JP2002044827A - 電線保護ケーシングおよび引込みクランプ - Google Patents

電線保護ケーシングおよび引込みクランプ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の電線をまとめかつ保護し、また小動物
によって破損されることのない電線保護ケーシングおよ
び、これに電線を引き入れる引き込みクランプを提供す
る。 【解決手段】 合成樹脂製のロールチューブ１３により
構成される長尺の電線保護ケーシングにおいて、長手方
向に連続して存在する自由端１１，１２を備えるととも
に、ロールチューブ１３を横断する方向に所定間隔を置
いて形成される複数のスリット１４，１５を備え、拡径
または縮径することができるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線の保護に関
し、詳しくは電線保護ケーシングおよび電線をその保護
ケーシングに引き込むための引き込みクランプに関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】ここ数年来の科学技術および情報産業の
急速な発展に伴い、オフィスや一般家庭または研究室等
において、コンピューター、プリンタ、電話機、ファク
シミリ等の電気機器が一般的に使用されるようになって
いる。これらの電気機器には大抵、たくさんの電線が接
続されている。それらの電線は雑然としていて、そのま
ま放置しておくと美観上好ましくないだけでなく、それ
につまずいたり小動物にかじられたりして損傷しやす
い。損傷した電線は漏電したり、損傷した部分に埃がた
まり火災の原因になるため危険である。そこで、これら
多数本の電線の外観を整え、外的要因からそれら電線を
保護するために、これらの電線を前もって設けられた壁
の溝や床に埋め込む方法、金属製もしくは合成樹脂製の
管体の中に収めて部屋の隅に固定する方法、束ねた電線
の周りに軟性合成樹脂製の帯を電線に螺旋状に巻き付け
るという方法などが採られていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電線を
前もって設けられた壁の溝や床下に埋め込む方法によれ
ば、外観は整えられ、損傷しにくくなるが、設置工程が
複雑かつ困難であり、コストアップも避けられない。ま
た、新たに機器を導入する際には、配線を変更する必要
があるため、前記のような工程を繰り返すため多大な時
間と手間とが必要になるという問題点がある。
【０００４】また、金属製もしくは合成樹脂製の管体中
に収めて部屋の隅に固定する方法によれば、前述の方法
に比べてコストダウンが図られるものの、部屋の隅など
に固定してしまうために容易に配線を変更することが出
来ないという問題点がある。
【０００５】また、軟性合成樹脂製の帯を電線に螺旋状
に巻き付ける方法によれば、自由に配線を変更すること
ができるという利点を持つ反面、巻き付け作業が必要で
あってその作業にも手間と困難を覚悟しなければならな
い。さらに、軟性合成樹脂製であるため、ねずみ等の小
動物にかじられることによってチューブの中の電線が損
傷しやすいという問題点がある。
【０００６】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、乱雑になった多数本の電線を速や
かに整然とひとまとめに束ねることができ、しかも安価
かつ安全で長持ちさせることのできる電線保護ケーシン
グを提供し、併せて電線をその電線保護ケーシングに引
き込むための引き込みクランプを提供することを目的と
するものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、第１発明による電線保護ケ
ーシングは、合成樹脂製のロールチューブにより構成さ
れる長尺の電線保護ケーシングにおいて、長手方向に連
続して存在する自由端を備えるとともに、前記ロールチ
ューブを横断する方向に所定間隔を置いて形成される複
数のスリットを備え、拡径または縮径することができる
ように構成されていることを特徴とするものである。
【０００８】本発明によれば、電線保護ケーシングは長
尺の合成樹脂製ロールチューブで構成され、しかも長手
方向に連続する自由端を有しているので、任意の位置で
その自由端から電線を挿入することができ、電線を端部
から挿入したり、あるいは巻き付け作業を行ったりする
必要がない。また、電線の本数に応じてロールチューブ
の半径を自由に変化させることができるという利点があ
る。また、このロールチューブには複数のスリットが形
成されているので、屈曲自在であり、電線を自由に配置
することができるという効果がある。
【０００９】本発明において、前記スリットは、前記自
由端に面していない中央スリットと、前記自由端に面し
ている側縁スリットとから構成され、これら中央スリッ
トおよび側縁スリットは、前記ロールチューブ上に交互
に配置されているのが好ましい（第２発明）。このよう
にすれば、ロールチューブの屈曲時の自由度をより高め
ることができる。
【００１０】前記第１発明または第２発明において、前
記ロールチューブは辛味刺激成分が練り込まれた合成樹
脂によって形成されるのが好適である（第３発明）。こ
のようにすれば、ねずみなどの小動物がこのロールチュ
ーブをかじったりするのを確実に回避することができ、
このロールチューブ内に収納される電線の損傷をより確
実に防ぐことができる。
【００１１】次に、第４発明に係る引き込みクランプ
は、電線保護ケーシングに電線を引き込むための引き込
みクランプであって、左右半割り構造の電線通し用シリ
ンダと、この電線通し用シリンダの上部に仰角をつけて
一体化される左右半割り構造のケーシング案内ヘッド
と、前記電線通しシリンダの下部に一体化される左右の
各クランプステムとを備え、前記電線通しシリンダの左
半分と前記ケーシング案内ヘッドの左半分とで構成され
る左クランプ本体と、前記電線通しシリンダの右半分と
前記ケーシング案内ヘッドの右半分とで構成される右ク
ランプ本体とが蝶番を介して相互に開閉可能に、かつ締
め付けバネの付勢力によって常時は閉状態になるように
組み合わされ、前記各クランプステムに加えられる操作
力によって前記左右のクランプ本体が前記締め付けバネ
の付勢力に抗して開状態になるように構成されることを
特徴とするものである。
【００１２】この第４発明によれば、電線を電線保護ケ
ーシング内に収納する際に、左右のクランプ本体を開操
作した状態で、電線通し用シリンダの中に電線を通し、
この状態で引き込みクランプのケーシング案内ヘッドを
前記電線保護ケーシングのロールチューブの一端に差し
込んで順次他端へ向けて移動させ、抜き取ることによっ
て、容易に電線保護ケーシング内に収納することができ
る。こうして、複数の乱雑で整然としていない電線を、
速やかにかつ整然とした状態にして電線保護ケーシング
内に収納することができるという効果を奏する。
【００１３】
【発明の実施の形態】次に、本発明による電線保護ケー
シングおよび引き込みクランプの具体的な実施の形態に
つき、図面を参照しつつ説明する。
【００１４】図１に、本発明の一実施の形態に係る電線
保護ケーシングの斜視図（ｂ）および引き込みクランプ
の斜視図（ａ）がそれぞれ示されている。また、図２、
図３には、本実施形態における、電線保護ケーシング１
の正面図および背面図がそれぞれ示され、図４には、同
電線保護ケーシングの広げた状態での正面図が示されて
いる。
【００１５】本実施形態の電線保護ケーシング１は、長
尺の合成樹脂（プラスチック）製ロールチューブ１３で
構成され、自由端１１，１２がそのロールチューブ１３
の長手方向に連続して存在している。ロールチューブ１
３のどの場所でも一対の自由端１１，１２が存在するた
め、任意の場所で径方向に広げたり（拡径したり）巻い
たり（縮径したり）してそのロールチューブ１３の半径
を自由に変化させることができるようにされている。ま
た、前記自由端１１、１２を広げたり巻いたりして半径
を初期状態から変化させると、ロールチューブ１３に復
元力が働きもとの状態に戻るという性質がある。このロ
ールチューブ１３には、長手方向に一定の間隔を置いて
円周方向に長いスリット１４，１５が設けられている。
これらスリットは、端縁が円周方向の自由端に面してい
ない矩形状の中央スリット１４と、自由端に面している
側縁スリット１５から構成されている。これら中央スリ
ット１４および側縁スリット１５は、交互に配置されて
いるので、合成樹脂製ロールチューブ１３は、必要に応
じて自由に曲げることができる。
【００１６】一方、図１（ａ）に示されるように、引き
込みクランプ２は、左右半割り構造の電線通し用シリン
ダ２７と、この電線通し用シリンダ２７の上部に仰角を
つけて一体化される左右半割り構造のケーシング案内ヘ
ッド２８と、前記電線通しシリンダ２７の下部に一体化
される左右の各クランプステム２３，２４とを備えて構
成され、前記電線通しシリンダ２７の左半分と前記ケー
シング案内ヘッド２８の左半分とで構成される左クラン
プ本体２１と、前記電線通しシリンダ２７の右半分と前
記ケーシング案内ヘッド２８の右半分とで構成される右
クランプ本体２２とが蝶番２６を介して相互に開閉でき
るようにされている。
【００１７】前記左右の各クランプ本体２１，２２の下
方には、それらクランプ本体２１，２２の下半部を抱持
するように、かつクランプステム２３，２４を貫通する
よう締め付けバネ２５が配され、これらクランプ本体２
１，２２、締め付けバネ２５の付勢力によって通常は左
クランプ本体２１および右クランプ本体２２が閉じた状
態（図１（ａ）の状態）を保持し、前記各クランプステ
ム２３，２４に加えられる操作力によって左右のクラン
プ本体２１，２２が締め付けバネ２５の付勢力に抗して
開作動されるように構成されている。更に、左右のクラ
ンプ本体２１，２２が組み合わさった状態では、電線通
し用シリンダ２７とこの上方に突起状のケーシング案内
ヘッド２８が形成される。このケーシング案内ヘッド２
８は電線通し用シリンダ２７の上部に仰角をつけて配置
されている。なお、ケーシング案内ヘッド２８の一端部
（上端部）は閉じた状態では丸みを持った形状となって
いる。
【００１８】次に、本実施形態において、引き込みクラ
ンプ２を用いて電線保護ケーシング１内に電線を挿通さ
せる動作について説明する。
【００１９】まず、図５に示されるように、引き込みク
ランプ２のクランプステム２３，２４に締め付けバネ２
５の付勢力に抗してＦ方向に力を加えてクランプ本体２
１、２２を開き、電線通し用シリンダ２７の中に電線Ａ
を配置する。
【００２０】次に、図６に示されるように、ケーシング
案内ヘッド２８の一端部をロールチューブ１３の一端
（自由端）に配置し、ケーシング案内ヘッド２８をその
電線保護ケーシング１の一端側から順次差し込んでい
く。そうすると、ケーシング案内ヘッド２８自体の半径
によって、ロールチューブ１３の半径が拡大し、このロ
ールチューブ１３の長手方向に沿う自由端１１，１２が
広げられ、この間に隙間ができるので、ロールチューブ
１３がケーシング案内ヘッド２８の移動を妨げることが
なく、容易に電線保護ケーシング１に引き込みクランプ
２のケーシング案内ヘッド２８を差し込むことができ
る。
【００２１】図７には引き込みクランプ２のケーシング
案内ヘッド２８を線保護ケーシング１の一端に差し込ん
だ状態を引き込みクランプ２の後ろ端から見た全体斜視
図が示されている。この図によると、前記引き込みクラ
ンプ２のケーシング案内ヘッド２８が通過した場所より
後方部分では、前記電線保護ケーシング１の自由端１
１、１２は開かれた状態で、その間には隙間が生じてい
る。この隙間が存在しているため、引込みクランプ２の
後端縁から出ている電線は自然にこの隙間から電線保護
ケーシング１の中に導かれる。
【００２２】次に、図７の状態から引き込みクランプ２
を前記電線保護ケーシング１の他端へ滑らした状態での
全体斜視図が図８に示されている。この図で示されるよ
うに、ケーシング案内ヘッド２８によって広げられた電
線保護ケーシング１の自由端１１，１２は、引き込みク
ランプ２が通過した後、復元力によってもとの半径に戻
り自由端１１、１２は再び閉じた状態になっている。こ
の際、図７において開かれた自由端１１，１２の隙間か
ら電線保護ケーシングに導かれていた電線Ａは、自由端
１１，１２が閉じるため出口がなくなるので、引き込み
クランプ２が通過した部分の電線保護ケーシング１の中
に封じられる。
【００２３】こうして、電線Ａの全長が完全に電線保護
ケーシング１にはいるまで、引き込みクランプ２を電線
保護ケーシング１の他端の方へ滑らした後は、引き込み
クランプ２の左右のクランプステム２３，２４にＦ方向
の力を加え左右クランプ本体２１，２２を開き電線通し
用シリンダ２７から電線をはずす。
【００２４】以上の説明から明らかなように、一旦電線
保護ケーシング１内に電線Ａに装着すると、ロールチュ
ーブ１３の自由端１１，１２は閉じた状態を維持するの
で、電線保護ケーシング１は電線Ａから外れることがな
い。また，この電線保護ケーシング１は必要に応じて、
自由に半径を変えることが可能で、複数の電線Ａを覆う
ことができ、引き込みクランプ２の電線通し用シリンダ
２７でも、その中に複数の電線Ａを配置することが可能
である。したがって複数の電線Ａを電線保護ケーシング
１でおおう必要があるときでも前述の作業一回で完了す
る。
【００２５】また、電線保護ケーシング１を動かないよ
うに固定して、この中の電線Ａを、自由端１１、１２の
方向へ引張ると簡単に電線Ａを取り外すことができるた
め、容易に配線を変更することが可能である。
【００２６】以上の説明では、電線保護ケーシング１は
通常の合成樹脂製のものとして説明したが、この合成樹
脂に辛味刺激成分（例えばとうがらし）の練り込まれた
ものを用いれば、ネズミなどの小動物がその電線保護ケ
ーシング１に近づくのを防止することができるので、そ
の小動物にかじられることがなく、収納された電線をよ
り確実に保護することができる。
【００２７】本実施形態の電線保護ケーシング１は、そ
の長さが電線に比べて長過ぎる場合であっても、簡単に
はさみやカッターで余分な部分を切り取ることができ、
その長さを簡単にあわせることができる。さらに、サイ
ズの異なる引き込みクランプ２および自然状態での半径
の異なる電線保護ケーシング１を製造することで、多様
な太さや、本数の電線に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、電線保護ケーシングの斜視図（ｂ）お
よび引き込みクランプの斜視図（ａ）である。
【図２】図２は、電線保護ケーシングの正面図である。
【図３】図３は、電線保護ケーシングの背面図である。
【図４】図４は電線保護ケーシングを径方向へ開いて帯
状にしたときの平面図である。
【図５】図５は、開かれた状態での引き込みクランプの
斜視図である。
【図６】図６は、引き込みクランプを用いた、電線保護
ケーシングへの電線の入れ方を示す説明図である。
【図７】図７は、電線保護ケーシングの一端に引き込み
クランプを差し込んだ状態での斜視図である。
【図８】図８は、電線が電線保護ケーシングに完全に通
過した状態での斜視図である。
【符号の説明】
１ 電線保護ケーシング ２ 引き込みクランプ １１ 自由端 １２ 自由端 １３ ロールチューブ １４ 中央スリット １５ 側縁スリット ２１ 左クランプ本体 ２２ 右クランプ本体 ２３ 左クランプステム ２４ 右クランプステム ２５ 締め付けバネ ２６ 蝶番 ２７ 電線通し用シリンダ ２８ ケーシング案内ヘッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 合成樹脂製のロールチューブにより構成
    される長尺の電線保護ケーシングにおいて、長手方向に
    連続して存在する自由端を備えるとともに、前記ロール
    チューブを横断する方向に所定間隔を置いて形成される
    複数のスリットを備え、拡径または縮径することができ
    るように構成されていることを特徴とする電線保護ケー
    シング。
  2. 【請求項２】 前記スリットは、前記自由端に面してい
    ない中央スリットと、前記自由端に面している側縁スリ
    ットとから構成され、これら中央スリットおよび側縁ス
    リットは、前記ロールチューブ上に交互に配置されてい
    る請求項１に記載の電線保護ケーシング。
  3. 【請求項３】 前記ロールチューブは辛味刺激成分が練
    り込まれた合成樹脂によって形成される請求項１または
    ２に記載の電線保護ケーシング。
  4. 【請求項４】 電線保護ケーシングに電線を引き込むた
    めの引き込みクランプであって、左右半割り構造の電線
    通し用シリンダと、この電線通し用シリンダの上部に仰
    角をつけて一体化される左右半割り構造のケーシング案
    内ヘッドと、前記電線通しシリンダの下部に一体化され
    る左右の各クランプステムとを備え、前記電線通しシリ
    ンダの左半分と前記ケーシング案内ヘッドの左半分とで
    構成される左クランプ本体と、前記電線通しシリンダの
    右半分と前記ケーシング案内ヘッドの右半分とで構成さ
    れる右クランプ本体とが蝶番を介して相互に開閉可能
    に、かつ締め付けバネの付勢力によって常時は閉状態に
    なるように組み合わされ、前記各クランプステムに加え
    られる操作力によって前記左右のクランプ本体が前記締
    め付けバネの付勢力に抗して開状態になるように構成さ
    れることを特徴とする引き込みクランプ。
JP2001134906A 2000-05-10 2001-05-02 電線保護ケーシングおよび引込みクランプ Withdrawn JP2002044827A (ja)

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