JP2006130323A - 内視鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧蒸気滅菌を行った場合において、医療機器としての内視鏡の内部部品が湿気によって劣化するなどの不具合を抑止し得る構成を備えた内視鏡を含む内視鏡装置を提供する。
【解決手段】内視鏡2を構成するケーシングに接続されると共に内視鏡の内部に導かれ内視鏡の内外を連通する連通路を備えたチューブ52と、連通路を介して内視鏡の内部を換気する換気手段50とを具備してなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、内視鏡装置、詳しくは軟性の外装部材を持つ医療機器としての内視鏡を含むシステムとしての内視鏡装置において、内部部品の劣化等の不具合を生じさせずに高圧蒸気滅菌を行なうことができるように構成した内視鏡装置に関するものである。
近年、挿入部を体腔内等に挿入することによって体腔内の深部等を観察したり、必要に応じて処置具を用いることにより治療処置等を行なうことのできる内視鏡を含むシステムとしての内視鏡装置が医療分野において広く用いられるようになっている。このような医療機器としての内視鏡装置における内視鏡の場合には、使用した内視鏡を確実に消毒滅菌することが感染症等を防止するために必要不可欠である。
従来の消毒滅菌処理は、エチレンオキサイド等のガスや消毒液に頼っていたが、煩雑な作業が要求される。また、この消毒滅菌処理は、滅菌後に機器に付着したガスを取り除くためのエアレーションに時間がかかるため、滅菌後すぐに使用できないという不都合がある。さらに、この消毒滅菌処理は、ランニングコストが高いという問題がある。
そこで、最近の滅菌処理では、上記のような煩雑な作業を伴わず、滅菌後、すぐに使用でき、しかもランニングコストの安いオートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)が医療機器では主流になりつつある。
このオートクレーブ滅菌の代表的な条件としては、米国規格協会承認、医療機器開発協会発行の米国規格ANSI/AAMI ST37−1992があり、この条件としてはプレバキュームタイプで滅菌工程132℃、4分、またグラビティタイプで滅菌工程132℃、10分になっている。オートクレーブ滅菌の温度としては、一般的に115℃〜140℃の間で設定されることが多い。
一般的なプレバキュームタイプのオートクレーブ滅菌工程には、滅菌対象の医療機器を収容した滅菌室内を滅菌前に減圧(陰圧)するプレバキューム工程と、その後に、滅菌室内に高圧高温水蒸気を送り込んで滅菌処理を行う滅菌工程と、滅菌処理後、内視鏡を乾燥させるために滅菌室内を再度減圧する乾燥工程とが含まれている。
プレバキューム工程は、その後に行われる滅菌工程の際に医療機器の細部にまで蒸気を浸透させるための工程であり、滅菌室内を減圧することによって収容された医療機器全体に高圧高温蒸気が行き渡るようになる。尚、このプレバキューム工程は、エチレンオキサイドガスを使用するガス滅菌においても採用されている。
プレバキューム工程及び乾燥工程における滅菌室内の圧力は、大気圧に対して−0.07MPa程度である。一方、滅菌工程時の圧力は、大気圧に対して+0.2MPa程度に設定される場合が多い。
一般に、挿入部に柔軟性を有する内視鏡や湾曲部を有する湾曲付き内視鏡の場合は、柔軟性を有する挿入部や湾曲部の外装部材として、ゴム、エラストマー等の柔軟な高分子材料を素材とする外皮チューブが使用されている。また、内視鏡は、薬液浸漬を可能とするために全体を水密に密閉できる構造となっている。
したがって、内視鏡を水密状態を保持したままの状態でオートクレーブ滅菌処理を行った場合は、プレバキューム工程等の減圧工程の際に、内視鏡の外装の中で最も柔軟な外皮チューブが膨出し易くなり、耐久性が損なわれる虞れがある。同様に、内視鏡を構成する部品間の接合部の比較的弱い部分が内視鏡の内側と外側との圧力差の影響を受けることにより、耐久性が低下してしまう。
このことに対応して、日本国特許公開2001−70226号公報には、オートクレーブ滅菌前に、内視鏡の周辺機器との接続部であるカメラコネクタ7に逆止弁キャップを装着する技術が開示されている。この従来の技術の場合、オートクレーブ滅菌前の減圧工程において内視鏡内圧が相対的に上昇すると、逆止弁キャップに設けた逆止弁が開放し、内圧の相対的な上昇が防止される。また、オートクレーブ滅菌は、内視鏡内圧よりも高い圧力下で行われるため、逆止弁が密閉され、高圧高温水蒸気の積極的な侵入を阻止することができる。
日本国特許公開2001−70226号公報
しかしながら、上記日本国特許公開2001−70226号公報に記載の内視鏡では、高圧蒸気滅菌前のプレバキューム工程における減圧による圧力と、高圧蒸気滅菌工程後の乾燥工程における減圧による圧力がほぼ同じ圧力であるため、高圧蒸気滅菌後の内視鏡内部の圧力は、プレバキューム工程にて減圧された圧力が保持されることになり、乾燥工程における減圧時に、内視鏡内部と外部との間で圧力差がほとんど生じないことから、内視鏡に設けられた逆止弁は開かないか、開いても一瞬であるため内視鏡の内部の乾燥ができなかった。このため、高圧蒸気滅菌工程にて挿入部の外皮樹脂やOリング等から透湿した水分が蓄積し、内視鏡の内部部品が劣化するという不具合があった。
例えば、画像処理装置等の外部装置との電気的接続部付近に水分があると、これらに接続して使用した際に水分により接点部がショートして、内視鏡および外部装置が電気的に破壊する虞れがあった。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高圧蒸気滅菌を行った場合において、医療機器としての内視鏡の内部部品が湿気によって劣化するなどの不具合を抑止し得る構成を備えた内視鏡を含む内視鏡装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による内視鏡装置は、内視鏡を構成するケーシングに接続されると共に当該内視鏡の内部に導かれこの内視鏡の内外を連通する連通路を備えたチューブと、前記連通路を介して前記内視鏡の内部を換気する換気手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、高圧蒸気滅菌を行った場合において、医療機器としての内視鏡の内部部品が湿気によって劣化するなどの不具合を抑止し得ることができ、信頼性を向上させると共に寿命を延長することのできる内視鏡を含む内視鏡装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態に係り、図1に内視鏡装置の全体構成を示す説明図、図2は内視鏡の圧力調整部の断面図、図3は内視鏡の電気コネクタ部の断面図、図4は内視鏡を高圧蒸気滅菌するための高圧蒸気滅菌装置の構成を示すブロック図、図5は高圧蒸気滅菌装置の高圧蒸気滅菌工程における圧力制御方法を示す説明図、図6は圧力調整部の動作を示す説明図、図7は加圧口金による圧力調整部への加圧を示す説明図である。
(構成)
図1に示すように、内視鏡装置1は、内視鏡2と、光源装置3と、ビデオプロセッサ5と、モニタ6とから構成されている。内視鏡2は撮像手段を備えている。光源装置3は、内視鏡2に着脱自在に接続されて、内視鏡2に設けられたライトガイドに照明光を供給するようになっている。ビデオプロセッサ5は、信号ケーブル4を介して内視鏡2と接続されて内視鏡2の撮像手段を制御すると共に、撮像手段から得られた信号を処理する。モニタ6は、ビデオプロセッサ5から出力される被写体像に対応する映像を表示するものである。
内視鏡2は、挿入部7と、操作部8と、連結コード9と、コネクタ部10と、電気コネクタ部11とを有している。前記挿入部7は、可撓性を有し細長に形成されている。前記操作部8は、挿入部7の基端側に接続されている。連結コード9は、可撓性を有し、操作部8の側部から延出している。コネクタ部10は、連結コード9の端部に設けられ、前記光源装置3と着脱自在の状態で接続されるようになっている。電気コネクタ部11は、コネクタ部10の側部に設けられ、前記ビデオプロセッサ5に接続された前記信号ケーブル4が着脱自在の状態で接続可能になっている。
電気コネクタ部11には、内視鏡2の内部と外部とを連通する図3に後述の通気部が設けられている。挿入部7と操作部8の接続部には、この接続部の急激な曲がりを防止する弾性部材を有する挿入部側折れ止め部材12が設けられている。操作部8と連結コード9の接続部にも挿入部側折れ止め部材12と同様の操作部側折れ止め部材13が設けられている。さらに、連結コード9とコネクタ部10の接続部にも挿入部側折れ止め部材12と同様のコネクタ部側折れ止め部材14が設けられている。
前記挿入部7は、基端側から順に、可撓管部15、湾曲部16、先端部17を連結して構成されている。可撓管部15は、可撓性を有し柔軟に形成されている。湾曲部16は、可撓管部15の先端側に設けられ、操作部8の操作により湾曲可能になっている。前記先端部17には、空気・水送り口であるところの送気送水ノズルと、吸引口と、送液口と、観察光学系と、照明光学系とが設けられている。
前記送気送水ノズルは、観察光学系の外表面の光学部材に向けて洗浄液体や気体を噴出する。吸引口は、挿入部7に配設された処置具を挿通したり体腔内の液体を吸引するための処置具チャンネルの先端側の開口部である。送液口は、観察対象物に向けて開口しており、観察対象物に向けて液体を噴出するための開口部になっている。
コネクタ部10には、気体供給口金21と、送水タンク加圧口金23と、液体供給口金24と、吸引口金25と、注入口金26と、アース端子口金27とが設けられている。
気体供給口金21は、光源装置3に内蔵された図示しない気体供給源と着脱自在に接続するようになっている。送水タンク加圧口金23及び液体供給口金24は、液体供給源である送水タンク22と着脱自在に接続するようになっている。吸引口金25は、先端部17に形成した前記吸引口より吸引を行うための図示しない吸引源と接続するようになっている。注入口金26は先端部17に形成した送液口より送水を行うための図示しない送水手段と接続するようになっている。アース端子口金27は、高周波処置等を行うことにより内視鏡2に高周波漏れ電流が発生した場合に、漏れ電流を高周波処置装置に帰還させるようになっている。
操作部8には、送気送水操作ボタン28と、吸引操作ボタン29と、湾曲操作ノブ30と、複数のリモートスイッチ31と、処置具挿入口32とが設けられている。
送気送水操作ボタン28は、送気操作または送水操作を行う場合の操作部であり、術者が押圧することにより、先端部17に形成した送気送水ノズルから送気または送水が行えるようになっている。吸引操作ボタン29は、吸引操作を行う場合の操作部であり、術者が押圧することにより、先端部17に形成した吸引口による吸引が行えるようになっている。
湾曲操作ノブ30は、前記湾曲部16の湾曲操作を行うための操作部になっている。複数のリモートスイッチ31は、前記ビデオプロセッサ5を遠隔操作するための操作部になっている。処置具挿入口32は前記処置具チャンネルに連通した基端側の開口である。
また、内視鏡2の電気コネクタ部11には、防水蓋部材である防水キャップ33が着脱自在に接続可能である。コネクタ部10には圧力調整部79が設けられている。
高圧蒸気滅菌の際には、前記内視鏡2を収納する滅菌用収納ケース34を用いている。この収納ケース34は、トレイ35と、蓋部材36から構成されている。トレイ35と蓋部材36には複数の図示しない通気孔が設けられており、この孔を通じて水蒸気が透過できるようになっている。
高圧蒸気滅菌の代表的な条件としては、前述したように米国規格協会承認、医療機器開発協会発行の米国規格ANSI/AAMI ST37−1992では、プレバキュームタイプの滅菌工程132 ℃で4分、グラビティタイプの滅菌工程132 ℃で10分とされている。
次に、図2を用いて内視鏡2のコネクタ部10に設けられた圧力調整部79の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、圧力調整部79は、内視鏡2の内部の圧力を調整する圧力調整手段となっている。圧力調整部79は、内視鏡2のコネクタ部10に形成されたねじ孔91に口金本体60のねじ部92を螺入することにより、コネクタ部10に固定されている。
圧力調整部79は、口金本体60内部に開閉弁体61を移動可能に内嵌し、バネ62が開閉弁体61を図中上方向に付勢している。バネ62はバネ受け部材63にて抜け止めが図られている。バネ受け部材63には貫通穴64が形成されている。
開閉弁体61は、シール面65、通気溝66及び通気溝78を有する。口金本体60にはシール面65と当接する当接面67が形成されている。当接面67にはOリング溝68が設けられている。Oリング溝68にはOリング69が配設されている。Oリング69はシール面65を水密的にシールしている。
開閉弁体61の内周側には、逆止弁体70が移動可能に内嵌し、バネ71が逆止弁体70を図中下方に付勢している。バネ71はバネ受け部材72にて抜け止めが図られている。開閉弁体61はシール面73を有する。逆止弁体70には、前記シール面73と当接する当接面74が形成されている。当接面74にはOリング溝75が設けられている。Oリング溝75にはOリング76が配設されている。逆止弁体70には、通気溝77が設けられている。Oリング76はシール面73を水密的にシールしている。
このような構成により、貫通穴64は内視鏡2の内部と外部とを連通する連通口となっている。逆止弁体70は、この連通口に連通した前記内視鏡2の内部の圧力が外部の圧力よりも一定以上高くなったときのみに開く逆止弁となっている。
次に、図3を用いて、内視鏡2の電気コネクタ部11を詳細に説明する。
図3に示すように、電気コネクタ部11は、図1の内視鏡2に検査時に接続される電気的接続部を具備している。即ち、電気コネクタ部11には、電気接点38を支える絶縁部材39に内視鏡2の内部と外部とを連通する貫通穴である連通口37が設けられている。
又、電気コネクタ部11の電気コネクタ口金40は、この連通口37を水密的に閉塞する図1の防水キャップ33が着脱自在に接続可能に形成されている。
次に、図4を用いて内視鏡2を高圧蒸気滅菌するための高圧蒸気滅菌装置41の構成を示す。
図4に示すように、高圧蒸気滅菌装置41は、チャンバ42と、給蒸装置43、真空ポンプ44と、制御部45とが設けられている。前記チャンバ42は、内部に内視鏡2を収納して密閉可能に構成された収納手段である。前記給蒸装置43は、前記チャンバ42の内部に蒸気を供給するための蒸気供給手段である。真空ポンプ44はチャンバ42の内部を減圧するための減圧手段である。制御部45は、給蒸装置43及び真空ポンプ44の動作を制御するために設けられたCPU等の制御手段である。
高圧蒸気滅菌装置41は、この高圧蒸気滅菌装置41のチャンバ42内を減圧する工程を含む第1の減圧工程と、これに続く前記チャンバ42内を加圧する高圧蒸気滅菌工程と、これに続く前記チャンバ42内を減圧する工程を含む第2の減圧工程とを行えるようになっている。
次に、図5を用いて高圧蒸気滅菌装置41の高圧蒸気滅菌工程における圧力制御方法を示す。
図5の制御部45は以下のような制御を行うよう構成されている。
図5に示すように、先ず、高圧蒸気滅菌装置41は、一般的にプレバキューム工程と呼ばれる、第1の減圧工程を行う。
このプレバキューム工程では、真空ポンプ44によりチャンバ42内が減圧され、チャンバ42内の圧力は一般的には大気圧に対して−0.07MPa〜−0.09MPa程度に設定される。本例では−0.07MPaに設定されている。
本実施の形態では、このプレバキューム工程において、3回の減圧及び大気圧への昇圧を繰り返し、合計3回の−0.07MPaの減圧工程を実施する。この工程は、後の滅菌工程時に滅菌対象機器の細部にまで蒸気を浸透させるための工程であり、チャンバ42内を減圧させることによって滅菌対象機器全体に高圧高温蒸気が行き渡るようになる。
次に、高圧蒸気滅菌装置41は、高圧蒸気滅菌工程を行う。
この高圧蒸気滅菌工程では、給蒸装置43によりチャンバ42内に高温高圧の蒸気が供給され、かつチャンバ42内の圧力は一般的には大気圧に対して+0.2MPa程度に設定される。
尚、滅菌工程時の温度条件については高圧蒸気滅菌装置の形式や滅菌工程の時間によって異なるが、一般的には115℃から138℃程度の範囲で設定される。場合によっては、142℃程度に設定可能なものとしてよい。
時間条件については滅菌工程の温度条件によって異なるが、一般的には3分〜60分程度に設定される。場合によっては滅菌工程の時間を100分程度に設定する場合もある。
次に滅菌後の滅菌対象機器を乾燥させるために、滅菌工程後にチャンバ42内を再度減圧状態にする乾燥工程と呼ばれる第2の減圧工程を行う。
この工程では、再度真空ポンプ44によりチャンバ42内を減圧して、滅菌室内から蒸気を排除して滅菌室内の滅菌対象機器の乾燥を促進する。この工程における滅菌室内の圧力は前記第1の減圧工程での圧力−0.07MPa以下に設定されている。
本実施の形態では、この乾燥工程において、3回の減圧及び大気圧までの昇圧を繰り返し、合計3回の減圧工程を行う。
この乾燥工程における1回目の減圧工程は−0.08MPa、2回目の減圧工程は−0.085MPa、3回目の減圧工程は−0.09MPaに設定されている。これらの圧力は第1の減圧工程における最低圧力より低く、かつ乾燥工程内におけるその前の減圧工程時の圧力よりも低い圧力となるようにそれぞれ設定されている。
まず、本実地の形態の要部となる部分の作用及び効果について以下に説明する。
(作用)
内視鏡2を高圧蒸気滅菌する際には、電気コネクタ部11に防水キャップ33を取り付け、連通口37が塞がれて、内視鏡2の内部は外部と水密的に閉塞される。
第1の減圧工程としてのプレバキューム工程では、制御部45の制御により真空ポンプ44が駆動されてチャンバ42内が減圧される。
この際、内視鏡2の内外の圧力差に応じて図6に示すように、コネクタ部10に設けられた圧力調整部79の逆止弁体70に水密状態の内視鏡2の内部から外部に向けた力が作用し、逆止弁体70はバネ71の付勢力に抗して図中上方に、口金本体60に当接するまで移動し、Oリング76がシール面73から離れて、通気溝77,78を介して、内視鏡2の内部と外部が連通する。これにより内視鏡2の内部とチャンバ42に大きな圧力差が生じるのを防ぐ。つまり、圧力調整部79の通気溝77,78及び貫通孔64等によって形成される連通路が内視鏡2の内部の気体を外部へと排出する排出部として機能する。これにより、内外の圧力差の均衡が確保されるようになっている。
このことにより、内視鏡2の湾曲部16を被覆する軟性薄肉の被覆部材等の外装部材が、内部と外部の圧力差によって破損することがない。
内視鏡2の内外の圧力が略等しくなった所で、バネ71の付勢力によって逆止弁体70は移動して、Oリング76によってシール面73の内部側と外部側の間が閉塞される。この際、内視鏡2の内部はプレバキューム工程の減圧力−0.07MPaと略同じに保たれる。但し、内視鏡2の内部の圧力とプレバキューム工程の減圧力の間にはバネ71の付勢力分の差がある。
次に、高圧蒸気滅菌工程が行われる。
給蒸装置43により、チャンバ42内に高温高圧の蒸気が供給され、チャンバ42内は、大気圧に対して+0.2MPa程度に加圧される。この際、図2において逆止弁体70は図中下方に付勢され、開閉弁体61はバネ62の付勢力により図中上方に付勢され、Oリング76、Oリング69により内視鏡2の内部は水密にシールされる。内視鏡2の内部はプレバキューム工程による−0.07MPaに保たれる。
次に、第2の減圧工程としての乾燥工程が行われる。
1回目の減圧工程では、制御部45の制御により真空ポンプ44が駆動されて、チャンバ42内が−0.08MPaまで減圧される。この圧力は、この時点で保たれている内視鏡2の内部圧力である−0.07Paよりも低い。このため、前述のプレバキューム工程と同様の作用にて、逆止弁体70が開き、内視鏡2の内部の気体が内視鏡2の外部に放出される。そして、内視鏡2の内外の圧力が略等しくなった所で、逆止弁体70が閉じる。この際内視鏡2の内部は−0.08MPaと略同じに保たれる。次に大気圧までチャンバ42内は昇圧する。
2回目の減圧工程では、制御部45の制御により真空ポンプ44が駆動されて、チャンバ42内が−0.085MPaまで減圧される。
上記と同様により、逆止弁体70が開き内視鏡2内部の気体が外部に放出される。そして、内視鏡2の内外の圧力が略等しくなった所で、逆止弁体70が閉じる。この際内視鏡2の内部は−0.085MPaと略同じに保たれる。次にチャンバ42内は大気圧まで昇圧する。
3回目の減圧工程では、制御部45の制御により真空ポンプ44が駆動されて、チャンバ42内が−0.09MPaまで減圧される。
上記と同様により、逆止弁体70が開き内視鏡2の内部の気体が外部に放出される。そして、内視鏡2の内外の圧力が略等しくなった所で、逆止弁体70が閉じる。この際内視鏡2の内部は−0.09MPaと略同じに保たれる。
高圧蒸気滅菌工程にて内視鏡2の内部に侵入した湿気は、乾燥工程において逆止弁体70が開くことで、内視鏡2の外部へ放出され、内視鏡2の内部の乾燥が行われる。
乾燥工程では、繰り返し逆止弁体70が開くことで、内視鏡2の内部の湿気の放出と内部の乾燥が繰り返し行われる。
以上により高圧蒸気滅菌を終了する。
(効果)
このような第1の実施の形態によれば、高圧蒸気滅菌工程の後の第2の減圧工程に含まれる少なくとも1つの減圧工程における圧力を、高圧蒸気滅菌工程の前の前記第1の減圧工程における最低圧力よりも低い圧力としたので、第2の減圧工程に含まれる少なくとも1つの減圧工程において、前記内視鏡2の内部の圧力を外部の圧力よりも一定以上高くでき、これにより逆止弁体70を確実に開くことができ、この逆止弁体70を介して内視鏡2の内部の乾燥を行うので、高圧蒸気滅菌を行っても、湿気による内視鏡2の内部部品の劣化を防止できる。これにより、繰り返し高圧蒸気滅菌を行っても、内視鏡2の内部に湿気が蓄積されず、湿気による内部部品の劣化がない、高圧蒸気滅菌方法、高圧蒸気滅菌装置及び内視鏡装置が提供できる。これにより、内視鏡の信頼性を向上し内視鏡の寿命を延長できる。
尚、前記第2の減圧工程における複数回の減圧工程は1回のみでも良い。
又、高圧滅菌をする医療機器としては内視鏡に限らず、圧力調整部79を設ければ、軟性の外装部材を持ついかなる医療機器に適用しても良いものである。
次に、第1の実施の形態の残りの作用及び効果について以下に説明する。
(作用)
また、第1の実施の形態では、内視鏡2を検査に使用する前には、電気コネクタ部11から防水キャップ33を取り外す。
これにより連通口37によって内視鏡2の内部と外部が連通して、内視鏡2の内部の減圧状態が解除され内視鏡2の外装体にかかっていた負荷がなくなる。このとき、連通口37は、内視鏡2の内部の気体を外部へと排出する排出部として機能する。これにより長期間にわたって内視鏡2の外装体に負荷がかかり続けることがない。
また、第1の実施の形態では、検査時に必ず内視鏡2に接続する外部機器である信号ケーブル4、ビデオプロセッサ5との接続部である電気コネクタ部11に連通口37を設ける構成としたため防水キャップ33を取り外すことを忘れることがなく、確実に内視鏡2の内部の減圧状態が解除される。これにより、外装体が破損することがない。
即ち、検査中は必ず内視鏡2の内部と外部が連通し、内視鏡2の内部の乾燥が確実に行える。また、湾曲部16に設けられた軟性の湾曲被覆ゴムに負荷がかかっていないため、湾曲操作に影響を与えない。
また、第1の実施の形態では、圧力調整部79が内視鏡2に一体に形成されているため、高圧蒸気滅菌時に圧力調整部79を取り付け忘れることがなく、減圧工程による内視鏡2の破損を確実に防止できる。
また、第1の実施の形態では、検査が終了し、内視鏡2を洗浄する前に内視鏡2に破損がないかを調べるためのリーク検査を行う。
この際、電気コネクタ部11に防水キャップ33を取り付け連通口37を閉塞する。そして図7に示すように図示しない加圧源に接続された加圧口金47を圧力調整部79に接続する。
加圧口金47を圧力調整部79に接続すると、押圧部材48が、バネ62の付勢力に抗して逆止弁体70及び開閉弁体61を図中下方に押し下げる。これによりシール面65がOリング69から離れて通気溝77、通気溝66を介して内視鏡2の内部と加圧口金47とが連通して内視鏡2内の加圧が行える。作業者はこのように加圧した内視鏡2を水没してリーク検査を行う。
このように、内視鏡2のコネクタ部10には、リーク検査時に内視鏡2の内部を加圧するため開閉弁(開閉弁体61)と、高圧蒸気滅菌時に内視鏡2内部より外部の圧力が低いときに開く圧力調整弁(逆止弁体70)とを一体に設けたことで、リーク検査時に逆止弁体70が開かなくするような特別な構成や操作が不要となる。
リーク検査の際に防水キャップ33を取り付け忘れると、連通口37から加圧した気体が漏れて防水キャップ33の付け忘れに気付く。これにより、高圧蒸気滅菌前に連通口37を閉塞するための部材を取り付けるのを忘れることがなく、内視鏡2の内部に蒸気が入って内視鏡2が破損するのを確実に防止できる。
また、第1の実施の形態では、リーク検査や、洗浄や、高圧蒸気滅菌の際に防水することが必要な電気接点38を有する電気コネクタ部11に連通口37を設けたことで、これらの際に連通口37を閉塞するための部材と電気コネクタ部11を閉塞するための部材とを兼ねることができる。
又、内視鏡2は、同様の外部機器と接続される高圧蒸気滅菌対応でない内視鏡と同一の防水キャップ33を共用することができる。
(効果)
第1の実施の形態によれば、高圧蒸気滅菌の際に圧力調整部79の取り付け忘れがなく、高圧蒸気滅菌の際に連通口37を閉塞する防水キャップ33の取り付け忘れがなく、高圧蒸気滅菌の後に防水キャップ33の取り外し忘れがなく、リーク検査の際に圧力調整部79を閉塞しておくための操作が不要であり、高圧蒸気滅菌、洗浄、リーク検査の際に電気コネクタ部11の閉塞と連通口37の閉塞が同時に行える。よって、第1の実施の形態によれば、作業性の良い内視鏡が提供できる。
また、第1の実施の形態によれば、同様の外部機器と接続される高圧蒸気滅菌対応でない内視鏡と同一の防水キャップ33を共用することで互換性の良い内視鏡を提供できる。
尚、前記連通口37は内視鏡2の光源装置3との接続部近傍や、操作部8に設けて連通口37を閉塞するための防水キャップ33のような閉塞部材を取り付け可能にしても良い。光源装置3との接続部近傍に設けた場合にも検査時に光源装置3と内視鏡2とを接続するために確実に閉塞部材は外されることになるし、操作部8に設けた場合にも術者が操作部8を把持して操作を行うために閉塞部材は確実に外されるため、確実に内視鏡2内部の減圧状態が解除される。
図8は図1乃至図7に示した内視鏡の内部を強制的に換気する換気手段を示す説明図である。
(構成)
図8に示すように、内視鏡2の圧力調整部79には換気手段50が着脱自在に接続可能である。
換気手段50は、接続口金51、チューブ52、三方活栓53及びシリンジ54から形成されている。前記三方活栓53の一端の開口部55は大気に開放している。接続口金51は、前記加圧口金47と同様の構造で、圧力調整部79に着脱自在に構成され、圧力調整部79とチューブ52とを接続する接続部として機能し、当該接続口金51は、圧力調整部79に接続された時には、内視鏡2の内部と外部、即ちチューブ52により形成される連通路とを連通する構成である。
具体的には、換気手段50における接続口金51が内視鏡2を構成するケーシングに設けられる圧力調整部79に接続されたときには、チューブ52の通路が内視鏡2の内部に導かれる形態となる。これにより、チューブ52を介して内視鏡2の内外を連通する連通路が形成されるようになっている。この場合において、換気手段50は、当該連通路を介して内視鏡2の内部を換気する手段となる。
また、三方活栓53は、上記連通路に接続可能な接続部である接続口金51を設けた第1の管路であるチューブ52と、このチューブ52(第1の管路)を第2の管路と第3の管路とに分岐する分岐部としての役目をしている。この三方活栓53によりチューブ52(第1の管路)から分岐された一方の第2の管路に吸引手段としてのシリンジ54が接続配設される。
つまり、吸引手段であるシリンジ54は、圧力調整部79(排出部)に接続され、チューブ52(連通路)を介して気体を吸引することで、換気手段として機能するようになっている。
(作用)
内視鏡2の内部を強制的に換気する際には、内視鏡2の電気コネクタ部11に防水キャップ33を取り付けて連通口37を閉塞する。
次に、圧力調整部79に接続口金51を接続し、内視鏡2の内部と連通させる。
次に、三方活栓53により接続口金51とシリンジ54を連通させる。
次に、三方活栓53を矢印Aに切り替えて、シリンジ54により内視鏡2内の気体を吸引する。
次に、三方活栓53を矢印Bに切り替えて、接続口金51と開口部55を連通させる。これにより、減圧されている内視鏡2の内部に開口部55から大気が流入して内視鏡2の内部が換気される。
この作業を繰り返して内視鏡2の内部を換気する。
(効果)
換気手段50によれば、容易に内視鏡2の内部を換気でき、高圧蒸気滅菌後に内視鏡2の内部に溜まった湿気を除去できる。
図9は図8に示した換気手段50の第1の変形例を示す説明図である。
図9に示すように、換気手段50bは開口部55に前述したリーク検査に用いる送気ポンプ49等の加圧源を接続している。この構成の場合には、シリンジ54により内視鏡2内の気体を吸引した後、三方活栓53を矢印Bに切り替えて、送気ポンプ49にて内視鏡2内に外気を強制的に流入させ、内視鏡2の内部を換気する。この場合において、送気ポンプ49は、連通路に気体を供給する送気手段としての役目をする。
即ち、この場合には、三方活栓53によりチューブ52(第1の管路)から分岐された他方の第3の管路に気体を供給する送気手段としての送気ポンプ49が接続されるようになっている。
このような換気手段50bによれば、図9に示した換気手段50と同様の効果が得られるとともに、送気ポンプ49にて内視鏡2内に外気を強制的に流入させるので、内視鏡2の内部の換気効率がさらに向上する。
図10は図8に示した換気手段50の第2の変形例を示す説明図である。
図10に示すように、換気手段50cは、チューブ52aに気体の圧送、吸引動作が切り替え可能なローラーポンプ49bを接続している。
この構成の場合には、ローラーポンプ49bにより内視鏡2内の気体の吸引と、外気の内視鏡2内への圧送を繰り返して内視鏡2の内部を換気する。この場合において、ローラーポンプ49bは連通路に気体を供給する送気手段及び吸引装置としての役目をする。
このような換気手段50bによれば、図9に示した換気手段50aと同様の効果が得られる。
(第2の実施の形態)
図11は本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡及び内視鏡の内部を強制的に換気する換気手段を示す説明図である。図11の説明においては、図1ないし図7に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
(構成)
図11に示すように、第1の実施の形態における圧力調整部79は内視鏡102の操作部108に設けられている。第2の実施の形態では、圧力調整部79はコネクタ部110に設けていない。
内視鏡102の挿入部107の内部には換気チューブ56が挿入されている。圧力調整部79には換気チューブ56の基端側が接続されている。換気チューブ56は、挿入部107の先端部に開口部56aを有している。
(作用)
内視鏡102の内部を強制的に換気する際には、内視鏡102の電気コネクタ部11から防水キャップ33を取り外して連通口37を開放した状態とする。
次に、圧力調整部79に前記加圧源に接続された加圧口金47を接続する。
次に、加圧源により内視鏡102の内部に気体を圧送する。
圧送された気体は圧力調整部79、換気チューブ56を介して挿入部107の先端部に送られた後、挿入部107、操作部8、連結コード9、コネクタ部110の内部を通り、電気コネクタ部11の連通口37より内視鏡102の外部に放出される。
これにより内視鏡102の内部が換気される。
(効果)
このような第2の実施の形態によれば、開口部56aと連通口37をそれぞれ離して、それぞれ内視鏡102の一方及び他方の端部に設けているため、容易に内視鏡102の内部全体を確実かつ早く換気でき、高圧蒸気滅菌後に内視鏡102の内部に溜まる湿気を除去でき、内視鏡102の耐久性が向上する。
尚、圧力調整部79に加圧源のかわりに吸引ポンプを設けて、内視鏡102の内部の気体を吸引しつつ連通口37から外気を導入して、内視鏡102の内部を換気する構成としても良い。
(第3の実施の形態)
図12は本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡及び内視鏡の内部を強制的に換気する換気手段を示す説明図である。図12の説明においては、図11に示した第2の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
(構成)
図12に示すように、吸引ポンプ57には、構成が防水キャップ33に類似で、前記電気コネクタ部11に着脱可能に接続可能な接続口金58が設けられている。
(作用)
内視鏡102の内部を強制的に換気するには、電気コネクタ部11に接続口金58を接続する。
この後、吸引ポンプ57により連通口37から内視鏡102内部の気体を吸引するとともに、加圧源より内視鏡102内部に外気を圧送して内視鏡102の内部を換気する。
(効果)
このような変形例によれば、吸引ポンプ57を用いることで、さらに容易に内視鏡102の内部を換気でき、高圧蒸気滅菌後に内視鏡102の内部に溜まる湿気を除去でき、内視鏡102の耐久性が向上する。
尚、内視鏡102に排気口を複数設けて、これらの位置の中間部分に送気口を設け、送気口に送気源または吸引源を接続して送気又は吸引を行い、排気口から排気若しくは気体を導入する構成としても良い。この場合は換気の時間が短縮される。
尚又、第1乃至第3の実施の形態の換気手段である送気ポンプや吸引ポンプと、これらと内視鏡とを接続する手段を高圧蒸気滅菌装置に内蔵して、装置内にて高圧蒸気滅菌後に内視鏡の内部を強制的に換気する動作を自動的に行う制御をするよう構成しても良い。
(第4の実施の形態)
図13ないし図16は本発明の第4の実施の形態に係り、図13は内視鏡装置の全体構成を示す説明図、図14は電気コネクタ部の正面図、図15電気コネクタ部の断面図、図16は湿度制御部の制御を示すフローチャートである。図13ないし図16の説明においては、図1ないし図7に示した第1の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
(構成)
以下、図13ないし図15を用いて、内視鏡202の電気コネクタ部211が乾燥されていない場合にビデオプロセッサ205から内視鏡202への通電を防止する構成を示す。
図13に示すように、信号ケーブル204の電気コネクタ部211との接続部204aには、電気コネクタ部211に接続された際に、電気コネクタ部211内に突出する湿度センサ59が設けられている。
ビデオプロセッサ205は湿度センサ59に接続された湿度制御部20を有する。
図14及び図15に示すように、電気コネクタ部211には電気コネクタ部211と信号ケーブル204とを接続した状態における鉛直下方に凹部86が設けられている。湿度センサ59はこの凹部86に配置される。
ビデオプロセッサ205の湿度制御部20の制御を図16を参照して以下に説明する。
図16に示すように、湿度制御部20は、検査時に電気コネクタ部211と信号ケーブル204が接続され、ステップS1において、ビデオプロセッサ205の電源が投入されると、ステップS2において、湿度センサ59に電気コネクタ部211内部の湿度を検出させてステップS3の処理に移行する。
ステップS3において、湿度制御部20は、湿度センサ59の検出値が一定値以下で、通電が可能な乾燥状態であると判断した場合には、ステップS4において、内視鏡202へ通電を行う。これにより、内視鏡202は通常の検査が行える状態となる。
ステップS3において、湿度制御部20は、湿度センサ59の検出値が一定値を超えて、電気コネクタ部211内部が濡れている状態もしくは湿度が非常に高い状態であると判断される場合には、ステップS5において、モニタ6に警告を表示すると共に、内視鏡202への通電を行わない。
(作用)
第4の実施の形態では、電気コネクタ部211内部が濡れている場合、若しくは湿度が非常に高い状態の場合には内視鏡202に通電を行わないため、電気コネクタ部211内部の電気接点38がショートすることがなく、内視鏡202の撮像回路やリモートコントロール回路が破損しない。
また、電気コネクタ部211内部が濡れている場合、若しくは湿度が非常に高い状態の場合には、このことをモニタ6の警告表示でユーザが認知することができる。
(効果)
第4の実施の形態によれば、洗浄や高圧蒸気滅菌等により電気コネクタ部211が濡れていた場合でも、内視鏡202を破損することがない内視鏡装置を提供できる。
(第5の実施の形態)
図17及び図18は本発明の第5の実施の形態に係り、図17は内視鏡装置の全体構成を示す説明図、図18は湿度制御部の制御を示すフローチャートである。図17及び図18の説明においては、図13ないし図16に示した第4の実施の形態と同様の構成要素には同じ符号を付して説明を省略している。
(構成)
図17に示すように、信号ケーブル304の接続部304aには、湿度センサ59が設けられている。湿度センサ59はビデオプロセッサ305の湿度制御部320に接続されている。前記ビデオプロセッサ305には湿度制御部320に接続された送気ポンプ80が設けられている。信号ケーブル304には送気ポンプ80に接続された送気チューブ82と排気チューブ83が設けられている。送気チューブ82と排気チューブ83の一端は、電気コネクタ部211との接続部304aに開口している。排気チューブ83の他端は大気に開放している。
ビデオプロセッサ305の湿度制御部320の制御を図18を参照して以下に説明する。
図18に示すように、湿度制御部320のステップS11からS15の制御は、図16に示した湿度制御部220のステップS1からS5の制御と同様である。
第5の実施の形態で異なるのは、ステップS15においてモニタ6に警告を表示すると共に、内視鏡202への通電を行わないようにした後に、ステップS16において湿度制御部320は送気ポンプ80に送気を行わせステップS12の処理に戻るようにしたことである。
このような湿度制御部320の処理により、一定時間毎、例えば30秒毎に、湿度センサ59が湿度を検出し、送気ポンプ80により一定値以下になるまで送気を行う。一定値以下になると送気ポンプ80は送気を中止し、ビデオプロセッサ305は内視鏡302へ通電を行い、モニタ6の警告表示を消す。
(作用)
第5の実施の形態では、送気ポンプ80により圧送された気体は送気チューブ82を介して電気コネクタ部211内部に導入され、排気チューブ83より大気に開放される。これにより電気コネクタ部211内部の湿気を乾燥させる。
(効果)
第5の実施の形態によれば、第4の実施の形態の効果に加え、電気コネクタ部211の乾燥も自動的に行える。
尚、湿度センサ59は信号ケーブル304ではなくて内視鏡202の電気コネクタ部211に設けて、電気コネクタ部211と信号ケーブル304を接続した際に内視鏡202とビデオプロセッサ305の湿度制御部20とが回路的に接続される構成としても良い。
又、内視鏡202と光源装置3との電気的な接続部がある場合は光源装置3に設けても良い。又、光源装置3とビデオプロセッサ305とが一体の場合はこの装置に設けても良い。
(第6の実施の形態)
図19は本発明の第6の実施の形態に係る内視鏡の要部の断面図である。図19に示す部分以外の内視鏡装置の構成は図1ないし図7に示した第1の実施の形態と同様になっている。
第6の実施の形態の内視鏡402では、コネクタ部410に、リーク検査時に内視鏡302の内部を加圧するため開閉弁85と、高圧蒸気滅菌時に内視鏡302内部より外部の圧力が低いときに開く圧力調整部84とを別々に設けている。
前記圧力調整部84は、口金本体60a、逆止弁体70a、バネ71a、バネ受け部材72a、Oリング溝75a及びOリング76aから構成されている。前記口金本体60aは、逆止弁体70aを移動可能に内嵌し、バネ71aが逆止弁体70aを図中下方向に付勢している。バネ71aはバネ受け部材72aにて抜け止めが図られている。口金本体60aには、シール面73aを有する。
逆止弁体70aには、前記シール面73aと当接する当接面74aが形成されている。当接面74aにはOリング溝75aが設けられている。Oリング溝75aにはOリング76aが配設されている。
ここで、逆止弁体70aの開く圧力をP、リーク検査時の加圧時の圧力をP1、高圧蒸気滅菌での減圧工程において内視鏡302の外部から内部にかかる圧力をP2とすると、バネ71aは、そのバネの力量設定が、P1<P<P2となるように設定されている。
本実施の形態においてはP1=0.05MPa、P2=0.07MPaに対してP=0.06MPaに設定されている。
(作用)
第6の実施の形態では、リーク検査の際に、加圧口金47により開閉弁85から加圧されても、逆止弁体70aは開かないのでリーク検査ができる。
また、第6の実施の形態では、高圧蒸気滅菌時や減圧工程時に−0.07MPaで減圧されると、逆止弁体70aが開くので、内視鏡302の内外に大きな圧力差が生じるのを防ぐことができ、内視鏡302の外装体の破損が防止される。
(効果)
第6の実施の形態によれば、リーク検査の際に逆止弁体70aを閉塞する特別な構成や作業が不要となるので、作業性が良く、構造が簡単な内視鏡装置が提供できる。
以上、本発明の実施の態様について説明したが、前記実施の態様に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲で幾多の変化ができることは当然である。
本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡装置の全体構成を示す説明図。 本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡の圧力調整部の断面図。 本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡の電気コネクタ部の断面図。 本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡を高圧蒸気滅菌するための高圧蒸気滅菌装置の構成を示すブロック図。 本発明の第1の実施の形態に係る高圧蒸気滅菌装置の高圧蒸気滅菌工程における圧力制御方法を示す説明図。 本発明の第1の実施の形態に係る圧力調整部の動作を示す説明図。 本発明の第1の実施の形態に係る加圧口金による圧力調整部への加圧を示す説明図。 図1乃至図7に示した内視鏡の内部を換気する換気手段を示す説明図。 図8に示した換気手段の第1の変形例を示す説明図。 図8に示した換気手段の第2の変形例を示す説明図。 本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡及び換気手段を示す説明図。 本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡及び換気手段を示す説明図。 本発明の第4の実施の形態に係る内視鏡装置の全体構成を示す説明図。 本発明の第4の実施の形態に係る電気コネクタ部の正面図。 本発明の第4の実施の形態に係る電気コネクタ部の断面図。 本発明の第4の実施の形態に係る湿度制御部の制御を示すフローチャート。 本発明の第5の実施の形態に係る内視鏡装置の全体構成を示す説明図。 本発明の第5の実施の形態に係る湿度制御部の制御を示すフローチャート。 本発明の第6の実施の形態に係る内視鏡の要部の断面図。
符号の説明
1…内視鏡装置 2…内視鏡 3…光源装置 4…信号ケーブル
5…ビデオプロセッサ 6…モニタ 7…挿入部 8…操作部
9…連結コード 10…コネクタ部 11…電気コネクタ部
15…可撓管部 16…湾曲部 17…先端部 33…防水キャップ
34…滅菌用収納ケース 35…トレイ 36…蓋部材
41…高圧蒸気滅菌装置 42…チャンバ 43…給蒸装置
44…真空ポンプ 45…制御部 60…口金本体 61…開閉弁体
64…貫通穴 70…逆止弁体 71…バネ 72…バネ受け部材
73…シール材 76…Oリング 79…圧力調整部

Claims (5)

  1. 内視鏡を構成するケーシングに接続されると共に当該内視鏡の内部に導かれこの内視鏡の内外を連通する連通路を備えたチューブと、
    前記連通路を介して前記内視鏡の内部を換気する換気手段と、
    を具備することを特徴とする内視鏡装置。
  2. 前記換気手段は、前記連通路に気体を供給する送気手段であって、
    前記内視鏡には、前記内視鏡内部の気体を排出する排出部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  3. 前記排出部に接続され前記連通路を介して気体を吸引する前記換気手段としての吸引手段を、さらに備えてなることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
  4. 内視鏡を構成するケーシングに設けられ前記内視鏡の内外を連通する連通路と、
    前記連通路に接続可能な接続部を備えた第1の管路と、
    前記第1の管路を第2の管路と第3の管路とに分岐する分岐部と、
    前記第2の管路に接続された吸引手段と、
    を具備することを特徴とする内視鏡装置。
  5. 前記第3の管路には、当該第3の管路に気体を供給する送気手段が接続可能であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
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