JP2002039153A - プロペラシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

プロペラシャフトおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な回転トルク伝達特性を確保しつつ、よ
り没入力が小さく、構造が単純で、製造コストが低いプ
ロペラシャフトを提供する。また、そのようなシャフト
を簡便な作業により製造することができる方法を提供す
る。 【解決手段】 シャフト本体10と、セレーションが形
成された嵌挿部21をシャフト本体10の内周面に嵌挿
されて取付けられたヨーク20とからなるプロペラシャ
フト1を、ヨーク20の没入時にセレーション歯22が
移動するための延出部11bを有する嵌挿溝11をシャ
フト本体10の内周面に予め設けるように構成する。そ
のプロペラシャフト1を製造する際の製造方法を、ヨー
クの圧入工程とその後に行う引出工程とにより構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロペラシャフト
およびその製造方法、より詳しくはシャフト本体とヨー
クとの接合構造に特徴を有するプロペラシャフトおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロペラシャフトは、フロントエンジン
リアドライブ型の自動車等に使用されており、エンジン
等で発生する動力を後輪に伝える役割を有する動力伝達
部品である。このプロペラシャフトは、例えば、自動車
等の変速機と差動装置との間に配置されており、エンジ
ン等の回転トルクを後輪に伝える役割を有している。
【0003】一般にプロペラシャフトは、円筒状のシャ
フト本体と、そのシャフト本体の一端に接合され変速機
に連結されるヨークと、そのシャフト本体の他端に接合
され差動装置に連結されるもう一つのヨークから構成さ
れる。近年においては、軽量化等の要請からシャフト本
体が繊維強化プラスチック(以下「FRP」と称す)で
形成されたプロペラシャフトが採用される傾向にある。
このFRP製シャフト本体を有するプロペラシャフトに
おいては、金属製のヨークはその一部をシャフト本体に
嵌挿した状態でシャフト本体と接合されている。エンジ
ンで発生する高い回転トルクを損失することなく後輪に
伝達するためには、シャフト本体とヨークとの接合部に
おいて、シャフト本体内周面とヨークのシャフト本体内
に嵌挿される部分の外周面とのスリップを防ぎ、確実に
トルクを伝達することが重要である。このため、多くの
プロペラシャフトは、ヨークのその部分の外周面に軸方
向(シャフトの軸方向を意味する。以下、本明細書にお
いて、特に断わりのない限り「軸方向」とはシャフトの
軸方向をいう。)に延びる歯を持つセレーションを形成
し、このセレーションの部分を嵌挿して接合することに
より充分なるトルク伝達を可能にしている。
【0004】一方、自動車等のボディにおいては、衝突
時における搭乗者の安全を確保するため、ボディにより
衝突エネルギを吸収し搭乗者への衝撃を緩和するクラッ
シャブル構造を採用する場合がある。この構造を有する
自動車等が、前方あるいは後方衝突事故を起こした場
合、すなわちプロペラシャフトの軸方向に圧縮荷重が加
わる場合、プロペラシャフトがちょうど衝返棒(つっか
え棒)のような役目をし、ボディにより衝撃エネルギが
吸収されるのを阻害することも考えられる。このため、
ボディによる衝撃吸収を妨げないように衝突時にヨーク
をシャフト本体に没入させる思想の下に設計されるプロ
ペラシャフトがある。このようなプロペラシャフトにお
いては、ヨークがシャフト本体に没入する際に必要な
力、すなわち没入力は小さい方が望ましい。
【0005】しかし、前述したような構造のプロペラシ
ャフトでは、ヨーク外周面には確実にトルクを伝達する
ためのセレーションが形成されており、このようなプロ
ペラシャフトに軸方向の圧縮荷重が加わると、シャフト
本体の内周面をセレーションの歯が切削しながらヨーク
がシャフト本体に没入しなければならず、没入力が極め
て大きくなる。
【0006】そこで、ヨーク外周面にセレーションが形
成されたプロペラシャフトの没入力を小さくするための
技術が検討され、特開平7−208445号公報には、
その一例として、シャフト本体が、軸方向全体にわたっ
て延在する主層と、この主層と一体に、かつ、主層の内
側に設けた補強繊維を含む部分層とからなり、ヨーク
が、先端が主層と部分層との層間に対向するくさびを有
し、ヨークに軸方向の圧縮荷重が加わると、くさびが主
層と部分層との層間を剥離させ、シャフト本体を裂開し
ながらヨークをシャフト本体に没入させるプロペラシャ
フトが記載されている。
【0007】このプロペラシャフトでは、部分層の内周
面に、外周面にセレーションを備えるヨークが圧入接合
されており、部分層とヨークとの間で回転トルク伝達を
確保している。一方、軸方向の圧縮荷重が加わる際に
は、シャフト本体の部分層と主層とが剥離し、ヨークが
部分層ごとシャフト本体に没入することで没入力を小さ
くしている。すなわち、プロペラシャフトの構成におい
て、高い回転トルク伝達性を確保する部分と、小さい没
入力を確保する部分とを分けることにより上記問題点の
解決を試みている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平7−2
08445号公報記載のプロペラシャフトは、ヨーク外
周面にセレーションが形成され、そのヨークがシャフト
本体に単に嵌挿されているだけの従来のプロペラシャフ
ト(以下「従来型プロペラシャフト」と称す)と比較す
れば没入力が小さくなったといえるが、没入時に、一体
に形成される主層と部分層とを剥離させるための力が必
要であるため、没入力は依然満足のいくレベルのもので
はない。また、このプロペラシャフトは、主層と部分層
との形成状態によっては、軸方向に圧縮荷重が加わらな
い時、すなわち通常運転時であっても両層が剥離するこ
とも考えられる。さらに、シャフト本体に主層と部分層
とを設け、ヨークにくさびを設ける必要があるため構造
が複雑となる。このため、製造工程が複雑化し、製造コ
ストも高くなる。すなわち、この特開平7−20844
5号公報記載のプロペラシャフトは、現時点において、
上述したいくつかの問題が残存するプロペラシャフトと
なっている。
【0009】本発明は、ヨークがシャフト本体に没入す
る機構を有するプロペラシャフトにおける、充分なるト
ルク伝達と小さな没入力との両立という上記課題を解決
するためになされたものであり、ヨーク没入時にセレー
ション歯が移動するための溝をシャフト本体内周面に予
め設けることにより、良好な回転トルク伝達特性を確保
しつつ、より没入力が小さく、構造が単純で、製造コス
トが低いプロペラシャフトを提供するものである。また
本発明は、上記プロペラシャフトを簡便な作業により製
造することができる製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記課題を解決す
るため、本発明のプロペラシャフトは、円筒形状をなす
FRP製のシャフト本体と、外周面に軸方向に延びる歯
を持つセレーションが形成された嵌挿部を有し、前記シ
ャフト本体の少なくとも一端部に、該一端部の内周面に
前記嵌挿部が嵌挿されて取り付けられた金属製のヨーク
とを備え、前記シャフト本体は、前記内周面に、前記セ
レーションの歯が嵌合する嵌合部と、該嵌合部と連続し
て形成され前記セレーションの歯の軸方向中央側端より
もさらに軸方向中央に向かって延出している延出部とを
有する嵌挿溝を備えることを特徴とする(請求項1に対
応)。
【0011】つまり、本発明のプロペラシャフトは、シ
ャフト本体内周面に嵌合部と延出部とを有する嵌挿溝が
形成されており、通常時においてはヨーク嵌挿部外周面
のセレーション歯がシャフト本体内周面の嵌挿溝の嵌合
部と噛み合って回転トルクを伝達しているが、軸方向に
圧縮荷重が加わるとセレーションの歯が嵌合部と連続し
て形成される延出部に沿って移動し、ヨークがシャフト
本体に没入する機構を有するプロペラシャフトである。
【0012】従来型プロペラシャフトには、シャフト本
体の内周面に上記嵌挿溝の延出部が予め形成されていな
い。したがってヨークをシャフト本体に没入させるため
には、ヨーク外周面のセレーション歯の軸方向中央側端
(以下「先端」と称す)でシャフト本体の内周面を、ち
ょうど彫刻刀で溝を彫るように切削していく必要があ
る。またセレーション歯と内周面との接触部に生じる摩
擦力に打ち勝つ必要もある。このため、事故等により軸
方向に圧縮荷重が加わる場合、その荷重が上記切削力と
摩擦力との和よりも大きくなければ、ヨークがシャフト
本体に没入しない。
【0013】一方、本発明のプロペラシャフトにおいて
は、ヨーク没入前から予めシャフト本体の内周面に嵌挿
溝の延出部が形成されている。このためヨーク没入の
際、セレーション歯によりシャフト本体内周面を切削す
る上記切削力はほとんど必要とせず、事故等により軸方
向に圧縮荷重が加わる場合、小さな荷重でヨークがシャ
フト本体内部に没入する。簡単に言えば、従来用いられ
ているプロペラシャフトと比較して、内周面を切削する
必要がない分だけヨークを没入させるための没入力は小
さくなる。
【0014】このように、本発明のプロペラシャフト
は、従来用いられているプロペラシャフトよりも、軸方
向に圧縮荷重が加わった際より小さな力でヨークをシャ
フト本体に没入可能なプロペラシャフトであり、自動車
の安全性をより高めることのできるプロペラシャフトと
なる。
【0015】(2)また、本発明のプロペラシャフト
は、前記嵌挿溝の前記延出部が前記嵌合部よりも深く形
成されている態様とすることができる(請求項2に対
応)。つまり、本態様のプロペラシャフトは、ヨーク没
入時にセレーション歯が移動する延出部の溝深さを、嵌
合部の溝深さよりも深く形成したプロペラシャフトであ
る。ここで、延出部が嵌合部よりも「深く形成されてい
る」とは、シャフト本体の軸中心線から延出部溝底まで
の最短距離、すなわち半径が、嵌合部溝底までの半径よ
りも大きいことを意味する。
【0016】本態様のプロペラシャフトは、延出部の溝
の方が嵌合部の溝よりも深く形成されており、シャフト
本体の締付け力が小さいため、摩擦力等が小さく、ヨー
ク没入時にセレーションの歯の移動がよりスムーズに行
われる。すなわち、本態様のプロペラシャフトは、より
小さな力で没入するプロペラシャフトである。
【0017】(3)また、本発明のプロペラシャフトで
は、前記シャフト本体が、前記ヨークが取り付けられる
側の一端から軸方向中央に向かう所定区間内において肉
厚が厚く形成されており、前記嵌挿溝の前記延出部の軸
方向中央側端が、前記所定区間の軸方向中央側端と同じ
位置、または前記所定区間の軸方向中央側端よりも前記
一端側に位置している態様とすることができる。(請求
項3に対応)。
【0018】つまり、本態様のプロペラシャフトは、シ
ャフト本体の一端部に肉厚が厚く形成された部分を有し
ており、その部分の内周面に嵌挿溝が形成されているプ
ロペラシャフトである。一般にFRP製のシャフト本体
の端部は、ヨーク圧入に対する補強等のため、強化繊維
層を余分に積層させる等の手段により、肉厚が厚く形成
されている。一方、シャフト本体の内周面に溝を形成す
ると、シャフト本体がねじり座屈により破壊する時の抵
抗ねじりモーメント、すなわちねじり強度が低下するた
めねじり破壊を起こしやすくなる。本態様のプロペラシ
ャフトは、シャフト本体の肉厚が厚くなっている部分、
つまり強化部の内周面に溝が形成されており、かつ強化
部以外の部分の内周面には溝が形成されていないため、
溝によるねじり強度の低下を極力防止することができる
プロペラシャフトとなる。
【0019】(4)上記本発明のプロペラシャフトは、
その製造方法を特に限定するものではなく、プロペラシ
ャフトの製造に従来から利用されている種々の方法によ
り製造することができる。ただし、以下に掲げる本発明
の製造方法によれば、シャフト本体とヨークとの接合に
関して、本発明のプロペラシャフトを簡便に製造でき
る。その本発明の製造方法は、上記本発明のプロペラシ
ャフトの製造方法であって、前記セレーションの歯によ
り前記シャフト本体の内周面に前記嵌挿溝の前記嵌合部
および前記延出部を連続して形成しつつ、該セレーショ
ンの歯が前記延出部に適合する位置まで前記ヨークを前
記シャフト本体の前記一端部に圧入するヨーク圧入工程
と、前記セレーションの歯が前記嵌合部に適合する位置
するまで前記ヨークを引き出すヨーク引出工程とを含ん
でなることを特徴とする(請求項4に対応)。
【0020】つまり、上記本発明のプロペラシャフトの
製造方法は、ヨーク圧入工程において、ヨーク嵌挿部の
外周面のセレーション歯の切削力および摩擦力によりシ
ャフト本体内周面に嵌合部と延出部とを有する嵌挿溝を
形成し、ヨーク引出工程において、セレーション歯と嵌
挿溝の嵌合部とが適合する位置、つまり通常の使用状態
における所定位置までヨークを引き出すものである。さ
らに平たく言い換えれば、一旦奥までヨークを挿入して
セレーションの歯に噛み合う溝を形成し、その後、通常
時における所定位置までヨークを引き出すものであり、
その結果、セレーションの歯の先端側に、空間として延
出する溝が形成される。
【0021】本製造方法において嵌挿溝は主にヨーク圧
入工程で形成される。ヨーク圧入工程における嵌挿溝の
形成の様子は、以下のようになる。まず嵌挿部外周面の
セレーション歯の先端が、あたかも彫刻刀で溝を彫るよ
うにして、その部分を切削し、切り欠きを形成する。こ
の切り欠きが、セレーション歯の移動に伴って、シャフ
ト本体の軸方向中央側に移動することにより連続する溝
が形成されていく。同時に、ヨークの圧入に伴って、軸
方向に所定の長さをもつセレーション歯の頂部および側
面と歯の先端により形成された溝との摩擦により、その
溝は深くなっていく。このようにして内周面に嵌挿溝が
形成されていく。
【0022】本製造方法では、ヨーク圧入工程におい
て、ヨーク圧入に伴うセレーション歯の移動の終点、つ
まり、圧入終了時におけるセレーションの歯の先端位置
が嵌挿溝の延出部の軸方向中央側端になる。一方ヨーク
引出工程においては、セレーション歯と嵌挿溝の嵌合部
とが適合する位置まで、この嵌挿溝に沿ってヨークを移
動させる。したがって、ヨーク引出に伴うセレーション
歯の先端の移動の終点が嵌挿溝の嵌合部の軸方向中央側
端、つまり延出部の軸方向端部側端になり、セレーショ
ン歯の軸方向端部側の端(以下「後端」と称す)の移動
の終点が嵌挿溝の嵌合部の軸方向端部側端となる。
【0023】本発明のプロペラシャフトの製造方法は、
ヨークの圧入と引出しという極めて単純な作業を行うだ
けで、本発明のプロペラシャフトにおけるシャフト本体
とヨークとの接合が可能になる。従来型のプロペラシャ
フトにおけるシャフト本体とヨークとの接合は圧入を行
うだけであるが、それと比較しても、単に、余分に圧入
して引き出すという作業が付け加わっただけであり、工
程上の大幅なロスもなく、また、特別な装置をも必要と
しない。したがって本発明の製造方法は、良好な回転ト
ルク伝達特性を確保しつつより没入力が小さいという本
発明のプロペラシャフトを極めて簡便に製造できる製造
方法となる。
【0024】(5)また、本発明のプロペラシャフトに
おいては、ヨークとシャフト本体とのトルク伝達を確実
にするため、シャフト本体の内周径よりも、嵌挿部の外
周径(セレーション歯頂部をつないで形成される円の直
径)が大きいヨークが圧入される。したがって、本発明
の製造方法のヨーク圧入工程において、このようなヨー
クをシャフト本体の一端部に圧入すると、シャフト本体
内周面のヨーク嵌挿部がまさに通過しようとしている部
分は、シャフト本体の弾性範囲内で拡径させられること
になる。そして、ヨーク嵌挿部が通過した後部では、シ
ャフト本体の弾性力(復元力)により縮径し、もとの径
に戻る。ヨーク引出工程においても、同様に、ヨーク嵌
挿部の通過に伴い内周面の拡径・縮径が生じる。
【0025】この現象に鑑みれば、ヨーク引出工程にお
いてもセレーション歯による嵌挿溝の形成が行われる。
つまり、ヨーク圧入工程においてヨーク嵌挿部が通過し
て一旦形成された嵌挿溝は、シャフト本体が縮径する結
果セレーションの歯によってさらに深くする余地が生じ
る。そして、ヨーク引出工程においても、圧入工程の場
合と同様、ヨーク嵌挿部のセレーション歯の後端があた
かも彫刻刀のように機能して、ヨーク圧入工程において
形成された嵌挿溝は、さらに深く彫り込まれることにな
る。
【0026】すなわち、圧入工程によってのみ形成され
る嵌挿溝に比べ、さらに引出工程を行って形成された嵌
挿溝は、溝深さが深いため、嵌挿溝の嵌合部とセレーシ
ョン歯との嵌合がより強固なものとなり、より確実な回
転トルクを伝達を可能にする。したがって、本発明の製
造方法によれば、プロペラシャフトの回転トルク伝達特
性が向上するという効果も得られることになる。
【0027】(6)圧入工程および引出工程の両工程に
よる嵌挿溝形成という上記作用を利用すれば、本発明の
プロペラシャフトの製造方法は、前記ヨーク圧入工程と
前記ヨーク引出工程との間に少なくとも1回行われ、前
記セレーションの歯が少なくとも前記嵌挿溝の前記延出
部に適合する位置から前記嵌合部に適合する位置までの
間を往復するように前記ヨークを引き出しおよび圧入す
るヨーク往復工程をさらに含む態様とすることができる
(請求項5に対応)。
【0028】つまり、本態様の製造方法は、ヨーク圧入
工程の終了時においてヨークが存在する位置(「延出部
に適合する位置」とは、この位置を意味する)と、セレ
ーションの歯が嵌挿溝の嵌合部に位置する場合にヨーク
が存在する位置との間を、複数回、ヨークの嵌挿部を圧
入および引き出す方法である。
【0029】本態様の製造方法によれば、ヨークの圧入
とヨーク引出を複数回繰り返すことにより、嵌挿溝の嵌
合部および延出部をさらに深くすることができる。嵌合
部が深くなれば、上述したように、ヨークとシャフト本
体との回転トルク伝達がより確実なものになる。また、
延出部が深く形成されると、軸方向圧縮荷重によりヨー
クがシャフト本体に没入する際におけるヨークのセレー
ション歯と延出部との摩擦力がより小さくなる。したが
って、本態様の製造方法は、回転トルク伝達特性がより
向上し、かつ、より没入力の小さいプロペラシャフト
を、簡便に製造することができる製造方法となる。
【0030】(7)また、本発明のプロペラシャフトの
製造方法は、前記シャフト本体の外周面に応力を加える
ことで前記嵌挿溝の前記延出部が形成される該シャフト
本体の内周面の部分を縮径させ、該延出部を形成した
後、該応力を除くことで内周面の該部分を拡径させるこ
とにより、前記嵌挿溝の延出部を前記嵌合部よりも深く
形成する態様とすることができる(請求項6に対応)。
【0031】つまり、本態様のプロペラシャフトの製造
方法は、シャフト本体の前記延出部を形成する部分に外
周面側から応力を加え、その部分の内周径を縮径させた
状態で、ヨークの圧入および引出またはそのいずれかを
行って、嵌挿溝の延出部を形成するものである。そし
て、嵌挿溝の延出部を形成した後、加えた応力を除き、
シャフト本体のスプリングバックによりその部分を拡径
させるものである。その結果、嵌挿溝の延出部を嵌合部
よりも深く形成することができる。本態様のプロペラシ
ャフトの製造方法によれば、嵌合溝の延出部が嵌合部よ
りも深いことでヨークの没入力を極めて小さくできると
いう上述の効果を有するプロペラシャフトを、極めて簡
便な作業により製造できる。
【0032】なお、上述したように、ヨークの嵌挿部の
通過に伴いシャフト本体は拡径する。延出部が形成され
る部分を実際に縮径させなくても、何らかの手段により
ヨーク嵌挿部の通過に伴う拡径を抑制すれば、実際にそ
の部分を縮径するのと同等の効果が得られることにな
る。つまり、実際に外周面に応力を加えなくても、その
部分の外周を箍(たが)のようなもので拘束すれば、ヨ
ークの嵌挿部の通過時には反力が生じ、外周面に応力が
加えられたのと同じ状態となり、その部分の内周面の拡
径は制限される。したがって、本態様における延出部が
形成される部分のシャフト本体内周面の「縮径」とは、
相対的な縮径を意味し、上記ヨーク嵌挿部の通過に伴う
拡径を制限することをも意味する。また、同様に「拡
径」とは、実際に拡径することのみを意味するものでは
なく、もとの内周径に戻ることをも意味する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、本発明のプロペラシャフトの実施形態および本発明
のプロペラシャフト製造方法の実施形態の項目に分け
て、それぞれ説明する。
【0034】〈本発明のプロペラシャフトの実施形態〉 (1)まず、本発明のプロペラシャフトの代表的な実施
形態について説明する。図1に、本発明の代表的な実施
形態であるプロペラシャフトの斜視図を、図2に、その
プロペラシャフトの軸方向一部断面図を、図3に、軸垂
直方向の一部拡大断面図(図2におけるA−A断面図)
を、それぞれに示す。なお、図1はシャフト本体からヨ
ークを外した状態である。
【0035】本実施形態のプロペラシャフト1は、円筒
形状をなすFRP製のシャフト本体10と、シャフト本
体10の両端部に取り付けられた2つの金属製のヨーク
20とからなる。ヨーク20は、一部の外周面に軸方向
に延びる歯22を持つセレーションが形成され、このセ
レーションが形成された部分が嵌挿部21となり、嵌挿
部21がシャフト本体10の端部内周面に嵌挿されるこ
とで、シャフト本体10に取付けられている。
【0036】シャフト本体10は、その端部の内周面
に、セレーションの歯22が噛み合う複数の嵌挿溝11
が形成されている。嵌挿溝11は、セレーションの歯2
2が嵌合する嵌合部11aと、嵌合部11aと連続して
形成されセレーションの歯22の軸方向中央側端よりも
さらに軸方向中央に向かって延出している延出部11b
とを有している。なお、本実施形態においては、嵌合部
11aよりも延出部11bの方が深く形成されている。
【0037】また、本実施形態のプロペラシャフト1で
は、ヨーク20の取付けに伴う強度低下を防止すべく、
シャフト本体10は、ヨーク20が取り付けられる両端
部に、それぞれの端部から軸方向中央に向かう所定区間
内において肉厚が厚く形成された強化部12をそれぞれ
有している。シャフト本体10は、その製造方法につい
ては後に詳しく説明するが、繊維を巻き付けた積層構造
となっており、強化部12は、シャフト本体10の全長
にわたって一定の厚さに繊維を積層させた主繊維層13
a内に、所定の厚みの強化繊維層13bを挟み込むよう
に形成されている。そして、嵌挿溝11の延出部11b
の軸方向中央側端11cが強化部12の軸方向中央側端
12aとが、軸方向において同じ位置にある。すなわ
ち、シャフト本体10の両端部に強化部12が形成され
ており、強化部12の内周面にのみ、嵌挿溝11が形成
されている。
【0038】(2)本実施形態のプロペラシャフト1で
は、通常時においては、嵌挿溝11の嵌合部11aとセ
レーションの歯22との噛み合いによって、シャフト本
体10とヨーク20との間のトルク伝達が確保される。
一方、プロペラシャフト1に軸方向の圧縮荷重(ヨーク
20を軸方向中央に向かって押す力)が加わった際に
は、本プロペラシャフトは、図4に示す状態に変化す
る。つまり、嵌合部11aに連続して形成されている延
出部11bまでセレーション歯22が嵌挿溝11に沿っ
て移動することによりヨーク20がシャフト本体10に
没入する。
【0039】従来型のプロペラシャフトでは、延出部1
1bに相当する嵌挿溝の部分が存在しないため、ヨーク
を没入させるための没入力は大きいものとなる。これに
対し、本実施形態のプロペラシャフト1は、嵌挿溝11
が延出部11bを有することで、軸方向圧縮荷重が加わ
った際に、シャフト本体10の内周面を切削しつつ没入
するための力を必要とせず、極めて小さな力で、ヨーク
20を没入させることのできるプロペラシャフトとな
る。
【0040】(3)上記実施形態のプロペラシャフト1
はシャフト本体10の両端部に同じ構成をもつヨーク2
0が、同じ構成の方式で接合されている。本発明のプロ
ペラシャフトは、この態様に代えて、一端部のみに上記
構成のヨークおよびその接合方式を採用する態様で実施
することもできる。この場合の他端部には、例えば、フ
ランジ等が接合されている態様等、既に公知の種々の態
様を採用することができる。
【0041】また、上記実施形態のプロペラシャフト1
は、嵌挿溝11の延出部11bが嵌合部11aよりも深
く形成されいるという形態になっており、ヨーク没入の
際、セレーションの歯の先端による切削力をほとんど必
要としない。本発明のプロペラシャフトでは、この形態
に代えて、延出部11bと嵌合部11aとの溝深さを同
じ深さとすることもできる。また、延出部11bが嵌合
部11aよりも溝深さが浅い形態とすることもできる。
延出部11bが形成されていさえすれば従来型プロペラ
シャフトより没入力は小さくなるため、このような形態
であっても、従来型プロペラシャフトよりも充分没入し
やすいプロペラシャフトとなる。
【0042】なお、上記実施形態のプロペラシャフト1
は、嵌挿溝11の嵌合部11aと延出部11bとの境界
11dは、軸方向断面において、両者の溝深さが急激に
変化するギャップとして形成されている。本発明のプロ
ペラシャフトでは、このような明確な境界を必要とする
ものではなく、嵌合部から延出部にかけて、その溝深さ
が漸減あるいは漸増するものであってもよい。
【0043】さらに上記実施形態のプロペラシャフト1
では、強化部12の内周面に嵌挿溝11が形成されてい
る。したがって、嵌挿溝の形成に伴うシャフト本体の強
度低下を有効に防止されており、ヨークとシャフト本体
との間の確実なトルク伝達を可能にしている。ただし、
例えば、シャフト本体が充分な強度を有している等の場
合には、この形態に代えて、この強化部を形成しない態
様のプロペラシャフトとすることができる。あるいは、
強化部を形成するときでも、その強化部をはみ出して嵌
挿溝を形成する態様のプロペラシャフトとすることがで
きる。つまり、図2を用いて説明すれば、嵌挿溝11の
延出部11bの軸方向中央側端11cが強化部12の軸
方向中央側端12aより軸方向中央側に突出する態様で
ある。
【0044】さらにまた、上記実施形態のプロペラシャ
フトでは、図4から判るように、セレーションが形成さ
れた部分であるヨーク20の嵌挿部21の軸方向長さ
は、嵌挿溝11の延出部11bの軸方向長さより短くな
っている。本発明のプロペラシャフトでは、ヨークの嵌
挿部の長さと嵌挿溝の延出部との長さの関係については
特に限定するものではない。有効なトルク伝達性能、衝
突時に圧縮加重が加わった際の設計没入代等を勘案し
て、適正な長さ関係とすればよい。
【0045】本発明のプロペラシャフトでは、その他、
嵌挿溝の断面形状、セレーション歯の断面形状、セレー
ションの長さおよび歯数、嵌挿溝の深さ等について特に
限定するものでなく、目的、用途等に応じた種々の態様
を採用することができる。さらに、上記実施形態は一例
に過ぎず、本発明のプロペラシャフトは、上記実施形態
を始めとして、当業者が行い得る改良、変更を施した種
々の態様にて実施することができる。
【0046】〈本発明のプロペラシャフト製造方法の実
施形態〉本発明のプロペラシャフトは、その製造方法を
特に限定するものではないが、シャフト本体とヨークの
接合に関して、本発明の製造方法によれば他の方法と比
較して簡便に本発明のプロペラシャフトを製造すること
ができる。
【0047】(1)本発明の製造方法の代表的な実施形
態について、図5〜図11を用いて説明する。その実施
形態である製造方法は、セレーションの歯によりシャフ
ト本体の内周面に嵌挿溝の嵌合部および延出部を連続し
て形成しつつ、セレーションの歯が延出部に適合する位
置までヨークをシャフト本体の一端部に圧入するヨーク
圧入工程と、セレーションの歯が嵌合部に適合する位置
するまで前記ヨークを引き出すヨーク引出工程とからな
る。図5に、ヨーク圧入工程においてヨークをシャフト
本体に圧入する直前の状態を示し、図6に、ヨーク圧入
工程においてセレーション歯により嵌挿溝が形成されて
いく様子を、図7に、ヨーク圧入工程においてシャフト
本体の内周面に嵌挿溝が形成される様子を拡大して、図
8に、ヨーク圧入工程の終了時の状態を、図9に、ヨー
ク引出工程においてセレーション歯が嵌挿溝に沿って移
動しながらヨークが引き出される状態を、図10に、ヨ
ーク引出工程において嵌挿溝がより深く形成される様子
を拡大して、図11に、ヨーク引出工程の終了時の状態
を、それぞれ示す (2)ヨーク圧入工程において、シャフト本体は、治具
にて把持、固定されており、まず、図5に示すように、
シャフト本体10に金属製のヨーク20を、それぞれの
中心軸を一致させて圧入を開始する。図示していない
が、圧入は油圧等により作動する圧入機にヨークを把
持、固定して行う。ヨーク20の圧入が進行すると、図
6に示すように、ヨーク20の嵌挿部21の外周面に設
けられたセレーション歯22により、シャフト本体10
の内周面に嵌挿溝11が形成されていく。より詳しく説
明すれば、嵌挿部外周面のセレーション歯22の先端2
2aが、ちょうど彫刻刀で溝を彫るようにして、内周面
を切削し、切り欠きを形成する。そして、この切り欠き
がセレーション歯22の移動に伴って進行移動すること
により嵌挿溝11が形成されていく。ヨーク圧入工程で
は、このようにして内周面に嵌挿溝11が形成される。
【0048】ヨーク20の嵌挿部21の外周径はシャフ
ト本体10の内周径よりも、若干大きいため、実際に
は、図7に強調して示すように、嵌挿溝11が形成され
る内周面は、ヨーク嵌挿部21の通過中に、その通過す
る部分が拡径させられつつ内周面に嵌挿溝11が形成さ
れる。そして嵌挿部21の通過後、つまり後方において
は、シャフト本体の弾性力で再び縮径する。
【0049】圧入工程の終了時には、ヨーク20は、図
8に示すように、終点に達する。この時点において、セ
レーション歯22は、嵌挿溝11の嵌合部11aと延出
部11bとの両者の形成を一旦終了し、セレーション歯
22の先端22aが停止した位置が、延出部11bの軸
方向中央側端11cとなる。つまり、ヨークの移動の終
了位置が、上述するセレーションの歯が延出部に適合す
る位置である。
【0050】(3)次に、ヨーク引出工程について説明
する。ヨーク引出工程においては、図9に示すように、
セレーション歯22が上記圧入工程で形成された嵌挿溝
11に沿って移動するように、ヨーク20が引き出され
る。ヨーク引出工程においても、ヨーク圧入工程同様に
実際には、図10に強調して示すように、シャフト本体
10の内周面を拡径しながらヨーク20が引き出され
る。この時、セレーション歯22の後端22bがあたか
も彫刻刀のように既に形成されている嵌挿溝11の溝底
を彫り進めるため嵌挿溝11がより深くなっていく。す
なわち、このような作用により、ヨーク引出工程におい
ても嵌挿溝の形成は進行する。
【0051】引出工程の終了時には、ヨーク20は、図
11に示すように、終点に達する。この時点において、
セレーション歯22は、嵌挿溝11のさらなる形成を一
旦終了して、所定の位置に停止する。この所定位置は、
セレーション歯22が嵌合部11a適合する位置とな
る。同時に、この所定位置において、嵌挿溝11の軸方
向中央側のセレーション歯22が存在しない空間、つま
りヨーク嵌挿部21の軸方向中央側に位置する嵌挿溝1
1の部分が、延出部11bとなる。
【0052】(4)上記実施形態として掲げた本発明の
製造方法は、圧入を行うだけの従来のシャフト本体とヨ
ークとの接合と比べても、単に、余分に圧入して引き出
すという作業が付け加わっただけであり、プロペラシャ
フトの製造を複雑にするものではない。したがって、上
記実施形態の製造方法は、良好な回転トルク伝達特性を
確保しつつより没入力が小さいという本発明のプロペラ
シャフトを極めて簡便に製造できる方法である。なお、
圧入工程、引出工程におけるヨークの終点位置、圧入お
よび引出の際の荷重、圧入および引出における速度等の
条件は、製造しようとするプロペラシャフトに応じ、適
切な値に設定すればよい。また、セレーションの歯の先
端および後端によりシャフト本体の内周面が切削される
ことに鑑みれば、歯の先端および後端は鋭利である方が
好ましい。
【0053】(5)本発明の製造方法では、上記実施形
態の製造方法におけるヨーク圧入およびヨーク引出を複
数回繰り返すものであってもよい。繰り返しヨークの圧
入および引出を行うことで形成される嵌挿溝はより深く
なる。その場合において、繰り返される圧入・引出の範
囲を、セレーションの歯が少なくとも前記嵌挿溝の延出
部に適合する位置から嵌合部に適合する位置までの間と
することができる。つまり、上述した図8と示す状態と
図11に示す状態との間である。嵌挿溝が実質的に機能
する範囲は嵌合部および延出部であり、少なくとも上記
範囲を往復させれば、良好な回転トルク伝達特性を確保
しつつより没入力が小さいという本発明のプロペラシャ
フトの性能をより向上させることができる。 (6)次に、本発明のプロペラシャフト製造方法におい
て、シャフト本体内周面の嵌挿溝の延出部を、嵌合部よ
りも深く形成するのに適した実施形態について説明す
る。この実施形態は、シャフト本体の外周面に応力を加
えることで嵌挿溝の延出部が形成されるシャフト本体の
内周面の部分を縮径させ、延出部を形成した後、その応
力を除くことで内周面のその部分を拡径させるという手
段を付加するものである。その概要を図12および図1
3に示す。図12は、シャフト本体の内周面に延出部を
形成する部分の外周面を押圧するように押圧治具を配設
した状態を示し、図13は、押圧治具による押圧下で、
シャフト本体の内周面に嵌挿溝の延出部が形成されてい
る様子を拡大して示してある。なお、図13は、説明の
都合上、シャフト本体の縮径の様子を誇張して模式的に
示している。
【0054】図12に示すように、例えば、延出部形成
前に、シャフト本体10の内周面に延出部を形成する部
分の外周面を、押圧治具30により押圧する。押圧治具
30は、詳細には描いてないが、この外周径とほぼ同径
の内周径を有する円筒形状のものであり、それ自体が縮
径することによりシャフト本体10の外周面を押圧する
ものとなっている。
【0055】押圧治具30により押圧する場合、図13
に示すように、押圧する部分のシャフト本体10の内周
面および外周面は縮径する。延出部を形成する部分の外
周面を押圧した状態でヨーク20をシャフト本体10に
圧入すると、セレーションの歯22によって形成される
嵌挿溝11は、嵌合部11aにおいても、延出部11b
においても、その溝の底部と軸中心との距離を一定にし
て形成される。つまり嵌挿溝11は、見かけ上同じ深さ
に形成される。嵌挿溝11を形成した後、例えば、圧入
工程および引出工程を終了した後、押圧治具30による
押圧を解けば、延出部11bが形成されたシャフト本体
10の内周面は拡径し、元の径に戻る。その結果、図1
3の一点鎖線で示すように、嵌挿溝11の延出部11b
は、嵌合部11aに比べて深く形成されることになる。
【0056】本態様の製造方法は、シャフト本体の外周
面の押圧という手段を付加するだけであり、ヨーク圧入
および引出工程にロスを与えるものではない。シャフト
本体の奥まった部分、つまり軸端から離れた部分だけ嵌
挿溝を深く形成することは、困難性を伴う作業である
が、本態様の製造方法によれば、かかる態様のプロペラ
シャフトを簡便に製造できる。
【0057】なお、本実施形態において使用する押圧治
具は、その材質、形状、押圧の機構等を特に限定するも
のではない。また、圧入工程および引出工程のうちいず
れかの工程を押圧下で行うものであってもよく、同様に
圧入および引出を複数回繰り返す場合であってもそれら
の圧入および引出のうちいずれか1以上を押圧下で行う
ものであってもよい。さらに、上述したように、ヨーク
嵌挿部通過の際のシャフトの拡径現象を利用すれば、押
圧治具は押圧による変位を伴うものでなくてもよく、す
なわち、押圧治具がシャフト本体の外周面に固定されて
いる結果、ヨーク嵌挿部通過にその拡径を抑制できるも
のであればよい。この場合においても押圧治具による反
力により、シャフト本体の外周面には、応力が加えられ
ることになる。
【0058】(7)本態様のプロペラシャフト製造方法
は、シャフト本体と、ヨークとの接合方法に特徴を有す
るものである。その他の工程、例えば、シャフト本体自
体の製造方法、ヨーク自体の製造方法等は特に限定する
ものではない。シャフト本体およびヨークの製造方法に
ついて、簡単ではあるが、それらの一例を以下に説明す
る。
【0059】シャフト本体は、例えば、FRP製シャフ
ト本体の製造に良く利用されているフィラメントワイン
ディング法(以下「FW法」と称す)を用いて製造する
ことができる。FW法を用いる場合は、繊維供給部から
樹脂を含浸させた繊維を供給し、この繊維をマンドレル
に巻き付け繊維層を形成し、その後これを硬化、脱型
し、最後に両端を切り揃えて、シャフト本体を製造する
ことができる。前述した強化部を設ける場合、当該部分
に別途強化繊維層を余分に積層させるあるいは当該部分
のみ繊維を密に捲回し肉厚を厚くする等の手段により、
その強化部を形成することができる。ここで、シャフト
本体を形成する繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、
アラミド繊維等の一種または二種以上を使用することが
できる。また、シャフト本体を形成する樹脂としては、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビニ
ルエステル樹脂等を使用することができる。
【0060】次に、ヨークは、例えば、溶融状態の原料
を鋳型に流し込み鋳造することにより、あるいは、鍛造
等することによりヨーク本体を成形し、そのシャフト本
体に嵌挿される外周面に機械加工によるセレーション歯
を形成することにより製造することができる。ここで、
ヨークを形成する材料としては、各種鉄系材料、アルミ
ニウム、銅等の金属材料を使用することができる。
【0061】(8)以上本発明のプロペラシャフトの製
造方法の実施形態について説明したが、上記実施形態は
一例に過ぎず、本発明のプロペラシャフトの製造方法
は、上記実施形態を始めとして、当業者が行い得る改
良、変更を施した種々の態様にて実施することができ
る。
【0062】
【実施例】上記実施形態の項で説明した本発明の製造方
法をシミュレートすべく、シャフト本体へのヨークの圧
入、引出を繰り返し、そのときの圧入力および引出力を
測定する圧入・引出試験を行った。また、この試験の結
果から本発明のプロペラシャフトの特性を評価した。以
下に、これらについて、本実施例の項目において詳しく
説明する。
【0063】〈試験に用いたシャフト本体およびヨー
ク〉試験に使用したプロペラシャフトのシャフト本体は
FW法により製造した。繊維としてカーボン繊維、樹脂
としてエポキシ樹脂を用いた。また、製造におけるマン
ドレルは、外周径(すなわちシャフト本体の内周径)が
75mmφ、全長が1400mmのものを用いた。ま
ず、エポキシ樹脂を含浸させたロービング(繊維を複数
本引き揃えた束)を、マンドレルのシャフト本体全長に
相当する部分に所定の角度でヘリカル巻きしシャフト本
体内周面を有する最内層を形成した。次に、マンドレル
の、シャフト本体の両端部に対応する部分に、上記最内
層の上からさらにパラレル巻きによる強化繊維層を形成
し、さらにこの上からシャフト本体全長に相当する部分
にヘリカル巻きによる最外層を形成した。最後に、この
上からシャフト本体の全長にわたってポリエステル糸を
パラレル巻きし保護層を形成した。次に、150℃の加
熱炉で、エポキシ樹脂の硬化を行った。その後、マンド
レルから成形品を脱型し、シャフト本体長が1100m
mになるように、両端を切断しトリミングを行った。こ
のようにして実験に用いたシャフト本体を製造した。
【0064】また、試験に使用したプロペラシャフトの
ヨークは、鋼を鍛造成形したヨーク本体に所定の機械加
工を施して製造した。ヨーク嵌挿部の外周面に形成した
セレーション歯の形状及び本数は所望の回転トルク伝達
特性を確保するように設定する。
【0065】〈試験装置および試験条件〉試験装置はシ
ャフト本体を把持、固定する固定治具と、このシャフト
本体に対し、中心軸を一致させた状態でヨークの圧入、
引出を行う圧入機とからなる。圧入機は油圧により駆動
する。試験は、シャフト本体の一端からヨークを圧入
し、その後に引き出すことを繰り返し、圧入、引出に必
要な力を記録した。
【0066】〈ヨークの圧入〉まず、シャフト本体の一
端にヨークを圧入した。これは上記製造方法のヨーク圧
入工程に相当するものである。ヨークを圧入するのに必
要な荷重(圧入時に抵抗となる力)の変化を測定した結
果を図14に示す。図14の横軸は、シャフト本体のヨ
ークが圧入される端をちょうど0とした場合の軸方向の
変位を示す。また縦軸は、圧入に必要な荷重を示し、値
が小さいほどヨークがシャフト本体に圧入されやすいこ
とを意味する。
【0067】前述したように、ヨーク圧入時において
は、セレーション歯先端が内周面を切削する切削力と、
セレーション歯とヨーク内周面との摩擦力とが抵抗とな
る。ここで切削力は、セレーション歯端が内周面を削る
ために必要な力であり、同じ深さの嵌挿溝を連続して形
成する場合のセレーション歯端と内周面との接触面積は
変わらないため、ヨーク圧入工程における切削力の値は
セレーション歯先端がシャフト本体端の内周面と接した
時点から一定で、その値は変化しない。これに対して摩
擦力の値はヨーク嵌挿部外周面のセレーション歯全長が
完全にシャフト本体に圧入されるまで増加する。これ
は、ヨーク圧入に伴って、セレーション歯とシャフト本
体内周面との接触面積が増えるからである。ただし、セ
レーション歯全長が圧入されると、その後の値は一定と
なる。これは、セレーション歯と内周面との接触面積が
一定となるからである。
【0068】図14に示すようにヨーク圧入開始と同時
に加わる力、すなわち切削力は2.5kNであった。圧
入直後から荷重は徐々に増え始め26.2kNまで大き
くなった。この場合変化するのは摩擦力である。ヨーク
の嵌挿部の全体が完全にシャフト本体に圧入された後、
シャフト本体内周面に嵌挿溝の嵌合部が形成される。す
なわち嵌合部形成に必要な荷重は26.2kNであっ
た。さらにヨークをシャフト本体内部に圧入するには、
23.9kNの力が必要であった。すなわち嵌挿溝の延
出部形成に必要な力は23.9kNである。これは、嵌
挿溝の延出部を有しない従来型プロペラシャフトが内周
面を削りながら没入するのに必要な力にほぼ等しい。す
なわち、従来型プロペラシャフトが軸方向の圧縮荷重を
受けた場合、ヨークをシャフト本体に没入させるには2
3.9kNの力が必要であることが判った。
【0069】〈ヨークの引出〉次いで、延出部形成後、
先の圧入によって形成されたシャフト本体内周面の嵌挿
溝にセレーションの歯を沿わせつつ、セレーション歯と
嵌挿溝の嵌合部とが適合する位置までヨークを引き出し
た。このときのヨークを引き出すのに必要な力を図15
に示す。これは上記製造方法のヨーク引出工程に相当す
るものである。図に示すように引き出すのに必要な力は
一定でその値は17.8kNであった。上記嵌挿部の通
過に伴うシャフト本体の拡径・縮径現象に鑑みれば、一
度の圧入を行った後であっても、次の引出によって切削
し得る切削代が、嵌挿溝に残存している。したがってヨ
ーク引出工程においても、摩擦力のみならず切削力も加
わるため、この17.8kNという値は、摩擦力と切削
力との和であると考えられる。
【0070】〈ヨークの再圧入〉再びヨークを、シャフ
ト本体内周面の嵌挿溝に沿って、嵌挿溝の延出部が形成
されている位置、つまり延出部にセレーションの歯が適
合する位置まで圧入(以下「再圧入」と称す)した。こ
のときヨークを再圧入させるのに必要な力を図16に示
す。図に示すように再圧入に必要な力は略一定で、その
値は21.4kNであった。前述したように、この工程
においても、摩擦力のみならず切削力も加わるため、こ
の21.4kNという値は、摩擦力と切削力との和であ
ると考えられる。また、この値は、予め嵌挿溝の延出部
を有する本発明のプロペラシャフトに軸方向圧縮荷重が
加わった際の没入力に匹敵する。前述したように、従来
型プロペラシャフトが軸方向圧縮荷重を受けた場合、ヨ
ークをシャフト本体に没入させるには嵌挿溝の延出部を
彫る必要があるため23.9kNの力が必要であった。
したがって、本発明のプロペラシャフトによると、従来
型と比較して、2.5kN分没入力を小さくすることが
できることが判った。なお、この2.5kNという値は
前述した最初にヨークを圧入する際の切削力の値と略同
値であり、この切削に必要な力が軽減される分だけ、再
圧入の場合の方が圧入力は小さくて済むと考えられる。
【0071】〈ヨークの再引出〉再びヨークを、シャフ
ト本体内周面の嵌挿溝に沿って、セレーション歯と嵌挿
溝の嵌合部とが適合する位置まで引き出した。このとき
ヨークの引出(以下「再引出」と称す)に必要な力を図
17に示す。図に示すように再引出に必要な力は略一定
でその値は16.2kNであった。前述したように、2
度の圧入と1度の引出を行った後でも、再引出において
切削力はある程度必要となると考えらる。したがって、
摩擦力のみならず切削力も加わるため、この16.2k
Nという値は、摩擦力と切削力との和であると考えられ
る。ただし、前述したヨーク引出工程における引出に必
要な力(17.8kN)よりは、値が小さくなってい
る。これは一回目の引出時と比較して、切削代が少な
く、切削に必要な力が小さくて済むためであると考えら
れる。
【0072】〈ヨークの再々圧入〉三度ヨークを、シャ
フト本体内周面の嵌挿溝に沿って、嵌挿溝の延出部にセ
レーションの歯が適合する位置まで圧入(以下「再々圧
入」と称す)した。このときヨークを再々圧入させるの
に必要な力を図18に示す。図に示すように再々圧入に
必要な力も略一定で、その値は19.0kNであった。
前述したように、この工程においても、摩擦力のみなら
ず切削力も加わると予測され、この19.0kNという
値は、摩擦力と切削力との和であると考えられる。ま
た、この値は、ヨーク圧入とヨーク引出を各々2回繰り
返して製造した本発明のプロペラシャフトに軸方向圧縮
荷重が加わった際の没入力を示す。前述したように、従
来型の延出部を有しないプロペラシャフトが軸方向圧縮
荷重を受けた場合、ヨークをシャフト本体に没入させる
には23.9kNの力が必要である。したがって、この
プロペラシャフトによると従来型と比較して4.9kN
分没入力を小さくすることができることが判った。ま
た、一回だけ圧入、引出を行った本発明のプロペラシャ
フト(没入力値=21.4kN)と比較して2.4kN
分没入力を小さくすることができることも判った。この
ように、圧入、引出を繰り返す毎に、必要な切削力が小
さくなるため、没入力は小さくなり、究極的には、ヨー
ク嵌挿部の外周径とシャフト本体の溝底部をつないで形
成される円の直径とが等しくなるまで圧入と引出とを繰
り返せば、切削力の値が0となり、没入時の抵抗となり
得るのは摩擦力だけであるため没入力は最小となると考
えられる。
【0073】〈まとめ〉上記試験の結果として、圧入〜
再々圧入の各工程における圧入力または引出力を下記表
1にまとめて示す。
【0074】
【表1】
【0075】上記表1に示す圧入工程における圧入力と
再圧入工程における圧入力とを比較すれば、再圧入工程
における圧入力のほうが小さな値となっており、本発明
のプロペラシャフトは従来型の嵌挿溝の延出部を有しな
いプロペラシャフトと比較して没入力が小さいことが確
認できた。また圧入力が圧入工程、再圧入工程、再々圧
入工程の順に小さくなっていくことから、本発明のプロ
ペラシャフトの嵌挿溝の延出部が深い形態のものは、よ
り没入力が小さいことが確認できた。
【0076】また、上記圧入・引出試験は本発明の製造
方法をシミュレートしたものであることから、本発明の
製造方法は、本発明のプロペラシャフトを簡便に製造で
きることが確認できた。さらにまた、本発明の製造方法
においてヨークの圧入および引出を複数回繰り返すこと
により、より没入力の小さな本発明のプロペラシャフト
を簡便に製造できることが確認できた。
【0077】
【発明の効果】本発明は、シャフト本体と、セレーショ
ンが形成された嵌挿部をそのシャフト本体の内周面に嵌
挿されて取付けられたヨークとからなるプロペラシャフ
トを、ヨーク没入時にセレーション歯が移動するための
延出部を有する嵌挿溝をシャフト本体内周面に予め設け
るように構成するものである。このような構成とするこ
とで、本発明のプロペラシャフトは、良好な回転トルク
伝達特性を確保しつつ、没入力の小さなプロペラシャフ
トとなる。
【0078】また本発明は、上記プロペラシャフトを製
造する際の製造方法を、ヨークの圧入工程とその後に行
う引出工程とにより構成するものである。このような構
成とすることで、本発明の製造方法によれば、上記本発
明のプロペラシャフトを極めて簡便な作業により製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の代表的な実施形態であるプロペラシ
ャフトの斜視図である。
【図2】 本発明の代表的な実施形態であるプロペラシ
ャフトの軸方向一部断面図である。
【図3】 本発明の代表的な実施形態であるプロペラシ
ャフトの軸垂直方向の一部拡大断面図(図2におけるA
−A断面図)である。
【図4】 本発明の代表的な実施形態であるプロペラシ
ャフトにおいて、ヨークがシャフト本体に没入した状態
の軸方向一部断面図である。
【図5】 本発明の製造方法のヨーク圧入工程におい
て、ヨークをシャフト本体に圧入する直前の状態を示す
図である。
【図6】 本発明の製造方法のヨーク圧入工程におい
て、セレーション歯により嵌挿溝が形成されていく様子
を示す図である。
【図7】 本発明の製造方法のヨーク圧入工程におい
て、シャフト本体の内周面に嵌挿溝が形成される様子の
拡大図である。
【図8】 本発明の製造方法のヨーク圧入工程の終了時
の状態を示す図である。
【図9】 本発明の製造方法のヨーク引出工程におい
て、セレーション歯が嵌挿溝に沿って移動しながらヨー
クが引き出される状態を示す図である。
【図10】 本発明の製造方法のヨーク引出工程におい
て、嵌挿溝がより深く形成される様子の拡大図である。
【図11】 本発明の製造方法のヨーク引出工程の終了
時の状態を示す図である。
【図12】 嵌挿溝延出部を深く形成するための本発明
の製造方法において、シャフト本体の内周面に延出部を
形成する部分の外周面を押圧するように押圧治具を配設
した状態を示す図である。
【図13】 嵌挿溝延出部を深く形成するための本発明
の製造方法において、押圧治具による押圧下で、シャフ
ト本体の内周面に嵌挿溝の延出部が形成されている様子
の拡大図である。
【図14】 ヨーク圧入・引出試験において、ヨークを
圧入するのに必要な力の変化を示す図である。
【図15】 ヨーク圧入・引出試験において、ヨークの
引出に必要な力を示す図である。
【図16】 ヨーク圧入・引出試験において、ヨークの
再圧入に必要な力を示す図である。
【図17】 ヨーク圧入・引出試験において、ヨークの
再引出に必要な力を示す図である。
【図18】 ヨーク圧入・引出試験において、ヨークの
再々圧入に必要な力を示す図である。
【符号の説明】
1:プロペラシャフト 10:シャフト本体 11:嵌挿溝 11a:嵌合部 11b:延出部 20:ヨーク 21:嵌挿部 22:セレーション歯 30:押圧治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 康己 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 安居 義治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3D042 AA06 AA07 AA08 AB01 DA05 DA09 DA12 DA15 3J033 AA01 AB01 AB03 AC01 BA02 BA07 BA08 BC02 BC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形状をなすFRP製のシャフト本体
    と、 外周面に軸方向に延びる歯を持つセレーションが形成さ
    れた嵌挿部を有し、前記シャフト本体の少なくとも一端
    部に、該一端部の内周面に前記嵌挿部が嵌挿されて取り
    付けられた金属製のヨークと、を備え、 前記シャフト本体は、前記内周面に、前記セレーション
    の歯が嵌合する嵌合部と、該嵌合部と連続して形成され
    前記セレーションの歯の軸方向中央側端よりもさらに軸
    方向中央に向かって延出している延出部とを有する嵌挿
    溝を備えることを特徴とするプロペラシャフト。
  2. 【請求項2】 前記嵌挿溝の前記延出部が前記嵌合部よ
    りも深く形成されている請求項1に記載のプロペラシャ
    フト。
  3. 【請求項3】 前記シャフト本体は、前記ヨークが取り
    付けられる側の一端から軸方向中央に向かう所定区間内
    において肉厚が厚く形成されており、 前記嵌挿溝の前記延出部の軸方向中央側端が、前記所定
    区間の軸方向中央側端と同じ位置、または前記所定区間
    の軸方向中央側端よりも前記一端側に位置している請求
    項1または請求項2に記載のプロペラシャフト。
  4. 【請求項4】 円筒形状をなすFRP製のシャフト本体
    と、外周面に軸方向に延びる歯を持つセレーションが形
    成された嵌挿部を有し、前記シャフト本体の少なくとも
    一端部に、該一端部の内周面に前記嵌挿部が嵌挿されて
    取り付けられた金属製のヨークとを備え、前記シャフト
    本体は、前記内周面に、前記セレーションの歯が嵌合す
    る嵌合部と、該嵌合部と連続して形成され前記セレーシ
    ョンの歯の軸方向中央側端よりもさらに軸方向中央に向
    かって延出している延出部とを有する嵌挿溝を備えるプ
    ロペラシャフトの製造方法であって、 前記セレーションの歯により前記シャフト本体の内周面
    に前記嵌挿溝の前記嵌合部および前記延出部を連続して
    形成しつつ、該セレーションの歯が前記延出部に適合す
    る位置まで前記ヨークを前記シャフト本体の前記一端部
    に圧入するヨーク圧入工程と、 前記セレーションの歯が前記嵌合部に適合する位置する
    まで前記ヨークを引き出すヨーク引出工程と、 を含んでなることを特徴とするプロペラシャフトの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記ヨーク圧入工程と前記ヨーク引出工
    程との間に少なくとも1回行われ、前記セレーションの
    歯が少なくとも前記嵌挿溝の前記延出部に適合する位置
    から前記嵌合部に適合する位置までの間を往復するよう
    に前記ヨークを引き出しおよび圧入するヨーク往復工程
    をさらに含む請求項4に記載のプロペラシャフトの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記シャフト本体の外周面に応力を加え
    ることで前記嵌挿溝の前記延出部が形成される該シャフ
    ト本体の内周面の部分を縮径させ、該延出部を形成した
    後、該応力を除くことで内周面の該部分を拡径させるこ
    とにより、前記嵌挿溝の延出部を前記嵌合部よりも深く
    形成する請求項4または請求項5に記載のプロペラシャ
    フトの製造方法。
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