JP3825960B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入部に軟性な可撓管を有し、この可撓管内に少なくとも1つの細長な内蔵物配置した内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内臓器などを観察したり、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置の行える医療用の内視鏡が広く利用されている。
【0003】
特に、医療分野で使用される内視鏡は、挿入部を体腔内に挿入して、臓器などを観察したり、内視鏡の処置具チャンネル内に挿入した処置具を用いて、各種治療や処置を行う。このため、一度使用した内視鏡や処置具を他の患者に再使用する場合、内視鏡や処置具を介しての患者間感染を防止する必要から、検査・処置終了後に内視鏡装置の洗滌消毒を行わなければならなかった。
【0004】
近年では、煩雑な作業を伴わず、滅菌後直ちに使用が可能で、ランニングコストが安価なオートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)が内視鏡機器の消毒滅菌処理の主流になりつつある。
【0005】
このため、特開平10−276968号公報にはオートクレーブによる高圧蒸気滅菌を行った際、内蔵チューブが縮まず、十分な滅菌処理を繰り返し行うことができるように、流体又は処置具類を通すために内蔵される可撓性チューブとしてフッ素樹脂製チューブを用い、そのフッ素樹脂製チューブを内視鏡に組み込む以前にアニール処理した内視鏡が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平10−276968号公報の内視鏡では、フッ素樹脂製チューブに施すアニール処理を内視鏡に組み込む前に行っていたので、例えば内視鏡をオートクレーブした場合、アニール処理が施されていない挿入部を構成する可撓管がオートクレーブの際の熱的負荷により、長手方向に対して縮んでしまう場合がある。
【0007】
つまり、可撓管が縮むのに対して可撓管内のアニール処理済みのフッ素樹脂製チューブがほとんど縮まないことによってこのフッ素樹脂製チューブが可撓管に対して相対的に弛んだ状態になってチューブ自体が座屈し易くなるという不具合があった。
【0008】
また、可撓管に内蔵される他の内蔵物である例えば、照明光供給用ライトガイド(以下ライトガイドと略記する)や撮像手段からの電気信号を伝達する信号伝送ケーブル等が弛んだ状態のチューブによって圧迫されてそれらの動きが阻害されたり、ひいては内蔵物の座屈やケーブルの断線等の不具合を発生させる要因になっていた。
【0009】
また、内視鏡に組み込むフッ素樹脂製チューブをアニール処理する場合、通常、長尺のフッ素樹脂製チューブを何周かにまとめて炉の中に入れてアニール処理を行う。このため、フッ素樹脂製チューブに曲がり癖が付いてしまい、内視鏡に組み込む際、非常に組み込み難いという不具合があった。そして、曲がり癖のついたフッ素樹脂製チューブを内視鏡に組み込んだ場合、このフッ素樹脂製チューブによって例えば内蔵物である前記ライトガイドや信号伝送ケーブルが圧迫されて動きが阻害されたり、座屈や断線等の不具合を発生させる要因になるばかりでなく、この曲がり癖の影響で内視鏡自身の挿入性にも悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0010】
一方、アニール処理を施していないフッ素樹脂製チューブを内視鏡に組み込むことも従来広く行われていたが、この内視鏡を高圧蒸気滅菌した場合、アニール処理が施されていないフッ素樹脂製チューブが長手方向に縮んでしまい、フッ素樹脂製チューブが可撓管に対して突っ張った状態になって、フッ素樹脂製チューブの両端部の接続部分に負荷がかかって不具合が発生する要因になっていた。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高圧蒸気滅菌の際に、可撓管と内蔵物とに生じる長手方向変形量の差の増大による不具合を防止した内視鏡を提供することを目的にしている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の内視鏡は、アニール処理によって熱的負荷による変形を抑制された細長の可撓管と、前記可撓管の内部に配設されるとともに前記可撓管の両端部に対して直接的または間接的に固定され、アニール処理によって熱的負荷による変形を抑制された細長の内蔵物と、を具備したことを特徴とする。
本発明の第2の内視鏡は、熱的負荷によって特定の方向に変形する特性を有する樹脂層を備えてなる細長の可撓管と、前記可撓管の内部に配設されるとともに前記可撓管の両端部に対して直接的または間接的に固定され、熱的負荷によって前記方向と同方向に変形する特性を有する樹脂によりて形成された細長の内蔵物と、を具備したことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、内視鏡を高圧蒸気滅菌した際、可撓管と細長の内蔵物の長手方向の変形量に大きな差が発生しない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図4は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡装置の全体構成を示す図、図2は挿入部の構成例を説明する図、図3は可撓管の構成及び作用を説明する図、図4は細長な内蔵物の構成及び作用を説明する図である。
【0015】
なお、図3(a)は可撓管の初期状態を示す図、図3(b)は所定量の熱的負荷を与えた後の可撓管を示す図、図4(a)は内蔵物の初期状態を示す図、図4(b)は所定量の熱的負荷を与えた後の内蔵物を示す図である。
【0016】
図1に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、撮像手段を備えた電子内視鏡(以下内視鏡と記載する)2と、照明光を供給する光源装置3と、撮像手段を制御するとともに前記撮像手段から得られる信号を処理するビデオプロセッサ4と、このビデオプロセッサ4に接続されたモニタ5とで主に構成されている。なお、符号50はこの内視鏡2を収納する後述する滅菌用収納ケースである。
【0017】
前記内視鏡2は、細長で可撓性を有する挿入部10と、この挿入部10の基端部に連設する操作部11と、この操作部11の側方から延出する可撓性を有するユニバーサルコード12とで構成されている。
【0018】
前記ユニバーサルコード12の端部には前記光源装置3に着脱自在なコネクタ12aが設けられている。このコネクタ12aを光源装置3に接続することによって、光源装置3に備えられている図示しないランプからの照明光が内視鏡2の図示しないライトガイドを伝送されて観察部位を照射するようになっている。
【0019】
前記挿入部10と操作部11との接続部分には急激な曲がりを防止する弾性部材で構成された挿入部折れ止め部材7aが設けられ、前記操作部11とユニバーサルコード12との接続部分には同様に操作部折れ止め部材7bが設けられ、そしてユニバーサルコード12とコネクタ12aとの接続部分には同様にコネクタ折れ止め部材7cが設けられている。
【0020】
前記内視鏡2の細長で可撓性を有する挿入部10は、先端側から順に硬性で例えば先端面に図示しない観察窓や照明窓などを配設した先端硬性部13,複数の湾曲駒を連接して湾曲自在な湾曲部14、可撓性を有する可撓管15とを連設して構成されている。前記湾曲部14は、操作部11に設けられている湾曲操作ノブ16を適宜操作することによって湾曲し、観察窓等を配設した先端硬性部13の先端面を所望の方向に向けられるようになっている。
【0021】
前記操作部11には前記湾曲操作ノブ16の他に先端面に設けた図示しない送気送水ノズルから前記観察窓に向けて洗滌液体や気体を噴出させる際の送気操作、送水操作を行う送気送水操作ボタン17及び先端面に設けた図示しない吸引口を介して吸引操作を行うための吸引操作ボタン18、前記ビデオプロセッサ4を遠隔操作する複数のリモートスイッチ19,…,19や内視鏡2の挿入部内に配置された処置具チャンネルに連通する処置具挿入口20が設けられている。
【0022】
前記コネクタ12aの側部には電気コネクタ部12bが設けられている。この電気コネクタ部12bには前記ビデオプロセッサ4に接続された信号コード6の信号コネクタ6aが着脱自在に接続される。この信号コネクタ6aをビデオプロセッサ4に接続することによって、内視鏡2の撮像手段を制御するとともに、この撮像手段から伝送される電気信号から映像信号を生成して、内視鏡観察画像を前記モニタ5の画面上に表示する。なお、電気コネクタ部12bには内視鏡2の内部と外部とを連通する図示しない通気口が設けられている。このため、前記内視鏡2の電気コネクタ部12bには前記通気口を塞ぐ圧力調整弁(不図示)を設けた圧力調整弁付き防水キャップ(以下防水キャップと略記する)9aが着脱自在な構成になっている。
【0023】
また、このコネクタ12aには光源装置3に内蔵されている図示しない気体供給源に着脱自在に接続される気体供給口金12cや、液体供給源である送水タンク8に着脱自在に接続される送水タンク加圧口金12d及び液体供給口金12e、前記吸引口より吸引を行うための図示しない吸引源が接続される吸引口金12f、送水を行うための図示しない送水手段と接続される注入口金12gが設けられている。
【0024】
さらに、高周波処置等を行った際、内視鏡2に高周波漏れ電流が発生した場合、この漏れ電流を図示しない高周波処置装置に帰還させるためのアース端子口金12hが設けられている。
【0025】
前記内視鏡2は、観察や処置に使用された際、洗滌後、高圧蒸気滅菌を行うことが可能に構成されており、この内視鏡2を高圧蒸気滅菌する際には前記防水キャップ9aを電気コネクタ部12bに取り付ける。
【0026】
そして、前記内視鏡2を高圧蒸気滅菌する際、この内視鏡2を滅菌用収納ケース50に収納する。この滅菌用収納ケース50は、ケース本体であるトレイ51と蓋部材52とで構成され、このトレイ51には内視鏡2の挿入部10、操作部11、ユニバーサルコード12、コネクタ12a等の各部が所定の位置に収まるように内視鏡形状に対応した図示しない規制部材が配置されている。また、これらトレイ51及び蓋部材52には高圧蒸気を導くための通気孔が複数形成されている。
【0027】
図2に示すように前記挿入部10は、先端硬性部13と、湾曲部14と、この先端硬性部13の基端部に湾曲部14を介して連接された形態の可撓管15とで構成されている。
【0028】
前記先端硬性部13に形成されている例えば吸引口及び処置具チャンネルを兼ねる貫通孔13aには金属パイプ21が固定されている。この金属パイプ21には細長な内蔵物である処置具挿通用チューブ(以下処置具チューブと略記する)22の先端部が固定されている。この処置具チューブ22は、一般的にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等を素材とする樹脂チューブである。なお、前記処置具チューブ22は、可撓管15内を挿通して基端部を分岐パイプ23に固定されている。
【0029】
前記可撓管15の基端部には接続管24が固定されている。この接続管24には、接続部材25を介して分岐パイプ23が固定されている。この分岐パイプ23には前記処置具挿入口20に連通する処置具管路20aと、前記操作部11から導かれた吸引用チューブ26が接続されている。
【0030】
つまり、本実施形態においては前記可撓管15と処置具チューブ22とは間接的に固定された構成になっているが、前記接続管24や分岐パイプ23等を一体に形成するなどして、可撓管15と処置具チューブ22とを直接的に固定する構成にしてもよい。
【0031】
また、本実施形態においては細長の内蔵物として処置具チューブ22を示しているが、他にも図示していないが送気や送水を行うためのチューブ或いはそれ以外の目的で使用されるチューブ類であってもよい。
【0032】
図3(a)に示すように可撓管15は、最内層側より、薄い帯状の金属片を螺旋状に巻いた螺旋管15aと、金属の細線を編み込んだ網状管15bと、外皮樹脂15cとを積層して構成されている。この外皮樹脂15cは、例えば、エステル系熱可塑性エラストマーや、アミド系熱可塑性エラストマー、スチレン系樹脂、フッ素系ゴム、シリコンゴム等の樹脂材料で形成されたものである。なお、前記ユニバーサルコード12もこの可撓管15と同様の構成である。
【0033】
前記可撓管15は、初期状態において図3(a)に示すように長さ寸法がYo である。この可撓管15に所定量の熱的負荷が与えられることにより、図3(b)に示すように可撓管15の長さ寸法はYacに変化する。これら寸法Yo と寸法Yacとの関係は実験により求めることができ、このことから可撓管15の長さ方向の収縮率yを以下のように定義することができる。
【0034】
y=Yac/Yo
一方、処置具チューブ22は、初期状態において図4(a)に示すように長さ寸法がXo である。この処置具チューブ22に所定量の熱的負荷が与えられることにより、図4(b)に示すようには処置具チューブ22の長さ寸法はXacに変化する。これら寸法Xo と寸法Xacとの関係は実験より求めることができ、このことから処置具チューブ22の長さ方向の収縮率xを以下のように定義することができる。
【0035】
x=Xac/Xo
そして、本実施形態においては上述のように定義された収縮率x、yを基に、y<1の特性を有する可撓管15、すなわち、所定の熱的負荷を与えた後に縮む特性を有する可撓管15を使用する場合には、x<1の特性を有する処置具チューブ22、すなわち、所定の熱的負荷を与えた後に縮む特性を有する処置具チューブ22を使用する構成をとることで、変形抑制手段としている。
【0036】
なお、前記可撓管15に、所定の熱的負荷を与えた後に伸びる、y>1の特性を有する可撓管15を使用する場合には、所定の熱的負荷を与えた後に伸びる、x>1の特性を有する処置具チューブ22を使用する構成にする。
【0037】
上述のように構成した内視鏡2を高圧蒸気滅菌した際の作用を説明する。
まず、高圧蒸気滅菌の代表的な条件について説明する。
【0038】
代表的な条件としては米国規格協会承認、医療機器開発協会発行の米国規格ANSI/AAMI ST37−1992に、プレバキュームタイプで滅菌工程132°Cで4分、グラビティタイプで滅菌工程132°Cで10分とされている。
【0039】
高圧蒸気滅菌の滅菌工程時の温度条件については、高圧蒸気滅菌装置の形式や滅菌工程の時間によって異なるが、一般的には115°Cから138°C程度の範囲で設定される。滅菌装置の中には142°C程度に設定可能なものもある。
【0040】
時間条件については滅菌工程の温度条件によって異なる。一般的には3〜60分程度に設定される。滅菌装置の種類によっては100分程度に設定可能なものもある。
【0041】
そして、この工程での滅菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して+0.2MPa程度に設定される。
【0042】
次に、一般的なプレバキュームタイプにおける内視鏡の高圧蒸気滅菌工程を簡単に説明する。
まず、滅菌対象機器である内視鏡2の電気コネクタ部12bには防水キャップ9aが取り付け、滅菌用収納ケース50に収容し、滅菌室内に配置する。前記電気コネクタ部12bに防水キャップ9aを取り付けたことにより、圧力調整弁が閉じた状態になって前記通気口を塞ぐ。すなわち、内視鏡2の内部と外部とが水密的に密閉される。そして、高圧滅菌工程前の滅菌室内を減圧状態(プレバキューム工程)にする。
【0043】
なお、このプレバキューム工程とは、滅菌工程時に滅菌対象機器の細部にまで蒸気を浸透させるための工程であり、滅菌室内を減圧させることにより、滅菌対象機器全体に高圧高温蒸気が行き渡るようになる。このプレバキューム工程における滅菌室内の圧力は、一般的に大気圧に対して−0.07〜−0.09MPa程度に設定される。
【0044】
しかし、プレバキューム工程において、滅菌室内の圧力が減少すると、内視鏡2の内部圧力に対して外部圧力が低くなって圧力差が生じる。すると、前記防水キャップ9aの圧力調整弁が開いて、前記通気口を介して内視鏡2の内部と外部とが連通状態になる。このことによって、圧力差が大きく生じることを防ぐ。つまり、内視鏡2が内部圧力と外部圧力との圧力差によって破損することが防止される。
【0045】
次に、滅菌室内に高圧高温蒸気を送り込んで滅菌を行う(滅菌工程)。
この滅菌工程においては滅菌室内が加圧される。すると、内視鏡2の内部圧力より外部圧力の方が高くなるような圧力差が生じる。このため、前記防水キャップ9aの圧力調整弁が閉じ、高圧蒸気が通気口を通過して内視鏡内部に侵入することを遮断する。
【0046】
しかし、高圧蒸気は、高分子材料で形成されている前記可撓管15の外皮樹脂15cや内視鏡2の外装体の接続部に設けられたシール手段であるフッ素ゴムやシリコンゴム等で形成されたOリング等を透過して内視鏡内部に徐々に侵入していく。
【0047】
このとき、内視鏡2の外装体にはプレバキューム工程で減圧された圧力と滅菌工程で加圧された圧力とが加算された、外部から内部に向けた圧力が生じた状態になる。
【0048】
次いで、滅菌後の滅菌対象機器を乾燥させるため、滅菌工程終了後、滅菌室内を再度減圧状態にして乾燥(乾燥工程)を行う。この乾燥工程では、滅菌室内を減圧して滅菌室内から蒸気を排除して滅菌室内の滅菌対象機器の乾燥を促進する。この乾燥工程における滅菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して−0.07MPa〜−0.09MPa程度に設定される。なお、前記乾燥工程は必要に応じて任意に行うものである。
【0049】
滅菌工程後の減圧工程では、滅菌室内の圧力が減少して内視鏡2の内部圧力より外部圧力が低くなるような圧力差が生じる。この圧力差が生じると略同時に前記防水キャップ9aの圧力調整弁が開き、通気口を介して内視鏡2の内部と外部とが連通状態になり、内視鏡内部と外部との間に大きな圧力差が生じることが防止される。そして、減圧工程が終了して、滅菌室内が加圧されて、内視鏡2の内部圧力よりも外部圧力の方が高くなるような圧力差が生じると前記防水キャップ9aの圧力調整弁が閉じる。
【0050】
なお、高圧蒸気滅菌全工程終了時、内視鏡2の外装体には減圧工程で減圧された分、外部から内部に向けた圧力が生じた状態になる。そして、防水キャップ9aを電気コネクタ部12bから取り外すことにより、前記通気口によって内視鏡2の内部と外部とが連通して、内視鏡2の内部は大気圧となリ、内視鏡2の外装体に生じていた圧力差による負荷がなくなる。
【0051】
上述したように滅菌工程中、内視鏡2を構成する、y<1の特性を有する可撓管15と、x<1の特性を有する処置具チューブ22は共に高圧蒸気にさらされる。つまり、前記可撓管15及び処置具チューブ22に所定量の熱的負荷が加わって、どちらも長手方向に縮む。
【0052】
このとき、収縮率yと収縮率xとの間にy≠xの関係があるとき、y<1の特性を有する可撓管15の長手方向の変形量と、x<1の特性を有する細長の処置具チューブ22の長手方向の変形量との間に差が生じる。
【0053】
ここで、y<1の特性を有する可撓管15及びx<1の特性を有する処置具チューブ22の組合せにおける可撓管15の長手方向の変形量と処置具チューブ22との長手方向の変形量との差の絶対値を、他の組合せであるy≒1の特性を有する可撓管15及びx>1の特性を有する処置具チューブ22との組合せや、y≒1の特性を有する可撓管15及びx<1の特性を有する処置具チューブ22との組合せ、或いはy>1の特性を有する可撓管15及びx≒1の特性を有する処置具チューブ22の組合せ、y>1の特性を有する可撓管15及びx<1の特性を有する処置具チューブ22との組合せ、y<1の特性を有する可撓管15及びx≒1の特性を有する処置具チューブ22との組合せ、y<1の特性を有する可撓管15及びx>1の特性を有する処置具チューブ22との組合せにおける可撓管15の長手方向の変形量と処置具チューブ22との長手方向の変形量との差の絶対値と比べた場合、本実施形態の前記可撓管15と処置具チューブ22の組合せでは、確実に変形方向(本実施形態では縮み方向)が同一であるため、最も変形量が抑制される。
【0054】
このように、可撓管と細長の内蔵物の変形方向を長手軸方向に対して同方向に設定することにより、内視鏡を高圧蒸気滅菌等の熱的負荷の環境にさらした際、可撓管が例えば縮み方向に変形すれば、内蔵物も同様に縮み方向に変形するので、その結果として長手方向の変形量が大きく変化することを防止することができる。
【0055】
このことにより、可撓管に対して細長の内蔵物が相対的に弛んで他の内蔵物を圧迫したりすることや、可撓管に対して細長の内蔵物が相対的に突っ張って内蔵物の両端の固定部に負荷が加わって固定部が破損すること或いは湾曲動作を行った際に、所望の方向に湾曲がかからないといった湾曲動作の不具合が発生することがなくなる。
【0056】
なお、本実施形態で定義した収縮率x、yにおいて、x<y≒1となる特性を有する可撓管15と処置具チューブ22とを組み合わせる場合には、前記処置具チューブ22を組立ての前にアニール処理する。
【0057】
なお、ここでいうアニール処理の条件は、処置具チューブ22が高圧蒸気滅菌後に変形しなくなる温度、言い換えれば、前記処置具チューブ22が縮みきる温度である。このため、必ずしも高圧蒸気滅菌の際に加わる温度負荷と略同一程度にする必要はなく、それ以下であってもよいが、高圧蒸気滅菌の際に加わる温度負荷と略同一、すなわち、115°C〜138°C程度に設定することが好ましく、高圧蒸気滅菌装置の中には、142°Cに設定可能なものもあるので、138°Cより高い温度に設定してもかまわない。
【0058】
このように、組立て前の処置具チューブ22に対してアニール処理を施すことにより、この処置具チューブ22のアニール後の収縮率x'がx'≒1となるので、前記収縮率yがもともとy≒1であることから、x'≒yとなり、所定量の熱的負荷が加わった際、両部材の変形量に大きな差が生じない。つまり、上述した実施形態と同様の作用及び効果を得られる。そして、x>y≒1の場合には同様に処置具チューブ22に予めアニール処理を施すことで、同様の作用及び効果を得られる。
【0059】
また、前記実施形態で定義した収縮率x、yにおいて、y<x≒1となる特性を有する可撓管15と処置具チューブ22とを組み合わせる場合には、前記可撓管15を組立ての前にアニール処理する。組立て前の可撓管15にアニール処理を施すことにより、この可撓管15のアニール後の収縮率y’がy'≒1となるので、前記収縮率xがもともとx≒1であることから、y'≒xとなり、所定量の熱的負荷が加わった際、両部材の変形量に大きな差が生じない。つまり、上述した実施形態と同様の作用及び効果を得られる。なお、y>x≒1の場合には同様に可撓管15に予めアニール処理を施すことで、同様の作用及び効果を得られる。
【0060】
さらに、前記実施形態で定義した収縮率x、yにおいて、x<y、若しくは、x>yとなる特性を有する可撓管15と処置具チューブ22とを組み合わせる場合には、可撓管15及び処置具チューブ22の両方を組立ての前にアニール処理する。このことにより、アニール後の処置具チューブ22の収縮率x'がx'≒1となるとともに、アニール後の可撓管15の収縮率y'が、y'≒1となり、x'≒y'≒1となるので、所定量の熱的負荷が加わった際、両部材の変形量に大きな差が生じない。つまり、上述した実施形態と同様の作用及び効果を得られる。
【0061】
又、前記実施形態で定義した収縮率x、yにおいて、x≒yとなる特性を有する可撓管15と処置具チューブ22とを組み合わせる場合には、可撓管15及び処置具チューブ22の長さ寸法を略同一に設定する。このことにより、所定量の熱的負荷が加わった際、可撓管15と処置具チューブ22の収縮率がほぼ同じであるので、両部材の変形量に大きな差が生じない。つまり、上述した実施形態と同様の作用及び効果を得られる。そして、前記可撓管15と処置具チューブ22との長さが著しく異なる場合には収縮率ではなく変化量を合わせるようにする。
【0062】
なお、上述した所定の熱的負荷を与える手段として高圧蒸気滅菌装置を用いるが、アニール処理する手段として高圧蒸気滅菌装置を用いることによって、アニール専用の装置を準備する必要がなくなる。
【0063】
ところで、細長の内蔵物である処置具チューブ22等のチューブ体をアニール処理する際、チューブ体に曲がり癖がつかないことが望まれていた。
【0064】
図5に示す曲がり癖防止部材の一構成例を説明する図のように本実施形態においては、細長の内蔵物であるチューブ体41をアニール処理する際、このチューブ体41を断面形状がコの字形状の曲がり癖防止部材40に配置する。
【0065】
この曲がり癖防止部材40の長さ寸法は、前記チューブ体41と略同一寸法であり、曲がり癖防止部材40の内側幅寸法Ainは前記チューブ体41の外径寸法φDよりも若干量大きく設定してある。つまり、Ain>φDの関係にしている。
【0066】
この曲がり癖防止部材40にチューブ体41を配置してアニール処理を行うことによって、アニール処理時、チューブ体41がストレート状態で保持されるので、アニール処理後のチューブ体41に曲がり癖がつかない。
【0067】
このように、細長の内蔵物をアニール処理する際、内蔵物を曲がり癖防止部材に配置してアニール処理を施すことにより、アニール処理後の内蔵物に曲がり癖が付くことを防止することができる。このことによって、アニール処理した内蔵物によって他の内蔵物が圧迫されることが防止されるとともに、内視鏡の挿入性に悪影響が及ぶことがなくなる。
【0068】
なお、図6の曲がり癖防止部材の他の構成例を説明する図に示すように断面形状がコの字形状の溝部42を複数設けて曲がり癖防止部材40Aを構成することによって、複数のチューブ体41を一度にアニール処理することができる。このことにより、チューブ体のアニール処理の効率が大幅に向上する。この図中では溝部42を3つとしているが溝部42の数はそれ以上であってもそれ以下であってもよい。
【0069】
また、前記断面形状がコの字形状の曲がり癖防止部材40を用いる代わりに、図7の曲がり癖防止部材の別の構成例を説明する図に示すようにチューブ体41を細長なパイプ状の曲がり癖防止部材40Bに配置するようにしてもよい。この曲がり癖防止部材40Bの長さ寸法は、前記チューブ体41の長さ寸法と略同一でも良いが、アニール処理後にチューブ体41を取り出すことを考慮して、曲がり癖防止部材40Bの長さ寸法を、チューブ体41の長さ寸法より若干、短めに設定することが好ましい。
【0070】
一方、曲がり癖防止部材40Bの内径寸法φdは、チューブ体41の外径寸法φDよりも若干量大きく設定することが好ましい(φd>φD)。そして、チューブ体41の外径寸法φDがアニール処理後に大きくなることを考慮してφd≒2φD程度に設定する場合もある。
【0071】
このことにより、前記曲がり癖防止部材40と同様の作用及び効果を得られる。また、曲がり癖防止部材40Bの内径寸法φdとチューブ体41の外径寸法φDとの関係を、φd≒2φD程度に設定しておくことにより、アニール処理後にチューブ体41の外径寸法φDが大きくなった場合でも、チューブ体41を曲がり癖防止部材40Bから容易に引き出せる。
【0072】
又、図8の曲がり癖防止部材のまた他の構成例を説明する図に示すようにφdの複数の貫通孔43を設けて曲がり癖防止部材40Cを構成することによって複数のチューブ体41を一度にアニール処理することができる。図中では貫通孔43を3つとしているが貫通孔43の数はそれ以上であってもそれ以下であってもよい。
【0073】
上述において曲がり癖防止部材40,40A,40B,40Cを構成する際、一体で構成する必要はなく、必要に応じて2体化、或いはそれ以上に分割して構成するようにしてもよい。
【0074】
また、図9の曲がり癖防止部材のまた別の構成例を説明する図に示すようにチューブ体41の貫通孔内に配置可能な細長の芯金を曲がり癖防止部材40Dとしてもよい。このとき、曲がり癖防止部材40Dの長さ寸法は、前記チューブ体41と略同一でも良いが、アニール処理後にチューブ体41を取り出すことを考慮して、曲がり癖防止部材40Dの長さ寸法を、チューブ体41の長さ寸法より若干、長めに設定することが好ましい。
【0075】
一方、曲がり癖防止部材40Dの外径寸法φdOUT は、チューブ体41の内径寸法φDINより若干小さく設定することが好ましい。さらに、チューブ体41の内径寸法φDINが、アニール処理後に小さくなる場合を考慮して、φdOUT ≒0.5φDIN(すなわち、2φdOUT ≒φDIN)に設定する場合もある。
【0076】
このことにより、前記曲がり癖防止部材40,40Bと同様の作用及び効果を得られる。また、曲がり癖防止部材40Dの外径寸法φdOUT とチューブ体41の内径寸法φDINとの関係を、φdOUT ≒0.5φDIN(すなわち、2φdOUT ≒φDIN)程度に設定しておくことにより、アニール処理後にチューブ体41の内径寸法φDINが小さくなったとしても、チューブ体41を曲がり癖防止部材40Dから容易に取り出せる。
【0077】
ここで、前記チューブ体41及び可撓管15の長さ寸法の設定方法について説明する。
前記図2で示したようにチューブ体41の弛みが除去された状態にするため、チューブ体41及び可撓管15の製作時の寸法、つまりアニール前の長さ寸法を、アニール処理を行った際の可撓管15が縮む量と、チューブ体41が縮む量との差分を考慮して設定する。
【0078】
このため、製作時のチューブ体41を可撓管15に組み付けて内視鏡2を構成した場合、図10の製造時の可撓管とチューブ体との関係を説明する図に示すようにチューブ体41に若干量の弛みが発生する。
【0079】
つまり、本実施形態においては、前記チューブ体41を可撓管15に組み付け、この状態でアニール処理することによって前記図2で示したように弛みが除去された状態になるように、可撓管15の製作時であるアニール前の長さ寸法Ys、及びチューブ体41の製作時であるアニール前の長さ寸法Xsを、以下の関係式を満足するようにして設計する。
【0080】
Ys(1−y)=Xs(1−x)
ここで、x,yは上記収縮率である。そして、可撓管15とチューブ体41との接続が間接的に行われる場合には適宜定数を加味して、以下の関係式を満足するように設計する。
【0081】
Ys'(1−y)=s'(1−x)
Xs'=Xs+P
Ys'=Ys+Q
ここで、定数P、Qは、接続が間接的に行われる際、接続部材の寸法より決定されるものであり例えば、可撓管15とチューブ体41の接続が図10のような構成で行われる場合、この定数P,Qは、湾曲部14、先端硬性部13、金属パイプ21の長手方向の寸法や、接続管24,接続部材25,分岐パイプ23の長手方向の寸法から決定される。
【0082】
このように、アニール処理での寸法変化を考慮して、可撓管及びチューブ体の製作時の長さ寸法を設計することによって、内視鏡を高圧蒸気滅菌等の熱的負荷の環境にさらした際、可撓管及びチューブ体の長手方向の変形量が大きく変化することを防止することができる。
【0083】
なお、アニール処理後のチューブ体の長さ寸法を、他の内蔵物を圧迫しない程度、チューブ体が可撓管に対して僅かに弛むように設定するようにしてもよい。
【0084】
また、製作時のチューブ体41を可撓管15に組み付けて図10に示すように内視鏡2を構成した状態で、アニール処理を行うことによって、アニール処理後、図2に示したように弛みのないチューブ体41を配置した構成になる。
【0085】
このことにより、高圧蒸気滅菌後に可撓管及びチューブ体の長手方向の変形量が大きく変化することを防止する効果に加えて、内視鏡の組立て後にアニール処理を施すので、挿入部内に複数の内蔵物を有する場合、組立て後、一度に細長の内蔵物の他に他の樹脂成形部品等をアニール処理することができる。また、アニール時に曲がり癖防止部材を使用しなくても曲がり癖がつかない、さらには内容物が突っ張ることによる上述のような不具合も生じない。
【0086】
また、内視鏡の組立て後にアニールすることにより、高圧蒸気滅菌後の状態・性能での出荷検査を行える。
【0087】
なお、前記アニール処理の条件は、高圧蒸気滅菌の温度負荷と略同一以上の高温条件であってもよい。
【0088】
前記アニール処理を行った場合でも、さらに、高圧蒸気滅菌の工程にて長さ寸法が変化する特性を有する材質を使用する場合には、この変化量を予め見込んで長さ寸法の設定を行う。
【0089】
そして、設定した製作時長さ寸法が、可撓管に内蔵されている他の内蔵物に悪影響を与えない範囲であれば、製造時にアニール処理をすることなく、使用される高圧蒸気滅菌装置にかけた際、適切な長さとなるような構成であってもよい。要は、高圧蒸気滅菌工程等の熱的負荷によって、可撓管や内蔵物の長さ変化によって不具合のないように製作時の長さ寸法を設定すればよい。
【0090】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0091】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0092】
(1)細長な可撓管を有する軟性の挿入部と、この可撓管の両端部に対して、直接的又は間接的に固定される少なくとも1つの細長な内蔵物とを備える内視鏡において、
前記可撓管及び少なくとも1つの細長の内蔵物の所定量の熱的負荷に対する長手方向変形量の差の絶対値の増加を抑制する変形抑制手段を設けた内視鏡。
【0093】
(2)前記変形抑制手段は、所定量の熱的負荷に対する前記内蔵物の変形方向と前記可撓管の変形方向とに関わり、両部材の変形方向を同方向に設定した付記1記載の内視鏡。
【0094】
(3)前記変形抑制手段は、前記可撓管又は内蔵物の少なくとも一方に予め施すアニール処理である付記1記載の内視鏡。
【0095】
(4)前記変形抑制手段は、所定量の熱的負荷に対する前記可撓管及び内蔵物の長手方向の変形量を略同一に設定した付記1記載の内視鏡。
【0096】
(5)前記所定量の熱的負荷とは、高圧蒸気滅菌工程の際にかかる熱的負荷である付記1記載の内視鏡。
【0097】
(6)前記アニール処理する際の条件は、高圧蒸気滅菌工程の熱的負荷条件と略同一又はそれ以上の高温条件である付記3記載の内視鏡。
【0098】
(7)前記内蔵物をアニール処理する際、この内蔵物をストレート状態を保持する曲がり癖防止部材に配置する付記3記載の内視鏡。
【0099】
(8)前記曲がり癖防止部材は、前記内蔵物の外形側を規制する付記7記載の内視鏡。
【0100】
(9)前記曲がり癖防止部材は、前記内蔵物の内孔に挿通される付記7記載の内視鏡。
【0101】
(10)前記可撓管に組み込まれる内蔵物の長さ寸法を、所定量の熱的負荷を与えた際、可撓管の縮み量以上に長く設定した内視鏡。
【0102】
(11)前記内蔵物を可撓管に組み込んだ後、内視鏡製造工程においてアニール処理を行う付記10記載の内視鏡。
【0103】
(12)前記内蔵物が可撓管に対して縮む量と略同一量、前記内蔵物の長さ寸法を長く設定した付記10又は付記11記載の内視鏡。
【0104】
(13)前記内視鏡に所定量の熱的負荷を与えない状態で工場出荷する付記10記載の内視鏡。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高圧蒸気滅菌の際に、可撓管と内蔵物とに生じる長手方向変形量の差による不具合を防止した内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図4は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡装置の全体構成を示す図
【図2】挿入部の構成例を説明する図
【図3】可撓管の構成及び作用を説明する図
【図4】細長な内蔵物の構成及び作用を説明する図
【図5】曲がり癖防止部材の一構成例を説明する図
【図6】曲がり癖防止部材の他の構成例を説明する図
【図7】曲がり癖防止部材の別の構成例を説明する図
【図8】曲がり癖防止部材のまた他の構成例を説明する図
【図9】曲がり癖防止部材のまた別の構成例を説明する図
【図10】製造時の可撓管とチューブ体との関係を説明する図
【符号の説明】
2…内視鏡
10…挿入部
13…先端硬性部
14…湾曲部
15…可撓管
21…金属パイプ
22…処置具挿通用チューブ
23…分岐パイプ
26…吸引用チューブ
Claims (2)
- アニール処理によって熱的負荷による変形を抑制された細長の可撓管と、
前記可撓管の内部に配設されるとともに前記可撓管の両端部に対して直接的または間接的に固定され、アニール処理によって熱的負荷による変形を抑制された細長の内蔵物と、
を具備したことを特徴とする内視鏡。 - 熱的負荷によって特定の方向に変形する特性を有する樹脂層を備えてなる細長の可撓管と、
前記可撓管の内部に配設されるとともに前記可撓管の両端部に対して直接的または間接的に固定され、熱的負荷によって前記方向と同方向に変形する特性を有する樹脂によりて形成された細長の内蔵物と、
を具備したことを特徴とする内視鏡。
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