JP2016082655A - 位相同期ループ、電力変換装置、及び、位相同期方法 - Google Patents

位相同期ループ、電力変換装置、及び、位相同期方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016082655A
JP2016082655A JP2014210219A JP2014210219A JP2016082655A JP 2016082655 A JP2016082655 A JP 2016082655A JP 2014210219 A JP2014210219 A JP 2014210219A JP 2014210219 A JP2014210219 A JP 2014210219A JP 2016082655 A JP2016082655 A JP 2016082655A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
voltage
locked loop
coordinate
coordinate system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014210219A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016082655A5 (ja
Inventor
俊明 奥村
Toshiaki Okumura
俊明 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2014210219A priority Critical patent/JP2016082655A/ja
Publication of JP2016082655A publication Critical patent/JP2016082655A/ja
Publication of JP2016082655A5 publication Critical patent/JP2016082655A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】単相交流用の位相同期ループにおける位相同期の精度を向上させる。【解決手段】この位相同期ループは、3相から2相へ直交座標変換後のα−β座標系からさらに、回転座標であるd−q座標系へ電圧を座標変換し、無効電圧成分を0にするよう制御する位相同期ループであって、α−β座標系における電圧Vα,Vβとして、位相同期の対象となる単相交流の実際の電圧をVαとし、かつ、Vαの時間微分値であって単相交流の周波数を係数に含む値を擬似的な電圧Vβとして使用する位相同期ループである。【選択図】図10

Description

本発明は、商用電力系統の位相同期ループ(PLL:Phase Locked Loop)に関し、特に、単相交流用の位相同期ループに関する。
商用電力系統に系統連系して逆潮するインバータ、パワーコンディショナ、又は、逆に商用電力系統側から直流機器に給電するためのコンバータ等の電力変換装置は、系統電圧の位相と同期して、例えば以下の機能を有する必要がある。
(a)インバータ(又はコンバータ)の入出力電流の力率が1となるように制御すること、
(b)商用電力系統の周波数が異常(所定値の許容範囲外)のときには運転を停止する連系保護機能を動作させること、及び、
(c)単独運転防止のために無効電力制御及び周波数検出を行うこと、
である。
上記のような機能を実現するためには、系統電圧を高速(kHz以上)にサンプリングして、精度良く位相同期を確立することが重要である。従って、電力変換装置の制御部に、PLLの機能が必要である(例えば、特許文献1,2参照。)。
特許第5076730号公報 特開2008−177991号公報
3相交流を位相同期の対象とするPLLは、3相から2相への直交座標変換(U,V,W→α,βの座標変換)及び、静止座標から回転座標への変換(α,β→d,qの座標変換)を行い、無効電圧成分を0にする制御を行うことが一般的である。これにより、サンプリング周期で制御し、高精度な位相同期を実現することができる。
一方、単相交流の場合は、波形が1つしかないので、ゼロクロス点等の特徴点を抽出して、位相・周波数を算出することが行われている。
しかしながら、交流波形に歪が含まれている場合や、ノイズにより測定精度が良くない場合に、位相同期を行うと、3相交流のPLLは高精度を維持することが容易であるが、単相交流のPLLは精度が悪くなりやすい。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、単相交流用の位相同期ループにおける位相同期の精度を向上させることを目的とする。
本発明の位相同期ループは、3相から2相へ直交座標変換後のα−β座標系からさらに、回転座標であるd−q座標系へ電圧を座標変換し、無効電圧成分を0にするよう制御する位相同期ループであって、α−β座標系における電圧Vα,Vβとして、位相同期の対象となる単相交流の実際の電圧をVαとし、かつ、Vαの時間微分値であって前記単相交流の周波数を係数に含む値を擬似的な電圧Vβとして使用する位相同期ループである。
また、この位相同期ループは、電力変換装置に搭載することができる。
また、本発明の位相同期方法は、3相から2相へ直交座標変換後のα−β座標系における電圧Vα,Vβとして、位相同期の対象となる単相交流の実際の電圧をVαとし、かつ、Vαの時間微分値であって前記単相交流の周波数を係数に含む値を擬似的な電圧Vβとして使用し、α−β座標系からさらに、回転座標であるd−q座標系へ電圧を座標変換し、無効電圧成分を0にするよう制御する、位相同期方法である。
本発明によれば、単相交流用の位相同期ループにおける位相同期の精度を向上させることができる。
電力変換装置を備えたシステムの一例を示すブロック図である。 電力変換装置の回路図の一例である。 座標変換を利用した3相交流PLLのグラフである。 3相交流PLLの制御ブロック図である。 Vα,Vβの波形と、Vd,Vqの直線波形とを示すグラフである。 Vα、Vβ以降のPLLの制御ブロック図である。 1/4周期前とみなす系統電圧を、Vβとして使う場合の、制御ブロック図である。 参考例1の場合の電圧Vα、Vβ(擬似的)、電圧Vd、電圧Vqのグラフである。 周波数f(実線)及び位相ωt(点線)のグラフである。 本実施形態のVβ作成に関する制御ブロック図である。 本実施形態の電圧Vα、Vβ(擬似的)、電圧Vd、電圧Vqのグラフである。 周波数f(実線)及び位相ωt(点線)のグラフである。 時刻35m秒(0.035秒)付近で約45度、位相が急変した例を示す単相交流波形のグラフである。 図13に示す位相急変に対して本実施形態のVβを適用した場合の、電圧Vα、Vβ(擬似的)、電圧Vd、電圧Vqのグラフである。 周波数f(実線)及び位相ωt(点線)のグラフである。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)これは、3相から2相へ直交座標変換後のα−β座標系からさらに、回転座標であるd−q座標系へ電圧を座標変換し、無効電圧成分を0にするよう制御する位相同期ループであって、α−β座標系における電圧Vα,Vβとして、位相同期の対象となる単相交流の実際の電圧をVαとし、かつ、Vαの時間微分値であって前記単相交流の周波数を係数に含む値を擬似的な電圧Vβとして使用する位相同期ループである。
上記のような位相同期ループでは、本来は存在しない電圧Vβを、電圧Vαから擬似的に作り出し、これにより、α−β座標系からd−q座標系への座標変換を適用することができる。従って、3相交流の位相同期ループと同様な高精度な位相同期を実現することができる。また、電圧Vβは単相交流の周波数を係数に含むので、位相変動があっても、それに応じた電圧Vβを設定することができる。
(2)また、(1)の位相同期ループにおいて、時間をt、前記単相交流の周波数をf1、1サイクルのサンプリング数をN、サンプリング周波数をfs(=N・f1)、サンプリング周期をΔt(=1/fs)、Nの範囲内の任意の自然数をn(≦N)、n番目のVαから(n−1)番目のVαを引いた値をΔVαとすると、
Vβ={−1/(2πf1)} × (ΔVα/Δt)
={−fs/(2πf1)} × ΔVα
であることが好ましい。
この場合、ΔVαの係数がf1の関数になるため、位相変動があっても、それに応じた電圧Vβを設定することができる。
(3)また、これは、商用電力系統と系統連系する電力変換装置であって、(1)若しくは(2)に記載の位相同期ループをソフトウェアにより実現する制御部を備えた電力変換装置でもある。
この場合、系統電圧に位相変動があっても、系統電圧と位相同期した電流を、電力変換装置から出力することができる。
(4)一方、これは、3相から2相へ直交座標変換後のα−β座標系における電圧Vα,Vβとして、位相同期の対象となる単相交流の実際の電圧をVαとし、かつ、Vαの時間微分値であって前記単相交流の周波数を係数に含む値を擬似的な電圧Vβとして使用し、α−β座標系からさらに、回転座標であるd−q座標系へ電圧を座標変換し、無効電圧成分を0にするよう制御する、位相同期方法である。
上記のような位相同期方法では、本来は存在しない電圧Vβを、電圧Vαから擬似的に作り出し、これにより、α−β座標系からd−q座標系への座標変換を適用することができる。従って、3相交流の位相同期ループと同様な高精度な位相同期を実現することができる。また、電圧Vβは単相交流の周波数を係数に含むので、位相変動があっても、それに応じた電圧Vβを設定することができる。
[実施形態の詳細]
《システム構成例》
図1は、電力変換装置を備えたシステムの一例を示すブロック図である。図中、電力変換装置1の入力端には、直流電源としての太陽光発電パネル2が接続され、出力端には、交流の商用電力系統3が接続されている。このシステムは、太陽光発電パネル2が発電する直流電力を交流電力に変換し、商用電力系統3に出力する連系運転を行う。
電力変換装置1は、主として、太陽光発電パネル2が出力する直流電力が与えられる昇圧回路10と、昇圧回路10から与えられる電力を交流電力に変換して商用電力系統3に出力するインバータ回路11と、これら両回路10,11の動作を制御する制御部12とを備えている。
《電力変換装置》
図2は、電力変換装置1の回路図の一例である。
昇圧回路10は、直流リアクトル15と、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるスイッチング素子Qb1,Qb2とを備えており、昇圧チョッパ回路を構成している。スイッチング素子Qb1,Qb2のオン/オフは、制御部12により制御される。スイッチング素子Qb1,Qb2を交互にオンにすることにより、昇圧を行うことができる。
昇圧回路10の入力側には、第1電圧センサ17、第1電流センサ18、及び平滑化のためのコンデンサ26が設けられている。第1電圧センサ17は、太陽光発電パネル2から昇圧回路10に入力される電圧値(直流入力電圧値)を検出し、制御部12に出力する。第1電流センサ18は、直流リアクトル15に流れる電流値(昇圧回路電流値)を検出し、制御部12に出力する。
制御部12は、上記直流入力電圧値及び上記昇圧回路電流値から入力電力を演算し、太陽光発電パネル2に対するMPPT(Maximum Power Point Tracking:最大電力点追従)制御を行う機能を有している。
昇圧回路10と、インバータ回路11との間には、平滑用のコンデンサ19が接続されている。インバータ回路11は、例えばFET(Field Effect Transistor)であるスイッチング素子Q1〜Q4を備えている。これらスイッチング素子Q1〜Q4は、フルブリッジ回路を構成している。制御部12は、各スイッチング素子Q1〜Q4の動作をPWM制御する。これにより、インバータ回路11は、昇圧回路10から与えられる電力を交流電力に変換する。
また、電力変換装置1は、インバータ回路11と、商用電力系統3との間にフィルタ回路21を備えている。
フィルタ回路21は、一対の交流リアクトル22と、交流リアクトル22の後段に設けられたコンデンサ23とを備えている。フィルタ回路21は、インバータ回路11から出力される交流電力に含まれる高周波成分を除去する機能を有している。フィルタ回路21により高周波成分が除去された交流電力は、商用電力系統3に与えられる。
また、フィルタ回路21には、インバータ回路11による出力の電流値(インバータ電流値)を検出するための第2電流センサ24が接続されている。さらに、フィルタ回路21と、商用電力系統3との間には、商用電力系統3側の電圧値(系統電圧値)を検出するための第2電圧センサ25が接続されている。
第2電流センサ24及び第2電圧センサ25は、検出した系統電圧値及びインバータ電流値を制御部12に出力する。
制御部12は、系統電圧値、インバータ電流値、直流入力電圧値、昇圧回路電流値に基づいて、昇圧回路10及びインバータ回路11を制御する。
商用電力系統3と系統連系する電力変換装置1は、系統電圧と合わせた電圧を出力するとともに、系統電圧と同じ位相で電流を出力する必要がある。そのために、制御部12は、位相同期ループ(PLL)12pを搭載している。
なお、制御部12の機能は、その一部又は全部がハードウェア回路によって構成されてもよいが、ここでは、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータによって実行させることで実現されるものとする。制御部12の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータの記憶装置(図示省略)に格納される。
以下、PLLの機能について詳細に説明する。
《3相交流PLL(参考)》
まず、本実施形態の考え方の基になっている3相交流PLLについて説明する。
図3は、座標変換を利用した3相交流PLLのグラフである。まず、上段のグラフは3相交流の電圧波形を示している。u,v,wの各相の電圧をVu,Vv,Vwとすると、これらを、以下の式(1)により、α−β座標系の電圧Vα,Vβに変換することができる。
図3の中段のグラフは、Vα,Vβの波形である。これらをさらに、位相θrを用いた以下の式(2)により、d−q座標系の電圧Vd,Vqに変換することができる。
図3の下段のグラフは、Vd,Vqの直線波形であり、PLLが適切に行われている場合はVq=0となる。なお、座標軸の取り方次第ではVd=0にもなり得るが、本質的にはいずれでも同じことである。
図4は、3相交流PLLの制御ブロック図である。
図において、電圧Vu,Vv,Vwは、α−β座標系に変換されて電圧Vα,Vβとなり、さらに、d−q座標系への変換により、電圧Vd,Vqとなる。電圧Vq=0となるようにフィードバック制御が行われ、周波数f及び位相調整値Δωtが決まる。このΔωtを、1ステップ前のωtに加算し、新たなωtが決まる。
《単相交流PLL》
次に、位相同期ループ12pとして、上記3相交流PLLの考え方を利用した単相交流PLL(単相交流用の位相同期ループ及び位相同期方法)について説明する。単相交流PLLは、3相交流PLLにおけるVαに、単相交流の系統電圧を当てはめる。Vβは存在しないが、Vαから擬似的に作り出す。
図5の上段のグラフは、Vα,Vβの波形である。これらをさらに、以下の式(2)(前掲の式(2)と同じ)により、d−q座標系の電圧Vd,Vqに変換することができる。
図5の下段のグラフは、Vd,Vqの直線波形であり、PLLが適切に行われている場合はVq=0となる。なお、座標軸の取り方次第ではVd=0にもなり得るが、本質的にはいずれでも同じことである。
図6は、単相交流PLLとして必要な、Vα、Vβ以降のPLLの制御ブロック図である。
図において、α−β座標系の電圧Vα,Vβは、d−q座標系への変換により、電圧Vd,Vqとなる。電圧Vq=0となるようにフィードバック制御が行われ、周波数f及び位相調整値Δωtが決まる。このΔωtを、1ステップ前のωtに加算し、新たなωtが決まる。
(Vβの作り方:参考例1)
ここで、電圧Vαには系統電圧をそのまま使用することができる。一方、電圧Vβの作り方としては、例えば、系統周波数の半周期ほど続けて系統電圧Vgacを取得し、1/4周期前とみなす系統電圧Vgacを、Vβとして使う。すなわち、この場合のVα、Vβは、以下の式(3)により表される。また、図7は、1/4周期前とみなす系統電圧Vgacを、Vβとして使う場合の、制御ブロック図である。
しかしながら、1/4周期前のサンプリングデータを参照するためには、1/4周期より長い例えば1/2周期のデータを常時保持する必要がある。例えば、系統電圧の周波数f1が50Hz、サンプリング周波数fsが20kHzとすると、1/4周期分のデータを保持するには、(20kHz/50Hz)×(1/2)で、200個のデータを保持する必要がある。従って、メモリを圧迫するという課題がある。
図8は、参考例1の場合の電圧Vα、Vβ(擬似的)、電圧Vd、電圧Vqのグラフである。また、図9は、周波数f(実線)及び位相ωt(点線)のグラフである。図8,図9より、0〜0.03秒付近までの時間内で、波形の変動が現れている。言い換えれば、波形が落ち着くまでの収束が遅く、PLLの応答が良くない。
(Vβの作り方:その他の参考例)
一方、適当に用意したVd,Vqから以下の逆変換の式(4)を用いて電圧Vα,Vβのサンプルを求め、系統電圧VgacをVαとした場合に想定されるVβを使うことも考えられる。
しかし、この場合、三角関数を多用することとなり、演算処理時間が長くなる。すなわち、いわゆる演算コストが高い状態となる。
また、電圧Vdに位相が90度遅れた正弦波を乗算して電圧Vβを作ることも可能である(例えば前述の特許文献1参照。)。しかしこの場合は、商用電力系統に起こり得る位相急変が電圧Vβに反映されず、従って位相同期までの応答時間が長くなる。
その他、Vβを内部基準信号として作成する提案もある(例えば、前述の特許文献2参照。)。しかし、この場合も同様に、商用電力系統に起こり得る位相急変が電圧Vβに反映されず、従って位相同期までの応答時間が長くなる。
(本実施形態のVβ作成方法)
そこで、本実施形態の位相同期ループでは、電圧Vβとして、Vαの微分を利用する。
単相交流の周波数をf1、時間をt、Vα=sinθ、Vβ=−cosθとすると、Vβは、90度(π/4[rad])遅れたVαの波形とみなせる。
Vα=Asin(2πf1t)、Vβ=−Acos(2πf1t)とすると、
dVα/dt=2πf1・Acos(2πf1t)=−2πf1Vβ ・・・(5)
となる。
ここから、
Vβ=−1/(2πf1)× dVa/dt ・・・(6)
となり、Vαの微分を使った表現ができる。
ソフトウェアによる演算のような離散化した表現では、1サイクルのサンプリング数をN、サンプリング周波数をfs(=N・f1)、サンプリング周期をΔt(=1/fs)、Nの範囲内の任意の自然数をn(≦N)、n番目のVαから(n−1)番目のVαを引いた値をΔVαとすると、
Vβ=(−1/2πf1)× (ΔVa/Δt)
=(−fs/2πf1)× ΔVa ・・・(7)
但し、ΔVa=Va(n番目)−Va(n−1番目)、である。
上記式(6)、(7)によれば、Vβの係数にf1が入っており、係数がf1の関数になっている。従って、位相変動があっても、f1の変化に追随してVβが変化する。すなわち、位相変動に対する応答性が良くなる。
図10は、本実施形態のVβ作成に関する制御ブロック図である。
また、図11は、本実施形態の電圧Vα、Vβ(擬似的)、電圧Vd、電圧Vqのグラフである。さらに、図12は、周波数f(実線)及び位相ωt(点線)のグラフである。図8及び図9との比較により明らかなように、初期の変動は少なく、周波数・位相は迅速に同期する。すなわち、PLLの応答性に優れていることがわかる。
上記のような本実施形態のVβ作成方法によれば、以下の利点がある。
(a)演算に多くのメモリ容量を必要としない。
(b)演算処理時間が短く、演算コストが比較的安い。
(c)位相急変のような急峻な変化への応答性が良い。
図13は、時刻35m秒(0.035秒)付近で約45度、位相が急変した一例を示す単相交流波形のグラフである。また、図14は、図13に示す位相急変に対して本実施形態に係る位相同期ループのVβを適用した場合の、電圧Vα、Vβ(擬似的)、電圧Vd、電圧Vqのグラフである。また、同じく図15は、周波数f(実線)及び位相ωt(点線)のグラフである。
図15により明らかなように、位相急変後も、迅速に周波数は50Hzに収束し、PLLに成功していることがわかる。
《むすび》
本実施形態の位相同期ループでは、本来は存在しない電圧Vβを、電圧Vαから擬似的に作り出し、これにより、α−β座標系からd−q座標系への座標変換を適用することができる。従って、3相交流の位相同期ループと同様な高精度な位相同期を実現することができる。
また、式(6)、(7)より、Vβの定義式の係数がf1の関数になるため、位相変動があっても、それに応じた電圧Vβを設定することができる。
また、この位相同期ループを搭載する電力変換装置は、系統電圧に位相変動があっても、系統電圧と位相同期した電流を、電力変換装置から出力することができる。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 電力変換装置
2 太陽光発電パネル
3 商用電力系統
10 昇圧回路
11 インバータ回路
12 制御部
12p 位相同期ループ
15 直流リアクトル
17 第1電圧センサ
18 第1電流センサ
19 コンデンサ
21 フィルタ回路
22 交流リアクトル
23 コンデンサ
24 第2電流センサ
25 第2電圧センサ
26 コンデンサ
Q1,Q2,Q3,Q4 スイッチング素子
Qb1,Qb2 スイッチング素子

Claims (4)

  1. 3相から2相へ直交座標変換後のα−β座標系からさらに、回転座標であるd−q座標系へ電圧を座標変換し、無効電圧成分を0にするよう制御する位相同期ループであって、
    α−β座標系における電圧Vα,Vβとして、位相同期の対象となる単相交流の実際の電圧をVαとし、かつ、Vαの時間微分値であって前記単相交流の周波数を係数に含む値を擬似的な電圧Vβとして使用する位相同期ループ。
  2. 時間をt、前記単相交流の周波数をf1、1サイクルのサンプリング数をN、サンプリング周波数をfs(=N・f1)、サンプリング周期をΔt(=1/fs)、Nの範囲内の任意の自然数をn(≦N)、n番目のVαから(n−1)番目のVαを引いた値をΔVαとすると、
    Vβ={−1/(2πf1)} × (ΔVα/Δt)
    ={−fs/(2πf1)} × ΔVα
    である請求項1に記載の位相同期ループ。
  3. 商用電力系統と系統連系する電力変換装置であって、
    請求項1又は請求項2に記載の位相同期ループをソフトウェアにより実現する制御部を備えた電力変換装置。
  4. 3相から2相へ直交座標変換後のα−β座標系における電圧Vα,Vβとして、位相同期の対象となる単相交流の実際の電圧をVαとし、かつ、Vαの時間微分値であって前記単相交流の周波数を係数に含む値を擬似的な電圧Vβとして使用し、
    α−β座標系からさらに、回転座標であるd−q座標系へ電圧を座標変換し、無効電圧成分を0にするよう制御する、
    位相同期方法。
JP2014210219A 2014-10-14 2014-10-14 位相同期ループ、電力変換装置、及び、位相同期方法 Pending JP2016082655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014210219A JP2016082655A (ja) 2014-10-14 2014-10-14 位相同期ループ、電力変換装置、及び、位相同期方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014210219A JP2016082655A (ja) 2014-10-14 2014-10-14 位相同期ループ、電力変換装置、及び、位相同期方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016082655A true JP2016082655A (ja) 2016-05-16
JP2016082655A5 JP2016082655A5 (ja) 2016-07-28

Family

ID=55959332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014210219A Pending JP2016082655A (ja) 2014-10-14 2014-10-14 位相同期ループ、電力変換装置、及び、位相同期方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016082655A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106680577A (zh) * 2017-01-13 2017-05-17 上海中科深江电动车辆有限公司 单相电压同步信号检测的系统及方法
CN107086805A (zh) * 2016-06-07 2017-08-22 维尔纳(福建)电机有限公司 一种可重组的单相数码变频发电机
CN107895967A (zh) * 2017-11-21 2018-04-10 西安许继电力电子技术有限公司 一种并网变流器低电压穿越锁相改进方法
CN108111070A (zh) * 2018-01-31 2018-06-01 北京金风科创风电设备有限公司 监测发电机的永磁体剩磁情况的方法及装置
CN109547016A (zh) * 2018-11-30 2019-03-29 中国科学院广州能源研究所 基于虚拟三相算法的频率自适应单相锁相环
US10481184B2 (en) 2015-08-04 2019-11-19 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Input-voltage-abnormality detection method and power source device

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10304572A (ja) * 1997-04-22 1998-11-13 Hitachi Ltd 太陽光発電システム
JP2012010428A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Yaskawa Electric Corp 直流−交流電力変換装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10304572A (ja) * 1997-04-22 1998-11-13 Hitachi Ltd 太陽光発電システム
JP2012010428A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Yaskawa Electric Corp 直流−交流電力変換装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10481184B2 (en) 2015-08-04 2019-11-19 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Input-voltage-abnormality detection method and power source device
CN107086805A (zh) * 2016-06-07 2017-08-22 维尔纳(福建)电机有限公司 一种可重组的单相数码变频发电机
CN107086805B (zh) * 2016-06-07 2024-03-29 维尔纳集电电子科技(福建)有限公司 一种可重组的单相数码变频发电机
CN106680577A (zh) * 2017-01-13 2017-05-17 上海中科深江电动车辆有限公司 单相电压同步信号检测的系统及方法
CN106680577B (zh) * 2017-01-13 2019-08-06 上海中科深江电动车辆有限公司 单相电压同步信号检测的系统及方法
CN107895967A (zh) * 2017-11-21 2018-04-10 西安许继电力电子技术有限公司 一种并网变流器低电压穿越锁相改进方法
CN108111070A (zh) * 2018-01-31 2018-06-01 北京金风科创风电设备有限公司 监测发电机的永磁体剩磁情况的方法及装置
CN109547016A (zh) * 2018-11-30 2019-03-29 中国科学院广州能源研究所 基于虚拟三相算法的频率自适应单相锁相环

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lin et al. Improved model-free predictive current control for synchronous reluctance motor drives
JP2016082655A (ja) 位相同期ループ、電力変換装置、及び、位相同期方法
JP6116829B2 (ja) 単相電力変換装置の制御装置
JP6060928B2 (ja) 電力変換装置、電力変換装置の制御装置および電力変換装置の制御方法
JP2015201996A (ja) 電力変換装置、電力変換装置の制御装置および電力変換装置の制御方法
JP4722002B2 (ja) Pwmインバータ制御装置及びpwmインバータ制御方法並びに冷凍空調装置
JP2018182811A (ja) 電力変換器及びその制御装置
WO2019146437A1 (ja) インバータ装置
WO2019049713A1 (ja) 電力変換装置およびその制御方法
JP4935166B2 (ja) 電力変換装置の位相同期制御装置
CN109510548B (zh) 一种双馈电机柔性功率控制方法及装置
KR101946308B1 (ko) 주파수검출 정확도 개선을 위한 단상 태양광발전 시스템의 위상동기화 방법
JP6263990B2 (ja) 交直変換装置の同期制御回路
JP5637310B2 (ja) インバータ装置
CN106300355A (zh) 一种有源电力滤波器计算量简化的谐振控制方法
JPWO2017010142A1 (ja) 電力変換装置
JP5238358B2 (ja) 交流電力測定装置、交流電力測定方法、及び単相交直変換装置
Wojciechowski Novel estimator of distorted and unbalanced electromotive force of the grid for control system of PWM rectifier with active filtering
JP2011172387A (ja) 電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体
JP6342354B2 (ja) 単独運転検出装置、単独運転検出装置の制御方法および系統連系インバータ
KR20140110595A (ko) 계통 동기화 제어를 위한 제어장치, 제어방법, 기록매체
JP2015027136A (ja) インバータ制御装置
KR101975441B1 (ko) 변형이동평균 필터를 이용한 단상 pll제어방법
JP3505626B2 (ja) 電力変換装置と電力変換器の制御装置
JP6134558B2 (ja) 単独運転検出回路、単独運転検出方法、および、単独運転検出回路を備えた系統連系インバータ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160610

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181002