JP3866857B2 - 全血血球免疫測定装置における反応液攪拌機構 - Google Patents

全血血球免疫測定装置における反応液攪拌機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、免疫測定を行う免疫測定部と血球計数測定を行う血球計数測定部とを備え、これら両測定部において同じ全血試料を用いると共に、免疫測定の結果を血球計数測定によって得られたヘマトクリック値を用いて補正するようにした全血血球免疫測定装置における反応液攪拌機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
体内で起こる炎症の有無やその程度、その経過などを観察する手法として炎症マーカーがある。この炎症マーカーの代表的なものとしては、白血球数、血沈値、急性期蛋白、血清蛋白文画値、血清シアル酸などがあり、これらを組み合わせて測定し、炎症の診断に役立てられている。この中で、特に白血球数と急性期蛋白であるC−反応性蛋白(CRP)の測定は、炎症や感染症の診断に有益であるが、これらを同時に測定する装置は従来は無く、前者は血球計数装置を、後者は免疫測定装置をそれぞれ用いて個別に測定されていた。
【0003】
しかしながら、上記血球計数装置および免疫測定装置を用いて個別に測定を行う場合、測定に用いるサンプル(検体)は前者においては全血であり、後者においては主として血清である。そして、検体として全血を得る場合、抗凝固剤入りの状態とこれが無い状態で別々に採血する必要がある一方、血清は血液凝固までの時間待ちと遠心分離を行う必要があるため、前記手法は、小さな医院や診療所、遠隔地の診療所、休日診療所、緊急検査室などのように、専門の検査技術者を常時確保できない施設では不向きである。
【0004】
これに対して、全血で測定できる免疫測定装置もあるが、全血を検体とした場合、目的の免疫測定項目が血球中に存在せず、血清・血漿中にのみ存在した場合、個体差の比較的大きなヘマトクリット値の変動分に起因する誤差が生ずることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の全血血球免疫測定装置は、従来技術のこのような問題点を解決するために、本発明者らが研究開発し、既に、特願平9−279963号として提案済みである。この全血血球免疫測定装置によれば、次の利点がある。
▲1▼免疫測定の結果を血球計数測定によって得られたヘマトクリック値を用いて補正するので、全血を検体としているにもかかわらず、精度の良い免疫測定が可能である。
▲2▼全血で血球計数と免疫項目の測定を同時に行えるため、検体の取扱いは全血のみでよく、血清分離の必要がないとともに、採血後短時間で測定に入ることができ、専門の検査技術者でなくても容易に測定を行うことができる。
▲3▼上記▲2▼の結果として、炎症や感染症の緊急および早期診断に特に有用であるとともに、小医院や診療所、遠隔地の診療所、休日診療所、緊急検査室などにおいても、所望の検査を行うことができる。
▲4▼プローブユニット部、演算・制御部および表示・出力装置などを血球計数測定と免疫測定とに共通して使用することができ、従来の個別に設けていたものに比べて共通化できる分だけコストダウンを図ることができる。
【0006】
この発明は、上記の全血血球免疫測定装置を更に改良発展せしめたものであって、免疫測定に用いる液移動用の定注器を利用して、免疫測定用の試薬および全血試料を効率よく攪拌でき、装置構成のコンパクト化、簡略化に寄与する反応液攪拌機構を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明では、免疫測定を行う免疫測定部と血球計数測定を行う血球計数測定部とを備え、これら両測定部において同じ全血試料を用いると共に、免疫測定の結果を血球計数測定によって得られたヘマトクリック値を用いて補正するようにした全血血球免疫測定装置において、反応液攪拌機構を次のとおりに構成している。即ち、免疫測定用の試薬および全血試料を収容する試料受容セルの底部に流路を介して免疫測定用のフロー測光セルを接続し、当該フロー測光セルの出口側の流路に三方電磁弁を介して液移動用の定注器を接続し、免疫測定に先行して、定注器で試料受容セル内の反応液を試料受容セルとフロー測光セルとにわたって前後に往復移動させることにより反応液の攪拌を行うようにしている。
【0008】
上記構成の反応液攪拌機構によれば、三方電磁弁がフロー測光セルと定注器を連通させ、且つ、試料受容セルに免疫測定用の試薬および全血試料を収容した状態で、液移動用の定注器が複数回、摺動して、試料受容セル内の反応液を試料受容セルとフロー測光セルとにわたって前後に往復移動させると、試料受容セルと流路の接続部、フロー測光セルの入口および出口で、夫々、流路断面が変化しているので、反応液には、流路断面が変化するこれらの部位で乱流が生じ、攪拌が効率よく行われることになる。
【0009】
また、試料受容セル内にプロペラ等の回転子を挿入して反応液の攪拌を行う場合であれば、回転子を洗浄するための手段や回転子を試料受容セルに出し入れする手段と、それらの設置スペースが必要である上、これらの駆動による機械的振動がフロー測光セルによる光学的測定に悪影響を及ぼす可能性が大きいが、上記の構成によれば、反応液を前後に往復移動させるだけであるから、機械的振動による悪影響がなく、しかも、免疫測定に用いる液移動用の定注器を利用して液の往復移動を行っており、定注器が免疫測定時の液移動と、攪拌時の液移動とに兼用されているので、装置構成のコンパクト化、簡略化が可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1〜図8は、この発明に係る反応液攪拌機構が採用された全血血球免疫測定装置の一例を示す。
【0011】
まず、図2は、側面パネルを取り外した状態で示す全血血球免疫測定装置の斜視図であり、図3はこの全血血球免疫測定装置の全体の構成を概略的に示す図である。図4は全血血球免疫測定装置の要部を上方から見た図であり、図5は全血血球免疫測定装置の要部の構成を概略的に示す図である。
【0012】
これらの図において、1は装置ケースで、その前面部2側には、検体としての全血3を収容した検体容器4をセットするための検体セット部5が内方に凹んだ状態で形成されている。6は、検体セット部5を開閉する扉7によって構成された測定キーであり、扉7を閉めることによりオン(スイッチON)となるように構成されている。前記扉7は、下端側を支点に前後方向へ揺動して開閉するように構成されており、扉7の内側には、サイズの異なる検体容器4を選択してセットできるように上面に複数の穴を形成した検体容器ホルダー8が上下軸芯周りで回転自在で且つ扉7と一体に前後方向へ揺動することが可能な状態に設けられている。
【0013】
そして、装置ケース1の側面部9の下方には、前面部2に近い側から順に、免疫測定を行う免疫測定部10と血球測定を行う血球計数測定部11が前面側から見て一直線状に配置されているとともに、複数の電磁弁12aからなる電磁弁部12が設けられている。また、側面部9の上方には、検体セット部5と血球計数測定部11との間を、一直線上に配設された免疫測定部10と血球計数測定部11に沿うようにして直線的に移動するサンプリング機構としてのプローブユニット部13が設けられている。
【0014】
図3において、14は定注器、15は希釈液容器、16は溶血試薬容器、17は液排出用のポンプであり、これら15〜17はいずれも電磁弁部12に接続されている。18はポンプ17に接続された廃液容器である。
【0015】
前記免疫測定部10は、この実施の形態においては、ラテックス免疫比濁法によってCRP(急性期蛋白であるC−反応性蛋白)を測定するように構成されている。すなわち、図3、図5において、19は上面の開口した試薬受容セルであり、試料受容セル19の底部には、両側に発光ダイオードからなる光照射部20aとフォトダイオードからなる光検出部20bを備えたCRP測定用のフロー測光セル20が流路21を介して接続されている。当該フロー測光セル20の出口側の流路22には、三方電磁弁12bを介して液移動用の定注器23が接続されている。三方電磁弁12bの下流側は前記電磁弁部12を介して前記ポンプ17に接続されている。24,25,26はCRP測定に用いられる試薬を収容した試薬容器で、それぞれ、溶血試薬(以下、R1試薬という)、緩衝液(以下、R2試薬という)、抗ヒトCRP感作ラテックス免疫試薬(以下、R3試薬という)が収容されている。
【0016】
前記試薬受容セル19および試薬容器24〜26は、検体セット部5における検体容器4のセット位置に対して一直線状に配置され、これら19〜26は、ソレノイド27によって上下方向に揺動する蓋28によって一括して開閉されるように構成されている。また、29は例えばペルチェ素子よりなる電子冷却器30を備えたクーラーボックスで、図示例では試薬R2,R3の入った試薬容器25,26が収容されている。
【0017】
また、前記定注器23は、CRP測定時に、試料受容セル19内の反応液(免疫測定用の試薬および全血試料)をフロー測光セル20へ流通させる作用を司るだけでなく、試料受容セル19やフロー測光セル20等とで、次のような反応液攪拌機構を構成している。すなわち、図1に示すように、試料受容セル19に反応液が収容された状態で、定注器23が、CRP測定に先行して、数回、摺動することにより、試料受容セル19内の反応液を試料受容セル19とフロー測光セル20とにわたって前後に往復移動させるように構成してある。
【0018】
より詳しく説明すると、定注器23は、その摺動ストロークが制御されるように構成されており、試料受容セル19内に、R1試薬、R2試薬、および検体(全血)3が収容された時点で、それらの総量L1 に対応して設定されたストロークaだけ、定注器23が数回(例えば、3回)、前記三方電磁弁12bがフロー測光セル20と定注器23を連通させた状態において、摺動することにより、反応液を前後に往復移動させて、一回目の反応液の攪拌を行い、反応液にR3試薬が加えられた時点で、それらの総量L2 に対応して設定されたストロークb端まで定注器23が数回(例えば、3回)、摺動することにより、反応液を前後に往復移動させて、二回目の攪拌を行うように構成してある。
【0019】
尚、CRP測定時には、定注器23がストロークb端まで一回だけ摺動して、反応液をフロー測光セル20に流通させるようになっている。定注器23のストロークや流路21、22の長さは、定注器23がストロークb端まで摺動した際、流路21、22内にある反応液の最前端Pが、三方電磁弁12bよりも上流側(三方電磁弁12bとフロー測光セル20の間)に位置し、最後尾Qがフロー測光セル20よりも上流側(図示の例では、流路21内で且つ試料受容セル19の出口近く)に位置するように設定されている。そして、この状態で、前記三方電磁弁12bが流路の切り換えを行って、定注器23を遮断すると共に、三方電磁弁12b前後の流路(フロー測光セル20側の流路とポンプ17側の流路)を連通させると、前記ポンプ17が流路内の反応液を吸引して、廃液容器18に排出するように構成してある。
【0020】
この反応液攪拌機構によれば、反応液が試料受容セル19とフロー測光セル20とにわたって前後に往復移動すると、試料受容セル19と流路21の接続部、フロー測光セル20の入口および出口で、夫々、流路断面が変化しているので、反応液には、図1に示すように、流路断面が変化するこれらの部位で乱流が生じ、乱流が生じる部位が多いため、攪拌が効率よく行われることになる。
【0021】
次に、血球計数測定部11は、この実施の形態においては、電気抵抗法により、WBC(白血球数)、RBC(赤血球数)、PLT(血小板数)、MCV(赤血球容積)、Hct(ヘマトクリット値)を、また、シアンメトヘモグロビン法における吸光光度法によりHgb(ヘモグロビン濃度)などをそれぞれ測定するように構成されている。すなわち、図3において、31はWBC/Hgb血球計数測定セル(以下、単にWBCセルという)で、WBCを測定するための測定電極31a,31bおよびHgbを測定するための光照射部31c、受光部31dを備えている。32はRBC/PLT血球計数測定セル(以下、単にRBCセルという)で、RBCおよびPLTを測定するための測定電極32a,32bを備えている。これらのセル31,32は、図4に示すように、免疫測定部10における試薬受容セル19および試薬容器24〜26と一直線になるように配置されている。また、WBCセル31は、後述するサンプリングノズル40を洗浄するための廃液チャンバを兼ねている。
【0022】
さらに、プローブユニット部13は、例えば次のように構成されている。すなわち、図2および図4において、33はノズルユニットで、このノズルユニット33は、垂直に立設されたベース部材34に沿うようにして水平方向に設けられたタイミングベルト35に対して適宜の連結部材36によって固定され、これによって水平方向に往復移動できるように構成されている。
【0023】
より詳しくは、ノズルユニット33は、検体セット部5から血球測定を行う血球計数測定部11までの間で、検体容器4、血球計数測定部11と一直線上に配設された免疫測定部10の試薬容器24〜26、試薬受容セル19、WBCセル31、RBCセル32のほぼ真上を往復移動するように構成されている。37はタイミングベルト35を駆動するためのモータ、38はノズルユニット33に設けられた被ガイド部材39をガイドする一対のガイド部材で、これらはベース部材34に適宜の部材を介して取り付けられている。
【0024】
40はサンプリングノズルで、ノズルユニット33内をタイミングベルト41によって上下方向に移動するノズル保持体42に取り付けられている。このサンプリングノズル40の先端側(下端側)は、ノズルユニット33内に設けられたサンプリングノズル洗浄器43を挿通し、先端部外周が洗浄されるように構成されている。44はタイミングベルト41を駆動するためのモータである。45はサンプリングノズル40がホームポジション位置(定位置)にあるか否かを検出するセンサである。
【0025】
そして、図3において、46は装置の各部を総合的に制御するとともに免疫測定部10および血球計数測定部11からの出力を用いて各種の演算を行う制御・演算装置としてのマイクロコンピュータ(MPU)、47はMPU46からの指令に基づいて電磁弁部12、プローブユニット部13のモータ37,44などに駆動信号を送るドライバ、48は免疫測定部10および血球計数測定部11からの出力信号を処理してMPU46に送る信号処理部、49はMPU46において処理されて得られる結果などを表示する装置で、例えばカラーディスプレイであり、50は出力装置としてのプリンタである。
【0026】
なお、図3において、点線は検体3や各種の試薬などの流れを示し、また、やや太い一点鎖線は制御信号を、細い一点鎖線は測定によって得られる信号の流れをそれぞれ示している。
【0027】
上記構成の全血血球免疫測定装置の動作について、測定手順の一例を示した図6〜図8をも参照しながら説明する。
【0028】
まず、測定キー6をオンする(ステップS1)と、定位置にあるサンプリングノズル40は、R2試薬の位置に移動し(ステップS2)、R2試薬を吸引する(ステップS3)。この試薬吸引の後、サンプリングノズル40は、上方に移動し、サンプリングノズル洗浄器43に供給される洗浄液としての希釈液によってその外面が洗浄される。その後、サンプリングノズル40は、R2試薬の位置に復帰する。
【0029】
次いで、サンプリングノズル40は、R1試薬の位置に移動し(ステップS4)、R1試薬を吸引する(ステップS5)。この試薬吸引の後、サンプリングノズル40は、上方に移動し、サンプリングノズル洗浄器43に供給される洗浄液としての希釈液によってその外面が洗浄される。その後、サンプリングノズル40はR1試薬の位置に復帰する。
【0030】
そして、サンプリングノズル40は、検体セット位置に移動し(ステップS6)、検体容器4内の検体(全血)3をCRP測定のために吸引する(ステップS7)。この検体吸引の後、サンプリングノズル40は、上方に移動し、サンプリングノズル洗浄器43に供給される洗浄液としての希釈液によってその外面が洗浄される。その後、サンプリングノズル40は検体3の位置に復帰する。
【0031】
そして、サンプリングノズル40は、試料受容セル19位置に移動し(ステップS8)、検体3、R1試薬、R2試薬を試料受容セル19内に吐出する(ステップS9)。
【0032】
しかる後、定注器23が、ストロークaだけ、数回、摺動して、一回目の反応液の攪拌を行う(ステップS10)。
【0033】
前記吐出を終わったサンプリングノズル40は、WBCセル31位置に移動し(ステップS11)、内部に残留している検体3、R1試薬、R2試薬を、ポンプ17により供給された希釈液とともにWBCセル31内に吐出する。そして、サンプリングノズル40は、サンプリングノズル洗浄器43に供給される洗浄液としての希釈液によってその外面が洗浄される。この洗浄における廃液は、WBCセル31に受け止められ、ポンプ17により廃液容器18に排出される。再度、サンプリングノズル洗浄器43より希釈液をWBCセル31に供給し、ポンプ17により廃液容器18に排出することにより、WBCセル31を洗浄する。なお、上記廃液の受け止めをRBCセル32によって行うようにしてもよい。
【0034】
前記洗浄が終わったサンプリングノズル40は、検体セット位置に移動し(ステップS12)、検体容器4内の検体3をCBC測定のために吸引する(ステップS13)。この検体吸引の後、サンプリングノズル40は、上方に移動し、サンプリングノズル洗浄器43に供給される洗浄液としての希釈液によってその外面が洗浄される。
【0035】
前記洗浄が終わったサンプリングノズル40は、WBCセル31内に検体3を吐出する一方、希釈液容器15内の希釈液が電磁弁部12を介してWBCセル31内に所定量注入され、CBC検体の一次希釈が行われる(ステップS14)。
【0036】
WBCセル31位置にあるサンプリングノズル40は、前記一次希釈されたCBC検体を所定量吸引して、RBCセル32に移動し(ステップS15)、前記吸引した一次希釈されたCBC検体をこのセル32に吐出する(ステップS16)とともに、希釈液容器13内の希釈液が電磁弁部10を介してRBCセル32内に所定量注入され、CBC検体の二次希釈が行われる(ステップS17)。
【0037】
上記一次希釈、二次希釈を終わった後、溶血剤容器16内の溶血剤が電磁弁部12を介してWBCセル31内に所定量注入され、WBCとHgbの測定が行われる一方、RBCセル32ではRBCとPLTの測定が行われ(ステップS18)、そのときのデータは信号処理部48を経てMPU46に取り込まれる。
【0038】
前記測定が終わると、WBCセル31とRBCセル32は希釈液で洗浄される(ステップS19)。
【0039】
上述したように、前記ステップS11〜S19は、血球計数測定部11においてCBC測定が行われているが、この期間中(約60秒間)は、試薬受容セル19内において、検体3、R1試薬、R2試薬の間で溶血反応が進行するとともに、妨害物質が除去される。
【0040】
そして、CBC測定が終わると、RBCセル32の位置にいたサンプリングノズル40は、WBCセル31の位置に移動し、ポンプ17によって供給された希釈液でWBCセル31内面が洗い流すとともに、サンプリングノズル洗浄器43に供給される洗浄液としての希釈液によってその外面が洗浄される。このときの廃液は、WBCセル31に受け止められ、ポンプ17によって廃液容器18に排出される。そして、再度、サンプリングノズル洗浄器39より希釈液をWBCセル31に供給し、ポンプ17によって廃液容器18に排出することでWBCセル31を洗浄する。その後、サンプリングノズル40は、R3試薬の位置に移動し(ステップS20)、R3試薬を吸引する(ステップS21)。この試薬吸引の後、サンプリングノズル36は試薬受容セル19位置に移動し(ステップS22)、R3試薬を試薬受容セル19内に吐出し(ステップS23)、R3試薬が前記検体3、R1試薬、R2試薬の反応液内に混入される。
【0041】
前記R3試薬の吐出後、サンプリングノズル40は、WBCセル31の位置に移動し、ポンプ17によって供給された希釈液でWBCセル31内面を洗い流すとともに、サンプリングノズル洗浄器43に供給される洗浄液としての希釈液によってその外面が洗浄される。このときの廃液は、WBCセル31に受け止められ、ポンプ17によって廃液容器18に排出される。そして、再度、サンプリングノズル洗浄器43より希釈液をWBCセル31に供給し、ポンプ17によって廃液容器18に排出することでWBCセル31を洗浄する。
【0042】
そして、定注器23が、ストロークbだけ、数回、摺動して、二回目の反応液の攪拌を行い(ステップS24)、免疫反応が生じた時点で定注器23が、再度、ストロークb端まで摺動することにより、反応液をフロー測光セル20へと流通させて、CRP測定が行われ(ステップS25)、そのときのデータは信号処理部48を経てMPU46に取り込まれる。前記測定が終わると、試薬受容セル19は希釈液で洗浄され(ステップS26)、全ての測定が終わる(ステップS27)。
【0043】
前記MPU46においては、血球計数測定部11において行われたCBC測定によって得られたデータに基づいてRBC(赤血球数)、赤血球容積(MCV)、などの測定値が得られる。また、MPU46においては、免疫測定部10において行われたCRP測定によって得られたデータに基づいて、所定時間当たりの吸光度変化を予め既知濃度の血清(または血漿)より求めておいた検量線から、全血中のCRP濃度が得られる。
【0044】
この場合、CRP測定については、CBC測定と同様に検体3として抗凝固剤添加の全血を用いているため、この全血を用いることによって生ずる血漿成分容積誤差を補正する必要がある。そこで、CBC測定によって得られるRBC(赤血球数)と赤血球容積(MCV)とからヘマトクリット値(Hct)を求め、このヘマトクリット値を用いて、CRP測定によって得られる全血中のCRP濃度を、下記の補正式によって補正し、血漿中のCRP濃度を求めるのである。
【0045】
すなわち、全血中のCRP濃度をAとし、ヘマトクリット値をBとすると、血漿中のCRP濃度Cは、
C=A×100/(100−B)
なる式によって求められる。
【0046】
前記MPU46によって得られた各測定値は、例えばMPU46に内蔵されたメモリに記憶される一方、表示装置49に項目別に表示されたり、プリンタ50によって出力される。
【0047】
そして、上述したように、この発明の全血血球免疫測定装置においては、免疫測定部10において溶血および妨害物質除去反応を起こさせている間に血球計数測定部11においてCBC測定を行うようにしているので、CRP測定およびCBC測定のトータル時間を短縮することができるとともに、前述したCRP測定によって得られる結果を、CBC測定によって得られる結果によって行う補正をスムーズに行なえる。
【0048】
図9は、この発明の別の実施の形態を示し、試薬受容セル19とフロー測光セル20を接続する流路21の途中に、流路断面が大きい流路部分21aを設けて、定注器23で反応液を前後に往復移動させた際に生じる乱流の発生箇所を増やし、攪拌効率を一層向上させた点に特徴がある。その他の構成、作用は、図1〜図8で説明した実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
【0049】
【発明の効果】
この発明によれば、免疫測定に用いる液移動用の定注器を利用して、免疫測定用の試薬および全血試料を効率よく攪拌でき、また、試料受容セル内にプロペラ等の回転子を挿入して反応液の攪拌を行う場合であれば、回転子を洗浄するための手段や回転子を試料受容セルに出し入れする手段と、それらの設置スペースが必要である上、これらの駆動による機械的振動がフロー測光セルによる光学的測定に悪影響を及ぼす可能性が大きいが、この発明の構成によれば、反応液を前後に往復移動させるだけであるから、機械的振動による悪影響がなく、しかも、免疫測定に用いる液移動用の定注器を利用して液の往復移動を行っており、定注器が免疫測定時の液移動と、攪拌時の液移動とに兼用されているので、装置構成のコンパクト化、簡略化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る反応液攪拌機構の説明図である。
【図2】全血血球免疫測定装置の一例を、側面パネルを取り外した状態で示す斜視図である。
【図3】前記全血血球免疫測定装置の全体の構成を概略的に示す図である。
【図4】前記全血血球免疫測定装置の要部を上方から見た図である。
【図5】前記全血血球免疫測定装置の要部の構成を概略的に示す図である。
【図6】図7および図8とともに測定手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図6に示した部分に続くフローチャートである。
【図8】図7に示した部分に続くフローチャートである。
【図9】この発明の別の実施の形態を示す反応液攪拌機構の説明図である。
【符号の説明】
10…免疫測定部、11…血球計数測定部、19…試料受容セル、20…フロー測光セル、23…定注器。

Claims (1)

  1. 免疫測定を行う免疫測定部と血球計数測定を行う血球計数測定部とを備え、これら両測定部において同じ全血試料を用いると共に、免疫測定の結果を血球計数測定によって得られたヘマトクリック値を用いて補正するようにした全血血球免疫測定装置において、免疫測定用の試薬および全血試料を収容する試料受容セルの底部に流路を介して免疫測定用のフロー測光セルを接続し、当該フロー測光セルの出口側の流路に三方電磁弁を介して液移動用の定注器を接続し、免疫測定に先行して、定注器で試料受容セル内の反応液を試料受容セルとフロー測光セルとにわたって前後に往復移動させることにより反応液の攪拌を行うようにしたことを特徴とする全血血球免疫測定装置における反応液攪拌機構。
JP11596498A 1998-04-11 1998-04-11 全血血球免疫測定装置における反応液攪拌機構 Expired - Lifetime JP3866857B2 (ja)

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