JP2013042792A - 内視鏡及び内視鏡の内部空間の開放検査方法並びに気密検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡の内部空間の開放検査と気密検査とを確実に実施することができる内視鏡及び内視鏡の内部空間の開放検査方法並びに気密検査方法を提供する。
【解決手段】本発明の開放検査方法は、連通口34を外気に開放し、連通口のコネクタ62に送気テスタ72を接続して、送気テスタ72から空気を内視鏡10の内部空間に供給する。そして、送気テスタ72の圧力計測ゲージ75によって内部空間の圧力を計測する。一方、本発明の気密検査方法は、連通口34を栓によって閉塞して内部空間を密閉するとともに、連通口のコネクタ62に送気テスタ72を接続する。そして、送気テスタ72から空気を内視鏡10の内部空間に供給していき、送気テスタ72の圧力計測ゲージ75によって内部空間の圧力を計測する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の開放検査方法は、連通口34を外気に開放し、連通口のコネクタ62に送気テスタ72を接続して、送気テスタ72から空気を内視鏡10の内部空間に供給する。そして、送気テスタ72の圧力計測ゲージ75によって内部空間の圧力を計測する。一方、本発明の気密検査方法は、連通口34を栓によって閉塞して内部空間を密閉するとともに、連通口のコネクタ62に送気テスタ72を接続する。そして、送気テスタ72から空気を内視鏡10の内部空間に供給していき、送気テスタ72の圧力計測ゲージ75によって内部空間の圧力を計測する。
【選択図】図1
Description
本発明は内視鏡及び内視鏡の内部空間の開放検査方法並びに気密検査方法に係り、特に内視鏡の内部空間が開放状態であるか、気密状態であるかを検査可能な内視鏡及び内視鏡の内部空間の開放検査方法並びに気密検査方法に関する。
医療診断に使用された内視鏡は、洗浄装置の液体によって、その外表面が洗浄消毒された後、エチレンオキサイドガス滅菌装置、又はステラッド滅菌装置(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製)等の滅菌装置の滅菌室に収納されて滅菌処理される。
内視鏡は、手元操作部及び挿入部等の各部材の接合部をパッキンで補強した気密構造(防水構造)であり、前記洗浄装置の液体が内視鏡の内部空間に浸入するのを防止している。しかしながら、内視鏡の長期間の使用によって気密構造が劣化し、内視鏡の外表面にピンホール等の小孔が生じることが予想される。前記小孔が生じている状態で内視鏡を前記洗浄装置の低温の液体に浸漬した場合、内視鏡の内部空間の内圧低下に相まって内視鏡の内部空間に水漏れが発生し、水分を嫌うCCD等の電気部品が破壊するという問題が発生する。そこで、内視鏡を液体洗浄する際には、内視鏡が気密状態であるか否かを事前に検査する必要がある。
特許文献1には、内視鏡のコネクタに設けられた内外連通弁に、内視鏡用のリークテスタを接続する気密検査方法が開示されている。この気密検査方法によれば、リークテスタの手動加圧ポンプからの加圧空気を、リークテスタに設けられたバルーンを介して内視鏡の内部空間に供給する。内視鏡が気密状態であれば、リークテスタの圧力計の数値は低下しないが、内視鏡の気密状態が破壊されている場合には、圧力計の数値が低下する。これによって、内視鏡の気密状態を検査している。
一方、内視鏡を滅菌処理する前記滅菌装置は、滅菌処理工程の前工程に、前記滅菌室の気圧を真空状態まで減圧する減圧工程を備える。この減圧工程時に内視鏡が気密構造のままであると、内視鏡の内部空間と外気との気圧差によって柔軟な挿入部やユニバーサルケーブルの外皮チューブが膨張して破損する虞があるので、前記内部空間を開放する操作を行い、その後、内視鏡を前記滅菌室に収納している。
特許文献1の内視鏡では、前記内外連通弁を開放することによって内視鏡の内部空間を外気に連通させることができるので、内視鏡の滅菌処理時には、前記内外連通弁を開放する。
一方、特許文献2の内視鏡は、総合コネクタに第1の開口部、及び第2の開口部を備えている。前記第1の開口部は、内視鏡の内部空間に挿通された乾燥管部に連通され、第2の開口部は内視鏡の内部空間に連通されている。この内視鏡によれば、前記第1の開口部に接続された送気ポンプからの空気を、前記嵌挿管部を介して挿入部の先端に供給するとともに、前記第2の開口部に接続された吸気ポンプによって、前記内部空間の空気を吸気し外部に排出している。
しかしながら、特許文献1に開示された内視鏡は、内視鏡の内部空間が内外連通弁を介して外気に確実に開放されているか確認することができない。また、特許文献1の内視鏡は、前記内外連通弁の動作に不具合が発生すると、気密が破壊されているのにかかわらず圧力計の数値が下がらない場合があるので、リークテスタによる気密検査も確実に行うことができないという問題があった。
一方、特許文献2に開示された内視鏡は、総合コネクタに第1の開口部、及び第2の開口部を備えるものの、内視鏡の内部空間の開放検査方法、及び内部空間の気密検査方法に関しては何も記載されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡の内部空間の開放検査と気密検査とを確実に実施することができる内視鏡及び内視鏡の内部空間の開放検査方法並びに気密検査方法を提供することを目的とする。
本発明の内視鏡は、前記目的を達成するために、内視鏡の内部空間と外気とを連通する連通口を備えた内視鏡において、前記連通口は2箇所備えられ、前記2箇所の連通口のうち一方の連通口は外気に開放され、他方の連通口には、送気手段が接続されるコネクタが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、気密チェック用ポートである一方の連通口の他に、送気手段に接続されるコネクタを備えた他方の連通口を付加したので、一つの連通口のみ備えた特許文献1の内視鏡では実現できない確実な気密検査及び開放検査を実現できる。なお、一方の連通口及び他方の連通口の配置位置は、手元操作部、LGコネクタ等の高剛性部であることが好ましいが、剛性が確保できれば、挿入部、ユニバーサルケーブル等の軟質部であってもよい。
本発明の内視鏡の内部空間の開放検査方法は、前記目的を達成するために、本発明の内視鏡の内部空間の開放検査方法において、前記内視鏡の一方の連通口を外気に開放し、前記内視鏡の他方の連通口のコネクタに送気手段を接続して、該送気手段から空気を前記内視鏡の内部空間に供給し、前記送気手段の圧力計測手段によって前記内部空間の圧力を計測することを特徴とする。
本発明の開放検査方法によれば、一方の連通口を外気に開放し、他方の連通口のコネクタに送気手段を接続して、送気手段から空気を内視鏡の内部空間に供給する。そして、送気手段の圧力計測手段によって内部空間の圧力を計測する。すなわち、内視鏡の内部空間が一方の連通口を介して外気に開放している場合には、送気手段から供給された空気は、内部空間から一方の連通口を介して外気に放出される。よって、圧力計測手段で計測される圧力が上昇しないことを確認することによって、内部空間が外気に開放されていることを確実に確認できる。また、一方の連通口が何らかの不具合で閉塞している場合には、送気手段から供給された空気は、内部空間に閉じ込められる。よって、圧力計測手段で計測される圧力が上昇することを確認することによって、内部空間が外気に開放されていないことを確実に確認できる。
本発明の内視鏡の内部空間の気密検査方法は、前記目的を達成するために、本発明の内視鏡の内部空間の気密検査方法において、前記内視鏡の一方の連通口を栓によって閉塞し、前記内視鏡の他方の連通口のコネクタに送気手段を接続して、該送気手段から空気を前記内視鏡の内部空間に供給し、前記送気手段の圧力計測手段によって前記内部空間の圧力を計測することを特徴とする。
本発明の気密検査方法によれば、内視鏡の一方の連通口を栓によって閉塞して内部空間を密閉するとともに、他方の連通口のコネクタに送気手段を接続する。そして、送気手段から空気を内視鏡の内部空間に供給していき、送気手段の圧力計測手段によって内部空間の圧力を計測する。すなわち、内部空間が密閉されている場合には、送気手段から供給された空気は、内視鏡の内部空間に閉じ込められる。よって、圧力計測手段で計測される圧力が上昇することを確認することによって、内部空間が密閉されていることを確実に確認できる。また、内部空間の気密が破壊されている場合には、その破壊部位から内部空間の空気が漏れるので、圧力計測手段で計測される圧力は上昇しない。これによって、内部空間の気密が破壊されていることを確実に確認できる。
本発明によれば、前記コネクタには、バルブが設けられ、前記バルブは、前記送気手段が該コネクタに接続されると開放されて該送気手段と前記内部空間とを前記他方の連通口を介して連通し、前記送気手段が取り外されると閉塞されて前記内部空間を封止することが好ましい。
本発明では、他方の連通口に設けられたコネクタに送気手段が接続されると、コネクタに設けられたバルブが開放するので、送気手段と内視鏡の内部空間とが他方の連通口を介して連通する。これにより、送気手段から内視鏡の内部空間に空気を送り込むことができる。また、送気手段がコネクタから取り外されると、バルブが閉塞して内部空間が封止されるので、他方の連通口からの空気漏れを防止できる。すなわち、本発明によれば、送気手段の装着動作で送気手段と内部空間とを連通でき、また、送気手段の取り外し動作で内部空間を封止できる。
本発明によれば、前記コネクタには、前記送気手段と係止されて送気手段との接続を保持する係止部が設けられ、前記バルブは、前記送気手段が前記コネクタの前記係止部に係止されたときに開放されることが好ましい。
本発明では、コネクタ接続直前状態時から、コネクタ同士から外へ漏れ出す通路は遮断され、その後、コネクタに設けられた係止部に送気手段が係止された接続位置で、前記バルブは開放する。すなわち、外部への経路が遮断された後、バルブが開放するので、外部へ漏れ出すことはない。また、送気手段を接続位置から取り外し方向に移動させると、バルブは直ぐに閉鎖するが、バルブの移動完了まで、コネクタ同士の密閉状態が維持されている。よって、内部空間からの無駄な空気漏れを防止できる。
本発明によれば、前記バルブは、前記コネクタに対する前記送気手段の接続を案内するとともに開口部が形成されたガイド管と、前記ガイド管に挿通されて前記送気手段の接続方向、及び接続解除方向にスライド自在に設けられるとともに開放された送気流路を備えたバルブ本体と、前記バルブ本体を前記接続解除方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記バルブ本体は、前記送気手段の接続方向の移動に連動して前記接続方向に前記付勢部材の付勢力に抗して移動され、前記送気手段が前記コネクタの前記係止部に係止されたときに前記バルブ本体の前記送気流路が前記ガイド管の前記開口部を介して前記送気手段に連通されることが好ましい。
本発明では、ガイド管とバルブ本体と付勢部材とによって簡単な構造のバルブを提供できる。
本発明の内視鏡及び内視鏡の内部空間の開放検査方法並びに気密検査方法によれば、連通口を2箇所設けたので、内視鏡の内部空間の開放検査、及び気密検査を確実に実施することができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る内視鏡及び内視鏡の内部空間の開放検査方法並びに気密検査方法の好ましい実施の形態について詳述する。
図1は、本発明が適用された内視鏡10の全体図である。
同図に示す内視鏡10は、施術者が把持する手元操作部12と、手元操作部12に基端部が連結されて体腔内に挿入される挿入部14とを備える。手元操作部12には、ユニバーサルケーブル16の基端部が接続され、ユニバーサルケーブル16の先端部にLGコネクタ18が設けられる。LGコネクタ18は不図示の光源装置に着脱自在に接続され、これによって後述する照明窓に前記光源装置から照明光が送られる。また、LGコネクタ18には、ケーブル20を介して電気コネクタ22が接続され、電気コネクタ22が不図示のプロセッサに着脱自在に接続される。なお、図1の符号23は、電気コネクタ22のキャップであり、洗浄時に電気コネクタ22に装着される。
手元操作部12には、送気・送水ボタン24、吸引ボタン26、及びシャッターボタン28が並設されるとともに、一対のアングルノブ30、30が設けられる。また、手元操作部12には処置具挿入口32が設けられ、処置具挿入口32の開口端には、内視鏡10の使用時に鉗子栓が装着される。
また、処置具挿入口32に隣接して、気密チェック用ポートである連通口(一方の連通口)34が手元操作部12に設けられている。
挿入部14は、手元操作部12側から順に可撓管部36、湾曲部38、及び先端部40によって構成される。湾曲部38は、手元操作部12のアングルノブ30、30を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端部40を所望の方向に向けることができる。
図2の如く先端部40の先端面42には、観察窓44、前述した照明窓46、46、送気・送水ノズル48、及び鉗子口50が設けられる。
観察窓44の後方には観察光学系、CCD(不図示)が配設され、このCCDを支持する基板には信号ケーブル(不図示)が接続される。信号ケーブルは図1の挿入部14、手元操作部12、ユニバーサルケーブル16等に挿通されて電気コネクタ22まで延設され、不図示のプロセッサに接続される。図2の観察窓44から取り込まれた観察像は、前記CCDの受光面に結像されて電気信号に変換された後、この電気信号が前記信号ケーブルを介してプロセッサに出力され、映像信号に変換される。これにより、プロセッサに接続されたモニタ(不図示)に観察画像が表示される。
照明窓46、46の後方にはライトガイド(不図示)の出射端が配設されている。このライトガイドは、図1の挿入部14、手元操作部12、ユニバーサルケーブル16に挿通され、LGコネクタ18まで延設される。したがって、LGコネクタ18が光源装置(不図示)に接続されると、光源装置から照射された照明光が前記ライトガイドを介して図2の照明窓46、46に伝送され、照明窓46、46から前方に照射される。
送気・送水ノズル48は、図1の送気・送水ボタン24によって操作される送気・送水バルブ(不図示)に連通され、さらにこの送気・送水バルブはLGコネクタ18の送気・送水コネクタ52に連通される。送気・送水コネクタ52には不図示の送気・送水手段が接続され、この送気・送水手段からエア及び水が供給される。したがって、送気・送水ボタン24を操作することによって、図2の送気・送水ノズル48からエア又は水を観察窓44に向けて噴射することができる。
鉗子口50は、図1の処置具挿入口32に、図3の鉗子チャンネル33を介して連通されている。よって、処置具挿入口32から鉗子等の処置具を挿入することによって、この処置具を図2の鉗子口50から導出することができる。また、鉗子口50は、図1の吸引ボタン26によって操作される吸引バルブ(不図示)に連通され、さらにこの吸引バルブがLGコネクタ18の吸引コネクタ54に接続される。したがって、吸引コネクタ54に不図示の吸引ポンプを接続し、吸引ボタン26で吸引バルブを操作することによって、鉗子口50から病変部等を吸引することができる。
図3は、手元操作部12の要部断面図であり、これらの図には内視鏡10の内部空間56に連通された二つの連通口34、58が示されている。
図3では、手元操作部12の内部空間56のみ示しているが、この内部空間56は、図1に示した挿入部14、ユニバーサルケーブル16、LGコネクタ18、及びケーブル20のそれぞれの内部空間と連通されている。そして図3の内部空間56は、内視鏡10を構成する各部材の各接合部をパッキン(不図示)によって補強連結することにより内視鏡10の外部から密閉されている。すなわち、内視鏡10自体が気密構造となっている。
連通口58は、手元操作部12の外壁面であって連通口34の反対側面に開口されている。また、連通口58には、後述するコネクタ62が備えられている。
なお、連通口34、58の配置位置は、手元操作部12に限らず、図1のLGコネクタ18に配置してもよい。すなわち、内視鏡10の構成部材のうち、剛性の高い手元操作部12、又はLGコネクタ18に連通口34、58を設けることにより、内視鏡10本来の剛性を低下させることなく連通口34、58を内視鏡10に設けることができる。また、連通口34、58の配置位置は、剛性が確保できるのであれば、挿入部14、又はユニバーサルケーブル16等の軟質部に設けてもよい。つまり、連通口34、58の配置位置は、内部空間56に連通可能な位置であればいかなる位置であってもよい。
次に、図1、図3に示したコネクタ62について説明する。
コネクタ62にはバルブが設けられ、このバルブに図1に示した気密テスタ(送気手段)72のコネクタ74が接続される。気密テスタ72は、圧力測定ゲージ(圧力計測手段)75を備えた本体76と、本体76に設けられた手動加圧ポンプ78と、基端部が本体76に接続され先端部にコネクタ74を有するチューブ80とから構成される。この気密テスタ72によれば、手動加圧ポンプ78を膨縮操作することによって手動加圧ポンプ78からの加圧空気を、チューブ80を介してコネクタ74から噴射することができる。
コネクタ62は図3に示すように基部82を備える。また、前記バルブはガイド管84、バルブ本体86、及びスプリング(付勢部材)88から構成される。
基部82は、連通口58にOリング89を介して連結される連結管90と、連結管90と一体に構成されて、図4の如く外周部に係合溝(係止部)92を備えた環状部94とから構成される。
ガイド管84は図3の如く、基部82の環状部94に嵌合される。これによって、ガイド管84が連結管90と同軸上に配置される。また、ガイド管84の略中間部の外周面には等間隔に4個の開口部96、96…が備えられている。これらの開口部96、96…にバルブ本体86の送気流路98が連通された際に、外気と内部空間56とが連通口58、及びコネクタ62を介して連通される。
バルブ本体86は、その内部に十字状の前記送気流路98と送気流路98に連通された1本の主流路100とが備えられており、3本のOリング102、104、106を介してガイド管84内にスライド自在に嵌挿されている。また、Oリング102、104、106によって送気流路98の気密性が保持されている。
スプリング88は連結管90内に配置されており、このスプリング88によってバルブ本体86が閉方向に付勢されている。
次に、図1に示した送気テスタ72のコネクタ74について説明する。
図5は、コネクタ74がコネクタ62に接続された断面図であり、図6は、コネクタ74がコネクタ62に接続される直前状態を示した断面図である。
コネクタ74は、コネクタ62が挿入される筒状の本体108を備えている。本体108の先端部の開口端には、図7の如く2本のピン110、110が内側に向けて対向配置されている。これらのピン110、110が図4に示した環状部94の切欠き112に挿入され、この状態でコネクタ74をコネクタ62に対して回動させることにより、ピン110、110が図5の如く、係合溝92、92に係合される。これによって、コネクタ62にコネクタ74が接続される。なお、この接続時において、スプリング88の付勢力がバルブ本体86を介してコネクタ74に加えられているので、結果的にピン110、110は係合溝92、92に付勢されて係合される。よって、コネクタ62、74同士の接続が強固になっている。
一方、コネクタ74の本体108の基端部には、ピン114が突設されている。また、ピン114の周りには図7の如く、通気口115、115…が備えられている。コネクタ74の本体108がコネクタ62のガイド管84に案内されて接続方向(図6の位置から図5の位置に向う方向)に移動されてくると、ピン114が、バルブ本体86の端部116を押圧する。これにより、バルブ本体86がスプリング88の付勢力に抗してガイド管84内でスライド移動し、前述の如くピン110、110が係合溝92、92に係合した接続位置で、バルブ本体86の送気流路98がガイド管84の開口部96、96…と連通する。すなわち、図5に示した接続位置で、送気テスタ72と内視鏡10の内部空間56とがコネクタ62、及び連通口58を介して連通される。なお、符号118は、コネクタ74に設けられたOリングである。このOリング118によってコネクタ62とコネクタ74間では図6に示す接続直前状態から図5に示す接続位置まで気密が保持されている。
次に、前記の如く構成された内視鏡10の内部空間56の開放検査方法について説明する。
図3の如く、連通口34を外気に開放するとともに、連通口58のコネクタ62に、図1に示した送気テスタ72のコネクタ74を図5の如く接続する。そして、送気テスタ72から圧縮空気を内視鏡10の内部空間56に送気する。そして、図1に示した送気テスタ72の圧力測定ゲージ75によって内部空間56の圧力を計測する。
すなわち、内視鏡の内部空間56が連通口34を介して外気に開放している場合には、送気テスタ72から供給された空気は、内部空間56から連通口34を介して外気に放出される。よって、圧力測定ゲージ75によって計測される圧力が上昇しないことを確認することによって、内部空間56が外気に開放されていることを確実に確認できる。
また、連通口34が何らかの不具合で閉塞している場合には、送気テスタ72から供給された空気は、内部空間56に閉じ込められる。よって、圧力計測ゲージ75によって計測される圧力が上昇することを確認することによって、内部空間56が外気に開放されていないことを確実に確認できる。
次に、連通口58のコネクタ62と送気テスタ72のコネクタ74の作用について説明する。
図5の如く、コネクタ62にコネクタ74が接続されると、コネクタ62のバルブ本体86がコネクタ74のピン114に押されて開放する。すなわち、ガイド管84の開口部96、96…にバルブ本体86の送気流路98が連通する。これにより、送気テスタ72と内視鏡10の内部空間56とが連通口58を介して連通する。一方、図6に示す接続直前状態からOリング118により、コネクタ62、74同士から外へ漏れ出す通路は遮断されている。したがって、送気テスタ72から内視鏡10の内部空間56に空気を送り込むことができる。
また、コネクタ74をコネクタ62から取り外すと直ぐに、バルブ本体86がスプリング88の付勢力によって図6に示した元の位置に復帰する。これにより、バルブ本体86が閉塞して内部空間56が封止される。この状態の時までOリング118により、コネクタ62、74同士から外へ漏れ出す通路は遮断されている。すなわち、実施の形態の内視鏡10によれば、コネクタ74をコネクタ62に装着する動作によって送気テスタ72と内部空間56とを連通でき、また、コネクタ74をコネクタ62から取り外す動作によって内部空間56を、気圧を維持した状態を保ったまま封止できる。
また、図6の如くバルブ本体86が移動を開始する前からコネクタ62、74間より外部への漏れ出しが抑えられ、その後、図5の如く、コネクタ62に設けられた係合溝92に、送気テスタ72のピン110、110が係合した接続位置で、バルブ本体86の送気流路98がガイド管84の開口部96、96…と連通する。すなわち、外部への経路が遮断された後、バルブ本体86が開放するので、コネクタ62に対する送気テスタ72の接続途中では外部へ漏れ出すことはない。また、送気テスタ72を接続位置から取り外し方向に移動させると、バルブ本体86はスプリング88の付勢力によって直ぐに閉鎖方向にスライド移動するが、バルブ本体86の移動完了まで、コネクタ62、74同士の密閉状態が維持されている。よって、ガイド管84とバルブ本体86とスプリング88とからなる簡単なコネクタ構造によって、内部空間56からの無駄な空気漏れを防止できるという効果が得られる。
次に、前記の如く構成された内視鏡10の内部空間56の密閉検査方法について説明する。
まず、図8の如く連通口34を栓120によって閉塞して内部空間56を密閉するとともに、連通口58のコネクタ62に図1の送気テスタ72を接続する。そして、送気テスタ72から空気を内視鏡10の内部空間56に供給していき、送気テスタ72の圧力測定ゲージ75によって内部空間56の圧力を計測する。
すなわち、内部空間56が密閉されている場合には、送気テスタ72から供給された空気は、内部空間56に閉じ込められる。よって、圧力測定ゲージ75によって計測される圧力が上昇することを確認することによって、内部空間56が密閉されていることを確実に確認できる。また、内部空間56の気密が破壊されている場合には、その破壊部位から内部空間56の空気が漏れるので、圧力測定ゲージ75によって計測される圧力は上昇しない。これによって、内部空間56の気密が破壊されていることを確実に確認できる。
なお、栓120は、処置具挿入口32に接続される洗浄アダプタ122と一体に構成されている。
以上、実施の形態に係る内視鏡10について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…内視鏡、12…手元操作部、14…挿入部、16…ユニバーサルケーブル、18…LGコネクタ、20…ケーブル、22…電気コネクタ、23…キャップ、24…送気・送水ボタン、26…吸引ボタン、28…シャッターボタン、30…アングルノブ、32…処置具挿入口、33…鉗子チャンネル、34…連通口、36…可撓管部、38…湾曲部、40…先端部、42…先端面、44…観察窓、46…照明窓、48…送気・送水ノズル、50…鉗子口、52…送気・送水コネクタ、54…吸引コネクタ、56…内部空間、58…連通口、62…コネクタ、72…気密テスタ、74…コネクタ、75…圧力測定ゲージ、76…本体、78…手動加圧ポンプ、80…チューブ、82…基部、84…ガイド管、86…バルブ本体、88…スプリング、89…Oリング、90…連結管、92…係合溝、94…環状部、96…開口部、98…送気流路、100…主流路、102、104、106…Oリング、108…本体、110…ピン、112…切欠き、114…ピン、115…通気口、116…端部、118…Oリング、120…栓、122…洗浄アダプタ
Claims (6)
- 内視鏡の内部空間と大気とを連通する連通口を備えた内視鏡において、
前記連通口は2箇所備えられ、
前記2箇所の連通口のうち一方の連通口は大気に開放され、他方の連通口には、送気手段が接続されるコネクタが設けられていることを特徴とする内視鏡。 - 前記コネクタには、バルブが設けられ、
前記バルブは、前記送気手段が該コネクタに接続されると開放されて該送気手段と前記内部空間とを前記他方の連通口を介して連通し、前記送気手段が取り外されると閉塞されて前記内部空間を封止する請求項1に記載の内視鏡。 - 前記コネクタには、前記送気手段と係止されて送気手段との接続を保持する係止部が設けられ、
前記バルブは、前記送気手段が前記コネクタの前記係止部に係止されたときに開放される請求項2に記載の内視鏡。 - 前記バルブは、
前記コネクタに対する前記送気手段の接続を案内するとともに開口部が形成されたガイド管と、
前記ガイド管に挿通されて前記送気手段の接続方向、及び接続解除方向にスライド自在に設けられるとともに開放された送気流路を備えたバルブ本体と、
前記バルブ本体を前記接続解除方向に付勢する付勢部材と、を備え、
前記バルブ本体は、前記送気手段の接続方向の移動に連動して前記接続方向に前記付勢部材の付勢力に抗して移動され、前記送気手段が前記コネクタの前記係止部に係止されたときに前記バルブ本体の前記送気流路が前記ガイド管の前記開口部を介して前記送気手段に連通される請求項3に記載の内視鏡。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡の内部空間の開放検査方法において、
前記内視鏡の一方の連通口を大気に開放し、
前記内視鏡の他方の連通口のコネクタに送気手段を接続して、該送気手段から空気を前記内視鏡の内部空間に供給し、
前記送気手段の圧力計測手段によって前記内部空間の圧力を計測することを特徴とする内視鏡の内部空間の開放検査方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡の内部空間の気密検査方法において、
前記内視鏡の一方の連通口を栓によって閉塞し、
前記内視鏡の他方の連通口のコネクタに送気手段を接続して、該送気手段から空気を前記内視鏡の内部空間に供給し、
前記送気手段の圧力計測手段によって前記内部空間の圧力を計測することを特徴とする内視鏡の内部空間の気密検査方法。
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---|---|---|---|
JP2011180565A JP2013042792A (ja) | 2011-08-22 | 2011-08-22 | 内視鏡及び内視鏡の内部空間の開放検査方法並びに気密検査方法 |
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Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPH05111455A (ja) * | 1991-10-18 | 1993-05-07 | Olympus Optical Co Ltd | 内視鏡装置 |
JP2005177349A (ja) * | 2003-12-22 | 2005-07-07 | Olympus Corp | 内視鏡装置 |
JP2009060996A (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-26 | Hoya Corp | 内視鏡用リークテスタ |
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2011
- 2011-08-22 JP JP2011180565A patent/JP2013042792A/ja active Pending
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