JP3691757B2 - オートクレーブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査に使用された内視鏡を高温、高圧の蒸気で滅菌するオートクレーブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、消化器内視鏡検査を行う病院では、複数の検査室(検査ベッド及び機材)がある場合が多い。そして、各検査室ではそれぞれ消化器内視鏡検査が独立に行われる。そのため、このような病院では、複数の内視鏡を使用し、かつ1台の内視鏡を1日に複数回使用することになる。このとき、検査に使用された内視鏡は滅菌処理装置で滅菌処理されたのち、再び検査に使用されるようになっている。
【0003】
また、特開平5−285103号公報には内視鏡を高温、高圧の蒸気で滅菌するオートクレーブ装置の一例が示されている。この装置では、1つの消毒・洗浄槽内に1台の内視鏡が収納されるようになっている。そして、1つのオートクレーブ装置で1台の内視鏡を高圧蒸気滅菌処理する構成になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、1つの高圧蒸気滅菌装置で1台の内視鏡を滅菌処理する構成になっている。そのため、複数の検査室から検査後の内視鏡が次々と高圧蒸気滅菌装置側に送られ、滅菌処理が順次行われる場合には、高圧蒸気滅菌装置を複数台備える必要がある。この場合には、複数台の滅菌装置を設置するためにそのコストが高くなる問題がある。さらに、複数台の滅菌装置を設置する場合には大きな設置スペースが必要になるので、滅菌装置の設置スペースが足りなくなるおそれがある。
【0005】
また、複数の検査室から滅菌装置側に届く内視鏡は同時に届くことは少なく、通常は、時間差があることが多い。そのため、検査後の内視鏡は滅菌装置側に届いた順序で順次、滅菌装置にセットされ、各滅菌装置が個別に駆動されることになるので、各滅菌装置にはそれぞれ独立の駆動装置を設ける必要がある。したがって、滅菌装置の数と同数の駆動装置を設ける必要があるので、滅菌装置のシステム全体の構成が複雑になり、コスト高になる問題がある。さらに、非稼動状態の滅菌装置では駆動装置も非稼動状態で保持されているので、効率的な滅菌処理ができない問題がある。
【0006】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、装置全体の構成がコンパクトで、コスト低下が図れるとともに、複数の内視鏡を時間差をつけて滅菌処理が可能で、効率的な滅菌処理を行うことができるオートクレーブ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オートクレーブ滅菌を行う複数の工程からなる一連の作業工程を行う第一の作業室と、オートクレーブ滅菌を行う複数の工程からなる一連の作業工程を行う第二の作業室と、前記第一の作業室及び前記第二の作業室で行われる一連の作業を駆動する駆動部と、前記第一、二の各作業室で、それぞれ独立にオートクレーブ滅菌を行う一連の作業工程が行われるとともに、前記各作業室で行われる前記オートクレーブ滅菌の一連の作業工程中に、同じ時間にそれぞれ異なる作業工程が行われる状態に前記各作業室における前記オートクレーブ滅菌の一連の作業工程を同時に制御する共通の制御装置とを一体的に設けたことを特徴とするオートクレーブ装置である。
そして、本発明では、一つのオートクレーブ装置にオートクレーブ滅菌を行う複数の工程からなる一連の作業工程を行う第一の作業室と、オートクレーブ滅菌を行う複数の工程からなる一連の作業工程を行う第二の作業室と、第一の作業室及び第二の作業室で行われる一連の作業を駆動する駆動部と、共通の制御装置とを一体的に設け、狭い内視鏡室でも第一の作業室及び第二の作業室を独立的に運転することができ、効率的な内視鏡検査を実現できることで、装置全体の構成がコンパクトで、コスト低下が図れるとともに、複数の内視鏡を時間差をつけて滅菌処理が可能で、効率的な滅菌処理を行うことができるようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図6(A),(B)を参照して説明する。図1は本実施の形態のオートクレーブ装置(高圧蒸気滅菌装置)1全体の概略構成を示すものである。このオートクレーブ装置1には、ケース2内にオートクレーブ滅菌を行う複数の工程からなる一連の作業工程を行う第1のチャンバー(作業室)3と、第2のチャンバー(作業室)4と、駆動部5とがそれぞれ設けられている。さらに、ケース2の正面パネル2aには工程制御部(制御装置)6と、第1のチャンバー3の扉7と、第2のチャンバー4の扉8と、駆動部5の扉9とがそれぞれ設けられている。なお、工程制御部6には設定操作用のキーボードなどの設定操作部10が接続されている。
【0009】
また、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4は略同形状に設定され、図1に示すように縦方向の長さL1と、奥行き方向の長さL2と、横方向の長さL3とがL1>L2>L3の関係にそれぞれ設定されている。これらの第1のチャンバー3および第2のチャンバー4内には図2に示すように後述する内視鏡102を収納する収納ケース11が収納可能になっている。この収納ケース11は図5に示すようにトレイ12と、蓋部材13とから構成されている。さらに、トレイ12と蓋部材13には複数の図示しない通気孔が設けられており、この孔を通じて水蒸気が透過できるようになっている。そして、オートクレーブ装置1による高圧蒸気滅菌の際にこの滅菌用収納ケース11を用いるようになっている。
【0010】
なお、図2は収納ケース11のトレイ12内に内視鏡102を収納した様子を示す。ここで、トレイ12の縦方向の長さL11と、奥行き方向の長さL12とは第1のチャンバー3および第2のチャンバー4の縦方向の長さL1と、奥行き方向の長さL2よりそれぞれ若干短く設定されている。
【0011】
また、オートクレーブ装置1の駆動部5には、図3に示す蒸気供給装置14や、吸引ポンプ15や、図示しない水が入ったタンクなどが収納されている。この蒸気供給装置14には、少なくとも水の溜まったタンクと、その水を蒸気に変換する装置とが内蔵されている。なお、水や、蒸気の流れを制御する加圧ポンプなどが含まれていてもよい。
【0012】
また、蒸気供給装置14と、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4との間は蒸気を供給する第1の管路16および第2の管路17で繋がれている。ここで、第1の管路16の途中には第1の弁18、第2の管路17の途中には第2の弁19がそれぞれ設けられている。
【0013】
さらに、吸引ポンプ15と、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4との間には吸引用の第3の管路20および第4の管路21で繋がれている。さらに、第3の管路20の途中には第3の弁22、第4の管路21の途中には第4の弁23がそれぞれ設けられている。
【0014】
また、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4には蒸気排出用の第5の管路24および第6の管路25の各一端が連結されている。ここで、第5の管路24には第5の弁26、第6の管路25には第6の弁27がそれぞれ介設されている。
【0015】
なお、図3中に点線で示すように吸引ポンプ15と蒸気供給装置14(の中の水タンク)との間を繋ぐ管路28を設けてもよい。そして、この管路28に第5の管路24および第6の管路25の各他端が繋がっていてもよい。なお、管路28は、中の気体又は液体が図3中で矢印方向に流れるように、途中にポンプを介設するか、あるいは重力作用で蒸気供給装置14内の水タンクに至るようになっている。
【0016】
また、図4に示すように蒸気供給装置14、吸引ポンプ15、第1の弁18、第2の弁19、第3の弁22、第4の弁23、第5の弁26、第6の弁27は工程制御部6にそれぞれ接続されている。そして、設定操作部10の設定に基いて工程制御部6によって蒸気供給装置14、吸引ポンプ15、第1の弁18、第2の弁19、第3の弁22、第4の弁23、第5の弁26、第6の弁27の動作が制御されるようになっている。
【0017】
本実施の形態では上述のように、オートクレーブ装置1には2つの作業室、すなわち第1のチャンバー3および第2のチャンバー4があるが、このオートクレーブ装置1の駆動部5の蒸気供給装置14、吸引ポンプ15や、工程制御部6、は第1のチャンバー3、第2のチャンバー4に共通の装置になっている。そして、本実施の形態のオートクレーブ装置1は、電源を接続すれば、外部から蒸気を供給しなくとも、オートクレーブ装置1自身の蒸気供給装置14の中で蒸気を生成し、第1のチャンバー3、第2のチャンバー4に蒸気を供給し、第1のチャンバー3、第2のチャンバー4内の圧力を制御しながら、滅菌処理が行なえるようになっている(スタンドアローン装置)。
【0018】
また、図5は本実施の形態のオートクレーブ装置1による高圧蒸気滅菌処置の対象となる内視鏡102とその周辺装置とから構成される内視鏡装置101を示すものである。この内視鏡装置101は撮像手段を備えた内視鏡102と、内視鏡102に着脱自在に接続されて内視鏡102に設けられたライトガイドに照明光を供給する光源装置103と、内視鏡102と信号ケーブル104を介して接続されて内視鏡102の撮像手段を制御すると共に撮像手段から得られた信号を処理するビデオプロセッサ105と、ビデオプロセッサ105から出力される被写体像に対応する映像を表示するモニタ106とから構成されている。ここで、内視鏡102は観察や処置に使用された後には、洗浄された後に高圧蒸気滅菌にて滅菌を行うことが可能に構成されている。
【0019】
また、内視鏡102は可撓性を有する細長の挿入部107と、この挿入部107の基端側に接続された操作部108と、この操作部108の側部から延出した可撓性を有する連結コード109と、この連結コード109の端部に設けられたコネクタ部110と、このコネクタ部110の側部に設けられた電気コネクタ部111とを有している。ここで、連結コード109のコネクタ部110は光源装置103と着脱自在に接続されるようになっている。さらに、電気コネクタ部111にはビデオプロセッサ105の信号ケーブル104が着脱自在に接続可能になっている。なお、この電気コネクタ部111には内視鏡102の内部と外部とを連通する図示しない通気口が設けられている。
【0020】
また、挿入部107と操作部108との接続部には接続部の急激な曲がりを防止する弾性部材を有する挿入部側折れ止め部材112が設けられており、操作部108と連結コード109との接続部には同様の操作部側折れ止め部材113、連結コード109とコネクタ部110の接続部には同様のコネクタ部側折れ止め部材114が設けられている。
【0021】
挿入部107は可撓性を有する柔軟な可撓管部115と、可撓管部115の先端側に設けられ操作部108の操作により湾曲可能な湾曲部116と、先端に設けられ図示しない観察光学系、照明光学系などが配設された先端部117から構成されている。
【0022】
先端部117には送気操作、送水操作によって図示しない観察光学系の外表面の光学部材に向けて洗浄液体や気体を噴出するための送気送水ノズル118と、挿入部107に配設された処置具を挿通したり体腔内の液体を吸引するための図示しない処置具チャンネルの先端側の開口である吸引口119と、観察対象物に向けて開口した液体を噴出するための送液口120とが設けられている。
【0023】
コネクタ部110には光源装置103に内蔵された図示しない気体供給源と着脱自在に接続される気体供給口金121と、液体供給源である送水タンク122と着脱自在に接続される送水タンク加圧口金123と、液体供給口金124とが設けられている。さらに、このコネクタ部110には吸引口より吸引を行うための図示しない吸引源と接続される吸引口金125と、送液口120より送水を行うための図示しない送水手段と接続される注入口金126と、高周波処置等を行った際に内視鏡に高周波漏れ電流が発生した場合に漏れ電流を高周波処置装置に帰還させるためのアース端子口金127とがそれぞれ設けられている。
【0024】
また、操作部108には送気操作、送水操作を切換え操作する送気送水操作ボタン128と、吸引操作を操作するための吸引操作ボタン129と、湾曲部116の湾曲操作を行うための湾曲操作ノブ130と、ビデオプロセッサ105を遠隔操作する複数のリモートスイッチ131と、処置具チャンネルに連通した開口である処置具挿入口132とが設けられている。
【0025】
さらに、内視鏡102の電気コネクタ部111には圧力調整弁付き防水キャップ133が着脱自在に接続可能である。この防水キャップ133には図示しない圧力調整弁が設けられている。
【0026】
また、図2に示すように本実施の形態のオートクレーブ装置1における収納ケース11のトレイ12には、内視鏡102の設置位置を所定位置に規制する複数の設置部材29が随所に設けられている。これらの設置部材29は内視鏡102の形状に対応して内視鏡102のそれぞれの部分が所定の位置に収まるように配置されている。ここで、内視鏡102の挿入部107の先端から図2中に矢印Aの位置までは、挿入部107は略ストレート状にセットされる。Aの位置は挿入部107の先端位置から約70cm以上に設定されている。
【0027】
なお、本実施の形態では設置部材29がトレイ12に設けられている例を示しているが、設置部材29を第1のチャンバー3、第2のチャンバー4内に設けることにより、トレイ12が無くても内視鏡102が第1のチャンバー3、第2のチャンバー4の所定位置に設置できる構成にしてもよい。
【0028】
また、本実施の形態のオートクレーブ装置1による高圧蒸気滅菌処置の代表的な条件(温度、時間、圧力条件)としては米国規格協会承認、医療機器開発協会発行の米国規格ANSI/AAMI ST37−1992がある。ここではプレバキュームタイプで滅菌工程が132℃で4分、グラビティタイプで滅菌工程が132℃で10分と規格されている。
【0029】
一般的なプレバキュームタイプの高圧蒸気滅菌工程には滅菌対象機器を収容した滅菌室内を滅菌工程の前に減圧状態にするプレバキューム工程と、この後に滅菌室内に高圧高温蒸気を送り込んで滅菌を行う滅菌工程が含まれている。ここで、プレバキューム工程は、後の滅菌工程時に滅菌対象機器の細部にまで蒸気を浸透させるための工程であり、滅菌室内を減圧させることによって滅菌対象機器全体に高圧高温蒸気が行き渡るようになる。このプレバキューム工程における滅菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して−0.07MPa〜−0.09MPa程度に設定される。
【0030】
また、高圧蒸気滅菌の滅菌工程時の温度条件については高圧蒸気滅菌装置の形式や滅菌工程の時間によって異なるが、一般的には115℃から138℃程度の範囲で設定される。滅菌装置の中には142℃程度に設定可能なものもある。
【0031】
さらに、時間条件については滅菌工程の温度条件によって異なるが、一般的には3分〜60分程度に設定される。滅菌装置の種類によっては100分程度に設定可能なものもある。なお、この滅菌工程での滅菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して+0.2MPa程度に設定される。
【0032】
また、滅菌後の滅菌対象機器を乾燥させるために滅菌工程後に滅菌室内を再度減圧状態にする乾燥工程が含まれているものがある。この工程では滅菌室内を減圧して滅菌室内から蒸気を排除して滅菌室内の滅菌対象機器の乾燥を促進する。この工程における滅菌室内の圧力は一般的には大気圧に対して−0.07〜−0.09MPa程度に設定される。
【0033】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態のオートクレーブ装置1による高圧蒸気滅菌処置の通気、圧力の挙動は次の通りとなる。ここで、内視鏡102を高圧蒸気滅菌する際には圧力調整弁付き防水キャップ133を電気コネクタ部111に取り付けた状態で行う。この状態では防水キャップ133の図示しない圧力調整弁は閉じており、電気コネクタ部111の通気口が防水キャップ133にて塞がれて、内視鏡102の内部は外部と水密的に密閉される。
【0034】
そして、プレバキューム工程を有する滅菌方法の場合にはプレバキューム工程において滅菌室内の圧力が滅少して内視鏡102の内部より外部の方が圧力が低くなるような圧力差が生じると防水キャップ133の圧力調整弁が開き、通気口を介して内視鏡102の内部と外部が連通して内視鏡102の内部と滅菌室内の圧力に大きな圧力差が生じるのを防ぐ。このことにより内視鏡102は内部と外部の圧力差によって破損することがない。
【0035】
また、滅菌工程においては滅菌室内が加圧され内視鏡102の内部より外部の方が圧力が高くなるような圧力差が生じると防水キャップ133の圧力調整弁が閉じる。これにより、高圧高温の蒸気が防水キャップ133と電気コネクタ部111の通気口を介して内視鏡102の内部には侵入しない。しかし、高温高圧蒸気は高分子材料で形成された可撓管の外皮や内視鏡102の外装体の接続部に設けられたシール手段であるフッ素ゴムやシリコンゴム等から形成されたOリング等から内部に徐々に侵入する。
【0036】
なお、内視鏡102の外装体にはプレバキューム工程で減圧された圧力と滅菌工程での加圧圧力とが加算された状態で、外部から内部に向けた圧力が生じた状態となる。
【0037】
また、滅菌工程後に減圧工程を含む方法の場合には減圧工程において滅菌室の圧力が滅少して内視鏡102の内部より外部の方が圧力が低くなるような圧力差が発生するのとほぼ同時に防水キャップ133の圧力調整弁が開き、電気コネクタ部111の通気口を介して内視鏡102の内部と外部が連通して内視鏡102の内部と滅菌室内の圧力に大きな圧力差が生じるのを防ぐ。これにより、内視鏡102は内部と外部の圧力差によって破損することがない。
【0038】
さらに、減圧工程が終わり、滅菌室内が加圧され、内視鏡102の内部より外部の方が圧力が高くなるような圧力差が生じると防水キャップ133の圧力調整弁が閉じる。
【0039】
また、高圧蒸気滅菌の全ての工程が終了すると、内視鏡102の外装体には減圧工程で減圧された分、外部から内部に向けた圧力が生じた状態となる。ここで、防水キャップ133を挿入部側折れ止め部材112から取り外すと電気コネクタ部111の通気口により内視鏡102の内部と外部とが連通して内視鏡102の内部は大気圧となり、内視鏡102の外装体に生じていた圧力による負荷がなくなる。
【0040】
また、図6(A),(B)は本実施の形態のオートクレーブ装置1による一連の滅菌処理工程における、第1のチャンバー3、第2のチャンバー4内の圧力変化の一例を示す。ここで、図6(A)は第1のチャンバー3、図6(B)は第2のチャンバー4の状況をそれぞれ示す。なお、同図中で、d1,d2は被滅菌物を滅菌処理する1サイクルを示す。さらに、e1,e2は予熱工程、f1,f2は前真空(プレバキューム)工程、g1,g2は蒸気供給による加圧及び滅菌工程、h1,h2は蒸気排出及び真空引き乾燥工程、j1,j2は後乾燥工程である。また、縦軸は圧力を示し、0は大気圧である。
【0041】
まず、第1のチャンバー3の前真空工程f1、蒸気排出及び真空引き乾燥工程h1では吸引ポンプ15の吸引作用を用いるので、第2のチャンバー4の前真空工程f2、蒸気排出及び真空引き乾燥工程h2と重ならないように制御されている。すなわち、第3の管路20の第3の弁22および第4の管路21の第4の弁23を制御することで、共通の吸引ポンプ15でも前真空工程f1,f2、蒸気排出及び真空引き乾燥工程h1,h2を使い分けて吸引することができる。
【0042】
また、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4の蒸気排出及び真空引き乾燥工程h1,h2では、常に吸引ポンプ15の吸引作用を用いていなくても、蒸気排出及び真空引き乾燥工程h1,h2の中で、加圧状態から大気圧になるまでは第5の弁26および第6の弁27の制御により第5の管路24および第6の管路25から蒸気を排出すれば、吸引ポンプ15の吸引作用は用いず、大気圧より陰圧にする時に吸引ポンプ15の吸引作用を用いるというパターンにしてもよい。
【0043】
また、蒸気供給装置14からの蒸気供給も、第1の管路16の第1の弁18および第2の管路17の第2の弁19を制御することで、蒸気供給による加圧及び滅菌工程g1,g2が第1のチャンバー3、第2のチャンバー4で重ならないように分けて用いることができる。
【0044】
一般に、病院で複数の検査室にて内視鏡検査を行なった場合、検査後の内視鏡102が全く同じ時間に洗浄・滅菌されるケースは少なく、各々の検査室の検査時間はずれることが多いので、各内視鏡102の洗浄・滅菌開始時間もずれることが多い。
【0045】
本実施形態によれば、図6(A),(B)に示すように、第1のチャンバー3、第2のチャンバー4の滅菌処理サイクルd1,d2を一部が重なりながらもずらすことが可能であり、蒸気供給装置14、吸引ポンプ15、工程制御部6が共通で使うことができる。そのため、2台のオートクレーブ装置のそれぞれに専用の蒸気供給装置14、吸引ポンプ15、工程制御部6を個別に設ける場合と比較して、本実施形態のオートクレーブ装置1のように第1のチャンバー3、第2のチャンバー4で蒸気供給装置14、吸引ポンプ15、工程制御部6を共通で使う場合の方が装置全体をコンパクトにできるとともに、コストも安くできる。その結果、オートクレーブ装置1を内視鏡室又はその周辺に設置しやすくなる効果がある。
【0046】
通常、ある程度大きな病院であれば、病院の中央材料室(中央滅菌室)に比較的大型の高圧蒸気装置が複数ある。これらは、装置自体で蒸気を生成するというよりは、病院のボイラー室のボイラーから蒸気を各装置に供給するタイプのものが多い。病院の各部署、特に外科分野から多くの被滅菌物がここに送られ、処理されるが、それらは大量なので、ある被滅菌物が中央材料室に送られてから、滅菌処理後に送り元の部署に戻るのは、例えば1日後であったりする。
【0047】
一方、消化器内視鏡検査を行なう内視鏡室はこの中央材料室と隣接していない場合が多く、また、1つの内視鏡102は1日に例えば5回使われたりする。つまり、この消化器内視鏡は、中央材料室で高圧蒸気滅菌処理するよりも、内視鏡室又はその近辺に装置自身で蒸気を生成できるスタンドアローン型の専用滅菌装置を設置する方がよい。その場合は装置サイズやコストが大きな問題となりうるが、本実施形態では、スタンドアローン型装置を極力コンパクト、低コストで複数チャンバーの独立処理(サイクルのずれた処理)ができる。
【0048】
なお、本実施形態では、工程制御部6、蒸気供給装置14、吸引ポンプ15が第1のチャンバー3、第2のチャンバー4に共通の装置であるが、その中の一つでも共通要素があれば、上述の効果は生じてくる。
【0049】
また、第1のチャンバー3、第2のチャンバー4は図1に示すようにサイズが略同じであってもいいが、異なっていてもいい。例えば、全大腸に挿入する内視鏡102は挿入部107の長さが1.6m以上あるものもあるが、胃を検査する内視鏡102は挿入部107の長さが1mを若干越える程度である。つまり、内視鏡102でも挿入部107の長さが異なる様々な機種があり、病院も異なる部位(例えば胃と大腸)の検査を同じ時間帯に別々の検査室で行なうこともめずらしくないので、その異なる長さの内視鏡102に応じて、収納形態も異なるようにし、それに応じて第1のチャンバー3、第2のチャンバー4のサイズも異なるようにすることで(小さく収納できる被滅菌物に対しては小さなチャンバーを具備することで)、効率的な滅菌処理が行なえるようにするとともに、オートクレーブ装置1のサイズも極力コンパクトにできる。
【0050】
第1のチャンバー3、第2のチャンバー4の形状は、最も長いL1を縦方向(高さ方向)に配置することでオートクレーブ装置1が占有する床面積を極力小さくすることができ、狭い内視鏡検査室周辺に設置しやすくなる。但し、扉7,8は側方に設けるとともに、最も短いL3を含む面とすることで、作業者にとって扉7,8の開閉作業がしやすく、かつ扉7,8をコンパクトにできるので、開いた状態でのスペースもそれほどとられず、狭い内視鏡検査室の周辺に設置しやすい。
【0051】
なお、本実施形態における内視鏡102の収納形態の例では、図2中で挿入部107の先端から矢印Aの位置までは略ストレートの形状で保持し、小さく曲げられないようになっている。ここで、挿入部107を丸めた形状で保持させた場合には、高温の滅菌工程時に、挿入部107の外表面の樹脂に曲がり癖が付くおそれがある。そこで、本実施形態のように挿入部107の先端から矢印Aの位置までは略ストレートで保持することにより、その部分では曲がり癖が付かないようにしている。
【0052】
また、図2中で挿入部107の先端から矢印Aの位置までの距離は例えば70cmである。これは、一般的に大腸に内視鏡102を挿入した場合、その最短距離(腸の可動性のある部分は折り畳むように挿入)は約70cmと言われていることから、たいていの患者では70cmまでは挿入される為、この部分に曲がり癖が付くことを防いでいる。少なくとも、挿入部107の一部を曲げて収納する場合、挿入部107の先端から70cmの位置までは、(仮にゆるく曲げられたとしても、)その曲げの最小曲げ半径部分が位置しないようにすることにより、挿入性を確保することができる。
【0053】
さらに、吸引ポンプ15又は蒸気排出用の第5の管路24および第6の管路25を出た蒸気は水となって管路28を通って蒸気供給装置14内の水タンクに至るようにすることで、例えば精製水などで、ある程度の費用がかかる水を使い回しできるようにし、ランニングコストを少なくするようにしてもよい。
【0054】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではオートクレーブ装置1の第1のチャンバー3および第2のチャンバー4によってオートクレーブ滅菌を行う複数の工程からなる一連の作業工程をそれぞれ独立に行うとともに、第1,第2の各チャンバー3,4で行われるオートクレーブ滅菌の一連の作業工程中に、共通の工程制御部6によって同じ時間にそれぞれ異なる作業工程が行われる状態に第1,第2の各チャンバー3,4におけるオートクレーブ滅菌の一連の作業工程を同時に制御するようにしたので、オートクレーブ装置1をコンパクトでコストを極力上げないようにできるとともに、複数内視鏡を時間差をつけて滅菌処理することができ、効率的な滅菌処理を行うことができる効果がある。
【0055】
また、図7は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6(A),(B)参照)のオートクレーブ装置1の構成を次の通り変更したものである。
【0056】
すなわち、本実施の形態では、第1のチャンバー3、第2のチャンバー4の縦方向の長さL1を内視鏡102の挿入部107全体を略ストレートの形状で保持できる程度に長くしたものである。ここで、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4内には、内視鏡102を所定位置に設置するための設置部材29として高さ方向(第1のチャンバー3、第2のチャンバー4の縦方向)に沿ってスライド移動可能なスライド部材31が設けられている。このスライド部材31の下端部には把持部32が設けられている。
【0057】
さらに、このスライド部材31には内視鏡102の操作部108を保持する操作部保持部31aと、内視鏡102の操作部側折れ止め部材113を係脱可能に係合する係合溝33とが設けられている。この係合溝33の溝壁部には、スライド部材31側に凸部34、折れ止め部材113側に凹部35が設けられている。そして、内視鏡102をスライド部材31に設置すると、スライド部材31の凸部34と、折れ止め部材113の凹部35とが係合された状態に組み合わされるようになっている。但し、内視鏡102が高圧蒸気滅菌可能でないタイプの内視鏡の場合は、折れ止め部材113に凹部35を設けず、スライド部材31に設置できないようになっている。
【0058】
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態のオートクレーブ装置1の使用時に第1のチャンバー3および第2のチャンバー4に内視鏡102を収納する場合には、予め把持部32を持ってスライド部材31を下方に降ろしておき、スライド部材31の操作部保持部31aに内視鏡102の操作部108を取り付けるとともに、係合溝33に内視鏡102の操作部側折れ止め部材113を係脱可能に係合する。その後、スライド部材31を上方にスライドさせて内視鏡102全体を第1のチャンバー3および第2のチャンバー4に収納する。また、内視鏡102を第1のチャンバー3および第2のチャンバー4内から取出す場合には収納する場合と反対の作業を行なう。
【0059】
こうすることで、第1のチャンバー3、第2のチャンバー4の縦方向の長さL1を内視鏡102の挿入部107全体を略ストレートの形状で保持できる程度に長くしたことにより、内視鏡102の操作部108が第1のチャンバー3、第2のチャンバー4の上部のかなり高い場所に配置される場合であっても、スライド部材31が上下方向にスライド可能なので、内視鏡102を第1のチャンバー3、第2のチャンバー4に設置する作業がしやすくなる。
【0060】
さらに、本実施の形態では内視鏡102が高圧蒸気滅菌可能でないタイプの内視鏡の場合は、折れ止め部材113に凹部35を設けず、スライド部材31に設置できないようにしたので、スライド部材31には高圧蒸気滅菌可能な内視鏡102は設置できるが、高圧蒸気滅菌不能な内視鏡は設置できない。そのため、高圧蒸気滅菌不能な内視鏡をオートクレーブ装置1に入れて高圧蒸気滅菌してしまうことを確実に防止できる。
【0061】
そこで、本実施の形態では第1のチャンバー3および第2のチャンバー4の縦方向の長さL1を内視鏡102の挿入部107全体を略ストレートの形状で保持できる程度に長くしたので、挿入部107を極力曲げずに内視鏡102を第1のチャンバー3、第2のチャンバー4に収納できる。そのため、前述のように、良好な挿入性を確保しやすい。ここで、本実施の形態では第1のチャンバー3および第2のチャンバー4に収納された内視鏡102の挿入部107全体を略ストレートの形状で保持できるので、前実施の形態に対し、更に挿入部107の挿入性を確保しやすい効果がある。
【0062】
また、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4内には、第1のチャンバー3、第2のチャンバー4の縦方向に沿ってスライド移動可能なスライド部材31を設けたので、オートクレーブ装置1の第1のチャンバー3および第2のチャンバー4が高さ方向に非常に長い場合であってもスライド部材31を上下にスライドさせることにより、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4に内視鏡102を所定位置に設置する作業を容易に行うことができる。
【0063】
さらに、本実施の形態では第1のチャンバー3および第2のチャンバー4の縦方向の長さL1は長いが、床面積は小さくできるので、内視鏡検査室に設置しやすい効果もある。
【0064】
また、図8は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態では、各々別体の2つのオートクレーブ装置41a,41bが設けられている。各オートクレーブ装置41a,41bには、それぞれに高圧蒸気滅菌処理を行うチャンバー、蒸気生成装置、水タンク、吸引ポンプなどが設けられている。
【0065】
さらに、2つのオートクレーブ装置41a,41bには共通の工程制御部42が設けられている。この工程制御部42には、2つのオートクレーブ装置41a,41bがそれぞれ信号線43a,43bを介して接続されている。
【0066】
なお、工程制御部42は2つのオートクレーブ装置41a,41bのどちらか一方に組みこまれていてもよい。また、工程制御部42は2つのオートクレーブ装置41a,41bを無線でリモートコントロールできる構成にしてもよい。
【0067】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では2つのオートクレーブ装置41a,41bを別体にすることで、例えば各々を内視鏡検査室の空いたスペースに設置することができるなど、第1の実施の形態と比べて設置形態の自由度が増す。さらに、2つのオートクレーブ装置41a,41bには工程制御部42が内蔵されていないので、各々の装置41a,41bを少しコンパクトにできる効果がある。
【0068】
なお、2つのオートクレーブ装置41a,41bに続き、さらに別のオートクレーブ装置を接続するなど、ユーザーのニーズに応じて装置を増やした場合も、共通の工程制御部42で制御できるようにしてもよい。
【0069】
また、図9は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図6(A),(B)参照)のオートクレーブ装置1のトレイ12への内視鏡102の収納形態を次の通り変更したものである。
【0070】
すなわち、本実施の形態では、略ストレートに収納したい内視鏡102の挿入部107の先端側をトレイ12の略対角方向に設置するように複数の設置部材51を設けたものである。ここで、トレイ12を第1のチャンバー3および第2のチャンバー4に収納すると、挿入部107の先端側の略ストレート部分は、第1のチャンバー3および第2のチャンバー4に対しても対角方向に設置されることになる。
【0071】
そこで、上記構成のものにあっては略ストレートに収納したい内視鏡102の挿入部107の先端側を矩形状のトレイ12の略対角方向に設置するように複数の設置部材51を設けたので、仮に本実施形態のトレイ12の縦方向の長さL21と、奥行き方向の長さL22とが第1の実施の形態のトレイ12の縦方向の長さL11と、奥行き方向の長さL12とほぼ等しいサイズの場合には、挿入部107の先端側は、より長く略ストレートに設置することができる。そのため、第1の実施の形態より、さらに挿入部107の挿入性を良好に保ちやすい効果がある。
【0072】
また、内視鏡102の挿入部107の先端側の略ストレート部分の長さを第1の実施の形態と本実施の形態とで同じにした場合には、本実施形態のトレイ12の縦方向の長さL21は第1の実施の形態のトレイ12の縦方向の長さL11よりも短くできるので、オートクレーブ装置1の高さ方向の長さを少し短くできる。そのため、オートクレーブ装置1を一層、コンパクトにできる効果がある。
【0073】
また、図10および図11は本発明の第5の実施の形態を示すものである。図10は本実施の形態のオートクレーブ装置61の概略構成を示すものである。このオートクレーブ装置61には、ケース62内に高圧蒸気滅菌処理用の2つのチャンバー63,64が配設されている。ここで、第1のチャンバー63および第2のチャンバー64の長軸は床面に対して斜め方向に向けた状態で配置されている。
【0074】
さらに、2つのチャンバー63,64はそれぞれ、幅広部63a,64aと、細長部63b,64bとから構成されている。ここで、第1のチャンバー63の幅広部63aと細長部63b、第2のチャンバー64の幅広部64aと細長部64bはそれぞれ内部空間が遮断されることなく繋がっている。
【0075】
また、図11に示すように各チャンバー63,64に収納されるトレイ65にもまた、幅広部65aと細長部65bとが設けられている。ここで、細長部65bには内視鏡102の挿入部107の先端側が略ストレート状に収納されるようになっている。
【0076】
さらに、幅広部65aには、内視鏡102の操作部108や連結コード109、コネクタ部110の設置位置を所定位置に規制する複数の設置部材66が随所に設けられている。そして、これらを所定位置に収納すると、挿入部107の先端側が自然に細長部65bに収納できるようになっている。
【0077】
また、このトレイ65をチャンバー63,64に収納すると、トレイ65の細長部65bはチャンバー63,64の細長部63b,64bに納まり、トレイ65の幅広部65aは幅広部63a,64aに納まるようになっている。
【0078】
なお、本実施の形態のオートクレーブ装置61には、第1の実施の形態(図1乃至図6(A),(B)参照)のオートクレーブ装置1と同様に、工程制御部6、駆動部5などが設けられている。
【0079】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では全体として細長いチャンバー63,64の長軸(長手方向)を床面に対して斜めに配置しているので、オートクレーブ装置61の床面占有面積を比較的小さくすることができる。
【0080】
また、各チャンバー63,64の扉67,68を第1の実施の形態のオートクレーブ装置1よりコンパクトにすることができるので、邪魔にならず、さらに、扉67,68の位置が高くなり過ぎない様にすることができるので、扉67,68の開閉作業も比較的行いやすくすることができる。
【0081】
また、2つのチャンバー63,64をそれぞれ、幅広部63a,64aと、細長部63b,64bとから構成し、各チャンバー63,64に収納されるトレイ65にもまた、幅広部65aと細長部65bとを設け、2つのチャンバー63,64やトレイ65を幅広部と細長部の組み合わせることで、極力、挿入部107先端側を長く略ストレートに保ちながら、チャンバー63,64の容積が内視鏡102の体積と比べて大きくなり過ぎない様にしている。そのことにより、最低限必要な蒸気量で内視鏡102を滅菌処理できるので、効率よく滅菌処理が行なえる。
【0082】
また、不必要にチャンバー63,64を大きくしないことで、オートクレーブ装置61をコンパクトにできる効果がある。
【0083】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) 複数の工程からなる一連のオートクレーブ滅菌工程を負荷する第1のチャンバーと、この第1のチャンバーとは異なる工程が前記第1のチャンバーの負荷時間と一部が重なって負荷される第2のチャンバーを有するとともに、前記第1と第2のチャンバーの負荷を同時に制御する共通の制御装置を備えたことを特徴とするオートクレーブ装置。
【0084】
(付記項2) 上記付記項1において、共通の制御装置は蒸気供給装置及び又は吸引ポンプを含むことを特徴とするオートクレーブ装置。
【0085】
(付記項3) 上記付記項1において、第1、第2のチャンバーは内視鏡を所定位置に設置する設置手段を有することを特徴とするオートクレーブ装置。
【0086】
(付記項4) 上記付記項3において、設置手段は各チャンバーに収納可能なトレイ部材に設けられていることを特徴とするオートクレーブ装置。
【0087】
(付記項5) 上記付記項1において、第1、第2のチャンバーは床面から垂直方向に長軸があり、その長軸に沿った側面に扉があることを特徴とするオートクレーブ装置。
【0088】
(付記項6) 上記付記項1において、第1、第2のチャンバーの長軸は床面に対して斜め方向に設けられていることを特徴とするオートクレーブ装置。
【0089】
(付記項7) 上記付記項1において、第1、第2のチャンバーは各々独立した装置に設けられていることを特徴とするオートクレーブ装置。
【0090】
(付記項8) 上記付記項1において、第1、第2のチャンバーは形状が異なることを特徴とするオートクレーブ装置。
【0091】
(付記項9) 内視鏡挿入部が収納され、挿入部よりやや大きな第1のチャンバー部と、前記第1のチャンバー部と連続し、内視鏡操作部を収納可能であるとともに第1のチャンバーより幅広な第2のチャンバー部と、内視鏡操作部が第2のチャンバー部内に設置されたときに、挿入部が第1のチャンバーに設置されるようにした設置手段とを具備することを特徴とするオートクレーブ装置。
【0092】
(付記項1〜9の従来技術) 特開平5−285103
(付記項1〜8が解決しようとする課題) 従来技術では、内視鏡を滅菌する高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)装置の一例が示されている。
一般に、消化器内視鏡検査では、病院に複数の検査室(検査ベッド及び機材)がある場合が多く、複数の内視鏡を使用し、内視鏡1台を1日に複数回使用する。従来技術では、一つの高圧蒸気滅菌装置で1台の内視鏡を滅菌処理するものであるため、複数の検査室からの検査後の内視鏡を次々と滅菌処理する場合、前記高圧蒸気滅菌装置を複数台備える必要があり、滅菌装置の設置スペースが足りなかったり、高額になる恐れがある。また、仮に1つの滅菌装置の1つの滅菌槽(チャンバー)に複数の内視鏡が収納できたとしても、各検査室から届く各内視鏡は同時に届くというよりは、時間差があることが多いため、効率的な滅菌処理ができない。
【0093】
(付記項1〜8の目的) 内視鏡用の高圧蒸気滅菌装置をコンパクトでコストを極力上げないようにするとともに、複数内視鏡を時間差をつけて滅菌処理可能にする。
【0094】
(付記項1の課題を解決するための手段) 高圧蒸気滅菌装置(又はシステム)に第1のチャンバーと第2のチャンバーを設けるとともに、それらの一連の滅菌工程を共通の制御装置で制御することで、装置の大型化やコストアップを極力防げる。
【0095】
(付記項1〜8の効果) 内視鏡用の高圧蒸気滅菌装置をコンパクトでコストを極力上げないようにできるとともに、複数内視鏡を時間差をつけて滅菌処理をすることができる。
【0096】
(付記項9が解決しようとする課題) 従来技術では、高圧蒸気滅菌装置の滅菌槽(チャンバー)に対して内視鏡挿入部の長さがかなり長い為、挿入部が曲げられた状態で高圧蒸気滅菌装置に収納されている。これでは、高圧蒸気滅菌によって挿入部に曲がり癖が付き、挿入部の生体内への挿入性などの性能が落ちる恐れがある。また、単に、挿入部を曲げずにすむ程にチャンバーを大きくするだけでは、装置全体が非常に大型化し、内視鏡検査室に置けなくなる恐れがある。
【0097】
(付記項9の目的) 内視鏡挿入部の少なくとも所定部分を略ストレートで収納可能にするとともに、装置全体を極力コンパクトにする。
【0098】
(付記項9の課題を解決するための手段) 内視鏡挿入部が収納される部分と内視鏡操作部が収納される部分とで高圧蒸気滅菌装置のチャンバー形状を変えることで、挿入部の所定部分を略ストレートに収納しながらも、スペース効率の良いコンパクトな装置となる。
【0099】
(付記項9の効果) 内視鏡挿入部の少なくとも所定部分が略ストレートで収納可能であるとともに、装置全体がコンパクトになる。
【0100】
【発明の効果】
本発明によれば装置全体の構成がコンパクトで、コスト低下が図れるとともに、複数の内視鏡を時間差をつけて滅菌処理が可能で、効率的な滅菌処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のオートクレーブ装置全体の概略構成を示す斜視図。
【図2】 第1の実施の形態のオートクレーブ装置における収納ケースのトレイ内に内視鏡を収納した状態を示す平面図。
【図3】 第1の実施の形態のオートクレーブ装置の管路構成を示す全体の概略構成図。
【図4】 第1の実施の形態のオートクレーブ装置のコントローラの接続状態を示す概略構成図。
【図5】 第1の実施の形態のオートクレーブ装置でオートクレーブ滅菌処理される内視鏡装置のシステム全体の概略構成図。
【図6】 第1の実施の形態のオートクレーブ装置による一連の滅菌処理工程を説明するもので、(A)は第1のチャンバー内の圧力変化の一例を示す特性図、(B)は第2のチャンバー内の圧力変化の一例を示す特性図。
【図7】 本発明の第2の実施の形態のオートクレーブ装置を示す斜視図。
【図8】 本発明の第3の実施の形態のオートクレーブ装置を示す要部の概略構成図。
【図9】 本発明の第4の実施の形態のオートクレーブ装置におけるトレイへの内視鏡の収納形態を示す平面図。
【図10】 本発明の第5の実施の形態のオートクレーブ装置を示す斜視図。
【図11】 第5の実施の形態のオートクレーブ装置におけるトレイへの内視鏡の収納形態を示す平面図。
【符号の説明】
3 第1のチャンバー(作業室)
4 第2のチャンバー(作業室)
6 工程制御部(制御装置)

Claims (1)

  1. オートクレーブ滅菌を行う複数の工程からなる一連の作業工程を行う第一の作業室と、
    オートクレーブ滅菌を行う複数の工程からなる一連の作業工程を行う第二の作業室と、
    前記第一の作業室及び前記第二の作業室で行われる一連の作業を駆動する駆動部と、
    前記第一、二の各作業室で、それぞれ独立にオートクレーブ滅菌を行う一連の作業工程が行われるとともに、前記各作業室で行われる前記オートクレーブ滅菌の一連の作業工程中に、同じ時間にそれぞれ異なる作業工程が行われる状態に前記各作業室における前記オートクレーブ滅菌の一連の作業工程を同時に制御する共通の制御装置
    を一体的に設けたことを特徴とするオートクレーブ装置。
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