JP2002037102A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JP2002037102A
JP2002037102A JP2000226870A JP2000226870A JP2002037102A JP 2002037102 A JP2002037102 A JP 2002037102A JP 2000226870 A JP2000226870 A JP 2000226870A JP 2000226870 A JP2000226870 A JP 2000226870A JP 2002037102 A JP2002037102 A JP 2002037102A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】演算処理能力が高い高価なコントローラを用い
ることなく、車速検出手段が故障したときに適切に対処
できるようにする。 【解決手段】車速検出手段2が故障していない通常時に
は、可変制御マップMP1を利用してモータMを制御す
る一方、車速検出手段2の故障時には、固定制御マップ
MP3を利用してモータMを制御するコントローラ5を
具備している、電動式パワーステアリング装置であっ
て、記憶手段6には、制御量と操舵トルクとの関係を複
数通り定めた複数のデータを含む移行制御マップMP2
が記憶されており、コントローラ5は、可変制御マップ
MP1を利用した制御から固定制御マップMP3を利用
した制御に移行するときには、その移行途中において移
行制御マップMP2の複数のデータに基づく制御に順次
切り替わることにより、可変制御マップMP1を利用し
て実行されていた制御特性を固定制御マップMP3を利
用した制御特性に段階的に近づけるように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、車速感応型の電
動式パワーステアリング装置、さらに詳しくは、車速検
出手段に故障が発生した場合に好適に対処することがで
きるようにされた電動式パワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、電動式パワーステアリン
グ装置においては、モータを利用することにより操舵補
助力を発生させており、この操舵補助力を操舵機構部に
作用させることにより、ステアリング操作に要するドラ
イバの負担を軽減するように構成されている。車速感応
型の電動式パワーステアリング装置においては、上記モ
ータの出力は、車速と操舵トルクとに基づいて決定され
ており、たとえばCPUを用いて構成されたコントロー
ラによってその制御がなされている。車速が低速のとき
には、ステアリングホイールの操作特性を軽くする必要
があることから、上記モータの出力は高められる。反対
に、車速が高速のときには、ステアリングホイールの操
作特性を軽くすることは好ましくないため、上記モータ
の出力は低くされる。ただし、このような制御は、車速
検出手段が故障した場合には実行困難となる。
【0003】そこで、本出願人は、特開平1−2156
67号公報に記載された手段を先に提案している。すな
わち、同公報に記載された手段は、本願の図7に示すよ
うなデータを含むマップを用いる手段である。このマッ
プは、モータの制御を実行するコントローラに付属して
設けられた記憶装置に記憶されたものであり、車速検出
手段が故障していない通常時に用いるための可変制御マ
ップMPaと、車速検出手段の故障時に用いるための固定
制御マップMPbとに区分することができる。可変制御マ
ップMPaは、車速0、車速1〜5km、車速5〜10kmな
どの複数種類の車速ごとに操舵トルクに対応するモータ
電流を定めた複数のデータDaを含んでいる。このモー
タ電流の値が大きいほど、モータの出力が大きくなる。
一方、固定制御マップMPbは、操舵トルクに対応するモ
ータ電流を車速とは無関係に定めたデータDbを含んで
いる。
【0004】上記公報に記載の手段においては、通常時
には、コントローラが可変制御マップMPaを利用するこ
とにより、車速および操舵トルクに対応したモータ電流
をきめ細かく選定し、モータの出力を制御する。したが
って、ステアリング操作に要する力を自動車の実際の走
行状況に適合させることができる。これに対して、車速
検出手段が故障したときには、上記コントローラは固定
制御マップMPbを利用した制御に切り替わり、車速には
関係なく、操舵トルクに対応したモータ電流を選定する
ことにより、上記モータの出力を制御する。したがっ
て、この場合には、可変制御マップMPaを用いた場合と
比較すると、上記モータの出力制御は粗くなるものの、
たとえば操舵トルクが大きくなったときには上記モータ
の出力をも大きくして、ステアリングホイールの操作特
性を良好にするといった制御が可能である。
【0005】上記した可変制御マップMPaの各データD
aと固定制御マップMPbのデータDbとは、大きく相違
している。したがって、可変制御マップMPaから固定制
御マップMPbへの切り替えが急激になされると、上記モ
ータの出力も急激に変動する場合がある。このような事
態は、ステアリング操作に要する力の急変を招くため、
適切ではなく、未然に防止することが望まれる。
【0006】そこで、上記公報に記載の手段において
は、可変制御マップMPaから固定制御マップMPbに切り
替えるときには、コントローラが可変制御マップMPaで
利用されていたデータを演算処理することによって、固
定制御マップMPbに近いデータを順次作成し、この作成
データに基づいてモータ電流を決定していた。より具体
的には、たとえば車速10〜20kmで走行している際に
車速検出手段が故障した場合には、コントローラは、図
8に示す曲線に相当するデータDaを、同図の矢印N1
に示すように、固定制御マップMPbのデータDbに徐々
に近づけていく演算処理を実行し、その演算処理によっ
て得られたデータに基づきながらモータ電流を決定して
いた。このような手段によれば、可変制御マップMPaか
ら固定制御マップMPbへの切り替えを徐々に行うことが
可能となり、ステアリング操作に要する力が急変しない
ようにすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手段においては、可変制御マップMPaから固定制御
マップMPbへの切り替えを行う際に、可変制御マップMP
aの所定のデータを固定制御マップMPbのデータDbに
徐々に近づけるための演算処理をコントローラに実行さ
せている。したがって、上記コントローラとしては、演
算処理能力が高い高価なものを用いる必要があり、従来
においては、この点において未だ改善すべき余地があっ
た。
【0008】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、演算処理能力が高い高価なコン
トローラを用いることなく、車速検出手段が故障したと
きに適切に対処することができる電動式パワーステアリ
ング装置を提供することをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0010】本願発明によって提供される電動式パワー
ステアリング装置は、操舵トルク検出手段と、車速検出
手段と、この車速検出手段の異常を検出する異常検出手
段と、操舵補助力を発生させるモータと、このモータの
出力を制御するための制御量と操舵トルクとの関係を複
数段階の車速ごとに定めた複数のデータを含む可変制御
マップおよびこの可変制御マップの代替となる制御量と
操舵トルクとの関係を定めたデータを含む固定制御マッ
プが記憶されている記憶手段と、上記異常検出手段によ
り異常が検出されていない通常時には、上記操舵トルク
検出手段および上記車速検出手段により検出されたデー
タと上記可変制御マップとに基づいて上記モータを制御
する一方、上記異常検出手段により異常が検出されたと
きには、上記モータの制御を上記固定制御マップを利用
した制御に切り替えるコントローラと、を具備してい
る、電動式パワーステアリング装置であって、上記記憶
手段には、制御量と操舵トルクとの関係を複数通り定め
た複数のデータを含む移行制御マップがさらに記憶され
ており、かつ上記コントローラは、上記可変制御マップ
を利用した制御から上記固定制御マップを利用した制御
に移行するときには、その移行途中において上記移行制
御マップの複数のデータに基づく制御に順次切り替わる
ことにより、上記可変制御マップを利用して実行されて
いた制御特性を上記固定制御マップを利用した制御特性
に段階的に近づけるように構成されていることを特徴と
している。
【0011】このような構成を有する電動式パワーステ
アリング装置においては、次のような効果が得られる。
【0012】第1に、上記車速検出手段が故障したとき
には、上記コントローラによるモータの制御が、上記可
変制御マップを利用した制御から上記固定制御マップを
利用した制御にいきなり切り替わることはなく、上記移
行制御マップを利用した制御を経由してから、上記固定
制御マップを利用した制御に切り替わることとなる。一
方、上記コントローラは、上記移行制御マップを利用し
た制御を実行することにより、上記可変制御マップを利
用して実行されていた制御特性を上記固定制御マップを
利用して実行される制御特性に徐々に近づけていく。し
たがって、上記車速検出手段の故障時には、ステアリン
グ操作に要する力が急に大きくなったり、あるいは小さ
くなったりすることを回避しつつ、上記固定制御マップ
を利用したモータの制御モードにスムーズに移行させる
ことができる。
【0013】第2に、上記移行制御マップを利用した制
御に際しては、この移行制御マップのデータと操舵トル
クとに基づいて上記モータの出力を制御するための制御
量を選定し、この選定された制御量に基づいて上記モー
タの出力が制御されることとなる。したがって、従来と
は異なり、可変制御マップから固定制御マップへの移行
を行う際に、コントローラに制御量を算出するための複
雑な演算処理を実行させる必要はない。その結果、上記
コントローラとしては、演算処理能力の高いものを用い
る必要を無くし、または少なくすることができ、そのコ
ストを下げることができる。
【0014】本願発明の好ましい実施の形態において
は、上記コントローラは、上記異常検出手段により異常
が検出されたときには、上記可変制御マップで利用され
るデータを、上記モータの出力を小さくする特性をもつ
他の複数のデータに順次切り替え、かつ上記モータの出
力を最小とする特性のデータを利用した制御に移行した
後に、上記移行制御マップを利用した制御に切り替わる
ように構成されている。
【0015】このような構成によれば、上記車速検出手
段に故障が生じたときには、上記移行制御マップを利用
した制御に切り替わる前に、上記モータの出力を徐々に
小さくする制御が実行されることとなる。したがって、
上記車速検出手段が故障する直前の状態と比べて、ステ
アリング操作に要する力は徐々に大きくなり、たとえば
実際の車速が高速であるにも拘わらず、ステアリングホ
イールの操作特性が過度に軽くなるといった事態を生じ
ないようにすることができる。
【0016】本願発明のその他の特徴および利点につい
ては、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明
らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0018】図1は、本願発明に係る電動式パワーステ
アリング装置の概略構成の一例を示すブロック図であ
る。図2は、可変制御マップの一例を示す説明図であ
る。図3は、固定制御マップおよび移行制御マップの一
例を示す説明図である。
【0019】図1によく表われているように、本実施形
態の電動式パワーステアリング装置Aは、操舵トルク検
出器1、車速検出器2、エンジン回転数検出器3、故障
・故障復帰検出器4、コントローラ5、記憶装置6、モ
ータM、およびモータM用のドライバ7を具備して構成
されている。
【0020】モータMは、この電動式パワーステアリン
グ装置Aのステアリング機構に操舵補助力を付与するた
めのものであり、その出力は可変制御可能である。この
モータMの出力が大きくなるほど、ステアリング操作に
要する力を小さくすることができる。操舵トルク検出器
1、車速検出器2、およびエンジン回転数検出器3は、
この電動式パワーステアリング装置Aにおける操舵トル
ク、この電動式パワーステアリング装置Aを搭載した自
動車の車速、およびエンジンの回転数をそれぞれ検出す
るものであり、これらによって検出されたデータは、コ
ントローラ5や故障・故障復帰検出器4に入力される。
車速およびエンジン回転数のデータは、インストルメン
トパネルに設けられている速度メータおよびタコメータ
を経由してからコントローラ5や故障・故障復帰検出器
4に入力されるように構成されていてもかまわない。
【0021】故障・故障復帰検出器4は、車速検出器2
およびエンジン回転数検出器3からの信号に基づいて、
車速検出器2が正常か否かの判断を行うものである。こ
の故障・故障復帰検出器4は、たとえばエンジン回転数
検出器3からエンジンが回転している旨のデータを受信
しているとともに、車速検出器2から自動車が走行して
いる旨のデータを受信している状態において、その後エ
ンジンが一定回転数以上に回転しているにも拘わらず車
速ゼロの状態が一定時間継続すると、車速検出器2が故
障であると判断し、その旨の信号を出力するように構成
されている。また、エンジン始動時においては、エンジ
ンが一定回転数以上に回転している時間が継続している
にも拘わらず、車速がゼロの状態が一定時間以上継続す
ると、その時点で車速検出器2が故障であると判断され
るようになっている。一方、車速検出器2が故障である
と判断した後に、エンジン回転数のデータと照合して正
常と考えられる車速のデータを受信したときには、この
故障・故障復帰検出器4は車速検出器2が正常に復帰し
たものと判断し、その旨の信号を出力するように構成さ
れている。本実施形態においては、この故障・故障復帰
検出器4がコントローラ5とは別個の構成要素とされて
いるが、本願発明はこれに限定されない。本願発明にお
いては、コントローラ5に車速検出器2が正常であるか
否かの判別機能を具備させることにより、このコントロ
ーラ5が故障・故障復帰検出器を兼用した構成とするこ
ともできる。
【0022】記憶装置6は、ROMあるいはEEPRO
Mなどの適当なメモリを用いて構成されたものであり、
この記憶装置6には、可変制御マップMP1、移行制御
マップMP2、および固定制御マップMP3が記憶され
ている。可変制御マップMP1は、車速検出器2が正常
である通常時に利用するためのものであり、図2によく
表われているように、操舵トルクとモータMに流すべき
モータ電流との関係を、複数段階の車速ごとに定めた複
数のデータD1〜D11を含んでいる。上記モータ電流
は、モータMの出力を制御するための制御量の一例に相
当するものであり、複数のデータD1〜D11は、基本
的には車速が高速になるほど、モータ電流が小さくなる
内容となっている。また、この可変制御マップMP1で
利用される車速の上限は、たとえば98km/hとされてお
り、実際の車速がこの車速を超える場合であっても、5
1〜98km/hの車速についてのデータD11が用いられ
るようになっている。
【0023】図3によく表われているように、固定制御
マップMP3は、操舵トルクとモータ電流との関係を車
速には関係なく定めたデータD30を含むものである。
この固定制御マップMP3は、車速検出器2が故障した
ときに利用するためのものであり、データD30は、実
際の車速の高低を問わず、ステアリングホイールの操作
特性が過度に軽くならないように考慮されたデータとさ
れている。
【0024】移行制御マップMP2は、可変制御マップ
MP1から固定制御マップMP3への移行時に利用する
ためのものであり、操舵トルクとモータ電流とについて
の複数通りの関係を定めた複数のデータD20〜D29
を含んでいる。これら複数のデータD20〜D29は、
たとえば操舵トルクが4N・m以下の領域については、
可変制御マップMP1のデータD11および固定制御マ
ップMP3のデータD30と同一であるものの、4N・
mを超える操舵トルクの領域においては、同一の操舵ト
ルクに対するモータ電流の大きさは、データD11とデ
ータD30との中間領域に属し、かつ互いに相違した値
となっている。これら複数のデータD20〜29のう
ち、データD20は、データD11に比較的近似した内
容となっており、データD20からデータD29に進む
にしたがってデータD30の特性に徐々に近づくように
なっている。
【0025】移行制御マップMP2の複数のデータD2
0〜D29は、たとえば図3に示すような屈曲線のそれ
ぞれの屈曲点を示すデータとして記憶装置6に記憶され
てる。より具体的には、たとえばデータD20は、その
屈曲線の屈曲点となる符号n1〜n4で示す箇所の各座
標のデータとして、記憶装置6に記憶されている。これ
は、他のデータD21〜D29についても同様である。
また、本実施形態においては、可変制御マップMP1の
データD1〜D11や固定制御マップMP3のデータD
30についても同様とされている。このようなデータの
態様にすれば、3種類のマップMP1〜MP3の総デー
タ量を少なくすることができ、記憶装置6としてメモリ
容量の小さい廉価なものを用いることが可能となる。あ
るいは、記憶装置6を他のデータの記憶用途に併用する
のに好適となる。また、図面においては、固定制御マッ
プMP3および移行制御マップMP2を、可変制御マッ
プMP1とは区分した状態に記載しているが、これら3
種類のマップは、互いに関連する一群のデータとして一
纏めにして記憶装置6に記憶させることが可能であるこ
とは言うまでもない。
【0026】図1において、コントローラ5は、ステア
リング操作に必要な力が適度な値となるように、モータ
Mの出力制御を実行するものであり、たとえばCPUを
具備して構成されている。このコントローラ5は、故障
・故障復帰検出器4から車速検出器2が故障した旨の異
常検知信号が出力されていない通常時においては、車速
検出器2からの車速データ、操舵トルク検出器1からの
操舵トルクのデータ、および可変制御マップMP1に基
づいてモータ電流値を決定し、この決定した値のモータ
電流がドライバ7を介してモータMに流れるようにする
制御を行う。ただし、故障・故障復帰検出器4から異常
検知信号が出力されたときには、後述するように、可変
制御マップMP1を利用した所定の制御を終えた後に、
移行制御マップMP2を利用した制御に移行し、その後
最終的に固定制御マップMP3を利用した制御を実行す
るように構成されている。また、異常検知が解除された
故障復帰時についても、後述するような制御を行うよう
に構成されている。
【0027】次に、コントローラ5の具体的な制御動作
手順を、図4〜図6に示すフローチャートにしたがって
説明し、併せて本実施形態の電動式パワーステアリング
装置Aの作用をも説明する。
【0028】まず、エンジンを始動させると、コントロ
ーラ5は、可変制御マップMP1を利用したモータ制御
を開始する(S1,S2)。故障・故障復帰検出器4か
ら異常検出がなされない場合には(S3:NO)、エン
ジン停止がなされるまで、可変制御マップMP1を利用
したモータ制御がなされる(S4)。可変制御マップM
P1は、操舵トルクとモータ電流との関係が、複数段階
の車速ごとにきめ細かく定められているために、自動車
の実際の走行条件に応じた適切なモータ出力、すなわち
操舵補助力が得られることとなり、ステアリングホイー
ルの操作特性を良好にすることができる。
【0029】故障・故障復帰検出器4において異常検出
がなされた場合には(S3:YES)、コントローラ5
は、可変制御マップMP1で利用されるデータを高速帯
域の車速に対応するデータに順次切り替えていく(S
5)。より具体的には、異常検出がなされた直前の車速
が、たとえば7km/hであったとすると、その時点では可
変制御マップMP1のデータD5がモータ制御に利用さ
れているために(図2参照)、コントローラ5は、可変
制御マップMP1のうち、制御に利用するデータを、デ
ータD5からデータD6へ、さらにはその後データD
7,D8,D9……に順次切り替えていく。最終的に
は、最も高速の帯域であるデータD11にする。このよ
うなデータの切り替えは、たとえば1秒間隔で行う。こ
のように、コントローラ5が利用する可変制御マップM
P1のデータを順次高速寄りのデータに変化させていく
と、基本的にはモータ電流が小さくなり、モータMによ
る操舵補助力が徐々に小さくなる。したがって、ステア
リングホイールの操作特性が急に軽くなったり、あるい
は急に重くなったりしないようにすることができる。ま
た、上記ようにすれば、ステアリングホイールの操作に
必要なドライバの力が徐々に大きくなるために、仮に実
際の車速が高速であったとしても、ステアリングホイー
ルがいわゆるきれ過ぎる状態にならないようにすること
ができる。
【0030】可変制御マップMP1のデータD11を利
用した制御が、たとえば1秒間実行された後には、コン
トローラ5は、モータ制御に利用するマップを、可変制
御マップMP1から移行制御マップMP2に切り替える
(S7)。移行制御マップMP2に切り替えた直後にお
いては、コントローラ5は、先のデータD11に最も近
い特性をもつ移行制御マップMP2のデータD20を利
用した制御を実行する。したがって、この移行制御マッ
プMP2への切り替え時においても、コントローラ5に
よって実行される制御特性が急変しないようにすること
ができる。
【0031】ただし、このデータD20を利用した制御
は、たとえば1秒間のみ行い、その後はデータD21,
D22,D23……の順序で順次切り替えていき、これ
らの各データにしたがってモータ制御を実行する。この
ようにデータを順次切り替えることにより、データD2
9の制御に到達する。データD29による制御をたとえ
ば1秒間実行した後には、コントローラ5は、その後モ
ータ制御に利用するマップを移行制御マップMP2から
固定制御マップMP3に切り替え、そのデータD30を
利用した制御を開始する(S9:YES,S10)。
【0032】上記したように、可変制御マップMP1か
ら固定制御マップMP3に切り替わるときに、その途中
過程において、移行制御マップMP2の複数のデータD
20〜D29を順次一定時間間隔で実行すると、コント
ローラ5によって実行される制御特性を可変制御マップ
MP1を利用した制御特性から固定制御マップMP3を
利用した制御特性へと徐々に近づけるように変化させる
ことができる。したがって、車速検出器2が故障したと
きの可変制御マップMP1から固定制御マップMP3へ
の切り替え時において、ステアリング操作に要する力
が、急変しないようにすることができる。その結果、ス
テアリングホイールを握るドライバに違和感、あるいは
不安感を極力与えないようにしつつ、可変制御マップM
P1から固定制御マップMP3へのスムーズな移行が行
えることとなる。
【0033】一方、上記した移行制御マップMP2を利
用したモータMの制御は、コントローラ5が移行制御マ
ップMP2のデータと操舵トルクの値とに基づいてモー
タ電流を決定し、この決定されたモータ電流がモータM
に流れるようにする制御である。したがって、コントロ
ーラ5には、従来技術とは異なり、可変制御マップMP
1から固定制御マップMP3への移行をスムーズに行わ
せるための複雑な演算処理を行わせるといった必要はな
く、コントローラ5としては、演算処理能力がさほど高
くない廉価なものを用いることが可能となる。固定制御
マップMP3を利用した制御に移行した後においては、
故障・故障復帰検出器4から車速検出が正常である旨の
信号を受信しない限りは、その後エンジン停止がなされ
るまで固定制御マップMP3を利用した制御が継続して
実行されることとなる(S11:NO,S12)。
【0034】固定制御マップMP3を利用した制御が実
行されている間に、故障・故障復帰検出器4から車速検
出が正常である旨の信号を受信した場合には(S11:
YES)、コントローラ5は、制御に利用するマップ
を、固定制御マップMP3から移行制御マップMP2に
切り替える(S13)。コントローラ5は、この切り替
え直後には、移行制御マップMP2のデータD29を利
用した制御を、たとえば1秒の一定時間だけ実行し、そ
の後はこのデータD29を、他のデータD28,D2
7,D26……D20にたとえば1秒間隔で切り替えて
いきながら、これらの各データに基づいた制御を実行す
る。コントローラ5は、データD20を利用した制御を
一定時間実行した後には、可変制御マップMP1を利用
した通常の制御に切り替わる(S15:YES,S1
6)。このように、固定制御マップMP3から可変制御
マップMP1に復帰させる際に、事前に移行制御マップ
MP2に移行し、その参照データをデータD29からデ
ータD20に順次切り替えるようにすれば、モータMに
よる操舵補助力を徐々に小さくしてから可変制御マップ
MP1を利用した制御に移行することができる。このよ
うにすると、車速が高速であるにも拘わらず、ステアリ
ングホイールの操作特性が過度に軽くなるといった事態
を防止することができる。また、固定制御マップMP3
を利用した制御から可変制御マップMP1を利用した制
御へのスムーズな移行も行えることとなる。
【0035】本願発明に係る電動式パワーステアリング
装置の各部の具体的な構成は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、種々に設計変更自在である。
【0036】上述の実施形態においては、モータの出力
を制御するための制御量が、モータ電流とされていた
が、本願発明はこれに限定されず、モータに印加される
電圧値、あるいはそれ以外のパラメータを制御量とする
こともできる。
【0037】本願発明においては、移行制御マップに含
まれるモータの出力を制御するための制御量と操舵トル
クとの関係を定めたデータ(実施形態のデータD20〜
D29に相当するデータ)の数を多くするほど、可変制
御マップから固定制御マップに移行するときにその制御
特性を小刻みに変化させることができ、好ましい。ただ
し、本願発明においては、移行制御マップに含まれるそ
れらのデータの具体的な数はとくに限定されるものでは
なく、要は複数あればよい。また、本願発明において
は、移行制御マップ、可変制御マップ、および固定制御
マップに含まれている各データの具体的な内容(数値)
も、上述の実施形態の内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る電動式パワーステアリング装置
の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】可変制御マップの一例を示す説明図である。
【図3】固定制御マップおよび移行制御マップの一例を
示す説明図である。
【図4】図1に示す電動式パワーステアリング装置のコ
ントローラの動作手順の一例を示すフローチャートであ
る。
【図5】図1に示す電動式パワーステアリング装置のコ
ントローラの動作手順の一例を示すフローチャートであ
る。
【図6】図1に示す電動式パワーステアリング装置のコ
ントローラの動作手順の一例を示すフローチャートであ
る。
【図7】従来技術において利用されていた可変制御マッ
プおよび固定制御マップを示す説明図である。
【図8】従来技術において実行されていた演算処理を概
念的に示す説明図である。
【符号の説明】
A 電動式パワーステアリング装置 M モータ MP1 可変制御マップ MP2 移行制御マップ MP3 固定制御マップ 1 操舵トルク検出器 2 車速検出器 4 故障・故障復帰検出器 5 コントローラ 6 記憶装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC33 DA15 DA23 DA49 DC08 DD01 EC23 GG01 3D033 CA03 CA11 CA13 CA16 CA21 CA31 CA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵トルク検出手段と、車速検出手段
    と、この車速検出手段の異常を検出する異常検出手段
    と、操舵補助力を発生させるモータと、このモータの出
    力を制御するための制御量と操舵トルクとの関係を複数
    段階の車速ごとに定めた複数のデータを含む可変制御マ
    ップおよびこの可変制御マップの代替となる制御量と操
    舵トルクとの関係を定めたデータを含む固定制御マップ
    が記憶されている記憶手段と、上記異常検出手段により
    異常が検出されていない通常時には、上記操舵トルク検
    出手段および上記車速検出手段により検出されたデータ
    と上記可変制御マップとに基づいて上記モータを制御す
    る一方、上記異常検出手段により異常が検出されたとき
    には、上記モータの制御を上記固定制御マップを利用し
    た制御に切り替えるコントローラと、を具備している、
    電動式パワーステアリング装置であって、 上記記憶手段には、制御量と操舵トルクとの関係を複数
    通り定めた複数のデータを含む移行制御マップがさらに
    記憶されており、かつ、 上記コントローラは、上記可変制御マップを利用した制
    御から上記固定制御マップを利用した制御に移行すると
    きには、その移行途中において上記移行制御マップの複
    数のデータに基づく制御に順次切り替わることにより、
    上記可変制御マップを利用して実行されていた制御特性
    を上記固定制御マップを利用した制御特性に段階的に近
    づけるように構成されていることを特徴とする、電動式
    パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 上記コントローラは、上記異常検出手段
    により異常が検出されたときには、上記可変制御マップ
    で利用されるデータを、上記モータの出力を小さくする
    特性をもつ他の複数のデータに順次切り替え、かつ上記
    モータの出力を最小とする特性のデータを利用した制御
    に移行した後に、上記移行制御マップを利用した制御に
    切り替わるように構成されている、請求項1に記載の電
    動式パワーステアリング装置。
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