる。 波高値、周波数を任意に変化させることの
できる内部基準波をαβ平面上のベクトル U(φt)
とする。φをωに近づけφ→ωとしベクトル R(ω
t)とベクトル U(φt)との周波数を同じにするた
めには以下のような手順をふむ。電圧のサンプリングの
順番をnとしその間隔をΔtとする。 ベクトルR(ω
t)のnでのサンプリング値を Rnと表記する、Rn-1
を 一回前つまりΔt前のサンプリング値とした時、Rn
-1は R(ωt−Δtω)73 となり 外積 75 を と
ると(7)式を得る。
【数7】 一方 R(ωt)74 の 内積 76 をとり、内部基準
正弦波の角速度 φ 702 とサンプリング間隔 Δt
703 とを 704 で乗じたΔtφを 77 で乗算し
次の式を得る。
【数8】 (7)式は商用電源電圧のサンプリング値 の連続した
二回分の外積をとったものである。この式は前述した周
波数を求める過程の途中の式で(1)式 (2)式によ
り求められる。(8)式は大きさ|R|のベクトルが角速
度φで回っている場合に計算される外積の値である。次
がなりたつ。
【数9】 (9)式の条件式は処理の間隔により扱える周波数に限り
があることを示しており、 の両辺をΔtωで割ることにより 式(10)のように変
形でき
【数10】 一周期あたりのサンプリング数により追従周波数に限界
があることを示している。しかし、一周期あたりのサン
プリング数が200もあれば、φがωの約100倍の角
速度のときまで(9)式が成り立ち十二分な実用性を備え
ている。任意に設定できる角速度φをωのサンプリング
数/2 倍より十分小さく設定しておけば、以下に導く
ようにφをωに収束させることができる。
【0019】図13をもちいて説明する。x−y座標上
に半径|R|の円を考える。この円周上にx軸より角度
Δtωをなす点Fをとる。 つぎにx軸とに角度Δtφ
をなす点Aをとる。 線分O~FとO~Aのなす角度を ε と
おくと、このεをゼロとし、点FとAを一致させられれ
ばよい。 三角形 △OFE と三角形 △OABに注目
する。次の関係が成り立つ。
【数11】 図13より、線分lは、円弧rよりやや短いことがわか
る。
【数12】 式(12)の関係が成り立つ。これより、線分lの長さ
があたえられたとき、lの長さをもつ円弧l’を考え、
そのなす角度をε’としたとき図9のようになり次の関
係が成り立つ。
【数13】 図14 に示すようにΔtφよりε’を減ずることによ
り点Fよりも点Aに近づいた点F’を得ることができ
る。この操作を繰り返すことにより φ→ωが可能であ
る。 この|R|を|R||R|に置き換えると式
(14)となる。 1/|R||R|の項は収束する範
囲内であれば任意の数値を取れるので、計算に適した数
値 たとえば 1/1024や1/65536などのマイ
クロプロセッサに適した値を選ぶことができる。すくな
くとも0以上1/|R||R|以下であれば前述した通
り収束する。
【数14】
【0020】図15 は位相合わせの部分のブロック図
である。ACV 商用電源電電圧 81 を xyz/αβ変換
部 82 でαβ平面に変換する。商用電圧のベクトル
を R(ωt)83とし 任意の角速度と大きさを設定で
きる内部基準正弦波のベクトル U(φt - Ψ)84と
する。 なお、Ψは R(ωt)とU(φt - Ψ)との
位相差である。R(ωt)83 と U(φt - Ψ)8
4 とで 外積 85 をとると次式が得られる
【数15】 (15)式の|U|=1とし、ω=φとおくと 式(16)
となる。
【数16】 式(16)を図に表すと図16になる。図16 の円弧
rと線分lの関係はΨ≠0のとき次式の関係になる。
【数17】 式(15)と式(16)とより次の式を得る。
【数18】 式(18)は式(15)よりもとめた外積を適当な数値
で割ったものを減ずれば位相差が小さくなることを示し
ている。すなわち図15の86で|R||U|より大き
な数で除し88の減算にて角速度の変更可能な回転ベク
トルである内部基準波Uを通じてフィードバックする。
87がΔtΦとなっているのはUが位相の跳躍をおこさ
ず連続的に変化するようにするためである。この操作に
よりΨは0に収束する。
【0021】商用電源が単相の場合など、ベクトル平面
で処理できない場合に用いる方法を以下に述べる(請求
項4)。図17はこの実施の形態を示すブロック図であ
り、商用電源電圧 91 より 周波数検出 92 にて 下
に説明する方法で φ の内部基準正弦波の角速度 94
を得る。 このφより内部基準正弦波と第二の内部基準
正弦波 U 95 を生成する。R (t)93 は 商用電
源電圧 91 をサンプリングした値で、ωの角速度、R
の大きさをもち内部基準正弦波より ξの位相差をもっ
ているとする。 周波数同一化部は、例えば、ゼロクロ
スを欠点を補うために数十から数百サイクル分の平均値
をとった周期を用いる。96 は 乗算であり、97は
0から2πまでの区間積分を表す。この一周期分の区間
積分をΔtφにフィードバックすることで、R(ωt)
とU(φt)が位相同期する。
【0022】位相同期する手段をさらに詳細に説明す
る。次の式は関数x(t)の角速度ψにおけるフーリエ
変換の定義式である。
【数19】 これをベクトル図で表現すると、図18のようになる。
式(19)の余弦項がcos(ψ)と同相の成分を表し
ており、正弦項がcos(ψ)と直交する成分を表して
いる。任意の角速度を設定できる内部の基準波形U(φ
+ξ)を次の式で定義する。
【数20】 R(ωt)とU(φt+ξ)との式(21)を考える。
【数21】 式(21)と式(19)を比べると式(21)の余弦項
はR(ωt)と U(φt+ξ)との同相成分を表し、正
弦項はR(ωt)と U(φt+ξ)との直交成分を表し
ていることがわかる。式(19)でもとめたX(ψ)が
実軸となす角度ξは位相差そのもので、
【数22】 式(22)でξを求められる。同様にR(ωt)と U
(φt+ξ)のなす位相差は次式で求められる。
【数23】
【0023】式(23)でa項は有限であるので位相差
ξが0になるのはb項が0になる時である。実際の計算
では、一周期あたりのサンプリング数をmとしたときb
項は次式で近似される。
【数24】 bとξとの関係をグラフ化すると図19のようになる。
次の関係式が成り立つ。
【数25】 (25)式より次式が得られ
【数26】 (26)式に、(24)式で求めた b により ξを0
に収束させることができることがわかる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による位相
同期方法によれば位相差による不要な周波数変動を防ぐ
ことができる。また従来1サイクル一回であったサンプ
リングを任意の数にまで増やすことができ、サンプリン
グ頻度が上がることで検出速度があがり、またサンプル
一回当たりの影響力が減り効果が平均化することにより
一過性のノイズの影響が減り、位相、周波数が同期する
精度と耐ノイズ性が向上する。また単相のインバータま
たはコンバータにおいては、1サイクルまたはその倍数
を積分区間をすることで、本発明の積分的方法を用いる
ことができ、サンプリング数を増やす効果を得、精度と
耐ノイズ性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のゼロクロスを用いる方法におけるノイズ
の影響を表している。
【図2】従来のゼロクロスを用いる方法におけるノイズ
の影響を表している。
【図3】従来のゼロクロスを用いる方法では周波数追従
において位相差を生じるが本発明における追従方法では
周波数追従において位相差を生じないことを説明した図
である。
【図4】本発明の位相同期方法において、高調波の成分
が除去され影響がなくなることを説明した図である。
【図5】従来のゼロクロスを用いる方法と本発明におけ
る追従方法とでの位相変動における周波数変化の比較を
した図である。
【図6】本発明の実施例となる回路を表した図である。
【図7】三相交流電圧をベクトルとしたとき平面に円を
描く様子を表した図である。
【図8】平面上での三相交流のベクトルの軌跡を表した
図である。
【図9】サンプリング点12と13をベクトルで表した
図である。
【図10】三相電圧波形の軌跡と内部基準三相波形の二
つの軌跡を表した図である。。
【図11】異なるふたつの三相交流ベクトルが平面上で
なす角度を表した図である。
【図12】本発明の周波数同一化部を説明したブロック
図である。
【図13】本発明の周波数同一化部を説明した図である
【図14】本発明の周波数同一化部を説明した図である
【図15】本発明の位相合わせ部を説明したブロック図
である。。
【図16】本発明の位相合わせ部を説明した図である。
【図17】本発明の単相波形の位相合わせ部を説明した
ブロック図である。
【図18】本発明の単相波形の位相合わせ部を説明した
図である。
【図19】本発明の単相波形の位相合わせ部を説明した
図である。
【符号の説明】
11 商用電源波形 15 ノイズ 12 商用電源電圧ゼロクロス信号 16 不要なゼロクロス 13 内部波形ゼロクロス信号 14 位相差信号 17 あやまった位相差 21 ノイズ波形 22 ノイズによるゼロクロス信号 25 あやまった位相差 23 ノイズ波形が重畳 24 ノイズによるゼロクロス信号 26 あやまった位相差 31 商用電源波形 32 ゼロクロス追従 41 基本正弦波 42 9次の高調波 43 高調波を含んだ波形 45 基本波に同期した正弦波 46 基本波成分 47 高調波成分 51 電圧波形 52 従来方式追従波形 53 追従波形 61 インバータ部 62 リアクトル 63 商用電源 64 電圧検出 66 MPU 65 ADコンバータ 67 出力ポート 68 ゲート信号 71 ACV 商用電源電電圧 72 xyz/αβ 部 74 R(ωt) 73 R(ωt−Δtω) 75 外積 76 内積 81 ACV 商用電源電電圧 82 xyz/αβ 部 83 R(ωt) 84 U(φt - Ψ) 85 外積 91 商用電源電圧 92 周波数検出 94 φ の内部基準正弦波 93 商用電源電圧 をサンプリングした値 95 第二の内部基準正弦波 97 0から2πまでの区間積分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用系統等に位相同期するインバータ装
    置において、周波数合わせと、位相合わせを別々に行う
    ことを特徴とするインバータ装置用位相同期方法。
  2. 【請求項2】 前記位相同期方法において、周波数同期
    部分が、サンプリングした商用系統電圧のベクトルとそ
    の前のサンプリングによる商用系統電圧のベクトルを保
    持したものとの外積結果と、内部基準波のベクトルに前
    記サンプリングした商用系統電圧のベクトルを内積で二
    乗した値に前のサンプリングと今回のサンプリングまで
    の内部基準波のベクトルの進行角度を乗じた値との差積
    分し内部基準波のベクトルの角速度とすることで内部基
    準ベクトルの回転周波数を商用系統の周波数に同一させ
    ることを特徴とするインバータ装置用位相同期方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の位相同期方法を用いる三相出
    力または入力のインバータまたはコンバータにおいて、
    位相同期部分が、サンプリングした商用系統電圧のベク
    トルと内部基準波の外積を内部基準波の角速度に加算す
    ることで位相を同期させることを特徴とするインバータ
    装置用位相同期方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のインバータ装置用位相同期方
    法を用いる単相のインバータまたはコンバータにおい
    て、位相同期部分が、内部基準波から90°位相をずらし
    た第2の内部基準波の波高値と商用系統電圧の波高値と
    を乗算し、その値を内部基準波1サイクル分を積算した
    ものを内部基準波の角速度に加算させることで位相を同
    期させることを特徴とするインバータ装置用位相同期方
    法。
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