JP4801285B2 - オートクレーブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡を水蒸気滅菌するオートクレーブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用内視鏡は、感染等を予防するため、使用する都度、消毒・滅菌を行う必要がある。この消毒・滅菌を水蒸気滅菌により行うオートクレーブ装置が知られている。
【0003】
このようなオートクレーブ装置においては、密閉可能な滅菌槽内に内視鏡を収容し、滅菌槽内および内視鏡内を減圧状態(低真空状態)とした後、滅菌槽内に高温高圧の水蒸気を充填する。
【0004】
内視鏡の外装は、気密性を有していることから、通常は、滅菌槽内に充填された水蒸気が内視鏡の内部に侵入することはなく、光ファイバー束、電気部品等の内蔵物が水蒸気にさらされることはない。
【0005】
ところが、例えば内視鏡の湾曲部の外皮(湾曲ゴム)等にピンホール、亀裂等が生じて気密性が損なわれている場合には、このピンホール、亀裂等から水蒸気が内部に侵入し、内蔵物の機能低下、損傷を招くという問題がある。
【0006】
このような不都合を防止し得るオートクレーブ装置として、内視鏡内の圧力を検出する内視鏡内圧検出手段を設け、水蒸気充填時に内視鏡内の圧力が上昇したことが検出されたら、水蒸気の充填を停止する安全制御手段を設けたオートクレーブ装置が特開2000−24094号公報において本願出願人により提案されている。
【0007】
このオートクレーブ装置によれば、水蒸気が内視鏡内に侵入したのを検出した場合には、それ以上の水蒸気の充填が停止されるので、気密性が損なわれた内視鏡に対しても、内蔵物を保護することができる。
【0008】
しかしながら、前記のオートクレーブ装置では、前記安全制御手段が作動するまで、僅かな時間ながら、内視鏡内に水蒸気が侵入することとなるため、内視鏡に特に大きな亀裂、孔等が生じているような場合には、一気に多量の水蒸気が内視鏡内に侵入して、内蔵物の機能低下を招くおそれがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、内視鏡の気密性が損なわれている場合、内視鏡の内部に水蒸気が侵入するのを確実に防止することができるオートクレーブ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
【0011】
(1) 内視鏡を収容して密閉し得る滅菌槽と、前記滅菌槽内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、前記滅菌槽内を排気・減圧する槽内排気手段と、前記内視鏡内の圧力を検出する内視鏡内圧検出手段とを有し、前記内視鏡を水蒸気滅菌するオートクレーブ装置であって、
前記滅菌槽内に水蒸気を供給する前に、前記内視鏡の気密性を調べる気密性テストを行い、前記内視鏡の気密性が損なわれている場合には、前記滅菌槽内に水蒸気を供給しないよう構成され、
前記気密性テストは、前記槽内排気手段により前記滅菌槽内を減圧状態とし、前記滅菌槽内と前記内視鏡内との間に圧力差を生じさせた状態における前記内視鏡内の圧力変化を前記内視鏡内圧検出手段で検出することにより行い、前記内視鏡内圧検出手段により前記内視鏡内の圧力降下が検出された場合には、前記内視鏡の気密性が損なわれているものとすることを特徴とするオートクレーブ装置。
【0012】
これにより、内視鏡の気密性が損なわれている場合でも、事前に気密性テストを行うことによって、内視鏡の内部に水蒸気が侵入するのを確実に防止することができる。
また、簡単な構成で、迅速かつ確実に内視鏡の気密性テストを行うことができる。
【0017】
) 前記内視鏡内を排気・減圧する内視鏡内排気手段を有する上記(1)に記載のオートクレーブ装置。
【0018】
これにより、滅菌槽減圧時における湾曲ゴムの破裂等を防止することができる。
【0019】
) 前記気密性テストの結果、前記内視鏡の気密性が損なわれている場合に、その旨を報知する報知手段を有する上記(1)または(2)に記載のオートクレーブ装置。
これにより、異常の発生を速やかに知らせることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオートクレーブ装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明のオートクレーブ装置の全体構成を示すブロック図、図2は、図1に示すオートクレーブ装置における滅菌槽内に内視鏡が収容された状態を示す平面図、図3は、図1に示すオートクレーブ装置における連通管と内視鏡とを接続するコネクタの縦断面図、図4は、図1に示すオートクレーブ装置の正面図、図5は、図1に示すオートクレーブ装置のフロントパネルの正面図である。
【0022】
これらの図に示すオートクレーブ装置1は、内視鏡10を水蒸気滅菌するものであり、内視鏡10を収容する滅菌槽2と、該滅菌槽2内を排気・減圧する槽内排気手段3と、滅菌槽2内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段4と、内視鏡10内の圧力を検出する内視鏡内圧検出手段5と、報知手段6と、各部の作動を制御する制御手段7とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0023】
滅菌槽2は、内視鏡10を収容(収納)して、密閉状態とすることができる密閉容器になっている。
【0024】
図1に示すように、滅菌槽2には、槽内給気流路83の一端部が接続されており、該槽内給気流路83の他端部は、外気に開放している。槽内給気流路83の途中には、第4電磁弁14が設けられている。
【0025】
滅菌槽2内(内部空間)が減圧状態(大気圧より低い圧力)にあるときに第4電磁弁14を開状態にすると、外気が槽内給気流路83を通って滅菌槽2内に流入し、滅菌槽2内の圧力は、上昇して大気圧になる。第4電磁弁14を閉状態にすると、槽内給気流路83は、遮断(閉塞)される。
【0026】
また、滅菌槽2には、排蒸流路84の一端部が接続されており、該排蒸流路84の他端部は、外気に開放している。排蒸流路84の途中には、第6電磁弁16が設けられいる。
【0027】
滅菌槽2内に水蒸気が充填された状態で第6電磁弁16を開状態にすると、該水蒸気は、排蒸流路84を通って外部に流出し、滅菌槽2内は、大気圧になる。第6電磁弁16を閉状態にすると、排蒸流路84は、遮断(閉塞)される。
【0028】
なお、槽内給気流路83と排蒸流路84とは、1つの流路で兼用にしてもよい。
【0029】
槽内排気手段3は、吸引ポンプ(真空ポンプ)31と、該吸引ポンプ31と滅菌槽2とを接続する槽内排気流路32とを有している。槽内排気流路32の途中には、第1電磁弁11が設けられている。
【0030】
吸引ポンプ31を作動し、第1電磁弁11を開状態にすると、滅菌槽2内の空気が槽内排気流路32を通って排出され、滅菌槽2内は、減圧状態(低真空状態)になる。第1電磁弁11を閉状態にすると、槽内排気流路32は、遮断(閉塞)される。
【0031】
水蒸気供給手段4は、高温高圧の水蒸気を発生する蒸気発生部41と、該蒸気発生部41と滅菌槽2とを接続する給蒸流路42とを有している。給蒸流路42の途中には、第3電磁弁13が設けられている。
【0032】
第3電磁弁13を開状態にすると、蒸気発生部41で発生した水蒸気は、給蒸流路42を通って滅菌槽2内に供給される。第3電磁弁13を閉状態にすると、給蒸流路42が遮断(閉塞)される。
【0033】
内視鏡内圧検出手段5は、連通管51と、圧力センサ52とを有している。連通管51の一端側は、滅菌槽2内に位置し、他端側は、滅菌槽2外に位置している。圧力センサ52は、連通管51の他端部(または途中)に設けられている。
【0034】
図2に示すように、連通管51の一端部には、内視鏡10に接続可能なコネクタ53が設けられており、滅菌を行う際には、滅菌槽2内に収容した内視鏡10に該コネクタ53を接続する。
【0035】
内視鏡10にコネクタ53を接続した状態では、後に詳述するように、内視鏡10内(内視鏡10の内部空間)と連通管51内とが連通するようになっている。すなわち、この状態では、内視鏡10内の圧力と、連通管51内の圧力とが等しくなり、圧力センサ52で内視鏡10内の圧力を検出することができる。
【0036】
ここで、内視鏡10について説明する。
図2に示すように、内視鏡10は、可撓性を有する長尺の挿入部可撓管101と、該挿入部可撓管101の基端側に設けられ、術者が把持して内視鏡10全体を操作する操作部102と、挿入部可撓管101の先端側に設けられ、操作部102から湾曲状態を遠隔操作可能な湾曲部103と、光源装置(図示せず)に差し込む光源差込部104と、操作部102と光源差込部104とを接続する接続部可撓管105とを有している。この内視鏡10の内部には、例えば、光ファイバー束、電線ケーブル、ケーブル、またはチューブ類等の内蔵物(図示せず)が配置、挿通されている。
【0037】
このような内視鏡10の外装は、気密性を有している。すなわち、内視鏡10の内部空間(内蔵物の設置空間)は、密閉空間になっている。しかし、使用回数を重ねて劣化が進行したような場合には、特に湾曲部103の外皮(湾曲ゴム)等にピンホール、亀裂等が生じて、気密性が損なわれる場合がある。また、内視鏡10の各部の接続部(連結部)のシール不良を生じることにより、気密性が損なわれる場合もある。
【0038】
図3に示すように、内視鏡10の光源差込部104には、連通管51のコネクタ53と連結可能なコネクタ110が設けられている。ここでは、図3中の左側を「一端」、右側を「他端」として説明する。
【0039】
コネクタ110は、光源差込部104から突出するように設けられた略円筒状の内筒部材(ケーシング)111と、該内筒部材111の他端側の外周に螺合して固定された略円筒状の外筒部材(ケーシング)112と、内筒部材111および外筒部材112の内側に設置された弁体113と、該弁体113を他端方向に付勢するコイルバネ114とを有している。
【0040】
弁体113は、他端側に傘状部(円錐台状部)を有する略キノコ形状をなしており、該傘状部の外側には、Oリング115が設置されている。
【0041】
内筒部材111および外筒部材112の内部空間は、内視鏡10全体の内部空間に連通している。
【0042】
外筒部材112の他端部には、開口116が形成されている。また、外筒部材112の他端部の内面117は、弁体113の傘状部に対応したすり鉢状(円錐台状)をなしている。
【0043】
一方、コネクタ53は、コネクタ110を挿入可能な有底円筒状をなしており、その底部外側に連通管51が固着されている。コネクタ53の一端部の周壁には、L字型をなす係合溝531が設けられており、該係合溝531は、外筒部材112の外周に突設された係合ピン118と係合し得るようになっている。
【0044】
コネクタ53内にコネクタ110を挿入し、コネクタ53を所定方向に僅かに回転させると、係合溝531と係合ピン118とが係合してコネクタ53とコネクタ110とが連結され、抜けないようになる。また、コネクタ53を前記と反対方向に僅かに回転させると、コネクタ53とコネクタ110とが分離可能になる。
【0045】
コネクタ53の内周には、Oリング533が設けられており、コネクタ53とコネクタ110とを連結した状態(図3に示す状態)では、外筒部材112の外周面がOリング533の内周に接触して、気密性が確保される。
【0046】
また、コネクタ53の底部内側には、一端方向に向かって突出する凸部532が設けられている。
【0047】
コネクタ110にコネクタ53が連結されていない状態、すなわち、内視鏡10の通常の使用状態では、コイルバネ114の付勢力により、弁体113の傘状部(Oリング115)が内面117に圧接されることにより、開口116が閉塞され、内視鏡10の内部は、気密的に密閉された状態になっている。
【0048】
これに対し、コネクタ110にコネクタ53を連結した状態では、凸部532が弁体113をコイルバネ114の付勢力に抗して一端方向に移動させ、弁体113の傘状部が内面117から離間した状態となり、開口116が開通する。これにより、内視鏡10の内部空間は、コネクタ110内およびコネクタ53内を介して、連通管51内と連通した状態になる。
【0049】
図1に示すように、連通管51と吸引ポンプ31との間には、内視鏡内排気流路81が設けられている。すなわち、内視鏡内排気流路81は、連通管51から分岐して設けられており、分岐端の反対側の端部は、吸引ポンプ31に接続されている。内視鏡内排気流路81の途中には、第2電磁弁12が設けられている。
【0050】
吸引ポンプ31を作動し、第2電磁弁12を開状態にすると、内視鏡10内の空気が連通管51および内視鏡内排気流路81を通って排出され、内視鏡10の内部を減圧状態(低真空状態)にすることができる。すなわち、吸引ポンプ31は、内視鏡10内を排気・減圧する内視鏡内排気手段ともなっている。第2電磁弁12を閉状態にすると、内視鏡内排気流路81は、遮断(閉塞)される。
【0051】
また、連通管51からは、さらに、内視鏡内給気流路82が分岐して設けられており、分岐端の反対側の端部は、外気に開放している。内視鏡内給気流路82の途中には、第5電磁弁15が設けられている。
【0052】
内視鏡10内が減圧状態(大気圧より低い圧力の状態)にあるときに第5電磁弁15を開状態にすると、外気が内視鏡内給気流路82および連通管51を通って内視鏡10内に流入し、内視鏡10内は、大気圧になる。第5電磁弁15を閉状態にすると、内視鏡内給気流路82が遮断(閉塞)される。
【0053】
図4に示すように、オートクレーブ装置1の正面には、フロントパネル(操作盤)17と、メインスイッチ18とがそれぞれ設けられている。メインスイッチ18をオンすると、オートクレーブ装置1の各部に電力が供給される。
【0054】
図5に示すように、フロントパネル17には、警報音を発するアラーム61と、例えば液晶表示パネルにより「漏れ発生」の文字を視覚的に表示し得る表示部62と、スタートボタン171とがそれぞれ設けられている。
【0055】
アラーム61と、表示部62とは、後述する気密性テストの結果、内視鏡10の気密性が損なわれている場合に、その旨を報知する報知手段6となるものである。
【0056】
第1電磁弁11〜第6電磁弁16、吸引ポンプ31、圧力センサ52、報知手段6は、それぞれ、制御手段7に電気的に接続されている。制御手段7は、予め定められたプログラムや圧力センサ52からの入力信号等に基づいて、各部の作動を制御する。
【0057】
以下、オートクレーブ装置1の作動について説明する。
オートクレーブ装置1を使用する際には、メインスイッチ18をオンする。次いで、図2に示すように、内視鏡10を滅菌槽2内に収容し、内視鏡10のコネクタ110に、連通管51に設けられたコネクタ53を接続(連結)する。次いで、スタートボタン171を押すと、オートクレーブ装置1の作動が開始される。
【0058】
[1]気密性テスト
本発明のオートクレーブ装置1は、滅菌槽2内に水蒸気を供給する前に、内視鏡10の気密性を調べる気密性テストを行うことを特徴とする。図6は、気密性テストにおける各部の作動を示すタイムチャートである。
【0059】
気密性テストでは、まず、槽内排気手段3により、滅菌槽2内を減圧する(大気圧Pより低くする)。すなわち、吸引ポンプ31を作動(オン)するとともに、第1電磁弁11を開状態にする(図6中のマルa)。第2電磁弁12〜第6電磁弁16は、気密性テストの間、閉状態にされる。
【0060】
これにより、図6に示すように、滅菌槽2内の圧力は、次第に降下(低下)する。滅菌槽2内の圧力が所定の圧力Pまで下がったら、吸引ポンプ31を停止(オフ)するとともに、第1電磁弁11を閉状態にして(図6中のマルb)、滅菌槽2内の圧力をPに保つ。
【0061】
このように、滅菌槽2内を圧力Pに減圧した状態にすると、大気圧Pにある内視鏡10内との間に圧力差が生じる。内視鏡10にピンホールや亀裂等が生じて気密性が損なわれている場合には、この圧力差によって、内視鏡10内の空気が滅菌槽2内に流出し、内視鏡10内の圧力が降下(低下)する(図6参照)。
【0062】
よって、制御手段7は、圧力センサ52で検出された内視鏡10内の圧力が降下している場合には、内視鏡10の気密性が損なわれているものと判断し、内視鏡10内の圧力が変化していない場合には、内視鏡10の気密性が確保されているものと判断する。
【0063】
気密性の有無の判断は、例えば、滅菌槽2内の圧力がPまで下がったとき(図6中のマルb)から所定時間経過後の時点で判断することができる。また、内視鏡10内の圧力降下率(時間的な傾き)で判断してもよい。
【0064】
圧力Pは、特に限定されないが、通常、大気圧Pより50〜300mmHg低い圧力であるのが好ましく、大気圧Pより100〜200mmHg低い圧力であるのがより好ましい。これにより、気密性テストを迅速かつ正確に行うことができるとともに、滅菌槽2内と内視鏡10内との圧力差によって例えば湾曲部103の外皮(湾曲ゴム)が膨張、破裂するようなことを防止することができる。
【0065】
気密性テストの結果、内視鏡10の気密性が確保されている場合には、オートクレーブ装置1は、後述する滅菌処理工程に移行する。
【0066】
これに対し、気密性テストの結果、内視鏡10の気密性が損なわれていた場合には、オートクレーブ装置1は、滅菌処理工程に移行せず、滅菌槽2内に水蒸気を供給しない。
【0067】
すなわち、オートクレーブ装置1は、例えばピンホール、亀裂、接続部のシール不良等が生じて内視鏡10の気密性が損なわれていた場合には、これを事前に検出して、水蒸気の供給を取り止める。これにより、内視鏡10内に水蒸気が侵入する事態を回避することができ、その結果、内視鏡10の内蔵物の機能低下、損傷を防止することができる。
【0068】
気密性が損なわれた内視鏡10は、ピンホール、亀裂等が生じた部分のみを補修、交換することによって再使用することができる。
【0069】
特に、本発明のオートクレーブ装置1では、内視鏡10に生じた亀裂、孔等が大きいような場合であっても、内視鏡10内に全く水蒸気が侵入することがないので、内視鏡10の内蔵物の機能低下、損傷を確実に防止することができる。
【0070】
内視鏡10の気密性が損なわれていた場合、気密性テストの終了後は、第4電磁弁14および第5電磁弁15を開状態として、滅菌槽2内および内視鏡10内を大気圧に戻す。
【0071】
また、内視鏡10の気密性が損なわれていた場合には、アラーム61で警報音を発するとともに、表示部62で「漏れ発生」の文字を表示して、内視鏡10の気密性が損なわれていることを報知する。これにより、異常の発生を速やかに知らせることができる。
【0072】
なお、アラーム61は、音声を発することによって報知するものであってもよい。また、表示部62は、例えばランプを点灯することによって報知するものであってもよい。
【0073】
また、報知手段6は、気密性テストの合否にかかわらず、その結果を報知するものであってもよい。例えば、気密性テストの結果、内視鏡10の気密性が確保されている場合には、緑色のランプを点灯し、内視鏡10の気密性が損なわれている場合には、赤色のランプを点灯するようなものでもよい。
【0074】
[2]滅菌処理工程
前述したように、気密性テストの結果、内視鏡10の気密性が確保されている場合には、オートクレーブ装置1は、滅菌処理工程を行う。
【0075】
図7は、滅菌処理工程における各部の作動を示すタイムチャートである。
滅菌処理工程では、まず、滅菌槽2内および内視鏡10内が排気、減圧される。すなわち、吸引ポンプ31を作動するとともに、第1電磁弁11および第2電磁弁12が開状態、第3電磁弁13〜第6電磁弁16が閉状態とされる(図7中の▲1▼)。
【0076】
これにより、滅菌槽2内および内視鏡10内は、同期的に圧力が降下し、所定の圧力Pとなるまで減圧される。このときの圧力Pは、特に限定されないが、通常、大気圧Pよりも600mmHg程度以上低い圧力であるのが好ましく、例えば、大気圧Pよりも740mmHg程度低い圧力とすることができる。
【0077】
滅菌槽2内および内視鏡10内の圧力がPになったら、減圧を終了し、滅菌槽2内に水蒸気を供給して滅菌を行う。すなわち、吸引ポンプ31を停止するとともに、第1電磁弁11および第2電磁弁12を閉状態、第3電磁弁13を開状態とする(図7中の▲2▼)。
【0078】
これにより、蒸気発生部41で発生した水蒸気が滅菌槽2内に供給、充填される。この水蒸気の圧力Pは、特に限定されないが、1.0〜3.0kg/cm程度であるのが好ましく、例えば、2.2kg/cmとすることができる。また、この水蒸気の温度は、特に限定されないが、100〜200℃程度であるのが好ましく、例えば、135℃とすることができる。また、滅菌時間は、特に限定されないが、1〜20分程度であるのが好ましい。
【0079】
滅菌槽2内に充填された水蒸気により、内視鏡10の外表面、処置具挿通チャンネルの内面等が消毒、滅菌される。なお、内視鏡10内(内部空間)は、滅菌・乾燥の間、圧力Pの減圧状態に保たれる。
【0080】
滅菌が終了したら、第3電磁弁13を閉状態として水蒸気の供給を停止するとともに、第6電磁弁16を開状態として滅菌槽2内の水蒸気を排出する(図7中の▲3▼)。
【0081】
滅菌槽2内の圧力が大気圧Pまで降下したら、槽内排気手段3を作動して、滅菌槽2内の水蒸気をさらに排出する(真空乾燥)。すなわち、吸引ポンプ31を作動するとともに、第1電磁弁11を開状態、第6電磁弁16を閉状態とする(図7中の▲4▼)。これにより、滅菌槽2内は、圧力Pの減圧状態となり、乾燥される。
【0082】
真空乾燥の後は、パルス乾燥を行う。このパルス乾燥では、まず、第1電磁弁11を閉状態、第4電磁弁14を開状態とする(図7中の▲5▼)。これにより、槽内給気流路83を通って外気が滅菌槽2内に流入する。滅菌槽2内の圧力がPまで上昇したところで、第1電磁弁11を開状態、第4電磁弁14を閉状態とする。これにより、滅菌槽2内に流入した外気が排出され、滅菌槽2内の圧力がPまで降下する。
【0083】
この後、第1電磁弁11と第4電磁弁14との開・閉を交互に2〜10サイクル程度繰り返す。これにより、滅菌槽2内の水蒸気が完全に排出されて外気に換気され、滅菌槽2内および内視鏡10が乾燥する。
【0084】
前記圧力Pは、特に限定されないが、大気圧Pとほぼ同じ〜大気圧Pより300mmHg程度低い圧力であるのが好ましく、例えば、大気圧Pより150mmHg程度低い圧力とすることができる。
【0085】
パルス乾燥が終了したら、吸引ポンプ31を停止するとともに、第1電磁弁11を閉状態、第4電磁弁14および第5電磁弁15を開状態とする(図7中の▲6▼)。これにより、滅菌槽2内および内視鏡10内に外気が流入し、それぞれの内圧が大気圧Pまで上昇する。これで、オートクレーブ装置1の滅菌処理工程が完了する。
【0086】
以上、本発明のオートクレーブ装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、オートクレーブ装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0087】
例えば、気密性テストは、内視鏡内を排気・減圧した後、内視鏡内圧が上昇するかどうかを検出することによって行うようなものや、内視鏡内に空気を送り込んで内圧を高めた後、内視鏡内圧が降下するかどうかを検出することによって行うようなものなどであってもよい。すなわち、気密性テストは、滅菌槽内と内視鏡内との間に圧力差を生じさせた状態における内視鏡内の圧力変化を検出することによって行うものであればいかなるものでもよい。
【0088】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、例えばピンホール、亀裂、接続部のシール不良等が生じて内視鏡の気密性が損なわれている場合、それを事前に検出し、滅菌槽内に水蒸気の供給・充填をしないことから、内視鏡内に水蒸気が侵入する事態を回避することができる。よって、内視鏡の内蔵物の機能低下、損傷を防止することができる。
【0089】
特に、内視鏡に生じた亀裂、孔等が大きいような場合であっても、内視鏡内に全く水蒸気が侵入することがないので、内視鏡の内蔵物の機能低下、損傷を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオートクレーブ装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示すオートクレーブ装置における滅菌槽内に内視鏡が収容された状態を示す平面図である。
【図3】図1に示すオートクレーブ装置における連通管と内視鏡とを接続するコネクタの縦断面図である。
【図4】図1に示すオートクレーブ装置の正面図である。
【図5】図1に示すオートクレーブ装置のフロントパネルの正面図である。
【図6】気密性テストにおける各部の作動を示すタイムチャートである。
【図7】滅菌処理工程における各部の作動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 オートクレーブ装置
11 第1電磁弁
12 第2電磁弁
13 第3電磁弁
14 第4電磁弁
15 第5電磁弁
16 第6電磁弁
17 フロントパネル
171 スタートボタン
18 メインスイッチ
2 滅菌槽
3 槽内排気手段
31 吸引ポンプ
32 槽内排気流路
4 水蒸気供給手段
41 蒸気発生部
42 給蒸流路
5 内視鏡内圧検出手段
51 連通管
52 圧力センサ
53 コネクタ
531 係合溝
532 凸部
533 Oリング
6 報知手段
61 アラーム
62 表示部
7 制御手段
81 内視鏡内排気流路
82 内視鏡内給気流路
83 槽内給気流路
84 排蒸流路
10 内視鏡
101 挿入部可撓管
102 操作部
103 湾曲部
104 光源差込部
105 接続部可撓管
110 コネクタ
111 内筒部材
112 外筒部材
113 弁体
114 コイルバネ
115 Oリング
116 開口
117 内面
118 係合ピン

Claims (3)

  1. 内視鏡を収容して密閉し得る滅菌槽と、前記滅菌槽内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段と、前記滅菌槽内を排気・減圧する槽内排気手段と、前記内視鏡内の圧力を検出する内視鏡内圧検出手段とを有し、前記内視鏡を水蒸気滅菌するオートクレーブ装置であって、
    前記滅菌槽内に水蒸気を供給する前に、前記内視鏡の気密性を調べる気密性テストを行い、前記内視鏡の気密性が損なわれている場合には、前記滅菌槽内に水蒸気を供給しないよう構成され、
    前記気密性テストは、前記槽内排気手段により前記滅菌槽内を減圧状態とし、前記滅菌槽内と前記内視鏡内との間に圧力差を生じさせた状態における前記内視鏡内の圧力変化を前記内視鏡内圧検出手段で検出することにより行い、前記内視鏡内圧検出手段により前記内視鏡内の圧力降下が検出された場合には、前記内視鏡の気密性が損なわれているものとすることを特徴とするオートクレーブ装置。
  2. 前記内視鏡内を排気・減圧する内視鏡内排気手段を有する請求項1に記載のオートクレーブ装置。
  3. 前記気密性テストの結果、前記内視鏡の気密性が損なわれている場合に、その旨を報知する報知手段を有する請求項1または2に記載のオートクレーブ装置。
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