JP2009000357A - 内視鏡洗浄用アダプタ - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄液に内視鏡を浸して内視鏡表面を洗浄する際に、洗浄液が内視鏡の内部空間に侵入するのを防止しつつ、内視鏡の内部空間内の気圧の高まりを効果的に抑制できる内視鏡洗浄用アダプタを提供する。
【解決手段】内視鏡を洗浄液中に浸して該内視鏡の表面を洗浄する際に用いられる内視鏡の洗浄用アダプタ35であって、内視鏡に設けた該内視鏡の内部空間と外部空間とを連通すると共に常時は閉じている開口33に接続し該開口を開放する接続口、及び排出口を備えるキャップ36と、排出口に水密状態で連通する気体貯留部37と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、容器に入れた洗浄液に内視鏡を浸して内視鏡の表面を洗浄する際に用いる内視鏡洗浄用アダプタに関する。
内視鏡の表面を滅菌するための洗浄方法の一例としては、EOG(エチレンオキサイドガス)を充填した滅菌室に内視鏡を入れて、滅菌室内のEOGによって内視鏡の表面を滅菌するものがある。
しかし、内視鏡は防水気密構造であり、外部の液体が内視鏡の内部空間(処置具挿通管、送水管、送気管などは除く)に侵入しないようになっているので、上記のようにEOGを利用して滅菌すると、内視鏡の内部空間の気圧が内視鏡の外部の気圧より大幅に高くなり、その結果、内視鏡に負担が掛かるおそれがある。
そのため、EOGを利用して滅菌するためには、内視鏡の表面に内部空間と連通すると共に常時は閉塞状態を維持し、かつ上記内部空間の気圧が所定値より高くなったときに開放状態になる弁付き開口を設ける必要がある。
特公平2−11123号公報
上記とは別の洗浄方法として、洗浄液中に内視鏡を浸して該洗浄液によって内視鏡の表面を洗浄する方法がある。
しかし、この洗浄方法においても、洗浄中に内視鏡の内部空間の気体が膨張し内部空間内の気圧が高まる。そのため、内視鏡の内部空間の気圧が所定値を超えて上記弁付き開口が開放すると、洗浄液が該弁付き開口を通して内視鏡の内部空間に侵入してしまう。
その一方で、上記弁付き開口をキャップ等により完全に閉じた状態でこの洗浄方法を用いると、内視鏡の内部空間の気圧が内視鏡の外部の気圧より大幅に高くなるので、内視鏡に負担が掛かってしまう。
本発明の目的は、洗浄液に内視鏡を浸して内視鏡表面を洗浄する際に、洗浄液が内視鏡の内部空間に侵入するのを防止しつつ、内視鏡の内部空間内の気圧の高まりを効果的に抑制できる内視鏡洗浄用アダプタを提供することにある。
本発明の内視鏡洗浄用アダプタは、内視鏡を洗浄液中に浸して該内視鏡の表面を洗浄する際に用いられる内視鏡の洗浄用アダプタであって、上記内視鏡に設けた該内視鏡の内部空間と外部空間とを連通すると共に常時は閉じている弁付き開口に接続し該弁付き開口を開放する接続口、及び排出口を備えるキャップと、上記排出口に水密状態で連通する気体貯留部と、を備えることを特徴としている。
上記気体貯留部が内圧の変化に伴って膨縮する袋であるのが実際的である。
内視鏡の内部空間と外部空間を連通する弁付き開口に本洗浄用アダプタの接続口を接続すると、本アダプタによって該弁付き開口が塞がれるので、内視鏡を洗浄液に浸しても洗浄液が該弁付き開口から内視鏡の内部空間に侵入することがない。
しかも、内視鏡の内部空間内の気圧が高まると、この気体が上記弁付き開口及びアダプタの接続口を通してアダプタの気体貯留部に流入するので、内部空間の気圧の上昇を効果的に抑制できる。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
まず、図1に基づいて、本発明の対象とする電子内視鏡10の構成例を説明する。
図1に示す電子内視鏡10は、柔軟な挿入部11とその基部側に接続された操作部12を有している。挿入部11は、先端側から順に先端部13、湾曲部14及び可撓管部15を有しており、さらに可撓管部15が連結部16を介して操作部12に接続している。周知のように、操作部12に設けられた湾曲操作ノブ(図1及び図2では図示略。図5では図示)を回動操作すると、挿入部11の湾曲部14が湾曲される。操作部12からはユニバーサルチューブ17が延設されており、該ユニバーサルチューブ17の末端に設けたコネクタ部18は、内視鏡本体とは別体で、かつ光源を具備するビデオプロセッサ(図示略)に着脱可能となっている。
先端部13は硬性部材により構成されており、該先端部13の先端面には図示を省略した対物レンズ、配光レンズ(照明窓)が設けられている。電子内視鏡10の内部には、ユニバーサルチューブ17のコネクタ部18のスリーブ18aから挿入部11の先端部13まで延びるライトガイドファイババンドル(図示略)が配設されている。そして、先端部13に設けられた配光レンズに、このライトガイドファイババンドルを介してビデオプロセッサに設けた光源の照明光が与えられる。
電子内視鏡10の内部には、先端部13内に配設された撮像素子(図示略。CCDやCMOSイメージセンサー等からなる)からコネクタ部18のスリーブ18bまで延びる画像信号伝送用ケーブル(図示略)が設けられている。対物レンズで結像された観察像は、この画像信号伝送用ケーブルを介して電子画像信号としてビデオプロセッサの画像処理装置に送られる。ビデオプロセッサでは、電子画像をモニタに表示したり画像記録媒体に記録することができる。操作部12には、画像処理関連の遠隔操作を行うための複数のリモート操作ボタンスイッチ(図示略)が設けられている。さらにスリーブ18bの内部には、ビデオプロセッサ内の端子と接続するための端子(図示略)が複数設けられている。
挿入部11の内部には、吸引兼鉗子挿通管路19が設けられている。吸引兼鉗子挿通管路19の出口側開口19aは先端部13の端面に設けられており、吸引兼鉗子挿通管路19の基端側は、鉗子チャンネル20と吸引専用管路21とに枝分かれしている。鉗子チャンネル20の入口側開口は、連結部16に設けられた鉗子口22に接続しており、この鉗子口22には、スリット23aが設けられたゴム製のキャップ23が着脱自在に装着されている。このスリット23aから鉗子チャンネル20に鉗子等の処置具(図示略)を挿入し、処置具を吸引兼鉗子挿通管路19の出口側開口19aから突出可能である。一方、吸引専用管路21は、操作部12、ユニバーサルチューブ17、及びコネクタ部18を貫通し、その入口側開口はコネクタ部18に設けられた吸引口金24に接続している。
吸引専用管路21の中間部は、操作部12に設けられた吸引用シリンダ25と連通している。吸引用シリンダ25は、底部が閉塞し底部と反対側が開口する筒状部材であり、その内部には、吸引ボタン26が相対移動自在に嵌合している。
さらに、挿入部11、操作部12、ユニバーサルチューブ17、及びコネクタ部18の内部には、これらを貫通する送気管路27と送水管路28が設けられており、送気管路27と送水管路28の出口側開口27a、出口側開口28aは先端部13の先端面に設けられている。送気管路27の入口側開口27bは、コネクタ部18に設けられた送気送水口金29に接続しており、さらに、送水管路28の入口側開口28bは送気送水口金29内に位置している。さらに、送水管路28と送気管路27の中間部は、操作部12に設けられた送気送水用シリンダ30と連通している。送気送水用シリンダ30は、底部が閉塞し底部と反対側が開口する筒状部材であり、その内部には、上面が開口する送気送水ボタン31が相対移動自在に嵌合している。
コネクタ部18には公知のEOG口金(弁付き開口)33が突設されている。このEOG口金33は電子内視鏡10の内部空間と連通している(吸引兼鉗子挿通管路19、鉗子チャンネル20、吸引専用管路21、送気管路27、送水管路28等の内部管路とは連通していない)。周知のようにEOG口金33は弁機構33a(図1、図2参照)を具備しており、この弁機構33aの働きによって、常時は全閉して電子内視鏡10の上記内部空間と電子内視鏡10の外部の間の気体及び液体の流れを遮断する。
洗浄用アダプタ35はEOG口金33に着脱自在なアダプタである。洗浄用アダプタ35は、EOG口金33に着脱される公知のEOGキャップ36と、EOGキャップ36の排出口と一体をなす気体貯留用袋(気体貯留部)37とを具備しており、EOGキャップ36の内部空間と気体貯留用袋37の内部空間は互いに連通している。気体貯留用袋37は防水機能を有すると共に洗浄液及び消毒液に対して耐性を有する材料、例えば合成ゴム(シリコンゴム、フッ素ゴム、HNBR等)や樹脂材料(ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル等)によって一体的に成形されており、その内圧の変化に応じて膨縮するものである。
EOGキャップ36の接続口をEOG口金33に接続すると、両者の接続部が水密状態となり、さらにEOGキャップ36が全閉状態にあるEOG口金33の弁機構33aを全開にするので、EOG口金33とEOGキャップ36の間の気体及び液体の流通が可能になる。
次に、電子内視鏡10の使用後に洗浄液を利用して電子内視鏡10の表面を洗浄する要領について説明する。
図5に示すように、洗浄用容器40の内部には比較的高温の洗浄液Lが入れられている。電子内視鏡10はこの洗浄液L内に浸すが、電子内視鏡10を洗浄用容器40に入れる前に電子内視鏡10に対して次の作業を行う。
まず、図1に示すように、内視鏡の作業時には吸引用シリンダ25と送気送水用シリンダ30にはそれぞれ吸引ボタン26と送気送水ボタン31が装着されているが、洗浄前にこれらを吸引用シリンダ25と送気送水用シリンダ30から取り外す。さらに、コネクタ部18の後端部にスリーブ18a及びスリーブ18bを覆いコネクタ部18に水密状態で密着する防水カバー48を被せる(図2参照)。
このように電子内視鏡10が図2の状態になったら、洗浄用アダプタ35のEOGキャップ36をEOG口金33に水密状態で接続し、閉じていたEOG口金33を開放する。この際、気体貯留用袋37は図3及び図4に示すように萎んだ状態にしておく。
この状態で電子内視鏡10を洗浄用容器40に入れて洗浄液Lに浸すと、吸引用シリンダ25、送気送水用シリンダ30、鉗子口22、出口側開口19a、出口側開口27a、出口側開口28a、吸引用シリンダ25及び送気送水用シリンダ30から電子内視鏡10の内部管路(吸引兼鉗子挿通管路19、鉗子チャンネル20、吸引専用管路21等)に洗浄液Lが進入するが、防水カバー48の働きによりスリーブ18a内のライトガイドファイババンドルに洗浄液Lが接触したり、スリーブ18b内の端子に洗浄液Lが接触することはない。
洗浄中に電子内視鏡10の上記内部空間内の気体(空気等)が膨張して該内部空間内の気圧が高まると、上記内部空間内の気体がEOGキャップ36から気体貯留用袋37へ流入し、気体貯留用袋37が徐々に膨張する(図6参照)。
このように本実施形態では電子内視鏡10の上記内部空間内の気体を気体貯留用袋37の内部に逃がすので、上記内部空間内の気圧の上昇を効果的に抑制でき、その結果、電子内視鏡10に過大な圧力が掛かるのを防止できる。
しかも、洗浄用アダプタ35はその構造が簡単なので、製造コストは安価である。さらに、洗浄用アダプタ35のEOGキャップ36をEOG口金33に装着するだけでよいので、本実施形態の洗浄作業は極めて簡単に行うことが可能である。
本発明は内視鏡10は医療用であるか工業用であるか等その用途を問わず適用でき、さらに電子内視鏡ではない内視鏡に適用可能である。
本発明の内視鏡の通常使用時の状態を示す断面図である。 内視鏡の洗浄時における状態を示す断面図である。 内視鏡のコネクタ部に洗浄用アダプタを結合する直前の様子を示す側面図である。 内視鏡のコネクタ部に洗浄用アダプタを結合した状態を示す側面図である。 洗浄用容器内の洗浄液に内視鏡を浸した状態を示す断面図である。 内視鏡の内部空間の内圧が上昇し、内部空間内の気体が気体貯留用袋に流入した状態を示す側面図である。
符号の説明
10 電子内視鏡(内視鏡)
11 挿入部
12 操作部
13 先端部
14 湾曲部
15 可撓管部
16 連結部
17 ユニバーサルチューブ
18 コネクタ部
18a スリーブ
18b スリーブ
19 吸引兼鉗子挿通管路
19a 出口側開口
20 鉗子チャンネル
21 吸引専用管路
22 鉗子口
23 キャップ
23a スリット
24 吸引口金
25 吸引用シリンダ
26 吸引ボタン
27 送気管路
27a 出口側開口
27b 入口側開口
28 送水管路
28a 出口側開口
28b 入口側開口
29 送気送水口金
30 送気送水用シリンダ
31 送気送水ボタン
33 EOG口金(弁付き開口)
33a 弁機構
35 洗浄用アダプタ
36 EOGキャップ
37 気体貯留用袋(気体貯留部)
40 洗浄用容器
48 防水カバー
L 洗浄液

Claims (2)

  1. 内視鏡を洗浄液中に浸して該内視鏡の表面を洗浄する際に用いられる内視鏡の洗浄用アダプタであって、
    上記内視鏡に設けた該内視鏡の内部空間と外部空間とを連通すると共に常時は閉じている弁付き開口に接続し該弁付き開口を開放する接続口、及び排出口を備えるキャップと、
    上記排出口に水密状態で連通する気体貯留部と、を備えることを特徴とする内視鏡洗浄用アダプタ。
  2. 請求項1記載の内視鏡洗浄用アダプタにおいて、
    上記気体貯留部が内圧の変化に伴って膨縮する袋である内視鏡洗浄用アダプタ。
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