JP2002034898A - 内視鏡 - Google Patents
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- A61B1/00—Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor
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Abstract
滅菌して外皮層が変成、劣化した場合でも、良好な挿入
性を長期に渡って得られる内視鏡を提供すること。 【解決手段】可撓管15の内部には内蔵物として湾曲ワ
イヤ21、ワイヤ被覆コイル22、スタイレット23、
ライトガイド24、送気・送水チューブ25が挿通して
いる。挿入部10の先端側が軟らかく、手元側が先端側
よりも硬くなるように設定するため、可撓管15を構成
する外皮チューブ15cは、先端側に位置するチューブ
軟性部15Sと手元側に位置するチューブ硬性部15H
とで構成されている。一方、スタイレット23は、細径
なスタイレット軟性部23Sと、太径なスタイレット硬
性部23Hとで構成されいる。そして、軟性部23Sと
硬性部23Hとのスタイレット硬度差Yを、軟性部15
Sと硬性部15Hとのチューブ硬度差Xより大きくして
いる。
Description
することにより、体腔内臓器などを観察したり、必要に
応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各
種治療処置の行える医療用の内視鏡が広く利用されてい
る。
体腔内に挿入して、臓器などを観察したり、内視鏡の処
置具チャンネル内に挿入した処置具を用いて、各種治療
や処置を行う。
入部の挿入操作に対する追従性及び挿入性を良好にする
ため、曲がりくねった経路に沿って挿入される挿入部先
端側部分においては柔軟性(軟らかさ)を要求する一方
で、この挿入部先端側部分を挿入する際に術者が手元操
作する挿入部手元側部分においてはある程度の剛性(硬
さ)を要求しており、挿入部にこの特性を持たせるた
め、挿入部を構成する外皮樹脂に様々な工夫が施されて
いた。
は少なくとも2層に高分子材料を積層して形成した外皮
の各層に共通の高分子材料を内在させて構成した内視鏡
用可撓管が示されている。
度使用したものを他の患者に再使用する場合、患者間感
染を防止する必要から、検査・処置終了後に内視鏡装置
の洗滌消毒を行わなければならなかった。
ちに使用が可能で、ランニングコストが安価なオートク
レーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)が内視鏡機器の消毒滅菌処
理の主流になりつつある。
内視鏡の機能に悪影響を与えることなく内視鏡をオート
クレーブ滅菌する内視鏡用オートクレーブ装置が示され
ている。
である内視鏡にとって非常に過酷な条件である。このた
め、この条件に耐性を有する内視鏡を実現させるため、
一般の消毒・滅菌手段での使用を前提にした内視鏡に比
べ、高圧対策、高温対策、蒸気対策等、様々な対策を施
している。
開平2−283346号公報の内視鏡用可撓管では、内
視鏡を高温高圧蒸気滅菌装置にて滅菌した際、挿入部を
構成する高分子材料によって形成された外皮樹脂が高温
高圧蒸気工程の熱的負荷によって変性してしまう。ま
た、経時的な変化によっても、外皮樹脂が変性、劣化す
るおそれがある。
部の長手方向における所定の長さ範囲に対して付与され
ていた曲げ剛性が初期状態とは変化し、その結果、ユー
ザーにとって、良好な挿入性が得られなくなるおそれが
あった。
あり、長期間の使用や内視鏡を繰り返し高温高圧蒸気滅
菌することにより外皮層が変成、劣化した場合でも、良
好な挿入性を長期に渡って得られる内視鏡を提供するこ
とを目的にしている。
方向所定範囲に曲げに対する硬さが異なる軟性の挿入部
を有し、前記挿入部は外側を樹脂からなる外皮層を設け
た可撓管と細長の内臓物を有する内視鏡であって、前記
内臓物の長手方向における曲げに対する硬さの変化量
を、前記外皮層の長手方向における曲げに対する硬さの
変化量より大きくしている。
性は、外皮層の長手方向における曲げに対する硬さの変
化量より大きな変化量を有する内蔵物によって決まる。
施の形態を説明する。図1ないし図6は本発明の第1実
施形態に係り、図1は内視鏡装置の全体構成を示す図、
図2は可撓管の構成を説明する図、図3は挿入部を構成
する可撓管と内蔵物とを説明する図、図4は内蔵物であ
るスタイレットの1構成例を説明する図、図5はスタイ
レットの他の構成を説明する図、図6はスタイレットの
別の構成を説明する図である。
1は、撮像手段を備えた電子内視鏡(以下内視鏡と記載
する)2と、照明光を供給する光源装置3と、撮像手段
を制御するとともに前記撮像手段から得られる信号を処
理するビデオプロセッサ4と、このビデオプロセッサ4
に接続されたモニタ5とで主に構成されている。なお、
符号50はこの内視鏡2を収納する後述する滅菌用収納
ケースである。
入部10と、この挿入部10の基端部に連設する操作部
11と、この操作部11の側方から延出する可撓性を有
するユニバーサルコード12とで構成されている。
記光源装置3に着脱自在なコネクタ12aが設けられて
いる。このコネクタ12aを光源装置3に接続すること
によって、光源装置3に備えられている図示しないラン
プからの照明光が内視鏡2の図示しないライトガイドを
伝送されて観察部位を照射するようになっている。
急激な曲がりを防止する弾性部材で構成された挿入部折
れ止め部材7aが設けられ、前記操作部11とユニバー
サルコード12との接続部分には同様に操作部折れ止め
部材7bが設けられ、そしてユニバーサルコード12と
コネクタ12aとの接続部分には同様にコネクタ部折れ
止め部材7cが設けられている。
部10は、先端側から順に硬性で例えば先端面に図示し
ない観察窓や照明窓などを配設した先端硬性部13,複
数の湾曲駒を連接して湾曲自在な湾曲部14、微妙な柔
軟性と弾発性とからなる可撓性を有する軟性部である可
撓管15とを連設して構成されている。前記湾曲部14
は、操作部11に設けられている湾曲操作ノブ16を適
宜操作することによって湾曲し、観察窓等を配設した先
端硬性部13の先端面を所望の方向に向けられるように
なっている。
の他に先端面に設けた図示しない送気送水ノズルから前
記観察窓に向けて洗滌液体や気体を噴出させる際の送気
操作、送水操作を行う送気送水操作ボタン17及び先端
面に設けた図示しない吸引口を介して吸引操作を行うた
めの吸引操作ボタン18、前記ビデオプロセッサ4を遠
隔操作する複数のリモートスイッチ19,…,19や内
視鏡2の挿入部内に配置された処置具チャンネルに連通
する処置具挿入口20が設けられている。
タ部12bが設けられている。この電気コネクタ部12
bには前記ビデオプロセッサ4に接続された信号コード
6の信号コネクタ6aが着脱自在に接続される。この信
号コネクタ6aをビデオプロセッサ4に接続することに
よって、内視鏡2の撮像手段を制御するとともに、この
撮像手段から伝送される電気信号から映像信号を生成し
て、内視鏡観察画像を前記モニタ5の画面上に表示す
る。なお、電気コネクタ部12bには内視鏡2の内部と
外部とを連通する図示しない通気口が設けられている。
このため、前記内視鏡2の電気コネクタ部12bには前
記通気口を塞ぐ圧力調整弁(不図示)を設けた圧力調整
弁付き防水キャップ(以下防水キャップと略記する)9
aが着脱自在な構成になっている。
に内蔵されている図示しない気体供給源に着脱自在に接
続される気体供給口金12cや、液体供給源である送水
タンク8に着脱自在に接続される送水タンク加圧口金1
2d及び液体供給口金12e、前記吸引口より吸引を行
うための図示しない吸引源が接続される吸引口金12
f、送水を行うための図示しない送水手段と接続される
注入口金12gが設けられている。
2に高周波漏れ電流が発生した場合、この漏れ電流を図
示しない高周波処置装置に帰還させるためのアース端子
口金12hが設けられている。
際、洗滌後、高温高圧蒸気滅菌を行うことが可能に構成
されており、この内視鏡2を高温高圧蒸気滅菌する際に
は前記防水キャップ9aを電気コネクタ部12bに取り
付ける。
する際、この内視鏡2を滅菌用収納ケース50に収納す
る。この滅菌用収納ケース50は、ケース本体であるト
レイ51と蓋部材52とで構成され、このトレイ51に
は内視鏡2の挿入部10、操作部11、ユニバーサルコ
ード12、コネクタ12a等の各部が所定の位置に収ま
るように内視鏡形状に対応した図示しない規制部材が配
置されている。また、これらトレイ51及び蓋部材52
には高圧蒸気を導くための通気孔が複数形成されてい
る。
らかい構成にすることにより、この挿入部10を体腔内
に挿入する際、被験者に対する負担が少なくなるという
利点はあるが、前記挿入部10を目的部位まで挿入させ
る際に挿入部手元側に捻じり操作等を行った場合、この
手元操作が挿入部先端側まで伝わり難くなって挿入性に
不具合が生じる。したがって、挿入部10の先端側を軟
らかく、手元側を先端側よりも硬くなるようにこの挿入
部10の硬さを設定している。
る。図2に示すように可撓管15は、最内層側より、薄
い帯状の金属片を螺旋状に巻いて形成した螺旋管15a
と、金属素線又は非金属素線を編み込んだ網状管15b
と、樹脂材料で形成した外皮層である外皮チューブ15
cとを積層してチューブ状に構成され、内部には図3に
示す各種内蔵物が挿通している。
料は、エステル系熱可塑性エラストマーやアミド系熱可
塑性エラストマー、スチレン系樹脂、オレフィン系樹
脂、フッ素系ゴム、シリコン系ゴム、或いはこれらを適
宜ブレンドしたものであり、この外皮チューブ15cは
ユーザーの要望する耐久性、挿入性等の性能、洗浄消毒
時に使用される薬剤等に対する耐薬品性等を考慮して選
定される。
入部10の先端側が軟らかく、手元側が先端側よりも硬
くなるように硬さ設定するため、長手方向所定範囲にお
いて硬さが異なる構成になっている。本実施形態では、
先端側に位置する軟らかな部分(以下、チューブ軟性部
15Sと記載する)と、手元側に位置して柔軟性を有す
るが前記チューブ軟性部15Sより硬い部分(以下チュ
ーブ硬性部15Hと記載)とを有して構成されている。
そして、この外皮チューブ15cにおけるチューブ軟性
部15Sとチューブ硬性部15Hとの硬さの変化量をチ
ューブ硬度差Xとして表す。
長手方向における所定の長さを所定量曲げる際の剛性で
ある。そして、この所定量の曲げとは少なくとも可撓管
15の一部を例えば直径20cmの円弧形状になるまで
曲げるのに要する力量をいい、この20cmの円弧形状
とは内視鏡2の挿入部10を例えば大腸の盲腸まで、仮
に撓みなく挿入するのに必要な曲げ具合である。
として、例えば高圧蒸気工程の熱的負荷温度で硬くなる
熱硬化性の樹脂や、高圧蒸気工程の熱的負荷温度よりも
軟化点温度及び内視鏡としての機能を保持できる限界の
温度が低いウレタン系樹脂等は、この外皮チューブ15
cを構成する樹脂部材として選択しない。
記湾曲操作ノブ16の操作によって進退動作して前記湾
曲部14を湾曲させる例えば4本の湾曲ワイヤ21、こ
の湾曲ワイヤ21を遊嵌状態でそれぞれ覆うワイヤ被覆
コイル22、可撓管15の長手方向所定範囲の硬さを変
更するためのスタイレット23、照明光を供給するライ
トガイド24、PTFE等の樹脂製チューブで形成され
た送気・送水チューブ25、処置具チャンネルチューブ
26、外装をPFA等で被覆した信号ケーブル27等が
挿通している。
いて説明する。図に示すようにスタイレット23は、前
記挿入部10の先端側が軟らかく、手元側が先端側より
も硬くなるように硬さ設定するため、例えば超弾性合金
や、SUS304のようなステンレス鋼等、弾性力を有
する部材で形成され、長手方向所定範囲で硬さを変更さ
せるため可撓管15の径寸法を中途部で例えばφdから
φDに変化させている。
側に柔軟性を持たせるため、細径(φd)に形成されて
先端側に位置するスタイレット軟性部23Sと、挿入部
手元側に所望の硬さを持たせるため、前記スタイレット
軟性部23Sより太径に形成してある程度の硬さを持た
せた手元側に位置するスタイレット硬性部23Hとで構
成されている。
スタイレット硬性部23Hとの硬さの変化量をスタイレ
ット硬度差Yと表し、この硬度差Yを、前記チューブ硬
度差Xより大きくしている。
4の基端部、或いは可撓管15の端部に配設された金属
製の接続管等に一端或いは両端が固定されている。この
ため、ユーザーの内視鏡使用時や洗浄、消毒等で挿入部
10を取り回した際、このスタイレット23の可撓管1
5内での配列が乱れて、他の内臓物である湾曲ワイヤ2
1、ワイヤ被覆コイル22、ライトガイド24、送気・
送水チューブ25、処置具チャンネルチューブ26、信
号ケーブル27等を圧迫して、傷つけたり、動きを妨げ
ることがないようになっている。
ては前記可撓管15の内部にスタイレット23を1本内
臓する構成にしているが、このスタイレット23を複数
本内臓させる構成であってもよい。
5cの硬さを、長手方向位置によって異ならせる設定に
しているが、全長に渡って同じ硬さで形成するようにし
てもよい。つまり、外皮チューブ15cを全長にわたっ
て同じ硬さで形成してもよい。
際の代表的な条件について説明する。この代表的な条件
としては米国規格協会承認、医療機器開発協会発行の米
国規格ANSI/AAMI ST37−1992に、プ
レバキュームタイプで滅菌工程132°Cで4分、グラ
ビティタイプで滅菌工程132°Cで10分とされてい
る。
については、高温高圧蒸気滅菌装置の形式や滅菌工程の
時間によって異なるが、一般的には115°Cから13
8°C程度の範囲で設定される。滅菌装置の中には14
2°C程度に設定可能なものもある。
よって異なる。一般的には3〜60分程度に設定され
る。滅菌装置の種類によっては100分程度に設定可能
なものもある。
般的には大気圧に対して+0.2MPa程度に設定され
る。
ける内視鏡の高温高圧蒸気滅菌工程を簡単に説明する。
まず、滅菌対象機器である内視鏡2の電気コネクタ部1
2bには防水キャップ9aが取り付け、滅菌用収納ケー
ス50に収容し、滅菌室内に配置する。前記電気コネク
タ部12bに防水キャップ9aを取り付けたことによ
り、圧力調整弁が閉じた状態になって前記通気口を塞
ぐ。すなわち、内視鏡2の内部と外部とが水密的に密閉
される。そして、高圧滅菌工程前の滅菌室内を減圧状態
(プレバキューム工程)にする。
工程時に滅菌対象機器の細部にまで蒸気を浸透させるた
めの工程であり、滅菌室内を減圧させることにより、滅
菌対象機器全体に高圧高温蒸気が行き渡るようになる。
このプレバキューム工程における滅菌室内の圧力は、一
般的に大気圧に対して−0.07〜−0.09MPa程
度に設定される。
菌室内の圧力が減少すると、内視鏡2の内部圧力に対し
て外部圧力が低くなって圧力差が生じる。すると、前記
防水キャップ9aの圧力調整弁が開いて、前記通気口を
介して内視鏡2の内部と外部とが連通状態になる。この
ことによって、圧力差が大きく生じることを防ぐ。つま
り、内視鏡2が内部圧力と外部圧力との圧力差によって
破損することが防止される。
で滅菌を行う(滅菌工程)。この滅菌工程においては滅
菌室内が加圧される。すると、内視鏡2の内部圧力より
外部圧力の方が高くなるような圧力差が生じる。このた
め、前記防水キャップ9aの圧力調整弁が閉じ、高圧蒸
気が通気口を通過して内視鏡内部に侵入することを遮断
する。
れている前記可撓管15の外皮チューブ15cや内視鏡
2の外装体の接続部に設けられたシール手段であるフッ
素ゴムやシリコンゴム等で形成されたOリング等を透過
して内視鏡内部に徐々に侵入していく。
ューム工程で減圧された圧力と滅菌工程で加圧された圧
力とが加算された、外部から内部に向けた圧力が生じた
状態になる。
るため、滅菌工程終了後、滅菌室内を再度減圧状態にし
て乾燥(乾燥工程)を行う。この乾燥工程では、滅菌室
内を減圧して滅菌室内から蒸気を排除して滅菌室内の滅
菌対象機器の乾燥を促進する。この乾燥工程における滅
菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して−0.07M
Pa〜−0.09MPa程度に設定される。なお、前記
乾燥工程は必要に応じて任意に行うものである。
力が減少して内視鏡2の内部圧力より外部圧力が低くな
るような圧力差が生じる。この圧力差が生じると略同時
に前記防水キャップ9aの圧力調整弁が開き、通気口を
介して内視鏡2の内部と外部とが連通状態になり、内視
鏡内部と外部との間に大きな圧力差が生じることが防止
される。そして、減圧工程が終了して、滅菌室内が加圧
されて、内視鏡2の内部圧力よりも外部圧力の方が高く
なるような圧力差が生じると前記防水キャップ9aの圧
力調整弁が閉じる。
視鏡2の外装体には減圧工程で減圧された分、外部から
内部に向けた圧力が生じた状態になる。そして、防水キ
ャップ9aを電気コネクタ部12bから取り外すことに
より、前記通気口によって内視鏡2の内部と外部とが連
通して、内視鏡2の内部は大気圧となリ、内視鏡2の外
装体に生じていた圧力差による負荷がなくなる。
菌装置にて滅菌した場合、高温高圧蒸気工程による熱的
負荷を受け、外皮チューブ15cを構成している樹脂が
変性し易くなる。
設定されていた硬さ設定が変化して、初期状態における
チューブ軟性部15Sとチューブ硬性部15Hとの硬さ
の差が減少してしまう、つまり、この状態の外皮チュー
ブ15cでは所定のチューブ硬度差Xが得られなくなっ
てしまう。
置されている例えば超弾性合金で形成されたスタイレッ
ト23は、長手方向所定範囲でその外径寸法を変化させ
て、スタイレット軟性部23Sとスタイレット硬性部2
3Hとを構成してスタイレット硬度差Yを持たせてい
る。このため、高温高圧蒸気工程における高温蒸気にさ
らされた場合でも、スタイレット軟性部23Sとスタイ
レット硬性部23Hとのスタイレット硬度差Yに変化が
生じない。
ーブ15cにチューブ硬度差Xを設定し、スタイレット
23にスタイレット硬度差Yを設定する一方、前記チュ
ーブ硬度差Xと、前記スタイレット硬度差Yとの間にY
>Xという関係を設定したので、たとえ高温高圧蒸気工
程による高温蒸気負荷によって外皮チューブ15cが変
性してチューブ硬度差Xがたとえ0に近づいてしまった
場合でも、可撓管15の長手方向所定範囲における硬さ
は、スタイレット23の有しているスタイレット軟性部
23S及びスタイレット硬性部23Hによって維持され
る。つまり、この可撓管15の先端側が軟らかく、手元
側が先端側よりも硬いという特性が保持される。
撓管の硬さの状態を、外皮チューブのチューブ硬度差よ
り、内蔵物として設けられるスタイレットのスタイレッ
ト硬度差を大きくしたことによって、高温高圧蒸気工程
による高温蒸気負荷を受けた場合に、可撓管の有する硬
さの状態を維持することができる。このことによって、
高温高圧蒸気滅菌後に挿入部の挿入性が劣化することが
防止される。
おいてX>0に設定すると、初期時において、スタイレ
ットにも硬度差を設けていることから、挿入部の硬さの
違いをより明確にさせて、多様な用途に対応する種々の
内視鏡を提供することができる。しかし、繰り返し高温
高圧蒸気工程による高温蒸気負荷や経時的な劣化によっ
て、初期段階の挿入部の明確な硬さの違いが損なわれて
しまう。
期状態においてX=0に設定すると、繰り返し高温高圧
蒸気工程による高温蒸気負荷による劣化や、外皮樹脂の
経時的劣化に関わらず、初期段階の挿入部の軟性部と硬
性部とのバランスが継続的に維持される。
所定範囲にスタイレット軟性部23Sとスタイレット硬
性部23Hとを設ける2段階タイプに限定されるもので
はなく、図5に示すように外径寸法を例えば3段階に変
化させるために、前記スタイレット軟性部23Sと前記
スタイレット硬性部23Hとの中間部に、中間の硬さを
持たせるため、径寸法をスタイレット軟性部23Sより
太径で、スタイレット硬性部23Hより細径に形成し
た、例えばφ((d+D)/2)で形成した中間硬さ部
23Mを設けるようにしてもよい。
可撓管15のスタイレット軟性部23Sとスタイレット
硬性部23Hとの間に中間硬さ部23Mを有するので、
可撓管15の長手方向所定範囲における硬度変化がなだ
らかになる。このため、挿入部10を体腔内に挿入する
際、バランス良い挿入部形状を保つことができるととも
に、術者の手元操作における回転操作等のトルクを挿入
部先端まで十分伝達されて挿入性が向上する。前記スタ
イレットの長手方向所定範囲における段階的変化は、2
段階、3段階に限定されるものではなく、それ以上段階
変化させる構成であってもよい。
レット23,23Aにおいて、例えば軟性部23Sと前
記中間硬さ部23Mとの間等に段差部28が形成され
る。この段差部28を、図6のスタイレット23Bに示
すように径寸法が先端側から手元側に向かって徐々に連
続的に大きくなるように変化するテーパー形状の移行部
29にすることにより、スタイレット23Bの例えばス
タイレット軟性部23Sから中間硬さ部23Mへの硬さ
の変化がなだらかになり、可撓管15の長手方向所定範
囲における硬度変化が全体的によりなだらかになる。
入する際、バランス良い挿入部形状を保つことができる
とともに、術者の手元操作における回転操作等のトルク
を挿入部先端まで十分伝達されて挿入性がさらに向上す
る。
かり、図7は内蔵物であるワイヤ被覆コイルの1構成例
を説明する図、図8はワイヤ被覆コイルの他の構成を説
明する図である。
の内蔵物としてスタイレット23,23A,23Bを設
けて可撓管15に所定の特性を持たせる代わりに、内蔵
物であり、前記湾曲ワイヤ21を覆うワイヤ被覆コイル
22によって可撓管15に特性を持たせるようにしてい
る。
ワイヤ被覆コイル22Aでは、図中矢印Wで示す手元側
範囲に硬質化被膜22hを形成させる鍍金処理を施して
いる。このことによって、前記ワイヤ被覆コイル22A
に、硬性部となる鍍金処理を施した処理部22aと、軟
性部となる鍍金処理が施されていない未処理部22bと
を設けている。そして、鍍金処理を施した処理部22a
の長手方向の曲げに対する剛性が前記未処理部22bに
比べて増大させてコイル硬度差Zを設定する一方、この
コイル硬度差Zと前記チューブ硬度差Xとの間にZ>X
という関係を設定している。
所定範囲内において、鍍金処理を施した処理部と、滅菌
処理を施さない未処理部とを形成して所定のコイル硬度
差を設定することにより、ワイヤ被覆コイルの長手方向
の曲げに対する剛性を変化させて、スタイレットを配置
することなく、また外皮チューブの硬度差に関わらず、
長手方向所定範囲における曲げ剛性を変化させた可撓管
を構成することができる。
方向所定範囲における硬さを変化させるワイヤ被覆コイ
ルを形成する代わりに、図8に示すように先端側を形成
する第1ガイドコイル31と、手元側を形成する長さ寸
法Uで剛性が第1ガイドコイル31より高い第2ガイド
コイル32とを組合せ接合してワイヤ被覆コイル22B
を構成するようにしてもよい。このとき、前記第2ガイ
ドコイル32は、第1ガイドコイル31よりも長手方向
における曲げに対する剛性を増加させるため、剛性の高
い異なる材質で形成されたり、断面形状の異なる例えば
平コイルを用いる。
コイル,第2ガイドコイル,第3ガイドコイル等、3本
以上のガイドコイルを組合せ接合して構成することによ
り、可撓管15の長手方向所定範囲における硬度変化が
なだらかになる。
内臓されているので、その4本全てを同じ構成にしても
良いが、各ワイヤ被覆コイル毎に寸法W,Uを変化させ
るようにしてもよい。寸法W,Uの異なるワイヤ被覆コ
イルを組み合わせて可撓管に設けることによって、この
可撓管に様々な特性を持たせることが可能になる。
ヤ21の数を4本として説明したが、湾曲ワイヤ21の
本数はそれ以上であってもそれ以下であってもよい。
の他の構成を説明する図であり、図9(a)は螺旋管の
1構成例を説明する図、図9(b)は螺旋管の他の構成
を説明する図である。
ては可撓管15の内蔵物ではなく、可撓管15の外皮チ
ューブ15cの内側に配置される螺旋管部40の構成に
よって可撓管15に特性を持たせるようにしている。
側に配置される第1螺旋管41と、この先端側より硬さ
の硬い手元側を構成するため前記第1螺旋管41の外側
に配置される第2螺旋管42とで構成されている。
管を被覆配置することで、この第2螺旋管が被覆配置さ
れている部分において、可撓管の長手方向における曲げ
に対する剛性を高めることができる。
置することによっても同様の作用及び効果を得られると
ともに、可撓管の外径寸法が大径化することを防止する
ことができる。
と同材質で同様に構成したものとしても良いが、前記第
2螺旋管を第1螺旋管より硬状態にして螺旋管部を構成
することによって、第2螺旋管の被覆配置されている部
分において、可撓管の長手方向における曲げに対する剛
性をさらに高めるようにしてもよい。
材を使用して第2螺旋管を形成したり、第1螺旋管の螺
旋管間隔より短い螺旋間隔で第2螺旋管を構成したり、
第1螺旋管を形成する部材より肉厚な部材を使用して第
2螺旋管を形成する。
部分に部分配置する構成であってもよい。また、第1螺
旋管及び第2螺旋管は、一重のものに限定されるもので
はなく、例えば、二重、三重のものであってもよい。こ
れら二重、三重の螺旋管を形成する際は、一重の螺旋管
を重ねて配置して各端部を接着等で固定して一体的に形
成する場合と、1つの金属帯片を連続的に折り返して二
重、三重に重ねて一体的に形成する場合とがある。
成する際、金属帯片43の折り返し部44a,44bの
うち折り返し部44bの位置を、第1螺旋管45となる
挿入部長手方向の中途位置に設定することで、一重の第
1螺旋管45と、三重の第2螺旋管46とを一体形成す
ることができる。このことにより、螺旋管部を形成する
際、複数の螺旋管を固定する作業等が不要となり、組立
て作業が容易になる。
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。
さが異なる軟性の挿入部を有し、前記挿入部は外側を樹
脂からなる外皮層を設けた可撓管と細長の内臓物を有す
る内視鏡において、前記内臓物の長手方向における曲げ
に対する硬さの変化量を、前記外皮層の長手方向におけ
る曲げに対する硬さの変化量より大きくした内視鏡。
弾性合金で形成したスタイレットである付記1記載の内
視鏡。
テンレス鋼材で形成したスタイレットである付記1記載
の内視鏡。
エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、スチレ
ン系樹脂、フッ素系ゴム、シリコン系ゴム又は、これら
をブレンドした樹脂のいずれかの樹脂を用いて形成した
付記1記載の内視鏡。
に対する硬さの変化量は、略0も含む付記1記載の内視
鏡。
て形成し、内部に細長の内臓物を配置した、長手方向所
定範囲における曲げに対する硬さが異なるように構成し
た可撓管を挿入部に有する内視鏡において、前記内臓物
の少なくとも1つは、長手方向における曲げに対する硬
さが、挿入部長手方向先端側に対し基端側が硬く、その
中間部に先端側と基端側の中間硬さにする弾発補助手段
を設けた内視鏡。
端部を挿入部の一部に係止した細長の金属部材である付
記6記載の内視鏡。
付記7記載の内視鏡。
る付記7記載の内視鏡。
端側から基端側に渡って、段階的に径寸法を変化させた
径寸法段階変化部を有する付記6記載の内視鏡。
端側から基端側に渡って、連続的に径寸法を変化させた
径寸法連続変化部を有する付記6記載の内視鏡。
ワイヤを遠隔操作することによって湾曲動作する湾曲部
を可撓管の先端側に連設し、前記操作ワイヤを案内する
少なくとも1つのワイヤ被覆コイルを前記可撓管内に挿
通した挿入部を有する内視鏡において、前記ワイヤ被覆
コイルは、長手方向において曲げに対する硬さの異なる
範囲を有する内視鏡。
ガイドコイルと、この第1のガイドコイルとは曲げに対
する硬さの異なる第2のガイドコイルとを接続して形成
した付記12記載の内視鏡。
向所定範囲において鍍金による硬質化被膜部を有する付
記12記載の内視鏡。
るとき、少なくとも1つのガイドコイルと他のガイドコ
イルとでは長手方向における硬さの異なる範囲が異なる
設定である付記12記載の内視鏡。
した第1の螺旋管と、外側に樹脂製の外皮層とを設けた
可撓管を挿入部に有する内視鏡において、前記螺旋管の
長手方向の一部の所定範囲に、第2の螺旋管を配置した
内視鏡。
螺旋管の内面側に設けた付記16記載の内視鏡。
螺旋管の外周面側に設けた付記16記載の内視鏡。
定位置における曲げ剛性を前記第1の螺旋管の硬さより
硬く設定した付記16記載の内視鏡。
片同志の間隔を前記第1の螺旋管より狭く形成した付記
19記載の内視鏡。
厚み寸法が前記第1の螺旋管より厚く形成されている付
記19記載の内視鏡。
を一体で形成した付記16記載の内視鏡。
期間の使用や内視鏡を繰り返し高温高圧蒸気滅菌して外
皮層が変成、劣化した場合でも、良好な挿入性を長期に
渡って得られる内視鏡を提供することができる。
り、図1は内視鏡装置の全体構成を示す図
図
る図
り、図7は内蔵物であるワイヤ被覆コイルの1構成例を
説明する図
の構成を説明する図
Claims (1)
- 【請求項1】 長手方向所定範囲に曲げに対する硬さが
異なる軟性の挿入部を有し、前記挿入部は外側を樹脂か
らなる外皮層を設けた可撓管と細長の内臓物とを有する
内視鏡において、 前記内臓物の長手方向における曲げに対する硬さの変化
量を、前記外皮層の長手方向における曲げに対する硬さ
の変化量より大きくしたことを特徴とする内視鏡。
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