JP4694054B2 - オートクレーブ装置 - Google Patents

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JP4694054B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡を水蒸気滅菌するオートクレーブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療用内視鏡は、感染等を予防するため、使用する都度、消毒・滅菌を行う必要がある。この消毒・滅菌を水蒸気滅菌により行うオートクレーブ装置が知られている。
【0003】
このようなオートクレーブ装置においては、密閉可能な滅菌槽内に内視鏡を収容し、滅菌槽内および内視鏡内を同期的に排気して減圧状態(低真空状態)とした後、滅菌槽内に高温高圧の水蒸気を充填する。
【0004】
滅菌槽内とともに、内視鏡内をも減圧状態にしてから水蒸気を充填する理由は、次の通りである。すなわち、滅菌槽内のみを減圧すると、内視鏡内の空気の圧力によって、内視鏡の湾曲部の外皮(湾曲ゴム)等が膨張し、損傷(伸び、破裂等)するからである。
【0005】
従来のオートクレーブ装置では、滅菌槽内および内視鏡内を同期的に排気して減圧する際に、内視鏡内を排気・減圧する手段が万一故障し、内視鏡内が減圧されなくなると、内視鏡内の圧力が滅菌槽内の圧力に対して過大となり、内視鏡の湾曲部の外皮(湾曲ゴム)等が膨張し、損傷するおそれがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、内視鏡内と滅菌槽内との圧力差によって内視鏡の湾曲部の外皮等が膨張、損傷するのを確実に防止することができるオートクレーブ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 内視鏡を収容して密閉し得る滅菌槽と、前記滅菌槽内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段とを備え、前記内視鏡を水蒸気滅菌するオートクレーブ装置であって、
前記滅菌槽内に設けられ、前記滅菌槽内に収容した前記内視鏡に接続可能であり、前記内視鏡に接続した状態でその内部空間が前記内視鏡内と連通する、全体形状が管状をなす連通部と、
前記連通部の前記内視鏡に対する接続端と反対側の端部に接続された給排管と、前記給排管から分岐して設けられ、前記給排管および前記連通部を介して前記内視鏡内を加圧する加圧ポンプと、前記給排管から分岐して設けられ、前記給排管および前記連通部を介して前記内視鏡内を排気・減圧する吸引ポンプとを有し、前記加圧ポンプまたは前記吸引ポンプの作動により前記内視鏡内の圧力を調節する内視鏡内圧調節手段と、
前記連通部の前記接続端近傍に設けられ、前記内視鏡内の圧力が前記滅菌槽内の圧力に対して過大になるのを防止する安全弁とを備え、
前記安全弁は、円筒状をなし、その一端部が前記連通部の長手方向の途中に接続され、前記連通部の軸方向と垂直な方向に突出し、前記連通部と連通する弁座と、前記弁座内に該弁座と同軸的に設けられ、その軸方向に沿って移動可能な弁体と、前記弁座内に圧縮状態で設けられ、前記弁体を付勢するコイルバネで構成された付勢部材とを有し、
前記弁座は、その内周部に内径が一端側に向かって漸減する、ほぼ円錐面状の接合面を備え、
前記弁体は、前記弁座の接合面に対応するように、外周部に外径が一端側に向かって漸減する、ほぼ円錐台状をなす接合面を有する封止部と、前記封止部の一端面から一端方向に向かって延びる軸部と、前記軸部の一端部に設けられたバネ受けとを備え、
前記付勢部材は、前記軸部が挿入され、その一端部が前記バネ受けに当接し、その他端部が前記弁座の接合面よりも一端側の部分に当接して、前記弁座の接合面と前記弁体の接合面とが接触するように前記弁体を一端方向に付勢することを特徴とするオートクレーブ装置。
【0009】
これにより、内視鏡内と滅菌槽内との圧力差によって内視鏡の湾曲部の外皮等が膨張、損傷するのを確実に防止することができるオートクレーブ装置を提供することができる。
【0010】
(2) 前記安全弁は、前記連通部内と前記滅菌槽内との圧力差の大きさに応じて、前記弁座の接合面と前記弁体の接合面とが接する閉状態と、前記弁体が前記付勢部材の付勢力に抗して他端方向へ移動して、前記弁座の接合面と前記弁体の接合面とが離間し、これにより内部の空気が前記滅菌槽内に排出される開状態とを取り得、
前記弁体は、前記閉状態では前記封止部の全体が前記弁座内に位置し、前記開状態では前記封止部の他端部が前記弁座から突出する上記(1)に記載のオートクレーブ装置。
【0011】
これにより、内視鏡内の圧力が滅菌槽内の圧力に対して高くなったとき、内視鏡内の空気を滅菌槽内に迅速に排出することができる。
【0012】
(3) 前記安全弁が開く前記圧力差は、前記内視鏡の湾曲部の外皮が損傷することのないような圧力差である上記(2)に記載のオートクレーブ装置。
これにより、内視鏡の湾曲部をより確実に保護することができる。
【0013】
(4) 前記安全弁が開く前記圧力差は、50〜300mmHgである上記(2)または(3)に記載のオートクレーブ装置。
これにより、内視鏡の湾曲部をより確実に保護することができる。
【0014】
(5) 前記バネ受けは、ほぼ円盤状をなし、その外周部の一部には、空気を通過させる溝が形成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
【0016】
(6) 前記コイルバネは、前記付勢力がそれぞれ異なるものが複数用意されており、
前記複数のコイルバネのうちの1つを選択して用い、前記弁体に対する前記付勢力を調整可能に構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
【0017】
(7) 前記内視鏡内圧調節手段は、前記滅菌槽内に水蒸気を充填したとき、前記内視鏡内の圧力が前記滅菌槽内の圧力に可及的に等しくなるように作動する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
【0019】
(8) 前記滅菌槽と吸引ポンプとを接続する槽内排気流路と、
前記槽内排気流路の途中に設けられた第1電磁弁と、
前記給排管と前記吸引ポンプとを接続する内視鏡内排気流路と、
前記内視鏡内排気流路の途中に設けられた第2電磁弁と、
前記滅菌槽に接続され、該滅菌槽内へ向かう水蒸気が通過する給蒸流路と、
前記給蒸流路の途中に設けられた第3電磁弁と、
前記滅菌槽に接続され、該滅菌槽内へ向かう外気が通過する槽内給気流路と、
前記槽内給気流路の途中に設けられた第4電磁弁と、
前記給排管と前記加圧ポンプとを接続する内視鏡内給気流路と、
前記内視鏡内給気流路の途中に設けられた第5電磁弁と、
前記滅菌槽に接続され、該滅菌槽内から排出される水蒸気が通過する排蒸流路と、
前記排蒸流路の途中に設けられた第6電磁弁とを備える上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
【0021】
(9) 前記滅菌槽内を排気・減圧する槽内排気手段を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
これにより、水蒸気滅菌後、真空乾燥を行うことができる。
(10) 前記滅菌槽内の圧力を検出する槽内圧検出手段を備える上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオートクレーブ装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明のオートクレーブ装置の全体構成を示すブロック図、図2は、図1に示すオートクレーブ装置における滅菌槽内に内視鏡が収容された状態を示す平面図、図3は、図1に示すオートクレーブ装置における連通部と内視鏡との接続部付近の断面図(安全弁が閉じた状態)、図4は、図1に示すオートクレーブ装置における連通部と内視鏡との接続部付近の断面図(安全弁が開いた状態)である。
【0024】
これらの図に示すオートクレーブ装置1は、内視鏡10を水蒸気滅菌するものであり、内視鏡10を収容する滅菌槽2と、滅菌槽2内に設けられた連通部3と、滅菌槽2内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段4と、連通部3に設けられた安全弁5と、連通部3を介して滅菌槽2内に収容された内視鏡10内の圧力を調節する内視鏡内圧調節手段6と、各部の作動を制御する制御手段7とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0025】
図2に示すように、滅菌槽2内には、内視鏡10を収容(収納)することができる。この滅菌槽2は、内視鏡10を収容した状態で密閉することができる密閉容器になっている。
【0026】
図1に示すように、滅菌槽2には、槽内給気流路83の一端部が接続されており、槽内給気流路83の他端部は、外気に開放している。槽内給気流路83の途中には、第4電磁弁14が設けられている。
【0027】
滅菌槽2内(内部空間)が減圧状態(大気圧より低い圧力)にあるときに第4電磁弁14を開状態にすると、外気が槽内給気流路83を通って滅菌槽2内に流入し、滅菌槽2内の圧力は、上昇して大気圧になる。第4電磁弁14を閉状態にすると、槽内給気流路83は、遮断(閉塞)される。
【0028】
また、滅菌槽2には、排蒸流路84の一端部が接続されており、排蒸流路84の他端部は、外気に開放している。排蒸流路84の途中には、第6電磁弁16が設けられいる。
【0029】
滅菌槽2内に水蒸気が充填された状態で第6電磁弁16を開状態にすると、この水蒸気は、排蒸流路84を通って外部に流出し、滅菌槽2内は、大気圧になる。第6電磁弁16を閉状態にすると、排蒸流路84は、遮断(閉塞)される。
【0030】
なお、槽内給気流路83と排蒸流路84とは、1つの流路で兼用にしてもよい。
【0031】
図1および図2に示すように、滅菌槽2内には、滅菌槽2内に収容された内視鏡10に接続可能な連通部3が設けられている。
【0032】
連通部3は、連通管31と、連通管31の一端部に設けられたコネクタ32とを有している。連通管31の他端部は、滅菌槽2外に延びる給排管63に接続されている。
【0033】
滅菌を行う際には、滅菌槽2内に収容した内視鏡10にコネクタ32を接続する。内視鏡10にコネクタ32を接続した状態では、後に詳述するように、内視鏡10内と連通部3内とが連通するようになっている。
【0034】
ここで、内視鏡10について説明する。
図2に示すように、内視鏡10は、可撓性を有する長尺の挿入部可撓管101と、挿入部可撓管101の基端側に設けられ、術者が把持して内視鏡10全体を操作する操作部102と、挿入部可撓管101の先端側に設けられた湾曲部103と、光源装置(図示せず)に差し込む光源差込部104と、光源差込部104とを接続する接続部可撓管105と、操作部102に設けられた操作レバー106とを有している。この内視鏡10の内部には、例えば、光ファイバー束、電線ケーブル、ケーブル、またはチューブ類等の内蔵物(図示せず)が配置、挿通されている。
【0035】
湾曲部103は、通常、互いに回動自在に連結された複数の節輪と、該節輪の外周に被覆された網状管(編組体)と、該網状管の外周に被覆された外皮とで構成されている。操作レバー106を操作すると、挿入部可撓管101内に配設された湾曲操作ワイヤーが引っ張られることにより、湾曲部103が2方向(または4方向)に湾曲するようになっている。すなわち、操作部102から湾曲部103の湾曲状態を遠隔操作できるようになっている。
【0036】
この湾曲部103の外皮(湾曲ゴム)は、例えば各種ゴム材料等の柔軟な弾性材料で構成されている。
【0037】
挿入部可撓管101と接続部可撓管105とは、それぞれ、中空部を有する(管状の)芯材の外周を外皮で被覆した内視鏡用可撓管で構成されている。内視鏡用可撓管等の外皮は、例えば各種ゴム材料等の弾性材料や合成樹脂材料等で構成されている。
【0038】
このような内視鏡10の外装は、気密性を有している。すなわち、内視鏡10の内部空間(内蔵物の設置空間)は、密閉空間になっている。
【0039】
しかし、内視鏡用可撓管等の外皮は、多少の気体透過性を有しており、水蒸気滅菌時に、内視鏡10内・外の圧力差が大きいと、水蒸気を透過させる。
【0040】
また、使用回数を重ねて劣化が進行したような場合には、特に湾曲部103の外皮(湾曲ゴム)等にピンホール、亀裂等が生じて、気密性が損なわれる場合もある。また、内視鏡10の各部の接続部(連結部)のシール不良を生じることにより、気密性が損なわれる場合もある。
【0041】
図3に示すように、内視鏡10の光源差込部104には、連通部3のコネクタ32と連結可能なコネクタ110が設けられている。ここでは、図3中の左側を「一端」、右側を「他端」として説明する。
【0042】
コネクタ110は、光源差込部104から突出するように設けられた略円筒状の内筒部材(ケーシング)111と、該内筒部材111の他端側の外周に螺合して固定された略円筒状の外筒部材(ケーシング)112と、内筒部材111および外筒部材112の内側に設置された弁体113と、該弁体113を他端方向に付勢するコイルバネ114とを有している。
【0043】
弁体113は、他端側に傘状部(円錐台状部)を有する略キノコ形状をなしており、該傘状部の外側には、Oリング115が設置されている。
【0044】
内筒部材111および外筒部材112の内部空間は、内視鏡10全体の内部空間に連通している。
【0045】
外筒部材112の他端部には、開口116が形成されている。また、外筒部材112の他端部の内面117は、弁体113の傘状部に対応したすり鉢状(円錐台状)をなしている。
【0046】
一方、連通部3のコネクタ32は、コネクタ110を一端側から挿入可能なほぼ円筒状をなしており、コネクタ32の他端部には、連通管31の一端部が固着されている。
【0047】
コネクタ32の一端部の周壁には、L字型をなす係合溝321が設けられており、この係合溝321は、外筒部材112の外周に突設された係合ピン118と係合し得るようになっている。
【0048】
コネクタ32内にコネクタ110を挿入し、コネクタ32を所定方向に僅かに回転させると、係合溝321と係合ピン118とが係合してコネクタ32とコネクタ110とが連結され、抜けないようになる。また、コネクタ32を前記と反対方向に僅かに回転させると、コネクタ32とコネクタ110とが分離可能になる。
【0049】
コネクタ32の内周には、Oリング323が設けられており、コネクタ32とコネクタ110とを連結した状態(図3および図4に示す状態)では、外筒部材112の外周面がOリング323の内周に接触して、気密性が確保される。
【0050】
また、コネクタ32の内部には、一端方向に向かって突出する凸部322が設けられている。
【0051】
コネクタ110にコネクタ32が連結されていない状態、すなわち、内視鏡10の通常の使用状態では、コイルバネ114の付勢力により、弁体113の傘状部(Oリング115)が内面117に圧接されることにより、開口116が閉塞され、内視鏡10の内部は、気密的に密閉された状態になっている。
【0052】
これに対し、コネクタ110にコネクタ32を連結した状態では、凸部322が弁体113をコイルバネ114の付勢力に抗して一端方向に移動させ、弁体113の傘状部が内面117から離間した状態となり、開口116が開通する。これにより、内視鏡10の内部空間は、コネクタ110内およびコネクタ32内を介して、連通管31内(連通部3内)と連通した状態になる。
【0053】
よって、コネクタ110にコネクタ32を連結した状態では、内視鏡10内の圧力と、連通部3内の圧力とは、等しくなる。
【0054】
このような連通部3を設けたことにより、オートクレーブ装置1では、後述するように、連通部3を介して、内視鏡10内の圧力を検出したり、内視鏡10内の圧力を調節することができる。
【0055】
連通部3には、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に対して過大になるのを防止する安全弁5が設けられている。
【0056】
図3および図4に示すように、安全弁5は、コネクタ32の軸方向と垂直な方向に突出するように設けられており、ほぼ円筒状をなす弁座51と、弁座51の内側に設けられた弁体52およびコイルバネ(付勢部材)53とを有している。
【0057】
弁座51は、コネクタ32の他端側外周に形成された孔にその一部が挿入されるように設けられており、例えば螺合によりコネクタ32に対し着脱自在に固定されている。弁座51内は、コネクタ32内に連通しており、弁座51と、コネクタ32との間には、Oリング54が設置され、気密性が確保されている。この弁座51は、ほぼ円錐面状(すり鉢状)をなす接合面511を有している。
【0058】
弁体52は、弁座51と同心的(同軸的)に設けられており、ほぼ円錐台状をなす封止部521と、封止部521から図3および図4中の下方向に延びる軸部522とを有している。
【0059】
封止部521は、接合面511に対応した形状をなす接合面524を有しており、接合面524に形成された凹部(溝)内には、Oリング525が設置されている。
【0060】
軸部522は、コイルバネ53の内側に挿入されている。軸部522の図3および図4中の下端部には、バネ受け(バネ座)55が例えば螺合により着脱自在に固定されている。バネ受け55は、ほぼ円盤状をなし、その外周部の一部には、空気を通過させる溝(切欠き)551が形成されている。
【0061】
コイルバネ53は、圧縮された状態になっており、その図3および図4中の下端部は、バネ受け55に当接している。これにより、コイルバネ53は、バネ受け55を介して、弁体52を図3および図4中の下方向に付勢している。
【0062】
このような安全弁5は、後に詳述するように、内視鏡10内(連通部3内)の圧力が滅菌槽2内の圧力よりある程度以上高くなると開き、内部の空気を滅菌槽2内に逃がす(排出する)。安全弁5が開くときの、内視鏡10内(連通部3内)と滅菌槽2内との圧力差を以下「開弁圧力差」と言う。
【0063】
コイルバネ53の付勢力(弾性力)は、最適な大きさの開弁圧力差が得られるような付勢力に設定されている。
【0064】
また、コイルバネ53の付勢力は、調整可能であるのが好ましい。これにより、例えば内視鏡10の種類等に応じて、安全弁5の開弁圧力差を最適に調整(設定)することができる。
【0065】
本実施形態では、コイルバネ53を交換することにより、コイルバネ53の付勢力を調整することができる。コイルバネ53の交換は、コネクタ32に対する弁座51の螺合を解除することにより、容易に行うことができる。
【0066】
安全弁5は、内視鏡10内(連通部3内)の圧力と、滅菌槽2内の圧力との関係により、次のように作動する。
【0067】
滅菌槽2内の圧力が内視鏡10内より高い場合には、その圧力差およびコイルバネ53の付勢力により、弁体52の接合面524(Oリング525)が弁座51の接合面511に圧接され、安全弁5は、閉状態(図3に示す状態)になる。すなわち、安全弁5は、逆止弁になっており、滅菌槽2内の気体(蒸気)が安全弁5を通って内視鏡10内(連通部3内)に侵入することはない。
【0068】
内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力より高い場合であって、内視鏡10内と滅菌槽2内との圧力差が開弁圧力差より小さい場合には、コイルバネ53の付勢力により、弁体52の接合面524(Oリング525)が弁座51の接合面511に圧接され、安全弁5は、閉状態を保つ。
【0069】
この状態から、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に対してさらに高くなり、内視鏡10内と滅菌槽2内との圧力差が開弁圧力差以上になると、その圧力差によって、弁体52は、コイルバネ53の付勢力に抗して図3および図4中の上方向に移動し、接合面524(Oリング525)が接合面511から離間する。すなわち、安全弁5は、開状態(図4に示す状態)になる。
【0070】
安全弁5が開状態になると、内部(内視鏡10内および連通部3内)の空気が接合面524と接合面511との間を通って滅菌槽2内に逃がされ(排出され)、内視鏡10内の圧力は、低下する。
【0071】
内視鏡10内の圧力が低下して、内視鏡10内と滅菌槽2内との圧力差が開弁圧力差より小さくなると、圧力差による力よりもコイルバネ53の付勢力が勝って、弁体52が図3および図4中の下方向に移動し、安全弁5は、再び閉状態になる。
【0072】
このように、内視鏡10の圧力が高くなり、内視鏡10内と滅菌槽2内との圧力差が開弁圧力差以上になると、その都度、安全弁5が開いて内部の空気が滅菌槽2内に排出され、内視鏡10の圧力が低下する。
【0073】
よって、このような安全弁5の作動により、内視鏡10内と滅菌槽2内との圧力差は、開弁圧力差以上に大きくなることがない。すなわち、内視鏡10内の圧力は、滅菌槽2内の圧力に対し、開弁圧力差以上高くなることが防止される。
【0074】
安全弁5の開弁圧力差は、内視鏡10の湾曲部103の外皮(湾曲ゴム)が損傷(伸び、破裂等)することのないような圧力差とされる。すなわち、安全弁5の開弁圧力差は、50〜300mmHgであるのが好ましく、150〜250mmHgであるのがより好ましく、例えば200mmHg程度とすることができる。
【0075】
本発明のオートクレーブ装置1では、このような安全弁5を設けたことにより、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に対して過大になるのが防止され、例えば内視鏡10の湾曲部103の外皮等が膨張して損傷(伸び、破裂等)するようなことを確実に防止することができ、内視鏡10を保護することができる。
【0076】
また、本実施形態では、連通部3の内視鏡10に対する接続端近傍(コネクタ32)に安全弁5を設けたことにより、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に対して過大になりそうになると、より迅速に安全弁5が開いて、内視鏡10内の圧力上昇が回避される。よって、より確実に内視鏡10を保護することができる。
【0077】
図1に示すように、水蒸気供給手段4は、高温高圧の水蒸気を発生する蒸気発生部41と、該蒸気発生部41と滅菌槽2とを接続する給蒸流路42とを有している。給蒸流路42の途中には、第3電磁弁13が設けられている。
【0078】
第3電磁弁13を開状態にすると、蒸気発生部41で発生した水蒸気は、給蒸流路42を通って滅菌槽2内に供給される。第3電磁弁13を閉状態にすると、給蒸流路42が遮断(閉塞)される。
【0079】
本実施形態では、連通部3を介して、滅菌槽2内に収容した内視鏡10内の圧力を調節する内視鏡内圧調節手段6が設けられている。内視鏡内圧調節手段6は、内視鏡10内を減圧(排気)する吸引ポンプ(真空ポンプ)61と、内視鏡10内を加圧する加圧ポンプ(送気ポンプ)62とを有している。
【0080】
吸引ポンプ61は、給排管63に対し内視鏡内排気流路64で接続されている。すなわち、内視鏡内排気流路64は、連通管31から分岐して設けられており、分岐端の反対側の端部は、吸引ポンプ61に接続されている。内視鏡内排気流路64の途中には、第2電磁弁12が設けられている。
【0081】
吸引ポンプ61を作動し、第2電磁弁12を開状態にすると、内視鏡10内の空気が連通管31、給排管63および内視鏡内排気流路64を通って排出され、内視鏡10内の圧力が低下する。第2電磁弁12を閉状態にすると、内視鏡内排気流路64は、遮断(閉塞)される。
【0082】
また、加圧ポンプ62は、給排管63に対し、内視鏡内給気流路65で接続されている。すなわち、内視鏡内給気流路65は、連通管31から分岐して設けられており、分岐端の反対側の端部は、加圧ポンプ62に接続されている。内視鏡内給気流路65の途中には、第5電磁弁15が設けられている。
【0083】
加圧ポンプ62を作動し、第5電磁弁15を開状態にすると、外気が内視鏡内給気流路65、給排管63および連通管31を通って内視鏡10内に送り込まれ、内視鏡10内の圧力が上昇する。第5電磁弁を閉状態にすると、内視鏡内給気流路65は、遮断(閉塞)される。
【0084】
また、吸引ポンプ61は、滅菌槽2内を排気・減圧する槽内排気手段ともなるものである。すなわち、吸引ポンプ61と滅菌槽2とは、槽内排気流路81で接続されており、該槽内排気流路81の途中には、第1電磁弁11が設けられている。
【0085】
吸引ポンプ61を作動し、第1電磁弁11を開状態にすると、滅菌槽2内の空気が槽内排気流路81を通って排出され、滅菌槽2内は、減圧状態(低真空状態)になる。第1電磁弁11を閉状態にすると、槽内排気流路81は、遮断(閉塞)される。
【0086】
給排管63の端部(または途中)には、内視鏡10内の圧力を検出する圧力センサ(内視鏡内圧検出手段)85が設けられている。内視鏡10内と給排管63内とは、連通部3を介して連通するため、圧力とが等しくなる。よって、圧力センサ85で内視鏡10内の圧力を検出することができる。
【0087】
滅菌槽2内に連通する管路82には、滅菌槽2内の圧力を検出する圧力センサ(槽内圧検出手段)86が設けられている。なお、圧力センサ86は、滅菌槽2内に連通する他の流路や滅菌槽2内に設けられていてもよい。
【0088】
第1電磁弁11〜第6電磁弁16、吸引ポンプ61、加圧ポンプ62、圧力センサ85、圧力センサ86は、それぞれ、制御手段7に電気的に接続されている。制御手段7は、予め定められたプログラムや圧力センサ85および圧力センサ86からの入力信号等に基づいて、各部の作動を制御する。
【0089】
図5は、各部の作動を示すタイムチャートである。以下、同図を参照して、オートクレーブ装置1の作動について説明する。
【0090】
オートクレーブ装置1は、滅菌槽2内に収容した内視鏡10を水蒸気滅菌する滅菌工程と、内視鏡10および滅菌槽2内を乾燥する乾燥工程とを行う。
【0091】
[滅菌工程]
滅菌工程では、まず、滅菌槽2内および内視鏡10内が同期的に排気、減圧される。すなわち、吸引ポンプ61を作動するとともに、第1電磁弁11および第2電磁弁12が開状態、第3電磁弁13〜第6電磁弁16が閉状態とされる(図5中の▲1▼)。
【0092】
これにより、滅菌槽2内および内視鏡10内は、同期的に圧力が降下し、所定の圧力Pとなるまで減圧される。このときの圧力Pは、特に限定されないが、通常、大気圧Pよりも600mmHg程度以上低い圧力であるのが好ましく、例えば、大気圧Pよりも740mmHg程度低い圧力とすることができる。
【0093】
このような減圧の際、例えば第2電磁弁12が故障して閉じたままになったような場合には、滅菌槽2内のみが減圧されることとなり、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に対して高くなる。本発明では、安全弁5を設けたことにより、このような場合であっても、内視鏡10内(連通部3内)の空気を滅菌槽2内に逃がすことができ、内視鏡10を保護することができる。
【0094】
これに対し、仮に安全弁5が設けられていないとすると、前記のような場合、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に対して過大になり、内視鏡10の湾曲部103の外皮等が膨張して損傷(伸び、破裂等)するおそれが生じる。
【0095】
滅菌槽2内および内視鏡10内の圧力がPになったら、減圧を終了し、滅菌槽2内に水蒸気を供給して滅菌を行う。すなわち、第1電磁弁11を閉状態、第3電磁弁13を開状態とする(図5中の▲2▼)。これにより、蒸気発生部41で発生した水蒸気が滅菌槽2内に供給、充填され、滅菌槽2内の圧力は、上昇する(図5中の▲2▼〜▲3▼)。
【0096】
滅菌槽2内に水蒸気が充填されると、この水蒸気により、内視鏡10の外表面、処置具挿通チャンネルの内面等が消毒、滅菌される。
【0097】
本実施形態のオートクレーブ装置1は、滅菌槽2内に水蒸気を充填したとき、内視鏡内圧調節手段6により、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に対応した圧力になるように調節する。
【0098】
すなわち、滅菌槽2内に水蒸気の供給を開始するとともに、加圧ポンプ62を作動(オン)し、第5電磁弁15を開状態にする(図5中の▲2▼)。これにより、内視鏡10内は、加圧され、内視鏡10内の圧力は、滅菌槽2内の圧力と同期的に上昇する(図5中の▲2▼〜▲3▼)。
【0099】
本実施形態では、滅菌槽2内に水蒸気を充填したとき、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に可及的に等しくなるように内視鏡内圧調節手段6を作動する。
【0100】
すなわち、圧力センサ85で検出された内視鏡10内の圧力が圧力センサ86で検出された滅菌槽2内の圧力より低い場合には、第2電磁弁12を閉状態、第5電磁弁15を開状態とし、加圧ポンプ62で内視鏡10内を加圧する。逆に、圧力センサ85で検出された内視鏡10内の圧力が圧力センサ86で検出された滅菌槽2内の圧力より高い場合には、第2電磁弁12を開状態、第5電磁弁15を閉状態とし、吸引ポンプ61で内視鏡10内を減圧する。
【0101】
このように内視鏡内圧調節手段6を作動することにより、内視鏡10内の圧力は、滅菌槽2内の圧力(滅菌槽2内に供給、充填される水蒸気の圧力)Pに可及的に等しくなるように調節(加圧)される。
【0102】
内視鏡10内の圧力がほぼPになったら、吸引ポンプ61および加圧ポンプ62を停止(オフ)するとともに、第2電磁弁12および第5電磁弁15を閉状態として、内視鏡10内の圧力をPに保つ(図5中の▲3▼)。
【0103】
このように、本実施形態のオートクレーブ装置1では、水蒸気を滅菌槽2内に充填したとき、内視鏡10内の圧力は、滅菌槽2内の圧力に可及的に等しくなるように調節され、内視鏡10内・外の圧力差が小さくなる。よって、滅菌槽2内の水蒸気は、内視鏡用可撓管等の外皮を透過せず、内視鏡10内に侵入することがない。
【0104】
このため、内視鏡10の使用回数が多くなり、通算の滅菌回数が多くなったような場合であっても、内視鏡10内に水蒸気(水分)が蓄積するようなことがなく、この水蒸気(水分)によって内視鏡10の内蔵物が機能低下、損傷するようなことを防止することができる。
【0105】
また、同様に、内視鏡10に例えばピンホール、亀裂、接続部シール不良等が生じていたような場合であっても、滅菌槽2内の水蒸気は、内視鏡10内に侵入することがなく、内蔵物の機能低下、損傷を防止することができる。
【0106】
なお、滅菌槽2内に供給、充填される水蒸気の圧力Pは、特に限定されないが、1.0〜3.0kg/cm程度であるのが好ましく、例えば、2.2kg/cmとすることができる。また、この水蒸気の温度は、特に限定されないが、100〜200℃程度であるのが好ましく、例えば、135℃とすることができる。また、滅菌時間は、特に限定されないが、1〜20分程度であるのが好ましい。
【0107】
本実施形態では、内視鏡内圧調節手段6が吸引ポンプ61と加圧ポンプ62との両方を有することにより、内視鏡10内の圧力をより精確に調節(制御)することができ、内視鏡10内・外の圧力差をより小さくすることができる。なお、内視鏡内圧調節手段6は、吸引ポンプ61を有しないもの(加圧ポンプ62のみのもの)であってもよい。
【0108】
また、内視鏡内圧調節手段6は、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に可及的に等しくなるように調節するものに限らず、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力に対応した圧力(例えば、滅菌槽2内の圧力より所定値だけ高いまたは低い圧力)になるように調節するものであってもよい。
【0109】
内視鏡10内の容積は、滅菌槽2の容積に比べて極めて小さいので、内視鏡内圧調節手段6(加圧ポンプ62)で内視鏡10内を加圧するとき(図5中の▲2▼〜▲3▼)、諸条件によっては、内視鏡10内の圧力が滅菌槽2内の圧力よりも速く上昇する場合がある。本発明では、安全弁5を設けたことにより、このような場合にも、内視鏡10内(連通部3内)の空気を滅菌槽2内に逃がすことができ、内視鏡10を保護することができる。
【0110】
これに対し、仮に安全弁5が設けられていないとすると、前記のような場合、上昇の速い内視鏡10内の圧力が、上昇の遅い滅菌槽2内の圧力に対して過大になり、内視鏡10の湾曲部103の外皮等が膨張して損傷(伸び、破裂等)するおそれが生じる。
【0111】
[乾燥工程]
滅菌工程が終了したら、乾燥工程を行う。乾燥工程では、まず、第3電磁弁13を閉状態として水蒸気の供給を停止するとともに、第6電磁弁16を開状態として滅菌槽2内の水蒸気を排出する。同時に、吸引ポンプ61を作動し、第2電磁弁12を開状態として内視鏡10内を排気・減圧する(図5中の▲4▼)。これにより、滅菌槽2内の圧力と、内視鏡10内の圧力とは、同期的に低下する(図5中の▲4▼〜▲5▼)。
【0112】
滅菌槽2内の圧力が大気圧Pまで降下したら、第1電磁弁11を開状態として(図5中の▲5▼)、吸引ポンプ61で滅菌槽2内からも吸引し、滅菌槽2内の水蒸気をさらに排出する(真空乾燥)。すなわち、滅菌槽2内の圧力と、内視鏡10内の圧力とは、さらに同期的に低下し、圧力Pの減圧状態(低真空状態)になる(図5中の▲5▼〜▲6▼)。
【0113】
真空乾燥の後は、パルス乾燥を行う。このパルス乾燥では、まず、加圧ポンプ62を作動するとともに、第1電磁弁11および第2電磁弁12を閉状態、第4電磁弁14および第5電磁弁15を開状態とする(図5中の▲6▼)。
【0114】
これにより、槽内給気流路83を通って外気が滅菌槽2内に流入するとともに、内視鏡10内にも加圧ポンプ62によって送気され、滅菌槽2内の圧力と、内視鏡10内の圧力とは、同期的に上昇する。
【0115】
滅菌槽2内の圧力と、内視鏡10内の圧力とがPまで上昇したら、第1電磁弁11および第2電磁弁12を開状態、第4電磁弁14および第5電磁弁15を閉状態とする。これにより、滅菌槽2内および内視鏡10内が吸引ポンプ61で排気、減圧され、滅菌槽2内の圧力と、内視鏡10内の圧力とは、再度、同期的にPまで低下する。
【0116】
この後、第1電磁弁11および第2電磁弁12と、第4電磁弁14および第5電磁弁15との開・閉を交互に2〜10サイクル程度繰り返す。これにより、滅菌槽2内の圧力と内視鏡10内の圧力とは、PとPとの間で上昇・降下を繰り返し(図5中の▲6▼〜▲7▼)、滅菌槽2内には、外気の流入・排出が繰り返される(パルス乾燥)。このパルス乾燥により、滅菌槽2内の水蒸気が完全に排出されて外気に換気され、滅菌槽2内および内視鏡10が乾燥する。
【0117】
前記圧力Pは、特に限定されないが、大気圧Pとほぼ同じ〜大気圧Pより300mmHg程度低い圧力であるのが好ましく、例えば、大気圧Pより150mmHg程度低い圧力とすることができる。
【0118】
パルス乾燥が終了したら、吸引ポンプ61を停止するとともに、第1電磁弁11および第2電磁弁12を閉状態、第4電磁弁14および第5電磁弁15を開状態とする(図5中の▲7▼)。次いで、内視鏡10内の圧力が大気圧Pまで上昇したら、加圧ポンプ62を停止する(図5中の▲8▼)。これにより、滅菌槽2内および内視鏡10内の圧力をそれぞれ大気圧Pに戻して、オートクレーブ装置1の滅菌処理工程が完了する。
【0119】
本実施形態では、上述したように、内視鏡10および滅菌槽2内を乾燥する乾燥工程(図5中の▲4▼〜▲8▼)においても、内視鏡10の圧力を滅菌槽2内の圧力に対応した圧力(ほぼ同じ圧力)になるように調節する。これにより、乾燥工程においても滅菌槽2内の水蒸気が内視鏡10内に侵入することをより確実に防止することができる。
【0120】
以上、本発明のオートクレーブ装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、オートクレーブ装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0121】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、内視鏡を滅菌する工程において、内視鏡内の圧力が滅菌槽内の圧力に対して過大になるのを防止することにより、例えば内視鏡の湾曲部の外皮等が膨張して損傷するようなことを確実に防止することができる。
【0122】
また、内視鏡内の圧力を調節する内視鏡内圧調節手段を設けた場合には、滅菌槽内に水蒸気を充填したとき、水蒸気が内視鏡用可撓管等の外皮を透過するのを防止することもできる。この内視鏡内圧調節手段の作動時にも、内視鏡内の圧力が滅菌槽内の圧力に対して過大になるのが防止され、内視鏡を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオートクレーブ装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示すオートクレーブ装置における滅菌槽内に内視鏡が収容された状態を示す平面図である。
【図3】図1に示すオートクレーブ装置における連通部と内視鏡との接続部付近の断面図(安全弁が閉じた状態)である。
【図4】図1に示すオートクレーブ装置における連通部と内視鏡との接続部付近の断面図(安全弁が開いた状態)である。
【図5】図1に示すオートクレーブ装置の各部の作動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 オートクレーブ装置
11 第1電磁弁
12 第2電磁弁
13 第3電磁弁
14 第4電磁弁
15 第5電磁弁
16 第6電磁弁
2 滅菌槽
3 連通部
31 連通管
32 コネクタ
321 係合溝
322 凸部
323 Oリング
4 水蒸気供給手段
41 蒸気発生部
42 給蒸流路
5 安全弁
51 弁座
511 接合面
52 弁体
521 封止部
522 軸部
524 接合面
525 Oリング
53 コイルバネ
54 Oリング
55 バネ受け
551 溝
6 内視鏡内圧調節手段
61 吸引ポンプ
62 加圧ポンプ
63 給排管
64 内視鏡内排気流路
65 内視鏡内給気流路
7 制御手段
81 槽内排気流路
82 管路
83 槽内給気流路
84 排蒸流路
85 圧力センサ(内視鏡内圧検出手段)
86 圧力センサ(槽内圧検出手段)
10 内視鏡
101 挿入部可撓管
102 操作部
103 湾曲部
104 光源差込部
105 接続部可撓管
106 操作レバー
110 コネクタ
111 内筒部材
112 外筒部材
113 弁体
114 コイルバネ
115 Oリング
116 開口
117 内面
118 係合ピン

Claims (10)

  1. 内視鏡を収容して密閉し得る滅菌槽と、前記滅菌槽内に水蒸気を供給する水蒸気供給手段とを備え、前記内視鏡を水蒸気滅菌するオートクレーブ装置であって、
    前記滅菌槽内に設けられ、前記滅菌槽内に収容した前記内視鏡に接続可能であり、前記内視鏡に接続した状態でその内部空間が前記内視鏡内と連通する、全体形状が管状をなす連通部と、
    前記連通部の前記内視鏡に対する接続端と反対側の端部に接続された給排管と、前記給排管から分岐して設けられ、前記給排管および前記連通部を介して前記内視鏡内を加圧する加圧ポンプと、前記給排管から分岐して設けられ、前記給排管および前記連通部を介して前記内視鏡内を排気・減圧する吸引ポンプとを有し、前記加圧ポンプまたは前記吸引ポンプの作動により前記内視鏡内の圧力を調節する内視鏡内圧調節手段と、
    前記連通部の前記接続端近傍に設けられ、前記内視鏡内の圧力が前記滅菌槽内の圧力に対して過大になるのを防止する安全弁とを備え、
    前記安全弁は、円筒状をなし、その一端部が前記連通部の長手方向の途中に接続され、前記連通部の軸方向と垂直な方向に突出し、前記連通部と連通する弁座と、前記弁座内に該弁座と同軸的に設けられ、その軸方向に沿って移動可能な弁体と、前記弁座内に圧縮状態で設けられ、前記弁体を付勢するコイルバネで構成された付勢部材とを有し、
    前記弁座は、その内周部に内径が一端側に向かって漸減する、ほぼ円錐面状の接合面を備え、
    前記弁体は、前記弁座の接合面に対応するように、外周部に外径が一端側に向かって漸減する、ほぼ円錐台状をなす接合面を有する封止部と、前記封止部の一端面から一端方向に向かって延びる軸部と、前記軸部の一端部に設けられたバネ受けとを備え、
    前記付勢部材は、前記軸部が挿入され、その一端部が前記バネ受けに当接し、その他端部が前記弁座の接合面よりも一端側の部分に当接して、前記弁座の接合面と前記弁体の接合面とが接触するように前記弁体を一端方向に付勢することを特徴とするオートクレーブ装置。
  2. 前記安全弁は、前記連通部内と前記滅菌槽内との圧力差の大きさに応じて、前記弁座の接合面と前記弁体の接合面とが接する閉状態と、前記弁体が前記付勢部材の付勢力に抗して他端方向へ移動して、前記弁座の接合面と前記弁体の接合面とが離間し、これにより内部の空気が前記滅菌槽内に排出される開状態とを取り得、
    前記弁体は、前記閉状態では前記封止部の全体が前記弁座内に位置し、前記開状態では前記封止部の他端部が前記弁座から突出する請求項1に記載のオートクレーブ装置。
  3. 前記安全弁が開く前記圧力差は、前記内視鏡の湾曲部の外皮が損傷することのないような圧力差である請求項2に記載のオートクレーブ装置。
  4. 前記安全弁が開く前記圧力差は、50〜300mmHgである請求項2または3に記載のオートクレーブ装置。
  5. 前記バネ受けは、ほぼ円盤状をなし、その外周部の一部には、空気を通過させる溝が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
  6. 前記コイルバネは、前記付勢力がそれぞれ異なるものが複数用意されており、
    前記複数のコイルバネのうちの1つを選択して用い、前記弁体に対する前記付勢力を調整可能に構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
  7. 前記内視鏡内圧調節手段は、前記滅菌槽内に水蒸気を充填したとき、前記内視鏡内の圧力が前記滅菌槽内の圧力に可及的に等しくなるように作動する請求項1ないし6のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
  8. 前記滅菌槽と吸引ポンプとを接続する槽内排気流路と、
    前記槽内排気流路の途中に設けられた第1電磁弁と、
    前記給排管と前記吸引ポンプとを接続する内視鏡内排気流路と、
    前記内視鏡内排気流路の途中に設けられた第2電磁弁と、
    前記滅菌槽に接続され、該滅菌槽内へ向かう水蒸気が通過する給蒸流路と、
    前記給蒸流路の途中に設けられた第3電磁弁と、
    前記滅菌槽に接続され、該滅菌槽内へ向かう外気が通過する槽内給気流路と、
    前記槽内給気流路の途中に設けられた第4電磁弁と、
    前記給排管と前記加圧ポンプとを接続する内視鏡内給気流路と、
    前記内視鏡内給気流路の途中に設けられた第5電磁弁と、
    前記滅菌槽に接続され、該滅菌槽内から排出される水蒸気が通過する排蒸流路と、
    前記排蒸流路の途中に設けられた第6電磁弁とを備える請求項1ないし7のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
  9. 前記滅菌槽内を排気・減圧する槽内排気手段を有する請求項1ないし8のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
  10. 前記滅菌槽内の圧力を検出する槽内圧検出手段を備える請求項1ないし9のいずれかに記載のオートクレーブ装置。
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