JP6547080B1 - 動力伝達軸に用いられる管体及び動力伝達軸 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、本発明の動力伝達軸に用いられる管体及び動力伝達軸では、接続部の成形が容易になることで、低コスト化を図れるとともに、傾斜部に脆弱部を形成することで、軸線方向に入力した所定の荷重によって確実に破損するように設定できる。
また、第一の発明の動力伝達軸に用いられる管体及び動力伝達軸では、接続部の外径が小さいため、軽量化及び低コスト化を図れる。
図1に示すように、第一実施形態の動力伝達軸1は、車両の前後方向に延在する略円筒状の管体2(パイプ)を備えている。また、動力伝達軸1は、管体2の前端に接合されたカルダンジョイントのスタブヨーク3と、管体2の後端に接合された等速ジョイントのスタブシャフト4(特許請求の範囲における「連結部材」)と、を備えている。
動力伝達軸1は、スタブヨーク3を介して車体の前部に搭載された変速機に連結するとともに、スタブシャフト4を介して車体の後部に搭載された終減速装置と連結している。
そして、変速機から動力伝達軸1に動力(トルク)が伝達すると、動力伝達軸1が軸線O1回りに回転して、終減速装置に動力が伝達される。
ここで、フィラメントワインディング法によって製造される成形体は、繊維(炭素繊維)の連続性が保たれるため機械的強度(特にねじり強度)が高い。
また、シートワインディング法によれば、炭素繊維をマンドレルの軸線方向に延在するように配置することができ、軸線O1方向に高弾性化した成形体を製造できる。
つまり、上記した製造方法によれば、管体102の内部で、軸O1回りに巻回された繊維からなる繊維層と、軸線O1方向に延在する繊維からなる繊維層と、が積層しており、機械的強度が高く、かつ、軸線O1方向に高弾性化した管体2を製造できる。
なお、周方向に配向する繊維としてPAN系(Polyacrylonitrile)繊維が好ましく、軸線O1方向に配向する繊維としてピッチ繊維が好ましい。
また、本体部10の外径は、中央部から両端部に向うに連れて縮径しており、中央部の外径は両端部の外径よりも大きい。
つまり、軸線O1に沿って本体部10を切った場合には、本体部10の外周面の断面形状は、緩やかな曲線を描き、外側に向けて突出する円弧状となっている。よって、本体部10の外形は、中央部が径方向外側に膨らんだ樽形状(バレル形状)となっている。
また、軸線O1に沿って本体部10を切った場合に、本体部10の外周面の断面形状が中央部から両端部に向かうに連れて中心側に向かうように直線状に傾斜させてもよい。つまり、本体部10を側面視で菱形となるように形成してもよい。
第二接続部30の内周面31は、スタブシャフト4のシャフト部5の多角形状の外周面6に倣った多角形状を呈している。このように、管体2とスタブシャフト4とが互いに相対回転しないように構成されている。
なお、第一実施形態では、第二接続部30の内周形状が多角形に形成されているが、本発明においては、その形状は限定されるものではなく、シャフト部5の外周面6の形状に合わせて形成する。
なお、第二接続部30の小径化は、捩れ強度の低下を招くため、第二接続部30の板厚を本体部10の後端部の板厚よりも厚くすることで、所定の捩じれ強度を有するようになっている。
傾斜部40の板厚は、第二接続部30側(後側)の端部(後端部、一端部)から本体部10側(前側)の端部(前端部、他端部)に向かうに連れて漸次薄くなっている。このため、傾斜部40のうち前端部の板厚が最も薄くなっており、傾斜部40の前端部が脆弱部50を構成している。脆弱部50は、傾斜部40のせん断強度が最も低下している部位である。
なお、動力伝達軸1では、傾斜部40全体の板厚が変化しているが、本発明においては、傾斜部40の一部区間において板厚を変化させてもよい。
また、管体2及び動力伝達軸1では、図1に示すように、曲げ応力が集中し易い本体部10の中央部の外径が大径に形成されているため、所定の曲げ強度を有している。
また、管体2及び動力伝達軸1は、管体2が繊維強化プラスチックにより形成されているため、設計の自由が高く、更なる低コスト化を図れる。
次に、本発明の第一参考例に係る管体102を備えている動力伝達軸101について説明する。
第一参考例の動力伝達軸101は、図4に示すように、管体102と、管体102の前端に接合されたスタブヨーク3と、管体102の後端に接合されたスタブシャフト4と、を備えている。
第一参考例の管体102は、本体部110と、本体部110の前側に配置された第一接続部20と、本体部110の後側に配置された第二接続部30と、本体部110と第二接続部30との間に位置する傾斜部140と、を備えている。また、傾斜部140には、図5に示すように、脆弱部150が形成されている。
また、第一参考例の管体102及び動力伝達軸101では、傾斜部140に脆弱部150を形成することで、軸線O1方向に入力した所定の荷重によって確実に破損するように設定できる。
次に、本発明の第二参考例に係る管体202を備えている動力伝達軸201について説明する。
第二参考例の動力伝達軸201は、図7に示すように、管体202と、管体202の前端に接合されたスタブヨーク3と、管体202の後端に接合されたスタブシャフト4と、を備えている。
第二参考例の管体202は、本体部210と、本体部210の前側に配置された第一接続部20と、本体部210の後側に配置された第二接続部30と、本体部210と第二接続部30との間に位置する傾斜部240と、を備えている。また、傾斜部240には、図8に示すように、脆弱部250が形成されている。
本体部210の外径は、前端部から中央部までが同一に形成され、中央部から後端部に向うに連れて縮径している。よって、本体部210の前端部及び中央部の外径は、後端部の外径よりも大きい。
また、第二参考例の管体202及び動力伝達軸201では、傾斜部240に脆弱部250を形成することで、軸線O1方向に入力した所定の荷重によって確実に破損するように設定できる。
次に、本発明の第四実施形態に係る管体302を備えている動力伝達軸301について説明する。
第四実施形態の動力伝達軸301は、管体302と、管体302の前端に接合されたスタブヨーク3と、管体302の後端に接合されたスタブシャフト4と、を備えている。
第四実施形態の管体302は、図9に示すように、本体部10と、本体部10の前側に配置された第一接続部20と、本体部10の後側に配置された第二接続部330と、本体部10と第二接続部330との間に位置する傾斜部340と、を備えている。また、傾斜部340には、図10に示すように、脆弱部350が形成されている。
第四実施形態の第二接続部330の外径は、図10に示すように、本体部10の後端部よりも大径となっている。
傾斜部340の板厚は、本体部10側(前側)の端部(前端部、他端部)から第二接続部330側(後側)(後端部、一端部)の端部に向かうに連れて漸次薄くなっている。このため、傾斜部340のうち前端部の板厚が最も薄くなっており、傾斜部340の前端部が脆弱部350を構成している。
なお、参考例としては、傾斜部340の板厚を本体部10側から第二接続部330側に向かうに連れて薄くしてもよい。
また、第四実施形態の管体302及び動力伝達軸301では、傾斜部340に脆弱部350を形成することで、軸線O1方向に入力した所定の荷重によって確実に破損するように設定できる。
例えば、各実施形態の動力伝達軸は、本体部と第二接続部との間に傾斜部を設け、その傾斜部に脆弱部を形成しているが、本体部と第一接続部との間に傾斜部を設け、その傾斜部に脆弱部を形成してもよい。
2,102,202,302 管体
3 スタブヨーク
4 スタブシャフト(連結部材)
10,110,210 本体部
20 第一接続部
30,330 第二接続部
40,140,240,340 傾斜部
50,150,250,350 脆弱部
O1 軸線
Claims (8)
- 回転することで動力を伝達する繊維強化プラスチック製の動力伝達軸に用いられる管体であって、
軸線を中心とする筒状の本体部と、
前記本体部よりも縮径され、連結部材が接合される接続部と、
前記本体部と前記接続部との間に形成され、前記本体部から前記接続部に向かうに連れて外径が縮径された傾斜部と、を備え、
前記傾斜部には、軸線方向に入力された荷重が所定値を超えると破損する脆弱部が形成されており、
前記傾斜部の板厚は、前記接続部側から前記本体部側に向かうに連れて薄くなり、
前記脆弱部は、前記傾斜部の板厚が最も薄い部位であることを特徴とする動力伝達軸に用いられる管体。 - 回転することで動力を伝達する繊維強化プラスチック製の動力伝達軸に用いられる管体であって、
軸線を中心とする筒状の本体部と、
前記本体部よりも拡径され、連結部材が接合される接続部と、
前記本体部と前記接続部との間に形成され、前記本体部から前記接続部に向かうに連れて拡径された傾斜部と、を備え、
前記傾斜部には、軸線方向に入力された荷重が所定値を超えると破損する脆弱部が形成されており、
前記傾斜部の板厚は、前記接続部側から前記本体部側に向かうに連れて薄くなり、
前記脆弱部は、前記傾斜部の板厚が最も薄い部位であることを特徴とする動力伝達軸に用いられる管体。 - 前記繊維強化プラスチックは、炭素繊維強化プラスチックであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動力伝達軸に用いられる管体。
- 前記接続部の内周形状は多角形に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の動力伝達軸に用いられる管体。
- 前記本体部の外径は、中央部から両端部に向かうに連れて縮径されており、
前記本体部の外周面は、前記両端部の一端部から他端部にかけて前記軸線方向に円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の動力伝達軸に用いられる管体。 - 前記本体部の外径が一端部から他端部まで均一であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の動力伝達軸に用いられる管体。
- 前記本体部の外径は、中央部から前記接続部側の一端部に向かうに連れて縮径されるとともに、中央部から他端部まで均一であり、
前記本体部の中央部から一端部までの外周面は、前記軸線方向に曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の動力伝達軸に用いられる管体。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の動力伝達軸に用いられる管体と、
前記接続部に接合された前記連結部材と、を備えていることを特徴とする動力伝達軸。
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