JP2002031626A - 糖化ヘモグロビン分析計 - Google Patents

糖化ヘモグロビン分析計

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JP2002031626A
JP2002031626A JP2001138955A JP2001138955A JP2002031626A JP 2002031626 A JP2002031626 A JP 2002031626A JP 2001138955 A JP2001138955 A JP 2001138955A JP 2001138955 A JP2001138955 A JP 2001138955A JP 2002031626 A JP2002031626 A JP 2002031626A
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JP2001138955A
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Kazuhide Yoshikawa
和秀 吉川
Shigeo Yamagishi
茂夫 山岸
Takanori Matsuno
隆則 松野
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サンプリングの各段階で試料や希釈洗浄液を吸
引排出するポンプを高速動作させることが可能で、一試
料あたりの前処理に要する時間を著しく短縮することが
できる糖化グリコヘモグロビン分析計を提供すること。 【解決手段】ヘモグロビン成分を分離する分離カラム、
分離された成分を検出する検出器、溶離液を供給する送
液ポンプ及び分析試料を分析部に供給するサンプリング
部を具備する液体クロマトグラフィーによる糖化ヘモグ
ロビン分析計において、前記サンプリング部が、サンプ
ル注入バルブ及び電磁弁を含まず、ロータリー式の流路
切り替えバルブの切り替えにより流路を形成するように
構成した流路切り替え機構とから構成されることを特徴
とする、糖化ヘモグロビン分析計。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体クロマトグラフ
ィーを用いた糖化ヘモグロビン分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の糖化ヘモグロビン分析計は、ヘモ
グロビン成分を分離する分離カラム、分離された成分を
検出する検出器、溶離液を供給する送液ポンプ及び分析
試料を分析部に供給するサンプリング部等から構成され
ている。糖化ヘモグロビン分析計をはじめとする臨床検
査機器は、試料である血液等によるオペレーターのウイ
ルス感染等を未然に防止する観点から、血液を採取した
採血管をそのまま分析装置にセットし、そこから分析装
置が自動的に試料を採取し分析に供する方式が多く取ら
れるようになっている。
【0003】しかし、糖化ヘモグロビン分析においては
分析対象が赤血球中のヘモグロビンであり、血液中に非
常に高濃度で含有されているため、そのまま直接液体ク
ロマトグラフィー分析に供することはできない。そのた
め、分析に際してはあらかじめ血液試料を100倍程度
に希釈する必要がある。そのため従来の糖化ヘモグロビ
ン分析計においては、数マイクロリットル程度の少量の
血液を採取し分析装置内部で自動的に希釈してから分析
に供するのが一般的である。
【0004】この希釈のために、分析装置の制御手段
(CPU)により制御される、試料や希釈洗浄液の吸引
吐出のためのシリンジユニットと2又は3方電磁弁を複
数組み合わせた流路切り替え機構から構成されるサンプ
リング部が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】複数の電磁弁を組み合
わせた流路切り替え機構を有するサンプリング機構で
は、電磁弁を組み合わせるが故に流路の配管が複雑にな
るという課題がある。また電磁弁には可動部が存在する
ため、メンテナンスが必要な箇所が多くなるという課題
もある。更に、例えば試料吸引用のシリンジと試料容器
の間に複数の電磁弁を配置した場合には、それにより流
路が長くなるために当該流路内のデッドボリュームが大
きくなり、シリンジと試料液面間の流路内の空気容量を
小さくすることが困難なため、貴重な試料の損失が大き
く、微量容量の試料を正確に吸引し難いという課題があ
る。
【0006】また更には、シリンジと試料液面間に複数
の電磁弁を配置すると、電磁弁での吸引抵抗が積算され
るため、シリンジの吸引速度をある一定値以上にあげる
ことが困難であり、場合によっては試料吸引時に流路内
部が一時的に陰圧になってエアが発生し、吸引精度が悪
化するという課題も起こり得る。
【0007】前記のデッドボリュームを小さくするため
に、内径の細い配管でシリンジと電磁弁を接続すること
も可能であるが、この場合にも流路によりもたらされる
吸引抵抗が大きくなることから、前記同様に吸引速度の
上昇の妨げとなったり、吸引精度の悪化という課題が生
じ得る。なお、吸引速度の上昇が困難であるとの課題
は、一試料あたりの分析時間を短縮するためにサンプリ
ング機構全体の動作速度を上げようとする場合にも、こ
れを妨げることになる。
【0008】そこで本発明は、電磁弁を使用せず、単一
のロータリー式流路切り替えバルブのみによって流路を
形成し得る流路切り替え機構装備することで、サンプリ
ングの各段階で試料や希釈洗浄液を吸引排出するポンプ
を高速動作させることが可能で、一試料あたりの前処理
に要する時間を著しく短縮することができる糖化グリコ
ヘモグロビン分析計を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに
至った。前記目的を達成する本願請求項1の発明は、ヘ
モグロビン成分を分離する分離カラム、分離された成分
を検出する検出器、溶離液を供給する送液ポンプ及び分
析試料を分析部に供給するサンプリング部を具備する液
体クロマトグラフィーによる糖化ヘモグロビン分析計に
おいて、前記サンプリング部が電磁弁を含まず、ロータ
リー式の流路切り替えバルブの切り替えにより流路を形
成するように構成した流路切り替え機構とから構成され
ることを特徴とする、糖化ヘモグロビン分析計である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の流路切り替え機構に使用するロー
タリー式の流路切り替えバルブとは、ロータリーバルブ
を利用した流路切り替えバルブである。このロータリー
バルブは、より具体的には流路を接続できるポートが3
以上あり、バルブの回転により内部のロータシールと呼
ばれる流路接続機構が連動回転し、バルブに接続されて
いる流路同士が接続されたり切断されたりする構造を有
するものであれば制限はない。バルブに接続できる流路
の数は3以上であれば制限はないが、流路切り替え機構
をサンプリング機構に組み込み、試料の希釈や、サンプ
リングニードルの洗浄等、洗浄を伴う動作のための流路
を形成する場合、6以上の流路が接続可能で、かつ、う
ち1の流路がバルブの回転により残り5以上の流路のう
ちの1つとのみ接続されるような構造であることが好ま
しい(以下、この1つの流路を(A)と記載することが
ある)。
【0011】本発明の流路切り替え機構は、シリンジポ
ンプやペリスタリテッィクポンプ等、一般的な液体クロ
マトグラフィー装置で使用されているサンプリングのた
めの駆動手段と接続することにより、試料や希釈洗浄液
の吸引・吐出を行うサンプリング機構とすることができ
る。またサンプリングのための駆動手段に加え、例えば
サンプリングニードル、希釈液供給流路、洗浄液供給流
路、希釈ブロック、廃液排出流路等と接続することによ
り、前述したオートサンプラとすることができる。ここ
で、前記サンプリングのための駆動手段は、例えば前記
の流路(A)に接続するのがサンプリング機構全体の構
造を単純化するのに効果的である。前記他の手段は、オ
ートサンプラの作動シーケンスに応じてロータリーバル
ブの最適なポートと接続すれば良い。
【0012】本発明においては、流路切り替え機構中の
ロータリーバルブの駆動方法は特に制限がなく、手動
で、又は、モーターにより自動的な駆動によれば良い
が、例えば液体クロマトグラフィー用のオートサンプラ
に組み込んで使用するのであれば、モーターにより自動
的駆動することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明に基づき液体クロマト
グラフィーによる糖化ヘモグロビン分析計を構成した例
について図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこれ
ら図面に記載された例に限定されるものではない。
【0014】図1は、本発明のグリコヘモグロビン分析
装置の概略図である。溶離液(8)、溶離液切り替え用
電磁弁(9)、溶離液混合ブロック(10)、溶離液送
液ポンプ(11)、試料注入バルブ(12)、ラインフ
ィルター(13)、分析カラム(14)、検出器(1
5)、溶血洗浄液(16)、流路切り替えバルブ(1
7)、シリンジポンプ(18)、マイクロシリンジポン
プ(19)、サンプリングニードル(20)、ニードル
洗浄ブロック(21)、希釈ブロック(22)から構成
されており、流路切り替えバルブは、シリンジポンプ、
溶血洗浄液、ニードル洗浄ブロック、希釈ブロック、サ
ンプリングニードル、送液ポンプ、溶離液混合ブロック
に接続され、流路切り替え機構を構成している。
【0015】グリコヘモグロビンは希釈液で100倍程
度に希釈した血液試料をイオン交換クロマトグラフィー
により分離することにより測定するが、この際のサンプ
リング機構の動作について順に説明する。
【0016】(1)溶血洗浄液の吸引 ロータリーバルブを回転し、ポート3と7を接続する。
シリンジ(18)を駆動することによって一定量の溶血
洗浄液を吸引する。
【0017】(2)血液試料の採取 ロータリーバルブを回転し、ポート1と7を接続する。
サンプリングニードル(20)を血液試料に入れ、シリ
ンジ(19)を駆動することによって一定量の血液をサ
ンプリングニードル内に吸引する。
【0018】(2)サンプリングニードル外壁の洗浄 ロータリーバルブを回転し、ポート6と7を接続してシ
リンジに吸引した希釈洗浄液をサンプリングニードル洗
浄ブロック(21)へ流し、ニードル外壁に付着した余
分な血液試料を洗浄除去する。
【0019】(3)希釈ブロックへの血液試料の排出、
混合 ロータリーバルブを回転し、ポート3と7を接続する。
次に前記と同様にしてシリンジ内に希釈洗浄液を吸引す
る。次にロータリーバルブを回転し、ポート1と7を接
続してシリンジに吸引した希釈洗浄液とともにニードル
内の血液試料を希釈ブロック(22)に吐出する。さら
に、シリンジの吸引排出を2から3回行うことで希釈ブ
ロック内の希釈洗浄液と血液を吸引排出し混合均一状態
にする。
【0020】(4)分析機への試料の導入 希釈ブロック内の希釈された試料の分析機への導入は、
サンプル注入バルブにより行う。定量導入バルブは、サ
ンプリングニードルとそれに接続されたインジェクショ
ンバルブとから構成される。
【0021】(5)洗浄 希釈試料を分析機に導入した後、サンプリングニードル
内部と希釈ブロックを希釈洗浄液により洗浄する。まず
ロータリバルブを回転し、ポート3と7を接続する。次
にシリンジを駆動し、シリンジ内に希釈洗浄液を吸引す
る。その後ロータリーバルブを回転し、ポート1と7を
接続してシリンジ内の希釈洗浄液をサンプリングニード
ルから吐出するこれにより、サンプリングニードルの内
壁を希釈洗浄液で洗浄するとともに、該ニードルを希釈
洗浄液で満たす。次にロータリーバルブを回転し、ポー
ト2と7を接続してシリンジ内を満たした希釈洗浄液を
希釈ブロックに吐出する。なお希釈ブロックはオーバー
フロー構造になっており、希釈試料を含んだ希釈洗浄液
はすべて排出され希釈ブロックは希釈洗浄液で満たされ
る。
【0022】以上の(1)から(5)までの一連の動作
を連続して繰り返すことにより、連続したサンプリング
とグリコヘモグロビンの分析が可能となる。
【0023】図2は本発明に用いることのできるロータ
リーバルブの一例を示す全面図である。このロータリー
バルブは流路を接続するポートを7個有しており、バル
ブの内部が矢印の方向に回転することで、中心のポート
7がポート1から6までのいずれか1つと接続される構
造になっている。
【0024】図3は、図2のロータリーバルブの本体
(23)とそれに接続されたパルスモータ(25)を側
面から図示したものである。バルブ回転軸の延長上には
パルスモータが接続されており、このパルスモータを外
部から制御することによりバルブを任意角度だけ回転さ
せ、中心のポート7を1から6までのポートのうち、任
意のポートと接続させることができる。
【0025】図4は図2のロータリーバルブの内部構造
を示した図である。流路を接続するステータ(27)の
後方には一方向にのみ溝(28)を設けたロータシール
(29)が内蔵されており、このロータシールがシャフ
トの回転と同時に回転することにより、接続されるポー
トが切り替わる構造である。この様な構造のロータリー
バルブは市販されており(例えば米国レオダイン社
等)、容易に入手可能である。なお、図4に示すバルブ
のような内部構造を有するもの以外であっても、本発明
のロータリーバルブとして使用できることは言うまでも
ない。
【0026】図5及び図6は、本願発明の糖化ヘモグロ
ビン分析計ポンプ11として好適なプランジャポンプの
一例を示したものである。プランジャポンプでは、モー
ターの回転をカム等によりプランジャーの往復運動に変
える、往復するプランジャーは、プランジャーシールを
介し、その先端がポンプヘッド内で往復運動する、ポン
プヘッドの内容量がプランジャーの往復に従い増減す
る、ポンプヘッドには入り口と出口にチェック弁と呼ば
れる逆止弁がついており、容量変化により液体が入り口
から出口方向に流れる、という仕組みで液体を送液する
ものであるが、プランジャーがシールを介しポンプヘッ
ドを貫通しているため、使用するうちにシールやプラン
ジャー表面には微細な傷等が生じ、これにより微量の液
体がポンプヘッドの背面方向に漏れることがある。漏れ
る液体自体は微量であるため即座の支障をもたらすもの
ではないが、長期的には漏れた液体に含まれる塩類等が
プランジャーやシール表面に析出し、析出した塩がプラ
ンジャーやシール表面を摩耗させることにより、プラン
ジャーやシールの寿命を著しく短縮する結果となる。
【0027】そこで本願発明では、前記サンプリング部
の洗浄に使用される洗浄液を用いて、プランジャポンプ
も洗浄することが特に好ましい。つまり、本願発明にお
ける溶血洗浄液(16)としては、例えば、精製水や少
量の界面活性剤(例えば0.01%(V/V)程度のT
ritonX−100)を含有するものが使用される
が、これをプランジャポンプの洗浄液として共用するの
である。
【0028】この本願発明の好適な態様では、洗浄液
は、サンプリング部を介して送液するが、送液は、サン
プリング部のシリンジポンプ等の送液手段により行う。
つまり、サンプリング部の切り替えにより、洗浄液をサ
ンプリング部に導く流路とプランジャポンプに導く流路
とるのである。
【0029】図5はプランジャポンプを断面図で示した
ものである。送液されるべき液体はプランジャの往復運
動によりチェック弁(30)から流入し、(31)から
送液される。本願発明に使用するプランジャポンプで
は、更に、洗浄用の洗浄水流路配管(32)及び(3
3)が接続される。
【0030】図6は、図5のAで示した部分の拡大図で
ある。洗浄液が流れるのは図中(34)で示した空間で
あり、図中右側のプランジャ動作機構部とはダイアフラ
ム(35)で、また分析の流路とはプランジャシール
(36)で各々隔たれており、洗浄液が接続した流路配
管(32)及び(33)の外へ漏れ出さないように構成
されている。
【0031】図7は以上に説明した洗浄方法をより具体
的に説明するためのものである。シリンジポンプ(3
7)に接続される流路はロータリーバルブ(38)によ
り切り替えられる。ポンプのプランジャー洗浄は、まず
洗浄液(39)がシリンジポンプ(37)により吸引さ
れ、次に流路がポンプ洗浄ライン(バルブ流路番号5)
に切り替わり吸引した洗浄液がポンプ洗浄ラインを通っ
てポンプ(40)を洗浄し排出される。通常このような
洗浄操作は装置の起動時と終了時に実施すれば十分であ
るため、分析時に洗浄動作は行わず、洗浄ラインは洗浄
液で満たすようにしても良い。
【0032】ところで、本願発明の分析計は、血液試料
を取り扱うものであるが、ウイルス等による作業者の感
染を防止する観点から、採取した血液を採血管から特別
の試料容器に移し替えることなく、そのまま試料容器と
して、図8に示したようなラック上に載置し、ラックを
連続的又は間欠的に移送しつつ自動的に本願発明のサン
プリング部まで導入することが好ましい。ここで、分析
に際しては分析機器等の校正や精度管理のために標準試
料やコントロール試料もまた用いられるが、これらは採
血管とは異なる、容量が1から2ml程度のポリプロピ
レン製等の容器に入れるのが普通である。また、血液で
あっても、被検者が乳幼児等であるときには成人と同等
量の血液を採取することは困難であるため、通常の採血
管等は使用せず注射器で血液等を採取し、これを上記の
ような容量の少ない容器に入れてラック上に載置するの
が一般的である。
【0033】分析装置においては、血液試料を保持した
容器がラック上に載置されてサンプリング部に到達する
と、予め決定された作動シークエンスに従って測定に要
する一定量の試料を吸引し、分析を行えば良いのである
が、採血管と容量が1から2ml程度のポリプロピレン
製等の容器はその寸法や形状が異なるため、これらの種
類が異なる容器を混在した状態で移送すると、容器の種
類によって試料液面高さや容器開口から底面までの距離
が異なることから、試料吸引用ノズルの下降制御等の動
作シーケンスに支障が生じてしまうことになる。
【0034】そこで本願発明では、ラックの移送手段と
図9及び図10に示したような試料容器識別装置を装備
する分析装置により、分析を自動的に行う装置を提供す
ることが可能となる。図9及び図10は、試料容器の識
別装置をラックの移送方向手前からみた様子を示すもの
で、ラック(41)とラック上に載置された容器(採血
管)(43)、そして2個のアクチュエーター式マイク
ロスイッチ(44及び45)を装備し、容器の、ラック
本体より上部に飛び出している部分の高さの違いを識別
するために取り付け高さを変えてアクチュエーター式マ
イクロスイッチを配置している。本例では、アクチュエ
ーター式マイクロスイッチを上下(容器の移送方向と垂
直な方向)に2個並列配置して、移送される容器を瞬時
にして識別し得るようにしている。アクチュエーター式
マイクロスイッチは、容器が載置されていない状態では
オフ(オン)の状態にあり、容器が移送されてアクチュ
エーターが水平方向に約30度以上傾くとオン(オフ)
の状態になる。ラックの移送により、その上に載置され
た容器がアクチュエーター式マイクロスイッチが配置さ
れた位置に移送されると、容器のラック本体より上部に
飛び出している部分の高さが他の容器(48)よりも高
い容器(43)が移送された場合には、2個のアクチュ
エーター式マイクロスイッチの両方がオン(オフ)の状
態となる、容器のラック本体より上部に飛び出している
部分の高さが他の容器(43)よりも低い容器(48)
が移送された場合には、2個のアクチュエーター式マイ
クロスイッチのうち、下側に取り付けられたものがオン
(オフ)の状態となり、上側に取り付けられたものはオ
フ(オン)の状態のままとなる。
【0035】例えば、採血管と市販のサンプルカップ
(日立自動分析機703用サンプルカップ等)では、前
者が(43)の容器、後者が(48)の容器に該当す
る。従って、2個のアクチュエーター式マイクロスイッ
チからの出力を観察することにより、移送された容器が
(43)又は(48)の容器のいずれかに該当するの
か、或いは容器がラック上に載置されていないのかを検
知することが可能となるから、この出力により分析装置
を制御して所定の作動シークエンスを開始することが可
能となる。なお、ラックの形状によっては、図中のアク
チュエーター式マイクロスイッチをラック下部に取り付
ける例を例示できる。
【0036】図11は、図9及び図10に示した識別の
様子を装置背面からみた様子を示すもの(ただし、識別
装置自体は90度回転した状態で記載してある)であ
り、矢印はラック(41)の進行方向を示している。ラ
ック上には二種類の容器(43)及び(48)が載置さ
れているが、ラックの移送により、容器(48)、容器
(48)、容器(43)、容器(43)そして容器(4
3)の順に移送される。容器(48)がアクチュエータ
ー式マイクロスイッチ(44及び45)の正面を通過す
る際には、下側のアクチュエータ(47)のみが作動
し、容器(43)が通過する際は上下両方のアクチュエ
ーター(46及び47)が作動する。これにより、ラッ
ク上に載置された容器を容易に識別することができる。
【0037】アクチュエーターとしては、識別しようと
する容器種の数と同数か、又はそれ以上の数のアクチュ
エーター式マイクロスイッチを用いることが好ましい。
単にn種の容器を識別するのであればn−1個のアクチ
ュエーター式マイクロスイッチを用いることで目的を達
成することが可能であるが、n以上個のアクチュエータ
ー式マイクロスイッチを用いることにより、n種の容器
の識別に加え、ラック上に容器が載置されていないこと
をも検知することが可能となる。2個以上のアクチュエ
ーター式マイクロスイッチを使用する場合のこれらの配
置について、スイッチを固定しておき、試料容器を移送
する場合を例に説明すると、試料容器の移送方向と同方
向にスイッチを直列に配置し、移送される試料容器が全
てのアクチュエーター式マイクロスイッチを通過した段
階で識別したり、容器の移送方向と垂直な方向にこれら
を並列配置して移送される容器を瞬時にして識別するこ
とが例示できるが、一般的には、識別装置を小型化し
得、かつ、分析装置全体の作動シークエンス簡略化とい
う観点から、後者の並列配置によりラック上に載置され
た容器を瞬時に識別することが特に好ましい。後述する
ように、識別装置(悪寿エーター式マイクロスイッチ)
を移送したり、両者を相対的に移送する場合の例につい
ても、上記と同様である。
【0038】アクチュエーター式マイクロスイッチの具
体的な配置は、容器の寸法・形状の違いを識別できる位
置を、ラック上に載置しようとする容器種から決定すれ
ば良く、特に制限はない。例えば取り付け高さを変えて
アクチュエーター式マイクロスイッチを配置し、容器の
ラック本体より上部に飛び出している部分の高さの違い
を識別したり、容器の太さを識別することが例示でき
る。
【0039】アクチュエーター式マイクロスイッチは、
ラック上に載置する(又は載置される可能性のある)容
器の寸法及び/又は形状に合わせて、容器の有無により
オンオフできるものであれば特に制限はないが、多様な
寸法・形状の容器への適応性や調整が容易であることな
どを考慮すると、レバー式又は軽トルク回転動作式のマ
イクロスイッチが好適である。レバー式としては例えば
市販のもの(SS−01型マイクロスイッチ、商品名、
オムロン(株)製)が例示でき、軽トルク回転動作式と
しても市販のもの(D2MC型マイクロスイッチ、商品
名、オムロン(株)製)が例示できる。
【0040】また上記説明したラックは、その形状や載
置可能な容器数に関して特別の制限はななく、例えば容
器を1本だけ載置するようなラックであっても、複数の
容器を載置するようなラックであっても良い。例えば、
血液試料を採取するための真空採血管を1又は複数個載
置するラックを例示できる。このようなラックの具体例
として、市販のラック(シスメックス標準ラック、シス
メックス(株)製)が例示できる。この市販のラック
は、直径が12から15mm程度の採血管やそれに類し
た形状の容器を1から10本程度載置することが可能で
ある。なお上記説明においては、試料容器を直線上に載
置するラックを例示したが、例えば円周上に複数の容器
を載置し得る、いわゆるターンテーブルのようなものも
使用できる。
【0041】上記説明した識別手段による識別の対象と
なり得る容器は、試料を保持する容器であれば前記した
ポリプロピレン製等の容器や真空採血管のほか、特に制
限なく使用することができる。上記市販のラックに適合
する容器として、例えば高さが75から100mm程
度、直径が12から15mm程度の真空採血管を使用す
ることが一例として上げられるが、かかる真空採血管と
しては、例えば市販のもの(ベノジェクトII、商品
名、テルモ(株)製)等を例示できる。真空採血管以外
の容器としては、例えば市販のサンプルカップ(日立自
動分析機703用サンプルカップ、φ17×38mm、
ユニフレックス(株)製)等を例示できる。
【0042】なお、識別のためには、試料容器を、少な
くとも識別装置に装備されるアクチュエーター式マイク
ロスイッチをオン、オフし得ように移送するか、又は、
識別装置(アクチュエーター式マイクロスイッチ)を、
容器によってオン、オフされ得るように移送する。また
或いは、容器によってアクチュエーター式マイクロスイ
ッチがオン、オフされ得るように試料容器及び識別装置
(アクチュエーター式マイクロスイッチ)を相対的に移
送することもできる。分析装置全体の構成を簡便にする
には、本発明の識別装置を固定しておき、ラックを移送
することによってラックに載置された容器が識別装置の
アクチュエーター式マイクロスイッチをオン、オフし得
るようにすることが特に好ましい。またラック及び/又
は識別装置の移送は、連続的移送又は間欠的移送のいず
れでも良いが、識別結果により、異なる試料吸引ノズル
の作動シークエンスを適宜選択して開始する等、分析装
置全体としての制御を容易とするためには、間欠的移送
が特に好ましい。
【0043】
【発明の効果】従来の電磁弁の組み合わせに変えてロー
タリーバルブを採用したことによって、従来の機構と比
べ、より精度の高いサンプリングを可能とする流路切り
替え機構を装備したサンプリング部を具備する本発明の
糖化ヘモグロビン分析計によれば、サンプリングの各段
階で試料や希釈洗浄液を吸引排出するポンプを高速動作
させることも可能になり、一試料あたりの前処理に要す
る時間を著しく短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく糖化ヘモグロビン分析装置の流
路構成の概略を示したものである。
【図2】ロータリーバルブを前面から図示したものであ
る。
【図3】バルブ本体とそれに接続されたパルスモータを
側面から図示したものである。
【図4】図4は、ロータリーバルブの内部構造を示した
図である。
【図5】図5は、プランジャーポンプの一例を断面図で
示したものである。
【図6】図6は、図5におけるAで示した部分の拡大図
である。
【図7】図7は、プランジャーポンプの洗浄機構構成の
概略を示したものである。
【図8】図8は、ラックの一例を示す図である。
【図9】図9は、識別装置による識別の様子の一例を示
す図である。
【図10】図10は、識別装置による識別の様子の一例
を示す図である。
【図11】図11は、識別装置による識別の様子の一例
を示す図である。
【符号の説明】
1 バルブ流路1番、2 バルブ流路2番、3 バルブ
流路3番、4 バルブ流路4番、5 バルブ流路5番、
6 バルブ流路6番、7 バルブ流路7番、8溶離液、
9 溶離液切り替え用電磁弁、10 溶離液混合ブロッ
ク、11 溶離液送液ポンプ、12 試料注入バルブ、
13 ラインフィルター、14 分析カラム、15 検
出器、16 溶血洗浄液、17 流路切り替えバルブ、
18シリンジポンプ、19 マイクロシリンジポンプ、
20 サンプリングニードル、21 ニードル洗浄ブロ
ック、22 希釈ブロック、23 流路切り替えバルブ
(側面)、24 回転位置検出センサ、25 パルスモ
ーター、26 固定金具、27 ステータ、28 ロー
タシールの溝、29 ロータシール、30 チェック弁
(吸引側)、31 チェック弁(吐出側)、32、33
洗浄液配管接続部、34 プランジャー洗浄隔室、3
5 ダイアフラム、36 プランジャーシール、37
シリンジポンプ、38 ロータリーバルブ、39 洗浄
液ボトル、40 送液ポンプ、41 ラック本体、42
容器押さえ、43 試料容器(採血管)、44 アク
チュエーター式マイクロスイッチ(上側)、45 アク
チュエーター式マイクロスイッチ(下側)、46 アク
チュエーター(上側)、47 アクチュエーター(下
側)、48 試料容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願2000−142266(P2000−142266) (32)優先日 平成12年5月9日(2000.5.9) (33)優先権主張国 日本(JP) Fターム(参考) 2G052 AA30 AA39 AB16 AD06 AD46 CA35 DA02 DA12 FC07 GA27 HB04 HC04 JA07 2G058 CA02 CA04 CB15 EC07 FB05 FB12 GA14 GC05 GE01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘモグロビン成分を分離する分離カラム、
    分離された成分を検出する検出器、溶離液を供給する送
    液ポンプ及び分析試料を分析部に供給するサンプリング
    部を具備する、液体クロマトグラフィーによる糖化ヘモ
    グロビン分析計において、前記サンプリング部が電磁弁
    を含まず、ロータリー式の流路切り替えバルブの切り替
    えにより流路を形成するように構成した流路切り替え機
    構から構成されることを特徴とする、糖化ヘモグロビン
    分析計。
  2. 【請求項2】更にラック上に載置された容器を移送する
    手段とラック上に載置された容器種を識別する手段とを
    有する、請求項1の糖化ヘモグロビン分析計。
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