JP2002065577A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

Info

Publication number
JP2002065577A
JP2002065577A JP2000257723A JP2000257723A JP2002065577A JP 2002065577 A JP2002065577 A JP 2002065577A JP 2000257723 A JP2000257723 A JP 2000257723A JP 2000257723 A JP2000257723 A JP 2000257723A JP 2002065577 A JP2002065577 A JP 2002065577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endoscope
pressure
switch
sterilization
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000257723A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002065577A5 (ja
Inventor
Tatsuya Ishizuka
達也 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP2000257723A priority Critical patent/JP2002065577A/ja
Priority to US09/931,847 priority patent/US6736772B2/en
Publication of JP2002065577A publication Critical patent/JP2002065577A/ja
Priority to US10/687,184 priority patent/US20040082835A1/en
Priority to US10/687,343 priority patent/US7097614B2/en
Publication of JP2002065577A5 publication Critical patent/JP2002065577A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B1/00Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor
    • A61B1/00064Constructional details of the endoscope body
    • A61B1/00066Proximal part of endoscope body, e.g. handles
    • A61B1/00068Valve switch arrangements
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B1/00Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor
    • A61B1/012Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor characterised by internal passages or accessories therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B1/00Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor
    • A61B1/12Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor with cooling or rinsing arrangements
    • A61B1/121Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor with cooling or rinsing arrangements provided with means for cleaning post-use
    • A61B1/125Instruments for performing medical examinations of the interior of cavities or tubes of the body by visual or photographical inspection, e.g. endoscopes; Illuminating arrangements therefor with cooling or rinsing arrangements provided with means for cleaning post-use using fluid circuits
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B90/00Instruments, implements or accessories specially adapted for surgery or diagnosis and not covered by any of the groups A61B1/00 - A61B50/00, e.g. for luxation treatment or for protecting wound edges
    • A61B90/08Accessories or related features not otherwise provided for
    • A61B2090/0813Accessories designed for easy sterilising, i.e. re-usable

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Endoscopes (AREA)
  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)に
より押圧部材が変形してもスイッチを押圧すること無
く、且つスイッチの変形を防止可能な内視鏡を実現す
る。 【解決手段】 内視鏡は、高温高圧蒸気滅菌可能なスイ
ッチ41と、このスイッチ41を水密的に覆い押圧部4
4を有する弾性変形可能で前記スイッチ41の押し込み
方向に変位可能な押圧部材42とで構成された押釦装置
24を有する。前記押釦装置24は、高温高圧蒸気滅菌
前の前記押圧部材42に設けた前記押圧部44端部の前
記スイッチ41に対する初期基準位置を、高温高圧蒸気
滅菌の負荷を受けた後での前記押圧部材42の変形によ
る前記押圧部44端部の変位量が、高温高圧蒸気滅菌前
の前記スイッチ41をオン可能とする前記押圧部44端
部と前記スイッチ41端部との距離以下となるように設
定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オートクレーブ滅
菌(高温高圧蒸気滅菌)可能な内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、医療分野においては、体腔内等に
細長な挿入部を挿入することによって体腔内の深部等を
観察したり、必要に応じて処置具を用いることにより治
療処置等を行なうことのできる内視鏡が広く用いられる
ようになっている。これら医療用内視鏡にあっては、使
用した内視鏡を確実に消毒滅菌することが必要不可欠で
ある。
【0003】最近では、医療機器類の滅菌として、煩雑
な作業を伴わず、滅菌後にすぐに使用でき、しかもラン
ニングコストの安いオートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気
滅菌)が主流になりつつある。オートクレーブ滅菌の代
表的な条件としては、米国規格協会承認、医療機器開発
協会発行の米国規格ANSI/AAMI ST37−1
992があり、この条件はプレバキュームタイプでは滅
菌行程132℃、4分、またグラビティタイプでは滅菌
行程で132℃、10分となっている。
【0004】このようなオートクレーブ滅菌の環境条件
は、内視鏡にとっては非常に過酷であり、これに耐性を
有するようなオートクレーブ滅菌可能な内視鏡を実現す
るためには、他の消毒・滅菌手段でのみ使用可能な内視
鏡と比べ、高圧対策、高温対策、蒸気対策など様々な対
策を施さなければならない。
【0005】また、従来の内視鏡はフリーズやレリーズ
等の動作を行うリモートスイッチ等の押釦装置を操作部
に設けており、例えば実開平2−58401号公報に記
載されているように押釦装置は操作部に設けられたスイ
ッチと、このスイッチを水密的に覆う押圧部材(弾性の
防水膜)と、この押圧部材上の前記スイッチに対向する
部分に前記スイッチを押圧可能な押圧部とから構成され
る押釦装置を有したものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
内視鏡は、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)の
加圧行程や乾燥行程終了後に内視鏡外部の方が内視鏡内
部よりも相対的に圧力が高いので、この内視鏡内外の圧
力差により内視鏡外部から内視鏡内部へ向かう力が加わ
る。このため、上記実開平2−58401号公報に記載
の内視鏡は、軟性の押圧部材が内視鏡の内部方向へ弾性
変形してこの押圧部材の押圧部端部がスイッチに接近
し、場合によってはスイッチを押圧してしまう虞れがあ
った。
【0007】この押圧部端部によるスイッチへの押し込
み量が大きい場合には、スイッチを構成する非常に小さ
なステムが変形する可能性があった。特に加圧行程時に
は、スイッチに力だけでなく高温の温度負荷も加わるの
で、場合によってはスイッチ自身が変形する可能性もあ
った。さらには乾燥行程終了後、長時間放置する場合な
どには、内視鏡外部から内部への力が長時間加わり続
け、ステムが永久変形してしまい、操作感触を変化させ
る虞れもあった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)によ
り押圧部材が変形してもスイッチを押圧すること無く、
且つスイッチの変形を防止可能な内視鏡を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の内視鏡は、高温高圧蒸気滅菌可能なスイッチ
と、このスイッチを水密的に覆い押圧部を有する少なく
とも一部が弾性変形可能で前記スイッチの押し込み方向
に変位可能な押圧部材とで構成された押釦装置を有し、
高温高圧蒸気滅菌における前記押圧部材に設けた前記押
圧部端部の前記スイッチに対する初期基準位置を、高温
高圧蒸気滅菌行程後の高温高圧蒸気滅菌行程における圧
力および熱的負荷による前記押圧部材の変形による前記
押圧部端部の初期基準位置に対する変位量が、前記スイ
ッチをオン可能とする前記押圧部端部と初期基準位置と
の距離以下となるように設定したことを特徴としてい
る。この構成により、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸
気滅菌)により押圧部材が変形してもスイッチを押圧す
ること無く、且つスイッチの変形を防止可能な内視鏡を
実現する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の1
実施の形態を説明する。図1ないし図3は本発明の1実
施の形態に係り、図1は本発明の1実施の形態の内視鏡
を示す全体構成図、図2は図1の内視鏡に設けられる押
釦装置を示す説明図であり、図2(a)は大気圧下の押
釦装置の断面構成図、図2(b)は同図(a)状態から
オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)の加圧行程や
乾燥行程終了後の押釦装置の断面構成図、図3は図2の
押釦装置の変形例を示す説明図であり、図3(a)は防
水膜部に押圧部の機能を持たせ、一体的に押圧部材を構
成した押釦装置の断面構成図、図3(b)は防水膜部の
内部に弾性部材を配置した押釦装置の断面構成図であ
る。
【0011】図1に示すように本発明の1実施の形態を
備えた内視鏡装置1は、図示しない撮像手段を備えた内
視鏡2と、前記内視鏡2に着脱自在に接続されてこの内
視鏡2に設けられたライトガイドに照明光を供給する光
源装置3と、前記内視鏡2と信号ケーブル4を介して接
続されて前記内視鏡2の前記撮像手段を制御すると共
に、この撮像手段から得られた信号を処理して標準的な
映像信号を出力するビデオプロセッサ5と、このビデオ
プロセッサ5からの映像信号を入力し、内視鏡画像を表
示するモニタ6から構成されている。尚、前記内視鏡2
は観察や処置に使用された後には、洗滌後に高温高圧蒸
気滅菌(以下、オートクレーブ滅菌)にて滅菌を行うこ
とが可能なように構成されている。
【0012】前記内視鏡2は可撓性を有する細長の挿入
部7と、この挿入部7の基端側に設けられた操作部8、
この操作部8の側部から延出した可撓性を有するユニバ
ーサルコード9と、このユニバーサルコード9の端部に
設けられた前記光源装置3と着脱自在に接続可能なコネ
クタ部10と、このコネクタ部10の側部に延出して前
記ビデオプロセッサ5と接続可能な前記信号ケーブル4
が着脱自在に接続可能な電気コネクタ部11とから主に
構成される。
【0013】前記挿入部7と前記操作部8との接続部に
は、この接続部の急激な曲がりを防止する弾性部材を有
する挿入部側折れ止め部材12が設けられており、同様
に前記操作部8と前記ユニバーサルコード9との接続部
には操作部側折れ止め部材13が設けられ、前記ユニバ
ーサルコード9と前記コネクタ部10との接続部にはコ
ネクタ部側折れ止め部材14が設けられている。
【0014】前記挿入部7は可撓性を有する柔軟な可撓
管部15と、この可撓管部15の先端側に設けられた前
記操作部8の操作により湾曲可能な湾曲部16と、先端
に設けられ図示しない観察光学系、照明光学系などが配
設された先端部17とから構成されている。
【0015】前記操作部8には送気操作、送水操作を操
作する送気送水操作ボタン21と、吸引操作を操作する
ための吸引操作ボタン22と、前記湾曲部16の湾曲操
作を行うための湾曲操作ノブ23と、前記ビデオプロセ
ッサ5を遠隔操作する複数のリモートスイッチとしての
押釦装置24と、前記処置具チャンネルに連通した開口
である処置具挿入口25とが設けられている。尚、前記
押釦装置24の詳細構造は、後述する。
【0016】前記先端部17には送気操作、送水操作に
よって図示しない観察光学系の観察窓に向けて洗滌液体
や気体を噴出するための図示しない送気送水ノズルと、
前記挿入部7に配設された処置具を挿通したり体腔内の
液体を吸引するための図示しない処置具チャンネルの先
端側開口である図示しない吸引口とが設けられている。
また、観察対象物に向けて開口した液体を噴出するため
の図示しない送液口とが設けられている。
【0017】前記コネクタ部10には前記光源装置3に
内蔵された図示しない気体供給源と着脱自在に接続され
る気体供給口金26と、液体供給源である送水タンク2
7と着脱自在に接続される送水タンク加圧口金28及び
液体供給口金29と、前記先端部17の前記吸引口より
吸引を行うための図示しない吸引源と接続される吸引口
金30と、前記先端部17の前記送液口より送水を行う
ための図示しない送水手段と接続される注入口金31と
が設けられている。また、前記コネクタ部10には、高
周波処置等を行った際に内視鏡に高周波漏れ電流が発生
した場合に漏れ電流を高周波処置装置に帰還させるため
のアース端子口金32が設けられている。
【0018】前記電気コネクタ部11には、前記内視鏡
2の内部と外部とを連通する図示しない後述する通気孔
66が設けられている。また、前記電気コネクタ部11
には圧力調整弁付き防水キャップ33が着脱自在に接続
可能であり、この防水キャップ33には図示しない圧力
調整弁が設けられている。
【0019】オートクレーブ滅菌の際には前記内視鏡2
を収納する滅菌用収納ケース(以下、収納ケース)34
を用いる。前記収納ケース34は、前記内視鏡2を収納
するトレイ35と、このトレイ35の蓋部材36とから
構成されている。これらトレイ35と蓋部材36には複
数の図示しない通気孔が設けられており、オートクレー
ブ滅菌時にはこの孔を通じて水蒸気が通過できるように
なっている。
【0020】前記トレイ35には、内視鏡2に対応した
図示しない規制部が形成されており、この規制部は内視
鏡2のそれぞれの部分が所定の位置に納まるようになっ
ている。また、この規制部には、可撓性を有する前記挿
入部7が収納される図示しない挿入部規制部が設けられ
ている。
【0021】上述したようにオートクレーブ滅菌の代表
的な条件としては米国規格協会承認、医療機器開発協会
発行の米国規格ANSI/AAMI ST37−199
2ではプレバキュームタイプで滅菌行程132℃で4
分、グラビティタイプで滅菌行程132℃で10分とさ
れている。
【0022】オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)
の滅菌行程時の温度条件についてはオートクレーブ滅菌
装置(高温高圧蒸気滅菌装置)の形式や滅菌行程の時間
によって異なるが、一般的には115℃から138℃程
度の範囲で設定される。滅菌装置の中には142℃程度
に設定可能なものもある。時間条件については滅菌行程
の温度条件によって異なるが、一般的には3分〜60分
程度に設定される。滅菌装置の種類によっては100分
程度に設定可能なものもある。この行程での滅菌室内の
圧力は一般的には大気圧に対して+0.2MPa程度に
設定される。
【0023】一般的なプレバキュームタイプの高温高圧
蒸気滅菌行程には滅菌対象機器を収容した滅菌室内を滅
菌行程の前に減圧状態にするプレバキューム行程と、こ
の後に滅菌室内に高圧高温蒸気を送り込んで滅菌を行う
滅菌行程が含まれている。プレバキューム行程は、後の
滅菌行程時に滅菌対象機器の細部にまで蒸気を浸透させ
るための行程であり、滅菌室内を減圧させることによっ
て滅菌対象機器全体に高圧高温蒸気が行き渡るようにな
る。プレバキューム行程における滅菌室内の圧力は一般
的には大気圧に対して−0.07MPa〜−0.09M
Pa程度に設定される。
【0024】滅菌後の滅菌対象機器を乾燥させるために
滅菌行程後に滅菌室内を再度減圧状態にする乾燥行程が
含まれているものがある。この行程では滅菌室内を減圧
して滅菌室内から蒸気を排除して滅菌室内の滅菌対象機
器の乾燥を促進する。この行程における滅菌室内の圧力
は一般的には大気圧に対して−0.07〜−0.09M
Pa程度に設定される。
【0025】前記内視鏡2をオートクレーブ滅菌する際
には、前記圧力調整弁付き防水キャップ33を前記電気
コネクタ部11に取り付けた状態で行う。この状態では
前記防水キャップ33の図示しない圧力調整弁は閉じて
おり、前記通気孔が前記防水キャップ33にて塞がれ
て、前記内視鏡2の内部は外部と水密的に密閉される。
【0026】プレバキューム行程を有する滅菌方法の場
合には、プレバキューム行程において滅菌室内の圧力が
減少して内視鏡2の内部より外部の方が圧力が低くなる
ような圧力差が生じると前記圧力調整弁が開き、前記通
気孔を介して内視鏡2の内部と外部が連通して内視鏡2
の内部と滅菌室内の圧力に大きな圧力差が生じるのを防
ぐ。このことにより内視鏡2は内部と外部の圧力差によ
って破損することがない。
【0027】滅菌行程においては滅菌室内が加圧され内
視鏡2の内部より外部の方が圧力が高くなるような圧力
差が生じると前記圧力調整弁が閉じる。このことにより
高圧高温の蒸気は前記防水キャップ33と前記通気孔を
介しては内視鏡2の内部には積極的には浸入しない。
【0028】しかし、高温高圧蒸気は高分子材料で形成
された前記可撓管の外皮や内視鏡2の外装体の接続部に
設けられたシール手段であるフッ素ゴムやシリコンゴム
等から形成されたOリング等から内部に徐々に侵入す
る。尚、内視鏡2の外装体にはプレバキューム行程で減
圧された圧力と滅菌行程での加圧された圧力とが加算さ
れた外部から内部に向けた圧力が生じた状態となる。
【0029】滅菌行程後に減圧行程を含む方法の場合に
は、減圧行程において滅菌室の圧力が減少して内視鏡2
の内部より外部の方が圧力が低くなるような圧力差が発
生するのとほぼ同時に前記圧力調整弁が開き、前記通気
孔を介して内視鏡2の内部と外部が連通して内視鏡2の
内部と滅菌室内の圧力に大きな圧力差が生じるのを防
ぐ。このことにより内視鏡2は内部と外部の圧力差によ
って破損することがない。次に、内部と外部との圧力が
等しくなると、前記圧力調整弁が閉じる。減圧行程が終
わると、滅菌室内は大気圧となる。
【0030】上述したようにオートクレーブ滅菌(高温
高圧蒸気滅菌)の全ての行程が終了すると、前記内視鏡
2の外装体には前記減圧行程で減圧された分外部から内
部に向けた圧力が生じた状態となる。
【0031】前記防水キャップ33を電気コネクタ部1
1から取り出すと前記通気孔により前記内視鏡2の内部
と外部とが連通して前記内視鏡2の内部は大気圧とな
り、前記内視鏡2の外装体に生じていた圧力による負荷
がなくなるようになっている。そして、上述したように
オートクレーブ滅菌後、内視鏡2は内視鏡検査に使用で
きるようになっている。
【0032】次に図2及び図3を用いてこのようなオー
トクレーブ滅菌可能な内視鏡2に設けられる前記押釦装
置24の詳細構造を説明する。図2に示すように前記押
釦装置24は、高温高圧蒸気滅菌可能なスイッチ41
と、このスイッチ41を水密的に覆い後述する押圧部を
有し、前記スイッチ41を動作させるために弾性変形可
能で前記スイッチ41に対して変位可能な押圧部材42
とで主に構成される。
【0033】前記押圧部材42は、操作部外装体8aに
液密に固定され、操作者が直接触れる弾性変形可能な防
水膜部43と、この防水膜部43に一体で前記スイッチ
41に対向する部分に前記スイッチ41を押圧可能な押
圧部44とから構成される。
【0034】前記スイッチ41には図示しないステムが
内蔵されており、ステムの変形によりスイッチのON/
OFFが切り替わる。ステムは変形を容易にするため
に、薄い金属材料や一部樹脂材料により形成されたもの
などが用いられる。前記防水膜部43は、軟質のゴム材
料により成形されている。また、前記押圧部44は、金
属材料や樹脂材料など硬質材料より成形されている。
【0035】尚、前記防水膜部43の形状を工夫して、
この防水膜部43に前記押圧部44の機能を持たせ、図
3(a)に示す押釦装置24bのように前記押圧部44
自体を省略し、一体的に押圧部材42を構成しても構わ
ない。また、押釦装置24では押圧部材42の弾性力を
防水膜部43のゴム硬度により持たせているが、図3
(b)の押釦装置24cのように防水膜部43の内部に
ばね45のような弾性部材を配置することにより、この
弾性力を持たせても良い。
【0036】図2(a)に示すように大気圧環境下にお
ける前記押圧部44端部の位置を初期基準位置とし、こ
の初期基準位置と前記スイッチ41端部との距離をXsp
とする。図2(a)においては、Xspが正の距離、即ち
隙間を有しているが、Xspが零であっても構わない。
尚、Xspが零であるとは、押圧部44端部とスイッチ4
1端部とが接している場合か、もしくは押圧部44がス
イッチ41を付勢している場合である。また、スイッチ
41自身はXswだけ移動可能である(スイッチ41のス
トローク:Xsw)。
【0037】図2(b)に示すようにオートクレーブ滅
菌の加圧行程や乾燥行程終了後は、内視鏡2の外部の方
が内部よりも相対的に圧力が高いため、この内視鏡内外
の圧力差により内視鏡2の外部から内部へ向かう力が加
わっている。このため、軟性の防水膜部43は内視鏡2
の内部方向へ弾性変形をする。これに伴い、押圧部44
端部はXacだけ移動する(押圧部44端部の初期基準位
置に対する変位量:Xac)。
【0038】ここで、Xac>Xspのようにオートクレー
ブ滅菌前の押圧部44端部の位置を設定しておくと、オ
ートクレーブ滅菌行程における圧力により加圧行程や乾
燥行程終了後に押圧部44がスイッチ41を付勢したま
まの状態となり、特に加圧行程においては圧力負荷と高
温の熱的負荷という二重の負荷によりスイッチ41に内
蔵される図示しないステムが永久変形をして、内視鏡検
査時にスイッチの操作性が悪化したり、導通不良を生じ
る可能性がある。乾燥行程終了後も、通常のスイッチ操
作と比較すると長時間の間押圧部44がスイッチ41を
付勢することになり、やはり通常のスイッチ操作と比較
して過酷な状態にスイッチ41がおかれるためにスイッ
チ41に内蔵される図示しないステムが永久変形する可
能性がある。
【0039】また、押圧部材42に使用する樹脂材料の
種類によっては、加圧行程における圧力と高温の熱的負
荷により、押圧部材42自身が永久変形をしてしまい、
これに伴いオートクレーブ滅菌行程後も押圧部44がス
イッチ41を付勢したままの状態となってしまう可能性
がある。
【0040】以上のことを考慮して本実施の形態では、
大気圧環境下における初期基準位置とスイッチ41端部
との距離:Xspを以下の関係の如く設定する。 Xac≦Xsp・・・(1) Xac:押圧部端部の初期基準位置に対する変位量 Xsp:押圧部端部の初期基準位置とスイッチ端部との距
離 このようにオートクレーブ滅菌前の押圧部44の位置を
設定することで、オートクレーブ滅菌行程における圧力
により、加圧行程や乾燥行程終了後に押圧部44がスイ
ッチ41を付勢することが無くなる。
【0041】尚、押圧部材42の初期基準位置に対する
変位量:Xacは、加圧行程や乾燥行程終了後の圧力のみ
により移動する量であり、内視鏡2を使用する者が防水
膜部43を押し込めば、押圧部44はXsp+Xsw(Xs
w:スイッチ41のストローク)だけ移動可能であり、
スイッチ41をXswだけ押し込み、正常なスイッチ操作
が可能である。
【0042】また、内視鏡2には図示しない圧力調整弁
が設けられている。この圧力調整弁は、内視鏡2の外部
より内部の圧力が高い場合にのみ弁が開き、内視鏡2の
内部より外部の圧力が高い場合には弁が閉じ、内視鏡2
の内部と外部を液密状態にしている。
【0043】オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)
開始前の初期状態では、内視鏡2の外部も内部も圧力は
ほぼ大気圧(Paと略す)に等しいので、内視鏡2に設
けられた弁は閉じたままの状態である。内視鏡2の外部
と内部とに圧力差が生じていないので内視鏡2の外部か
ら内部へ向かう力は働かないため、防水膜部43も変形
しない。
【0044】次に、プレバキューム行程を考える。プレ
バキューム行程では、オートクレーブ滅菌装置(高温高
圧蒸気滅菌装置)の内部が陰圧状態(このときの圧力を
−Pv1と記す)になり、内視鏡2の外部と内部とに圧力
差が生じる。この圧力差により圧力調整弁が開き、内視
鏡2の内部圧力が調整される。プレバキューム行程の終
了時には、内視鏡2の外部と内部とに圧力差はなくな
り、内視鏡2の外部と内部は、ほぼ均一な陰圧状態(圧
力は−Pv1)となる。この状態でも内視鏡2の外部と内
部とに圧力差が生じていないため、内視鏡2の外部から
内部へ向かう力は働かないため、防水膜部43も変形し
ない。
【0045】次に滅菌行程時を考える。滅菌行程ではオ
ートクレーブ滅菌装置の内部が加圧状態(このときの圧
力はPac)になり、内視鏡2の外部(圧力はPac)と内
部(圧力は−Pv1)に圧力差が生じる。ここで生じる圧
力差は内視鏡2の外部から内部へと向かう力であるため
圧力調整弁は閉じたままとなる。このような状態では押
釦装置24の防水膜部43にも、この圧力差(Pac−
(−Pv1))による力が加わるので図2(b)に示すよ
うに変形し、押圧部材42は初期基準位置に対しXacだ
け変位する。このような状態でも押圧部材42がスイッ
チ41を付勢しないように、初期基準位置とスイッチ4
1との距離:Xspを関係式(1)の如く設定する。
【0046】さらに乾燥行程時を考える。乾燥行程では
再びオートクレーブ滅菌装置内部が陰圧状態(このとき
の圧力を−Pv2と記す)になる。このとき内視鏡2の内
部圧力も陰圧状態であり、その圧力はおよそ−Pv1であ
る。
【0047】ここで、Pv1とPv2の絶対値の大きさにつ
いて説明する。Pv1はプレバキューム行程終了時の内視
鏡2の内部圧力であるが、この絶対値は乾燥行程時まで
には若干量減少する。これは、内視鏡2の図示しないシ
ール部(Oリング等)が理想的な絶対気密を保持するも
のでないため圧力損失が生じるためである。さらにPv2
はオートクレーブ滅菌装置によって強制的に陰圧状態に
なるので、Pv1とPv2の絶対値の大きさは |Pv1|<|Pv2| P・・・(2) である。
【0048】以上より内視鏡2の外部も内部も陰圧状態
ではあるが、その圧力の絶対値の差により圧力調整弁は
開き圧力が調整される。乾燥行程の終了時には内視鏡2
の外部と内部とに圧力差はなくなり、内視鏡2の外部と
内部とはほぼ均一な陰圧状態(このときの圧力を−Pav
gと記す)となる。この状態でも内視鏡2の外部と内部
とに圧力差が生じていないため、内視鏡2の外部から内
部へ向かう力は働かないため、防水膜部43も変形しな
い。
【0049】乾燥行程が終了すると、オートクレーブ滅
菌装置内部は大気圧:Paに開放される。このとき内視
鏡2の内部は陰圧状態(圧力は−Pavg)のままであ
り、内視鏡2の外部と内部とに圧力差が生じる。ここで
圧力差が生じるが、この圧力差は内視鏡2の外部から内
部へと向かう力であるため圧力調整弁は閉じたままであ
る。このような状態では、防水膜部43にもこの圧力差
(Pa−(−Pavg))による力が加わり図2(b)のよ
うに変形するが、この時点の圧力差は滅菌行程時の圧力
差よりも小さいので、押圧部材42の初期基準位置に対
する変位量はXacよりも少ない。この状態では、押圧部
材42はスイッチ41を付勢することはない。
【0050】一般に、内視鏡2を使用する施設において
内視鏡2がオートクレーブ滅菌装置に投入されるのは、
一日の内視鏡検査が終了した後ということが多々ある。
このような場合、オートクレーブ滅菌行程を開始させる
のは使用後すぐに行うが、オートクレーブ滅菌行程が終
了して内視鏡2をオートクレーブ滅菌装置から取り出す
のは翌日の朝であるということも多々ある。よって、乾
燥行程終了後の状態は長ければ一晩続くことになり、内
視鏡2の内部圧力は陰圧状態のままとなり、当然長けれ
ば一晩防水膜部43にも圧力が加わり続ける。
【0051】一般的なオートクレーブ滅菌装置において
は防水膜部43に加わる圧力は、大気圧に対して、加圧
行程時には: Pac−(−Pv1)≒ +0.27〜+0.29[MPa]・・・(3) 乾燥行程終了時には: Pa−(−Pavg)≒ +0.07〜+0.09[MPa]・・・(4) である。
【0052】よって、例えば、0.3[MPa]の負荷
が防水膜部43に加わり押圧部材42が移動した際に
も、押圧部材42がスイッチ41を付勢しないようにX
sp(初期基準位置とスイッチ41との距離)や防水膜部
43のゴム硬度を設定しておけば良い。尚、操作者が指
で防水膜部43を押した際には、きちんとスイッチ41
を付勢するように、Xspと防水膜部43のゴム硬度を設
定するようになっている。
【0053】このように構成した押釦装置24を設けた
内視鏡2は、以下に記載する効果を得る。オートクレー
ブ滅菌行程後に押圧部材42がスイッチ41の方向に変
位し、防水膜部43が永久変形したとしても押圧部材4
2がスイッチ41を付勢することがないので、スイッチ
41がオンの状態のままになることがない。
【0054】また、オートクレーブ滅菌行程後に押圧部
材42がスイッチ41を付勢することがないので、オー
トクレーブ滅菌行程後に長時間放置された場合にもスイ
ッチ41に内蔵されるステムが永久変形したりして、導
通不良や操作感触を悪化させたりすることがない。
【0055】更に、オートクレーブ滅菌装置の加圧行程
においても押圧部材42がスイッチ41を付勢すること
がないような場合には、加圧行程における圧力と高温の
熱的負荷によりスイッチ41が破損することがない。ま
た、乾燥行程を有するオートクレーブ滅菌装置を使用す
る場合でも、加圧行程と減圧行程の圧力差によっても押
圧部材42がスイッチ41を付勢することがないように
初期基準位置を設定することにより、スイッチ41が破
損することがない。
【0056】尚、加圧行程や乾燥行程終了後に押圧部材
42がスイッチ41を付勢しても、その付勢によりスイ
ッチ41に内蔵されるステムが永久変形したり破損した
りしない範囲であれば押圧部材42がスイッチ41を付
勢しても良いように、オートクレーブ滅菌前の初期基準
位置とスイッチ41との距離:Xspと防水膜部43のゴ
ム硬度を設定しても良い。
【0057】即ち、加圧行程や乾燥行程終了後に押圧部
材42がスイッチ41を付勢しても、スイッチ41に内
蔵されるステムが永久変形しないという条件下で、 Xsp<Xac<Xsp+Xsw・・・(5) Xsp:押圧部端部の初期基準位置とスイッチ端部との距
離 Xac:押圧部端部の初期基準位置に対する変位量 Xsw:スイッチのストローク の構成とする。
【0058】ここで、例えばスイッチ41に内蔵される
ステムは押し込み量:Scr[mm]だけ付勢された状態で
は永久変形しない構造である場合を説明する。一般的な
オートクレーブ滅菌装置においては、防水膜部43に加
わる圧力は大気圧に対して、上記した関係式(3)及び
(4)で説明したように表される。
【0059】即ち、大気圧に対して、0.29[MP
a]の負荷が防水膜部43に加わり押圧部材42が変位
した際に、押圧部材42がスイッチ41をScr[mm]よ
りも短い移動量分だけ付勢したとする。このように、例
えば0.29[MPa]の負荷が防水膜部43に加わっ
た際にもスイッチ41に内蔵されるステムが永久変形し
ない範囲であれば、加圧行程や乾燥行程終了後に押圧部
材42がスイッチ41を付勢しても良い。
【0060】このような構成となるように、オートクレ
ーブ滅菌前の初期基準位置とスイッチ41との距離:X
spと防水膜部43のゴム硬度を設定する。尚、操作者が
指で防水膜部43を押した際には、きちんとスイッチ4
1を付勢するように、オートクレーブ滅菌前の初期基準
位置とスイッチ41との距離:Xspと防水膜部43のゴ
ム硬度を設定する。
【0061】これにより、オートクレーブ滅菌装置の加
圧行程や乾燥行程終了後に、内視鏡内外の圧力差によっ
て内視鏡2の外部から内部へ向かう力が加わり、押圧部
材42はスイッチ41の方に移動し、スイッチ41を付
勢するが、その付勢量はスイッチ41に内蔵されるステ
ムを永久変形させるような量ではない。この結果、操作
者が指で防水膜部43を押す際に短い距離だけ押し込め
ば良いので操作性が良い。
【0062】尚、本実施の形態ではオートクレーブ滅菌
装置内が陰圧状態になるプレバキューム行程や乾燥行程
のある場合を考えたが、プレバキューム行程や乾燥行程
を省略したタイプのオートクレーブ滅菌装置もある。こ
のようなオートクレーブ滅菌装置を使用する場合には、
内視鏡2の内部圧力よりも外部圧力の方が低くなること
はないので、必ずしも内視鏡2に圧力調整弁を設ける必
要はなく、内視鏡2を水密状態にしてオートクレーブ滅
菌装置に投入すれば良い。
【0063】また、滅菌行程時にオートクレーブ滅菌装
置の内部が加圧状態(このときの圧力はPac)になり、
内視鏡2の外部(圧力はPac)と内部(圧力はPa)と
に圧力差が生じ、防水膜部43にもこの圧力差(Pac−
Pa)による力が加わるが、この場合には圧力差:Pac
−Paに応じたオートクレーブ滅菌前における初期基準
位置とスイッチ41との距離:Xspを設定すると良い。
【0064】即ち、プレバキューム行程や乾燥行程を省
略したタイプのオートクレーブ滅菌装置においては、防
水膜部43に加わる圧力は、大気圧に対して、加圧行程
時には: Pac−Pa ≒ +0.2 [MPa]・・・(6) 加圧行程終了時には: Pa ≒ 0 [MPa]・・・(7) である。
【0065】よって、プレバキューム行程や乾燥行程を
省略したタイプのオートクレーブ滅菌装置を使用する場
合には、0.2[MPa]の負荷が防水膜部43に加わ
り押圧部材42が変位した際にも、押圧部材42がスイ
ッチ41を付勢しないようにオートクレーブ滅菌前にお
ける初期基準位置とスイッチ41の距離:Xspと防水膜
部43のゴム硬度を設定すると良い。尚、操作者が指で
防水膜部43を押した際にはきちんとスイッチ41を付
勢するように、初期基準位置とスイッチ41との距離:
Xspと防水膜部43のゴム硬度を設定する。
【0066】また、スイッチ41自体にオン状態になる
までのストローク:Xsw1がある場合には、大気圧状態
における初期基準位置とスイッチ41との距離:Xspは
零でも良い。即ち、スイッチ41自体は物理的にXswだ
け変位可能だが、実際にスイッチがオン状態になるには
Xsw1だけスイッチ41を押し込む必要がある。
【0067】このような場合には、大気圧環境下におけ
る初期基準位置とスイッチ41端部との距離:XspをX
sw1も考慮して以下の関係式の如く設定すれば良い。 Xac−Xsw1≦Xsp・・・(8) 尚、スイッチ41自体にオン状態になるまでのストロー
ク:Xsw1がある場合には、オートクレーブ滅菌前の状
態においても、押圧部材42がスイッチ41をXsw1よ
り小さい量だけ付勢している構成としても良い。
【0068】また、本発明は、上記した実施の形態のよ
うにオートクレーブ滅菌行程中に押圧部材42が全くス
イッチ41を付勢しない場合や、またはオートクレーブ
滅菌行程中に押圧部材42はスイッチ41を付勢するが
その付勢量はスイッチ41を破損にいたらしめるもので
はない場合、のいずれの場合でもよく、要はオートクレ
ーブ滅菌行程の全ての行程が終了して内視鏡2が検査可
能な状態になる時点において、押圧部材42がスイッチ
41をオンの状態にしていないように、オートクレーブ
滅菌前の初期基準位置とスイッチ41との距離:Xspと
防水膜部43のゴム硬度を設定すれば良い。
【0069】元々、オートクレーブ滅菌行程中のいずれ
の行程でも押圧部材42がスイッチ41を付勢しないよ
うに、オートクレーブ滅菌前の初期基準位置とスイッチ
41との距離:Xspと防水膜部43のゴム硬度を設定す
れば確実ではあるが、内視鏡検査時に操作者がスイッチ
41を操作する際の力量が重くなり、操作者に負担を与
えるので、本発明の範囲内で適当な関係を設定すれば良
い。
【0070】更に本発明では、減圧行程時に内視鏡2の
外部から内部に加わる圧力:0.07〜0.09[MP
a]でも押圧部材42がスイッチ41を付勢しないよう
に、オートクレーブ滅菌前の初期基準位置とスイッチ4
1との距離:Xspと防水膜部43のゴム硬度を設定すれ
ば良い。このように設定をしておけば、オートクレーブ
滅菌行程終了後に長時間、押圧部材42がスイッチ41
の方へ変位しても、押圧部材42がスイッチ41を付勢
しないので、スイッチ41が長時間付勢されて壊れたり
することがない。更に、押圧部材42が変位した状態で
冷却されて押圧部材42が変形してしまったとしても、
スイッチ41を押圧しない。
【0071】尚、本発明は、上記した実施の形態にのみ
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0072】ところで、従来の内視鏡は、挿入部7内の
内蔵物として送気送水管路、処置具挿通管路等に用いら
れる細長の樹脂チューブを内蔵している。このような内
視鏡をオートクレーブ滅菌装置に投入してオートクレー
ブ滅菌を行うと、内視鏡内部が密閉されているため、加
圧行程の圧力により樹脂チューブが外径方向に膨張し、
内視鏡に内蔵される他の全ての内蔵物を圧迫してしまう
虞れがあった。このように内蔵物が圧迫されると、例え
ばライトガイドに用いられる照明光伝送用繊維束などは
途中で折れてしまうといった問題が生じる。
【0073】そこで、オートクレーブ滅菌の加圧行程で
樹脂チューブが膨張したとしても、少なくともオートク
レーブ滅菌行程後には樹脂チューブが他の内蔵物を圧迫
しないような内視鏡の提供が望まれていた。また、加圧
行程時の圧力により可撓管の内径が収縮したとしても、
少なくともオートクレーブ滅菌行程後には樹脂チューブ
が他の内蔵物を圧迫しないような内視鏡の提供が望まれ
ていた。更に、加圧行程時点においても、樹脂チューブ
が他の内蔵物を圧迫しないような内視鏡の提供が望まれ
ていた。
【0074】図4を参照してこのような可撓管に内蔵さ
れる樹脂チューブの構成例を説明する。尚、ユニバーサ
ルコードも同様の構成である。以下は可撓管に内蔵され
る樹脂チューブについてのみ構成を説明する。図4は樹
脂チューブの構成例にかかる内視鏡挿入部の可撓管部の
説明図であり、図4(a)は内視鏡をオートクレーブ滅
菌装置に投入する前(初期状態)の状態を示す可撓管部
の断面図、図4(b)は同図(a)の状態から内視鏡を
オートクレーブ滅菌装置に投入し、滅菌行程や乾燥行程
終了後のような内視鏡の外部圧力の方が内部圧力よりも
相対的に高い状態を示す可撓管部の断面図である。尚、
図4(b)中の一点鎖線は初期状態の樹脂チューブ55
を示している。また、ユニバーサルコード9も同様の構
成である。
【0075】図4(a)に示すように可撓管部15は最
内層より、薄い帯状の金属帯片を螺旋状に巻回した螺旋
管51と、この螺旋管51の外周を被覆するステンレス
線材等の金属細線でネット状に編み込んで形成した網状
管52と、この網状管52の外側を被覆した樹脂製の外
皮53とで構成される。尚、図4中では螺旋管51は1
つしか描かれていないが、機能的に螺旋管51を2重や
3重に構成しても良い。前記外皮53は、例えばエステ
ル系熱可塑性エラストマや、アミド系熱可塑性エラスト
マ、スチレン系樹脂、フッ素系ゴム、シリコンゴム等の
樹脂材料にて形成される。
【0076】前記可撓管部15の内部には、送気や送水
を行うための送気送水管路や、吸引をも行える処置具挿
通管路など、複数の管路が設けられており、これら管路
は通常PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等を素
材とする樹脂材料により成形された樹脂チューブ55で
構成されている。尚、図4中には4つの樹脂チューブ5
5を示しているが、これら樹脂チューブ55の数は任意
であり、4つ以下であっても4つ以上であっても良い。
また、図4中には図示していないが、内視鏡2の挿入部
7先端部に内蔵される撮像装置の信号情報を伝達する信
号線や、先端に設けられた照明レンズまで照明光を伝達
するライトガイド等の照明光伝達用繊維束や、操作部で
の湾曲操作を伝えるための金属ワイヤ等が前記可撓管部
15の内部には内蔵されている。
【0077】図4(a)に示すように内視鏡2をオート
クレーブ滅菌装置に投入する前(初期状態)の可撓管部
15内部の状態は、各々の樹脂チューブ55間や、これ
ら樹脂チューブ55と螺旋管51の内周との間に隙間が
形成されている。
【0078】この状態から内視鏡2をオートクレーブ滅
菌装置に投入しオートクレーブ滅菌を行うと、滅菌行程
や乾燥行程終了後において、内視鏡内外の圧力差が生
じ、内視鏡2の外部から内部へ向かう力が生じる。従っ
て、前記樹脂チューブ55の少なくとも一方は内視鏡2
の外部空間と連通しているため、樹脂チューブ55には
中心から外径方向へと働く力が加わる。この力により各
々の樹脂チューブ55は外径方向に膨張する。
【0079】尚、滅菌行程や乾燥行程終了後において各
々の樹脂チューブ55は外径方向に膨張しているが、こ
の各々の樹脂チューブ55の膨張は内視鏡2の外部と内
部との圧力差により生じたものであるので、通常は乾燥
行程終了後に内視鏡2を大気圧環境に取り出し、圧力調
整弁を強制的に開放すれば、膨張した各々の樹脂チュー
ブ55は元の外径寸法に戻る。しかしながら、従来の内
視鏡では、滅菌行程において各々の樹脂チューブ55は
高温環境に置かれたまま膨張しているので、乾燥行程終
了後に内視鏡を大気圧環境に取り出し圧力調整弁を強制
的に開放しても、元の外径寸法よりは若干膨張した外径
寸法となる場合もある。
【0080】本実施例では、滅菌行程や乾燥行程終了後
においても各々の樹脂チューブ55間や、樹脂チューブ
55と螺旋管51の内周との間には隙間が形成されるよ
うに構成する。
【0081】即ち、図4(b)に示すように滅菌行程や
乾燥行程終了後においても各々の樹脂チューブ55間
や、樹脂チューブ55と螺旋管51の内周との間に隙間
が形成されるように、初期状態での各々の樹脂チューブ
55間や、樹脂チューブ55と螺旋管51の内周との間
の隙間を設定する。
【0082】この隙間量を設定するに当たっては、樹脂
チューブ55が滅菌行程や乾燥行程終了後に外径方向に
どれだけ膨張するかを定量的に知っておくことが必要で
あり、これは樹脂チューブ55単体に滅菌行程や乾燥行
程終了後と同じ圧力差を加えて実験を行うことにより求
めることができる。
【0083】一般的なオートクレーブ滅菌装置において
は、内視鏡2の外部から内部方向へ加わる圧力は大気圧
に対して、 加圧行程時には : +0.27〜+0.29[MPa]・・・(9) 乾燥行程終了時には : +0.07〜+0.09[MPa]・・・(10) であるので圧力が大きい方のみを考慮しておけばよく、
例えば樹脂チューブ55単体に内径方向から外径方向へ
向かう+0.3[MPa]の圧力を加え、そのときの膨
張量を測定しておけば良い。この膨張量を考慮して、滅
菌行程や乾燥行程終了後においても隙間が形成されるよ
うに初期の隙間を設定すれば良い。
【0084】尚、オートクレーブ滅菌装置の中にはプレ
バキューム行程や乾燥行程を省略したタイプのものもあ
るが、このような装置では内視鏡2の外部から内部方向
へ加わる圧力は大気圧に対して、 加圧行程時には :+0.2[MPa] 加圧行程終了時には : 0[MPa] であるので圧力が大きい方のみを考慮しておけばよく、
例えば樹脂チューブ55単体に内径方向から外径方向へ
向かう+0.2[MPa]の圧力を加え、その時の膨張
量を測定して、その膨張量を考慮し初期の隙間を設定す
れば良い。また、通常はあらゆるオートクレーブ滅菌装
置に対して内視鏡2を使用可能とするため、+0.3
[MPa]の圧力で試験を行っておき、その際の膨張量
を考慮して初期隙間を設定しておくと良い。
【0085】これにより、滅菌行程や乾燥行程終了後で
も、各々の樹脂チューブ55間や、樹脂チューブ55と
螺旋管51の内周との間には隙間が形成されるので、各
々の樹脂チューブ55は可撓管部15が曲げられた際に
可撓管部15内で長手方向に自由に移動することがで
き、樹脂チューブ55の端部の樹脂チューブ固定部など
に負荷が加わったりすることがない。また、樹脂チュー
ブ55の膨張により他の内蔵物を圧迫することがない。
【0086】この結果、滅菌行程や乾燥行程終了後でも
樹脂チューブ55の端部の樹脂チューブ固定部に負荷が
加わったりすることがないので、端部が破損し水漏れ等
の不具合の発生率が減少する。また、他の内蔵物を圧迫
することがないので、他の内蔵物を破損させることがな
い。
【0087】上述した実施例では、滅菌行程や乾燥行程
終了後の樹脂チューブ55の膨張量を考慮して初期状態
の隙間設定を行った。ここで、可撓管部15の中には滅
菌行程や乾燥行程終了後にその内径が収縮するものもあ
る。よって滅菌行程や乾燥行程終了後の樹脂チューブ5
5の膨張量と共に、可撓管部15の滅菌行程や乾燥行程
終了後の内径収縮量をも考慮して初期状態の設定を行
う。
【0088】初期状態の隙間量の設定を行うに当たって
は、滅菌行程や乾燥行程終了後の樹脂チューブ55の外
径方向への膨張量が必要であると同時に、滅菌行程や乾
燥行程終了後の可撓管部15の内径方向への収縮量も必
要である。これは、上述した実施例で滅菌行程や乾燥行
程終了後の樹脂チューブ55の外径方向への膨張量を実
験で求めるのと同様に、可撓管部15単体に滅菌行程や
乾燥行程終了後と同じ圧力差を加えて実験を行うことに
より求めることができる。
【0089】一般的なオートクレーブ滅菌装置において
は、内視鏡2の外部から内部方向へ加わる圧力は大気圧
に対して、上記した関係式(9)及び(10)で説明し
たように表される。
【0090】このため、圧力が大きい方のみを考慮して
おけばよく、例えば可撓管部15単体に外径方向から内
径方向へ向かう+0.3[MPa]の圧力を加え、その
ときの収縮量を測定しておけば良い。この収縮量を考慮
して、滅菌行程や乾燥行程終了後においても内蔵物との
間に隙間が形成されるように初期の隙間を設定すれば良
い。尚、プレバキューム行程や乾燥行程を省略したタイ
プのものもあるが、このような場合も前述した樹脂チュ
ーブ55単体の場合と同様である。
【0091】また、上述した実施例では、滅菌行程や乾
燥行程終了後においても各々の樹脂チューブ55間や、
樹脂チューブ55と螺旋管51の内周との間に隙間が形
成されるように、初期状態での各々の樹脂チューブ55
間や、樹脂チューブ55と螺旋管51の内周との間の隙
間を設定する構成とした。
【0092】しかしながら、乾燥行程終了後においては
各々の樹脂チューブ55間や、樹脂チューブ55と螺旋
管51の内周との間に隙間が形成される必要がある、滅
菌行程においては他の内蔵物を破損にいたらしめない範
囲であれば必ずしも隙間が形成されなくても良い。従っ
て、滅菌行程においては例えば樹脂チューブ55や他の
内蔵物自身が圧迫により破損しない範囲であればわずか
に変形しても良いが、乾燥行程終了後においては必ず各
々の樹脂チューブ55間や、樹脂チューブ55と螺旋管
51の内周との間に隙間が形成されるように初期状態で
の各々の樹脂チューブ55間や、樹脂チューブ55と螺
旋管51の内周との間の隙間を設定しても良い。
【0093】一般的なオートクレーブ滅菌装置において
は、内視鏡2の外部から内部方向へ加わる圧力は大気圧
に対して、上記した関係式(9)及び(10)で説明し
たように表される。このため、圧力が大きい方のみを考
慮しておけばよく、例えば可撓管部15単体に外径方向
から内径方向へ向かう+0.3[MPa]の圧力を加え
た時の樹脂チューブ55の膨張量や可撓管部15の収縮
量を予め知っておくのと同時に、樹脂チューブ55や他
の内蔵物がどの程度の変形量で破損に至るのかを事前に
実験により確認しておき、これらを考慮して初期の隙間
を設定すれば良い。
【0094】これは、乾燥行程終了後に内視鏡2は運搬
されたりするので、各々の樹脂チューブ55間や、樹脂
チューブ55と螺旋管51の内周との間に隙間がない
と、挿入部7が運搬中に曲げられた際などには各々の内
蔵物が相対的に移動することができずに破損したりする
が、滅菌行程中には内視鏡2は動かされることはないの
で、他の内蔵物を圧迫しなければ多少変形して隙間がな
い状態であっても良い。
【0095】これによりオートクレーブ滅菌装置の滅菌
行程においては樹脂チューブ55は膨張して、各々の樹
脂チューブ55間や、樹脂チューブ55と螺旋管51の
内周との間には隙間がなくなるが、乾燥行程終了後には
各々の樹脂チューブ55間や、樹脂チューブ55と螺旋
管51の内周との間には隙間が形成されている。
【0096】この結果、滅菌行程中は隙間が形成されな
いが、乾燥行程終了後に内視鏡内部が圧力調整弁の作用
により最高−0.09[MPa]の陰圧状態に保たれ
て、樹脂チューブ55が膨張し可撓管部15が収縮して
いる場合でも、各々の樹脂チューブ55間や、樹脂チュ
ーブ55と螺旋管51の内周との間には隙間が形成され
ているので、運搬時など内視鏡2を取り扱う際に内視鏡
2が破損しない。
【0097】ところで、従来の内視鏡は、例えば軟性の
折れ止め部材である挿入部側折れ止め部材12が内視鏡
外面である可撓管部15外周に液密に被嵌されているの
で、大気圧環境においては挿入部側折れ止め部材12と
可撓管部15との嵌合部から内視鏡の内部に液体が侵入
しない構成となっている。このような内視鏡をオートク
レーブ滅菌装置に投入してオートクレーブ滅菌を行う
と、加圧行程の圧力により挿入部側折れ止め部材12と
可撓管部15との嵌合部やさらには内視鏡の内部に水蒸
気が侵入してしまう。
【0098】一方、乾燥行程においてはオートクレーブ
滅菌装置の内部は減圧行程により陰圧状態となるが、挿
入部側折れ止め部材12と可撓管部15との嵌合部が液
密のままであると、加圧行程にて可撓管部15の嵌合部
や内視鏡内部に侵入した水蒸気は、挿入部側折れ止め部
材12の嵌合部や内視鏡内部に停滞してしまう虞れがあ
る。特に挿入部側折れ止め部材12の嵌合部に水蒸気が
停滞すると、挿入部側折れ止め部材12の嵌合部に使用
されている金属部品が錆びてしまう虞れが生じる。
【0099】そこで、オートクレーブ滅菌装置の乾燥行
程の際に折れ止め部材のような弾性部材と内視鏡外面と
の間の液密状態を解放し、弾性部材と内視鏡外面との嵌
合部の錆の発生を防止するような内視鏡の提供が望まれ
ていた。
【0100】図5を参照してこのような挿入部側折れ止
め部材の構成例を説明する。尚、操作部折れ止め部材1
3やコネクタ側折れ止め部材14も同様の構成である。
以下は挿入部側折れ止め部材12についてのみ構成を説
明する。図5は挿入部側折れ止め部材の構成例にかかる
内視鏡操作部の説明図であり、図5(a)は大気圧環境
下における内視鏡操作部の状態を示す断面図、図5
(b)は同図(a)の状態から内視鏡をオートクレーブ
滅菌装置に投入し、内視鏡の外部圧力の方が内部圧力よ
りも低くなる行程での内視鏡操作部の状態を示す断面図
である。尚、操作部折れ止め部材13やコネクタ側折れ
止め部材14も同様の構成である。以下は挿入部側折れ
止め部材12についてのみ構成を説明する。
【0101】図5(a)に示すように少なくとも大気圧
環境において内視鏡2のシール部60の部分は可撓管部
15の外周に液密に被嵌されており、このシール部60
より操作部8側の挿入部側折れ止め部材12と可撓管部
15の外周との間には、空間61が形成されている。前
記シール部60の部分は可撓管部15の外周に液密に被
嵌されているので、少なくとも大気圧環境においては内
視鏡2の外部から内部へ液体が侵入することはない。
【0102】そして、接続管62とインサート部材63
とは可撓管部15と挿入部側折れ止め部材12を機械的
に固定するためのものであり、前記接続管62は可撓管
部15の外皮53に接着剤等により固定され、一方、イ
ンサート部材63は挿入部側折れ止め部材12に接着剤
等により固定されるか、もしくは、挿入部側折れ止め部
材12を成形する際に、インサート成形されるものであ
る。
【0103】これら接続管62とインサート部材63と
は互いを固定するためにネジ部が設けられているため、
一般的には金属材料により構成される。前記インサート
部材63は操作部8とも組み合わさり、インサート部材
63と操作部8との間にはOリング64のようなシール
部材を設けることが一般的である。
【0104】尚、内視鏡2を洗滌する行程において内視
鏡2が図示しない洗滌用桶に満たされた洗滌液中もしく
は水中に浸漬される場合には、この洗滌液もしくは水に
よる圧力が内視鏡2の外部から内部へ向けて働くが、こ
の圧力は非常に微小であり、図5(a)とほぼ等しい状
態と考えても構わない。
【0105】次に図5(b)に示すように内視鏡2の外
部圧力の方が内部圧力よりも低い状態で、挿入部側折れ
止め部材12に設けられたシール部60が可撓管部15
の外周から離間した状態であり、内視鏡2の外部圧力の
方が内部圧力よりも低い環境では、内視鏡2の内部から
外部へ向かう力が働く。この内視鏡2の内部から外部へ
向かう力は、オートクレーブ滅菌行程の乾燥行程におけ
る圧力であり、内視鏡2の内部から外部へは+0.07
〜±0.09[MPa]の圧力が働く。図4で説明した
ようにこの内視鏡2の内部から外部ヘ向かう力よりも小
さな力、例えば内視鏡2の内部から外部へ向かう+0.
05[MPa]の圧力が作用した際にシール部60が可
撓管部15の外周から離間するように、挿入部側折れ止
め部材12のシール部60の内径や肉厚や材質を設定す
る。シール部60の材質としては、シリコンゴムのよう
な樹脂材料が広く用いられている。
【0106】このように構成した内視鏡2をオートクレ
ーブ滅菌装置に投入してオートクレーブ滅菌を行うと、
滅菌行程では高温高圧蒸気環境下に内視鏡2が置かれる
ので、シール部60や挿入部側折れ止め部材12自身を
浸透して、空間61に蒸気が侵入してしまうことがあ
る。しかし、乾燥行程でオートクレーブ滅菌装置内が陰
圧状態になった際に挿入部側折れ止め部材12のシール
部60が可撓管部15の外周から離間するので、空間6
1に侵入した蒸気は、効果的に内視鏡2の外部へ排出さ
れる。
【0107】この結果、オートクレーブ滅菌行程中の乾
燥行程において、空間61に侵入した蒸気が外部へ効果
的に排出されるので、金属材料により構成された接続管
62やインサート部材63の錆の発生を防止することが
できる。
【0108】上述した実施例では、オートクレーブ滅菌
行程中の乾燥行程における陰圧により、挿入部側折れ止
め部材12のシール部60が可撓管部15の外周から離
間するように、挿入部側折れ止め部材12のシール部6
0の内径や肉厚材質を設定した。
【0109】しかしながら、オートクレーブ滅菌装置の
中には、プレバキューム行程や乾燥行程といった、オー
トクレーブ滅菌装置内が陰圧状態になる行程を省略した
タイプの装置も存在する。このような装置に内視鏡2を
投入して、オートクレーブ滅菌を行った場合には、滅菌
行程において空間61に侵入した蒸気は排出されること
がなく、金属材料により構成された接続管62やインサ
ート部材63に錆が発生してしまう。
【0110】そこで、乾燥行程がないタイプのオートク
レーブ滅菌装置にて内視鏡2を滅菌する際にも、空間6
1に侵入した蒸気を排出できるように構成する。
【0111】例えば内視鏡2の内部から外部へ向かう+
0.05[MPa]の圧力が作用した際に挿入部側折れ
止め部材12のシール部60が可撓管部15の外周から
離間するように、挿入部側折れ止め部材12のシール部
60の内径や肉厚や材質を設定する。
【0112】乾燥行程がないタイプのオートクレーブ滅
菌装置を用いるので、オートクレーブ滅菌行程終了時に
は、空間61には蒸気が侵入したままの状態である。こ
のような内視鏡2を、例えば0.1[MPa]以上の吸
引が可能な吸引器に接続された圧力容器内に配置し、圧
力容器内を大気圧に対して−0.1[MPa]の陰圧状
態にする。
【0113】そして、シール部60は、例えば内視鏡2
の内部から外部へ向かう+0.05[MPa]の圧力が
作用した際に可撓管部15の外周から離間するように設
定してあるので、この陰圧状態の圧力であればシール部
60は可撓管部15の外周から離間する。
【0114】このように構成した内視鏡2をオートクレ
ーブ滅菌装置に投入してオートクレーブ滅菌を行うと、
滅菌行程では高温高圧蒸気環境下に内視鏡2が置かれる
ので、シール部60や挿入部側折れ止め部材12自身を
浸透して、空間61に蒸気が侵入してしまうことがあ
る。乾燥行程を省略したタイプのオートクレーブ滅菌装
置では、オートクレーブ滅菌行程が終了した時点では空
間61に蒸気が侵入したままである。しかしその後に、
所定の陰圧状態に設定した圧力容器内に内視鏡2を設置
することにより、シール部60が可撓管部15の外周か
ら離間し、滅菌行程時に空間61に侵入した蒸気を内視
鏡2の外部へ排出することができる。
【0115】尚、挿入部側折れ止め部材12が可撓管部
15の外周に液密に被嵌する場合を示したが、本発明は
必ずしも挿入部側折れ止め部材12と可撓管部15との
外周の組み合わせに対して適応しなければならない訳で
はなく、シール部を有する弾性部材と内視鏡外面との組
み合わせであれば、挿入部側折れ止め部材12と可撓管
部15の外周の組み合わせでなくても良い。
【0116】また、本実施例では少なくとも大気圧にお
いて弾性部材が内視鏡外面に液密に被嵌された場合を示
したが、液密ではなく単に弾性部材が内視鏡外面に被嵌
しているような部位でも、その密着具合によっては一部
液密になるようなシール部を有している弾性部材であれ
ば良い。要はオートクレーブ滅菌装置の滅菌行程時に弾
性部材と内視鏡外面の隙間に侵入した蒸気を、内視鏡2
の内面側から外面側へ向かう所定の圧力下に内視鏡2を
置いた際に、弾性部材が外面から離間するような構成と
すれば良い。即ち、シール部60が内視鏡2の外面から
離間するような構成とすれば良い。
【0117】ところで、照明光伝達用繊維束であるライ
トガイドや照明レンズ系は、照明光により発熱し劣化し
てしまう。これらライトガイドや照明レンズ系の劣化が
進行すると、照明光の伝達効率が下がってしまう虞れが
生じる。そこで、ライトガイドや照明レンズ系の、照明
光による発熱が原因での劣化を防止可能な内視鏡装置の
提供が望まれていた。
【0118】図6を参照してこのような内視鏡装置の構
成例を説明する。図6はライトガイドや照明レンズ系の
劣化を防止可能な内視鏡装置の構成例にかかる全体構成
図である。
【0119】図6に示すように内視鏡装置100は、図
示しない撮像手段を備えた内視鏡101と、前記内視鏡
101に着脱自在に接続されてこの内視鏡101に設け
られたライトガイド102に照明光を供給する光源装置
103と、前記内視鏡101と信号ケーブル104を介
して接続されて前記内視鏡101の前記撮像手段を制御
すると共に、この撮像手段から得られた信号を処理して
標準的な映像信号を出力するビデオプロセッサ105
と、このビデオプロセッサ105からの映像信号を入力
し、内視鏡画像を表示するモニタ106から構成されて
いる。前記挿入部107の先端部107aには、前記ラ
イトガイド102及びこのライトガイド102からの照
明光により被写体を照明する照明レンズ系108を有し
ている。
【0120】本実施例では、この挿入部先端部107に
熱電対等の温度センサ110を設け、この温度センサ1
10により検知した温度情報をビデオプロセッサ105
で検出し、検出した温度が所定の許容範囲を超えそうな
場合には、ビデオプロセッサ105から前記モニタ10
6に自動的に警告表示を行うと共に、ビデオプロセッサ
105から光源装置103に対して光量を自動的に下げ
るような構成としている。
【0121】前記モニタ106に表示される警告表示
は、例えば温度が30℃を越えた場合には『注意!』、
温度が35℃を越えた場合には『警告!』、温度が40
℃を越えた場合には『光量を自動的に下げています。』
等である。
【0122】尚、図6中では検出した温度を40℃と表
示しているが、これは常に表示していなくとも良い。ま
た、この温度表示を例えば、〜30℃では青色、30℃
〜35℃では緑色、35℃〜では赤色等の表示色で表し
ても良い。
【0123】このように構成した内視鏡装置100を用
いて内視鏡検査を行う。温度が許容範囲を超えそうな場
合には、ビデオプロセッサ105から光源装置103に
対して光量を自動的に下げるような信号が送信され、光
量が自動的に下がる。そして、モニタ上に『光量を自動
的に下げています。』などの表示がされる。これによ
り、ライトガイド102や照明レンズ系108の劣化を
防止することが可能となる。
【0124】[付記] (付記項1) 高温高圧蒸気滅菌可能なスイッチと、こ
のスイッチを水密的に覆い押圧部を有する少なくとも一
部が弾性変形可能で前記スイッチの押し込み方向に変位
可能な押圧部材とで構成された押釦装置を有し、高温高
圧蒸気滅菌における前記押圧部材に設けた前記押圧部端
部の前記スイッチに対する初期基準位置を、高温高圧蒸
気滅菌行程後の高温高圧蒸気滅菌行程における圧力およ
び熱的負荷による前記押圧部材の変形による前記押圧部
端部の初期基準位置に対する変位量が、前記スイッチを
オン可能とする前記押圧部端部と初期基準位置との距離
以下となるように設定したことを特徴とする内視鏡。
【0125】(付記項2) 高温高圧蒸気滅菌行程のう
ち少なくとも滅菌装置内が加圧される加圧行程の圧力に
おいて、前記押圧部材に設けた前記押圧部が前記スイッ
チを押圧しないように高温高圧蒸気滅菌前の前記押圧部
端部と前記スイッチとの距離を設定したことを特徴とす
る付記項1に記載の内視鏡。
【0126】(付記項3) 高温高圧蒸気滅菌行程のう
ち少なくとも滅菌装置内が減圧となる減圧行程の圧力に
おいて、前記押圧部材に設けた前記押圧部が前記スイッ
チを押圧しないように高温高圧蒸気滅菌前の前記押圧部
端部と前記スイッチとの距離を設定したことを特徴とす
る付記項1に記載の内視鏡。
【0127】(付記項4) 高温高圧蒸気滅菌の減圧行
程と加圧行程との間の圧力差によって、前記押圧部材に
設けた前記押圧部が前記スイッチを押圧しないように高
温高圧蒸気滅菌前の前記押圧部端部と前記スイッチとの
距離を設定したことを特徴とする付記項1に記載の内視
鏡。
【0128】(付記項5) 内視鏡外部の圧力が内部よ
りも低い場合には内視鏡内部と外部とを連通させ、内視
鏡外部の圧力が内部よりも高い場合には内視鏡内部を密
閉する連通手段を設けたことを特徴とする付記項1に記
載の内視鏡。
【0129】(付記項6) 高温高圧蒸気滅菌の加圧行
程時の圧力もしくは熱による負荷を受けて外径方向に膨
張する外径寸法を有する少なくとも1つの細長な樹脂チ
ューブを内蔵する高温高圧蒸気滅菌可能な内視鏡におい
て、少なくとも高温高圧蒸気滅菌の負荷を受けた後に他
の全ての内蔵物との間で隙間が形成されるように、高温
高圧蒸気滅菌前の前記樹脂チューブを前記可撓管内に配
置したことを特徴とする内視鏡。
【0130】(付記項7) 高温高圧蒸気滅菌の加圧行
程時の圧力もしくは熱による負荷を受けて内径方向に収
縮する内径寸法を有する可撓管に、高温高圧蒸気滅菌の
加圧行程時に負荷を受けて外径方向に膨張する外径寸法
を有する少なくとも1つの細長な樹脂チューブを内蔵す
る高温高圧蒸気滅菌可能な内視鏡において、少なくとも
高温高圧蒸気滅菌の負荷を受けた後に他の全ての内蔵物
との間で隙間が形成されるように、高温高圧蒸気滅菌前
の前記樹脂チューブを前記可撓管内に配置したことを特
徴とする内視鏡。
【0131】(付記項8) 少なくとも高温高圧蒸気滅
菌の加圧行程時に他の全ての内蔵物との間で隙間が形成
されるように、高温高圧蒸気滅菌前の前記樹脂チューブ
を前記可撓管内に配置したことを特徴とする付記項6又
は7に記載の内視鏡。
【0132】(付記項9) 大気圧において少なくとも
1部が内視鏡外面に液密に被嵌される弾性部材を有する
高温高圧蒸気滅菌可能な内視鏡において、前記弾性部材
の少なくとも1部にこの弾性部材の内面側から外面側へ
向かう所定の圧力以上で前記内視鏡外面から離間するシ
ール部を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0133】(付記項10) 前記所定の圧力は、高温
高圧蒸気滅菌の減圧行程時での圧力であることを特徴と
する付記項9に記載の内視鏡。
【0134】[付記の目的] (付記項1〜付記項5)付記項1〜付記項5の目的は、
オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)により押圧部
材が変形してもスイッチを押圧すること無く、且つスイ
ッチの変形を防止可能な内視鏡を提供することである。
【0135】(付記項6〜付記項8)付記項6の目的
は、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)の加圧時
に負荷を受けて外径方向に膨張する外径寸法を有する樹
脂チューブを挿入部に内蔵していても、少なくとも高温
高圧蒸気滅菌行程後には樹脂チューブが他の全ての内蔵
物を圧迫しないような内視鏡を提供することである。付
記項7の目的は、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅
菌)の加圧時に負荷を受けて内径方向に膨張する内径寸
法を有する挿入部に、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸
気滅菌)の加圧時に負荷を受けて外径方向に膨張する外
径寸法を有する樹脂チューブを内蔵していても、少なく
とも高温高圧蒸気滅菌行程後には樹脂チューブが他の全
ての内蔵物を圧迫しないような内視鏡を提供することで
ある。付記項8の目的は、上記付記項6又は付記項7の
目的に加え、さらに加圧行程時においても、樹脂チュー
ブが他の内蔵物を圧迫しないような内視鏡を提供するこ
とである。
【0136】(付記項9〜付記項10)付記項9及び1
0の目的は、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)
の乾燥行程の際に折れ止め部材のような弾性部材と内視
鏡外面との間の液密状態を解放し、弾性部材と内視鏡外
面との嵌合部に錆の発生を防止するような内視鏡を提供
することである。
【0137】[付記の作用] (付記項1〜付記項5)付記1〜付記5に関わる作用を
以下に記載する。オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅
菌)行程のうち、オートクレーブ滅菌装置(高温高圧蒸
気滅菌装)内が加圧状態になっている滅菌行程と、乾燥
行程が終了した後の放置時には、内視鏡内部よりも内視
鏡外部の方が相対的に圧力が高い状態になっている。こ
の圧力差により、軟性の押圧部材はスイッチを押し込む
方向に変形する。
【0138】付記項1では、初期基準位置を設定したの
で、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)行程後の
押圧部端部の位置は、スイッチがオンの状態となるよう
な位置までは変位しない。付記項2では、オートクレー
ブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)行程後に内視鏡内部が長時
間減圧状態になっていても押圧部材がスイッチを押圧し
ないので、スイッチが長時間押されっぱなしになること
がない。さらに、押圧部材が変形した状態で冷却される
ことにより押圧部材の変形が残ってもスイッチを押圧し
ない。付記項3では、オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸
気滅菌)の加圧行程の高温・高圧により押圧部材が変形
してもスイッチを押圧しない。付記項4では、オートク
レーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)の加圧行程と減圧行程
の圧力差により押圧部材が変形しても、押圧部材がスイ
ッチを押圧しない。付記項5では、オートクレーブ滅菌
(高温高圧蒸気滅菌)のプレバキューム行程を有するオ
ートクレーブ滅菌装置(高温高圧蒸気滅菌装置)におい
ても、オートクレーブ滅菌装置内が減圧状態の場合には
内視鏡内部が開放され、オートクレーブ滅菌装置内が加
圧状態の場合には内視鏡内部が密閉される。
【0139】(付記項6〜付記項8)付記6〜付記8に
関わる作用を以下に記載する。オートクレーブ滅菌(高
温高圧蒸気滅菌)の加圧行程時により、挿入部の可撓管
や湾曲部に内蔵される樹脂チューブが外径方向に膨張す
ることがある。
【0140】付記項6では、オートクレーブ滅菌(高温
高圧蒸気滅菌)の加圧行程における膨張量を考慮して少
なくともオートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)行程
後に隙間が形成されるように初期(オートクレーブ滅菌
前)の可撓管や湾曲部内に樹脂チューブを配置している
ので、オートクレーブ滅菌の加圧行程で樹脂チューブが
膨張しても、少なくともオートクレーブ滅菌行程後には
各内蔵物の間には隙間が形成される。付記項7では、オ
ートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)前にオートクレ
ーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)の加圧行程での可撓管内
径の収縮量をも考慮しているので、オートクレーブ滅菌
(高温高圧蒸気滅菌)の加圧行程で樹脂チューブが膨張
し可撓管内径が収縮しても少なくともオートクレーブ滅
菌(高温高圧蒸気滅菌)行程後には各内蔵物の間には隙
間が形成される。付記項8では、更にオートクレーブ滅
菌(高温高圧蒸気滅菌)の加圧行程時でも各内蔵物の間
に隙間が形成される。
【0141】(付記項9〜付記項10)付記9及び10
に関わる作用を以下に記載する。大気圧においては、弾
性部材のシール部は内視鏡外面に液密に被嵌されてい
る。このような弾性部材を備えた内視鏡をオートクレー
ブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)すると、オートクレーブ滅
菌(高温高圧蒸気滅菌)の加圧行程により弾性部材のシ
ール部と内視鏡外面の嵌合部へ水蒸気が侵入してくるこ
とがある。しかし、乾燥行程ではオートクレーブ滅菌装
置(高温高圧蒸気滅菌装)内が強制的に陰圧状態に置か
れるので、弾性部材のシール部は内視鏡外面から離間
し、液密の状態でなくなる。このため、加圧行程圧力に
より嵌合部へ侵入した水蒸気は、乾燥行程では排出され
る。乾燥行程がないオートクレーブ滅菌装置(高温高圧
蒸気滅菌装)を使用する場合には、陰圧状態の圧力容器
内に内視鏡を置くことにより、上記と同様に水蒸気が内
視鏡から排出される。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、オ
ートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)により押圧部材
が変形してもスイッチを押圧すること無く、且つスイッ
チの変形を防止可能な内視鏡を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態の内視鏡を示す全体構成
【図2】図1の内視鏡に設けられる押釦装置を示す説明
図であり、図2(a)は大気圧下の押釦装置の断面構成
図、図2(b)は同図(a)状態からオートクレーブ滅
菌(高温高圧蒸気滅菌)の加圧行程や乾燥行程終了後の
押釦装置の断面構成図
【図3】図2の押釦装置の変形例を示す説明図であり、
図3(a)は防水膜部に押圧部の機能を持たせ、一体的
に押圧部材を構成した押釦装置の断面構成図、図3
(b)は防水膜部の内部に弾性部材を配置した押釦装置
の断面構成図
【図4】樹脂チューブの構成例にかかる内視鏡挿入部の
可撓管部の説明図であり、図4(a)は内視鏡をオート
クレーブ滅菌装置に投入する前(初期状態)の状態を示
す可撓管部の断面図、図4(b)は同図(a)の状態か
ら内視鏡をオートクレーブ滅菌装置に投入し、滅菌行程
や乾燥行程終了後のような内視鏡の外部圧力の方が内部
圧力よりも相対的に高い状態を示す可撓管部の断面図
【図5】挿入部側折れ止め部材の構成例にかかる内視鏡
操作部の説明図であり、図5(a)は大気圧環境下にお
ける内視鏡操作部の状態を示す断面図、図5(b)は同
図(a)の状態から内視鏡をオートクレーブ滅菌装置に
投入し、内視鏡の外部圧力の方が内部圧力よりも低くな
る行程での内視鏡操作部の状態を示す断面図
【図6】ライトガイドや照明レンズ系の劣化を防止可能
な内視鏡装置の構成例にかかる全体構成図
【符号の説明】
1 …内視鏡装置 2 …内視鏡 7 …挿入部 8 …操作部 8a …操作部外装体 24 …押釦装置 41 …スイッチ 42 …押圧部材 43 …防水膜部 44 …押圧部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月25日(2000.9.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】ここで、Pv1とPv2の絶対値の大きさにつ
いて説明する。Pv1はプレバキューム行程終了時の内視
鏡2の内部圧力であるが、この絶対値は乾燥行程時まで
には若干量減少する。これは、内視鏡2の図示しないシ
ール部(Oリング等)が理想的な絶対気密を保持するも
のでないため圧力損失が生じるためである。さらにPv2
はオートクレーブ滅菌装置によって強制的に陰圧状態に
なるので、Pv1とPv2の絶対値の大きさは|Pv1|<|Pv2|・・・(2) である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正内容】
【0105】次に図5(b)に示すように内視鏡2の外
部圧力の方が内部圧力よりも低い状態で、挿入部側折れ
止め部材12に設けられたシール部60が可撓管部15
の外周から離間した状態であり、内視鏡2の外部圧力の
方が内部圧力よりも低い環境では、内視鏡2の内部から
外部へ向かう力が働く。この内視鏡2の内部から外部へ
向かう力は、オートクレーブ滅菌行程の乾燥行程におけ
る圧力であり、内視鏡2の内部から外部へは+0.07
〜+0.09[MPa]の圧力が働く。図4で説明した
ようにこの内視鏡2の内部から外部ヘ向かう力よりも小
さな力、例えば内視鏡2の内部から外部へ向かう+0.
05[MPa]の圧力が作用した際にシール部60が可
撓管部15の外周から離間するように、挿入部側折れ止
め部材12のシール部60の内径や肉厚や材質を設定す
る。シール部60の材質としては、シリコンゴムのよう
な樹脂材料が広く用いられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正内容】
【0129】(付記項6) 高温高圧蒸気滅菌の加圧行
程時の圧力もしくは熱による負荷を受けて外径方向に膨
張する外径寸法を有する少なくとも1つの細長な樹脂チ
ューブを内蔵する高温高圧蒸気滅菌可能な内視鏡におい
て、少なくとも高温高圧蒸気滅菌の負荷を受けた後に他
の全ての内蔵物との間で隙間が形成されるように、前記
樹脂チューブを前記可撓管内に配置したことを特徴とす
る内視鏡。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温高圧蒸気滅菌可能なスイッチと、こ
    のスイッチを水密的に覆い押圧部を有する少なくとも一
    部が弾性変形可能で前記スイッチの押し込み方向に変位
    可能な押圧部材とで構成された押釦装置を有し、 高温高圧蒸気滅菌における前記押圧部材に設けた前記押
    圧部端部の前記スイッチに対する初期基準位置を、高温
    高圧蒸気滅菌行程後の高温高圧蒸気滅菌行程における圧
    力および熱的負荷による前記押圧部材の変形による前記
    押圧部端部の初期基準位置に対する変位量が、前記スイ
    ッチをオン可能とする前記押圧部端部と初期基準位置と
    の距離以下となるように設定したことを特徴とする内視
    鏡。
JP2000257723A 2000-08-28 2000-08-28 内視鏡 Pending JP2002065577A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000257723A JP2002065577A (ja) 2000-08-28 2000-08-28 内視鏡
US09/931,847 US6736772B2 (en) 2000-08-28 2001-08-17 Endoscope suitable for autoclaving
US10/687,184 US20040082835A1 (en) 2000-08-28 2003-10-16 Endoscope suitable for autoclaving
US10/687,343 US7097614B2 (en) 2000-08-28 2003-10-16 Endoscope suitable for autoclaving

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000257723A JP2002065577A (ja) 2000-08-28 2000-08-28 内視鏡

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007192341A Division JP4590436B2 (ja) 2007-07-24 2007-07-24 内視鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002065577A true JP2002065577A (ja) 2002-03-05
JP2002065577A5 JP2002065577A5 (ja) 2007-08-09

Family

ID=18746145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000257723A Pending JP2002065577A (ja) 2000-08-28 2000-08-28 内視鏡

Country Status (2)

Country Link
US (3) US6736772B2 (ja)
JP (1) JP2002065577A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007117583A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Pentax Corp 内視鏡システム
AU2004257531B2 (en) * 2003-07-22 2007-11-08 Olympus Corporation High temperature and high pressure steam sterilization method for endoscope, and endoscope
JP2007306951A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Pentax Corp 電子内視鏡の遠隔操作釦
JP2008073182A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Pentax Corp 内視鏡、内視鏡管理システムおよび内視鏡管理方法
JP2008080112A (ja) * 2006-08-30 2008-04-10 Karl Storz Endovision Inc 温度に基づいた光源制御を備えた内視鏡デバイス
CN100441137C (zh) * 2004-01-21 2008-12-10 奥林巴斯株式会社 内窥镜系统以及过滤单元
JP2009000384A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Olympus Medical Systems Corp 医療装置
JP2011000263A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Hoya Corp 医療機器用スイッチ機構
JP2011529348A (ja) * 2008-03-20 2011-12-08 マタゾフ セルゲイ 単一経路の内視鏡チューブを有する内視鏡及び圧力源と経路を接続する使い捨てセット
CN114233892A (zh) * 2022-02-24 2022-03-25 杭州莱恩瑟特医疗技术有限公司 气液切换阀和内窥镜

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6955644B2 (en) * 2003-03-06 2005-10-18 Precision Optics Corporation Autoclavable endoscope
JP3938760B2 (ja) * 2003-05-12 2007-06-27 オリンパス株式会社 流体制御入力手段
JP3850394B2 (ja) * 2003-07-24 2006-11-29 オリンパス株式会社 内視鏡システム
WO2008024290A2 (en) * 2006-08-19 2008-02-28 Fritsch Michael H Devices and methods for in-vivo pathology diagnosis
US8556807B2 (en) 2006-12-21 2013-10-15 Intuitive Surgical Operations, Inc. Hermetically sealed distal sensor endoscope
US8814779B2 (en) 2006-12-21 2014-08-26 Intuitive Surgical Operations, Inc. Stereoscopic endoscope
WO2009111740A2 (en) 2008-03-07 2009-09-11 Milwaukee Electric Tool Corporation Visual inspection device
DE102010022430A1 (de) * 2010-06-01 2011-12-01 Karl Storz Gmbh & Co. Kg Sichtfeldvorrichtung für ein Endoskop
EP2732753A4 (en) * 2012-04-11 2015-09-30 Olympus Medical Systems Corp SWITCH COVER, SWITCH DEVICE AND ENDOSCOPE
CN105828687B (zh) 2013-12-13 2019-07-16 奥林巴斯株式会社 孔内导入装置用的操作部和孔内导入装置
CN105828685B (zh) * 2013-12-13 2018-08-03 奥林巴斯株式会社 孔内导入装置用的操作部以及孔内导入装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0550442U (ja) * 1991-12-05 1993-07-02 富士写真光機株式会社 水中カメラの操作ボタン構造
JP2000107120A (ja) * 1998-08-07 2000-04-18 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3911241A (en) * 1972-12-15 1975-10-07 Neomed Inc Switching device for electro-surgical instruments
US4021630A (en) * 1975-04-25 1977-05-03 Neomed Incorporated Hermetically sealed resilient contact switch having surgical applications
JPH0115361Y2 (ja) * 1979-02-10 1989-05-09
JPS56102228A (en) * 1980-01-17 1981-08-15 Olympus Optical Co Endoscope
US4681093A (en) * 1982-12-13 1987-07-21 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Endoscope
JP2602212B2 (ja) * 1985-09-30 1997-04-23 オリンパス光学工業株式会社 マルチルーメンチユーブ内視鏡
US4799474A (en) * 1986-03-13 1989-01-24 Olympus Optical Co., Ltd. Medical tube to be inserted in body cavity
US5527336A (en) * 1986-12-09 1996-06-18 Boston Scientific Corporation Flow obstruction treatment method
US4782819A (en) * 1987-02-25 1988-11-08 Adair Edwin Lloyd Optical catheter
JPH0258401A (ja) 1988-08-24 1990-02-27 Mitsubishi Electric Corp フェリ磁性体薄膜フィルタ
DE69024880T2 (de) * 1989-07-31 1996-07-25 Machida Endoscope Co Ltd Biegeeinrichtung
US5658238A (en) * 1992-02-25 1997-08-19 Olympus Optical Co., Ltd. Endoscope apparatus capable of being switched to a mode in which a curvature operating lever is returned and to a mode in which the curvature operating lever is not returned
US5876331A (en) * 1996-11-12 1999-03-02 Johnson & Johnson Medical, Inc. Endoscope with improved flexible insertion tube
US6007482A (en) * 1996-12-20 1999-12-28 Madni; Asad M. Endoscope with stretchable flexible sheath covering
WO1999061068A1 (en) * 1998-05-29 1999-12-02 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Anti-prostate cancer vaccines, and methods of making, using and evaluating the same
EP0978251B1 (en) * 1998-08-07 2005-01-26 Olympus Corporation Endoscope capable of being autoclaved
DE19941320B4 (de) * 1998-09-01 2005-07-21 Olympus Optical Co., Ltd. Zur Autoklavensterilisation geeignetes Endoskop
JP3579615B2 (ja) * 1999-05-07 2004-10-20 富士写真光機株式会社 変倍機能を有する内視鏡
US6608270B2 (en) * 2000-10-20 2003-08-19 Ethicon Endo-Surgery, Inc. Flexible switch members for hand activation handpiece switches
US6659941B2 (en) * 2001-06-19 2003-12-09 Mallinckrodt, Inc. Balloon assisted endoscope for viewing a fetus during delivery

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0550442U (ja) * 1991-12-05 1993-07-02 富士写真光機株式会社 水中カメラの操作ボタン構造
JP2000107120A (ja) * 1998-08-07 2000-04-18 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2004257531B2 (en) * 2003-07-22 2007-11-08 Olympus Corporation High temperature and high pressure steam sterilization method for endoscope, and endoscope
US7399273B2 (en) 2003-07-22 2008-07-15 Olympus Corporation Method for high-temperature high-pressure steam sterilization treatment of endoscope and endoscope
CN100441137C (zh) * 2004-01-21 2008-12-10 奥林巴斯株式会社 内窥镜系统以及过滤单元
JP2007117583A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Pentax Corp 内視鏡システム
JP2007306951A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Pentax Corp 電子内視鏡の遠隔操作釦
JP2008080112A (ja) * 2006-08-30 2008-04-10 Karl Storz Endovision Inc 温度に基づいた光源制御を備えた内視鏡デバイス
JP2008073182A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Pentax Corp 内視鏡、内視鏡管理システムおよび内視鏡管理方法
JP2009000384A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Olympus Medical Systems Corp 医療装置
JP2011529348A (ja) * 2008-03-20 2011-12-08 マタゾフ セルゲイ 単一経路の内視鏡チューブを有する内視鏡及び圧力源と経路を接続する使い捨てセット
JP2011000263A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Hoya Corp 医療機器用スイッチ機構
CN114233892A (zh) * 2022-02-24 2022-03-25 杭州莱恩瑟特医疗技术有限公司 气液切换阀和内窥镜
WO2023160303A1 (zh) * 2022-02-24 2023-08-31 杭州莱恩瑟特医疗技术有限公司 气液切换阀和内窥镜
TWI821113B (zh) * 2022-02-24 2023-11-01 大陸商杭州萊恩瑟特醫療技術有限公司 氣液切換閥和內窺鏡

Also Published As

Publication number Publication date
US20040082835A1 (en) 2004-04-29
US7097614B2 (en) 2006-08-29
US20020072653A1 (en) 2002-06-13
US20040242964A1 (en) 2004-12-02
US6736772B2 (en) 2004-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002065577A (ja) 内視鏡
US20040111010A1 (en) Flexible tube of endoscope and endoscope
JP2002017657A (ja) 内視鏡
JP2002034891A (ja) 内視鏡
KR20040071708A (ko) 의료 기기용 고압 증기 멸균 시스템과 멸균 장치와 멸균방법
JP2006255107A (ja) 内視鏡
US7285253B2 (en) Vessel for high-temperature high-pressure steam sterilization
JP4418096B2 (ja) 内視鏡
JP4733863B2 (ja) 内視鏡
JP2002017658A (ja) 内視鏡
US6565506B2 (en) Endoscope
JP4147200B2 (ja) 内視鏡
JP4590436B2 (ja) 内視鏡
US8708893B2 (en) Structural unit, endoscope, and adhering method
JP3825960B2 (ja) 内視鏡
US20050065403A1 (en) Endoscope for sterilizing built-in elongated channel with high-temperature and high-pressure vapor
JP4418460B2 (ja) 内視鏡
JP2005253790A (ja) オートクレーブ滅菌処理方法及びこの処理方法を適用するオートクレーブ滅菌装置
JP2010099181A (ja) 医療機器用スイッチ
JP5419425B2 (ja) 内視鏡装置
JP2006142036A (ja) 内視鏡装置
JP2006130323A (ja) 内視鏡装置
JP2003225194A (ja) 内視鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070618

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100330