JP2009292181A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保舵又は切り戻しからの再切り込み時においても良好な操舵フィーリングを実現することのできる電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】急変防止処理部は、操舵状態が「切り込み」である場合には、そのローパスフィルタによるフィルタ効果が「切り込み」及び「保舵」時よりも低減されるように、当該ローパスフィルタのフィルタ定数を変更する。
【選択図】図6

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、車両用のパワーステアリング装置には、モータを駆動源とした電動パワーステアリング装置(EPS)がある。そして、通常、こうしたEPSでは、より優れた操舵フィーリングを実現すべく様々な補償制御が行われている。
例えば、運転者によるステアリング操作の状態(操舵状態)には、大別すると、操舵角を増大させる「切り込み」、その操舵角を維持する「保舵」、及び操舵角を減少させる「切り戻し」の3つの操舵状態があり、操舵フィーリングは、これらの各操舵状態毎に変化する。そして、その操舵フィーリングの変化は、上記各操舵状態が切り替わる移行時においてより顕著に現れる傾向がある。
この点を踏まえ、特許文献1に記載のEPSは、上記基本アシスト制御量を演算する前段階において、その演算の基礎となる操舵トルクの値を、上記操舵状態に応じて補正する(操舵トルクシフト制御)。即ち、基本アシスト制御量を演算する前段階における操舵トルクを補正する構成とすることで、簡素な構成にて、その操舵状態に応じた異なるアシスト特性を実現することが可能になる。具体的には、「保舵」及び「切り戻し」時には、その基本アシスト制御量(の絶対値)が大きくなるように、当該操舵トルクシフト制御を実行する。そして、これにより、「保舵」に要する運手者の負担を軽減するとともに、「保舵」から「切り戻し」への移行時における違和感の発生を抑えて、より良好な操舵フィーリングの実現を図る構成となっている。
特開2006−142932号公報
さて、上記のような補償制御を実行する場合、その補償成分には、多くの場合、ローパスフィルタ(LPF)等を用いた急変防止処理が施される。そして、これにより、アシスト力の急峻な変化を抑制して良好な操舵フィーリングの実現を図る構成となっている。
しかしながら、上記のような「保舵」及び「切り戻し」時にアシスト力を増大させるべく操舵トルクシフト制御を行なう構成においては、こうしたアシスト力の急変を防止するためのフィルタ処理(急変防止処理)の実行が、その良好な操舵フィーリングを阻害する結果となるおそれがある。
即ち、多くの場合、ステアリング操作は、ステアリング中立位置からの「切り込み」、「保舵」、そして再びステアリング中立位置への「切り戻し」という手順で行なわれる。従って、上記のような急変防止処理の併用は、その操舵状態が「保舵」から「切り戻し」へと移行する際に増大するアシスト力の急変を抑制する意味において有効に機能する。
ところが、実際には、図8に示すように、ステアリング中立での十分な時間経過を経ることなく、「保舵」又は「切り戻し」から直接的に「切り込み」へとその操舵状態が変化することがあり、このような場合には、その急変防止処理の実行により、上記「保舵」又は「切り戻し」時に増大したアシスト力の低減が遅延されることになる。そして、それに伴うアシスト力の過剰により、当該「再切り込み」時における「手応えの軽さ」、及びこれに付随する「所謂ロードインフォメーションの減少」や「切り増し感の少なさ」等といった操舵フィーリングの悪化が引き起こされる可能性があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、保舵又は切り戻しからの再切り込み時においても良好な操舵フィーリングを実現することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、該操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、検出される操舵トルクに基づき前記操舵系に付与するアシスト力の基礎成分を演算するとともに、判定される前記ステアリング操作の状態が切り戻し又は保舵である場合には、前記操舵系に付与するアシスト力を増大させるべく前記基礎成分の演算に用いる前記操舵トルクを補正する補償制御を実行するとともに、その補償成分の急峻な変動を抑制すべく該補償成分にフィルタ処理を施す電動パワーステアリング装置であって、前記制御手段は、前記ステアリング操作の状態が切り込みである場合には、前記フィルタ処理の効果を低減すべく、そのフィルタ定数を変更すること、を要旨とする。
上記構成によれば、フィルタ処理の実行による急変防止効果を損ねることなく、「再切り込み」時においても、その「保舵」又は「切り戻し」時に増大したアシスト力を速やかに低減して当該アシスト力の過剰を抑制することができる。その結果、「手応えの軽さ」、及びこれに付随する「所謂ロードインフォメーションの減少」や「切り増し感の少なさ」等の発生を防止して良好な操舵フィーリングを実現することができる。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記補償成分が大きいほど、より大きく前記フィルタ処理の効果を低減すべく前記フィルタ定数を変更すること、を要旨とする。
上記構成によれば、より効果的に「再切り込み」時におけるアシスト力の過剰を抑制することができる。
本発明によれば、保舵又は切り戻しからの再切り込み時においても良好な操舵フィーリングを実現することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により転舵輪6の舵角、即ち転舵角が可変することにより、車両の進行方向が変更されるようになっている。
EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、その駆動源であるモータ12がラック5と同軸に配置された所謂ラックアシスト型のEPSアクチュエータであり、モータ12が発生するモータトルクは、ボール送り機構(図示略)を介してラック5に伝達される。尚、本実施形態のモータ12は、ブラシレスモータであり、ECU11から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。
一方、ECU11には、トルクセンサ14及び車速センサ15が接続されており、同ECU11は、これらの各センサの出力信号に基づいて、操舵トルクτ及び車速Vを検出する。そして、ECU11は、その検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて目標アシスト力を演算し、当該目標アシスト力をEPSアクチュエータ10に発生させるべく、その駆動源であるモータ12への駆動電力の供給を通じて、該EPSアクチュエータ10の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する。
次に、本実施形態のEPSにおけるアシスト制御の態様について説明する。
図2は、本実施形態のEPSの制御ブロック図である。同図に示すように、ECU11は、モータ制御信号を出力するマイコン21と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ10の駆動源であるモータ12に駆動電力を供給する駆動回路22とを備えている。
本実施形態では、ECU11には、モータ12に通電される実電流値Iを検出するための電流センサ23、及びモータ12の回転角θを検出するための回転角センサ24が接続されている。そして、マイコン21は、これら各センサの出力信号に基づき検出されたモータ12の実電流値I及び回転角θ、並びに上記操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、駆動回路22にモータ制御信号を出力する。尚、以下に示す制御ブロックは、マイコン21が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
詳述すると、本実施形態のマイコン21は、EPSアクチュエータ10に発生させるべき目標アシスト力に対応した電流指令値Iq*を演算する電流指令値演算部25と、電流指令値演算部25により算出された電流指令値Iq*に基づいてモータ制御信号を出力するモータ制御信号出力部26とを備えている。
電流指令値演算部25は、目標アシスト力の基礎成分である基本アシスト制御量Ias*を演算する基本アシスト制御部27を備えており、同基本アシスト制御部27には、操舵トルクτ(τ´)及び車速Vが入力されるようになっている。そして、基本アシスト制御部27は、これら操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、基本アシスト制御量Ias*を演算する。具体的には、その入力される操舵トルクτ(の絶対値)が大きいほど、また車速Vが小さいほど、より絶対値の大きな基本アシスト制御量Ias*を演算する。そして、電流指令値演算部25は、この基本アシスト制御部27において演算された基本アシスト制御量Ias*に基づく値を、そのパワーアシスト制御における目標アシスト力となる電流指令値Iq*としてモータ制御信号出力部26に出力する。
モータ制御信号出力部26には、電流指令値演算部25により演算された電流指令値Iq*とともに、電流センサ23により検出された実電流値I、及び回転角センサ24により検出されたモータ12の回転角θが入力される。そして、モータ制御信号出力部26は、目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*に実電流値Iを追従させるべく電流フィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を演算する。
具体的には、本実施形態では、モータ制御信号出力部26は、実電流値Iとして検出されたモータ12の相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q座標系のd,q軸電流値に変換(d/q変換)することにより、上記電流フィードバック制御を行う。
即ち、電流指令値Iq*は、q軸電流指令値としてモータ制御信号出力部26に入力される。また、モータ制御信号出力部26は、回転角センサ24により検出された回転角θに基づいて相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q変換し、そのd,q軸電流値及びq軸電流指令値に基づいてd,q軸電圧指令値を演算する。そして、そのd,q軸電圧指令値をd/q逆変換することにより相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を演算し、当該相電圧指令値に基づいてモータ制御信号を生成する。
そして、本実施形態のECU11は、上記のように生成されたモータ制御信号をマイコン21が駆動回路22に出力し、該駆動回路22がそのモータ制御信号に基づく三相の駆動電力をモータ12に供給することにより、EPSアクチュエータ10の作動を制御する構成となっている。
[操舵トルクシフト制御]
次に、本実施形態のマイコン21(電流指令値演算部25)により実行される操舵トルクシフト制御の態様について説明する。
本実施形態のマイコン21は、操舵角を増大させる「切り込み」、その操舵角を維持する「保舵」、及び操舵角を減少させる「切り戻し」という3つの操舵状態(ステアリング操作の状態)に応じて、そのパワーアシスト制御の基礎となる操舵トルクτを補正する補償制御(操舵トルクシフト制御)を実行する。
詳述すると、本実施形態の電流指令値演算部25には、上記操舵トルクτの補正を実行する操舵トルクシフト制御部30が設けられており、この操舵トルクシフト制御部30には、操舵トルクτに加え、車速V、及びモータ12の回転角速度ωが入力されるようになっている。そして、上記基本アシスト制御部27には、この操舵トルクシフト制御部30において、これらの各状態量に基づき実行される操舵トルクシフト制御により補正された後の操舵トルクτ´が入力される構成となっている。
さらに詳述すると、本実施形態の操舵トルクシフト制御部30は、操舵トルクシフト制御を実行するための補償成分である操舵トルクシフト制御量εtsを演算する操舵トルクシフト制御量演算部31と、当該操舵トルクシフト制御量εtsの急峻な変動を抑制すべくフィルタ処理を施す急変防止処理部32とを備えている。
本実施形態の操舵トルクシフト制御量演算部31は、操舵トルクτに基づき操舵トルクシフト制御の基礎成分となる基礎シフト量εts_bを演算する基礎シフト演算部35、及び車速Vに応じた車速ゲインKvを演算する車速ゲイン演算部36、並びに運転者の操舵状態を示す遷移係数Kssを演算する遷移係数演算部37を備えている。
図3に示すように、本実施形態の基礎シフト演算部35は、入力される操舵トルクτ(の絶対値)が大きいほど、より大きな値(同じく絶対値)を有する基礎シフト量εts_bを演算する。尚、この基礎シフト演算部35による基礎シフト演算は、操舵トルクτと基礎シフト量εts_bとが関連付けられたマップに基づくマップ演算により実行される。そして、その出力される基礎シフト量εts_bの符号は、入力される操舵トルクτの符号と同一となっている。また、図4に示すように、本実施形態の車速ゲイン演算部36は、入力される車速Vが大きいほど、より大きな車速ゲインKvを演算する。
さらに、本実施形態では、遷移係数演算部37には、操舵トルクτ及びモータ12の回転角速度ωが入力されるようになっている。そして、遷移係数演算部37は、その入力される操舵トルクτの方向及び回転角速度ωに基づいて、上述のような「切り込み」「保舵」「切り戻し」の3つ操舵状態に対応した値を有する遷移係数Kssを演算する。
具体的には、本実施形態の遷移係数演算部37は、図5(a)(b)に示されるような操舵トルクτの方向(τ>0,τ<0)及び回転角速度ωと遷移係数Kssとが関連付けられたマップ37aを備えている。そして、このマップ37aを用いたマップ演算の実行により遷移係数Kssを演算する構成となっている。
より具体的には、図5(a)に示すように、上記マップ37aにおいて、操舵トルクτの符号が「正(τ>0)」である場合、モータ12の回転角速度ωが「0」近傍の所定速度「ω0」以上の領域が「切り込み」に対応する領域に設定され、所定速度「-ω0」以下の領域が「切り戻し」に対応する領域に設定されている。
一方、図5(b)に示すように、上記マップ37aにおいて、操舵トルクτの符号が「負(τ<0)」である場合は、反対に、モータ12の回転角速度ωが「0」近傍の所定速度「ω0」以上の領域が「切り戻し」に対応する領域に設定され、所定速度「-ω0」以下の領域が「切り込み」に対応する領域に設定されている。
即ち、本実施形態の遷移係数演算部37は、基本的に、操舵トルクτの方向(符号)とモータ12の回転角速度ωの方向(符号)とが一致する場合を「切り込み」、不一致である場合を「切り戻し」とし、「ω=0」近傍の所定範囲(-ω0<ω<ω0)を「保舵」として判定する。
そして、上記のように構成されたマップ37aに基づいて、その入力される回転角速度ωが「切り込み」に対応する領域にある場合(τ>0且つω≧ω0、又はτ<0且つω≦-ω0)には「0」を、「切り戻し」に対応する領域にある場合(τ>0且つω≦-ω0、又はτ<0且つω≧ω0)には「1」を、遷移係数Kssとして演算する構成となっている。
尚、回転角速度ωが「保舵」に対応する領域にある場合(-ω0<ω<ω0)、遷移係数Kssは、その回転角速度ωに応じ、「切り戻し」側から「切り込み」側に向かって、「1」から「0」へと減少する方向に変化するように設定されている。
本実施形態では、これら基礎シフト演算部35により演算された基礎シフト量εts_b、車速ゲイン演算部36により演算された車速ゲインKv、及び遷移係数演算部37により演算された遷移係数Kssは、乗算器38に入力される。そして、操舵トルクシフト制御量演算部31は、これら基礎シフト量εts_b、遷移係数Kss、及び車速ゲインKvを乗算した値を操舵トルクシフト制御量εtsとして出力する。
一方、本実施形態の急変防止処理部32は、ローパスフィルタ(LPF)により構成されており、操舵トルクシフト制御量演算部31の出力する操舵トルクシフト制御量εtsは、この急変防止処理部32を通過することにより、その急峻な変動を抑制するためのフィルタ処理が施される(急変防止処理)。そして、操舵トルクシフト制御部30は、この急変防止処理部32によりフィルタ処理が施された後の操舵トルクシフト制御量εts´を、加算器39において操舵トルクτに重畳することにより、当該入力された操舵トルクτの補正、即ち操舵トルクシフト制御を実行し、その補正後の操舵トルクτ´を基本アシスト制御部27へと出力する構成となっている。
このように、本実施形態では、上記操舵トルクシフト制御の実行により、操舵状態が「保舵」又は「切り戻し」である場合には、その補正後の操舵トルクτ´によって基本アシスト制御量Ias*が増大するような操舵トルクシフト制御量εtsが演算される。その結果、「保舵」に要する運手者の負担が軽減されるとともに、「保舵」から「切り戻し」への移行時における違和感の発生が抑えられる。また、その操舵状態が「切り込み」である場合には、操舵トルクシフト制御量εtsは「0」となる。そして、これにより、過剰アシストの発生による所謂「ステアリングの軽さ」の発生を抑制して、良好な操舵フィーリングを確保する構成となっている。
また、上述のように、操舵トルクシフト制御による「保舵」及び「切り戻し」時のアシスト力増大と急変防止処理とを併用する構成においては、「再切り込み」時に、その増大したアシスト力の低減が遅延することにより生ずるアシスト力過剰によって、「手応えの軽さ」等の操舵フィーリングの悪化が引き起こされる可能性がある。
この点を踏まえ、本実施形態の急変防止処理部32は、操舵状態が「切り込み」である場合には、そのローパスフィルタによるフィルタ効果が「切り込み」及び「保舵」時よりも低減されるように、当該ローパスフィルタのフィルタ定数を変更する。
即ち、図6に示すように、操舵状態が「切り込み」及び「保舵」である場合には、そのフィルタ効果を大として操舵トルクシフト制御量εts´の立ち上がりが遅くなるようなフィルタ定数(フィルタ定数A)とすることにより、アシスト力の急峻な変化を抑制する。そして、操舵状態が「切り込み」である場合には、そのフィルタ効果を小として操舵トルクシフト制御量εts´の立ち下がりが速くなるようなフィルタ定数(フィルタ定数B)とすることにより、上記のような「再切り込み」時のアシスト力過剰、及びそれにより生ずる操舵フィーリング悪化を防止する構成となっている。
さらに詳述すると、図2に示すように、本実施形態の急変防止処理部32には、遷移係数演算部37により演算された遷移係数Kssが入力されるようになっている。そして、急変防止処理部32は、当該遷移係数Kssに示される操舵状態に基づいて、そのローパスフィルタのフィルタ定数を切り替える。
即ち、図7のフローチャートに示すように、急変防止処理部32は、入力される遷移係数Kssが「0」より大きいか否かを判定する(ステップ101)。そして、遷移係数Kssが「0」より大きい場合(Kss>0、ステップ101:YES)には、ローパスフィルタの効果が大となるフィルタ定数Aを選択し(ステップ102)、遷移係数Kssが「0」である場合(Kss=0、ステップ101:NO)には、ローパスフィルタの効果が小となるフィルタ定数Bを選択する構成となっている(ステップ103)。
以上、本実施形態によれば、急変防止制御の効果を損ねることなく、「再切り込み」時においても、その「保舵」又は「切り戻し」時に増大したアシスト力を速やかに低減して当該アシスト力の過剰を抑制することができる。その結果、「手応えの軽さ」、及びこれに付随する「所謂ロードインフォメーションの減少」や「切り増し感の少なさ」等の発生を防止して良好な操舵フィーリングを実現することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態の操舵トルクシフト制御量演算部31は、基礎シフト量εts_b、遷移係数Kss、及び車速ゲインKvを乗算した値を操舵トルクシフト制御量εtsとすることとした。しかし、操舵トルクシフト制御量演算部31の構成は、必ずしもこれに限るものではない。
・また、本実施形態では、運転者の操舵状態が、操舵トルクτ及びモータ12の回転角速度ωに基づき演算される遷移係数Kssに示される構成とした。しかし、これに限らず、より直接的に、3つの操舵状態の何れかにあるか否かを判定する構成であってもよい。
・本実施形態では、急変防止処理部32は、操舵状態が「切り込み」及び「保舵」である場合には、そのフィルタ効果を大となるようなフィルタ定数Aを選択し、操舵状態が「切り込み」である場合には、そのフィルタ効果を小とするようなフィルタ定数Bを選択することとした。しかし、これに限らず、例えば、補償成分である操舵トルクシフト制御量εtsが大きいほど、より大きくフィルタ効果を低減するように連続的にフィルタ定数を変更する構成としてもよい。このような構成とすることで、より効果的に「再切り込み」時におけるアシスト力の過剰を抑制することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの制御ブロック図。 基礎シフト量演算の態様を示す説明図。 車速ゲイン演算の態様を示す説明図。 (a)(b)遷移係数演算の態様を示す説明図。 操舵状態に応じたフィルタ定数変更の態様を示す説明図。 フィルタ定数変更の処理手順を示すフローチャート。 切り戻し又は保舵からの再切り込み時におけるアシスト力増加量の推移を示す波形図。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ステアリング、6…転舵輪、10…EPSアクチュエータ、11…ECU、12…モータ、14…トルクセンサ、15…車速センサ、21…マイコン、22…駆動回路、25…電流指令値演算部、27…基本アシスト制御部、30…操舵トルクシフト制御部、31…操舵トルクシフト制御量演算部、32…急変防止処理部、35…基礎シフト演算部、36…車速ゲイン演算部、37…遷移係数演算部、37a…マップ、τ,τ´…操舵トルク、Ias*…基本アシスト制御量、εts,εts´…操舵トルクシフト制御量、εts_b…基礎シフト量、Kss…遷移係数、A,B…フィルタ定数。

Claims (2)

  1. モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、該操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、検出される操舵トルクに基づき前記操舵系に付与するアシスト力の基礎成分を演算するとともに、判定される前記ステアリング操作の状態が切り戻し又は保舵である場合には、前記操舵系に付与するアシスト力を増大させるべく前記基礎成分の演算に用いる前記操舵トルクを補正する補償制御を実行するとともに、その補償成分の急峻な変動を抑制すべく該補償成分にフィルタ処理を施す電動パワーステアリング装置であって、
    前記制御手段は、前記ステアリング操作の状態が切り込みである場合には、前記フィルタ処理の効果を低減すべく、そのフィルタ定数を変更すること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記補償成分が大きいほど、より大きく前記フィルタ処理の効果を低減すべく前記フィルタ定数を変更すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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