JP2002038827A - 建物開口部周辺の防水構造 - Google Patents

建物開口部周辺の防水構造

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JP2002038827A
JP2002038827A JP2000231162A JP2000231162A JP2002038827A JP 2002038827 A JP2002038827 A JP 2002038827A JP 2000231162 A JP2000231162 A JP 2000231162A JP 2000231162 A JP2000231162 A JP 2000231162A JP 2002038827 A JP2002038827 A JP 2002038827A
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Hiromitsu Haraguchi
博光 原口
Mitsuaki Kanazawa
光明 金沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通気工法による住宅構造の開口部における防水
を図る。 【解決手段】サッシ枠4において、外壁材と躯体との間
に、該隙間を覆ってなる、断面が略コ字状の長尺部材で
ある防水部材12が配設され、該防水部材を構成する3
辺のうち、第1の辺がサッシ枠4a、4bと接してお
り、第2の辺が躯体側のサッシ取付片4dと接してお
り、第3の辺の先端部分が外壁材の裏面に接する建物開
口部周辺の防水構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば住宅用の
建物外壁の開口部に装着されるサッシ取付部の周辺の防
水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に示されるように、建物外壁の窓の
開口部2にはサッシ4が取付けられる。サッシ4は、開
口部の4辺の各側面に沿って枠面を構成する、サッシ上
枠、サッシ下枠であるサッシ横枠、および左枠、右枠で
あるサッシ縦枠とで構成されるサッシ本体と、該サッシ
本体の周囲に設けた、サッシを躯体側へ固定するための
サッシ取付片4d(図6、7参照)とで構成される。
【0003】サッシの取付けは、サッシ取付片4dを開
口部周縁の左右の柱6や上下枠材に釘(図示を省略)で
固定することでなされる(図6、7参照)。このように
してサッシ4を開口部周縁に固定した後、防水シートを
敷設し、躯体の外側に複数の下地材8(胴縁等)を固定
し、下地材8の外側に外壁材(サイディング材)7が取
付けられ外壁工事が完了する。
【0004】また、建物内を外部から熱的に遮断して室
内の空調条件(温度、湿度)を最適に保つため、躯体の
構成部材の間に断熱材を設けることも多い。このような
住宅建築においては、断熱材が湿気を吸収するのを防
ぎ、断熱性能を維持して、室内外の温度差による結露を
防止し、かつ排水性等も良好にして断熱材や木材の劣化
を防止するために、断熱材と外壁材との間に通気空間5
(図7参照)を設けて空気を流通させる通気工法による
住宅構造が近年用いられている。
【0005】このような建物の窓枠を構成するサッシ
は、外壁材との間の気密性および水密性を保つためにそ
の周辺部をシールする必要がある。図6は、従来例のサ
ッシ取付構造の上下枠部を、図7は、左右のサッシ縦枠
部を示す。従来のサッシ取付構造においては、現場でサ
ッシ4および外壁材7を装着するときに、外壁材7とサ
ッシ4との隙間部分にバックアップ材19(図6、7で
は、断面が略鉤型形状の金属製長尺部材を使用)と不定
形シーリング材18によるシール工事が行われていた。
その他、建物外壁の全面の外壁材同士の継ぎ目部分にも
シール工事が行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、外壁の全面に
わたって安定した確実なシール状態が常に得られるとは
限らず、施工不良による漏水等の不具合を生じるおそれ
があった。すなわち、シール工事には専門業者を必要と
し、また施工者の技量が要求される。さらに、長期的に
はシーリング材の劣化による漏水も懸念される。そし
て、たとえばサッシの上部の外壁面より漏水があった場
合には、柱6等の躯体と外壁材7との間の通気空間5に
入った水がサッシ上枠4aの上部に溜まったり(図6中
の水20)、該箇所より室内へ浸入したりする。
【0007】すなわち、図6ではサッシ4の周辺または
それより上部の、シール工事不良箇所から通気空間に浸
入した水の屋外への排出経路がなく、水20としてサッ
シ上枠4aの上部に溜まり、躯体6、外壁材7等の劣化
を促進し、また、室内への漏水といった不具合ともな
る。一方、サッシと外壁材との間にシール工事を施さな
ければ上記不具合は生じないが、躯体6と外壁材7との
間の通気空間5に漏水を生じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、躯体と外壁材との間に
複数の下地材を並列して設け、各下地材間の躯体と外壁
材との間に通気空間が形成された建物外壁に設けられた
開口部に、サッシ横枠、サッシ縦枠およびサッシ取付片
からなるサッシが取付けられた建物開口部周辺の防水構
造であって、前記サッシ横枠およびサッシ縦枠部分にお
いて、外壁材と躯体との間に、該外壁材と躯体との隙間
を覆ってなる、断面が略コ字状の長尺部材である防水部
材が配設され、該防水部材を構成する3辺のうち、第1
の辺がサッシ横枠またはサッシ縦枠と接しており、第2
の辺がサッシ取付片と接しており、第3の辺の先端部分
が外壁材の裏面に接することで前記通気空間を外気と遮
断しており、該防水部材が外壁材とサッシ横枠またはサ
ッシ縦枠との間から浸入した雨水を集める集水樋となっ
ていることを特徴とする建物開口部周辺の防水構造を提
供する。
【0009】このような建物開口部周辺の防水構造とす
れば、通気空間に浸入した水が容易に排出でき、また、
サッシ枠と外壁材との間に吹き込む雨水もほとんど防止
でき、通気工法の利点が生かせる。
【0010】本発明において、前記防水部材を構成する
第1の辺のサッシ横枠またはサッシ縦枠と接する面およ
び第3の辺の先端部で外壁材の裏面に接する部分には、
それぞれ止水スポンジが配設されまたは複数条の可撓性
シーリングリップが翼設されていることが好ましい。防
水部材のシール部分に止水スポンジが配設されまたは複
数条の可撓性シーリングリップ(いわゆる襞)が形成さ
れていれば防水性は一層向上する。
【0011】また、本発明において、前記防水部材が、
サッシ横枠のうちサッシ上枠および左右のサッシ縦枠に
連続した状態で配設されていることが好ましい。防水部
材がサッシ枠の3辺を覆うように一体で形成されていれ
ば、該防水部材の取付けは容易になる。
【0012】また、本発明は、躯体と外壁材との間に複
数の下地材を並列して設け、各下地材間の躯体と外壁材
との間に通気空間が形成された建物外壁に設けられた開
口部に、サッシ横枠およびサッシ縦枠からなるサッシが
取付けられた建物開口部周辺の防水構造であって、前記
サッシ横枠およびサッシ縦枠部分において、外壁材と躯
体との間に、該外壁材と躯体との隙間を覆ってなる、断
面が略コ字状の長尺部材である防水部材が配設され、サ
ッシ横枠のうちサッシ上枠および左右のサッシ縦枠にお
いては、前記防水部材を構成する3辺のうち、第1の辺
がサッシ横枠またはサッシ縦枠と接しており、第2の辺
がサッシ取付片と接しており、第3の辺の先端部分が外
壁材の裏面に接することで前記通気空間を外気と遮断し
ており、サッシ横枠のうちサッシ下枠においては、前記
防水部材を構成する3辺のうち、第1の辺がサッシ横枠
と接しており、第2の辺がサッシ取付片と接しており、
第3の辺の先端部分が外壁材の端部を覆うように外壁材
と接することで前記通気空間を外気と遮断しており、該
防水部材が外壁材とサッシ横枠またはサッシ縦枠との間
から浸入した雨水を集める集水樋となっていることを特
徴とする建物開口部周辺の防水構造を提供する。
【0013】このように、サッシ下枠において第3の辺
の先端部分が外壁材の端部を覆うように外壁材と接する
ことで、雨水は第3の辺の上縁部分を伝って外部に流下
し、雨水が通気空間に浸入することがない。
【0014】また、本発明において、前記防水部材のサ
ッシ上枠、サッシ下枠および左右のサッシ縦枠に配設さ
れる部分が連続した状態で形成され、該防水部材が無端
環状になっていることが好ましい。また、本発明におい
て、前記防水部材が弾性材料で形成されており、該防水
部材の内周の総長さが前記サッシ枠の外周の総長さより
短いことが好ましい。
【0015】このように、防水部材を無端環状に弾性材
料で形成し、かつ、防水部材の内周の総長さがサッシ枠
の外周の総長さより短くしておけば、防水部材のサッシ
枠への取付けが一層容易になる。すなわち、サッシ枠は
矩形の枠状部材であり、該枠の4隅にコーナー部分を有
するところ、防水部材のうちサッシ枠の4隅コーナー部
分に配設される部分である4箇所を、2人以上で同時に
把持して該防水部材を上下左右両方向に延伸させた後、
該防水部材をワンタッチでサッシ枠の4周に嵌合させ得
る。
【0016】また、本発明において、前記防水部材のう
ち、サッシ横枠およびサッシ縦枠からなるサッシ枠の4
隅コーナー部分に配設される部分が該防水部材の他の部
分より縦弾性係数の大きい材料で形成されていることが
好ましい。
【0017】防水部材をワンタッチでサッシ枠の4周に
嵌合させる構成では、防水部材が縦弾性係数の小さい材
料で形成された場合、サッシ枠の4隅コーナー部分に当
る防水部材が変形し、断面形状のコ字形がつぶれてしま
うことがある。この場合でも当該部分のみ縦弾性係数の
大きい材料で形成されていれば、当該部分の変形は抑制
できる。
【0018】また、本発明において、前記防水部材のう
ち、前記サッシ枠の4隅コーナー部分に配設される部分
において、少なくとも前記第2または第3の辺に補強部
材が結合されていることが好ましい。こうすることによ
り、サッシ枠の4隅コーナー部分に当る防水部材の変形
を抑制できる。すなわち、防水部材の当該部分で、裏側
(第2の辺)または外側(第3の辺)に補強部材が結合
されていれば、機械的に変形を抑制できる。
【0019】また、本発明において、前記防水部材のう
ち、サッシ横枠のサッシ上枠において、前記第3の辺は
配設された状態においてサッシ上枠長手方向の中央部分
が最も高くなっており、該中央部分から両コーナー部分
に向かって勾配が形成されていることが好ましい。サッ
シ枠より上部の建物外壁から通気空間に浸入した雨水は
サッシ上枠部に落下する。この場合、防水部材の上部が
山形形状にテーパとなっていれば、落下した雨水は速や
かに両端(サッシ縦枠方向)に流下し、排水が容易にな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】図8は、本発明のサッシ取付構造
にも適用される、一般的な建物外壁の開口部を示す。外
壁1の開口部2の周縁に、サッシ上枠、サッシ下枠、左
枠および右枠であるサッシ縦枠等から構成されるサッシ
4が装着される。開口部2には窓材(障子材)3が装着
される。外壁1の屋外面側には複数の外壁材(サイディ
ング材)7が並列して装着される。開口部2は、左右の
柱6と上枠材(鴨居)9と下枠材(窓台)10に囲まれ
て形成される。外壁材7と柱6等の躯体の間には所定間
隔で下地材(胴縁)8が装着される。
【0021】図4、5は、本発明の建物開口部周辺の防
水構造の実施例を示す。このうち、図4は、サッシ取付
構造の上下枠部を、図5は、左右のサッシ縦枠部を示
す。従来例(図6、7)と同様に、サッシの取付けは、
サッシ取付片4dを開口部周縁の左右の柱(図5におけ
る6、6)や上下枠材(図4における9、10)に釘
(図示しない)で固定することでなされる。なお、図4
において、14はサッシ取付用枠である。
【0022】防水シート13は、サッシ4が開口部に取
付けられた後に、複数の躯体の外壁側の面が形成する平
面にあってかつ開口部以外の面に敷設される。図4の上
枠部では、防水シート13がサッシ取付片4dを上側か
らオーバーラップする形態となっており、防水シート1
3の上部から伝ってきた水がサッシ取付片4dと躯体9
との隙間に入り込むのを防止している。図4のサッシ下
枠部、図5のサッシ縦枠部においても同様の構成となっ
ている。
【0023】次に、防水シート13を介して防水部材1
2がサッシ取付片4dに取付けられる。防水部材12
は、図9〜12に示されるような断面が略コ字状の長尺
部材であり、サッシ辺12a(第1の辺)、背面辺12
b(第2の辺)および通気辺12c(第3の辺)の3辺
で、またはサッシ辺15a(第1の辺)、背面辺15b
(第2の辺)および張出し辺15c(第3の辺)の3辺
で構成される。
【0024】すなわち、第1の辺であるサッシ辺12
a、15aは、サッシ横枠4a、4b、サッシ縦枠4c
と接する辺である。第2の辺である背面辺12b、15
bは、サッシ取付片4dおよび防水シート13と接する
辺である。第3の辺である通気辺12cまたは張出し辺
15cは、通気空間を外気と遮断する構成の辺である。
【0025】防水部材12、15は、耐水性の弾性部材
よりなることが好ましい。これにより、外壁材と躯体と
の間隔に柔軟に対応でき、止水機能を発揮できる。防水
部材12、15には、たとえばゴム、合成樹脂、独立気
泡性の樹脂等が使用できる。
【0026】図4のサッシ上枠部、図5のサッシ縦枠部
に使用されている防水部材12は、サッシ辺12aより
も通気辺12cが長く作られており、通気辺12cの先
端部分が変形し、外壁材7の裏面に押付けられることで
止水機能を発揮している。
【0027】防水部材12には、図9に示されるよう
に、サッシ辺12aの外側面部分および通気辺12cの
先端部分にヒダ状を呈する複数条のシーリングリップ1
2d(図9)が翼設されていることが好ましい。このよ
うな複数条のシーリングリップ12dが設けられること
で止水機能がより効果的に発揮できる。
【0028】すなわち、シーリングリップ12dは防水
部材12の他の部分より薄いため、より可撓性があり、
接触部に多少の凹凸があってもこれになじむ。また、複
数条設けられており、一箇所に欠陥があっても他の部分
で補い得るので、止水効果は高まる。シーリングリップ
12dは、防水部材12の他の部分と一体成形してもよ
く、別に成形して、その後防水部材12の他の部分と接
合してもよい。
【0029】また、シーリングリップ12dのかわり
に、防水部材12を配設する構成であってもよい。防水
部材12には、図11に示されるようにサッシ辺12a
の外側面部分および通気辺12cの先端部分に止水スポ
ンジ12eが配設される。このような止水スポンジ12
eが配設されることで止水機能がより効果的に発揮でき
る。
【0030】すなわち、止水スポンジ12eは独立気泡
性のスポンジであり、水を通すことはなく、外力により
容易に変形し、かつ、接触部の表面形状になじみ、接触
部と止水スポンジ12eとの隙間をなくすので止水効果
は高まる。止水スポンジ12eは本体と一体でもよく、
別に成形してその後防水部材12の他の部分と接合して
もよい。シーリングリップ12dは、防水部材12の他
の部分と同一の材料で形成してもよく、より柔軟な材料
で形成してもよい。
【0031】なお、シーリングリップ12dと止水スポ
ンジ12eとを混在させる構成であってもよい。たとえ
ば、サッシ辺12aの外側面部分にはシーリングリップ
12dが翼設されており(図9参照)、通気辺12cの
先端部分には止水スポンジ12eが配設されている構成
(図11参照)である。
【0032】防水部材12の躯体への固定手段は特に限
定されないが、たとえば背面辺12bをサッシ取付片4
dに接着する手段、背面辺12bをサッシ取付片4dに
所定間隔毎に釘で留める手段が採り得る。また、後述す
る無端環状になっている防水部材12の場合には接着も
釘留めも不要となる。防水部材12が躯体に固定された
後、下地材である胴縁8が取付けられ、最後に外壁材7
が釘16で躯体9に固定され外壁工事が完了する。
【0033】図4の上枠部において、外壁材7と躯体9
との間に防水部材12が配され、通気空間を外気と遮断
している。この構成により、外壁材7とサッシ4との隙
間から吹き込む雨水を通気空間に浸入させない。
【0034】図5の左右のサッシ縦枠部においても同様
の構成が採られており、外壁材7とサッシ4との隙間か
ら吹き込む雨水を通気空間に浸入させない。また、防水
部材12で形成される凹部空間が集水樋として機能し、
外壁材7とサッシ4との隙間から吹き込む雨水を下方に
導く作用を果す。
【0035】同様の構成は下枠部においても採り得る。
すなわち、図4の上枠部の構成を180度上下に反転さ
せた下枠部の構成である。この場合であっても、外壁材
7とサッシ4との隙間から吹き込む雨水を通気空間に浸
入させない。また、防水部材12で形成される凹部空間
が集水樋として機能する。
【0036】ただし、下枠部において、防水部材12で
形成される凹部空間を集水樋として機能させたくない場
合、または下枠部の防水機能をより求める場合には、図
4の下枠部の構成を採り得る。図4の下枠部において
は、防水部材15が使用されている。防水部材15は、
防水部材12と同様に断面が略コ字状の長尺部材であ
り、サッシ辺15a(第1の辺)、背面辺15b(第2
の辺)を有する。しかし、通気辺12cより長い張出し
辺15c(第3の辺)を有する(詳細は図10、12参
照)。
【0037】サッシ辺15aおよび背面辺15bは、防
水部材12と同様にそれぞれサッシ枠、サッシ取付片に
接して配される。これに対し、張出し辺15cは外壁材
7の上端部を覆うように配される。この構成により、外
壁材7とサッシ4との隙間から吹き込む雨水を通気空間
に浸入させない。また、吹き込んだ雨水は張出し辺15
cを伝って、張出し辺15cの先端から屋外に排出され
る。
【0038】この構成においても、サッシ辺15aには
止水スポンジ15eが配設され(図12参照)ている
か、または複数条のシーリングリップ15dが翼設され
ている(図10参照)ことが好ましい。止水スポンジ1
5e、シーリングリップ15dのいずれかが設けられて
いれば止水機能が発揮できるからである。また、図示は
されていないが、張出し辺15cの先端部の下側(外壁
材7の上端部側)に止水スポンジ15eが配設され、ま
たは複数条のシーリングリップ15dが翼設されていて
もよい。
【0039】防水部材12は、サッシ上枠4a、サッシ
下枠4bおよび左右のサッシ縦枠4c、4cにそれぞれ
1本ずつ配するが、長尺の1本の防水部材12をサッシ
上枠4aおよび左右のサッシ縦枠4c、4cに連続して
配する方法を採ってもよい。この場合、施工がより簡便
となる。
【0040】これをさらに進めて、防水部材12のサッ
シ上枠4a、サッシ下枠4bおよび左右のサッシ縦枠4
c、4cに配設される部分が連続した状態で形成され、
防水部材12が無端環状になっている構成も採り得る。
すなわち、断面が略コ字状の長尺の1本の防水部材の、
該部材の両端部が接合された形状となっており、環状の
状態となっている構成である。
【0041】この場合、施工が一層簡便となる。特に、
防水部材12が弾性材料で形成されており、防水部材1
2の内周の総長さがサッシ枠4の外周の総長さより短け
ればより好ましい。すなわち、サッシ枠は矩形の枠状部
材であり、該枠の4隅にコーナー部分を有するところ、
防水部材のうちサッシ枠の4隅コーナー部分に配設され
る部分である4箇所を、2人以上で同時に把持して該防
水部材を上下左右両方向に延伸させた後、該防水部材を
ワンタッチでサッシ枠の4周に嵌合させ得る。
【0042】図1は、本発明の建物開口部周辺の防水構
造を示す一部切断斜視図であり、上記の無端環状になっ
ている防水部材がサッシ4に取付けられた構成を示して
いる。図1の構成の防水部材は、サッシ上枠4a、左右
のサッシ縦枠4c、4cに配される部分には、サッシ辺
12a、背面辺12bおよび通気辺12cの3辺で構成
される防水部材12が使用され、サッシ下枠4bに配さ
れる部分には、サッシ辺15a、背面辺15bおよび張
出し辺15cの3辺で構成される防水部材15が使用さ
れている。なお、防水部材の全ての部分を、サッシ辺1
2a、背面辺12bおよび通気辺12cの3辺で構成さ
れる防水部材12で構成するものであってもよい。
【0043】上記の無端環状になっている防水部材12
が、サッシ4の外周形状に対応した矩形状の無端環状に
成形されていれば特に問題は生じないが、無端環状にな
っている防水部材12が円弧状の無端環状に成形されて
いる場合、サッシ4の4隅コーナー部分に配される部分
の防水部材12の断面形状がコ字の形状を維持できずつ
ぶれたコ字状となる懸念がある。このような場合には、
防水部材12のサッシ枠の4隅コーナー部分に配設され
る部分を、防水部材12の他の部分より縦弾性係数の大
きい材料で形成しておけばよい。すなわち、上記の該当
部分のみ縦弾性係数の大きい材料で形成されていれば、
該当部分の変形は抑制できる。
【0044】また、防水部材12を、サッシ4の外周形
状に対応した矩形状の無端環状に成形するのが容易でな
い場合、または、防水部材12を円弧状の無端環状で、
かつ上記の該当部分のみ縦弾性係数の大きい材料で形成
するのが容易でない場合、以下に示す補強部材17を使
用する構成で同様の効果が得られる。
【0045】すなわち、防水部材12のうちサッシ4の
4隅コーナー部分に配設される部分において、少なくと
も背面辺12bまたは通気辺12cに補強部材を結合す
る構成とする。このように、背面辺12bまたは通気辺
12cに補強部材が結合されていれば、機械的に変形を
抑制できる。
【0046】図2は、本発明の補強部材の概要を説明す
る斜視図である。図2のうち、左の部分拡大斜視図は、
防水部材12が取付けられたサッシ4の右上コーナー部
を示す。また、図2のうち、17a、17b、17cは
いずれも補強部材であり、17aは断面がチャンネル状
のもの、17bは断面がアングル状のもの、17cは平
板状のものである。
【0047】補強部材17cは、防水部材12の背面辺
12b(第2の辺)に結合される。補強部材17bは、
防水部材12の背面辺12b(第2の辺)および通気辺
12c(第3の辺)に結合される。補強部材17aは、
防水部材12のサッシ辺12a(第1の辺)、背面辺1
2b(第2の辺)および通気辺12c(第3の辺)、す
なわち全ての辺に結合される。
【0048】補強部材17の防水部材12への結合方法
は、接着剤による接着、両面粘着テープにより貼着、等
各種手段が採り得る。また、補強部材17aを使用した
場合には、単に防水部材12へ嵌合するだけでも補強の
効果が得られる。
【0049】以上に説明した本発明の各種構成により、
建物の開口部周縁からの雨水の浸入は防げる。さらに、
通気空間に浸入した雨水の効率的な排水方法として以下
の構成が使用できる。
【0050】図3は、本発明の建物開口部周辺の防水構
造の他の例を示す斜視図である。図3の構成は、サッシ
上枠部の防水部材21以外は図1の構成と同一であり、
サッシ4、左右のサッシ縦枠4c、4cに対応する防水
部材12、12およびサッシ下枠4bに対応する防水部
材15とを有する。防水部材12、防水部材15の断面
形状も図1と同様である。
【0051】図3におけるサッシ上枠4a部分の防水部
材21は、防水部材12(図9参照)と同様にサッシ辺
(第1の辺)、背面辺(第2の辺)および通気辺(第3
の辺)の3辺で構成される。ただし通気辺(第3の辺)
は厚さが一定ではなく、配設された状態においてサッシ
上枠長手方向の中央部分が最も高くなっており、該中央
部分から両コーナー部分に向かって勾配が形成されてい
る。
【0052】このような形状とすることで、サッシ枠よ
り上部の建物外壁から通気空間に浸入した雨水がサッシ
上枠部の防水部材21の通気辺(第3の辺)に落下した
場合、通気辺の上部が山形形状にテーパとなっているの
で、落下した雨水は速やかに両端(サッシ縦枠方向)に
流下し、排水が容易になる。
【0053】
【発明の効果】本発明により、通気空間に浸入した水が
容易に排出でき、また、サッシ枠と外壁材との間に吹き
込む雨水もほとんど防止でき、通気工法の利点が生かせ
る。また、従来の工法に比べ施工も簡便となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建物開口部周辺の防水構造を示す一部
切断斜視図である。
【図2】本発明の補強部材の概要を説明する斜視図であ
る。
【図3】本発明の建物開口部周辺の防水構造の他の例を
示す斜視図である。
【図4】本発明の建物開口部周辺の防水構造を示す縦断
面図であり、(a)は上枠部分を示し、(b)は下枠部
分を示す。
【図5】本発明の建物開口部周辺の防水構造を示す水平
断面図であり、(a)は左縦枠部分を示し、(b)は右
縦枠部分を示す。
【図6】従来の建物開口部周辺の防水構造を示す縦断面
図であり、(a)は上枠部分を示し、(b)は下枠部分
を示す。
【図7】従来の建物開口部周辺の防水構造を示す水平断
面図であり、(a)は左縦枠部分を示し、(b)は右縦
枠部分を示す。
【図8】一般的な外壁の窓枠部分の構成図である。
【図9】防水部材の概要を示す斜視図である。
【図10】他の防水部材の概要を示す斜視図。
【図11】さらに他の防水部材の概要を示す斜視図であ
る。
【図12】さらに他の防水部材の概要を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1:外壁 2:開口部 3:窓材 4:サッシ 4a:サッシ上枠 4b:サッシ下枠 4c:サッシ縦枠 4d:サッシ取付片 5:通気空間 6:躯体(柱) 7:外壁材 8:下地材(胴縁) 9:躯体(上枠材) 10:躯体(下枠材) 12:防水部材(断面コ字状) 12a:サッシ辺 12b:背面辺 12c:通気辺 12d:シーリングリップ 12e:止水スポンジ 13:防水シート 14:サッシ取付用枠 15:防水部材(下枠用) 15a:サッシ辺 15b:背面辺 15c:張出し辺 15d:シーリングリップ 15e:止水スポンジ 16:釘 17:補強部材 17a:補強部材(チャンネル状断面) 17b:補強部材(アングル状断面) 17c:補強部材(平板状) 18:止水材 19:バックアップ材 20:水 21:防水部材(上枠用)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】躯体と外壁材との間に複数の下地材を並列
    して設け、各下地材間の躯体と外壁材との間に通気空間
    が形成された建物外壁に設けられた開口部に、サッシ横
    枠、サッシ縦枠およびサッシ取付片からなるサッシが取
    付けられた建物開口部周辺の防水構造であって、 前記サッシ横枠およびサッシ縦枠部分において、外壁材
    と躯体との間に、該外壁材と躯体との隙間を覆ってな
    る、断面が略コ字状の長尺部材である防水部材が配設さ
    れ、 該防水部材を構成する3辺のうち、第1の辺がサッシ横
    枠またはサッシ縦枠と接しており、第2の辺がサッシ取
    付片と接しており、第3の辺の先端部分が外壁材の裏面
    に接することで前記通気空間を外気と遮断しており、 該防水部材が外壁材とサッシ横枠またはサッシ縦枠との
    間から浸入した雨水を集める集水樋となっていることを
    特徴とする建物開口部周辺の防水構造。
  2. 【請求項2】前記防水部材を構成する第1の辺のサッシ
    横枠またはサッシ縦枠と接する面および第3の辺の先端
    部で外壁材の裏面に接する部分には、それぞれ止水スポ
    ンジが配設されまたは複数条の可撓性シーリングリップ
    が翼設されている請求項1に記載の建物開口部周辺の防
    水構造。
  3. 【請求項3】前記防水部材が、サッシ横枠のうちサッシ
    上枠および左右のサッシ縦枠に連続した状態で配設され
    ている請求項1または2に記載の建物開口部周辺の防水
    構造。
  4. 【請求項4】躯体と外壁材との間に複数の下地材を並列
    して設け、各下地材間の躯体と外壁材との間に通気空間
    が形成された建物外壁に設けられた開口部に、サッシ横
    枠およびサッシ縦枠からなるサッシが取付けられた建物
    開口部周辺の防水構造であって、 前記サッシ横枠およびサッシ縦枠部分において、外壁材
    と躯体との間に、該外壁材と躯体との隙間を覆ってな
    る、断面が略コ字状の長尺部材である防水部材が配設さ
    れ、 サッシ横枠のうちサッシ上枠および左右のサッシ縦枠に
    おいては、前記防水部材を構成する3辺のうち、第1の
    辺がサッシ横枠またはサッシ縦枠と接しており、第2の
    辺がサッシ取付片と接しており、第3の辺の先端部分が
    外壁材の裏面に接することで前記通気空間を外気と遮断
    しており、 サッシ横枠のうちサッシ下枠においては、前記防水部材
    を構成する3辺のうち、第1の辺がサッシ横枠と接して
    おり、第2の辺がサッシ取付片と接しており、第3の辺
    の先端部分が外壁材の端部を覆うように外壁材と接する
    ことで前記通気空間を外気と遮断しており、 該防水部材が外壁材とサッシ横枠またはサッシ縦枠との
    間から浸入した雨水を集める集水樋となっていることを
    特徴とする建物開口部周辺の防水構造。
  5. 【請求項5】前記防水部材を構成する第1の辺のサッシ
    横枠またはサッシ縦枠と接する面には、止水スポンジが
    配設されまたは複数条の可撓性シーリングリップが翼設
    されている請求項4に記載の建物開口部周辺の防水構
    造。
  6. 【請求項6】前記防水部材のサッシ上枠、サッシ下枠お
    よび左右のサッシ縦枠に配設される部分が連続した状態
    で形成され、該防水部材が無端環状になっている請求項
    1、2、4または5に記載の建物開口部周辺の防水構
    造。
  7. 【請求項7】前記防水部材が弾性材料で形成されてお
    り、該防水部材の内周の総長さが前記サッシ横枠および
    サッシ縦枠の外周の総長さより短い請求項6に記載の建
    物開口部周辺の防水構造。
  8. 【請求項8】前記防水部材のうち、サッシ横枠およびサ
    ッシ縦枠からなるサッシ枠の4隅コーナー部分に配設さ
    れる部分が該防水部材の他の部分より縦弾性係数の大き
    い材料で形成されている請求項7に記載の建物開口部周
    辺の防水構造。
  9. 【請求項9】前記防水部材のうち、サッシ横枠およびサ
    ッシ縦枠からなるサッシ枠の4隅コーナー部分に配設さ
    れる部分において、少なくとも前記第2または第3の辺
    に補強部材が結合されている請求項1〜8のいずれかに
    記載の建物開口部周辺の防水構造。
  10. 【請求項10】前記防水部材のうち、サッシ横枠のサッ
    シ上枠において、前記第3の辺は配設された状態におい
    てサッシ上枠長手方向の中央部分が最も高くなってお
    り、該中央部分から両コーナー部分に向かって勾配が形
    成されている請求項1〜9のいずれかに記載の建物開口
    部周辺の防水構造。
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