JP6855818B2 - 電圧異常検出装置、プログラム、電圧異常検出方法 - Google Patents
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Description
平均値比較方式は、商用電源波形を全波整流し、低域通過フィルタでリプル分を除去して直流成分に置換え、予め設定された停電検知レベルと比較するコンパレータにより停電判定出力を得る。しかし、リプル分を除去するための低域通過フィルタの時定数に起因して検出遅れが発生するという問題がある。
本発明の課題は、交流電圧波形の異常を、振幅変化と位相変化に区分して判定できると共に、発生位相に関わらず常時、定量的に監視し、高速に異常を検出できる電圧異常検出装置等を提供することである。
・入力した前記交流電圧の検出信号に追従して該検出信号に同期した信号である第1信号を生成すると共に、該第1信号の時間微分信号である第2信号を生成して、該第1信号及び第2信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る理想状態ベクトルを生成する理想状態ベクトル生成手段;
・前記交流電圧の検出信号を入力して、該検出信号に相当する第3信号を生成すると共に、該検出信号の時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成する実状態ベクトル生成手段;
・前記理想状態ベクトルに対する前記実状態ベクトルの誤差を求める手段であって、振幅に係わる誤差である振幅誤差、または/及び、位相に係わる誤差である位相誤差を求める振幅位相誤差算出手段;
・前記振幅誤差、または/及び、前記位相誤差を用いて、前記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定する異常判定手段。
図1は、実施例1の電圧異常検出装置の機能ブロック図である。
図示の例の電圧異常検出装置10は、実状態ベクトル変換部11、理想状態ベクトル生成部12、誤差状態ベクトル算出部13、振幅位相成分分解部14、評価値計算・異常判定部15等の各種処理部を有する。
ここで、上記“規格化した電圧変化速度”が“電圧変化速度/(定格振幅×定格角振動数)”となる理由は、例えば下記の考え方によるものである。
x(t)/A=(A/A)×sinωt=1sinωt
となる。つまり、振幅が‘1’の信号となる。
dx(t)/dt=ωAcosωt
となり、これが上記電圧変化速度に相当する。これを規格化するには、ωAで除算すればよい。すなわち、(ωA/ωA)×cosωt=1cosωtとすればよい。これは、すなわち、上記電圧変化速度を、上記“定格振幅×定格角振動数”で除算することになり、これによって上記“電圧変化速度/(定格振幅×定格角振動数)”が得られる。
図2において、図示の実線で示す信号波形x(t)は、理想位置信号xrp(t)あるいは実位置信号xsp(t)に相当する。図示の点線で示す信号波形v(t)は、理想速度信号xrv(t)あるいは実速度信号xsv(t)に相当する。
理想状態ベクトルxr(t)=(v(t),x(t))
とする。つまり、横軸を電圧変化速度、縦軸を電圧値とする二次元平面上のベクトルとする。なお、本発明では基本的に縦ベクトルを基準に記述しているが、ここでは記述を簡単にするために横ベクトルとして説明する。つまり、下記の(0,1)、(−1,0)等は、正確には、[0,1]T、[−1,0]Tと記すべきものであるが、ここでは簡略化して記してある。本明細書全体においても、簡略化して記している場合があるものとする。
同様にして、理想状態ベクトルxr(S3)=(0,1)、理想状態ベクトルxr(S5)=(−1,0)、理想状態ベクトルxr(S7)=(0,−1)、理想状態ベクトルxr(S9)=(1,0)となる。
一方で、上記正常状態であった交流電圧に何らかの変化があった場合、それが異常と言えるレベルとは限らないとしても、変化があった瞬間から理想状態ベクトルxr(t)とは異なる軌道となり、例えばある時点で図3に示すような状態となる。図3については後述するものとする。
図1の説明に戻る。
実状態ベクトル変換部11は、上記入力される交流電圧検出信号Vs(t)を、その現在の状態を示す定格値基準で規格化した実状態ベクトルxs(t)に変換する。
振幅位相成分分解部14では、上記誤差状態ベクトルΔxe(t)を、振幅に係わる成分(振幅誤差)と、位相に係わる成分(位相誤差)とに分解する。ここで、図3で説明したことから、理想状態ベクトルxr(t)の方向は、振幅に対応するものと考えられる。また、理想状態ベクトルxr(t)の方向に直交する方向(一般には理想状態ベクトルxr(t)の時間微分方向)は、位相に対応するものと考えられる。これより、本例では、誤差状態ベクトルΔxe(t)を、理想状態ベクトルxr(t)の方向の成分と、その位相を90°進めた方向(直交する方向)の成分とに分解して成る、振幅誤差Δrと位相誤差Δθを求める。
尚、(A)式におけるθrは、図3に示す通り、理想状態ベクトルxr(t)の回転角である。
このベクトルPは、x−y座標系では図示のようにP=(px,py)となっている。
この例において、上記ベクトルPを、x−y座標系からx’−y’座標系に座標変換する式は、下記の通りとなる。
また、上記(A)式や(A)’式における角度θrは、理想状態ベクトルxr(t)から求めることができる。すなわち、理想状態ベクトルxr(t)の長さは常に‘1’と見做してよいので、1×sinθr=xrp(t)、1×cosθr=xrv(t)と見做してよいことになる。これより、理想状態ベクトルxr(t)に基づいて、角度θrを求めることができるが、上記のように見做すことは、(A)’式の右側に示す意味となるので、結局、角度θrを求めなくても、下記のように、振幅誤差Δrと位相誤差Δθを求めることができる。
Δθ=−xrpΔxev+xrvΔxep
例えばこのようにして、振幅位相成分分解部14は、誤差状態ベクトルΔxe(t)を、理想状態ベクトルxr(t)の方向の成分と、この方向に直交する方向の成分とに分解して成る、上記振幅誤差Δrと位相誤差Δθを求める。
上述したように、本手法によれば、交流電圧波形の異常を、振幅変化と位相変化に区分して判定できると共に、発生位相に関わらず常時、定量的に監視し、高速に異常を検出できる。
以下、実施例2について説明する。
図6は、実施例2の電圧異常検出装置の機能ブロック図である。
振幅位相成分分解部21は、理想状態基準で規格化された実状態ベクトルを求める処理機能部である。
θ’= −xrpxsv+xrvxsp
尚、本明細書や図面において、表記を簡単にするために(t)を省略して示す場合があるものとする。例えば、上記振幅成分rは、振幅成分r(t)の(t)を省略して示したものと見做しても構わない。省略しているが、本処理は、各時刻t毎に対応したものとなる。
図示のように理想基準座標系における実状態ベクトルをxs’とし、
xs’=(xsr,xsθ)
とするならば、上記(B)’式による座標変換における上記r、θ’が、xsr、xsθに相当することになる((r,θ’)=(xsr,xsθ))
また、理想状態ベクトルxr自体は、当然、理想基準座標系ではX軸と同じになり、また、その長さは常に‘1’であることから、理想基準座標系における理想状態ベクトルをxr’とすると、図示のように、
xr’=(1,0)
となる。
において状態変数xrvを角振動数で規格化した速度としている工夫による。
図8は、状態平面上での単振動の表現を示す図である。
このとき、状態軌道の規格化した速度軸上への射影が単振動の速度xrv(t)=cosωtを、位置軸上への射影が単振動の位置xrp(t)=sinωtを表している。ここでは規格化された振動状態を考えるので初期状態ベクトルは単位円上にとって、単位円上の状態軌道のみを考える。
従来は、交流電圧の位相のずれを含めた電圧波形の正常時からの変化を定量的に監視したり異常を検出したりできなかった。これに対して、本発明によれば、交流電圧波形の異常を、振幅変化と位相変化に区分して判定できると共に、発生位相に関わらず常時、定量的に監視することができ、以って高速に異常を検出できる。
図1や図10において、振幅位相成分分解部14から出力される振幅誤差や位相誤差に、直流的なオフセットが重畳される場合がある。このような直流的なオフセットの重畳は、フィルタ特性に起因するものと考えられ(例えば“擬似微分特性を持つフィルタ”の特性)、実際に本発明者などにより確認されている現象である。尚、各種近似計算をしていること等により、オフセットが生じている可能性も考えられる。正常時においては誤差ベクトルを構成する振幅誤差Δr、位相誤差Δθの何れもほぼ‘0’となるはずであるが、実際には‘0’にはならず、任意の値が観測される
図1においては、振幅位相成分分解部14から出力される振幅誤差や位相誤差が、そのまま、評価値計算・異常判定部15に入力されるので、オフセットの影響により、所望の電圧異常判定動作が困難になることがある。例えば、オフセットの重畳により異常判定閾値に到達しやすくなったり、逆に到達し難くなったりすることで、意図せず電圧異常検出感度が変化することがある。
オフセット除去処理の第1の構成例は、オフセットに時間的変動が少ない場合に適しており、誤差のゆっくりとした変動を捉えることができる。一方、オフセット除去処理の第2の構成例は、常時、オフセットを定常値として計算していることから、オフセットが時間変動する場合のオフセット除去性能が高いが、ゆっくりとした変動を捉えにくい傾向がある。ただし、定常値計算部45の低域通過フィルタのカットオフ周波数や移動平均処理の平均区間長により、ある程度調整が可能である。調整の方向としてはオフセットの時間的変動が速い場合はカットオフ周波数を高く、移動平均区間長を短くし、オフセットの時間的変動が遅い場合はカットオフ周波数を低く、移動平均区間長を長くする。第1の構成例では、定常値の計測と記憶の頻度を上げることでオフセットの時間的変動に対処することも可能である。
例えば、図1や図13において、振幅位相成分分解部14から出力される振幅誤差や位相誤差に、交流的なリプル(例えば正弦波状のリプル)が重畳する場合がある。図1においては、振幅位相成分分解部14から出力される振幅誤差や位相誤差が、そのまま、評価値計算・異常判定部15に入力されるので、リプルの影響により、所望の電圧異常判定動作が困難になることがある。例えば、リプルの重畳により異常判定閾値に到達しやすくなり、意図せず電圧異常検出感度が高くなることがある。
実施例5は、図1や図6や図10や図13における「評価値計算・異常判定部15」の処理の一例を提案するものである。
一方、「系統擾乱」とは、FRTに係わるものである。FRTとは“Fault Ride Through”の略であり、系統擾乱時における運転継続性能を意味する。商用電源系統に関して、落雷等によって一時的に大きな電圧降下が生じる場合がある。この様な場合に、上記分散型電源のような発電設備が系統から一斉に解列すると、電力品質に大きな影響を与えることになり、停電を招く場合がある。この為、「系統擾乱」時には分散型電源等の発電設備を系統から解列しないようにする必要がある。
尚、特に図示しないが、一般的に、例えば太陽光発電設備により発電した直流電流を交流電流に変換する装置(PCS;パワーコンディショナー(Power Conditioning System))が設けられている。このPCSは例えば上記部分系統に接続されており、この部分系統に接続された任意の負荷に電力供給する。また、部分系統は変圧器を介して商用電源系統に接続している。
図14には、振幅誤差を横軸、位相誤差を縦軸とした二次元平面(誤差状態平面と呼ぶものとする)が、示されている。誤差状態平面上には、誤差状態がその領域に入れば特定の電圧異常と判定するための2種類の判定領域が設定れている。一つは正負に分割された単独運転判定領域であり、もう一つは系統擾乱時運転継続判定領域である。これら各判定領域は、例えば開発者等が任意に決めて設定する。
概略的には、位相誤差Δθまたは/及び振幅誤差Δrを、上記各判定領域に対応する所定の各種閾値と比較することで、振幅誤差Δrと位相誤差Δθとによって示される座標が、単独運転判定領域や系統擾乱時運転継続判定領域の領域内にあるか否かを判別する。これによって、「系統擾乱」や「単独運転」を判別する。尚、各判定領域(対応する各閾値)は、例えば開発者等が予め任意に設定してよいが、この例に限らない。
図14で説明したように、この例では「単独運転」判定には位相誤差Δθのみを用い、図15に示すように位相誤差Δθの絶対値が閾値ΔθthISLD以上であるか否かを判定するものである。位相誤差Δθの絶対値が閾値ΔθthISLD以上である場合には「単独運転」であると判定する。
図18は、既存の電圧異常判定方法を示すブロック図、図19は図18の電圧異常判定方法をロジック表現した図である。
図19に示す例では、「系統擾乱」判定には振幅情報を用い、「単独運転」判定には振幅情報と位相情報を用いる。
本発明の電圧異常検出装置は、監視対象の交流電圧の異常を検出する電圧異常検出装置であって、例えば不図示の下記の各種機能部を有する。尚、本発明の電圧異常検出装置は、上記電圧異常検出装置10と同様、演算プロセッサ、記憶装置などを有し、記憶装置には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。演算プロセッサが、このアプリケーションプログラムを実行することで、下記の各種処理機能部の処理機能が実現される。
上記交流電圧の検出信号を入力して、該交流電圧検出信号に相当する第3信号を生成すると共に、該交流電圧検出信号の時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成する実状態ベクトル生成機能部(不図示);
ここで、上記「交流電圧検出信号に相当する第3信号」とは、例えば、交流電圧検出信号とは振幅のみが異なる信号(よって、信号の内容自体は同一)であることを意味するが、この例に限らず、交流電圧検出信号と同一の信号であっても構わない。また、これより、「交流電圧検出信号に相当する」信号の一例が、例えば、「交流電圧検出信号に比例する」信号であると言うこともできる。勿論、この例に限らない。
上記理想状態ベクトルに対する上記実状態ベクトルの誤差を求める処理機能部であって、振幅に係わる誤差である振幅誤差、または/及び、位相に係わる誤差である位相誤差を求める振幅位相誤差算出機能部(不図示);
上記振幅誤差、または/及び、上記位相誤差を用いて、上記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定する異常判定機能部(不図示)。
尚、例えば、上記第1信号と第2信号も、同一の基準に基づき規格化された信号とすることが望ましい。
また、例えば、上記位相同期回路は、上記監視対象の交流電圧が正常状態から異常状態になっても、追従の遅いことによる遅れ時間分の間、正常状態に応じた上記第1信号を継続して出力するものであってもよい。
また、例えば、上記理想状態ベクトル生成機能部(不図示)、または/及び、上記実状態ベクトル生成機能部(不図示)は、“擬似微分特性を持つフィルタ”(一例としてはハイパスフィルタ)を用いて、上記時間微分信号を求めるものであってもよい。
また、異常判定機能部(不図示)は、例えば、振幅誤差と位相誤差と、位相情報とに基づいて、「単独運転」や「系統擾乱」の判定を行うものであっても構わない。
また、上記位相情報は、例えば従来のゼロクロス検知により求めた、監視対象電圧の位相に係わる情報(周波数情報や周期情報等も同等)である。
尚、よく知られているように、1次フィルタへの入力に対するフィルタ出力の位相差は、ハイパスフィルタでは、高周波になるにつれて0°低周波になるにつれて+90°(位相進みが90°)に漸近するのに対して、ローパスフィルタでは、低周波になるにつれて0°高周波になるにつれて−90°(位相遅れが90°)に漸近する。位相が90°進んでいるということは、微分特性を意味する。逆に、位相が90°遅れているということは、積分特性を意味する。つまり、1次のハイパスフィルタは、低周波領域では、微分特性を持っている。このように、部分的に微分の特性を持っていることから、1次ハイパスフィルタは不完全微分あるいは擬似微分特性を持つフィルタ等と呼ばれる場合がある。一方、1次のローパスフィルタは、高周波領域で積分特性を有する。したがって、1次ローパスフィルタの別名は、不完全積分等である。
すなわち、上記の通り予め設定される閾値を用いて交流電圧の正常・異常を判定するが、この閾値の設定に関するメリットが得られる。つまり、上述した“規格化”や“定格値基準で規格化”を行う場合には、閾値を例えば「定格基準でm%未満(m;任意の整数や実数など)」という形式で定格値にかかわらず同じ閾値に設定することが可能となる。一方、“規格化”や“定格値基準で規格化”を行なわない場合には、上記と等価な設定をするためには、監視対象の交流電圧の定格値に応じて、それぞれ、異なった閾値を設定する必要がある。例えば、監視対象の交流電圧の定格値が、50(V)の場合と、100(V)の場合と、200(V)の場合とで、それぞれ、異なった閾値を設定する必要がある。上述した“規格化”や“定格値基準で規格化”を行うことで、この様な閾値の設定作業負担を軽減できるというメリットが得られる。
11 実状態ベクトル変換部
11a 電圧変化速度検出部
11b 規格化部
11c 規格化部
12 理想状態ベクトル生成部
13 誤差状態ベクトル算出部
14 振幅位相成分分解部
15 評価値計算・異常判定部
21 振幅位相成分分解部
22 誤差状態ベクトル算出部
41,42 オフセット除去部
43 正常時の定常値計測・記憶部
44 減算器
45 定常値計算部
46 減算器
51,52 リプル除去部
61,62,63 論理積
Claims (19)
- 監視対象の交流電圧の異常を検出する電圧異常検出装置であって、
入力した前記交流電圧の検出信号に追従して該検出信号に同期した信号である第1信号を生成すると共に、該第1信号の時間微分信号である第2信号を生成して、該第1信号及び第2信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る理想状態ベクトルを生成する理想状態ベクトル生成手段と、
前記交流電圧の検出信号を入力して、該検出信号に相当する第3信号を生成すると共に、該検出信号の時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成する実状態ベクトル生成手段と、
前記理想状態ベクトルに対する前記実状態ベクトルの誤差を求める手段であって、振幅に係わる誤差である振幅誤差、または/及び、位相に係わる誤差である位相誤差を求める振幅位相誤差算出手段と、
前記振幅誤差、または/及び、前記位相誤差を用いて、前記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
を有することを特徴とする電圧異常検出装置。 - 前記振幅位相誤差算出手段は、
前記実状態ベクトルと前記理想状態ベクトルとの差を示す誤差状態ベクトルを生成する第1誤差状態ベクトル生成手段と、
該誤差状態ベクトルから、前記理想状態ベクトルの方向の成分である前記振幅誤差、または/及び、該理想状態ベクトル方向に直交する方向の成分である前記位相誤差を求める第1振幅位相成分分解手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の電圧異常検出装置。 - 前記振幅位相誤差算出手段は、
前記実状態ベクトルから、前記理想状態ベクトルの方向の成分である振幅成分、または/及び、該理想状態ベクトル方向に直交する方向の成分である位相成分を求める第2振幅位相成分分解手段と、
前記振幅成分、または/及び、前記位相成分について、それぞれ、前記理想状態ベクトルの同成分との差分を求めることで、前記振幅誤差、または/及び、前記位相誤差を求める第2誤差状態ベクトル生成手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の電圧異常検出装置。 - 前記理想状態ベクトル生成手段は、追従の遅い位相同期回路を有し、該位相同期回路によって前記第1信号を生成することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電圧異常検出装置。
- 前記位相同期回路は、前記監視対象の交流電圧が正常状態から異常状態になっても、追従の遅いことによる遅れ時間分の間、正常状態に応じた前記第1信号を継続して出力することを特徴とする請求項4記載の電圧異常検出装置。
- 前記第1信号、前記第2信号、前記第3信号、前記第4信号は、同一基準でスケーリングされた信号であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電圧異常検出装置。
- 前記第1信号と前記第2信号、及び/または、前記第3信号と前記第4信号は、前記検出信号を規格化した信号であることを特徴とする請求項6記載の電圧異常検出装置。
- 前記第1信号と前記第2信号、及び/または、前記第3信号と前記第4信号は、前記検出信号を定格値基準で規格化した信号であることを特徴とする請求項7記載の電圧異常検出装置。
- 前記時間微分信号は、位相を90度進めた信号であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電圧異常検出装置。
- 前記理想状態ベクトル生成手段、または/及び、前記実状態ベクトル生成手段は、擬似微分特性を持つフィルタを用いて、前記時間微分信号を求めることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電圧異常検出装置。
- 前記擬似微分特性を持つフィルタは、ハイパスフィルタであることを特徴とする請求項10記載の電圧異常検出装置。
- 前記理想状態ベクトル生成手段と前記実状態ベクトル生成手段が、それぞれ、前記擬似微分特性を持つフィルタを持つ場合、
前記理想状態ベクトル生成手段の前記擬似微分特性を持つフィルタと、前記実状態ベクトル生成手段の前記擬似微分特性を持つフィルタとで、同一の微分特性を持つことを特徴とする請求項10記載の電圧異常検出装置。 - 前記振幅位相誤差算出手段によって求められた前記振幅誤差または前記位相誤差に重畳されるオフセットを、除去するオフセット除去手段を更に有し、
前記異常判定手段は、該オフセット除去手段によるオフセット除去後の振幅誤差または/及び位相誤差を用いて、前記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の電圧異常検出装置。 - 前記オフセット除去手段は、前記振幅位相誤差算出手段によって求められた前記振幅誤差または前記位相誤差の定常値を計測して、該計測した定常値を前記振幅誤差または前記位相誤差から減じることで、オフセットを除去することを特徴とする請求項13記載の電圧異常検出装置。
- 前記振幅位相誤差算出手段によって求められた前記振幅誤差または前記位相誤差に重畳されるリプルを、除去するリプル除去手段を更に有し、
前記異常判定手段は、該リプル除去手段によるリプル除去後の振幅誤差または/及び位相誤差を用いて、前記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の電圧異常検出装置。 - 前記リプル除去手段は、その中心周波数が前記監視対象の交流電圧の定格周波数の2倍の周波数である帯域除去フィルタを有することを特徴とする請求項15記載の電圧異常検出装置。
- 前記振幅誤差と前記位相誤差とに応じた二次元平面上に、単独運転判定領域、または/及び、系統擾乱時運転継続判定領域が、予め任意に且つ相互に排他的に設定されており、
前記異常判定手段は、前記振幅誤差または/及び前記位相誤差と、前記単独運転判定領域または/及び前記系統擾乱時運転継続判定領域とに基づいて、単独運転であるか否か、または/及び、系統擾乱であるか否かを、判定することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の電圧異常検出装置。 - 請求項1の電圧異常検出装置を、多相交流電圧の各相に対してそれぞれ設けて、
該各電圧異常検出装置の前記異常判定手段による判定結果の論理和により前記多相交流電圧全体の異常判定を行うことを特徴とする電圧異常検出方法。 - 監視対象の交流電圧の異常を検出する電圧異常検出装置のコンピュータを、
入力した前記交流電圧の検出信号に追従して該検出信号に同期した信号である第1信号を生成すると共に、該第1信号の時間微分信号である第2信号を生成して、該第1信号及び第2信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る理想状態ベクトルを生成する理想状態ベクトル生成手段と、
前記交流電圧の検出信号を入力して、該検出信号に相当する第3信号を生成すると共に、該検出信号の時間微分信号である第4信号を生成して、該第3信号及び第4信号を成分として、時間経過に従って状態平面上を推移する状態ベクトルとして成る実状態ベクトルを生成する実状態ベクトル生成手段と、
前記理想状態ベクトルに対する前記実状態ベクトルの誤差を求める手段であって、振幅に係わる誤差である振幅誤差、または/及び、位相に係わる誤差である位相誤差を求める振幅位相誤差算出手段と、
前記振幅誤差、または/及び、前記位相誤差を用いて、前記監視対象の交流電圧が異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
として機能させる為のプログラム。
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