JP2003065316A - 二部材間の接合構造及びプロペラシャフト - Google Patents

二部材間の接合構造及びプロペラシャフト

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JP2003065316A
JP2003065316A JP2001256394A JP2001256394A JP2003065316A JP 2003065316 A JP2003065316 A JP 2003065316A JP 2001256394 A JP2001256394 A JP 2001256394A JP 2001256394 A JP2001256394 A JP 2001256394A JP 2003065316 A JP2003065316 A JP 2003065316A
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JP2001256394A
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Kouya Suzuki
航也 鈴木
Yasumi Miyashita
康己 宮下
Yoshiharu Yasui
義治 安居
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セレーション部の食い込みを確実に図りなが
らも補強に伴う重量増加を回避することができる二部材
間の接合構造及びプロペラシャフトを提供すること。 【解決手段】 金属製ヨーク101のセレーション部1
07の外径が、FRP製円筒102の筒状圧入部109
の内径よりも0.6mm以上大きい値を有する。また、
FRP製円筒における補強層102bの厚みは、本体部
102aの厚みの0.1〜1.2倍に設定される。よっ
て、セレーション部により圧入部内面に形成される切削
溝はより深く形成され、十分なトルク伝達を実現するこ
とが可能となる。また、圧入部に亀裂が生じるのを回避
するため、FRP製円筒の補強効果を抑えることとな
り、その分、重量及びコストが低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、部材間の接合構造
に関し、詳しくは、プロペラシャフトにおける金属製ヨ
ークとFRP製円筒の接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるプロペラシャフトは、車両にお
いてエンジン等の駆動源の動力を伝達するものであり、
ミッションやデファレンシャル等に連結される金属製の
ヨークと、金属製ヨークに接合されるFRP製の円筒と
から構成される。樹脂部材であるFRP製部材の採用の
目的は、プロペラシャフトの軽量化により、シャフトの
共振点を上昇させること及び車両総重量を軽量化するこ
とにある。
【0003】図7に、従来のプロペラシャフトの一例を
示す。プロペラシャフト1は、円筒体2とそれに圧入接
続されるヨーク3とを備えている。円筒体2は、FRP
製でフィラメントワインディング法等により製造されて
いる。円筒体2の本体部4における接続端部4aの外周
部には、円周方向を補強するための補強層5が設けられ
ている。補強層5は、樹脂含浸強化樹脂を所定の厚みに
なるまでマンドレルの全長に亙って巻き付け、それを熱
処理することによって形成されている。また、ヨーク3
は、円筒体2への圧入端部3aの外周部に、セレーショ
ン部106を備えている。
【0004】このような構成において、ヨーク3の圧入
端部3aを円筒体2へ圧入すると、セレーション部10
6により円筒体2の内周面には切削溝が形成される。こ
のとき、補強層5により円筒体2の径方向への拡張が防
止されているため、セレーション部106による円筒体
2内面への食い込みが確実に進み、接続状態が強固にな
る。以上のようにしてセレーション部が切削溝と係合す
ることによって、トルクを伝達できるようになってい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のプロペラシャフト1においては、セレーション
接合によるため円筒体本体部の接続端部4a付近を補強
層5により補強する必要があり、その分、円筒体の外径
が大きなり、また、補強に必要な繊維投入量も多くなる
ので、コスト増加及び重量増加が生じる。また、大外径
の円筒体の使用は、外径の増加により配置スペースが多
く必要になるため、車種の適用範囲を狭くする問題にも
つながる。また、このような問題を回避するため、円筒
体2の外径を規制し、内径を小さくする態様も考えられ
るが、その場合には、内径が小さくなることに起因し曲
げ共振周波数の低下が生じてしまう。
【0006】本発明は、上記のような従来の問題に鑑み
てなされたものであり、セレーション部の食い込みを確
実に図りながらも補強に伴う重量増加を回避することが
できる二部材間の接合構造及びプロペラシャフトを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明では、圧入端部にセレーション部を
備える第1部材と、前記セレーション部に圧入接合され
る筒状圧入部を備える第2部材との接合構造であって、
前記セレーション部の外径が前記筒状圧入部の内径より
も0.6mm以上大きいことを要旨とする。
【0008】前記構造によると、セレーション部により
圧入部内面に形成される切削溝はより深く形成される。
また、圧入部に亀裂が生じるのを回避するため、第2部
材の変形が阻害されないように補強効果を抑える。
【0009】請求項2の発明では、前記セレーション部
の平均肉厚は、該セレーション部の形成されていない前
記第1部材の部分の肉厚の0.5〜3.0倍であること
を要旨とする。
【0010】前記構造によると、第1部材におけるセレ
ーション部の相対的な厚さが薄くなる。
【0011】請求項3の発明では、前記第2部材が本体
部と補強部とを備え、前記補強部の厚みは前記本体部の
厚みの0.1〜1.2倍であることを要旨とする。
【0012】前記構造によると、補強層の厚さが従来に
比べて薄くなる。
【0013】請求項4の発明では、前記圧入端部の先端
部と前記セレーション部の間には軸線方向に延在する段
付部が設けられており、前記段付部の外径は前記圧入部
の内径と同じ、若しくは前記圧入部の内径と前記セレー
ション部の外径との中間の値に設定されていることを要
旨とする。
【0014】前記構造によると、第1部材と第2部材を
接合する際、第2部材の圧入部が第1部材の段付部で真
円に形成され、セレーション部により形成される切削溝
の深さを一定にして、セレーション部に接合される。
【0015】請求項5の発明では、前記第1部材が金属
部材であり、前記第2部材が樹脂部材であることを要旨
とする。
【0016】前記構造によると、金属部材と樹脂部材の
接合であるため、接合部材全体としては金属部材単独の
場合に比べ軽量となる。
【0017】請求項6の発明では、前記第2部材が前記
第1部材の前記セレーション部に接合される際、前記段
付部は前記第2部材と非接触となるよう形成されている
ことを要旨とする。
【0018】前記構造によると、段付部が両部材の接合
の際の圧入時、及び車両衝突の際の没入時に抵抗となる
ことがない。
【0019】請求項7の発明によると、前記第1部材は
前記先端部から前記段付部にかけて面取り部が設けられ
ていることを要旨とする。
【0020】前記構造によると、圧入の過程で圧入端部
での抵抗が小さい。
【0021】請求項8の発明によると、前記段付部と前
記セレーション部とは傾斜面にて接続されることを要旨
とする。
【0022】前記構造によると、傾斜面を適宜角度に設
定することにより、段付部からセレーション部へと圧入
が進むにつれ、段付部と第2部材が徐々に離隔しながら
セレーション部により切削溝が形成される。
【0023】請求項9の発明によると、前記段付部と前
記セレーション部とは傾斜面によって接続され、前記傾
斜面と前記段付部との接続部には、窪みである逃がし部
が設けられていることを要旨とする。
【0024】前記構造によると、傾斜面の形成過程にお
いて、旋盤加工のバイトの先端が逃がし部へ逃げること
によって傾斜面を所望の角度に立ち上げる。
【0025】請求項10の発明によると、前記段付部
は、前記先端部に向かってその外径が小さくなるように
テーパー状に形成されていることを要旨とする。
【0026】前記構造によると、圧入時に段付部での抵
抗が小さい。
【0027】請求項11の発明によると、前記セレーシ
ョン部は、前記先端部に向かってその外径が小さくなる
ようにテーパー状に形成されていることを要旨とする。
【0028】前記構造によると、圧入時にセレーション
部での抵抗が小さい。
【0029】請求項12の発明によると、前記段付部
は、前記セレーション部の山部の一部を削除することに
より形成されていることを要旨とする。
【0030】請求項13の発明によると、前記段付部
は、前記先端部と前記セレーション部との間に円筒状に
形成されていることを要旨とする。
【0031】請求項14の発明によると、前記第1部材
が金属製ヨークであり、前記第2部材がFRP製円筒か
らなるプロペラシャフトであることを要旨とする。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図1〜6を参照して本発明
の実施の形態について説明する。
【0033】実施の形態1.図1はプロペラシャフト1
10の全体図であり、プロペラシャフト110は第1部
材である金属製ヨーク101が第2部材であるFRP製
円筒102の両端にそれぞれ圧入接合された接合部材で
ある。
【0034】図2の接合部分の部分断面図に示すよう
に、金属製ヨーク101の一方端にはFRP製円筒に接
合するための圧入端部108が設けられており、その先
端は先端部108sであり、先端部108sから軸線方
向に延在して段付部104が設けられている。前記先端
部108sから段付部104にかけては面取りがなされ
面取り部103が設けられている。段付部104からさ
らに軸線方向に延在してセレーション部107が設けら
れている。
【0035】尚、図6に示すように、前記セレーション
部107は山部107aと谷部107bよりなり、前記
段付部104は、セレーション部107の山部107a
を削除し削除部分の外形の連続線が円筒状になるように
形成されている。
【0036】一方、FRP製円筒102は、本体部10
2aと補強層102bとを備えている。本体部102a
は、全体が筒部であり、その左右両端には、それぞれ金
属製ヨーク101に接合される圧入部109が備えられ
ている。補強層102bは、従来と同様な形成態様によ
り、圧入部109の外周部分に形成されている。
【0037】段付部104の外径の寸法bとFRP製円
筒102の圧入部109の内径の寸法aとの関係は、b
≧aである。段付部104の外径の寸法bが圧入前のF
RP製円筒102の圧入部109の内径の寸法a以上で
あれば、圧入の際に段付部104によりFRP製円筒1
02の圧入部内周面109Pを真円に形成することが可
能となる。
【0038】さらに、段付部104の外径の寸法bとセ
レーション部107の外径寸法cとの関係は、b<cで
ある。段付部104の外径の寸法bよりセレーション部
107の外径の寸法cが大きければセレーション部によ
ってFRP製円筒102の圧入部内周面109Pに切削
溝を形成することが可能となる。
【0039】また、段付部104とセレーション部10
7は45度の傾斜角度を有する傾斜面105により接続
されている(傾斜面105の傾斜角度は45度に限定さ
れるものではなく、セレーション部107に圧入が進む
につれて段付部104とFRP製円筒102の圧入部内
周面109Pが離隔するという効果を発揮する適宜角度
が選択される)。
【0040】傾斜面105と段付部104との接続部に
は、断面C状の窪みである逃がし部106が形成されて
いる(金属製ヨーク101の形成過程においては、旋盤
加工のバイトにより傾斜面105を切削し形成するが、
バイトの先端が入る前記逃がし部106を形成すること
によって段付部104と傾斜面の傾斜角度を正確に形成
することが可能となる。また逃がし部106の形状は金
属製ヨーク101の形成過程において、バイトの先端が
逃げることが可能であればよいため、その形状は断面C
状に限らずU状でもV状でもよい)。
【0041】さらに、図2に示されるように、セレーシ
ョン部107の外径寸法cはFRP製円筒102の圧入
部109の内径の寸法aよりも0.6mm以上大きい値
となっている。また、セレーション部107の平均肉厚
e(セレーション歯の先端部から金属製ヨーク101の
内面までの肉厚とセレーション歯の谷部から金属製ヨー
ク101の内面までの肉厚との平均肉厚)は、金属製ヨ
ーク101におけるセレーション部107の形成されて
いない部分の肉厚fの0.5〜3.0倍に設定されてい
る。また、FRP製円筒102における補強層102b
の厚みは、本体部102aの厚みの0.1〜1.2倍に
設定されている。
【0042】(作用)次に、図3〜5を参照して前記金
属製ヨーク101と前記FRP製円筒102の圧入接合
過程について説明する。
【0043】図3に示すように、圧入第1段階では、金
属製ヨーク101の面取り部103によりFRP製円筒
102が導かれ圧入部109の内径の寸法aが拡張され
ながら圧入される。
【0044】そして、図4に示すように、圧入第2段階
では、FRP製円筒102は段付部104まで圧入さ
れ、ここで真円度の低いFRP製円筒102の圧入部内
周面109Pは、外形の連続線が円筒形状を有する段付
部104により拡張され真円に形成される。
【0045】さらに、図5に示すように、圧入第3段階
では、セレーション部107の山部107aによりFR
P製円筒102の圧入部内周面109Pが切削されなが
らセレーション部107に圧入され、FRP製円筒10
2の圧入部内周面109Pに切削溝が形成されて圧入接
合が完了する。
【0046】また、圧入時には、セレーション部107
が圧入部内周面109Pを切削することで、切削粉が発
生するが、本実施の形態では、金属製ヨーク101にお
ける傾斜面105と段付部104と間には、逃がし部1
06が形成されているため、切削粉は、逃がし部106
に貯留・退避され、セレーション部107と圧入部との
間に切削粉が残留することが回避される。したがって、
切削粉の残留に起因する圧入荷重の増大が抑制される。
【0047】圧入第3段階のセレーション部107への
圧入の際には、圧入部内周面109Pは傾斜面105に
より誘導され、かつFRP製円筒102の圧入部109
の内径寸法aは更に拡張されながら圧入されるため、圧
入部内周面109Pと段付部104の間には隙間dが形
成される。これにより、FRP製円筒102の圧入部内
周面109Pは、段付部104と非接触となる(例え、
接触していたとしても接触圧はきわめて低い)。
【0048】(効果)次に、本実施の形態の効果を以下
に記載する。
【0049】(1)本実施の形態によれば、第1部材で
ある金属製ヨーク101と第2部材であるFRP製円筒
102を接合する際、筒部材であるFRP製円筒102
の圧入部内周面109Pが金属製ヨーク101の段付部
104で真円に形成され、セレーション部107により
形成される切削溝の深さを一定にして、セレーション部
107に接合されるため、接合精度の高い接合構造を実
現できる。
【0050】(2)又、金属製ヨーク101の外周面に
設けられたセレーション部107にFRP製円筒102
が接合されており、セレーション部107を外周面に設
けた第1部材と他方第2部材の二部材間の接合構造を実
現している。
【0051】(3)金属部材である金属製ヨーク101
と樹脂部材であるFRP製円筒102の接合であり、全
体として軽量接合部材の提供を可能としている。又、樹
脂部材の伸縮特性は、徐々に円筒内径を拡大していくと
いう本発明に用いる素材として好ましい。
【0052】(4)FRP製円筒102が金属製ヨーク
101のセレーション部107に接合される際、前記段
付部104はFRP製円筒102に非接触となるよう形
成されており、段付部104が両部材の圧入接合時に抵
抗とならず、圧入接合が容易となる。また、車両衝突の
際の没入確実性を高くする。
【0053】(5)金属製ヨーク101は前記先端部1
08sから段付部104にかけて面取り部103が設け
られており圧入の過程で先端部108sでの抵抗が小さ
いため圧入接合が容易となる。
【0054】(6)段付部104とセレーション部10
7とは傾斜面105にて接続されるため、傾斜面105
を適宜角度に設定することにより、段付部104からセ
レーション部107へと圧入が進むにつれ、段付部10
4とFRP製円筒102の圧入部内周面109Pが徐々
に離隔して段付部104と圧入部内周面109Pの非接
触を容易とするため、前記(2)及び(4)の効果をよ
り確実に得ることができる。
【0055】(7)傾斜面105と段付部104との接
続部には、窪みである逃がし部106が設けられている
ため、傾斜面105の形成過程において、旋盤加工のバ
イトの先端が逃がし部106へ逃げることによって傾斜
面を所望の角度に立ち上げることが可能となり前記
(6)の効果をより確実に得ることができる。
【0056】(8)段付部104は、セレーション部1
07の山部107aの一部を削除することにより形成さ
れているため、段付部の形成が簡易といえる。
【0057】(9)同軸性の高いプロペラシャフト11
0の提供が可能となる。
【0058】(10)FRP製円筒102における補強
層102bの厚みは、本体部102aの厚みの0.1〜
1.2倍に設定され、すなわち、補強層が従来に比べ薄
く形成されているため、FRP製円筒端部の円周方向糸
量を少なくして低重量、低コストが実現され、また、大
外径の円筒体の使用を回避できる。ここで、補強層を含
めたFRP製円筒の肉厚が薄い場合には、セレーション
部をFRP製円筒に圧入した場合の両者の締結力が弱く
なる恐れがあるが、本発明では、セレーション部107
の外径寸法cはFRP製円筒102の圧入部109の内
径の寸法aよりも0.6mm以上大きい値となってお
り、すなわち、セレーション部107の外径寸法と圧入
部109の内径の寸法との差が大きいので、セレーショ
ン部107によりFRP製円筒102内面に形成される
切削溝がより深く形成される。よって、補強層を薄くし
低重量、低コストを図りながら、尚且つ、セレーション
部の食い込みを確実に図って十分なトルク伝達を実現す
ることも可能となっている。
【0059】(11)上述したようにセレーション部の
外径寸法と圧入部の内径寸法との差を大きく採った場
合、圧入時にFRP製円筒に亀裂が生じる可能性が問題
となり得るが、本発明では、セレーション部107の平
均肉厚eを、金属製ヨーク101におけるセレーション
部107の形成されていない部分の肉厚fの0.5〜
3.0倍に設定し、すなわち、金属製ヨーク101にお
けるセレーション部107の相対的な厚さを薄くし、且
つ、圧入時のFRP製円筒102の変形を大きくしない
ようにしたので、セレーション部107の圧入に要する
力を低減し、上記のような亀裂発生の問題を回避してい
る。さらに、本実施の形態では、セレーション部107
の前方に段付部104が設けられており、まず、段付部
104によりFRP製円筒102が拡張され、その後、
セレーション部107によってFRP製円筒102が拡
張される。すなわち、圧入時、FRP製円筒102は段
階的に拡張されることから、この態様によっても、上記
のような亀裂の発生が防止されている。
【0060】(12)本発明では、従来よりも補強層1
02bを薄くしそれによりFRP製円筒102自体を薄
くすることができるので、FRP製円筒の外径を従来と
同じ値に設定し、その代わりにFRP製円筒の内径を従
来よりも大きし、それによって曲げ共振周波数を従来よ
りも高くすることも可能である。
【0061】(変更例)尚、本発明において実施の形態
は上記実施の形態に限らず、以下のように変更してもよ
い。 ○上記実施の形態の金属製ヨーク101の段付部104
は金属製ヨーク101の中心軸に平行になるように設け
られているが、先端部108sに向けて段付部104の
外径の寸法bが小さくなるテーパー状に形成してもよ
い。 ○上記実施の形態のセレーション部107は金属製ヨー
ク101の中心軸に平行になるように設けられている
が、先端部108sに向けてセレーション部107の外
径の寸法cが小さくなるテーパー状に形成してもよい。 ○上記実施の形態では段付部104をセレーション部1
07の谷部107bを残して形成したが、セレーション
部107の山部107aの高さによっては、段付部は、
セレーション部の山部を全て削り完全な円筒状としても
よい。 ○複数本の部材を、例えば第2部材―第1部材―第2部
材―第1部材と交互に接合してもよい。 ○第1部材と第2部材の双方を筒部材としてもよい。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、セレーシ
ョン部により圧入部内面に形成される切削溝はより深く
形成される。そのため、十分なトルク伝達を実現するこ
とが可能となる。また、圧入部に亀裂が生じるのを回避
するため、第2部材の変形が阻害されないように必然的
に補強効果を抑えることとなり、その分、重量及びコス
トが低減される。
【0063】請求項2記載の発明によれば、第1部材に
おけるセレーション部の相対的な厚さが薄くなり、セレ
ーション部の圧入に要する力を低減し、第2部材におけ
る亀裂発生を防ぐことができる。
【0064】請求項3記載の発明によれば、補強層が従
来に比べ薄く形成されているため、第2部材の補強に伴
うコスト、重量を低減することができる。
【0065】請求項4記載の発明によれば、第1部材と
第2部材を接合する際、第2部材の圧入部が第1部材の
段付部で真円に形成され、セレーション部により形成さ
れる切削溝の深さを一定にして、セレーション部に接合
されるため、接合精度の高い接合構造を実現でき、例え
ばトルク伝達を行う駆動軸の生産が可能となる。
【0066】請求項5記載の発明によれば、金属部材と
樹脂部材の接合であり、全体として軽量接合部材の提供
を可能としている。
【0067】請求項6記載の発明によれば、段付部は第
2部材に非接触となるよう形成されており、段付部が両
部材の圧入接合時に抵抗とならず、圧入接合が容易とな
る。また、車両衝突の際の没入確実性を高くすることが
できる。
【0068】請求項7記載の発明によれば、面取り部が
設けられることで圧入接合が容易となる。
【0069】請求項8記載の発明によれば、段付部とセ
レーション部とは傾斜面にて接続されるため、傾斜面を
適宜角度に設定することにより、段付部と第2部材が徐
々に離隔して両者の非接触を容易とすることが可能とな
る。
【0070】請求項9記載の発明によれば、逃がし部が
設けられているため、傾斜面を所望の角度に立ち上げる
ことが可能となる。
【0071】請求項10記載の発明によれば、段付部の
テーパーにより圧入接合が容易となる。
【0072】請求項11記載の発明によれば、セレーシ
ョン部のテーパにより圧入接合が容易となる。
【0073】請求項12記載の発明によれば、段付部
は、セレーション部の山部を削除することにより形成さ
れているため、段付部の形成が比較的容易といえる。
【0074】請求項13記載の発明によれば、圧入時の
段付部と圧入部の接触面積が広いため、引き延ばし及び
圧縮が正確に行われ、製品の精度が高くなる。また、セ
レーション部に別部材である円筒部を取り付けることで
形成を簡易にする事も可能である。
【0075】請求項14の発明によれば、FRP製円筒
を真円度の高い状態で金属製ヨークに接合させることが
できるため、切削溝の深さが一定の、精度(同軸性)の
高いプロペラシャフトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における、プロペラシャフトの全体
図を示した図である。
【図2】実施の形態における、プロペラシャフトの接合
部分の部分断面図である。
【図3】実施の形態における、圧入接合作用を示す接合
部分の部分断面図である。
【図4】実施の形態における、圧入接合作用を示す接合
部分の部分断面図である。
【図5】実施の形態における、圧入接合作用を示す接合
部分の部分断面図である。
【図6】実施の形態における、段付部及びセレーション
部を示す斜視図である。
【図7】従来のプロペラシャフトの接合部分の部分断面
図である。
【符号の説明】
101 金属製ヨーク、102 FRP製円筒、103
面取り部、104段付部、105 傾斜面、106
逃がし部、107 セレーション部、108s 先端
部、108 圧入端部、109 圧入部、110 プロ
ペラシャフト、a 圧入部の内径の寸法、b 段付部の
外径の寸法、c セレーション部の外径の寸法、d 隙
間、e セレーション部の平均肉厚,f 金属製ヨーク
におけるセレーション部の形成されていない部分の肉
厚。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安居 義治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機内 Fターム(参考) 3J033 AA10 AB02 AB03 BA08 BC03 3J039 AA03 BB01 FA12 MA02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧入端部にセレーション部を備える第1
    部材と、前記セレーション部に圧入接合される筒状圧入
    部を備える第2部材との接合構造であって、 前記セレーション部の外径が前記筒状圧入部の内径より
    も0.6mm以上大きいことを特徴とする接合構造。
  2. 【請求項2】 請求項1の接合構造において、前記セレ
    ーション部の平均肉厚は、該セレーション部の形成され
    ていない前記第1部材の部分の肉厚の0.5〜3.0倍
    であることを特徴とする接合構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の接合構造において、前
    記第2部材は本体部と補強部とを備え、前記補強部の厚
    みは前記本体部の厚みの0.1〜1.2倍であることを
    特徴とする接合構造。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項の接合構造
    において、前記圧入端部の先端部と前記セレーション部
    の間には軸線方向に延在する段付部が設けられており、
    前記段付部の外径は前記圧入部の内径と同じ、若しくは
    前記圧入部の内径と前記セレーション部の外径との中間
    の値に設定されていることを特徴とする接合構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項の接合構造
    において、前記第1部材が金属部材であり、前記第2部
    材が樹脂部材であることを特徴とする接合構造。
  6. 【請求項6】 請求項4の接合構造において、前記第2
    部材が前記第1部材の前記セレーション部に接合後、前
    記段付部は前記第2部材と非接触となるよう形成されて
    いることを特徴とする接合構造。
  7. 【請求項7】 請求項4の接合構造において、前記第1
    部材は前記先端部から前記段付部にかけて面取り部が設
    けられていることを特徴とする接合構造。
  8. 【請求項8】 請求項4の接合構造において、前記段付
    部と前記セレーション部とは傾斜面にて接続されること
    を特徴とする接合構造。
  9. 【請求項9】 請求項4の接合構造において、前記段付
    部と前記セレーション部とは傾斜面によって接続され、
    前記傾斜面と前記段付部との接続部には、窪みである逃
    がし部が設けられていることを特徴とする接合構造。
  10. 【請求項10】 請求項4の接合構造において、前記段
    付部は、前記先端部に向かってその外径が小さくなるよ
    うにテーパー状に形成されていることを特徴とする接合
    構造。
  11. 【請求項11】 請求項4の接合構造において、前記セ
    レーション部は、前記先端部に向かってその外径が小さ
    くなるようにテーパー状に形成されていることを特徴と
    する接合構造。
  12. 【請求項12】 請求項4の接合構造において、前記段
    付部は、前記セレーション部の山部の一部を削除するこ
    とにより形成されていることを特徴とする接合構造。
  13. 【請求項13】 請求項4の接合構造において、前記段
    付部は、前記先端部と前記セレーション部との間に円筒
    状に形成されていることを特徴とする接合構造。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか一項の接合
    構造において、前記第1部材が金属製ヨークであり、前
    記第2部材がFRP製円筒であることを特徴とするプロ
    ペラシャフト。
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