JP3624415B2 - インバータ装置用位相同期方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無停電電源装置など商用電源に位相同期した出力をする装置の、インバータの位相、周波数を商用電源に同期させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
位相同期の方法は一般にPLLと呼ばれ、通称「4046」と呼ばれる専用のICが複数の半導体メーカーより供給されている。たとえば「MOTOROLA社 ハイスピードCMOSデータブック 1991年12月20日 第5版第1刷 P783−P795」に記載されている「74HC4046A」のようなものがある。これらの特長はまず対象とする信号の波形が方形波を基本であることである。次に任意の逓倍周波数を発生させることができる。いったん位相同期すると強力に追尾するが、位相同期までの過程は多様であり、急変に対する応答は制御されていない。これらは通信分野やテレビ受像器の同期回路や半導体用発振回路のクロックなどには適している。しかしながら、電力変換用のインバータ機器や無停電電源装置のインバータ等では急変に対する応答過程が重要になる。 このようなインバータの同期方法としては例えば特開平7−58634号公報や特開平4−346449号公報などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの装置では、商用電源電圧波形と強い位相同期状態が望まれるが、反面、商用電源に生じる瞬時停電、位相跳躍などで生じる位相の急変に対して滑らかに追従する必要がある。系統連系やコンバータなどでは、位相の急変時には停止させるという手段もあるが、無停電電源装置の出力などではそれは許されない。
【0004】
従来の方法では商用電源波形を方形波信号に変換する過程があり、ここで商用電源波形信号がゼロ電圧を横切る点から次の横切る点までを商用電源波形の周期ととらえ、これをもとに方形波信号を生成するため商用電源のゼロクロス近辺にのったノイズにきわめて弱い。
【0005】
図1は ゼロクロス近辺にノイズがのり、不要なゼロクロス点が発生し、誤動作する例である。商用電源波形 11 に ノイズ 15 が重畳すると、商用電源電圧ゼロクロス信号 12 に 不要なゼロクロス 16 が発生し本来の基本波周期 f0に相違する 見かけの周期 f1を検出し間違った周波数を見出したり、商用電源電圧ゼロクロス信号 12 と 内部波形ゼロクロス信号 13 との 比較によって得られる 位相差信号 14 に あやまった位相差 17 を検出し不要な周波数追従、位相追従動作が生じる。
【0006】
また、位相同期をソフトウェアで実現しようとするとき、現状のマイクロプロセッサでは諸処の操作を含め一回の制御に200マイクロ秒程度の処理時間がかかるのが普通である。すなわち200マイクロ秒程度のサンプリング間隔および制御間隔でしか位相の調整ができない。これは50Hzでの3.6°に相当しこの種の位相同期にもとめられる精度は通常1°以下であり、これに満たない。滑らかな周波数追従を考えるとさらに10倍程度の分解能が必要である。
【0007】
このように商用電源に位相同期するインバータにもとめられる位相同期方法はソフトのサンプリングおよび動作周期で処理が可能でありかつ高精度で早い位相引き込み力をもちながら、ノイズに強く、商用周波数近辺のみに強く周波数同期し急変しない位相同期方法である。本発明はこのような位相同期方法及び装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
有効なゼロクロスは、一周期に一回しか生じないため、そのサンプリングの頻度は高くできない。このため位相差の検出速度が低くなる。また、ノイズによる誤検出が生じる場合に、ノイズの大きさと位相情報であるゼロクロスの時間間隔の大きさとは必ずしも比例せず、小さなノイズでも大きな誤差を生じる場合がある。例えば、図2において、商用電源波形 11 に ノイズ波形 21 を重畳すると ノイズによるゼロクロス信号 22 が生じる。 これと 内部波形ゼロクロス信号 13 とを比較すると A 幅の差が生じているため 位相差信号 14 に あやまった位相差 25 を検出する。一方、21 より 小さな ノイズ波形 23 を重畳すると ノイズ 24 によるゼロクロス信号 が生じる。位相差信号 14 と比較すると、A よりはるかに幅の広いB幅の差が検出される。 これにより、より大きな あやまった位相差 26 を得ることになる。
【0009】
本発明ではゼロクロスの代わりに商用電源電圧値のサンプリング値を使用する。電圧値のサンプリングは任意に行えるので一周期に数十回から数百回のサンプリング頻度に増加させることができる。これにより、検出速度を上げることが可能となり、精度の向上をもたらす作用がある。 図3 は従来のゼロクロス用いた周波数位相追従と本発明の周波数位相追従を比較したものである。商用電源波形 31 にたいして ゼロクロスをサンプリングして位相追従をするのが ゼロクロス追従 32 の場合で、変化の検出において原理的にかならず一周期以上の遅れが生じる。このため追従相手の変化特性が既知か周期に対して十分遅くないと追従し難い。電圧波形による追従 33 は本発明における位相追従で、一周期内に多数のサンプリング点をもつため、一周期内での追従が可能となる。
【0010】
また、検出量をゼロクロスのような現象の有無ではなく位相差に比例した内部基準波との外積とすることで量的にとらえ積分的に処理する。電圧波形より位相差、周波数差を算出するのでやはり電圧であるノイズの大小に誤差量の大小も比例する。つまり、ノイズを低減すると誤差量もそれに比して減少するのでノイズフィルタやローパスフィルタ、積分や平均化などのソフト的ノイズ低減手法が有効に働く。
【0011】
また、位相差または周波数差検出値の積分を一周期の倍数を積分区間とすることで、高調波成分を除去し基本波成分との位相差を選択的に検出する作用をもつ。図4 は基本波と高調波を合成したものに内部基本波を乗じることで、高調波が除去できる様を示したものである。基本正弦波 41 は ωの 角速度をもち、40の波高値をもつ余弦波である。9次の高調波 42 は 基本正弦波の9倍の周波数をもち波高が10の大きさをもつ正弦波である。 41と42を合成することにより 高調波を含んだ波形 43 が得られる。高調波を含んだ波形 43に 基本波に同期した正弦波 45 を 乗算し積分すると、基本正弦波 41 の成分は 基本波成分 46 のように 正の値となり 9次の高調波 42 の成分は 高調波成分 47 のように 正負の値が均等に生じて相殺される。
【0012】
また、周波数の同一化部分と、位相の同期を分離し、位相差による周波数への影響を限定することで、周波数差が小さく、位相差が大きい状態で不要な周波数急変を避ける作用をもつ。図5において 電圧波形 51 に位相の急変があった時 従来方式追従波形 52 は従来の位相差をもとに位相同期する場合の動作例で、周波数に変動が無い場合でも位相差が大きければ、大きな周波数差があるかのように急劇な周波数変動を引き起こす。追従波形 53 は本発明の場合で、位相差変動の場合での周波数の変動を小さく押さえることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図6は本発明の実施回路である。 インバータ部 61の出力する電圧を リアクトル 62を はさんで 商用電源63と接続する。このためこの二つの電圧源は、ともに周波数と位相が一致し、安定していなくてはならない。 電圧検出部 64によってMPU (マイクロプロセッサ )の 65 ADコンバータに 一方の電圧源である63 商用電源 の電圧波形が取り込まれ 66る。 さらに MPU 66により もう一方の電圧源である インバータ部 61の出力電圧を決定する信号 であるゲート信号 68 を出力ポート 67に出力する。
【0014】
請求項1、請求項2、請求項3を備えた三相交流の位相同期方法を説明する。 三相交流をαβ平面に写像すると二次元の回転運動としてとらえることが出来便利である。αβ平面とは三相交流を三次元の位相空間上にプロットした時にその軌跡がのる平面である。図7は三相交流電圧を三次元の位相空間上の原点からのベクトルとした時、その軌跡が上記αβ平面に円を描く様子を表したものである。三相交流電圧 U,V,Wは一般に U+V+W=0が成り立つ、ゆえに 位相空間上では ベクトルの内積 (U,V,W)*(1,1,1)=0がなり立ち、かつ |(U,V,W)|=0 のとき U=V=W=0 なので、
三相交流電圧は位相空間上で ベクトル(1,1,1)に直交し原点を通る平面上であることがわかる。
【0015】
図8 711は αβ平面上の三相交流電圧の軌跡である。三相交流電圧をある時刻の列でサンプリングした点を t1,t2,t3,t4,t5・・・ とする。
各点は平面への写像変換(αβ変換)にて平面座標(x,y)を得ている。このとき、ある時刻のサンプリング位置 712 t3 と その後の時刻のサンプリング位置 713 t4 との なす角ωをサンプリングの間隔時間で割ったものは角速度にほかならない。
【0016】
図9 はサンプリング点t2とt3とをベクトルにみた図である。 721 t3をベクトルA 722 t4 をベクトルBそのなす角をωΔtとする。このときベクトルAとベクトルBの外積は次式のようになる。
【数1】
Figure 0003624415
サンプリング間隔 Δtを小さくしてゆくと、sin ωΔtも小さくなり次の式が成り立つ。
【数2】
Figure 0003624415
またベクトルAとベクトルAの内積は次の式になる。
【数3】
Figure 0003624415
式(1),(2),(3)により周波数fは次の式で表される。
【数4】
Figure 0003624415
式(4)を用いればサンプリング毎に周波数を計測でき、一周期の間に何度も周波数を図ることが可能である。実際には後述するようにさらに式を変形し割り算を使用しないようにしさらに使用しやすくすることができる。
【0017】
図10 は αβ平面上に 711 三相電圧波形の軌跡と731 内部基準三相電圧波形の軌跡の二つを表したもので、ある時刻の列でサンプリングした点をそれぞれ t1,t2,t3,t4,・・・, n1,n2,n3,n4,・・・とする。 t1とn1は同時刻にサンプリングされた点である。この時刻におけるふたつの点の位相差はθになる。
図11 は点t1、点n1をベクトル表示したものでそれぞれC、Dとする。CとDとの外積は次の式のようになる。
【数5】
Figure 0003624415
ここでベクトルDの属する731の三相交流電圧波形を制御上で使用する仮想の基準電圧波形とし、その大きさや角速度が自由に設定できるものとする。θが小さい時、次の式が成り立つ。
【数6】
Figure 0003624415
式(6)により位相差θをサンプリング毎に知ることができる。後述するようにふたつの波形を位相同期させるのには周波数を同じにし、位相差θを0にすればよいのであってθやωを求める必要はないのでさらに式を簡略化することができる。
【0018】
図12 は周波数同一化の工程のブロック図である。ACV 商用電源電電圧 71 を xyz/αβ 変換部 72 でαβ平面に変換する。この写像により商用電源電圧は αβ平面上のベクトル R(ωt)であらわされる。 波高値、周波数を任意に変化させることのできる内部基準波をαβ平面上のベクトル U(φt)とする。φをωに近づけφ→ωとしベクトル R(ωt)とベクトル U(φt)との周波数を同じにするためには以下のような手順をふむ。電圧のサンプリングの順番をnとしその間隔をΔtとする。 ベクトルR(ωt)のnでのサンプリング値を Rnと表記する、Rn−1 を 一回前つまりΔt前のサンプリング値とした時、Rn−1は R(ωt−Δtω)73 となり 外積 75 を とると(7)式を得る。
【数7】
Figure 0003624415
一方 R(ωt)74 の 内積 76 をとり、内部基準正弦波の角速度 φ 702 とサンプリング間隔 Δt 703 とを 704 で乗じたΔtφを 77 で乗算し次の式を得る。
【数8】
Figure 0003624415
(7)式は商用電源電圧のサンプリング値 の連続した二回分の外積をとったものである。この式は前述した周波数を求める過程の途中の式で(1)式 (2)式により求められる。
(8)式は大きさ|R|のベクトルが角速度φで回っている場合に計算される外積の値である。次がなりたつ。
【数9】
Figure 0003624415
(9)式の条件式は処理の間隔により扱える周波数に限りがあることを示しており、
Figure 0003624415
の両辺をΔtωで割ることにより 式(10)のように変形でき
【数10】
Figure 0003624415
一周期あたりのサンプリング数により追従周波数に限界があることを示している。しかし、一周期あたりのサンプリング数が200もあれば、φがωの約100倍の角速度のときまで(9)式が成り立ち十二分な実用性を備えている。任意に設定できる角速度φをωのサンプリング数/2 倍より十分小さく設定しておけば、以下に導くようにφをωに収束させることができる。
【0019】
図13をもちいて説明する。x−y座標上に半径|R|の円を考える。この円周上にx軸より角度Δtωをなす点Fをとる。 つぎにx軸とに角度Δtφをなす点Aをとる。 線分O~FとO~A のなす角度を ε とおくと、このεをゼロとし、点FとAを一致させられればよい。 三角形 △OFE と三角形 △OABに注目する。次の関係が成り立つ。
【数11】
Figure 0003624415
Figure 0003624415
図13より、線分lは、円弧rよりやや短いことがわかる。
【数12】
Figure 0003624415
式(12)の関係が成り立つ。これより、線分lの長さがあたえられたとき、lの長さをもつ円弧l’を考え、そのなす角度をε’としたとき図14のようになり次の関係が成り立つ。
【数13】
Figure 0003624415
図14 に示すようにΔtφよりε’を減ずることにより点Fよりも点Aに近づいた点F’を得ることができる。 この操作を繰り返すことにより φ→ωが可能である。 この|R|を|R||R|に置き換えると式(14)となる。 1/|R||R|の項は収束する範囲内であれば任意の数値を取れるので、計算に適した数値 たとえば 1/1024や1/65536などのマイクロプロセッサに適した値を選ぶことができる。すくなくとも0以上1/|R||R|以下であれば前述した通り収束する。
【数14】
Figure 0003624415
【0020】
図15 は位相合わせの部分のブロック図である。ACV 商用電源電電圧 81 を xyz/αβ変換 部 82 でαβ平面に変換する。商用電圧のベクトルを R(ωt)83とし 任意の角速度と大きさを設定できる内部基準正弦波のベクトル U(φt - Ψ)84とする。 なお、Ψは R(ωt)とU(φt - Ψ)との位相差である。R(ωt)83 と U(φt - Ψ)84 とで 外積 85 をとると次式が得られる
【数15】
Figure 0003624415
(15)式の|U|=1とし、ω=φとおくと 式(16)となる。
【数16】
Figure 0003624415
式(16)を図に表すと図16になる。
図16 の円弧rと線分lの関係はΨ≠0のとき次式の関係になる。
【数17】
Figure 0003624415
式(16)と式(17)とより次の式を得る。
【数18】
Figure 0003624415
式(18)は式(15)よりもとめた外積を適当な数値で割ったものを減ずれば位相差が小さくなることを示している。すなわち図15の86で|R||U|より大きな数で除し88の減算にて角速度の変更可能な回転ベクトルである内部基準波Uを通じてフィードバックする。87がΔtφとなっているのはUが位相の跳躍をおこさず連続的に変化するようにするためである。この操作によりΨは0に収束する。
【0021】
商用電源が単相の場合など、ベクトル平面で処理できない場合に用いる方法を以下に述べる(請求項4)。図17はこの実施の形態を示すブロック図であり、商用電源電圧 91 より 周波数検出 92 にて 下に説明する方法で φ の内部基準正弦波の角速度 94 を得る。 このφより内部基準正弦波と第二の内部基準正弦波 U 95 を生成する。R (t)93 は 商用電源電圧 91 をサンプリングした値で、ωの角速度、Rの大きさをもち内部基準正弦波より ξの位相差をもっているとする。 周波数同一化部は、例えば、ゼロクロスを欠点を補うために数十から数百サイクル分の平均値をとった周期を用いる。96 は 乗算であり、97は 0から2πまでの区間積分を表す。この一周期分の区間積分をΔtφにフィードバックすることで、R(ωt)とU(φt)が位相同期する。
【0022】
位相同期する手段をさらに詳細に説明する。次の式は関数x(t)の角速度φにおけるフーリエ変換の定義式である。
【数19】
Figure 0003624415
これをベクトル図で表現すると、図18のようになる。式(19)の余弦項がcos(φ)と同相の成分を表しており、正弦項がcos(φ)と直交する成分を表している。任意の角速度を設定できる内部の基準波形U(φ+ξ)を次の式で定義する。
【数20】
Figure 0003624415
R(ωt)とU(φt+ξ)との式(21)を考える。
【数21】
Figure 0003624415
式(21)と式(19)を比べると式(21)の余弦項はR(ωt)と U(φt+ξ)との同相成分を表し、正弦項はR(ωt)と U(φt+ξ)との直交成分を表していることがわかる。 式(19)でもとめたX(φ)が実軸となす角度ξは位相差そのもので、
【数22】
Figure 0003624415
式(22)でξを求められる。同様にR(ωt)と U(φt+ξ)のなす位相差は次式で求められる。
【数23】
Figure 0003624415
【0023】
式(23)でa項は有限であるので位相差ξが0になるのはb項が0になる時である。
実際の計算では、一周期あたりのサンプリング数をmとしたときb項は次式で近似される。
【数24】
Figure 0003624415
bとξとの関係をグラフ化すると図19のようになる。
次の関係式が成り立つ。
【数25】
Figure 0003624415
(25)式より次式が得られ
【数26】
Figure 0003624415
(26)式に、(24)式で求めた b により ξを0に収束させることができることがわかる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による位相同期方法によれば位相差による不要な周波数変動を防ぐことができる。また従来1サイクル一回であったサンプリングを任意の数にまで増やすことができ、サンプリング頻度が上がることで検出速度があがり、またサンプル一回当たりの影響力が減り効果が平均化することにより一過性のノイズの影響が減り、位相、周波数が同期する精度と耐ノイズ性が向上する。
また単相のインバータまたはコンバータにおいては、1サイクルまたはその倍数を積分区間をすることで、本発明の積分的方法を用いることができ、サンプリング数を増やす効果を得、精度と耐ノイズ性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のゼロクロスを用いる方法におけるノイズの影響を表している。
【図2】従来のゼロクロスを用いる方法におけるノイズの影響を表している。
【図3】従来のゼロクロスを用いる方法では周波数追従において位相差を生じるが本発明における追従方法では周波数追従において位相差を生じないことを説明した図である。
【図4】本発明の位相同期方法において、高調波の成分が除去され影響がなくなることを説明した図である。
【図5】従来のゼロクロスを用いる方法と本発明における追従方法とでの位相変動における周波数変化の比較をした図である。
【図6】本発明の実施例となる回路を表した図である。
【図7】三相交流電圧をベクトルとしたとき平面に円を描く様子を表した図である。
【図8】平面上での三相交流のベクトルの軌跡を表した図である。
【図9】サンプリング点12と13をベクトルで表した図である。
【図10】三相電圧波形の軌跡と内部基準三相波形の二つの軌跡を表した図である。。
【図11】異なるふたつの三相交流ベクトルが平面上でなす角度を表した図である。
【図12】本発明の周波数同一化部を説明したブロック図である。
【図13】本発明の周波数同一化部を説明した図である
【図14】本発明の周波数同一化部を説明した図である
【図15】本発明の位相合わせ部を説明したブロック図である。。
【図16】本発明の位相合わせ部を説明した図である。
【図17】本発明の単相波形の位相合わせ部を説明したブロック図である。
【図18】本発明の単相波形の位相合わせ部を説明した図である。
【図19】本発明の単相波形の位相合わせ部を説明した図である。
【符号の説明】
11 商用電源波形
15 ノイズ
12 商用電源電圧ゼロクロス信号
16 不要なゼロクロス
13 内部波形ゼロクロス信号
14 位相差信号
17 あやまった位相差
21 ノイズ波形
22 ノイズによるゼロクロス信号
25 あやまった位相差
23 ノイズ波形が重畳
24 ノイズによるゼロクロス信号
26 あやまった位相差
31 商用電源波形
32 ゼロクロス追従
41 基本正弦波
42 9次の高調波
43 高調波を含んだ波形
45 基本波に同期した正弦波
46 基本波成分
47 高調波成分
51 電圧波形
52 従来方式追従波形
53 追従波形
61 インバータ部
62 リアクトル
63 商用電源
64 電圧検出
66 MPU
65 ADコンバータ
67 出力ポート
68 ゲート信号
71 ACV 商用電源電電圧
72 xyz/αβ 部
74 R(ωt)
73 R(ωt−Δtω)
75 外積
76 内積
81 ACV 商用電源電電圧
82 xyz/αβ 部
83 R(ωt)
84 U(φt − Ψ)
85 外積
91 商用電源電圧
92 周波数検出
94 φ の内部基準正弦波
93 商用電源電圧 をサンプリングした値
95 第二の内部基準正弦波
97 0から2πまでの区間積分

Claims (3)

  1. 三相交流の位相同期方法において、UVWをそれぞれXYZ軸とした 3 次元空間中に表わした電圧のベクトルとし,周波数同期部分が、サンプリングした商用系統電圧のベクトルとその前のサンプリングによる商用系統電圧のベクトルを保持したものとの外積結果を前記商用系統電圧と前記その前のサンプリングによる商用系統電圧のベクトルの内積で除したものを更にサンプリング間隔で割って内部基準波の角速度とすることで内部基準ベクトルの回転周波数を商用系統の周波数に同一させることを特徴とするインバータ装置用位相同期方法。
  2. 請求項1の位相同期方法において、サンプリングした商用系統電圧のベクトルと内部基準波の外積を前記系統電圧のベクトルと前記内部基準派のそれぞれの絶対値で除したものを内部基準波の位相に減算することで位相を同期させることを特徴とするインバータ装置用位相同期方法。
  3. 単相の位相同期において、内部基準波から90°位相をずらした内部基準波の波高値と商用系統電圧の波高値とを乗算し、その値を内部基準波1サイクル分を積算したものを内部基準波と商用系統電圧の絶対値で除した値を位相に減算させることで位相を同期させることを特徴とするインバータ装置用位相同期方法。
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