JP6759836B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
図10に示すように電動パワーステアリング装置は、系統A及び系統BでそれぞれモータMA、MBを制御可能となっており、系統毎にセンサ部100A、100B、ECU140A、140B、モータドライバ130A、130Bを有する。また、ECU140A、140Bは、それぞれアシスト制御部110A、110B及びモータ制御部120A、120Bを有する。センサ部100A、100Bには、それぞれトルクセンサ及び車速センサを含む。
上記の構成により、故障態様の内容に応じて、ローパスフィルタの時定数が変更されることにより、故障態様の内容に応じて制御量が変更されたときの、乗員の違和感を適切に抑制する。
上記の構成により、電動パワーステアリング装置において、上記した作用効果を容易に実現することができる。
図1〜図6を参照して、モータ制御装置の一実施形態について説明する。まず、本実施形態のモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の概要について説明する。
(モータ制御装置4の構成)
次に、モータ17A、17Bを制御するモータ制御装置4を説明する。
系統40は、第2制御演算部41及び三相(U相、V相、W相)のインバータ回路からなる第2モータ駆動部42を備えている。第2制御演算部41は、マイクロプロセスユニット(MPU)からなり、制御プログラムが実行されることにより、アシスト制御部43、切替部47及び電流制御部44の機能を有する。
なお、アシスト制御部43が採用するアシストマップは、アシスト制御部33が採用するアシストマップと同じものである。アシスト制御部43の作用の詳細については後述する。切替部47は、アシスト制御部33またはアシスト制御部43からアシスト制御量を入力し、いずれか一方のアシスト制御量を選択的に電流制御部44に出力する。
(センサについて)
本実施形態では、系統30、40毎に相互に同一構成の各種センサが設けられている。
上記のように構成されたモータ制御装置4の作用を説明する。
(系統30について)
図3は系統30の第1制御演算部31が制御プログラムに従って制御周期毎に実行するフローチャートである。
S20では、第1制御演算部31(切替部37)は、故障タイプαの有無を故障検出部35の検出に基づいて判定する。
S40では、第1制御演算部31は、出力するアシスト制御部43からのアシスト制御量を、第1ローパスフィルタ(LPF)を介して、電流制御部34に出力し、S90に移行する。なお、第1ローパスフィルタは、カットオフ周波数が予め設定された基準値よりも大きくしたもの、すなわち、フィルタの時定数を小さくしたものである。
同図において、故障発生(故障検出)があると、系統30のアシスト制御量から系統40のアシスト制御量に切替えされて、系統40のアシスト制御量が第1ローパスフィルタを介して出力されたときの状態を2点鎖線で示している。2点鎖線で示すように、第1ローパスフィルタを介して出力されることにより、アシスト制御量の立上がりが早期にされる。
具体的には、第1制御演算部31(切替部37)の故障検出部35は、第1制御演算部31と、図示しない前記外部装置との間の通信が途絶したか否かを判定する。なお、アシスト制御部33、43にそれぞれ入力する前記外部装置の入力信号(パラメータ)は、それぞれ別個に独立して入力されているものであって、同種のパラメータである。故障検出部35は、第1制御演算部31と前記外部装置との間の通信が異常の場合は、その旨を切替部37に通知する。
S70では、第1制御演算部31は、出力するアシスト制御部43からのアシスト制御量を、第2ローパスフィルタ(LPF)を介して、電流制御部34に出力し、S90に移行する。なお、第2ローパスフィルタは、カットオフ周波数が予め設定された基準値以下であって、すなわち、フィルタの時定数を大きくしたものである。
S90では、第1制御演算部31(電流制御部34)は、切替部37からのアシスト制御量を第1モータ駆動部32に出力する。
次に系統40について説明する。
図4は系統40の第2制御演算部41が制御プログラムに従って制御周期毎に実行するフローチャートである。この制御プログラムは、系統30の第1制御演算部31が図3で説明した制御プログラムの実行と同期して実行される。
S130では、第2制御演算部41(切替部47)はアシスト制御部43からのアシスト制御量を、電流制御部44に出力する。
S170では、第2制御演算部41は、出力するアシスト制御部43からのアシスト制御量を、第2ローパスフィルタ(LPF)を介して、電流制御部44に出力し、S190に移行する。
S190では、第2制御演算部41(電流制御部44)は、切替部47からのアシスト制御量を第2モータ駆動部42に出力する。
なお、仮に、第1ローパスフィルタを使用しない場合は、故障発生後に採用された系統40のアシスト制御量を電流制御部34、44に入力しても、すぐには、系統40のアシスト制御量へ達する時間は遅延することとなる。このため、運転者に違和感を与えることを抑制できる。
(1)本実施形態のモータ制御装置4は、モータ17A、17Bと、操舵トルクTh1、Th2を出力するトルクセンサ5a、5b、車速センサ6a、6b等と、パラメータに基づいてアシスト制御を演算するアシスト制御部33、43と、アシスト制御量の切替えを行う切替部37、47を有する。また、モータ制御装置4は、切替部を介して入力したアシスト制御量に基づいて制御信号(モータ駆動指令)を演算する電流制御部(モータ電流制御部)と、制御信号に基づいてモータを駆動するモータ駆動部とを含む系統を1系統として、2系統を備えている。そして、一方の系統30には、系統30におけるアシスト制御部33のアシスト制御量の使用不可の故障検出を行う故障検出部35を備える。
このことにより、故障検出部35が故障検出後、新たに他方の系統40のパラメータ出力部及びアシスト制御部43(制御量演算部)が稼働開始する場合に比して、アシスト制御量(制御量)の演算に遅れが生じることがない。この結果、系統間の制御量の切替時に、乗員が違和感を感ずることを抑制することができる。
この結果、本実施形態によれば、故障態様の内容に応じて、ローパスフィルタの時定数が変更されることにより、故障態様の内容に応じて制御量が変更されたときの、乗員の違和感を適切に抑制できる。
図7及び図8を参照して、第2実施形態を説明する。
本実施形態のモータ制御装置4は、第1実施形態のモータ制御装置4とハード構成は同じであるため、同一構成については、同一符号を付してその説明を省略し、異なる作用について説明する。
図7のフローチャートでは、前記実施形態における図3のフローチャートとは、故障検出部35による故障判定が異なり、すなわち、S20、S50の代わりに、S20Aの判定ステップがあるところが異なっている。なお、図7及び図8のフローチャートにおいて、図3、図4のフローチャートと同じ処理ステップについては同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
S20Aでは、第1制御演算部31(切替部37)は、故障検出部35が故障を検出したか否か、すなわち、故障の有無判定(検出)を行う。
図8は、系統40の第2制御演算部41が制御プログラムに従って図7のフローチャートと同期して制御周期毎に実行するフローチャートである。
S120Aでは、第2制御演算部41(切替部47)は、故障検出部35が故障を検出したか否か、すなわち、故障の有無判定(検出)を行う。
(1)本実施形態の故障態様には、両系統におけるアシスト制御部(制御量演算部)33、43によるアシスト制御量の差が判定値(故障判定閾値)を越えている場合(第1故障態様)と、アシスト制御量の差が判定値(故障判定閾値)以下の場合(第2故障態様)を含む。そして、各系統のアシスト制御部(制御量演算部)33、43は、第1故障態様のときは、フィルタ処理におけるローパスフィルタの時定数を、第2故障態様に比して、小さくする。
・第1実施形態及び第2実施形態において、S40、S140では、第1ローパスフィルタを介して、系統40から出力したアシスト制御量を電流制御部34、44に出力したが、第1ローパスフィルタを介さないで、系統40から出力したアシスト制御量を電流制御部34、44に直接出力してもよい。
・前記実施形態では、故障検出された場合、2つの故障態様の故障に応じて、2つの相互に異なる時定数のローパスフィルタを採用したが、故障態様は、2つに限定するものではなく、1つ、または3つ以上であってもよく、この場合、その故障態様に応じて相互に異なる時定数のローパスフィルタで処理で行ってもよい。
4…モータ制御装置、5a、5b…トルクセンサ(パラメータ出力部)、
6a、6b…車速センサ(パラメータ出力部)、
10…ステアリングホイール、11…ステアリングシャフト、
17A、17B…モータ、30…系統、31…第1制御演算部、
32…第1モータ駆動部、33…アシスト制御部(制御量演算部)、
34…電流制御部(モータ電流制御部)、35…故障検出部、
37…切替部、40…系統、41…第2制御演算部、
42…第2モータ駆動部、43…アシスト制御部(制御量演算部)、
44…電流制御部(モータ電流制御部)、47…切替部、
100A、100B…センサ部、110A、110B…アシスト制御部、
120A、120B…モータ制御部、
130A、130B…モータドライバ、
140A、140B…ECU、MA、MB…モータ、A、B…系統、
αa、αb…アシスト電流指令値、Ta、Tb…操舵トルク、
Va、Vb…車速、S1、S2…車速、
Th1、Th2…操舵トルク、
α…故障タイプ(第1故障態様)、β…故障タイプ(第2故障態様)。
Claims (5)
- モータと、制御量の演算に要するパラメータを出力するパラメータ出力部と、前記パラメータに基づいて前記制御量を演算する制御量演算部と、制御量の切替えを行う切替部と、前記切替部を介して入力した制御量に基づいてモータ駆動指令を演算するモータ電流制御部と、前記モータ駆動指令に基づいて前記モータを駆動するモータ駆動部と、を含む系統を1系統として、2系統を備え、
前記2系統のうちの一方の系統は、該一方の系統における前記制御量演算部の前記制御量の使用不可の故障検出を行う故障検出部を備え、
各系統の切替部は、通常時は、前記一方の系統で演算された前記制御量を各系統のモータ電流制御部に入力し、前記故障検出部の故障検出後には、前記2系統のうちの他方の系統で演算された前記制御量に切替えて該制御量を各系統のモータ電流制御部に入力するモータ制御装置において、
前記他方の系統の前記パラメータ出力部及び制御量演算部は、通常時においても、稼働しているモータ制御装置。 - 前記故障検出部の故障検出後は、各系統の切替部は、前記制御量をローパスフィルタにてフィルタ処理して、自身の系統のモータ電流制御部に入力する請求項1に記載のモータ制御装置。
- 各系統の切替部は、前記故障検出部が故障検出した故障態様の内容に応じて、前記フィルタ処理におけるローパスフィルタの時定数を変更する請求項2に記載のモータ制御装置。
- 前記故障態様には、両系統における制御量演算部による制御量の差が故障判定閾値を越えている場合の第1故障態様と、該制御量の差が前記故障判定閾値以下の場合の第2故障態様とを含み、
各系統の制御量演算部は、第1故障態様のときは、前記フィルタ処理におけるローパスフィルタの時定数を、第2故障態様に比して、小さくする請求項3に記載のモータ制御装置。 - 請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載のモータ制御装置が、各系統のモータを駆動することにより操舵系にアシストトルクを付与する電動パワーステアリング装置であるモータ制御装置。
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