JP6642058B2 - 電圧異常検出装置、プログラム、電圧異常検出方法 - Google Patents

電圧異常検出装置、プログラム、電圧異常検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、無停電電源装置や分散型電源装置において、交流電源の電圧異常を検出する技術に関する。
無停電電源装置や無停電異系統切替装置等では、系統電源の電圧低下などの電圧異常を検出して、インバータや異系統電源へ切替えて負荷に無停電給電する。また、系統に連系する太陽光発電システム等の分散型電源では、単独運転時の系統電圧の変化、特に位相変化を検出し単独運転を検出する。これらの装置では系統電圧の振幅変化や位相変化等の電圧異常の高速検出が必要である。近年、単独運転の高速検出や事故時運転継続性能が要求されるようになり、系統電圧の低下や位相・周波数変化の高速検出が求められるようになっている(非特許文献1)。
無停電電源装置では停電検出のために交流電圧低下検出方式が採用されており、従来、種々の方式が提案されている。
平均値比較方式は、商用電源波形を全波整流し、低域通過フィルタでリプル分を除去して直流成分に置換え、予め設定された停電検知レベルと比較するコンパレータにより停電判定出力を得る。しかし、リプル分を除去するための低域通過フィルタの時定数に起因して検出遅れが発生するという問題がある。
瞬時値比較方式は、系統電圧に同期した基準電圧正弦波を作り、検出波形との逐次比較により停電判定出力を得る。しかし、交流電圧の零クロス点近傍では検出電圧と基準電圧の差がほとんど無くなる等により、判定が困難になるという問題がある。
三相交流に対しては、例えば特許文献1では、三相の交流電圧を個別に絶対値演算し、各相の絶対値の加算値と加算値のリプル分の最も低い部分を基準とした停電判定レベルと比較する方式が示されている。しかし、電圧異常発生タイミングによりリプル分の大小が変わるため異常発生位相に依存して検出時間が異なる問題がある。
また、例えば特許文献2では、三相交流の各相電圧と、これに同期して発生させる三相正弦波信号とを同相間でそれぞれ乗算し、各乗算結果の総和から直流量を得て電圧低下検出レベルと比較することにより電圧低下を検出している。しかし、この方式は三相交流の各相が平衡していることを利用しており、単相交流には適用できない問題がある。
交流電圧は、正弦波状に振動する電圧波形を持つ。この様な正弦波状の振動現象は単振動で表される。単振動の加速度は、例えば位置をx(t)、角振動数(角周波数)をωとすると二次の線形常微分方程式
で表されることが知られている(非特許文献2)。ここで、・は微分記号であり、
を意味する。
また、システム制御の分野では、常微分方程式で表される動的システムは、その次数に等しい数の状態変数を適切に定義すると状態方程式として表され、状態変数によって作られる状態空間上でその挙動が完全に記述されることが知られている(非特許文献3、4)。
状態空間法は、各時刻におけるシステムの状態を状態空間上に点(状態点、状態(変数)ベクトル)として表し、その点の動き(軌道)を調べることによってシステムの動作を評価しようとするものである。このような軌道において時刻tは媒介変数の役割をはたしている。状態空間は特に2次元の場合には状態平面あるいは相平面と呼ばれることがある。
特開平10-90314号公報 特開平5-232157公報
系統連系規程(JEAC9701-2012) 「振動・波動入門」、コロナ社、1977 「システム制御理論」、昭晃堂、1973 「システム制御理論入門」、実教出版、1979
しかしながら、上記先行技術文献では、電圧低下を検出する方法は示されているが、正常時の交流電圧からの電圧低下という振幅変化だけではなく位相のずれも同時に評価して電圧異常を検出する方法は示されていない。
上述した従来技術には、交流電圧の位相のずれを含めた電圧波形の正常時からの変化を定量的に監視して異常を検出する技術は、示されていない。
本発明の課題は、交流電圧波形の異常を、発生位相に関わらず常時、定量的に監視し、高速に異常を検出できる電圧異常検出装置等を提供することである。
本発明の電圧異常検出装置は、監視対象の交流電圧の異常を検出する電圧異常検出装置であって、下記の各手段を有する。
・入力した前記交流電圧の検出信号に追従させて該交流電圧検出信号波形に同期した信号である第1信号を生成すると共に、該第1信号の時間微分信号である第2信号を生成して、該第1信号及び第2信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る理想状態ベクトルを生成する理想状態ベクトル生成手段;
・前記交流電圧の検出信号を入力して、該検出信号に相当する第3信号を生成すると共に、該検出信号の時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成する実状態ベクトル生成手段;
・前記実状態ベクトルと前記理想状態ベクトルとの差を示す誤差状態ベクトルを生成する誤差状態ベクトル生成手段;
・該誤差状態ベクトルの大きさを求める誤差評価値計算手段;
・該誤差状態ベクトルの大きさを、予め設定される閾値と比較することで、前記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定する異常判定手段:
本発明の電圧異常検出装置によれば、交流電圧波形の異常を、発生位相に関わらず常時、定量的に監視し、高速に異常を検出できる。
本例の電圧異常検出装置の機能ブロック図である。 交流電圧の振動状態を、状態平面上の実状態ベクトルに変換する様子を示す図である。 実状態ベクトルと理想状態ベクトルと誤差状態ベクトルの具体例である。 状態平面上での単振動の表現を示す図である。 理想状態ベクトル生成部の構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例の電圧異常検出装置の機能ブロック図である。
図示の例の電圧異常検出装置10は、実状態ベクトル変換部11、理想状態ベクトル生成部12、誤差状態ベクトル算出部13、誤差評価値計算部14、異常判定部15等の各種処理部を有する。
尚、電圧異常検出装置10は、電力変換装置の制御基板上のマイクロコンピュータや、パソコン、サーバ装置等の一般的なコンピュータ上で実現される。よって、特に図示しないが、この様な一般的なコンピュータのハードウェア構成を有している。例えば、CPU等の演算プロセッサ、ハードディスク、メモリ等の記憶装置、入出力インタフェース等(何れも不図示)を有している。記憶装置には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。演算プロセッサが、このアプリケーションプログラムを実行することで、上記各種処理部の後述する処理機能が実現される。
電圧異常検出装置10は、監視対象の交流電圧の検出信号Vs(t)を入力して、正常/異常の判定結果等を出力する。入力される交流電圧検出信号Vs(t)は、上記実状態ベクトル変換部11と理想状態ベクトル生成部12とに入力される。
理想状態ベクトル生成部12は、上記監視対象の交流電圧検出信号Vs(t)を元に、正常時の波形に対応して規格化した理想状態ベクトルxr(t)を生成する。尚、この規格化は、ここでは一例として理想状態ベクトルに関しては後述する振幅‘1’の信号を生成するものであるが、後述するように、この例に限るものではない。
理想状態ベクトル生成部12は、交流電圧検出信号Vs(t)から、この交流電圧波形に追従する形で(但し、追従が遅い)交流電圧波形に同期した信号である振幅‘1’の理想位置信号xrp(t)を生成する。更に、理想位置信号xrp(t)を時間微分して規格化した信号、換言すれば理想位置信号xrp(t)の位相を90°進めた信号である振幅‘1’の理想速度信号xrv(t)を求め、これらを成分とする下記の大きさ‘1’で単位円上を動く理想状態ベクトルxr(t)を得る。
ここで、Tは転置を示す記号である。
そして、これら理想位置信号xrp(t)と理想速度信号xrv(t)を用いて例えば後述する図2の右側や図3に示すような状態平面上のベクトルとして表わしたものが、上記理想状態ベクトルxr(t)と見做すこともできる。詳しくは後述するが、図3等に示す状態平面は、横軸(X軸)が規格化した速度(規格化した電圧変化速度;電圧変化速度/(定格振幅×定格角振動数))、縦軸(Y軸)が規格化した位置(規格化した電圧;電圧値/定格振幅)である二次元平面である。そして、上記理想状態ベクトルxr(t)は後述するようにこの状態平面上で単位円上をほぼ等速円運動する。この理想状態ベクトルxr(t)は交流理論で用いられる複素平面上の回転ベクトルとよく似ているが意味合いが異なるものである。
尚、上記のように状態平面上で円運動する理想状態ベクトルxr(t)は、理想位置信号xrp(t)と理想速度信号xrv(t)を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る理想状態ベクトルxr(t)と言うこともできる。これは、後述する実状態ベクトルxs(t)についても同様である。
尚、ここでは、規格化の一例として理想状態ベクトルに関しては振幅が‘1’の信号とする場合(換言すれば、定格値基準で規格化した場合)を例にするが、勿論、この例に限らず、例えば振幅が‘2’や‘3’の信号を生成するような規格化であってもよい。尚、上記定格値基準とは、例えば監視対象の交流電圧の振幅(定格振幅)を基準とすることであり、上記“電圧値/定格振幅”等は、定格値基準で規格化する例であると見做して構わない。
尚、上記振幅‘1’等は、単位法により表される値であり、換言すれば、無次元の値(基準値(定格)に対する比を用いた無次元量)である。
ここで、上記“規格化した電圧変化速度”が“電圧変化速度/(定格振幅×定格角振動数)”となる理由は、例えば下記の考え方によるものである。
すなわち、入力される交流電圧の定格振幅(定格電圧×√2)をA、定格角振動数をωとし、この交流電圧信号がx(t)=Asinωtで表されるものとした場合、まず、上記“規格化した電圧”は、上記の通り“電圧値/定格振幅”であるので、
x(t)/A=(A/A)×sinωt=1sinωt
となる。つまり、振幅が‘1’の信号となる。
また、上記交流電圧信号x(t)を微分すると、
dx(t)/dt=ωAcosωt
となり、これが上記電圧変化速度に相当する。これを規格化するには、ωAで除算すればよい。すなわち、(ωA/ωA)×cosωt=1cosωtとすればよい。これは、すなわち、上記電圧変化速度を、上記“定格振幅×定格角振動数”で除算することになり、これによって上記“電圧変化速度/(定格振幅×定格角振動数)”が得られる。
尚、後述する実状態ベクトルxs(t)は、上記理想状態ベクトルxr(t)と同一の規格化により作成してもよい。すなわち、後述する実位置信号xsp(t)が上記単振動における定格振幅により規格化した位置(電圧値/定格振幅)を示し、この単振動における規格化した速度(電圧変化速度/(定格振幅×定格角振動数))を示すものが後述する実速度信号xsv(t)であると見做してよい。そして、これら実位置信号xsp(t)と実速度信号xsv(t)を用いて例えば後述する図3や図2の右側に示すような状態平面上のベクトルとして表わしたものが、実状態ベクトルxs(t)であると見做して構わない。
実状態ベクトルxs(t)と理想状態ベクトルxr(t)との違いは、実状態ベクトルxs(t)が現在の交流電圧検出信号Vs(t)の状態を示すものであるのに対して、理想状態ベクトルxr(t)は過去の交流電圧検出信号Vs(t)に同期した正常な振動状態を示すものと言える。交流電圧が正常な状態から何らかの異常状態になった直後であれば、実状態ベクトルxs(t)が異常状態を示すのに対して、理想状態ベクトルxr(t)は未だ正常であったときの状態を継続して示すものとなる。
理想位置信号xrp(t)は、交流電圧検出波形に対する位相同期ループ(PLL)等により生成できる。つまり、理想状態ベクトル生成部12は、例えば不図示のPLL回路(位相同期回路)を有するものであってもよい。このPLL回路(位相同期回路)は、既存の一般的なもの、すなわち入力信号波形に追従して入力信号波形と同期する信号を生成出力するものであるが、但し、追従に遅延を持つ必要がある。交流電圧検出Vs(t)波形が、正常な状態では、PLL回路は、当然、この正常な波形に同期追従する形で理想位置信号xrp(t)を生成・出力する。但し、正常な波形に遅れて追従する過渡状態を経て、定常的には完全な同期追従状態となる。そのため、同期追従に至るまでの過渡状態では異常判定はおこなえない。一方で、定常的な同期追従状態に達していれば、交流電圧検出Vs(t)波形が異常な状態になっても、暫くの間は正常な状態を継続し、異常な波形に遅れて追従することになる。暫くの間とは、上記の追従遅れ時間に相当する。
この様に、理想状態ベクトル生成部12が有する不図示の位相同期回路は、監視対象の交流電圧が正常状態から異常状態になっても、追従遅れ時間が経過するまでは引き続き正常状態に応じた波形を出力し続けることになる。
尚、どの程度追従を遅くするのかは、設計的事項であり、開発者等が適宜決定すればよいが、基本的には、交流電圧検出信号Vs(t)の入力から異常判定部15による異常判定結果が得られるまでに掛かる時間(処理時間)以上の遅延が、望ましい。
また、理想位置信号xrp(t)は規格化した理想的な正弦波形状であることから、位相を90°進めることにより、規格化した理想速度信号xrv(t)を求めることができる。
尚、上記“理想的な”とは、ノイズで汚れていないという意味である。本装置10に入力される上記交流電圧検出信号Vs(t)には、ノイズが含まれている場合が少なくない。理想状態ベクトル生成部12は、PLL回路等を用いるので、生成される信号にはノイズが含まれなくて済む。
例えば、位相同期ループにおいて、理想位置信号xrp(t)を生成する内部発信器の位相信号から、それを90°進めた位相信号を作り、それを別の内部発信器に位相信号として入力することで理想速度信号xrv(t)を得ることもできる。
また、理想状態ベクトル生成部12は、実状態ベクトル変換部11と同様に、例えばハイパスフィルタ等を用いることでも、実現できる。波形にノイズ成分が含まれる場合に、ノイズ成分を過剰に増幅しないように交流電圧の基本波成分の周波数帯域で微分特性を持ち、それよりも高い周波数帯域でのゲイン上昇を抑えた擬似微分(不完全微分)特性を持つことが望ましい。よって、ハイパスフィルタは、“擬似微分特性を持つフィルタ”であることが望ましい。実状態ベクトル変換部11については“擬似微分特性を持つフィルタ”を持つことが望ましい。一方、理想状態ベクトル生成部12は、例えば不図示のハイパスフィルタ等(擬似微分特性を持つフィルタ)を有する構成であっても構わないが、擬似微分特性を持つフィルタを有しない構成であっても構わない。
また、理想速度信号xrv(t)は、理想位置信号xrp(t)の微分により求めることから、時刻tにおける理想位置信号xrp(t)の変動(変化速度)を意味することになる。つまり、交流電圧波形の電圧値の変化速度を意味することになる。
尚、電圧変化速度算出部11aは、何らかの微分回路機能を有する回路(上記“擬似微分特性を持つフィルタ”;上記ハイパスフィルタ等)を用いることで実現してもよい。交流電圧検出信号Vs(t)を、電圧変化速度算出部11aによって時間微分したうえで規格化部11bによって定格振幅、定格周波数基準で規格化することで、実速度信号xsv(t)を生成する。但し、この例に限らず、まず規格化してから時間微分することでも実速度信号xsv(t)を生成できる。
なお、交流電圧検出信号Vs(t)は一般にノイズ成分を含むことからノイズ成分を過剰に増幅しないように交流電圧の基本波成分の周波数帯域で微分特性を持ち、それよりも高い周波数帯域でのゲイン上昇を抑えた擬似微分(不完全微分)特性を持つことがより重要となる。これより、電圧変化速度算出部11aは、基本的に、上記“擬似微分特性を持つフィルタ”;上記ハイパスフィルタ等)によって実現すべきである。一方で、理想状態ベクトルは、上記の通りハイパスフィルタで生成しても構わないが、他の方法で生成してもよく、例えば後述する図5の構成で生成してもよい。
ここで、図2に、正常時すなわち定格時の交流電圧の振動状態を、状態平面上の規格化されたベクトルに変換する様子を示す。
図2において、図示の実線で示す信号波形x(t)は、理想位置信号xrp(t)あるいは実位置信号xsp(t)に相当する。図示の点線で示す信号波形v(t)は、理想速度信号xrv(t)あるいは実速度信号xsv(t)に相当する。
以下の説明では、信号波形x(t)が理想位置信号xrp(t)、信号波形v(t)が理想速度信号xrv(t)である場合を例にして説明するが、信号波形x(t)が実位置信号xsp(t)、信号波形v(t)が実速度信号xsv(t)の場合もこれと同様であり、同一の規格化を施す。
上記のことから、ここでは、図2が、上記理想状態ベクトルxr(t)(理想位置信号xrp(t)、理想速度信号xrv(t))の具体例と、これを状態平面上に展開する様子を示すものであるものとして説明するが、上記の通り、実状態ベクトルxs(t)についても理想状態ベクトルxr(t)と略同様であると見做して構わない。
入力される上記交流電圧検出信号Vsに同期した信号が、PLL回路で生成・出力され、これが上記理想位置信号xrp(t)(図示の実線で示す信号波形x(t))である。PLL回路のVCO(電圧制御発振器)は、図示の信号波形x(t)のように、規格化された理想位置信号xrp(t)を生成・出力する。
また、上記のように、理想位置信号xrp(t)の位相を90°進めることにより、規格化された理想速度信号xrv(t)を求める。これが、図2では、図示の点線で示す信号波形v(t)である。
そして、図示の通り、これらの2種類の信号の各時刻t毎の値を用いて状態平面上で、
理想状態ベクトルxr(t)=(v(t),x(t))
とする。つまり、横軸を電圧変化速度、縦軸を電圧値とする二次元平面上のベクトルとする。なお,本発明では基本的に縦ベクトルを基準に記述しているが、ここでは記述を簡単にするために横ベクトルとして説明する。つまり、下記の(0,1)、(−1,0)等は、正確には、[0,1]、[−1,0]と記すべきものであるが、ここでは簡略化して記してある。本明細書全体においても、簡略化して記している場合があるものとする。
ここで、図2には、波形の時刻tが図示のS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9の各タイミングのときの理想状態ベクトルxr(t)を、状態平面上の図示の各ベクトルS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9として示す。
例えば、t=S1の場合には、図示の波形の例では明らかに、v(S1)=1、x(S1)=0である。従って、理想状態ベクトルxr(S1)=(1,0)となる。
同様にして、理想状態ベクトルxr(S3)=(0,1)、理想状態ベクトルxr(S5)=(−1,0)、理想状態ベクトルxr(S7)=(0,−1)、理想状態ベクトルxr(S9)=(1,0)となる。
ここでは正常/異常の判定結果が得られるまでを考えればよいものとするならば、理想位置信号xrp(t)は、常に、交流電圧の検出信号Vs(t)が正常な状態であるときを反映させた信号であると見做してよいので、理想状態ベクトルxr(t)の状態平面上の軌道は、常に、図2に示すように円周上となると見做して構わない。
また、実状態ベクトルxs(t)も、交流電圧の検出信号Vs(t)が正常な状態であるときは、状態平面上の軌道は上記理想状態ベクトルxr(t)と似たものになると考えてよい。
一方で、上記正常状態であった交流電圧に何らかの変化があった場合、それが異常と言えるレベルとは限らないとしても、変化があった瞬間から理想状態ベクトルxr(t)とは異なる軌道となり、例えばある時点で図3に示すような状態となる。図3については後述するものとする。
以上、図2について、理想状態ベクトルxr(t)を例にして説明した。
図1の説明に戻る。
実状態ベクトル変換部11は、上記入力される交流電圧検出信号Vs(t)を、その現在の状態を示す定格値基準で規格化した実状態ベクトルxs(t)に変換する。
実状態ベクトル変換部11は、電圧変化速度算出部11a、規格化部11b、規格化部11cを有する。規格化部11bと規格化部11cは、同じ機能を有し、入力信号が異なる点が相違点である。すなわち、規格化部11bと規格化部11cは、何れも、入力信号を、交流電圧の定格値基準で規格化した信号に変換する機能を有する。規格化部11cの入力は上記交流電圧検出信号Vs(t)であり、規格化部11bの入力は電圧変化速度算出部11aの出力である。
規格化部11cは、入力される交流電圧検出信号Vs(t)を、交流電圧の定格振幅で除して定格値基準の信号に変換する規格化部11cにより規格化することで、実位置信号xsp(t)を生成する。例えば一例としては、交流電圧検出信号Vs(t)を、交流電圧の定格振幅値(例えば定格電圧実効値100Vの場合は定格振幅100√2V)で除算することで、定格値基準の振幅を持つ上記実位置信号xsp(t)に変換する。
尚、上記理想位置信号xrp(t)と理想速度信号xrv(t)は、正常時すなわち定格時の理想的な信号を示すもので、規格化された信号とすることが望ましく、ここでは規格化の一例として振幅‘1’相当の信号とするものとする。これは、例えばPLL回路が振幅‘1’相当の信号を生成・出力する構成とすること等で実現できる。
また、電圧変化速度算出部11aは、入力される交流電圧検出信号Vs(t)を、基本波成分について時間微分した信号を生成する。時間微分は、監視対象の交流電圧の周波数を含む周波数領域で微分特性を持つハイパスフィルタ等(上記“擬似微分特性を持つフィルタ”)により実現できる。
電圧変化速度算出部11aの出力信号を、交流電圧の定格値(例えば定格電圧実効値100Vに相当する定格振幅100√2Vと、定格周波数50Hzに相当する定格角振動数2π×50rad/s)で除して定格値基準で規格化された振幅の信号に変換する規格化部11bにより規格化することで、実速度信号xsv(t)を生成する。
尚、上記電圧変化速度算出部11a及び規格化部11bによる処理は、図2に示す信号波形v(t)を求める処理であると見做して構わない。尚、規格化部11bにより規格化を先に行ってから、電圧変化速度算出部11aによって時間微分を行うことで、実速度信号xsv(t)を生成するようにしても構わない。
以上の処理により、実状態ベクトル変換部11は、下記の実状態ベクトルxs(t)を生成・出力する。
なお、実状態ベクトルxs(t)も、上記理想状態ベクトルxr(t)と同様に、上記図2で説明した、横軸を規格化された電圧変化速度、縦軸を規格化された電圧値とする二次元平面上のベクトルである。
これより、例えば図3に示すような、実状態ベクトルxs(t)と理想状態ベクトルxr(t)とが生成され、これらに基づいて誤差状態ベクトル算出部13が例えば図3に示すような誤差状態ベクトルΔxe(t)を生成する。
誤差状態ベクトル算出部13は、実状態ベクトルxs(t)から理想状態ベクトルxr(t)を減算することで(実状態ベクトルxs(t)と理想状態ベクトルxr(t)との差分を求めることで)、誤差状態ベクトルΔxe(t)を算出する。
誤差状態ベクトル算出部13は、実状態ベクトル変換部11から得られた実状態ベクトルxs(t)と、理想状態ベクトル生成部12から得られた理想状態ベクトルxr(t)とから、下記の誤差状態ベクトルΔxe(t)を求める。
誤差評価値計算部14は、既定の誤差評価関数J(・)に従って、上記誤差状態ベクトルΔxe(t)から誤差評価値J(Δxe(t))を計算する。
誤差評価値計算部14は、交流的に変化する上記速度誤差Δxev(t)と上記位置誤差Δxep(t)からなる上記誤差状態ベクトルΔxe(t)の大きさを計算する。誤差の大きさを例えば上記誤差評価関数に従ってスカラ量としての下記の誤差評価値J(Δxe(t))を得る。
この誤差評価値J(Δxe(t))は、状態平面上での誤差状態ベクトルΔxe(t)の長さ、すなわち、図3に示すように実状態ベクトルxs(t)と理想状態ベクトルxr(t)との間の距離を示しており、明確な意味を持っている。すなわち、図3が現在時刻について示しているとすると、この誤差評価値は、現在の交流電圧が、正常な状態に比べてどの程度違っているのかを示しており、従って、ある程度以上大きい場合には異常と見做してよいことになる。この“ある程度”の値は、開発者等が任意に決めてよいものであり、本例では図3に示す電圧異常評価レベルJthである。
考え方としては、実状態ベクトルxs(t)が、図3に点線で示す円内に収まっていれば、異常ではないものと見做す。図3に点線で示す円は、図示の通り、理想状態ベクトルxr(t)を中心とする、半径が上記Jthである円である。これは、換言すれば、上記誤差状態ベクトルΔxe(t)の大きさが、電圧異常評価レベルJth以内であれば、異常ではないものと見做すものと言える。
ここで、実状態ベクトルxs(t)のベクトルの長さは監視対象の交流電圧波形の定格振幅基準の値となる。つまり、振幅が定格値と等しい場合はベクトルの長さは‘1’となり、振幅が定格値よりも大きければベクトルの長さは‘1’よりも大きくなる。理想状態ベクトルxr(t)の長さは、監視対象の交流電圧が正常な状態のときの振幅を反映するものであり、ここでは常に‘1’となっている。一方、実状態ベクトルxs(t)の長さは、監視対象の交流電圧の現在の状態における振幅を反映するものと見做してよい。
図3に示す例では、実状態ベクトルxs(t)の長さは、理想状態ベクトルxr(t)の長さに比べて短いものとなっている。従って、監視対象の交流電圧は、現在、正常時よりも振幅が小さくなっていることになる。
また、実状態ベクトルxs(t)、理想状態ベクトルxr(t)の回転角の相違は、現在の監視対象の交流電圧の位相の正常時とのずれを反映させたものとなる。図3の例では、実状態ベクトルxs(t)の回転角θsは、理想状態ベクトルxr(t)の回転角θrより大きいので(θs>θr)、現在の監視対象の交流電圧は、正常時に比べて位相が進んでいることになる。尚、逆に、“θs<θr”であるならば、現在の監視対象の交流電圧は、正常時に比べて位相が遅れていることになる。
上述した実状態ベクトルxs(t)の長さ及び回転角(つまり、振幅と位相)に関する正常時からのずれ量が、誤差状態ベクトルΔxe(t)の長さに反映されることになり、従って誤差状態ベクトルΔxe(t)の長さがある程度以上長い場合には監視対象の交流電圧が異常であると判定されることになる。
また、上記誤差評価関数による誤差評価値J(Δxe(t))は、時間関数となっていることからも分かるように、検出周期毎に瞬時値として得られ、常時監視できる。
異常判定部15は、上記誤差評価値計算部14で得られた評価値(誤差の大きさ)を、予め設定される任意の閾値(電圧異常評価レベルJth)と比較して、正常/異常を判定する。尚、本説明における“/”は“または”を意味するものとする。
異常判定部15は、上記誤差評価値と既定の電圧異常評価レベルJthとを比較し、誤差評価値が電圧異常評価レベルJthを超えれば、異常と判定する。誤差評価値が電圧異常評価レベルJthを超えるということは、図3に示すように、実状態ベクトルが、理想状態ベクトルを中心とした半径Jthの円(点線で示す円)から逸脱したことを意味する。
尚、上記誤差評価関数には平方根を含んでいるが、計算時間短縮のために二乗して平方根を除去し、その代わりに電圧異常検知レベルJthを二乗してもよい。
また、理想状態ベクトル生成部12にて理想速度信号xrv(t)を求める際には、理想位置信号xrp(t)の位相を90°進めるのではなく、実状態ベクトル変換部11で実速度信号xsv(t)を求める際に用いている高域通過フィルタと同一の進相処理を、理想位置信号xrp(t)に施すことで求めてもよい。
また、上述した実施例は、単相交流電圧に対する異常検出方法であるが、この異常検出方法を多相交流電圧の各相に対して個別に適用し、各相に対する正論理の異常検出判定の論理和により多相交流電圧全体の異常判定を行うことで、多相交流電圧についても拡張適用して異常判定ができる(応用例)。
つまり、この応用例では、例えば図1に示す電圧異常検出装置10を、多相交流電圧の各相に対してそれぞれ設けて、各異常判定部15による異常判定結果出力の論理和を求める。尚、ここでは、異常判定部15は、異常と判定した場合には‘1’を出力するものとする。これより、上記論理和の出力は、上記多相交流電圧の各相の何れか1つでも異常があった場合には‘1’となり、これは異常を意味するものとなる。
また、上記応用例においては、正常時の交流電圧検出から電圧波形に同期した正弦波である理想位置信号を得る場合には、相数分の理想位置信号が必要になるが、一相に対して得た理想位置信号を多相交流電圧の正常時の各相の位相差分だけシフトする操作によって他の相の理想位置信号を生成することもできる。
なお、ここで本発明で用いている単振動の状態平面上の状態ベクトル表現について説明する。単振動の微分方程式を動的システムとして捉え、状態変数を定義して状態方程式を導き、その解を示す。位置をx(t)、角振動数をωとすると、単振動は外力項と減衰項を持たない二次の線形常微分方程式
で表すことができる。
次数が2なので二つの状態変数
を定義する。xrvは角振動数で規格化した速度、xrpは単振動の位置である。
すると状態変数をまとめた状態(変数)ベクトルxr
となる。状態変数は、任意の時点で動的システム全体の状態を完全に表せるシステム変数群の最小の組合せとなっている。単振動では、位置と速度が初期値として決まれば上記微分方程式によりその後の位置と速度の時間応答が完全に求まる。つまり、単振動の位置情報だけでは、単振動の挙動を完全に記述できず、速度情報を加えた速度と位置の二つの状態変数の組である状態ベクトルが単振動の状態を表す必要十分な情報となっている。
状態ベクトルを微分して、それを元の状態ベクトルで表すと
したがって単振動の状態変数の挙動を記述する状態方程式は
の自由応答系となる。
この状態方程式の一般解(初期値応答)を求めるためにラプラス変換すると
よって
ここでsはラプラス演算子、Xr(s)はxr(t)のラプラス変換、xr(0)は状態ベクトルの初期値である。逆ラプラス変換して時間領域に戻すと状態方程式の一般解は
として求まる。
上式の状態推移(遷移)行列eAtのラプラス変換は
となる。
よって状態推移行列は上式をラプラス逆変換して
となり、θ=ωtの反時計回りの回転変換Rot(θ)となっていることがわかる。本式が回転変換で表せるのは[数8]において状態変数xrvを角振動数で規格化した速度としている工夫による。
したがって、状態方程式の一般解は
となる。
これより、状態平面上で初期状態xr(0)を与えると、初期状態ベクトルを半径とし原点を中心とする円上を反時計回りに角速度ωで等速回転する状態軌道を描くことがわかる。真円上の状態軌道となるのは上記のように状態変数xrvを角振動数で規格化した速度としていることによる。例えば、時刻t=0で速度xrv(t)=1、位置xrp(t)=0の初期状態
からの状態軌道は
となり、単位円上を反時計回りに回転する。
この様子を単振動の状態平面上での表現として図4に示す。
図4は、状態平面上での単振動の表現を示す図である。
このとき、状態軌道の規格化した速度軸上への射影が単振動の速度xrv(t)=cosωtを、位置軸上への射影が単振動の位置xrp(t)=sinωtを表している。ここでは規格化された振動状態を考えるので初期状態ベクトルは単位円上にとって、単位円上の状態軌道のみを考える。
このように、理想的な単振動の状態ベクトルは上記のような状態平面上において等速円運動することがわかる。そこで,実際の電圧振動(単振動)から位置の振動情報に加えて速度の振動情報に相当する電圧変化速度情報を抽出し、実際の状態ベクトルを求め、振動状態に関する全ての情報を表現できる状態平面上で理想的な状態ベクトルと比較すれば理想波形と実際波形の相違について豊富な情報を得られることが期待できる。
ここで、図5に、上記理想状態ベクトル生成部12の構成例を示す。但し、図5には、構成の全てを示してはいない。理想状態ベクトル生成部12は、図示の2つのsinθテーブル121、123と、90°位相回路122を有する。これらは何れも既存の一般的な構成であり、特に詳細には説明しないが、sinθテーブル121、123には、各位相θそれぞれに対応する振幅値(sin波形電圧値;例えば振幅1に規格化されたsin電圧波形に対応するもの)が、予め登録されている。また、sinθテーブル121と123とは同じ機能を有する。また、90°位相回路122は、単に、入力に対してπ/2を加算して出力する機能を有する。
まず、理想状態ベクトル生成部12は、既存のPLL回路の機能等により、入力される上記交流電圧検出信号Vs(t)の現在の位相θ(=ωt)を得る。この位相θを、上記sinθテーブル121に入力することで、sinθ信号(理想位置信号)が生成・出力される。また、上記位相θ(=ωt)は、上記90°位相回路122にも入力されて、90°位相が進んだ“θ+π/2”が生成され、これが上記sinθテーブル123に入力される。これより、sinθテーブル123は、sin(θ+π/2)信号(理想速度信号)が生成・出力される。尚、よく知られているように、sin(θ+π/2)=cosθである。
本発明の電圧異常検出装置は、電圧検出器、A/D変換器、ディジタル・シグナル・プロセッサ等のプロセッサ、メモリ等のハードウェア、および演算アルゴリズムを実装するソフトウェアにより実現することができる。
以上に示した本発明の実施形態は、本発明の好適な実施例の一例を示すだけであり、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
(発明の効果)
従来は、交流電圧の位相のずれを含めた電圧波形の正常時からの変化を定量的に監視したり異常を検出したりできなかった。これに対して、本発明によれば、交流電圧波形の異常を、発生位相に関わらず常時、定量的に監視することができ、以って高速に異常を検出できる。
本発明では、監視対象の交流電圧の振動状態(電圧値(振幅)と、その変化度合い(電圧変化速度))を、単振動の状態平面上のベクトルに変換する。これは、交流電圧の現在の状態を示す実状態ベクトルと、正常な定常状態を示す理想状態ベクトルとに変換するものである。つまり、監視対象の交流電圧が正常から異常になっても、暫くの間は、理想状態ベクトルは正常な定常状態を示すものとなる。
そして、上記実状態ベクトルと理想状態ベクトルとの差を示す誤差状態ベクトルを求め、この誤差状態ベクトルに係わる評価値(大きさ等)と閾値とに基づいて、交流電圧の正常/異常を判定する。この判定は、随時行うことができる。
ここで、上記誤差状態ベクトルは、振幅誤差と位相誤差を含んでいるため、正常時の交流電圧からの電圧低下という振幅変化だけではなく、正常時からの位相のずれも同時に評価して電圧異常を判定することができる。
状態平面上では、理想状態ベクトルは、単位円上を滑らかに動き、大きさは位相にかかわらず常に1である。状態平面上では、正常時であれば実状態ベクトルも、ほとんど単位円上を動き、大きさは位相にかかわらずほぼ1である。したがって、誤差ベクトルとその評価値の計算は、位相にかかわらず数値的に安定しており、従来の瞬時値比較方式において見られたような交流電圧の零クロス点近傍の位相で発生した電圧異常の判定が困難になるといった特異点がない。つまり、異常発生時の位相にかかわらず安定して高速に異常判定ができる。
また、評価関数は、状態平面上での誤差状態ベクトルの大きさを規定するという明確な意味を持ち、本方法は状態平面上で幾何学的に説明できる系統的方法となっている。つまり、交流電圧波形の異常を発生位相に関わらず常時、定量的に監視し、高速に異常を検出できる系統的方法であるという顕著な効果を奏する。 また、上記電圧異常検出装置10は、例えば以下に説明する本発明の電圧異常検出装置の一例であると見做すこともできる。
本発明の電圧異常検出装置は、監視対象の交流電圧の異常を検出する電圧異常検出装置であって、例えば不図示の下記の各種機能部を有する。尚、本発明の電圧異常検出装置は、上記電圧異常検出装置10と同様、演算プロセッサ、記憶装置などを有し、記憶装置には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。演算プロセッサが、このアプリケーションプログラムを実行することで、下記の各種処理機能部の処理機能が実現される。
・入力した上記交流電圧の検出信号に追従させて該交流電圧検出信号波形に同期した信号である第1信号を生成すると共に、該第1信号の時間微分信号である第2信号を生成して、該第1信号及び第2信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る理想状態ベクトルを生成する理想状態ベクトル生成機能部(不図示);
前記交流電圧の検出信号を入力して、該交流電圧検出信号に相当する第3信号を生成すると共に、該交流電圧検出信号の時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成する実状態ベクトル生成機能部(不図示);
ここで、上記「交流電圧検出信号に相当する第3信号」とは、例えば、交流電圧検出信号とは振幅のみが異なる信号(よって、信号の内容自体は同一)であることを意味するが、この例に限らず、交流電圧検出信号と同一の信号であっても構わない。また、これより、「交流電圧検出信号に相当する」信号の一例が、例えば、「交流電圧検出信号に比例する」信号であると言うこともできる。勿論、この例に限らない。
更に、上記「交流電圧検出信号に比例する」信号を生成する方法の一例が、上記規格化部11b、11cによる「交流電圧の定格値基準で規格化した信号」であるが、この例に限らない。また、規格化する場合であっても、“定格値基準で規格化”に限らず、例えば予め任意に決定され設定された何らかの所定値を用いて、“所定値基準で規格化”するものであっても構わない。つまり、上述した振幅が‘1’の信号に限らず、振幅が‘2’、‘3’、・・・、‘10’等であってもよく、振幅は何でもよい。
また、上記第4信号も、振幅に関しては上記第3信号と同様であってよく、例えば一例としては、振幅に関しては上記規格化部11bによる「交流電圧の定格値基準で規格化した」信号であってもよいが、この例に限らず、振幅に関しては例えば「交流電圧検出信号を所定値基準で規格化した」信号であってもよいし、「交流電圧検出信号に比例する」信号であってもよいし、「交流電圧検出信号に相当する」信号であってもよい。
そして、一例としては、上記第1信号、第2信号、第3信号、第4信号の全信号が、同一基準でスケーリングされた信号であることが望ましい。換言すれば、上記第1信号、第2信号、第3信号、第4信号の全信号を、同じ“土俵”で扱えるようにすることが望ましい。上記「同一基準でスケーリングされた信号」の一例が、図1、図2等で説明した上記理想位置信号xrp(t)、理想速度信号xrv(t)、実位置信号xsp(t)、実速度信号xsv(t)である。上記のように、これら4つの信号xrp(t)〜実速度信号xsv(t)は、一例としては正常時は振幅が‘1’の信号であり、これより例えば上記図3で示したような状態平面上の理想状態ベクトルと実状態ベクトルとを生成することができる(同じ土俵で扱うことができる)。勿論、既に述べたように、振幅が‘1’の例に限らない。上記「同一基準でスケーリングされた信号」とは、例えば一例としては、上記4つの信号xrp(t)〜実速度信号xsv(t)の正常時の振幅を揃えることであるが、この例に限らない。
尚、上記第1信号の一例が上記理想位置信号xrp(t)、上記第2信号の一例が上記理想速度信号xrv(t)、上記第3信号の一例が上記実位置信号xsp(t)、上記第4信号の一例が上記実速度信号xsv(t)であると考えてもよいが、この例に限らない。
・上述したことから、上記実状態ベクトル生成機能部(不図示)は、一例としては、上記交流電圧の検出信号を入力して、該検出信号を定格値を基準に規格化した信号に変換して成る第3信号を生成すると共に、該検出信号の定格値を基準に規格化した時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成するものである。
本発明の電圧異常検出装置は、更に、下記の各種機能部も有する。
・上記実状態ベクトルと上記理想状態ベクトルとの差を示す誤差状態ベクトルを生成する誤差状態ベクトル生成機能部(不図示);
・該誤差状態ベクトルの大きさを求める誤差評価値計算機能部(不図示);
・該誤差状態ベクトルの大きさを、予め設定される閾値と比較することで、上記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定する異常判定機能部(不図示)。
例えば、図1の理想状態ベクトル生成部12が、上記理想状態ベクトル生成機能部(不図示)の一例であると見做してもよい。この場合、上記第1信号の一例が上記理想位置信号xrp(t)であり、上記第2信号の一例が上記理想速度信号xrv(t)であり、上記理想状態ベクトルの一例が上記理想状態ベクトルxr(t)であると見做してもよい。
また、例えば、図1の実状態ベクトル変換部11が、上記実状態ベクトル生成機能部(不図示)の一例であると見做してもよい。この場合、上記第3信号の一例が上記実位置信号xsp(t)であり、上記第4信号の一例が上記実速度信号xsv(t)であり、上記実状態ベクトルの一例が上記実状態ベクトルxs(t)であると見做してもよい。
また、例えば、図1の誤差状態ベクトル算出部13が、上記誤差状態ベクトル生成機能部(不図示)の一例であると見做しても構わない。
また、例えば、図1の誤差評価値計算部14が、上記誤差評価値計算機能部(不図示)の一例であると見做しても構わない。
また、例えば、図1の異常判定部15が、上記異常判定機能部(不図示)の一例であると見做しても構わない。
尚、例えば、上記第1信号と第2信号も、同一の基準に基づき規格化された信号とすることが望ましい。
また、例えば、上記理想状態ベクトル生成機能部(不図示)は、追従の遅い位相同期回路を有し、該位相同期回路によって上記第1信号を生成するものであってもよい。
また、例えば、上記位相同期回路は、上記監視対象の交流電圧が正常状態から異常状態になっても、追従の遅いことによる遅れ時間分の間、正常状態に応じた上記第1信号を継続して出力するものであってもよい。
また、例えば、上記理想状態ベクトル生成機能部(不図示)は、上記第1信号の位相を90°進めることで上記第2信号を生成するものであってもよい。
また、例えば、上記理想状態ベクトル生成機能部(不図示)、または/及び、上記実状態ベクトル生成機能部(不図示)は、“擬似微分特性を持つフィルタ”(一例としてはハイパスフィルタ)を用いて、上記時間微分信号を求めるものであってもよい。
ここで、上記理想状態ベクトル生成機能部と上記実状態ベクトル生成機能部が、それぞれ、上記“擬似微分特性を持つフィルタ”を備える場合において、理想状態ベクトル生成機能部の“擬似微分特性を持つフィルタ”と、実状態ベクトル生成機能部の“擬似微分特性を持つフィルタ”とが、同一の微分特性を持つものであってもよい。
また、上記電圧異常検出装置を、多相交流電圧の各相に対してそれぞれ設けて、該各電圧異常検出装置の上記異常判定手段による判定結果の論理和により上記多相交流電圧全体の異常判定を行うようにしてもよい。
尚、よく知られているように、1次フィルタへの入力に対するフィルタ出力の位相差は、ハイパスフィルタでは、高周波になるにつれて0°低周波になるにつれて+90°(位相進みが90°)に漸近するのに対して、ローパスフィルタでは、低周波になるにつれて0°高周波になるにつれて−90°(位相遅れが90°)に漸近する。位相が90°進んでいるということは、微分特性を意味する。逆に、位相が90°遅れているということは、積分特性を意味する。つまり、1次のハイパスフィルタは、低周波領域では、微分特性を持っている。このように、部分的に微分の特性を持っていることから、1次ハイパスフィルタは不完全微分あるいは擬似微分特性を持つフィルタ等と呼ばれる場合がある。一方、1次のローパスフィルタは、高周波領域で積分特性を有する。したがって、1次ローパスフィルタの別名は、不完全積分等である。
また、上述した“規格化”や“定格値基準で規格化”することは、本発明において必須ではない。また、規格化する場合であっても、それによって上記“振幅1”の信号を生成することは、一例であって、この例に限るものではない。
但し、上述した“規格化”や“定格値基準で規格化”を行うことで、下記のメリットが得られる。
すなわち、上記の通り予め設定される閾値を用いて交流電圧の正常・異常を判定するが、この閾値の設定に関するメリットが得られる。つまり、上述した“規格化”や“定格値基準で規格化”を行う場合には、閾値を例えば「定格基準でm%未満(m;任意の整数や実数など)」という形式で定格値にかかわらず同じ閾値に設定することが可能となる。一方、“規格化”や“定格値基準で規格化”を行なわない場合には、上記と等価な設定をするためには、監視対象の交流電圧の定格値に応じて、それぞれ、異なった閾値を設定する必要がある。例えば、監視対象の交流電圧の定格値が、50(V)の場合と、100(V)の場合と、200(V)の場合とで、それぞれ、異なった閾値を設定する必要がある。上述した“規格化”や“定格値基準で規格化”を行うことで、この様な閾値の設定作業負担を軽減できるというメリットが得られる。
また、ここでは、“/”は、“または”や“あるいは”を意味するものとする。これより、例えば、「及び/または」は、「及び、あるいは、または」を意味することになる。
同様に、「または/及び」は、「または、あるいは、及び」を意味することになる。
10 電圧異常検出装置
11 実状態ベクトル変換部
11a 電圧変化速度検出部
11b 規格化部
11c 規格化部
12 理想状態ベクトル生成部
13 誤差状態ベクトル算出部
14 誤差評価値計算部
15 異常判定部

Claims (12)

  1. 監視対象の交流電圧の異常を検出する電圧異常検出装置であって、
    入力した前記交流電圧の検出信号に追従して該交流電圧検出信号に同期した信号である第1信号を生成すると共に、該第1信号の時間微分信号である第2信号を生成して、該第1信号及び第2信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る理想状態ベクトルを生成する理想状態ベクトル生成手段と、
    前記交流電圧の検出信号を入力して、該交流電圧検出信号に相当する第3信号を生成すると共に、該交流電圧検出信号の時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成する実状態ベクトル生成手段と、
    前記実状態ベクトルと前記理想状態ベクトルとの差を示す誤差状態ベクトルを生成する誤差状態ベクトル生成手段と、
    該誤差状態ベクトルの大きさを求める誤差評価値計算手段と、
    該誤差状態ベクトルの大きさを、予め設定される閾値と比較することで、前記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
    を有することを特徴とする電圧異常検出装置。
  2. 前記理想状態ベクトル生成手段は、追従の遅い位相同期回路を有し、該位相同期回路によって前記第1信号を生成することを特徴とする請求項1記載の電圧異常検出装置。
  3. 前記位相同期回路は、前記監視対象の交流電圧が正常状態から異常状態になっても、追従の遅いことによる遅れ時間分の間、正常状態に応じた前記第1信号を継続して出力することを特徴とする請求項2記載の電圧異常検出装置。
  4. 前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号、前記第4信号は、同一基準でスケーリングされた信号であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電圧異常検出装置。
  5. 前記第1信号と前記第2信号、及び/または、前記第3信号と前記第4信号は、前記交流電圧検出信号を規格化した信号であることを特徴とする請求項4記載の電圧異常検出装置。
  6. 前記第1信号と前記第2信号、及び/または、前記第3信号と前記第4信号は、前記交流電圧検出信号を定格値基準で規格化した信号であることを特徴とする請求項5記載の電圧異常検出装置。
  7. 前記時間微分信号は、位相を90度進めた信号であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電圧異常検出装置。
  8. 前記理想状態ベクトル生成手段、または/及び、前記実状態ベクトル生成手段は、擬似微分特性を持つフィルタを用いて、前記時間微分信号を求めることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電圧異常検出装置。
  9. 前記擬似微分特性を持つフィルタは、ハイパスフィルタであることを特徴とする請求項8記載の電圧異常検出装置。
  10. 前記理想状態ベクトル生成手段と前記実状態ベクトル生成手段が、それぞれ、前記擬似微分特性を持つフィルタを持つ場合、
    前記理想状態ベクトル生成手段の前記擬似微分特性を持つフィルタと、前記実状態ベクトル生成手段の前記擬似微分特性を持つフィルタとで、同一の微分特性を持つことを特徴とする請求項8記載の電圧異常検出装置。
  11. 請求項1の電圧異常検出装置を、多相交流電圧の各相に対してそれぞれ設けて、
    該各電圧異常検出装置の前記異常判定手段による判定結果の論理和により前記多相交流電圧全体の異常判定を行うことを特徴とする電圧異常検出方法。
  12. 監視対象の交流電圧の異常を検出する電圧異常検出装置のコンピュータを、
    入力した前記交流電圧の検出信号に追従して該交流電圧検出信号に同期した信号である第1信号を生成すると共に、該第1信号の時間微分信号である第2信号を生成して、該第1信号及び第2信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る理想状態ベクトルを生成する理想状態ベクトル生成手段と、
    前記交流電圧の検出信号を入力して、該交流電圧検出信号に相当する第3信号を生成すると共に、該検出信号の時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成する実状態ベクトル生成手段と、
    前記実状態ベクトルと前記理想状態ベクトルとの差を示す誤差状態ベクトルを生成する誤差状態ベクトル生成手段と、
    該誤差状態ベクトルの大きさを求める誤差評価値計算手段と、
    該誤差状態ベクトルの大きさを、予め設定される閾値と比較することで、前記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定する異常判定手段、
    として機能させる為のプログラム。
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