JP4772450B2 - 内視鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、体腔内等に挿入部を挿入して内視鏡検査を行う内視鏡に関する。
近年、挿入部を挿入することにより検査対象部位を光学的に観察することができる内視鏡は、医療用分野などにおいて広く用いられるようになった。
医療用分野においては、挿入部を体腔内に挿入して、挿入部の先端部に設けた照明光学系及び観察光学系により、患部等の検査対象部位を光学的に観察する内視鏡検査に利用される。
また、内視鏡検査においては、必要に応じてチャンネル(管路)内に処置具を挿通して、検査対象部位の組織を切除し、切除した組織を体外に回収して病理検査を行う場合もある。
切除した組織を体外に回収する場合、処置具とともに(内視鏡)挿入部を体外に抜去する方法もあるが、挿入部を抜去及び再挿入する操作は手間及び時間ががかかる場合がある。
このため、例えば特開平6ー54853号公報の従来例には、内視鏡の手元側の吸引コネクタとこの吸引コネクタが接続される吸引ポンプとの間に組織回収用のフィルタを配置して、吸引ポンプによる吸引により管路内を通した組織をフィルタで回収する構成が開示されている。
特開平6ー54853号公報 実開昭62−74804号公報
上記従来例では、内視鏡の挿入部の先端から手元側の吸引コネクタまでの全長に渡って吸引管路内をポリープ等の組織を通過させなければならないため、長い管路を通過させるために回収に時間がかかる欠点がある。
また、操作部における吸引管路の途中には、吸引の切替操作を行う吸引切替弁(或いは吸引ボタン)が設けてあり、この吸引切替弁の周辺部には屈曲部や狭窄部があり、組織の円滑な移動が妨げられて回収までに時間がかかったり、組織を変形や損傷させてしまう可能性がある。
なお、実開昭62−74804号公報には、処置具挿入口を囲むように組織回収用のフィルタを設けた内視鏡が開示されているが、この公報では吸引切替弁が設けられた位置よりも後方側にフィルタが配置された構成となっているため、上述したように吸引切替弁の周辺部の屈曲部や狭窄部の影響を受ける可能性がある。
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、長い管路による欠点を解消し、かつ吸引切替弁の周辺部の影響を受けることなく、組織回収ができる内視鏡を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも吸引管路の途中に吸引切替弁が設けられた内視鏡において、組織回収用の編目状のフィルタを設けたフィルタ本体と、このフィルタ本体を着脱自在に収納するフィルタケースとを有する組織回収用フィルタ部を備え、前記組織回収用フィルタ部を、前記吸引管路弁よりも先端側の吸引管路の途中に設けられたフィルタ部装着部に着脱自在に設けて構成したものであって、前記組織回収用フィルタ部を前記吸引管路の前記フィルタ部装着部に装着したときに、前記フィルタ本体が前記吸引管路内の組織を回収する位置に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、長い管路を通すことなく、かつ吸引切替弁の周辺部の影響を受けることなく、組織回収ができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1ないし図7を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1に示すように、内視鏡装置1は、撮像手段を内蔵した実施例1の電子内視鏡(以下、単に内視鏡と略記)2と、この内視鏡2に照明光を供給する光源装置3と、内視鏡2から出力される撮像信号を信号処理する信号処理装置4と、この信号処理装置4から出力される映像信号を画面上に表示するカラーモニタ5と、吸引の動作を行う吸引ポンプ6aを内蔵した吸引装置6とから構成されている。
内視鏡2は、細長の挿入部7と、この挿入部7の後端側に連設された太幅の操作部8と、この操作部8の側部から延設されたユニバーサルケーブル9とを備え、ユニバーサルケーブル9の端部にはコネクタ10が設けられており、このコネクタ10は光源装置3に着脱自在で接続される。
また、このコネクタ10には、ユニバーサルケーブル9内に挿通された後述する吸引側管路32の手元側後端となる吸引コネクタ(吸引口金)10aが設けてあり、この吸引コネクタ10aは吸引チューブ6bを介して吸引装置6に接続される。
挿入部7は、先端側から硬質の先端部11と、この先端部11の後端に形成され、湾曲自在の湾曲部12と、この湾曲部12の後端に形成され、長尺で可撓性を有する軟性部(可撓部)13とからなり、この軟性部13の後端は、操作部8の前端に連結されている。この軟性部13の後端外周にはテーパ形状にした折れ止め部14が設けてある。
挿入部7、操作部8、ユニバーサルケーブル9内には、可撓生を有し、照明光を伝送する機能を有するファイバ束からなるライトガイド15が挿通され、コネクタ10から突出するライトガイドコネクタを光源装置3に接続することにより、光源装置3内の図示しないランプからの照明光がライトガイドコネクタの端面に供給される。
このライトガイド15によって伝送された照明光は、先端部11の照明窓に固定された先端面から前方に出射され、患部等の被写体を照明する。照明された被写体は照明窓に隣接して先端部11に設けられた観察窓に取り付けた対物レンズ16によりその結像位置に光学像を結ぶ。この結像位置には光電変換する機能を備えた撮像素子として電荷結合素子(CCDと略記)17が配置され、光学像を電気信号に変換する。
このCCD17は、信号ケーブル18の一端と接続され、この信号ケーブル18は、挿入部7内等を挿通されてその後端は、コネクタ10の電気コネクタ19に接続される。この電気コネクタ19は、外部ケーブル20を介して信号処理装置4に接続される。
この信号処理装置4内にはドライブ回路21が設けてあり、このドライブ回路21から出力されるCCDドライブ信号は、CCD17に印加される。CCD17は、CCDドライブ信号が印加されることにより、光電変換された撮像信号を出力し、この撮像信号は、信号処理装置4内の信号処理回路22に入力される。そして、この撮像信号は、信号処理回路22により信号処理されて、標準的な映像信号に変換する。この標準的な映像信号は、カラーモニタ5に入力され、内視鏡画像表示領域5aにCCD17により撮像された内視鏡画像がカラー表示される。
先端部11に隣接して設けられた湾曲部12は、リング形状の多数の湾曲駒24が、隣接する湾曲駒24と上下、左右に対応する位置でリベット等で互いに回動自在に連結して構成され、最先端の湾曲駒24或いは先端部11に固着された湾曲ワイヤ25の後端は、操作部8内のスプロケット26に連結され、このスプロケット26の軸には湾曲操作を行う湾曲操作ノブ27が取り付けられている(図1では簡単化のため、上下、或いは左右方向のみの湾曲機構の概略を示す)。
そして、この湾曲操作ノブ27を回動する操作を行うことにより、上下方向或いは左右方向に沿って配置した1対の湾曲ワイヤ25の一方を牽引、他方を弛緩させて牽引した湾曲ワイヤ25側に湾曲部12を湾曲させることができるようにしている。
操作部8には、湾曲操作ノブ27が設けられた位置より前方側に把持部28が設けられ、術者は把持部28を把持した片方の手(の把持に使用していない親指等の指)で湾曲操作ノブ27の操作等を行うことができるようにしている。
また、挿入部7内に設けられた処置具側管路30の後端側は、把持部28の前端付近に設けた処置具挿入部31において、ユニバーサルケーブル9側から操作部8を経て前方側に延出された吸引側管路32の先端側と略平行に配置され、両開口端が分離(分断)された管路分離部33が形成されている。
そしてこの管路分離部33を形成した処置具挿入部31には、処置具の挿入を可能とすると共に、挿入されない場合には閉塞状態に保持する鉗子栓の機能と、組織回収のフィルタ機能とを備えたフィルタユニット34が着脱自在に装着される。
このように本実施例の内視鏡2においては、挿入部7内には、処置具を挿通するための処置具側管路30が形成されており、この処置具側管路30は、挿入部7の後端付近に設けられた処置具挿入部31内部において、斜め後方側に延出され、その後端は、処置具側口金35の(処置具側口金)開口部35aとして開口する。
この処置具側口金35の開口部35a(図2、図5等参照)には、フィルタユニット34における処置具用栓部(鉗子栓部と略記)41(図4、図5等参照)が装着され、この鉗子栓部41の後端側から処置具が挿入される。
また、管路分離部33には、操作部8側から延びる吸引側管路32の先端側部分が処置具側管路30の後端側と略平行に配置され、処置具側口金35に隣接してその先端の吸引側口金36の(吸引側口金)開口部36a(図3、図5等参照)が開口している。
この吸引側口金36の開口部36aには、フィルタユニット34における組織回収用のフィルタ部42(図3,図5等参照)が装着される。
なお、図1は、管路分離部33及びフィルタユニット34の概略を示すものであり、図1においては、紙面内に処置具側口金35と吸引側口金36とを隣接して示しているが、実際には、図1の紙面に垂直な方向に隣接して形成されている(図5、図6参照)。
また、操作部8における側面には、この操作部8内に挿通された吸引側管路32の途中部分に配置され、吸引しない状態(吸引OFFと略記)と吸引状態(吸引ONと略記)とを切り替える吸引切替弁37が設けてある。
この吸引切替弁37は、操作部8の側面に設けた筒体内に内筒38をスライド自在に配置して形成されている。この筒体における底面の開口には、吸引装置6に接続されるユニバーサルケーブル9側から延出された吸引側管路32の先端が連結され、またこの筒体の側面の開口には処置具挿入部31側から後方に延びる吸引側管路32の後端が連結されている。
また、内筒38は、その内側部分がユニバーサルケーブル9側から延出された吸引側管路32と連通して、吸引切替弁37が操作されない吸引OFF状態の場合には、内筒38の上端側の側部に設けた開口部38aにより外部に連通している。
従って、吸引動作状態に設定されている吸引ポンプ6aは、吸引切替弁37が吸引OFF状態の場合には、開口部38aから空気を取り込むのみで、この吸引切替弁37より先端側の吸引側管路32を通しての吸引動作は行わない。
ユーザが、この吸引切替弁37を、図示しないバネの弾性力に抗して押圧して筒体の底部側に押し込む操作を行うことにより、上記開口部38aは、外部に連通する状態から処置具挿入部31側から延びる吸引側管路32の後端と連通する状態に切り替えられる。 この状態では、吸引状態に設定されている吸引ポンプ6aにより、吸引切替弁37より先端側の吸引側管路32を通して吸引動作を行う状態になる。このように吸引切替弁37を操作することにより、吸引ON/OFF状態を切り替えられるようにしている。
次に図2ないし図7を参照して、本実施例における処置具挿入部31の周辺部の構成及びこの開口端に着脱自在に装着されるフィルタユニット34の構成を詳細に説明する。
図2は、処置具挿入部31における処置具側口金35に沿った縦断面による内部構造を示し、図3は処置具挿入部31における吸引側口金36に沿った縦断面による内部構造を示し、図4は図2のA矢視方向から見たフィルタユニット34周辺部を一部を断面として示し、図5は、図2のB−B断面により処置具側口金35及び吸引側口金36周辺部の断面構造を示し、図6は組み付けた状態のフィルタユニット34を示し、図7は分解した状態のフィルタユニット34を示す。
なお、図4は組織の回収を行わない状態に設定した状態で示し、図5は組織を回収する状態に設定した状態での断面を示す。
図2に示すように挿入部7側から把持部28内に延出され、処置具が挿通される管路(チャンネル)の機能と、吸引により流体や組織等が通る吸引管路の機能を持つ処置具側管路30を形成する処置具挿通チューブ44の後端は、接続口金45を介して屈曲された処置具側パイプ46の先端と水密及び気密的に接続されている。
この処置具側パイプ46の後端側は、操作部8の外装部材47内に設けられたフレーム48の上面に設けた開口部付近において、固定部材49により固定されている。この固定部材49は、その先端部分がねじ50によりフレーム48に固定され、この固定部材49の後端側に形成された筒部49a内に処置具側パイプ46の後端が嵌入して固定されている。
また、この処置具側パイプ46の後端が固定されたこの筒部49aには、処置具挿入部31の外装部材31a内に直管状に配置された処置具側口金35の先端がゴム製のパッキン51を介装して水密及び気密的に連結されている。
この処置具側口金35は、挿入部7の軸方向から斜め後方側に向けて配置され、この処置具側口金35の後端外周の凹部には、水密及び気密用のOリング54が配置され、外装部材31aとの間に配置した固定用の樹脂部材52を介して外装部材31aに固定される。
この樹脂部材52は、外装部材31aの内面に嵌合し、この樹脂部材52の外周及び内周の凹部には水密及び気密用のOリング53が配置される。そして、処置具側口金35の後端外周面の雄ねじ部に螺合するナット55により、水密及び気密的に固定される。なお、ナット55の上端面はゴムカバー56で覆われている。
処置具側口金35の後端部は、処置具挿入部31の外装部材31aの斜め後方側に突出する端面から若干突出し、その後端の処置具側口金開口部35aで開口している。
図2に示すこの処置具側口金35における紙面に垂直な上方向には、この処置具側口金35に隣接して図3及び図5に示すように吸引側管路32の先端側が処置具挿入部31内に設けられている。
操作部8側の吸引側管路32を構成する吸引側管路用チューブは、屈曲された吸引側パイプ61の後端に接続口金62を介して水密及び気密的に連結される。
この屈曲された吸引側パイプ61も、固定部材59の後端側に形成された筒部59a内に吸引側パイプ61の先端を嵌入して固定されている。
また、この吸引側パイプ61の先端が固定されたこの筒部59aには、処置具挿入部31の外装部材31a内に配置された吸引側口金36の後端がゴム製のパッキン64を介装して水密及び気密的に連結されている。
この吸引側口金36の先端側は、上述した樹脂部材52を介して外装部材31aに固定される。この吸引側口金36の先端側部分の外周面に設けた凹部には、水密及び気密用のOリング65が配置されている。なお、樹脂部材52の外周面は、前述したOリング54により水密及び気密が保持される。
この吸引側口金36の先端側の外周面には雄ねじ部が設けてあり、ナット66による螺合により、樹脂部材52の段差部を押圧して外装部材31aに固定している。このナット66の上端面は、ゴムカバー67で覆われている。
この吸引側口金36における先端側の内周面は、段差状に拡径にされた拡径部が形成されており、この拡径部には、フィルタユニット34におけるフィルタケース68の基端の小径円筒部68aが挿入されて着脱自在に装着される。
この小径円筒部68aの外周面には周溝が設けてあり、この周溝にはパッキン69が収納されている。
次にこのフィルタユニット34の構造及びこのフィルタユニット34が装着された場合の処置具挿入部31付近の構成を説明する。
図5に示すように処置具挿入部31の後端面から突出する処置具側口金35の開口部35aにはフィルタユニット34の鉗子栓部41を構成する略筒体形状の鉗子栓部本体71の基端の装着部が着脱自在に装着される。
この鉗子栓部本体71は、後端付近には小さく開口する小径開口部71aが設けられており、その後端には鉗子栓72が着脱自在に装着される。
この鉗子栓72は、半球形状の凹部を設けて処置具を挿入する処置具挿入口72aが形成され、この半球形状の凹部を覆う薄肉部の中央には切り込み72bが設けてあり、通常は閉塞状態を保持し、外部から処置具が押圧するように挿入することにより、切り込み72bが開口する逆止弁のような機能を持つ。
また、この筒体形状の鉗子栓部本体71における軸方向の中央付近には、この軸方向と直交する方向に貫通する貫通孔が設けてあり、一方の側方からフィルタケース68における側方に延出した筒体部68bが挿入されて、この筒体部68b部分が、貫通孔内に装着されている。
なお、この筒体部68bの外周には、鉗子栓72に接続されたリング74が遊嵌され、鉗子栓72が、鉗子栓部本体71から取り外された場合にもリング74によりこの筒体部68b周辺に保持できるようにしている。
また、この貫通孔には、他方の側方から管路切替ノブ75の基端側の筒体部75aが上記筒体部68bの内側に嵌入された状態で回転自在に装着される。なお、この管路切替ノブ75には、鉗子栓部本体71に嵌入される入り口付近の位置に、リブ75fが形成されている。これにより、管路切替ノブ75が鉗子栓部本体に嵌入された際に、水密お及び気密的にシールされるようになっている。
この管路切替ノブ75には、筒体部75aの後端付近の位置において、その軸方向に直交する方向に貫通孔が設けてあり、図5に示す装着状態においては、この貫通孔は、処置具挿入口72aと処置具側口金開口部35aとの間を連通する処置具挿入管路75bの機能を持つ。
なお、この管路切替ノブ75を図5の状態から90度回転した場合には、この管路切替ノブ75の貫通孔による処置具挿入管路75bは、鉗子栓部本体71の内壁面により閉塞され、処置具側口金開口部35aは、この回転された管路切替ノブ75により処置具挿入口72a及び以下に説明するフィルタ側管路75eとを遮断する状態となる。
図5に示したように連通した状態においては、処置具挿入口72aから図示しない処置具を挿入することにより、この貫通孔による処置具挿入管路75b、処置具側口金35、処置具側パイプ46を経て処置具挿通チューブ44側に処置具の先端側を挿通することができる。
また、この連通した状態においては、処置具側口金35は、この処置具挿入管路75bを経て筒体部75aの内側により形成されるフィルタ側管路75eと連通すると共に、このフィルタ側管路75eに連通するフィルタ部42内を通って吸引側口金36側とも連通する。
フィルタ部42のフィルタケース68には、その後端側開口からフィルタ77aを取り付けたフィルタ本体77が回動自在かつ着脱自在に装着される。このフィルタ本体77には、例えば正方格子状(網目状)に小さな開口を形成して、液体や気体を透過させ、所定サイズ以上のポリープ片等の組織回収を行うフィルタ77aが一体的に設けている。
このフィルタ77aのフィルタ面は、円筒状のフィルタケース68の軸方向と平行に配置され、フィルタ側管路75eの端部のフィルタ側開口部75cに対向するように配置される。
また、このフィルタ77aは、その底部に略円板形状の底面77bを設けて、このフィルタケース68内に回収した組織を収納する組織収納室(組織回収室)68cを形成している。なお、フィルタ面は、円筒状のフィルタケース68の中心軸から偏心した位置に設けてあり、図5に示す回動位置において、大きなスペースの組織収納室68cが形成される。
つまり、図5に示した連通した状態では、フィルタユニット34におけるフィルタ部42を組織回収を行う回動位置に設定した状態で示している。
この状態では、フィルタ側管路75eに対向する組織収納室68cの容積が大きくなるようにしている。
なお、フィルタ部42のフィルタケース68は、外から内部のフィルタ77aや回収(収納)された組織を視認し易いように透明な部材で形成され、かつフィルタ77aも体内組織の通常の色と区別し易い、例えば青系統の色に着色してある。
また、フィルタケース68を洗浄液中等で洗浄する場合、洗浄液中にあることが視認し易いようにその一部に無色以外の着色部を形成したり、着色されている部材が設けてある(例えば小径円筒部68aの外周面に設けたパッキン69を黒色等にしたものでも良い)。
上記フィルタ本体77には、フィルタ77aを設けた位置より後端側の外周面には、周溝を設けてシール用のOリング78が収納されている。また、このフィルタ本体77の後端に設けたフィルタ位置切替ノブ77cは、フィルタケース68の開口端より突出し、着脱操作や回動操作を行い易くしている。
なお、図5に示すように、連通する状態においては、フィルタ側管路75eの端部のフィルタ側開口部75cの周縁部の一部(図5においては下端)がフィルタケース68の内部に突出するようにして、フィルタケース68からフィルタ本体77が取り外されるのを規制する抜け止め端部75dが形成されている。
この状態から管路切替ノブ75を90度回転することにより、抜け止め端部75dは、フィルタケース68内に突出する状態から筒体部68b内に退避した状態となり、フィルタケース68からフィルタ本体77を取り外すことができるようになる。
また、実施例においては、図5に示す連通状態のフィルタ位置からフィルタ位置切替ノブ77cを略90度程度回転して、図4に示すように、組織を回収しない位置に設定することにより、フィルタ77aを通さないで吸引することができるようにしている。
つまり、図4に示すように、フィルタケース68に設けた三角のマーク68dの位置に、フィルタ本体77に設けた三角のマーク77fの位置を合わせて組織を回収しないOFFの位置に設定すると、図7において略円板形状の底面77bに示した(L字形状の)切り欠き77dが、フィルタ側管路75eに近い位置に形成できるようにしている。
そして、吸引状態にした場合には、この切り欠き77dを経て吸引された体液等をフィルタ77aを通すことなく吸引側口金36側に導くことができるようにしている。
なお、フィルタ本体77には、図6及び図7に示すようにフィルタ77aを回収位置に設定するガイド用のON及びその回転方向を示すラベルが設けてあり、術者は、このフィルタ本体77のフィルタ位置切替ノブ77cを、ONのラベルに沿った方向に回動して回動が規制される位置まで回動することにより、図5に示した組織回収を行うフィルタ位置に設定できるようにしている。
また、フィルタユニット34は、図7に示す分解状態において、鉗子栓部本体71の右側からフィルタケース68における(鉗子栓72のリング74が遊嵌された)筒体部68bが挿入して装着された後、左側から管路切替ノブ75の筒体部75aが挿入されてこの筒体部68bの内側に装着される。
また、この鉗子栓部本体71の後端から鉗子栓72が装着される。また、フィルタケース68の後端の開口部には、フィルタ本体77が装着されて図6に示すフィルタユニット34のように一体的に組み立てることができる。
そして、この組み立てられたフィルタユニット34におけるフィルタ部42の基端の小径円筒部68aを吸引側口金36の開口部36aに嵌挿し、また鉗子栓部41を基端をその弾性を利用して処置具側口金35の先端の開口部35aに被せるように作業を行うことにより、フィルタユニット34を図4に示すように着脱自在に装着することができる。 このような構成による本実施例においては、内視鏡2の操作部8の吸引切替弁37よりも先端側の吸引に使用される吸引管路(この吸引管路は、処置具側管路30と吸引側管路32を総称するものである)の途中に、組織回収用のフィルタユニット34を着脱自在に設けていることが特徴となっている。
また、本実施例では、組織回収用のフィルタユニット34を装着して吸引動作により組織を吸引することができる状態に設定した場合には、管路切替ノブ75の先端の抜け止め端部75dにより、フィルタ本体77が取り外されるのを規制する取り外し規制機構を形成している。
そして、この状態から管路切替ノブ75を90度回転することにより、組織収納室68cよりも先端側の管路、具体的には処置具側口金35の後端の開口部35aを閉塞すると共に、上記取り外し規制を解除して、フィルタ本体77の取り外しができる着脱機構を形成していることも特徴となっている。
つまり、吸引動作により組織を回収できる状態から、管路切替ノブ75を90度回転することにより、組織収納室68cよりも先端側の管路、具体的にはフィルタ側管路75eが閉塞される。この閉塞によりフィルタ本体77を取り外しする際にフィルタケース68部分が外部に開口(大気開放)する状態になるのを防止できるようにしている。そして、この閉塞により、内視鏡検査中においても、フィルタ本体77を取り外す前に吸引を行って体腔内圧を低下させる作業を不要にして、フィルタ本体77の着脱を簡単に行えるようにしている。
また、本実施例では、処置具が挿通される吸引管路部分よりも吸引コネクタ10a側、つまり処置具側管路30よりも後端側の吸引側管路32の途中に、組織回収用のフィルタユニット34を設けていることも特徴となっている。
このような構成による本実施例の作用を説明する。
図1に示すように内視鏡2の処置具挿入部31にフィルタユニット34を装着して、術者は、この内視鏡2を患者の体腔内に挿入する。
そして、術者は、挿入部7の先端部11に設けた撮像手段により、患部等の検査対象部位を観察視野内に入れ、撮像された画像をカラーモニタ5により観察できる状態に設定する。
そして、術者は、患部のポリープ等の組織を採取して病理検査しようと思う場合には、フィルタユニット34における処置具挿入口72aから切除用の処置具の先端側を挿入する。そして、ポリープ等の組織を切除する。
切除した組織を回収して検査を終了する場合には、そのまま内視鏡2の先端から突出した処置具を組織を把持したまま、内視鏡2を体内から抜去すれば良いが、切除した組織を回収後も、検査を継続して行う場合には、処置具を処置具側管路30から抜去する。
そして、吸引切替弁37を操作して吸引状態にする場合には、フィルタ本体77のフィルタ77aが図5に示すように組織回収を行う位置に設定しておく。
すると、挿入部7の長手方向に設けられた処置具側管路30における先端開口から切除された組織を処置具側管路30内に吸引することができる。
吸引された組織は、フィルタ部42の組織収納室68cに収納することができる。この場合、体液等は、フィルタ77aの小さな孔を通して吸引ポンプ6a側に導き、図示しない吸引トラップ容器等に収納することができる。
吸引切替弁37を操作して、組織収納室68c内に組織を回収(収納)できた場合には、図5に示す状態から管路切替ノブを90度回動して、処置具側口金35の開口部35aを閉塞した状態にした後、フィルタ本体77をフィルタケース68から引き離す操作を行うことにより、フィルタユニット34からフィルタ本体77を取り外すことができる。そして、フィルタ本体77のフィルタ77aに付着して回収された組織を、病理検査に使用することができる。
この場合、本実施例によれば、処置具を挿入する処置具挿入部31付近、つまり、吸引切替弁37よりも先端側の位置にフィルタ77aを設けているので、吸引により組織を処置具側管路30内を通す場合の管路長を短くでき、管路内を通す際に組織が変形等を受ける可能性を小さくできると共に、短時間に所望とするだけの組織を回収できる。
また、吸引切替弁37よりも先端側にフィルタ77aを配置しているので、吸引切替弁37付近における狭窄部や屈曲部の影響を受けることも解消できる。つまり、吸引切替弁37付近で組織の通過性が低下したりして回収に時間がかかることを解消できると共に、組織が変形したり損傷する可能性も解消できる。
また、本実施例においては、内視鏡2に対してフィルタ77a部分をフィルタ本体77から着脱自在に設けているので、組織を回収して病理検査するまでの作業を簡単かつ円滑に行うことができる。
また、本実施例によれば、処置具を挿入する処置具側口金35の基端側に隣接する吸引側口金36に、フィルタ77aを設けたフィルタ本体77を着脱自在にしているので、フィルタ本体77を装着した状態においても、処置具を挿通して処置具による処置を行うこともできる。
図8は、本発明の実施例2の内視鏡2Bにおける操作部周辺部の概略の構成を示す。本実施例の内視鏡2Bは、実施例1の内視鏡2において、処置具側パイプ46に分岐部を設け、一方を処置具側口金35に連結し、他方を略直管形状にした吸引側パイプ61に連結させた構造にしている。
また、吸引切替弁37よりも先端側におけるこの吸引側パイプ61の途中には操作部8の側部から組織回収用フィルタケース81を着脱自在に装着できるようにしている。
操作部8には、この操作部8の軸と直交する方向で、吸引側パイプ61を横断する例えば直方体形状の貫通孔が設けてあり、この貫通孔には直方体形状のフィルタケース81が深さ方向にスライド自在に収納される。なお、この貫通孔より先端側の吸引側パイプ61を61aで、貫通孔よりも後方側の吸引側パイプ61を61bで示す。
このフィルタケース81には、直方体の長手方向を直交する(横断する)ように2つの貫通孔82a、82bが吸引側パイプ61の内径以上の間隔で設けてある。第1の貫通孔82aには、網目状のフィルタ83aを取り付けた筒体形状のフィルタ部材83が挿脱自在に収納されている。また、第2の貫通孔82bは、吸引側パイプ61の内径と同じ程度の貫通孔にしてある。なお、直方体体形状のフィルタケース81は、気密及び水密の機能を有するゴム製の部材で形成されている。
そして、図8に示すように第1の貫通孔82aを吸引側パイプ61aと61bとを連通する状態に設定して、吸引切替弁37を操作して吸引状態にすることにより、フィルタ83aにより組織の通過を阻止して組織を収納できるようにしている。
また、図8の状態からフィルタケース81の下端側を押圧してフィルタケース81を貫通孔内で上方側に移動し、第2の貫通孔82bを吸引側パイプ61aと61bとを連通する状態に設定することにより、フィルタ83aを取り付けたフィルタ部材83を、フィルタケース81から取り外すことができるようにしている。
このような構成による本実施例による作用を説明する。
組織の回収を行う場合には、図8に示す状態に設定し、吸引切替弁37を操作して吸引動作状態に設定することにより、吸引された組織はフィルタ83aによる網目により通過が阻まれてこのフィルタ83a付近に収納される。
そして、所定量の組織が回収できた場合には、フィルタケース81の下端を押圧して移動し、フィルタ部材83が操作部8の外部の取り外し可能な位置にまで移動することにより、フィルタ部材83をフィルタケース81から取り外すことができると共に、この状態においては第2の貫通孔82bが吸引側パイプ61a、61bを連通する状態になり、通常の吸引動作も支障なく行える。
また、フィルタケース81を図8の状態から図9の状態に移動する最中においては、フィルタケース81における第1の貫通孔82aと第1の貫通孔82bとの間の部分で少なくとも先端側の吸引側パイプ61aの開口端が外部に開口(大気開放)されないようにしている。
本実施例によれば、処置具を挿入する処置具挿入口となる位置よりも組織回収用のフィルタケース81を装着した状態においても処置具による挿通を既存の内視鏡のように使用できる。
また、本実施例によれば、組織の回収を簡単に行うことができる。また、本実施例の場合にも、吸引切替弁37周辺部に影響されることなく、組織の回収ができる。
さらに本実施例によれば、既存の内視鏡の場合にも、操作部8内の構造を変更することにより実現できる。
次に図10を参照して変形例を説明する。図10は、変形例の内視鏡2Cの一部を示す。この内視鏡2Cにおいては、例えば挿入部7の後端付近のテーパ状に太くされている折れ止め部14付近に、フィルタケース81Bを着脱自在に設けている。
つまり、折れ止め部14には、その長手方向と直交する方向で、処置具挿通パイプ44′を横断するように貫通孔が設けられ、フィルタケース81Bがスライド自在に装着される。
このフィルタケース81Bは、実施例2におけるフィルタケース81において、第2の貫通孔82bを設けてない構造と同様な構造にしている。
そして、組織を回収する場合には、図8と同様に図10に示すような状態に設定すれば良い。また、フィルタケース81Bからフィルタ部材83を取り外す場合には、矢印で示すように例えばフィルタケース81Bを上方側に移動して、フィルタ83aを取り付けたフィルタ部材83を取り外すことができる。
組織を回収しない場合には、フィルタ部材83を取り外したフィルタケース81Bを図10に示す状態に設定すれば処置具を挿通する等して使用することができる。また、吸引により流体の吸引排出等を行うこともできる。
この他の変形例として、例えば挿入部7の先端部11にフィルタを取り付けたフィルタ部材を設けるようにしても良い。
{付記]
1.請求項1において、前記組織回収用フィルタ部は、前記吸引切替弁より先端側となる操作部に設けられる。
2.請求項1において、前記組織回収用フィルタ部は、挿入部における後端付近に着脱自在に設けられる。
3.請求項1において、前記組織回収用フィルタ部は、組織回収用の網目形状のフィルタを具備する。
4.請求項1において、前記組織回収用フィルタ部は、組織回収用の網目形状のフィルタを設けたフィルタ本体と、該フィルタ本体を着脱自在に収納するフィルタケースとからなる。
吸引切替弁よりも先端側の吸引管路の途中に吸引により組織を回収する組織回収用フィルタ部を設けているので、内視鏡検査の際に、ポリープなどの部位から組織を採取して病理検査を行いたい場合、組織の採取等を円滑に行うことができる。
本発明の実施例1の内視鏡を備えた内視鏡システムの全体構成図。 実施例1の内視鏡における処置具挿入部における処置具側口金に沿った内部構造を示す縦断面図。 処置具挿入部における吸引側口金に沿った内部構造を示す縦断面図。 図2のA矢視方向から見たフィルタユニットの周辺部を示す図。 図2のB−B断面により処置具側口金及び吸引側口金周辺部の構造を示す断面図。 組み付けた状態のフィルタユニットを示す斜視図。 分解した状態のフィルタユニットを示す斜視図。 本発明の実施例2の内視鏡における操作部周辺部の概略の構成を示す図。 図8において、フィルタ部材を取り外し可能な位置までフィルタケースを移動して状態を示す図。 変形例における折れ止め部周辺部の概略の構成を示す図。
符号の説明
1…内視鏡装置
2…内視鏡
6…吸引装置
6a…吸引ポンプ
7…挿入部
8…操作部
10…コネクタ
11…先端部
12…湾曲部
13…軟性部
28…把持部
30…処置具側管路
31…処置具挿入部
31a…外装部材
32…吸引側管路
33…管路分離部
34…フィルタユニット
35…処置具側口金
35a…(処置具側口金)開口部
36…吸引側口金
36a…(吸引側口金)開口部
37…吸引切替弁
38…内筒
41…鉗子栓部
42…フィルタ部
44…処置具挿通チューブ
45…接続口金
46…処置具側パイプ
47…外装部材
48…フレーム
49…固定部材
49a…筒部
51…パッキン
52…樹脂部材
55…ナット
59…固定部材
59a…筒部
61…吸引側パイプ
62…接続口金
68…フィルタケース
68b…筒体部
68c…組織収納室(組織回収室)
71…鉗子栓部本体
72…鉗子栓
72a…処置具挿入口
75…管路切替ノブ
75a…筒体部
75b…処置具挿入管路
75c…フィルタ側開口部
75d…抜け止め端部
75e…フィルタ側管路
75f…リブ
77…フィルタ本体
77a…フィルタ
77c…フィルタ位置切替ノブ
77d…切り欠き

Claims (4)

  1. 少なくとも吸引管路の途中に吸引切替弁が設けられた内視鏡において、
    組織回収用の編目状のフィルタを設けたフィルタ本体と、このフィルタ本体を着脱自在に収納するフィルタケースとを有する組織回収用フィルタ部を備え、前記組織回収用フィルタ部を、前記吸引管路弁よりも先端側の吸引管路の途中に設けられたフィルタ部装着部に着脱自在に設けて構成したものであって、
    前記組織回収用フィルタ部を前記吸引管路の前記フィルタ部装着部に装着したときに、前記フィルタ本体が前記吸引管路内の組織を回収する位置に配置されることを特徴とする内視鏡。
  2. 前記組織回収用フィルタ部は、前記吸引切替弁よりも先端側で、かつ処置具が挿通される部分よりも後方側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記組織回収用フィルタ部は、前記内視鏡に着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  4. 前記組織回収用フィルタ部は、処置具が挿入される処置具挿入口より先端側となる吸引管路の途中に着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
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