JP3218892B2 - プロペラシャフト - Google Patents

プロペラシャフト

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JP3218892B2
JP3218892B2 JP29272594A JP29272594A JP3218892B2 JP 3218892 B2 JP3218892 B2 JP 3218892B2 JP 29272594 A JP29272594 A JP 29272594A JP 29272594 A JP29272594 A JP 29272594A JP 3218892 B2 JP3218892 B2 JP 3218892B2
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幸胤 木本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等のプロペラ
シャフト(駆動推進軸)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費の向上や環境保全といった観
点から自動車の軽量化が強く望まれているが、それを達
成する一つの手段としてプロペラシャフトのFRP(繊
維強化プラスチック)化が検討され、一部で既に採用さ
れるに至っている。そのようなFRP製プロペラシャフ
トは、FRP製の円筒状本体と、この本体の各端部に接
合して設けた金属製継手とを有している。
【0003】ところで、自動車のプロペラシャフトは、
エンジンで発生するトルクを駆動輪に伝達するものであ
るから、100〜400kgf ・m 程度の捩り強度を必要
とする。また、高速回転時に共振を起こさないよう、危
険回転数が5,000〜15,000rpm 程度であるこ
とも要求される。そのため、これらの基本的要求が満た
されるよう、FRP製の本体は、補強繊維の種類、含有
量や、補強繊維の配列方向、層構成や、外径、内径、肉
厚等のパラメータを考慮した設計がなされる。たとえ
ば、補強繊維の配列方向の選定には、次のようなことが
考慮される。すなわち、主として捩り強度に関しては、
補強繊維を本体の軸方向に対して±45゜の角度で配列
するのが最も効果的であるが、主として捩り座屈強度に
関しては、軸方向に対して±80〜90゜の角度で配列
するのが最も効果的である。また、主として危険回転数
に関しては、補強繊維を可能な限り軸方向に配列してそ
の軸方向における曲げ弾性率を大きくし、高い曲げ共振
周波数が得られるようにする。
【0004】このように、本体においては、捩り強度と
危険回転数といった基本的要求に関して最も効果的な補
強繊維の配列方向が存在するので、これらの要求に好適
な配列方向を組み合わせた層構成を採ることになるが、
捩り強度の問題は外径や肉厚等の寸法面からも解決でき
ることから、通常は、補強繊維の配列方向への依存性の
大きい危険回転数を優先した設計がなされ、補強繊維が
軸方向に対して小さな角度で配列された層の割合を多く
している。ところが、そのために以下において説明する
ような問題が起こっている。
【0005】すなわち、軽量化とともに重要なことに、
衝突時における乗員の安全確保の問題がある。この安全
確保についての近年における自動車の設計思想は、ボデ
ィをクラッシャブル構造とし、衝突時の衝撃エネルギー
(圧縮荷重)をボディの圧縮破壊によって吸収し、もっ
て乗員にかかる急激な加速度を緩和することに支配され
るが、上述した、危険回転数を優先した思想の下にFR
P製本体を設計すると、必然的に軸方向の圧縮荷重に対
する強度が高くなり、衝突時にボディが破壊し、その破
壊が逐次進行してプロペラシャフトに達したときに、プ
ロペラシャフトがあたかもつっかい棒のように作用して
衝撃エネルギーの吸収効果が損われるようになってしま
う。
【0006】かかる問題を解決しようとして、特開平3
−37416号発明は、衝突時の圧縮荷重で継手が本体
との接合面において軸方向に移動し、同時に継手が本体
全体をその端部から徐々に押し拡げて破壊するようにし
たプロペラシャフトを提案している。しかしながら、こ
の従来のプロペラシャフトは、継手の移動を確保するた
めに本体と継手とを複雑な歯形や分離剤を介して接合し
なければならず、構造が複雑になるばかりか、製造上の
煩雑さも免れない。また、そのような構成のプロペラシ
ャフトにおいて継手を圧入接合しようとすると、本体に
圧入時の力に耐える強度をもたせなければならないが、
そのための強度をもたせることは、圧縮荷重による本体
の押し拡げ、破壊を困難にする。すなわち、上述した基
本的要求と、押し拡げ、破壊という相反する要求とを同
時に満足させることはなかなか難しい。
【0007】また、特開平4−339022号公報は、
軸方向の圧縮荷重が負荷されたときに継手が本体との接
合面上を本体の内部に向かって移動し、その移動抵抗に
よって衝撃エネルギーを吸収するようにしたプロペラシ
ャフトを記載している。しかしながら、このような構成
では、継手の外径を本体の内径よりも必ず小さくしなけ
ればならず、設計の自由度が低下するばかりか、継手の
長さが移動量の限度となるから衝撃エネルギーの吸収効
果もそれほど大きくない。
【0008】このように、従来のプロペラシャフトは、
いずれも、捩り強度や危険回転数といった基本的要求と
衝突時における乗員の安全確保においてバランスのとれ
たものであるとはいい難い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来のプロペラシャフトの上述した問題点を解決し、捩り
強度や危険回転数といった基本的要求を満足しつつ、衝
突時におけるボディの破壊にあわせてプロペラシャフト
の破壊を確実に進行させることができ、ボディのエネル
ギー吸収効果を十分に発現させることができるプロペラ
シャフトを提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、FRP製の円筒状本体と、この本体の
端部に接合して設けた継手とを有し、上記本体は、その
本体の全長にわたって延在する主層と、上記本体の端部
において、上記主層と一体に、かつ、上記主層の内側に
設けた部分層とを含み、上記継手は、その継手の軸方向
に作用する圧縮荷重を上記主層と上記部分層との層間に
作用させてそれら主層と部分層とを上記層間において剥
離させるくさび手段を備えているプロペラシャフトを提
供する。また、この発明は、FRP製の円筒状本体と、
この本体の一端部および他端部に接合して設けた継手と
を有し、上記本体は、その本体の全長にわたって延在す
る主層と、上記本体の一端部において、上記主層と一体
に、かつ、上記主層の内側に設けた部分層とを含み、上
記一端部に設けた継手は、その継手の軸方向に作用する
圧縮荷重を上記主層と上記部分層との層間に作用させて
それら主層と部分層とを上記層間において剥離させるく
さび手段を備えているプロペラシャフトを提供する。
【0011】さらに、この発明は、FRP製の円筒状本
体と、この本体の一端部および他端部に接合して設けた
継手とを有し、上記本体は、その本体の全長にわたって
延在する、ヘリカル巻された補強繊維を包含する主層
と、上記本体の一端部および他端部において、上記主層
と一体に、かつ、上記主層の内側に設けた、フープ巻さ
れた補強繊維を包含する部分層とを含み、上記一端部お
よび他端部に設けた継手は、その継手の軸方向に作用す
る圧縮荷重を上記主層と上記部分層との層間に作用させ
てそれら主層と部分層とを上記層間において剥離させる
くさび手段を備えているプロペラシャフトを提供する。
【0012】さらにまた、この発明は、FRP製の円筒
状本体と、この本体の一端部および他端部に接合して設
けた継手とを有し、上記本体は、その本体の全長にわた
って延在する、本体の軸方向に対して±5〜30゜の角
度でヘリカル巻された補強繊維を包含する主層と、上記
本体の一端部および他端部において、上記主層と一体
に、かつ、上記主層の内側に設けた、フープ巻された補
強繊維を包含する部分層とを含み、上記一端部および他
端部に設けた継手は、その継手の軸方向に作用する圧縮
荷重を上記主層と上記部分層との層間に作用させてそれ
ら主層と部分層とを上記層間において剥離させるくさび
手段を備えているプロペラシャフトを提供する。
【0013】また、この発明は、FRP製の円筒状本体
と、この本体の一端部および他端部に接合して設けた金
属製継手とを有し、上記本体は、 a. 上記本体の全長にわたって設けた、上記本体の軸
方向に対して±5〜30゜の角度でヘリカル巻された補
強繊維を含む主層と、 b. 上記本体の一端部および他端部において、上記主
層と一体に、かつ、上記主層の内側に設けた、フープ巻
された補強繊維を含む部分層と、を有し、上記一端部お
よび他端部に設けた継手は、 c. 上記部分層に内接する接合面と、 d. 上記接合面に隣接して設けた、上記継手の軸方向
に作用する圧縮荷重を上記主層と上記部分層との層間に
作用させてそれら主層と部分層とを上記層間において剥
離させる、先端が上記主層と上記部分層との層間に対向
しているくさび手段と、を有しているプロペラシャフト
を提供する。
【0014】上記において、継手の接合は圧入によって
行われているのが好ましい。また、継手の本体との接合
面には、その継手の軸方向に延びるセレーションが設け
られているのが好ましい。さらに、部分層は、外端面に
対応する内端面側の部分がくさび形の縦断面形状を有し
ているか、外端面側から内端面側に向かって厚みが徐々
に薄くなっているのが好ましい。上記くさび手段は、主
層と部分層との層間に沿って延びるリング状のくさびを
有しているか、主層と部分層との層間に沿って配された
複数個のくさびを有しているのが好ましい。
【0015】この発明をその一実施態様に基いてさらに
詳細に説明するに、図1および図2において、プロペラ
シャフトは、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアラミド繊維
等の高強度、高弾性率補強繊維でエポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹
脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等
の熱可塑性樹脂を強化してなるFRP製の円筒状本体1
を有する。本体1の一端部および他端部には、金属製継
手2が圧入接合されている。このプロペラシャフトは、
長さ方向中心からみて対称形をしている。
【0016】本体1は、一様な内径を有するとともに、
その全長にわたって延在する、軸方向に対して±5〜3
0゜の角度でヘリカル巻された補強繊維を含む主層1a
と、本体1の両端部において、上記主層1a と一体に、
かつ、その主層1a の内側に設けた、フープ巻された補
強繊維を含む部分層(軸方向に対して補強繊維が±80
〜90゜の角度で配列されている層)1b とを有してい
る。主層1a は、本体1の、主として、軸方向における
曲げ弾性率を向上させてプロペラシャフトの曲げ共振周
波数を高くし、危険回転数を高くするとともに、捩り強
度を向上させるように作用する。また、部分層1b は、
本体1の、主として、継手が圧入接合される各端部に、
後述するように破壊の進行を妨げることなく圧入時の力
に耐える強度を与えるとともに、継手2からの回転トル
ク(捩りトルク)を本体1に伝達するように作用する。
このような本体1は、たとえばフィラメントワインディ
ング法によって成形することができる。
【0017】すなわち、樹脂を含浸した補強繊維束を用
い、その樹脂含浸補強繊維束をマンドレルの一端部に所
望の厚み、所望の長さフープ巻して部分層を形成した
後、そのまま樹脂含浸補強繊維束をマンドレルの他端部
に走らせてその他端部に同様に部分層を形成する。引き
続き、樹脂含浸繊維束を他端部から始めてその他端部と
一端部との間を往復させながらヘリカル巻し、所望の厚
みの主層を形成する。主層の形成を終えた後、その主層
の上に樹脂含浸繊維束を薄くフープ巻することもでき、
そうすると、余分な樹脂が絞り出されて補強繊維の体積
含有率が高くなり、本体の各種強度や弾性率等がさらに
向上するようになる。このようにして、補強繊維束を中
途で切断することなく連続して各層を形成することがで
きる。層の形成後は、好ましくは回転させながら樹脂を
硬化ないし固化させ、マンドレルを引き抜いて本体を得
る。
【0018】一方、継手2は、部分層1b に内接し、か
つ、その部分層1b よりもやや短い接合面2a を有す
る。接合面2a が形成されている部分の外径は、圧入前
における本体1の内径よりもやや大きく、したがって、
継手2を本体1に圧入すると、継手の接合面2a には圧
縮応力が、また、本体1には周方向の引張応力がそれぞ
れ作用し、これら圧縮応力と引張応力とで本体1と継手
2とが強固に接合されるようになる。そして、本体1の
各端部には、内側に部分層1b が存在し、外側に主層1
a が存在するので、圧入接合によって本体1に生ずる周
方向の引張応力は、主として部分層1b が受け持つこと
になる。また、本体1の周方向の歪は、内側で最も大き
く、外側ほど小さくなるが、補強繊維がフープ巻されて
いるために引張破断伸度が大きい部分層1b をそれより
も破断伸度の小さい主層1a の内側に位置させているか
ら、効果的な接合状態が発現されるようになる。
【0019】接合前における、継手2の、接合面2a が
形成されている部分の外径の本体1の内径に対する差、
すなわち圧入代は、大きいほど強い接合力が得られ、捩
り強度が向上するので捩りトルクの伝達には都合がよい
が、接合力は、接合面2a の面積や表面状態によっても
変わる。通常、圧入代の本体1の内径に対する比を0.
001〜0.02の範囲に選定し、接合面2a の本体1
の軸方向における長さを本体の内径の1/10以上にす
る。また、図2に示すように、接合面2a に、継手の軸
方向に延びるセレーション2b を設けておくのも大変都
合がよい。なお、接合力を向上させたり、滑りをよくし
て圧入を容易にしたり、接合面2a と部分層1b の内面
との間隙を埋めたり、接合面を外気から遮断して保護す
る等の目的で接合面2a に接着剤を塗布しておくのもよ
い。
【0020】上述した継手2には、接合面2a に隣接し
て、外径が本体1の内径よりもやや大きいリング状凸部
2c が設けられている。そして、このリング状凸部2c
には、先端が上記主層1a と部分層1b との層間に対向
している、やはりリング状のくさび2d が形成されてい
る。これら凸部2c とくさび2d とが、継手2の軸方向
に作用する圧縮荷重を主層1a と部分層1b との層間に
作用させてそれら主層1a と部分層1b とを上記層間に
おいて剥離させるためのくさび手段を構成している。も
っとも、くさびは、リング状ではなく、複数個が層間に
沿って等配されていることであってもよい。また、くさ
びは、片刃でも両刃でもよいが、図1に示すように、刃
面が外側にある片刃であるのが好ましい。また、刃面が
円筒1の軸方向に対してなす角度は15〜45゜の範囲
にあるのが好ましい。
【0021】さて、上述したプロペラシャフトにその軸
方向の圧縮荷重が加わると、図3に示すように、継手2
が本体1側に押され、くさび2d が主層1a と部分層1
b との層間に押し込まれる。くさび2d が主層1a と部
分層1b との層間に押し込まれると、そのくさび作用に
よって、主層1a に周方向の引張歪が発生する。する
と、主層1a は部分層1b よりも引張破断伸度が低いの
でその主層1a のみが破壊し、主層1a と部分層1b と
の間で層間剥離が起こる。すなわち、主層1a と部分層
1b とが離れる。この状態になると、凸部2c の作用に
よって主層1a の破壊が一気に進むが、継手2と接合さ
れている部分層1b は破壊することなくその継手2とと
もに主層1a を破壊しながら本体1中をその軸方向に移
動する。
【0022】このようにして軸方向のエネルギーを主層
1a の破壊によって吸収するのであるが、本体1の初期
破壊は継手2のくさび2d が誘発し、また、凸部2c が
主層1a を拡げるので、くさび2d の刃面が本体1の軸
方向に対してなす角度は、上述したように15〜45゜
の範囲にあるのが好ましい。また、破壊の進行過程に着
目してみると、部分層1b を、図1に示すように、外端
面に対応する内端面側の部分をくさび形の縦断面形状を
有するものとしておいたり、図4に示すように、外端面
側から内端面側に向かって厚みを徐々に薄くしておくの
も好ましいことである。
【0023】以上においては、本体がその長さ方向にお
いて対称形であるものについて説明したが、その必要は
必ずしもない。というのは、後述するように、本体の破
壊をその両端部から同時に進行させる必要は必ずしもな
いからである。継手の接合の方法等にもよるが、いずれ
かの端部を部分層を有しないものとして構成することも
可能である。
【0024】また、継手は、その接合部にセレーション
を有するものについて説明した。そのような継手を用い
ると本体との接合がより強固になり、捩りトルクの伝達
には都合がよい。しかしながら、接合の方法等にもよる
が、セレーションを有しない継手の使用も可能である。
【0025】さらに、継手の接合は、圧入接合によるの
が好ましいものの、接着剤による接着でもよく、また、
圧入接合と接着剤による接合とを併用することもでき
る。
【0026】また、本体の一端部と他端部とで同じ継手
を使用したもの、すなわち、長さ方向に対称形のプロペ
ラシャフトについて説明したが、そうすると部品の種類
が少なくなるという利点があるものの、本体の破壊をそ
の一端部および他端部の双方から同時に進行させる必要
は必ずしもないので、他端部においてはくさび手段を有
しない継手を使用してもよい。また、他端部の継手を、
図5に示すように、外径が本体1の外径以上である凸部
2f を有し、それによって形成される立面2eが主層1a
と部分層1b の外端面の双方に当接するようなものと
してもよい。このとき、立面2e は、圧入接合時におけ
るストッパとして、また、本体が圧縮荷重を受けたとき
にそれを受け止める台座として作用する。なお、他端部
には継手が接合されないで、継手を取り付けるためのフ
ランジ等が接合されることもあり得ることである。
【0027】
【実施例】
実施例1 フィラメントワインディング法によって本体を成形し
た。すなわち、炭素繊維束(平均単糸径:7μm、単糸
数:12,000本、引張強度360kgf /mm2、引張
弾性率:23,500kgf /mm2 )を6本引き揃え、こ
れを、硬化剤および硬化促進剤を含むビスフェノールA
型エポキシ樹脂を含浸しながら、外径70mm、長さ1,
300mmのマンドレルに、まず、その一端部100mmの
部分に軸方向に対して±80゜の角度で8層巻き付けて
厚み2.5mmの部分層を形成した後、他端部に移動して
同様に部分層を形成し、引き続きマンドレルの全長にわ
たって軸方向に対して±15゜の角度で4層巻き付けて
厚み2.5mmの主層を形成し、さらに、マンドレルの全
長にわたって軸方向に対して−80゜で1層フープ巻し
た。
【0028】次に、マンドレルを回転させながら180
℃で6時間加熱してエポキシ樹脂を硬化させ、マンドレ
ルを引き抜いた後、各端部50mmの部分を切断、除去し
て、各端部の外径が80mm、内径が70mm、長さが1,
200mmの、図1に示すような本体1を得た。
【0029】次に、上記本体1の各端部に、図2に示す
ような、接合面にセレーションを有し、接合面2a の外
径が70.5mm、接合面2a の長さが40mm、リング状
凸部2c の外径が80mm、くさび2d が本体1の軸方向
に対してなす角度が30゜の金属製継手2を図1に示す
ように圧入接合し、この発明のプロペラシャフトを得
た。圧入に要した力は7,000kgf であった。
【0030】次に、上記プロペラシャフトについて捩り
試験をしたところ、捩り強度は350kgf ・m であっ
た。また、危険回転数は8,000rpm であり、いずれ
も自動車用プロペラシャフトとして十分であった。
【0031】次に、軸方向に圧縮荷重を負荷したとこ
ろ、10,000kgf で主層と部分層とが剥離して主層
の破壊が始まり、破壊後は3,000kgf の荷重で図3
に示すように逐次破壊が進行した。
【0032】
【発明の効果】この発明のプロペラシャフトは、継手
が、その継手の軸方向に作用する圧縮荷重を主層と部分
層との層間に作用させてそれら主層と部分層とを上記層
間において剥離させるくさび手段を備えているので、実
施例にも示したように、自動車において要求される捩り
強度や危険回転数といった基本的要求を満足しつつ、衝
突時におけるボディの破壊にあわせて破壊を確実に進行
させることができ、ボディのエネルギー吸収効果を十分
に発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施態様に係るプロペラシャフト
の要部を示す概略一部縦断面正面図である。
【図2】図1に示した継手を示す概略一部縦断面正面図
である。
【図3】図1に示したプロペラシャフトの破壊の進行状
況を示す、プロペラシャフトの要部を示す概略一部縦断
面正面図である。
【図4】この発明の別の実施態様に係るプロペラシャフ
トの要部を示す概略一部縦断面正面図である。
【図5】この発明のさらに別の実施態様に係るプロペラ
シャフトの要部を示す概略一部縦断面正面図である。
【符号の説明】 1:本体 1a :主層 1b :部分層 2:継手 2a :接合面 2b :セレーション 2c :凸部(くさび手段) 2d :くさび(くさび手段) 2e :立面 2f :凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:08 B29L 31:08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 3/02 B29C 65/56 B29D 31/00 B60K 17/22 B29K 105:10 B29L 31:08

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FRP製の円筒状本体と、この本体の端部
    に接合して設けた継手とを有し、上記本体は、その本体
    の全長にわたって延在する主層と、上記本体の端部にお
    いて、上記主層と一体に、かつ、上記主層の内側に設け
    た部分層とを含み、上記継手は、その継手の軸方向に作
    用する圧縮荷重を上記主層と上記部分層との層間に作用
    させてそれら主層と部分層とを上記層間において剥離さ
    せるくさび手段を備えているプロペラシャフト。
  2. 【請求項2】FRP製の円筒状本体と、この本体の一端
    部および他端部に接合して設けた継手とを有し、上記本
    体は、その本体の全長にわたって延在する主層と、上記
    本体の一端部において、上記主層と一体に、かつ、上記
    主層の内側に設けた部分層とを含み、上記一端部に設け
    た継手は、その継手の軸方向に作用する圧縮荷重を上記
    主層と上記部分層との層間に作用させてそれら主層と部
    分層とを上記層間において剥離させるくさび手段を備え
    ているプロペラシャフト。
  3. 【請求項3】FRP製の円筒状本体と、この本体の一端
    部および他端部に接合して設けた継手とを有し、上記本
    体は、その本体の全長にわたって延在する、ヘリカル巻
    された補強繊維を包含する主層と、上記本体の一端部お
    よび他端部において、上記主層と一体に、かつ、上記主
    層の内側に設けた、フープ巻された補強繊維を包含する
    部分層とを含み、上記一端部および他端部に設けた継手
    は、その継手の軸方向に作用する圧縮荷重を上記主層と
    上記部分層との層間に作用させてそれら主層と部分層と
    を上記層間において剥離させるくさび手段を備えている
    プロペラシャフト。
  4. 【請求項4】FRP製の円筒状本体と、この本体の一端
    部および他端部に接合して設けた継手とを有し、上記本
    体は、その本体の全長にわたって延在する、本体の軸方
    向に対して±5〜30゜の角度でヘリカル巻された補強
    繊維を包含する主層と、上記本体の一端部および他端部
    において、上記主層と一体に、かつ、上記主層の内側に
    設けた、フープ巻された補強繊維を包含する部分層とを
    含み、上記一端部および他端部に設けた継手は、その継
    手の軸方向に作用する圧縮荷重を上記主層と上記部分層
    との層間に作用させてそれら主層と部分層とを上記層間
    において剥離させるくさび手段を備えているプロペラシ
    ャフト。
  5. 【請求項5】FRP製の円筒状本体と、この本体の一端
    部および他端部に接合して設けた金属製継手とを有し、
    上記本体は、 a. 上記本体の全長にわたって設けた、上記本体の軸
    方向に対して±5〜30゜の角度でヘリカル巻された補
    強繊維を含む主層と、 b. 上記本体の一端部および他端部において、上記主
    層と一体に、かつ、上記主層の内側に設けた、フープ巻
    された補強繊維を含む部分層と、を有し、上記一端部お
    よび他端部に設けた継手は、 c. 上記部分層に内接する接合面と、 d. 上記接合面に隣接して設けた、上記継手の軸方向
    に作用する圧縮荷重を上記主層と上記部分層との層間に
    作用させてそれら主層と部分層とを上記層間において剥
    離させる、先端が上記主層と上記部分層との層間に対向
    しているくさび手段と、を有しているプロペラシャフ
    ト。
  6. 【請求項6】上記継手の接合が、圧入接合によって行わ
    れている、請求項1〜5のいずれかのプロペラシャフ
    ト。
  7. 【請求項7】上記継手の上記本体との接合面に、その継
    手の軸方向に延びるセレーションが設けられている、請
    求項1〜6のいずれかのプロペラシャフト。
  8. 【請求項8】上記部分層は、外端面に対応する内端面側
    の部分がくさび形の縦断面形状を有している、請求項1
    〜7のいずれかのプロペラシャフト。
  9. 【請求項9】上記部分層は、外端面側から内端面側に向
    かって厚みが徐々に薄くなっている、請求項1〜8のい
    ずれかのプロペラシャフト。
  10. 【請求項10】上記くさび手段は、上記主層と上記部分
    層との層間に沿って延びるリング状のくさびを有してい
    る、請求項1〜9のいずれかのプロペラシャフト。
  11. 【請求項11】上記くさび手段は、上記主層と上記部分
    層との層間に沿って配された複数個のくさびを有してい
    る、請求項1〜9のいずれかのプロペラシャフト。
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